2003/12/09 出光石油化学
イソパラフィン溶剤の生産受託開始について
弊社(社長:厩橋
輝男、本社:東京都墨田区)は、本年11月より新日本石油化学株式会社(社長:西部
孝、本社:東京都港区)向けに、イソパラフィン溶剤の受託生産(商品名:
新日石化学 アイソゾール、出光石化
IPソルベント)を開始いたしました。
石油化学業界が、原料高,製品安および海外勢との国際競争などの厳しい環境にさらされる中、当社はコスト競争力の強化に努めてまいりました。
しかしながら、当社単独でのコスト削減・合理化も限界に達しており、生産面でより一層の合理化を検討して参りました。
このたび、新日本石油化学株式会社より生産委託の申入れがあり、当社装置の稼動状況も含めて検討した結果、申入れを受諾することといたしました。
なお、イソパラフィン溶剤の販売は、従来通り両社がそれぞれ独自に行います。
カワタ 世界初の高発泡率ポリ乳酸製造技術を開発
http://www.gomutimes.co.jp/dailynews.htm
潟Jワタ(本社=大阪市西区阿波座、太田敏正社長)は12月6日、北京で自社開発したマイクロセルラー発泡(MCF)押出成形システムにより、ポリ乳酸樹脂の世界で初めて40倍発泡成形品の製造技術を開発したと発表した。
MCFプロセスは、二酸化炭素や窒素などの不活性ガスを超臨海状態で樹脂に溶解させ発泡させるもので、微少な気泡径や細密な気泡密度を有する発泡体の成形を特徴としている。
ポリ乳酸は、トウモロコシなどのでんぷんを原料とする植物由来の生分解性プラスチックで、リサイクル可能な自然循環型のエコロジー素材であり、フロンや石油系ガス、化学発泡剤を用いず、不活性ガスのみで発泡させるMCFプロセスと組み合わせることにより、究極のエコロジー発泡体となる。
日刊工業新聞:2003年10月15日
カワタ、PP発泡体の連続製造システムを開発
カワタは発泡倍率25倍のポリプロピレン(PP)発泡体を連続製造する押出成形システムを開発した。PPは半結晶性樹脂のため、発泡成形温度の範囲が狭く製造が困難だった。この問題を微小気泡の生成と気泡数を制御するマイクロセルラー発泡(MCF)技術で解決。精密な温度制御と、PPの結晶化を気泡核の形成促進に利用するなどの独自技術で、連続製造を可能にした。発泡倍率25倍は業界最高クラスという。
現在、発泡体市場の70%がポリスチレンとポリウレタンだが、ポリスチレンは耐熱性や耐油性が低く、ポリウレタンは熱硬化性樹脂のため2次成形やリサイクルができない。PPは双方の欠点を補う素材として注目されていたが、高温では成形時に合泡・破泡が起こり、低温での押出は難しく、高精度の温度制御が必要だった。
日本経済新聞 2004/1/24
高吸水性樹脂生産カ2割増 日本触媒
日本触媒は春に、紙おむつや生理用品などの原料となる高吸水性樹脂の国内生産を強化する。主力工場である姫路製造所(兵庫県姫路市)に新しい設備を導入し、年産能力を2002年度に比べ2割増の17万トン程度まで増強する。需要が増えている欧州などへ販売する。中国や欧州でも増産を進め、世界シェア拡大を目指す。
約20億円を投じて新設備を導入、生産効率も従来比で3割程度高める。既存の設備は来春までに廃棄する予定だが、需要が予想以上に伸びれば継続使用も検討する。生産した樹脂はユニ・チャームや米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などの紙おむつメーカーに販売する。 現在、同社は中国にも新工場を建設中。06年には欧州工場も年産能力を2倍の6万トンに増強する計画で、米国も含めた世界四極体制を構築する。これにより、同年までに海外も含めた高吸水性樹脂の年産能力を、02年度比で約4割増の32万トンに引き上げる。
植物原料プラスチックで最高レベルの難燃性を達成
〜環境に有害なハロゲンやリンを使用せずに石油代替樹脂を実現〜
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=63603
NECはこのたび、環境に有害なハロゲンやリンを成分としている難燃剤を使用せずに、無機物の吸熱剤と独自な特性改良剤を添加することにより、高度な難燃性を有す植物原料バイオプラスチック(ポリ乳酸が主成分)を初めて開発しました。電子機器に広く適用可能な高い難燃性(UL規格で最高レベル達成)と同時に、OA機器の筐体用樹脂として重要な材料特性(耐熱性、成形性、強度等)も現在利用されている繊維強化難燃性ポリカ系樹脂に匹敵する性能を実現しました。今回の開発によってバイオプラスチックの電子機器への適用拡大が可能となり、電子機器の環境調和性を向上できます。
NECが今回開発したバイオプラスチックの特長は、次の通りです。
有害なハロゲンやリンを成分としている難燃剤を使用せず、安全性の高い無機材料の吸熱剤を添加することにより、バイオプラスチックとして高度な難燃性を初めて達成した(UL規格で最高レベルの5VおよびV−0、試験片1.6mm厚)。
独自な特性改良剤(高流動化剤、衝撃改良剤)の併用により、他の主要な実用特性(耐熱性、強度、成形性)も、筐体材料として使用できるレベルを実現した。(デスクトップ型OA機器に使用されている、高耐熱・高強度の繊維強化難燃ポリカ系樹脂並みを達成)。
NECは、本新素材を今後2年以内に電子機器に実用化していく予定であり、さらに研究開発を強化していきます。
<用語解説>
(1) バイオプラスチックとポリ乳酸: バイオプラスチックは、植物資源を原料としたプラスチックであり、石油枯渇対策や、地球温暖化の要因とされている炭酸ガスの固定化対策を実現できる。中でも、トウモロコシ等の発酵で作った乳酸を重合させたポリ乳酸がバイオプラスチチックとして初めて量産化されている。しかし、電子機器用としては、難燃性、耐熱性などが不十分であった。このため、これらの特性の改良が行われているが、特に難燃性の達成が大きな課題であった。
(2) 難燃性: OA機器等の電子機器に使用するプラスチックには、火災防止のため、難燃性が要求されている。この難燃規格としては、現在、米国のUL規格が一般的である。通常のパソコン、プリンター等のOA機器では、この規格でV−0、悪くてもV−1を満足させることが要求されており、これより低い難燃性の場合、そのプラスチックの利用できる用途はかなり制限される。この他、特に高発熱性の機器(液晶プロジェクター等)では、さらに高度な5V達成が要求されている。
★UL規格(94V)概要 : 難燃性は、5V>V−0>V−1>V−2の順で良好
難燃性分類 樹脂試験片の消火時間 溶融樹脂の滴下物で発火
5V
60秒以下(1本) 発火なし
V−0 50秒以下(5本合計) 発火なし
V−1 250秒以下(同上)
発火なし
V−2 250秒以下(同上)
発火あり
5V: 試験片は5本で、12.5cmの長さの炎を5回接炎し(各5秒)、1本の消火までの燃焼時間が60秒以下
V−0〜V−2: 試験片は5本で、2cmの長さの炎を2回接炎し(各10秒)、消火までの5本の合計燃焼時間を測定
(3) 難燃剤: プラスチックは燃えやすいので、通常は難燃剤を添加するが、従来の難燃剤は、ハロゲンやリンなどの安全性が不十分なものを含有するため、環境安全性に課題があった。一方、無機材料の吸熱剤は安全性が高いが、他の特性(強度、流動性等の成形性)への悪影響があった。
2004/2/16 三井化学アクアポリマー/三井化学
高分子凝集剤事業の譲受について
三井化学アクアポリマー株式会社(社長:小澤宏、本社:東京都中央区)は、この度、住友化学工業株式会社(社長:米倉弘昌、本社;東京都中央区)が所有する高分子凝集剤(アニオン・ノニオン系)事業を譲り受けることで同社と合意しましたのでお知らせ致します。
本合意に沿って、三井化学アクアポリマーは2004年3月31日を目処に本事業に係わる営業権を譲り受けます。また、住友化学愛媛工場での生産を停止し、三井化学アクアポリマーの茂原工場に生産を集中することで、コスト競争カの強化を図っていく予定であります。
三井化学(社長:中西宏幸、本社:東京都港区)は中期経営計画の基本戦略として事業の選択と集中を進めており、かねてよりアクりルアマイドモノマー事業及ぴそれを主原料とするポリマー事業の一体運営による更なる事業強化を検討してきました。これを受けて昨年10月に、米国サイテック社との合弁会社である三井サイテック株式会社への出資関係を解消し、三井化学100%出資の三井化学アクアポりマーを設立して三井サイテックの高分子凝集剤事業を引き継ぎました。これにより、三井化学本体のアクリルアマイドモノマー事業と高分子凝集剤事業との一体運営による、事業の強化を進めております。
一方、住友化学は経営資源の選択と集中を進めており、規模およぴ原料面から高分子擬集剤事業の継続可否を検討していました。このような両社の目的が一致したことから、今回の合意に至ったものです。
なお、三井化学アクアポリマーは、住友化学が主カ代理店として販売を行ってきた住友化学100%出資子会社である住化アルケムを、引き続き代理店として起用していく方針であります。
三井化学アクアポリマー株式会社概要
1.会社名 | : | 三井化学アクアポリマー株式会社(Mitsui Chemicals AquaPolymer, Inc.) |
2. 所在地 | : | [本社]東京都中央区日本橋室町4−4−10 [工場]千葉県茂原市東郷1900 |
3.資本金 | : | 4億6千万円 |
4.代表取締役社長 | : | 小澤宏 |
5.出資比率 | : | 三井化学100% |
6.事業内容 | : | 水処理薬品及び水溶性合成樹脂の製造、販売及び研究開発 |
7.年間売上高 | : | 約40億円 |
8,従業員数 | : | 約50名 |
9.生産能カ | : | 11千トン/年 |
2004/2/16 住友化学
高分子凝集剤事業の譲渡について
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/1newsrelease/pdf/20040216.pdf住友化学は、三井化学株式会社の100%出資子会社である三井化学アクアポリマー株式会社に、アニオン系及びノニオン系高分子凝集剤事業を譲渡することで同社と合意いたしました。2004年3月31日を目処に本事業に関する営業権を譲渡いたします。
当社は、個々の事業領域について競争力に着目して取捨選択を行うことにより、「選択と集中」を進めていますが、この度、精密化学部門において高分子凝集剤事業を譲渡し、部門の経営資源を「精密合成技術を基盤としたSynthetic Specialty Chemicals事業」へシフトさせることにいたしました。
なお当社は、当社の100%出資子会社である住化アルケム株式会社を主力代理店としてこれまで販売を行ってまいりましたが、住化アルケムは事業譲渡後も引き続き三井化学アクアポリマーの代理店として、品揃えを充実させ販売を強化していく方針です。
【ご参考】
住化アルケム株式会社概要
1.所在地: 大阪市中央区
2.資本金: 50百万円
3.社長: 吉原眞郎
4.出資比率: 住友化学100%
5.事業内容: アルミニウム、アルミナ、合成樹脂等の製品の販売
6.従業員数: 約30名
エタノールアミン製造設備増強の件
株式会社日本触媒(社長、柳田浩)は、2004年秋の定期整備時に川崎製造所(神奈川県川崎市)のエタノールアミン製造設備を年産1万d増強する。
当社は現在、川崎製造所千鳥工場にエタノールアミン製造設備(生産能力4万d/年)を有しているが、エタノールアミンの需要拡大に対応するため、設備のデボトルネックにより1万d増強し年産能力を5万dへ引き上げる。
当社は2003年4月、自社開発の新規触媒を用いた新生産プロセスへの改造をおこない、エタノールアミン(モノエタノールアミン(MEA),
ジエタノールアミン(DEA),トリエタノールアミン(TEA))の需要拡大に対応してきたが、引き続きMEA、DEAが欧、米、中国を中心に成長が続くと見込まれることから能力増強を決定した。
<新製法の特長>
日本触媒が開発したエタノールアミン新製法は、新規に開発した修飾ゼオライト系触媒により、MEA、DEA、TEAの生成比率を需要に合わせて任意にコントロールできることが最大の特長である。
従来法ではエタノールアミン生成比率はMEA:DEA:TEA=1:1:1で、その比率の大幅な変更ができないのに対し、新規触媒を用いると、エタノールアミンの中で大きな分子であるTEAの生成が抑えられ、MEAとDEAをより多く、特にDEAを通常の2〜3倍生成させることができる。
<エタノールアミンの需要動向>
世界のエタノールアミン需要は2003年110万dから2005年125万dへの伸びが予想されている。主な用途は界面活性剤、農薬(除草剤)、木材用防腐剤、エチレンアミン用原料、及びガス吸収剤等である。
特にMEAは欧米を中心に木材防腐剤向けに、また、DEAは世界のDEA需要の1/3を占めている非選択性除草剤グリホセートの原料として需要が拡大している。
台湾における合弁会社の設立について(アクリル系特殊モノマー・オリゴマーの製造)
http://www.toagosei.co.jp/whatsnew/news/n000627.htm
東亞合成は、台湾の大手UV樹脂メーカーである接昌工業股イ分有限公司(本社:台北市中正区、董事長:劉榮亮)と台湾でUV樹脂等の原料であるアクリル系特殊モノマー・オリゴマーの生産のための合弁会社を設立することで合意しました。東亞合成は、UVインキ・UV塗料・電子情報関連機材等の原料であるアクリル系特殊モノマー・オリゴマーを「アロニックス」のブランド名で製造販売していますが、この分野における日本の原料メーカーとしては初めてアジアに生産拠点を設けることとなりました。
現在、国内のUV樹脂原料の市場は約15,000〜20,000トン/年、アジアの市場も同程度と推定されており、当社の国内シェアは約30%です。UV樹脂は、無溶剤の塗料・インキ等の製造が可能な環境に優しい製品として、今後、日本およびアジアで年率15%程度の大きな需要の伸びが期待されています。
東亞合成は、昨年春、シンガポールでアクリル酸・アクリル酸エステルの製造を開始しましたが、今般、ダウンストリームであるアクリル系特殊モノマー・オリゴマー事業のアジア展開を具体化しました。今後、この合弁会社を生産拠点として、アジアでのアクリル系特殊モノマー・オリゴマー事業を拡大し、将来は潜在需要の大きい中国での生産も視野に入れています。
なお、販売については、現地法人を台北に設立し、アロニックスのほかに、汎用アクリルポリマー、ニューポリマー(UFOポリマー)など積極的な販売展開を図る計画です。
1.社 名 :東昌化学股イ分有限公司(TOA-JET
CHEMICAL CO., LTD.)
2.場 所
:台湾桃園県観音工業団地(接昌工業内)
3.董事長 :未定(東亞合成から派遣予定)
4.設立時期 :2000年12月(生産開始:2001年春)
5.資本金 :15百万NT$(約52百万円)
6.出資比率 :東亞合成 51% 接昌工業 49%
7.事業内容
:アクリル系特殊モノマー・オリゴマーの生産
8.生産能力 :約6,000トン/年
9.売 上 :初年度20億円(3年後30億円)
「アロニックス」中国に新会社
http://www.toagosei.co.jp/whatsnew/news/n031219.htm
東亞合成は、中国・張家港において、紫外線硬化型モノマー・オリゴマー「アロニックス」の製造販売会社を、大日本インキ化学工業と合弁で設立することに合意いたしました。2005年1月に生産を開始し、初年度10億円、5年後に50億円の売り上げを見込んでいます。
東亞合成と大日本インキ化学工業は、大日本インキ化学工業が中国・江蘇省張家港市に建設する「張家港迪愛生化工有限公司」の用地内において、紫外線硬化型モノマー・オリゴマーの製造販売会社「張家港東亞迪愛生化学有限公司」を共同で設立します。
新会社の資本金は420万USドル(約5億円)で、出資比率は東亞合成60%、中国の大日本インキ化学工業グループを統括する傘型企業である迪愛生投資有限公司40%です。投資額は約10億円で、2004年2月に着工し、2005年1月の生産開始を予定しています。生産能力は年産1万トンで、初年度10億円、5年後には50億円の売り上げを見込んでいます。
紫外線硬化型のアクリル系特殊モノマー・オリゴマーは、東亞合成が「アロニックス」の商品名で製造販売しており、国内トップシェアを有しています。近年、UVインキ、UV塗料、レジストインキ、携帯電話の表面コーティング剤、DVDの張り合わせ用接着剤などの原料用途向けに市場が急成長していました。特に中国市場は年率20〜30%の成長が見込まれており、東亞合成と大日本インキ化学工業は、共同で中国市場の開拓にあたります。
この合弁事業により、東亞合成は、アクリル川下事業の強化の一環として、中国市場への進出をはたすとともに、大日本インキ化学工業も、東亞合成より購入していた「アロニックス」の、中国における安定的な調達とUV製品の拡販が可能となります。
董事長には、東亞合成の中川和明アクリル事業部主幹が就任いたします。
2004/03/24 三菱ガス化学
水処理剤事業の再編強化実施
http://www.mgc.co.jp/news/2004/040324.pdf
三菱ガス化学(株)は4月1日を目途に水処理剤事業を強化すべく、子会社を含めた販売・技術サービス体制の一本化を実施いたします。具体的には、当社100%子会社で主に技術サービスを担当しているダイヤ水処理サービス(株)に当社及び販売子会社菱江化学の水処理剤営業チームを移管して集約化を進め、社名を「ダイヤアクアソリューションズ(株)」に変更致します。
水処理剤事業の拡大には顧客に密着した営業と技術サービス業務の強化が不可欠であると判断し、体制の一本化を図る事にしたものです。これにより顧客や代理店の要望に迅速に対応できるようになります。
中期的には、現在主力である空調用をはじめとする水処理剤(ブランド名:デスライム,コントライム)分野で顧客満足度を上げることにより既存顧客との安定的な取引の維持を図りつつ、冷凍機保守企業との提携等の方策により潜在需要を掘り起こし、3年後に販売量の倍増を狙います。
なお、三菱ガス化学の水処理剤事業の特徴は化学品メーカーならではの研究開発力にあることから、今後とも基礎研究は薬品製造とともに三菱ガス化学本体にて行います。
また、三菱ガス化学は既存水処理剤以外にも多くの環境関連薬剤の研究を進めており、随時市場に投入していく予定であります。
【三菱ガス化学水処理剤事業】
売上目標 平成18年度 目標20億円
主な市場 空調用冷却水系
成長製品 空調用冷却水系水処理剤,下水汚泥脱臭剤,その他周辺薬品
新規製品 空調用冷却水系(ノンヒドラジン毒性低減:コントライム・M−1000 シリーズ)
冷温水系(効果長寿命化:コントライム・K−6100 シリーズ)
高COD廃水処理(難分解性対応:ダイヤフレッシュ・オルソン)
2004/4/13 ポリプラスチックス Cyclic Olefins
環状オレフィン・コポリマー「TOPAS®」の販売開始について
ポリプラスチックス株式会社(本社:東京都千代田区、社長:神村安正)は、このたびチコナ社(本社:ドイツ
ケルスターバッハ、社長:リンドン・コール)との間に販売契約を締結し、同社が製造した環状オレフィン・コポリマー(COC:
Cycloolefine Copolymer)『TOPAS®』(商標:トパス®)の日本およびアジア・太平洋地域における輸入・販売事業に参入することといたします。
<経緯>
ポリプラスチックスは、昨年始めから『TOPAS®』の日本市場における事業性の検討を行なって参りましたが、この度、液晶ディスプレイ、レンズ等の光学デバイス分野において急成長が見込まれる他、包装材料分野及び医療・検査機器分野等、幅広い産業分野において大きな成長が期待されることから、チコナ社との間に本格的な輸入販売事業のための提携について合意しました。
<商品の特長>
『TOPAS®』は、チコナ社が開発した環状オレフィン・コポリマー(COC)の商品名で通常のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)樹脂に代表される結晶性ポリオレフィン樹脂とは異なり環状オレフィン構造を有する非晶性の透明なコポリマーです。
『TOPAS®』は、PMMA(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂)に匹敵する光学特性やPC(ポリカーボネート樹脂)以上の耐熱性、PMMAやPCより優れた寸法安定性等を有する樹脂として、高い市場評価を得ています。さらに『TOPAS®』は、水蒸気バリヤ性向上、剛性アップ、耐熱性、易カット性能付与など、従来使用材料の改質用途に適した材料として、包装材料分野でも開発活動を推進していきます(詳細は別添資料をご参照ください)。
<主要用途>
・
レンズ及び、液晶ディスプレイ用導光板、光学フィルムなどの光学用途
・ ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)の改質用途向け包装材料分野
・ 医療・検査機器分野
・ 電子デバイス分野
・ その他幅広い産業分野向け
<販売計画>
・販売価格 700〜2000 円/kg (用途により対応グレードが異なる)
3年後には、2000t/Y
5年度には 5000t/Y を目指す
<生産・サポート体制>
『TOPAS®』は、チコナ社のドイツ
オーバーハウゼンにて年産30,000トンのプラントを完成(2000年)させ全世界で販売を行なっています。これはモノマープラントを併設した連続重合プラントであり、世界最大のプラントとして、安定供給とコスト競争力を兼ね備えています。
さらにポリプラスチックス鰍ナは、ポリアセタール樹脂「ジュラコン®」を始めとした、エンジニアリングプラスチックにおいて確立されたテクニカルサポート体制をベースにノウハウの蓄積をスタートさせ、また新たにTOPAS事業開発部を編成するなど、サポート体制の確立を進めています。
[参考]
チコナ (Ticona) URL: http://www.ticona.com
チコナは、ドイツ ヘキスト社の事業再編成の結果、化学工業部門を分離して誕生したセラニーズAGの高機能樹脂事業部門を担う。TICONAグループの本社は、ドイツのケルスターバッハにおかれ、欧州、南北アメリカを中心に各種エンジニアリングプラスチックの生産販売拠点を有している。グループ全体で従業員数は約2,400名、売上高は約757百万ユーロ(2002年実績)。
[資料]
<商品特長詳細>
・ | 『TOPAS®』は、PMMA樹脂に匹敵する優れた光学特性とPC樹脂同等以上の耐熱性を有し、さらに、ほとんど吸水しないことに起因する高度な寸法安定性など優れた性能を有する樹脂として、光学市場分野において高い評価を得ています。 |
・ | 『TOPAS®』は、高剛性、高強度な優れた機械特性を持った樹脂であり、さらに、水蒸気バリヤ性向上、剛性アップ、耐熱性、易カット性能付与など、従来のPE,PP樹脂等が使用されているフィルム分野での改質用途に適した材料として、包装材料分野でも開発が進められています。 |
・ | 『TOPAS®』は、高周波領域での優れた電機特性を示しており、アンテナ等の電子デバイス用途での展開も期待されております。 |
・ | 『TOPAS®』は、安全性にも優れており、その基本グレードは、米国FDAに登録されており、医療・ 検査機器分野での関心も高まっております。 |
・ | 『TOPAS®』は、その特徴的な分子構造と優れた触媒技術により、同種の競合材料に比べ、幅広い流動性、耐熱性のグレードバリエーションを有しており、環状オレフィン樹脂中最高の高流動性 (TOPAS5013)と最高の耐熱性(TOPAS6017)を持ったグレードがラインナップされています。 |
・ | 『TOPAS®』は、ノルボルネンとエチレンをメタロセン触媒にて共重合したシクロオレフィンコポリマ ー(COC)タイプであります。他にメタセシス開環重合タイプのシクロオレフィンポリマー(COP)タイプがありますが、『TOPAS®』COCは、光学部品として重要な低複屈折及び、低吸水性高剛性の点で、優れた特性を有しております。 |
<TOPAS®COCの光学特性>
特性 | TOPAS® 5013 | PC | PMMA |
全光線透過率, % | 92‐93 | 87‐90 | 92‐93 |
屈折率 | 1.53 | 1.59 | 1.49 |
アッベ数 | 58 | 30‐31 | 57‐58 |
複屈折 | <20 | <65 | <20 |
光弾性係数 | -2 to -7 | 66 to 70 | -4.5 to -4.8 |
飽和吸水率 | 0.01 | 0.2 | 0.3 |
Cyclic Olefin Copolymers (COC)
http://www.ticona.com/index/products/coc.htmHigh strength and stiffness, excellent transparency and very high moisture barrier make cyclic olefin polymers and copolymers distinctive among olefin plastics. Unlike polyethylene and polypropylene, these polymers are completely amorphous, resulting in parts with low shrinkage and warpage.
Cyclic olefin copolymers (COC) are copolymers of ethylene and a ring-structured olefin, typically derived from dicyclopentadiene. The incorporated ring structure gives COCs their stiffness, while its size prevents the molecules from becoming ordered enough to crystallize. The total absence of crystallinity ensures very high transparency. Because the copolymers are olefinic, they have low densities, close to 1.0, resulting in a very high stiffness-to-weight ratio. By adjusting the ratio of the comonomers, COCs can be produced with a wide range of heat deflection temperatures.
The combination of clarity, stiffness and moisture barrier has led to the use of COCs in packaging films, while the combination of clarity, moisture barrier and olefinic bio-inertness makes them excellent candidates for medical packaging of such degradable drugs as heparin and insulin.
Dimensional stability is another valuable attribute of these resins. A small change in dimensions can adversely affect performance on precision optical parts. The negligible post-molding shrinkage of COCs combined with their very low moisture absorption enable production of highly stable plastic optics capable of temperature exposures that would deform other precision optic plastics.
All of these interesting properties are available from Ticona’s range of Topas® COC resins.
March, 2003 Plastic Technology
Close-Up: Materials New Cyclic Olefins
http://www.plasticstechnology.com/articles/200003cu1.htmlNew Cyclic Olefins Are Clearly Worth a Look
There is a growing family of polyolefins that are nothing like the polyethylenes and polypropylenes familiar to most processors. Cyclic olefin homopolymers and copolymers are engineering thermoplastics derived from the ring-shaped norbornene molecule, which is made from dicyclopentadiene (DCPD) and ethylene. These resins boast glass-like transparency, low dielectric loss, low moisture absorption, excellent dimensional stability, high heat resistance (212-374 F Tg), and high melt-flow rates that permit very precise molding. Cyclic olefins are also being investigated as a blending ingredient to stiffen polyolefin films.
Cyclic olefins are commercially available from a handful of pilot-scale plants around the world. Current world production of these resins is only about 20 million lb/yr from four suppliers. Three are in Japan (Nippon Zeon, Mitsui Chemical, and JSR Corp., formerly Japan Synthetic Rubber) and one is in Germany (Ticona). As applications multiply, several producers are increasing capacity. At mid-year, Ticona will start up the world’s first large-scale cyclic-olefin plant in Germanyー66 million lb/yr.
Meanwhile, Bayer AG in Germany has applied for an international patent (No. WO98/33830, Jan. 1998) together with Teijin Ltd. of Japan for a new cyclo-olefin copolymer and the process to make it. This product has not been commercialized yet. Both Bayer and Teijin are also large producers of polycarbonate, which is expected to compete with cyclo-olefins in next-generation, higher-capacity DVDs.
Another producer of norbornene-based cyclic olefins is BFGoodrich Performance Materials in Charlotte, N.C. However, its resins are high-priced specialties (up to $3000/lb) that are non-melting and must be processed from solution. They can have very high heat resistance (Tg up to 700 F) and are aimed at microelectronic applications.
High moisture barrier
Although cyclic olefins are unfamiliar to U.S. processors, the ones they have heard the most about are the Topas family of amorphous copolymers developed by Ticona, whose U.S. office is in Summit, N.J. Until the commercial plant starts up, Topas is made in a 450,000-lb/yr pilot reactor in Germany, and larger quantities are being made by a toll supplier. Topas is already commercial on a small scale in a half-dozen grades used for medical films and bottles, injection molded medical devices, and lenses. Current truckload developmental pricing is $2.65/lb, which will drop somewhat when the new plant is fully on stream.
The first major commercial application is a five-layer laminated film, thermoformed into blister packs for Bayer Aspirin in Indonesia. The 12-mil film has a core of Topas 8007 with a thin skin of PP on either side. Topas is used as a moisture barrier to protect the aspirin from high humidity. Ticona in the U.S. is also developing five-layer coextruded films for extreme moisture barrier. One consists of 15 microns of PP on either side of 240 microns of Topas 8007, with tie layers in between. It’s said to be cost competitive with PVDC-coated PVC.
Topas is also used commercially in a number of optical and medical applications in Europe. Schott Pharmaceutical Packaging in Mainz, Germany (with U.S. offices in Cleona, Pa.), has developed a robotic clean-room process to injection mold and assemble Topas syringes.
In pharmaceutical bottles, Topas’s high moisture barrier could extend drug shelf life longer than plastics currently being used, Ticona says.
“We also think blends will be a major application for Topas,” says Donal McNally, Ticona’s U.S. marketing manager for the resin. Adding 10-20% Topas to a 3-mil polyethylene heat-seal layer in a packaging film makes it a great deal stiffer, he notes. “This is under evaluation now by a number of people in the food business for stand-up pouches.” At NPE in June, Macro Engineering of Mississauga, Ont., will run blown film of a Topas blend.
Pure, clean, and clear
Nippon Zeon launched Zeonex, an amorphous norbornene homopolymer, in 1991 and Zeonor, an amorphous copolymer, in 1998. Zeon will double production of the two in Japan next month to about 15 million lb/yr. In the U.S., Zeon Chemicals LP, Louisville, Ky., sells five grades of Zeonex. They are priced in the $15-18/lb range and have Tg values of 280-284 F. “It’s the purest, cleanest polymer on the market in terms of contaminants and residual ions,” says Paula Phipps, senior manager of new product development at Zeon Chemicals. The U.S. firm also markets three grades of Zeonor, which cost $4.50-6.00/lb and have a Tg range of 230-288 F. It boasts much higher impact strength than Zeonex.
Zeonex 480 is a standard grade used in molded optical lenses and prisms for cameras and video cameras. Medical parts are another market. Zeonex E48R is a low-birefringence grade for laser-optic parts such as lenses for CD players and laser printers. And Zeonex 490K is an extrusion-grade optical resin that can be made into 5-10 mil cast film on conventional equipment, Zeon says. Zeonex films are also used for mirrors and reflectors. Sony Corp. in Tokyo is developing plastic computer hard disks using Zeonex. This resin’s low moisture absorption, low birefringence, and high transparency to blue-green laser light also make it a candidate for next-generation, higher-capacity DVDs.
What is probably the largest part yet molded of a cyclo-olefin is a Nissan auto headlamp reflector injection molded of Zeonor 1600R. It was displayed at the recent International Plastics Fair ’99 in Tokyo and is being considered for U.S. production. Zeon sources say the resin was chosen because it has high flow (which permitted molding thinner walls), 47° F higher heat resistance than polycarbonate, and a smoother surface than PBT/PET blends. Zeonor high-flow grades also target light-guide panels and laptop computer screens. In addition, Zeonor is used for contact lenses because of its great dimensional stability and excellent purity.
More varieties
In Japan, JSR sells about 2 million lb/yr of norbornene homopolymers and copolymers, called Arton. These amorphous resins were commercialized in 1997. They are functionalized with an ester side chain to control Tg. JSR Microelectronics Inc. in Sunnyvale, Calif., imports small amounts of Arton to the U.S., but most is used in Asia. Prices run $10-20/lb. Some is exported to Europe for film.
Arton G extrusion grade is used for optical films. JSR also sells two grades of optical films made of Arton homopolymer with a Tg of 340 F for LCD screens and touchscreen displays. Arton F and FX grades are for injection molding optical disks (CD and DVD) and lenses for cameras and laser printers. Injection grades have Tg values of 287-329 F. JSR is also developing new Arton grades for very high-end optical parts, such as lenses, prisms, optical fibers, and light guides.
Three years ago, JSR also introduced Artopps, a blend of 60-90% PPS with 10-40% Arton. Artopps is available only in Japan, where it is used for connectors.
Mitsui Chemical Co. makes Apel, an amorphous cyclo-olefin copolymer, used for barrier sheet in medical applications as well as in packaging films, bottles, lenses, and industrial parts. It is not marketed in the U.S. Mitsui had teamed up with Hoechst AG (former parent of Ticona) in the early 1990s for early development of metallocene-catalyzed cyclic olefins. Since then, Mitsui and Ticona have separately pursued different manufacturing methods and material types. Apel is reportedly much more expensive than Topas.
Zeonex norbornene homopolymer from Zeon Chemicals is a high-clarity, heat-resistant material that is molded into optical components like these laser-printer parts.
The first big application for Ticona’s Topas copolymer is as a moisture barrier in five-layer film for aspirin blister packs like these in Southeast Asia.
2004年4月14日 日本ゼオン
日本ゼオン、シクロオレフィンポリマー製のLCD用拡散板工場を竣工
http://www.zeon.co.jp/press/040414.html
日本ゼオン(社長 古河直純、東京都千代田区)は、シクロオレフィンポリマー(COP)製の液晶ディスプレー(LCD)用拡散板工場の竣工式を、4月14日に当社高岡工場(富山県高岡市)で行った。今回の建屋とクリーンルームの完成に引き続き、成型機の設置を行い、5月中旬から拡散板の生産を開始する予定である。
投資金額は約10億円で、生産能力は年間100万枚からスタートし、順次拡大していく計画である。今年度の売上高予想は10億円。
ゼオンの100%子会社である(株)オプテス(社長
正宏、栃木県佐野市)は、昨年度よりCOPのゼオノア製拡散板の製造、販売を開始しており、今回の本格的拡散板工場での生産もオプテスが実施する。
近年、パソコン用液晶モニターや大型液晶テレビに用いられるLCDの需要が急拡大している。LCDでは光源の使用が必須であり、それが直下型の場合には、光を均一に拡散させるための拡散板が使用される。
ゼオノアはその特徴として、
(1)吸水性がほとんど無く、20インチ以上の大型の拡散板でも変形の恐れが無い
(2)比重が小さく、拡散板を軽くすることができる
(3)変形し難いので拡散板の厚さを薄くすることができる
(4)加熱溶融時の流動性が良いので射出成型が可能であり、複雑な形状のものも成型可能である
等の優位性を有している。
ゼオンおよびオプテスはCOPの精密加工事業を今後とも拡大、発展させ、すでに生産しているLCD用光学フィルムのゼオノアフィルムや今回の拡散板を中心として、高岡工場を精密加工の一大拠点としていく計画である。
COPの補足説明
当社は、ナフサからエチレン、プロピレンを製造する際に副生されるC5留分の総合利用を推進しており、COPはC5留分を抽出分離して製造するジシクロペンタジエン(DCPD)が原料。当社が1990年に世界に先駆けて独自に開発、上市したCOPの高級グレードである「ゼオネックス」は、透明性樹脂の中でも吸水性が極めて低いことによりシート化しても反りが少なく、加熱溶融時に流れやすいため精密成型性が良く、また競合の透明樹脂であるPCやPMMAに比べて比重が小さいなどの特性を持つ。さらに本樹脂は高透明性や低複屈折性などの優れた光学特性を有しており、カメラ付き携帯電話やデジタルカメラ・コンパクトカメラのレンズ・プリズム、OA機器のピックアップレンズなど光学用途、CD、MDやDVDなどの光ディスク用途などで使用されている。
また当社は98年に、高透明性を維持し、耐衝撃性と耐熱性を改良したCOPの汎用グレードである「ゼオノア」を上市した。LCD用導光板・拡散板、光学フィルム、自動車ヘッドランプのエクステンション、食品用容器、医薬品分野の容器や包装材などに幅広く採用されている。
2004/4/22 出光石油化学
結晶性で低融点の新規ポリアルファ−オレフィン系機能材料を開発
〜蓄熱材や粘接着剤の改質剤など、従来のワックス用途の高性能化に寄与〜
弊社(本社:東京都墨田区、社長:厩橋
輝男)は、自社開発技術による特殊化成品事業を通じて、樹脂原料、塗料・粘接着剤原料、界面活性剤原料、ゴム原料など、身の回りの幅広い分野を支える原料を安定供給しています。また、アダマンタンをはじめとする新規化成品の開発にも注力を図っており、具体的には環境対応ケミカル、情報・電子分野における新規化成品・既存商品の誘導品展開を積極的に推進しております。
この度、独自のメタロセン触媒技術を用い自社開発の高純度アルファ−オレフィンモノマー*1を原料に、従来のオレフィン重合体と異なる、側鎖に結晶性を持たせた低融点のアルファ−オレフィン重合体(CPAO)を開発しました。今後、従来品には見られない融解特性を利用した蓄熱材や、結晶性、優れた相溶性あるいは取り扱いの容易さを活かし樹脂、粘接着剤、有機無機複合材料、潤滑油、アスファルトの改質剤など、従来のワックス用途などの高性能化への用途展開を進めてまいります。
ポリオレフィン系ワックスの製造は、モノマーを重合して製造する方法と、ポリマーを分解して製造する方法によって行われています。オレフィンモノマーを原料とする重合製造法は、ラジカル触媒やチーグラーナッタ系触媒を用いる検討が進められていますが、分子量が低くすぎたり、生成重合体の立体規則性により、融点が高くなりすぎたり、ブロードになるなどの問題を有していました。近年、メタロセン触媒*2による製造法も開発されていますが、原料モノマーの低反応性や生成ポリオレフィンの融点制御など多くの課題を残しています。
弊社は、長年蓄積してきたポリオレフィン製造技術をベースに、従来のメタロセン触媒系製造法の課題であった低反応性、生成ポリマーの融点制御を可能とする新規触媒技術を確立しました。この新触媒技術は独自の触媒系を特徴とし、自社開発のアルファ−オレフィンモノマーを原料とすることで、従来のワックスでは発現できなかった高結晶性で低融点を有するポリオレフィン重合体の合成を実現しました。今後、ユニークな物性を活用した新たな用途開発を行い、量産化に継げてまいります。
開発品は、従来のオレフィン重合体と比較して次の特徴を有しております。
@
低融点でありながら高結晶性で融解熱量が大きい
A 融点は、原料種や重合法で調整可能
B 結晶性を有しながら、ポリオレフィン,ワックス,各種オイル,溶剤との相溶性が良い
C
低融点でありながらべたつきが少なく取り扱いやすい
弊社はこれからも、オリジナリティー溢れる技術開発を続け、社会が求める高機能商品、地球環境を考慮した商品の提供を目指していきます。
(用語説明)
*1 アルファ−オレフィン
オレフィン系炭化水素のうち二重結合がアルファアの位置(一番端の炭素と次の炭素の間)にあるものの総称。炭素数に応じて合成洗剤、界面活性剤等に使用される。また可塑剤や洗剤に使用される高級アルコールの原料となる。エチレンを重合して製造する。炭素数によって気体、液体、固体となる。
出光石油化学の商品名:リニアレン。
*2 メタロセン触媒
二つの平面体の間に金属原子が挟まれたサンドイッチ構造の分子をメタロセン化合物という。これは重合触媒としての活性点が一つだけという特徴があり、特定の物性を持ったポリマーを選択的に製造することができる。工業的には1980年代半ばに開発され、90年代半ばからこの触媒によるポリエチレンの商業生産が始まった。
2004/5/7 協和発酵
協和発酵ケミカル(株)
イソノナン酸(合成脂肪酸)製造設備を2倍超の増強へ
― 世界規模の12,000トンの製造体制へ ―
協和発酵ケミカル(社長:張 將司)は、合成脂肪酸の1種であるイソノナン酸の需要増に対応するため、キョーワノイック‐Nの増産の検討を開始しました。
イソノナン酸(商品名:キョーワノイック‐N)は、千葉工場の専用製造設備で生産していますが、現行の年産5,000トンの生産能力を、年内に7,000トンに、2005年内に12,000トンへと増産することを目標にしております。
イソノナン酸は、代替フロンに対応した空調機や冷凍機器の冷凍機油原料として、国内外での販売が拡大しています。今後も、世界的な環境保全意識の高まりから、中国を中心としたアジア地区での需要拡大や、2010年に予定されている米国での、特定フロン製造全廃に伴っての需要増加が見込まれています。
千葉工場では、1997年12月にイソノナン酸専用の製造設備の営業生産を開始して以来、順調な生産を継続しており、現在はフル稼動状態が続いております。今回の2倍強の増強と共に、今後の需要動向にも注視し、必要に応じて更なる増強についても検討していきます。
この度の設備増強により、北東アジアマーケットを中心に高品質な製品の安定供給体勢を整備し、四日市工場で製造しているオクチル酸と併せて合成脂肪酸のリーディングカンパニーを目指していきます。
<協和発酵ケミカル(株)の会社概要>
本 社
: 東京都中央区日本橋室町3−2−15 日本橋室町センタービル
TEL
: 03−3510−3550
資本金 : 53億円 (協和発酵工業(株)が発行済株式を100%所有)
代表者 : 代表取締役社長 張 將司
売上高 : 651億円
(平成15年3月期:協和発酵
化学品セグメント売上高)
※平成16年4月に協和発酵工業(株)の化学品事業部門を会社分割し、化学品製造子会社である協和油化(株)が継承して、社名変更いたしました。