2002/12/19 三菱レイヨン

中国における化成品製造販売会社の設立について

 三菱レイヨン株式会社(本社:東京都港区、社長:皇芳之)は、中国江蘇省常州市において、江蘇新亜化工集団公司、シノケム・ジャパン株式会社、三菱商事株式会社と合弁で、メチルアミン(MA)およびその誘導品ジメチルフォルムアミド(DMF)の製造販売会社を、2003年2月を目処に設立します。総投資額は約2千万USドルの予定です。

 MAは界面活性剤や凝集剤、農薬などの原料に使われ、またMAの誘導品であるDMFは、合成皮革、医薬、電子材料分野での溶剤として広く使用されています。DMFについては、中国は世界需要(約36万トン/年)の35%以上を占める最大の需要国であり、主に靴やベルト、鞄などに使用される合成皮革の製造に使用されており、最近は年率8〜10%で需要が急激に拡大しています。

 三菱レイヨンは、横浜事業所に年産35,000トンの生産設備を有する日本最大手のDMF製造メーカーとして、長年にわたりコスト競争力の高い高度な生産技術を育んできました。この度、設立する「江蘇菱新化工有限公司」は、中国の大手DMF製造メーカーである江蘇新亜化工に隣接し、原料から一貫した生産体制を構築し、成長市場である中国はじめアジアでのシェア拡大を図ります。

 新会社の商業生産開始は2004年3Qを予定し、3年後の売上高は20〜30億円を見込んでいます。

【新会社の概要】

1.社名 :江蘇菱新化工有限公司(Jiangsu Lingxin Chemical Co., Ltd)
2.代表者 :未定
3.住所 :江蘇省常州市新閘鎮新冶路3号
 (No.3,Xinye Road,Xinzha Town,Changzhou,Jiangsu)
4.資本金 :1000万USドル
5.出資比率 :三菱レイヨン     
 江蘇新亜化工 
 三菱商事
 シノケム・ジャパン
51%                    
40%
 4.5%
 4.5%
6.事業内容 : ジメチルフォルムアミドおよびメチルアミンの製造販売
7.生産能力 : ジメチルフォルムアミド  30,000トン/年
 メチルアミン         24,000トン/年

【添付資料】

(1)江蘇新亜化工集団公司(Jiangsu Xinya Chemical Group Co., Ltd)の概要
  1.本社住所 :江蘇省常州市新閘鎮新冶路3号            
  2.設立 :1965年7月
  3.代表者 :董事長兼総経理朱興初(Zhu Xingchu)
  4.資本金 :RMB 52,458,000(約8億円)
  5.売上高 :RMB 239,720,400(約36億円)(2001年度)
  6.株主 :常州市経貿局100%
  7.事業内容 :アンモニア、メタノール、メチルアミン、ジメチルフォルムアミド、
イソプロピルアミン、フォルムアミド、過酸化水素、酸素、水素、
窒素などの有機・無機薬品の製造販売
  8.生産能力 :メチルアミン        12,000トン/年
 ジメチルフォルムアミド 15,000トン/年
  9.従業員数 :約1,900名
     
(2)シノケム・ジャパン株式会社(Sinochem Japan Co., Ltd.)の概要
  1.本社住所 :東京都港区西新橋2−39−3 SVAX 西新橋ビル
  2.設立 :1985年8月
  3.代表者 :代表取締役社長王健(Wang Jian)
  4.資本金 :1億円
  5.株主 :中国化工進出口総公司100%
  6.売上高 :312億円(2001年度)
  7.事業内容 :中国化工進出口総公司の対日窓口
  8.従業員数 :約20名
     
(3)中国化工進出口総公司(China National Chemicals Import & Export Corporation)
  1.本社住所 :北京市復興門外大街A2 中化大厦
  2.設立 :1950年
  3.代表者 :総裁劉徳樹(Liu Deshu)
  4.事業内容 :中国の石油化学製品の輸出入を行う国営貿易商社
  5.売上高 :180億3,600万USドル(2000年度)
     



2003/1/9 ライオン

原料製造子会社の生産拠点統合について

 ライオン株式会社(社長:高橋達直)とアクゾノーベル社(以下AN社)の合弁会社であるライオン・アクゾ株式会社(社長:可知光晴、以下LACO社)は、同社の大阪工場を閉鎖し四日市工場に生産品目を集約化することに決定致しましたのでお知らせ致します。

1.背景
   当社は、2001年より開始した中期経営計画(VIP計画:Value Innovation Plan)で推進している「収益構造の改革」として生産拠点の見直しを図っております。今回、その一環として、当社の原料製造子会社であるLACO社の生産拠点を統合して、その合理化施策により製造原価の低減を目指します。
   
2.LACO社生産拠点の統合
   同社大阪工場を2003年9月を目途に閉鎖し四日市工場に統合し、コスト競争力のさらなる強化を図ります。併せて、柔軟剤原料など脂肪酸アミンから誘導される界面活性剤や相間移動触媒などの需要増に対応するため、四日市工場の設備増強も図ります。
   
3.工場閉鎖に伴う対応について
1)  LACO社大阪工場に所属する従業員については、同社四日市工場への配置換えの他、ライオングループ内での雇用を継続致します。
2)  LACO社大阪工場の敷地は、洗剤、柔軟仕上げ剤などの家庭品を生産する当社大阪工場内に賃借していたものであり、その跡地は当社の今後の設備増強などに活用していく予定です。

≪ご参考≫

1.ライオン・アクゾ株式会社の概要
  本社 :東京都墨田区両国1−12−8 ムネカワビル5F
  代表者 :取締役社長 可知 光晴
  資本金 :9億円
  株式比率 :ライオン株式会社/AN社*=50/50
         : LACO株式を保有しているのは、AN社の化学品事業部門の持ち株会社でアクゾノーベルケミカルズインターナショナルB.V.
  事業内容 :脂肪酸ニトリル、脂肪酸アミン、脂肪酸第4級アンモニウム塩、相間移動触媒、
 アミンオキサイド、脂肪酸モノアマイドなどの製造・販売
  年間売上 :73億円(平成13年度)
  従業員 :104名(平成15年1月現在)
     
2.LACO社大阪工場の概要
  1)所在地  :堺市築港新町2―13 ライオン株式会社・大阪工場内
  2)操業開始 :1971年
  3)敷地面積 :約7,000m
  4)生産品目 :脂肪酸第4級アンモニウム塩、アミンオキサイド、脂肪酸モノアマイド、工業用4級塩、
 相間移動触媒
  5)従業員数 :33名(平成15年1月現在)
 
2.LACO社四日市工場の概要
  1)所在地 :四日市市大治田3−3−71
  2)操業開始 :1981年
  3)敷地面積 :約25,000m
  4)生産品目 :脂肪酸第4級アンモニウム塩、アミンオキサイド、アミン、ニトリル工業用4級塩
  5)従業員数 :50名(平成15年1月現在)

 


化学工業日報  2003/1/17

昭和電工、PNVAから撤退へ

 昭和電工は、昨年までに高機能吸水ポリマー、ポリ−Nビニルアセトアミド(PNVA)事業から撤退したことを明らかにした。94年にパイロットプラントで生産を始めた後、97年に企業化しており、従来の吸水性樹脂にはみられないイオン濃度が高い液体も吸収できる特性を生かし、独自のマーケットを築きつつあったが、経営資源の選択投入の観点から、自社での事業継続を断念した。ただ、ライセンス供与などには前向きに取り組みたいとしており、同技術・製品の継承には積極的に対応していく。

 


化学工業日報 2003/1/20

宇部興産、APAOから撤退

 宇部興産はAPAO(非晶質ポリアルファオレフィン)事業から撤退した。2002年末に同製品の営業権を米ハンツマン・ポリマーズに売却している。


2003/4/9 Huntsman

Huntsman Concludes Re-Purchase Of Its Apao License from UBS Industries

Monte G. Edlund, Vice President of Huntsman Polymers, today announced that the company has concluded an agreement for the re-purchase of its APAO license from Ube Industries of Tokyo. The license allowed Ube to manufacture and market APAO to the Asian market.


2002/12/3 Huntsman

Huntsman Polymers To Take Over APAO Sales And Marketing In Asia

Monte G. Edlund, Vice President of Huntsman Polymers Corporation, today announced that the company has reached agreement with Ube Industries, Ltd. to terminate the exclusive Huntsman technology license Ube has held to manufacture and market amorphous polyalphaolefin (APAO). The agreement also calls for Huntsman to market its APAO to Ube's Asian customers. Additionally, Huntsman will obtain from Ube the APAO technical information and intellectual property that Ube has developed in the 12 years it has held the Huntsman license.

Ube had previously announced its intention to close its APAO manufacturing plant in Sakai, Japan, by November 30, 2002.

Huntsman will begin immediately to market its APAO to Ube's Asian customers under an interim arrangement. The two companies expect to sign a definitive agreement by year-end.

David Hovde, APAO Business Director, commented, "This agreement will be a tremendous boost to our APAO business. It will make Huntsman the leading APAO supplier to the rapidly expanding Asian market, and the only supplier of butene copolymers. Importantly, it also will enhance our ability to serve our global hot melt adhesive customer base."

APAO is used widely in applications that require superior adhesive strength and dependability, including roofing materials and wire and cable wrap. Huntsman customers also use APAO as a key component in the manufacture of disposable diapers.

Huntsman Polymers Corporation is a wholly owned subsidiary of Huntsman LLC (formerly Huntsman Corporation). The combined Huntsman companies constitute the world's largest privately held chemical company. The operating companies manufacture basic products for a variety of global industries including chemicals, plastics, automotive, footwear, paints and coatings, construction, high-tech, agriculture, health care, textiles, detergent, personal care, furniture, appliances and packaging. Originally known for pioneering innovations in packaging, and later, rapid and integrated growth in petrochemicals, Huntsman-held companies today have annual revenues of approximately $8 billion, more than 13,000 employees and facilities in 44 countries.


2003/1/27 電気化学工業

子会社との合併に関するお知らせ

 平成15年1月27日開催の当社取締役会において、当社は平成15年4月1日を期して、下記のとおり当社100%子会社である東洋化学株式会社と簡易合併の手続きにより合併することを決定いたしましたので、お知らせいたします。

1.合併の目的
 当社は経営改革の一環として、グループの最重点事業の一つである樹脂加工事業の強化再編のため、平成14年10月1日付けにて東洋化学株式会社を完全子会社化いたしましたが、経営の一元化を更に進め、資源を結集して効率的な事業運営を実現するため、平成15年4月1日をもって合併することといたしました。

2.合併の要旨

(1)合併の日程
  合併契約書承認取締役会   平成15年 1月27日
  合併契約書調印    
   合併契約書承認株主総会    
    電気化学工業株式会社   商法第413条ノ3の規定による簡易合併のため開催致しません。
    東洋化学株式会社   平成15年 2月12日(予定)
  合併期日   平成15年 4月 1日(予定)
  合併登記   平成15年 4月 1日(予定)
   
(2)合併方式
   電気化学工業株式会社を存続会社とする吸収合併方式で、東洋化学株式会社は解散します。
   
(3)合併比率
  当社は、東洋化学株式会社の全株式を所有しておりますので、合併による新株式の発行及び資本金の増加は行いません。
   
(4)合併交付金
  合併交付金の支払いはありません。
   
3.合併当事会社の概要  略
   
     
4.合併後の状況
(1)商号   電気化学工業株式会社
(2)事業内容   1.石油化学事業 2.機能製品事業 3.セメント・建材事業 4.医薬事業
(3)本店所在地   東京都千代田区有楽町一丁目4番1号
(4)代表者   代表取締役社長  晝間 敏男
(5)資本金   35,302百万円(合併による資本金の増加はありません。)
(6)総資産   277,578百万円(10,643百万円)
    注)平成14年10月 1日現在の総資産より算定しております。
   なお、( )内は合併による増加見込み分であります。
(7)決算期    3月31日
(8)業績に与える影響
               東洋化学株式会社は、当社100%出資の連結子会社であるため、合併による連結業績に与える影響はありません。

 

 


2003/1/28 第一工業製薬/BASFジャパン

第一工業製薬(株)とBASFジャパン(株)
    環境対応型非イオン界面活性剤の市場開発提携に関するお知らせ

 第一工業製薬(本社:京都市中京区 社長:植田武彦)とBASFジャパン(本社:東京都千代田区 社長:成尾友良)は、本日、環境に優しい非イオン界面活性剤の開発ならびにマーケティングについて提携契約を締結いたしました。この提携により第一工業製薬は、両社の界面活性剤技術にもとづき、日本国内において環境対応型の高級アルコール系非イオン界面活性剤を製造・販売いたします。

 BASFの環境対応型非イオン界面活性剤 Lutensol(ルテンゾール)TO、ON、XLシリーズは、合成系の脂肪族高級アルコール系ですが、環境毒性が低く、生分解性において優れています。第一工業製薬は、これまで環境対応型非イオン界面活性剤の商品群品揃えの充実に努めてまいりました。今般の両社の提携により、BASFのルテンゾールTO、ON、XLシリーズのノウハウをベースにしたノイゲンTDSシリーズ、ノイゲンSDシリーズ、ノイゲンXLシリーズを開発し販売を開始いたします。

 これらの高性能非イオン界面活性剤の商品群は、洗浄力、湿潤・浸透力、乳化力で優れた機能を発揮いたします。日本の非イオン界面活性剤市場では、より環境対応型へのニーズが強まっております。第一工業製薬は、両社の界面活性剤技術をもとに、機械・金属、紙・パルプ、塗料・インキ、ゴム・プラスチック、農薬資材、繊維などの各種産業分野、およびトイレタリー分野をはじめとする生活関連分野など、幅広い用途分野への新商品供給を目指すことになります。

 日本の非イオン界面活性剤市場において強固な開発・販売体制と技術サービス力を持つ第一工業製薬が、世界市場で環境対応型製品に豊富な経験と実績を有するBASFと提携を結ぶことにより、両社は上記商品の拡販のみならず、日本市場のお客様の環境対応ニーズに適合した商品を今後も開発してまいります。


日刊工業新聞 2003/2/17

クラレ、食品包装用フィルムを工業用途に本格投入

 クラレは、食品包装用途で展開している「エバール」フィルムを工業用途に本格投入する。高いガスバリア性と低い熱伝導性を生かし、真空断熱材としての用途を開拓する。05年度にはエバールフィルムの年間生産量3000トンのうち120トンを工業用途での販売を目指す。

 エバールはエチレンと酢酸ビニールを重合して製造する機能性樹脂。フィルムにすると1平方メートル当たりの酸素透過量は0・4ミリリットルで、汎用ポリエチレンの1万倍のガスバリア性がある。アルミを蒸着することで同0・05ミリリットル以下になり、アルミ箔と同等のガスバリア性になる。

 工業用途展開の第1弾として、02年に松下電器産業の冷蔵庫用真空断熱材への採用が決まった。真空断熱材は、内部の断熱素材を密封し空気による熱伝導を防ぐことで断熱効率を高めるため、断熱材の外装材には空気を通さず、熱も伝えにくい素材が求められていた。


2003/02/25 昭和高分子

中国における合成樹脂エマルジョン事業の開始について

 当社は、連結子会社である上海昭和高分子有限公司において、同社の第三期事業として合成樹脂エマルジョン(EM)の生産・販売を目的にEMの製造設備建設を行い、本年11月に稼動させることといたしました。なお、本事業の開始については、すでに他の株主の同意も得ております。

 上海昭和高分子は、第一期事業として2001年3月からバルク・モールディング・コンパウンド(BMC)の、第二期事業として2002年5月からビニルエステル樹脂(VE)の生産・販売を行っており、今回の第三期EM事業を加えることにより、中国(上海)における昭和高分子グループの主力事業分野の生産・販売拠点が確立されます。これにより成長著しい中国市場で差別化製品や高機能製品の拡販を図るとともに、中国における事業基盤のより一層の強化を目指します。 

 上海昭和高分子においては、当面のEM生産能力を9,600トン/年で立ち上げますが、今後の需要増も考慮して、EM生産能力20,000トン/年までの増設も視野に入れております。

 同社における生産品目は、既に当社が中国国内で市場開発を進めてきたアクリルEM、アクリル−スチレンEM、酢酸ビニルEM、とエチレン−酢酸ビニルEMをベースとした変性品が対象となりますが、将来中国市場特有の商品開発も行う予定であり、これらのエマルジョン製品を、塗料、粘着、接着、繊維などの他あらゆる分野に販売し、3年後に10億円の売上を目標としております。

 一方、当社は本年3月より兵庫県の龍野工場でEM生産能力7,000トン/年の製造プラントの操業を開始します。当社は常圧系EM製造設備として群馬県伊勢崎市にも製造工場を有しておりますが、現在両工場ともフル稼動であること、そして近年市場でとみに高まっている溶剤系樹脂から水系樹脂への置換と環境対応商品へのニーズに応えるためのものであります。

 また、当社の主力製品の一つである高圧系EM(EVA)を生産している大分工場においては、本年3月をもって一部特定商品を除き全ての製品のノンホルマリン化が完了し、環境調和型EMへ移行する予定であります。


<参考資料>
 上海昭和高分子有限公司について

  社名   上海昭和高分子有限公司
  所在地   中国、上海市青浦工業園区新区路455号
  設立   2000年7月
  資本金   15億円
  出資比率   昭和高分子(株) 78.4%、大日本インキ化学工業(株) 20%、個人 1.6%
  生産能力   BMC:5,000トン/年、VE:3,600トン/年
EM  :9,600トン/年(2003年11月稼動)



2003/02/25 三菱化学

コーポレートR&TD新社の発足について

 三菱化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:冨澤龍一)は、昨年11月に策定した経営計画大綱に基づき、当社グループの研究技術開発(以下「R&TD」という。)の総合力強化及びコーポレートR&TDの自立化を行うため、当社の
コーポレートR&TD部門である科学技術研究センターを独立させ、既に分析・解析技術サービスを提供する機能を分社化したシーエーシーズ株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:楠元秀人)と統合し、コーポレートR&TD新社として新たに発足させることにいたしました。

 当社は、企業の持続的成長を支える原動力は研究開発力にあるとの認識から従来から積極的なR&TDを展開してまいりましたが、平成12年7月、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)教授であるジョージ・ステファノポーラス博士を常務執行役員・CTO(Chief Technology 0fficer)に起用し、以後、戦略的かつ大胆なR&TDの改革に取り組んでまいりました。
 平成13年春には、当社内事業部門のビジネスに密接に関連したR&TDおよび技術サービスを行う事業部門直轄の各研究センターを設立、一方、三菱化学グループの基盤技術を深化・強化し、戦略的R&TDを行うため、科学技術研究センターを設立させました。同時にこれまでのプロセス開発重視型から製品開発重視型に変革するとともに、プロジェクト制を導入し、研究開発成果の早期かつ着実な実現に努めてきました。
 一方、重要な基盤技術である分析・測定・解析等の研究分野については、平成12年1月、シーエーシーズ社として分離独立し、徹底したコスト意識と顧客意識に立った当社グループ各社への高度な分析技術サービスの提供と三菱化学のR&TDの強化に貢献してまいりました。
 昨年11月に発表した経営計画大綱においても、R&TDについては、長期的視点に立った安定的な資源投入を行うと共に、テーマの重点化とその加速化を図りながら、当社グループ内の連携を取りつつ、お客様へソリューションを提供し、当社グループの総合力強化を図ることを重点方針として掲げております。今後の日本の化学産業は、中国の追い上げ等も加わり国際競争が激化する環境の下、どのような方向に進路を取り、どういう形でその役割、存在意義を見出していくかが、まさに問われています。その中で当社は、技術の高度化・複合化等、新しいR&TDのあり方を追求し、「新しい三菱化学の中心はR&TDにある」との強い認識に立ち、その強化を図っていくこととしております。
 また、長期的視点が必要な重要な基礎・探索研究についても、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、京都大学国際融合創造センター、産業技術総合研究所等、国内外の有数の大学・研究所との積極的な提携等を行っています。
 こうした方針に基づき、ここ数年間、ダイナミックかつスピーディに実施してまいりました一連のR&TD改革の総仕上げとして、今般、分析・解析等の研究・提供機能を先行して分離独立したシーエーシーズ社に、三菱化学のコーポレートR&TD機能を統合する形で、R&TD新社をスタートさせることといたしました。
 今回の新社発足により、三菱化学グループのR&TD部門は、事業化推進のための強力な推進役としての使命がより明確となり、当社グループが持続的に事業発展することに大きく貢献するものと確信しております。


[新社の概要 ]

1 社名   未定
2 設立    平成15年7月1日(予定)
3 本社   東京都千代田区 
4 社長   今成 真(いまなり・まこと)〔現三菱化学常務執行役員 CTO〕
5 資本金    25.3億円
6 出資構成   三菱化学90%、当社グループ主要会社10%
7 事業内容   化学全般に係わる研究、開発、分析、測定、調査等に関する事業
8 売上高   初年度約170億円(年換算)
9 従業員数   約750名(全員三菱化学からの出向)
     
(ご参考)
 
〔シーエーシーズ(株)の概要〕
・設立   平成12年1月
・社長   楠元 秀人(くすもと・ひでと)
・本社   神奈川県横浜市青葉区
・資本金   3千万円
・事業内容   分析・測定・解析・研究・調査の受託業務
・売上高   約30億円
・従業員数    約150名

2003/2/24 Platts

Air Products to acquire Japan's Sanwa Chemical

Air Products and Chemicals has reached an agreement to acquire Japan's Sanwa Chemical Industry Co, a producer of specialty polyamide resins and epoxy curing agents with operations near Tokyo, Japan and in Singapore. The deal was expected to close Mar 31, 2003, according to Air Products.


三和化学工業株式会社   
http://www.sanwa-chem.co.jp/

設立   昭和41年9月
従業員数   41名
事業内容   ポリアマイド樹脂の製造及び販売
変性ポリアミン系樹脂の製造及び販売
売上高   平成14年 13億円
     
    昭和56年4月
SANWA CHEMICAL (SINGAPORE) PTE. LTD.設立。

 


2003/05/06 三洋化成工業

中国における新会社設立について

 三洋化成工業株式会社(本社:京都市東山区、社長:筧哲男)では、このたび中国江蘇省南通市に当社100%出資の子会社「三洋化成精細化学品(南通)有限公司」を設立いたしましたのでお知らせします。

1. 設立の目的

 中国は第10次5カ年計画で、経済成長の原動力として繊維、自動車、石油化学、鉄鋼等の産業の育成をめざしています。これら産業の発達に伴って機能化学品である当社製品の需要が今後急速に高まっていくことが期待されることから、当社は昨年3月、上海に駐在員事務所を開設し、中国での市場調査・市場開発を積極的に進めてまいりました。
 その結果、いくつかの製品に関して現地生産の目処を得たことから現地法人設立の準備を進め、このたび中国当局の認可を得て南通市に新会社を設立いたしました。

2. 新会社の概要

(1)会社名   三洋化成精細化学品(南通)有限公司
Sanyo Kasei (Nantong) Co., Ltd.
(2)代表者   董事長:中村瑞一(三洋化成工業(株)常務取締役兼務)
(3)所在地   中国江蘇省南通市南通経済技術開発区景興路以西横五路以南
(4)事業内容   繊維用油剤、界面活性剤、製紙用化学品、塗料・インキ用樹脂等の製造販売
(5)設立   2003年4月29日
(6)資本金   1500万USドル(約18億円)
(7)総投資額    2400万USドル(約28億8000万円)
(8)出資   三洋化成工業株式会社 100%
(9)生産能力   1万トン/年
(10)操業開始   2004年7月(予定)
(11)敷地面積   13万平方メートル
(12)売上計画   2004年度  約5億円
2006年度  約17億円
(13)従業員数   操業開始当初は25名を予定

2001/4/3 日本触媒
 
新製法によるジエタノールアミン生産プロセスの確立
 
 株式会社日本触媒はエタノールアミンの新生産プロセスを確立しました。
 当社は川崎製造所のエタノールアミン生産設備(生産能力4万トン/年)を新製法に改造し、2002年6月末に完成させ、7月から稼働させます。
 新製法は当社が開発した新規なゼオライト系触媒を採用することで、エタノールアミン類(MEA,DEA,TEA)の生成比率を需要に合わせて任意にコントロールできることが最大の特長です。
 このため、現在急成長が続いている除草剤向けDEAに対応した生産・供給体制を確立するとともに、新規触媒を武器として、グローバル展開をはかります。

<技術の特長>
 日本触媒が開発したエタノールアミンの新製法は新規に開発した修飾ゼオライト系触媒が特長です。
 現行プラントの典型的なエタノールアミン生成比率は
MEA:DEA:TEA=1:1:1で、その比率の大幅な変更ができないのに対し、大きな分子は生成しない形状選択性を持つ新規触媒を用いると、エタノールアミンの中で大きな分子であるTEAの生成が抑えられ、MEAとDEAをより多く、特にDEAを通常の2〜3倍生成させることができます。また、現行製法や他社製法と比較して、用役費及び設備費面でコスト優位性があります。(参考:Huntsman発表

<エタノールアミンの需要動向>
 世界のエタノールアミン需要(1999年)はMEA:37万トン、DEA:32万トン、TEA:18万トン、合計:87万トンです。
 主な用途は界面活性剤、農薬(除草剤)及びエチレンアミン用原料、ガス吸収剤等であり、除草剤用を除く従来用途の伸びは約3%/年です。
 1990年代初に、非選択性除草剤グリホセートの原料としてDEAが使用され始め、グリホセートの伸びに伴いグリホセート向けDEAは年率10%以上で伸びてきました。
 1999年のグリホセート用DEA消費量は11万トン(全世界のDEA需要の1/3)にも及んで、本用途向けDEAの伸びは今後も10%以上を維持すると予想されています。
 グリホセート向けDEA消費の拡大に伴い、DEAは米国を中心に不足傾向にあります。

<新製法エタノールアミンの今後の展開>
 当社は川崎製造所のエタノールアミン改造プラントにおいてDEAの増産をはかるとともに、DEA需要の伸長に対応して海外生産・技術ライセンスを実施し、当社エタノールアミンの事業拡大を目指します。


参考

1.日本の他のメーカー  三井化学・大阪

2.中国のメーカー   撫順北方化工有限公司 吉林化学工業株式有限公司

Fushun Beifang Chemical Co., Ltd.  http://www.huafengchem.com/eindex.htm 

Fushun Beifang Chemical Co., Ltd. is affiliated to China Northern Industry (Group) Company. It is located in the Chemical Compound of Fushun(撫順), Liaoning province in Northeast China.

The company was established in 1993, with a floor area of 100,000 square meters. It employs 380 people, with 168 engineering stuff. Its fixed assets reached 286 million yuan (about USD 34.6 million).

The company, currently the largest ethanolamine manufacturer in China, specializes in manufacturing ethanolamine, diethanolamine and triethanolamine with annual output of 20,000 tons. It has qualified QA system and has attained ISO9002 certificate.

3.海外メーカー

 1)Dow → Ineos

   Dow/UCC合併条件の一つとしてダウの世界でのエタノールアミン事業売却

      2001  INEOS acquires Dow Chemicals' global ethanolamine

     2)Huntsman

June 18, 1998 Huntsman 

Huntsman Corporation Announces Expansion and Upgrade of ethanolamine Unit

Peter R. Huntsman, President of Huntsman Corporation (HC), today announced that Huntsman will expand and upgrade its ethanolamine production unit at its Port Neches, Texas facility.

The expansion and upgrade will increase the company's ethanolamine production capacity by 20 million pounds and enhance its
flexibility to produce monoethanolamine, diethanolamine and triethanolamine. Additionally, the company will produce higher purity grades of both diethanolamine and triethanolamine in response to the growing demand from the marketplace.

Upon completion, the expansion and upgrade will allow Huntsman to produce up to
350 million pounds per year of ethanolamine.

Mr. Huntsman stated, "This project is a clear indication of our continuing commitment to the ethanolamine market. It will improve the quality of our products, provide increased flexibility in varying the product mix, improve the overall efficiency of our operations and help meet the increasing requirements of our customers. We expect the project to be completed by April 1999."

Ethanoloamines are used in a wide range of applications including soaps and detergents, personal care products, metalworking, gas and oil processing, urethane foam manufacture and agricultural herbicides.

Huntsman Corporation is the United States' largest privately held chemical company. Its operating companies manufacture basic products for the chemicals, plastics, detergent, personal care, rubber and packaging industries. Originally known for pioneering innovations in packaging, and later, rapid integrated growth in petrochemicals, Huntsman-held companies today have revenues of more than $5 billion from multiple locations worldwide.

 


化学工業日報 2003/6/3

旭硝子、米国でHCFC−225新設備が稼働へ

 旭硝子は、洗浄用途などに使うフッ素系溶剤の供給体制を相次いで強化する。代替溶剤のハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC−225)では、米国の新設プラントがこのほど完成、7月から商業生産を開始する。新製品として開発に成功した次世代溶剤では、今秋に千葉工場で量産設備が立ち上がる。設備対応と並行して、HCFC−225では中国などでの市場開拓、新溶剤では新規需要の掘り起こしを加速。溶剤事業のグローバル展開を強めていく。


2003/6/9 東洋エンジニアリング

TEC,中国向け次世代クリーンエネルギー・プロジェクトに参画
 〜燃料用DME向けメタノール・プラント受注、TECのMRF-Z®合成管を採用〜

 東洋エンジニアリング株式会社(TEC、取締役社長 広瀬俊彦)は、中国・四川省が推進する工業開発計画、「四川西部化工城」(Sichuan West Chemical City)の中心プロジェクトとして、瀘天化(集団)有限公司(Lutianhua Group Incorporated)が計画中のクリーンな次世代エネルギー・プロジェクトの一環である、
日産1,350トンメタノール製造設備を今般受注いたしました。

 本プロジェクトは次世代クリーンエネルギーとして注目されているDME(ジメチルエーテル)の原料となるメタノールを製造するプロジェクトであり、製造設備のコアとなる部分に使用されるTEC開発のMRF-Z®合成管の運転実績への信頼性と、現在同社向けにTECが遂行している先発の世界初の年産10,000トンの燃料用DME製造設備や、既に完工した日産2,000トンの大粒尿素製造設備での実績等が評価され、受注に至りました。今回の受注を契機にTECは、次世代エネルギーであるメタノールやDME製造設備の受注に向けて、積極的な営業展開を行なって参ります。


<受注概要>

◆ 客先   瀘天化(集団)有限公司(Lutianhua Group Incorporated)
本社は中国・四川省・瀘(ろ)州(Luzhou)市。年間売上高約20億元(約300億円)の四川省を代表する国営化学会社
◆ 建設地 四川省・瀘州市に新規開発中の工業地区「四川西部化工城」(Sichuan West Chemical City)
◆ 対象プラント 日産1,350トン・メタノール製造設備
ライセンスは英国ジョンソンマッセイ・シネティックス(JM Synetix)社の低圧メタノール合成プロセス
◆ 役務内容 メタノール製造設備のコアとなる部分である合成系の基本設計、主要機器(MRF-Z®合成管)調達、客先設計のレビュー及び運転支援。運転支援を除き一括請負(ランプサム)契約。
上記以外の設計、機器調達、工事、運転は客先の所掌。
◆ プラントの完成 2005年春の予定
◆ 受注の意義          : 今回のプロジェクトは、客先が計画する本格的な燃料用DME製造を目指すクリーンな次世代エネルギー・プロジェクトの一環であり、年産100,000トンDMEの原料となるメタノール製造設備です。これはTECが建設中の世界初の年産10,000トン燃料用DME製造設備に引き続いての受注です。
メタノール製造プロセス上の中核部分である合成管(リアクター)には、TECが開発したMRF-Z®合成管が採用されますが、これはTECにとって中国で3基目のMRF-Z®合成管となります。
天然ガスからの合成ガス製造技術に世界屈指の実績があるTECにとり、今回中国で4件目のメタノールプロジェクトであり、今後も中小ガス田の多い中国内陸部でのメタノール・DME設備の受注が期待できます。

 


2003/06/30 三井化学

三井化学とサイテック インダストリーズの合弁会社三井サイテック解消の件

 当社(社長:中西宏幸)と米国 Cytec Industries Inc.(サイテック、社長:David Lilley)は、本年9月末を目途に、両社折半出資の合弁会社である「三井サイテック株式会社」(社長:小沢宏、本社:東京都中央区)につき、
水処理剤事業を三井化学100%出資の関係会社へ、塗料用硬化剤事業(商標ユーバン)を三井化学へ移管し、残る塗料用硬化剤事業(商標サイメル)をサイテックが継承することで、合意に達しました。

 この事業再編は、JVである「三井サイテック株式会社」で培った各事業が十分自立できる事業となったことを契機に、今後の更なる飛躍発展へむけて、夫々両社が、引き継いだ事業を各々のコア事業として運営展開するためのものであります。また、この再編に伴い、両社は合弁会社である三井サイテックへの出資関係を解消することとなります。

 当社は、水処理剤事業を原料である
アクリルアマイドとの一貫したアマイド系事業として、紙力剤事業と併せ強化拡大を図ることとしております。一方、塗料用硬化剤(商標ユーバン)事業は、主に自動車用途を中心に、成長しているアジア市場での展開と併せ、さらに中国市場での拡大を進めていきます。

 また、当社とサイテックは三井サイテックの創立(1976年)以来、良好なパートナーシップを構築してきており、当社は今後もサイテックが継承する事業への原料・用役等の供給を通じた友好関係を継続していきます。
 なお、水処理剤事業については、次のとおり当社100%出資の新会社設立を予定しております。

 1.会 社 名   三井化学アクアポリマー(株)(予定)
 2.資 本 金    4.6億円(予定)(出資:三井化学100%)
 3.営業開始   2003年10月1日
 4.本社所在地   東京
 5.社   長   未定
 6.事業内容     水処理薬品の製造、販売、研究開発
 7.従業員数   約50名
 8.事 業 所   〔工  場〕千葉 (三井化学 市原工場茂原センター内)
〔営業所〕東京、大阪
〔研究所〕千葉
 9.生産能力   水処理剤:11千t/年
10.年間売上高   約40億円
     
(ご参考)三井サイテック(株)の会社概要
1.設   立   1976年(当初社名 三井サイアナミッド)
2.資 本 金   6.2億円(出資:当社/サイテック=50/50)
3.本社所在地   東京都中央区
4.社   長   小沢 宏
5.事業内容   水処理薬品(ポリアクリルアミド、商標:アコフロック、スーパーフロック)、
塗料用硬化剤 (アミノ樹脂、商標:ユーバン、サイメル)の製造・販売・研究開発
6.従業員数   80名
7.事 業 所   〔工 場〕下関:サイメル工場 (生産能力12千t/年)
      茂原:水処理剤工場 (生産能力11千t/年)
〔営業所〕東京、大阪
〔研究所〕茂原
8.年間売上高   約80億円(水処理薬品:40億円、塗料用硬化剤:40億円)


J
une 30, 2003 Business Wire

Cytec and Mitsui Chemicals Agree to End JV; Cytec to Obtain 100% of Coatings Business

Cytec Industries Inc. (NYSE:CYT) announced today the signing of definitive agreements with Mitsui Chemicals Inc. (Mitsui) concerning the companies' interests in the Mitsui-Cytec Ltd. joint venture (JV). After the transactions are completed, Cytec will own 100% of the JV's existing coating resins business which includes a manufacturing facility in Shimonoseki, Japan, and certain technology rights associated with the water treating business in most of Asia. Mitsui will own 100% of the JV's existing water treating business and the JV's water treatment manufacturing facility in Mobarra, Japan. The JV was originally formed in 1976 and total sales in 2002 were approximately $59 million of which approximately $21 million was attributable to the coating resin business to be owned by Cytec. The transaction is subject to obtaining normal regulatory approvals and other customary closing conditions. Terms were not disclosed.

David Lilley, Chairman, President and Chief Executive Officer commented, "This acquisition is consistent with our strategic growth plans for our platform businesses. Cytec and Mitsui have enjoyed a long and successful relationship as joint venture partners and we look forward to continued excellent relations as Mitsui becomes an important supplier of raw materials and services for the resin manufacturing facility in Japan. We look forward to the continuing growth of this business in Asia and especially in the important Japanese market where Mitsui and Cytec have done so well. This acquisition will be essentially neutral to earnings per share in 2003 and we are excited about the future growth opportunities this provides us in our platform businesses."

Shane Fleming, President Cytec Specialty Chemicals added, "Coating resins is a global franchise business for Cytec. The Shimonoseki site is a world-class coating resins manufacturing facility with an experienced and technical workforce plus expansion capabilities to meet the rapidly increasing demand for high quality resins in the Asia-Pacific region.

"In water treating we will retain the rights to practice our technology throughout most of Asia and this will provide us with increased flexibility to service our full-service global customers more effectively."

Forward-Looking and Cautionary Statements

Except for the historical information and discussions contained herein, statements contained in this release may constitute "forward-looking statements" within the meaning of the Private Securities Litigation Reform Act of 1995. Achieving the results described in these statements involves a number of risks, uncertainties and other factors that could cause actual results to differ materially, as discussed in Cytec's filings with the Securities and Exchange Commission.

Corporate Profile

Cytec Industries is a specialty chemicals and materials technology company with sales in 2002 of $1.3 billion. Its growth strategies are based on developing technologically advanced customer solutions for global markets including: aerospace, plastics, industrial coatings, mining, and water treatment.


2003-6-29 Asia Chemical Weekly                  生分解性樹脂事業

P&G and Kaneka Eye Sites for Biodegradable Polymer

Procter & Gamble Chemicals (P&G) and Kaneka Corp. (Osaka) are close to deciding on a location for their commercial-scale plant to produce poly (3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyhexanoate) (PHBH), a biodegradable thermoplastic aliphatic (脂肪族) polyester jointly developed by the two companies. Kaneka holds composition of matter patents, and P&G holds several patents covering the processing and application patents. PHBH is part of P&Gs Nodax family of biodegradable plastics.

The companies are producing PHBH at a rate of 50 kg/week at two undisclosed locations in the U.S., and are now considering
sites in Europe and in Asia for a 30,000 m.t./year plant, says Norma S. McDonald, associate director/P&G Chemicals and commercialization manager/Nodax. Originally we planned to produce the material in the U.S. and ship to Asia and Europe, but given that the demand for the material is strongest in Asia and in Europe we are rethinking that,McDonald says. The companies are considering locations in France, Germany, Italy and the Netherlands; and in China, Malaysia and Taiwan and will hopefully make the final decision in a couple of months,she says.

PHBH is
made by fermentation of sugars from corn and sugar beet, and palm oil-based fatty acids, followed by a separation that yields 85%-95% of the polymer by weight P&G says. The specific process design for the separation part of the process is still being finalized, McDonald says.

P&G is targeting fiber and nonwoven applications, where it says PHBH could compete with polypropylene. The material degrades both anaerobically and aerobically, has alkaline digestibility and good surface properties for printing, P&G says. The main target applications would be flushable consumer products such as feminine hygiene products, medical surgical garments, and wipes. The company already holds patents for diaper top sheets that can be lifted and flushed, McDonald says.

The companies have not yet decided on the ownership structure for the new Nodax plant.
Kaneka has the choice on whether it wants to build entirely on its own, have it toll produced, or do something with us,McDonald says. The choice of the downstream process design will determine the cost of the plant and the onstream date, likely to be sometime after 2004, she says.

The market potential will ultimately be determined by the production cost, McDonald says.
If we want to get the business up to 100,000 m.t./year, we have to get the production costs down close to $2.25/kg. We have set an objective of initial commercialization production cost of not greater than $3/kg. We are getting close to that,she says.


2004/03/24 鐘淵化学工業

P&G社と新たな生分解性ポリマーの商業化に向けた共同開発契約を締結
― 植物油脂を原料とするバイオポリエステル系生分解性ポリマー ―
http://www.kaneka.co.jp/news/n040324.html

鐘淵化学工業とP&G社(Procter & Gamble Company)は、このたび当社が物質特許を保有しているPHBH(3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸の共重合ポリエステル)について、商業化を目指した共同開発契約を締結した。契約の期間は1年間。
   
その主な契約内容として、両社はPHBHに関して保有する、生産、加工に関する技術を持ちより、共同して商業化を目指す。市場開発については、当社が日本、アジア地域を担当し、P&G社は欧米を担当する。
   
PHBHは、生分解性が極めて優れており、嫌気性・好気性のいずれの雰囲気下でも短期間で分解され、最終的には炭酸ガスと水になる。水中でも分解されることから、河川などの底部に堆積した状態でも分解される。
また、PHBHは、共重合体の3−ヒドロキシヘキサン酸の比率が増加するにつれて柔軟な性質が出てくるため、共重合比率をコントロールすることで、硬質のポリマーから軟質のポリマーまで幅広い物性の実現可能性がある。
 主な用途としては、繊維、フィルム、発泡体、射出成型品などに加工され、生分解性の必要なサニタリー用品、農業・土木資材、一般包材などへの利用が考えられる。
 生産については植物油脂を主原料とし、培養技術によって微生物体内にポリマーを蓄積させ、それを精製して取り出す。
   
当社は創立当初から、醗酵法ブタノールの生産をはじめとして、イノシン酸の醗酵製造など長い経験と実績に基づく醗酵による製造を手がけてきており、現在では医薬品における中間体や機能性食品素材であるコエンザイムQ10などの製造に、その技術を応用している。

【P&Gグループ会社概要】

創 立 1837年
本 社 米国オハイオ州シンシナティ
売上高 433億7700万ドル(2002年7月〜2003年6月期)
取扱品目 ファブリック&ホームケア製品、ビューティケア製品、ベビー&ファミリーケア
製品、ヘルスケア製品、スナック・飲料品
従業員数 約98,000名
上場証券取引所 ニューヨーク、シンシナティ、アムステルダム、パリ、バーゼル、ジュネーブ、
ローザンヌ、チューリッヒ、フランクフルト、ブリュッセル、東京

 (「P&G Japan」のホームページより抜粋)


NodaxTM    http://www.nodax.com/japanese/

NodaxTMとは、再生可能な資源から製造できる、画期的なポリヒドロアルカン酸系の、生分解性ポリエステルの一種です。

新素材の用途の可能性を探求するには、その素材の物性、形態、由来、コストの組み合わせが決定的な鍵となりますが、これらすべての要因に対しても、Nodax
TMは、現在の市場、また今後拡大を続ける市場においても、極めて画期的な用途の可能性を数多く持っています。

分子量やコモノマー含量を操作することにより、NodaxTMは極めて幅広い形態をとることができます。その一部には以下が含まれています。

 ・繊維 / 不織布
 ・発泡体
 ・合成紙
 ・射出成形品
 ・中空成形品
 ・薄膜(フィルム)
 ・押出コーティング
 ・接着剤
 ・ラテックス

Nodax
TMは、発酵や農作物から直接抽出される原料ポリマーとして、単独でまたは他の素材とブレンドして使うことができます。


2001/10/11  P&G

プロクター & ギャンブル (P&G) は、生分解性プラスチックの画期的な応用技術について鐘淵化学工業株式会社(以下、鐘淵化学) とライセンス契約を締結。
この協力関係により、世界中でバイオプラスチックの利用が加速されることが予想される。

 P&Gは、日本の大阪を本拠地とするプラスチック、樹脂、合成繊維及び化学の大手製造企業である鐘淵化学とPHBH(ポリ・3・ヒドロシキブチレート・3・ヒドロキシヘクサノエート)の初期段階の商品化に関するライセンス契約を結んだと本日発表した。
 
鐘淵化学は同社の研究者が開発した新しいバイオベース生分解性プラスチックであるPHBHの物質特許を保有しており、P&GはPHBHの処理ならびに応用に関する数件の特許を保有している。これらの特許は、P&Gの科学者が開発した、新しいバイオベース生分解性プラスチック群で形成されるNodaxTMポートフォリオの一部である。

 このライセンス契約により、
鐘淵化学はPHBHの応用と処理を一貫して行うことができる。鐘淵化学は商業用製造工程を開発し、3年以内に大量の商業用 PHBHを生産する予定である。

 「今回のライセンス契約は、鐘淵化学のように非常にユニークで優秀なパートナーと協力しあって当社が開発した新技術を展開していくという P&Gの方針の重要な一歩である。」とP&Gの最高技術責任者のギル・クロイド氏は言う。「Nodax
TMのような技術をライセンス契約することにより、将来、技術の初期投資に対する追加の収益が得られ、また商品化が促進できる。」

 「エキサイティングかつ重要な新しいバイオプラスチックの分野で、P&Gと協力して前進する機会を得られて嬉しく思っています。」と鐘淵化学の常務取締役の大西優氏は言う。「当社はP&Gと同様に、これからの新しいプラスチックは、十分なパフォーマンスと環境適応性を経済的に可能な状況で組み合わせることによってのみ成功すると考えています。当社のポリマー、PHBHによってこのような組み合わせが可能となります。鐘淵化学は、世界中のお客様に確実に大きな利益を提供する新製品の開発と商品化に携われることを誇りに思っています。」

 PHBHポリマーを最初に発見した鐘淵化学の研究者、塩谷武修氏と鐘淵化学の研究チームは、長年にわたり当該材料の研究を重ねてきた。Nodax
TMP&Gのリサーチ・フェローである科学者の野田勇夫博士の名前にちなんで命名された。野田博士は、その他のP&Gの科学者と共に、開発と商品化に向けてのプロセスを開拓した。

 Nodax
TMポリマー群は非常に魅力的な適用特性をいくつも有している。その中には、ユニークかつ容易な廃棄を可能にする、嫌気性および好気性条件下での迅速な生分解性およびアルカリ崩壊性、高温下での加水分解に対する安定性、良好な臭気及び酸素バリアー、印刷性及び親水性/ウィッキングにとって理想的な表面特性が含まれている。NodaxTMの樹脂は薄膜、繊維、不織布や成形品などの様々な有用な形態に容易に成形できる。これらの特性は使い捨てのワイピングクロス、医療手術着、コップやストローなど食品系廃棄物のたい肥化など様々な用途に利用できる幅広い可能性を示している。そして、肥料、除草剤または殺虫剤などにも有益となる可能性を持つ。

 また、その他のNodax
TMのユニークな適用特性として、別の種類の樹脂との混和性があり、他樹脂とのブレンドにより優れた合成物質を作ることができる。例として、NodaxTMをCargill Dow社が開発した、とうもろこしから誘導したポリマーであるNatureWorks® (ポリラクティック酸または PLA) と組み合わせることが可能である。P&Gと鐘淵化学はすでにNatureWorks®の顧客と共に、組み合わせ用途の開発に着手している。

 「この開発について喜ばしく思っています。」とカーギル・ダウ社(Cargill Dow)の副社長兼最高技術責任者のパット・グルーバー博士は言う。「他樹脂とのブレンドによりさらにパフォーマンスが向上する特性により、変換に携わる者が、新しい有益で発展能力のあるバイオポリマーの用途開発をすることができ、最終的には市場をさらに完全に開拓していくことが可能となります。」


プロクター & ギャンブル (P&G) について

P&Gは
Pampers®、Tide®、Ariel®、Always®、Whisper®、Pantene®、Bounty®、 Pringles®、Folgers®、Charmin®、Downy®、Lenor®、Iams®、Olay®、Crest®、Vicks®、Actonel® など250以上のブランドを販売しています。 P&Gでは、世界中の80ヶ国以上の国で約106,000人の社員が働いています。 P&Gについての詳細情報はウェブサイトwww.pg.comをご覧下さい。

Nodax
TMについての詳細またはライセンス契約についての情報は、当社のウェブサイトwww.nodax.comをご覧下さい。


化学工業日報  2003/7/10

三菱化学、中国でのPTA計画FSを開始

 三菱化学は、中国での
高純度テレフタル酸(PTA)企業化に向け、本格的な事業化調査(FS)を開始する。このほど中国当局からFSに関する認可を取得したもので、浙江省大謝島における年産60万トンの設備新設に関するプロジェクト実現に向けて大きく動き出す。早ければ2005年の完成を目指し、来年早期にもFSを完了して意思決定を図りたい考えとみられる。また投資規模は総額3億ドル程度が予想されており、三菱化学にとっては初の大型中国プロジェクトともなる。同社では、これを第1弾に今後は中国で大型投資も積極化していく構想だ。


China Chemical Reporter 2003-7-18

Mitsubishi to Build PTA Facility in China

Mitsubishi Chemical Industries Ltd. of Japan got the primary approval of the construction of 600 000t/a PTA with investment of US$315 million in Daixie Development Zone in Ningbo City, Zhejiang Province PRC. The feasibility study report for the PTA project will be handed to the Chinese government for approval.
It may be a joint venture with the potential partner China International Trust Investment Company (Citic), Mitsubishi with 80% stake and Citic 20%. The PTA project is expected to put into production in the year of 2005 to 2006.
The PTA unit of Mitsubishi is one of a few foreign-fund PTA project got the approval from the Chinese government, including the PTA project of BP Amoco in Zhuhai, and Xiang Lu Fibers (XIAMEN) Co., Ltd. and Yuan Fang Industry (Shanghai) Co., Ltd. both funded by Taiwan Companies.


http://www.xmxl.com/gb/index1.php

Xiang Lu Fibers(XIAMEN)Co., Ltd., Locates in the Haicang Investments Zone of Xiamen city, is the top-sized sole foreign investment enterprise of China fiber chemical industry, with a total investment of 315 million US dollars, registered capital of 117.5 million US dollars, 2700 employees, and a company area of 600,000 square meters, predicted to achieve the annual output of 350,000 tons polyester, with the products value of about 3.6 billion RMB. Starting from the formal production in April of 1995, the company is insisting to achieve the perspective goal of becoming an enterprise of "World Excellent Fiber Supplier", taking the development of china fiber industry as its own responsibility, pursuing production automation, production diversification, management computerization, and striding ahead of other fellow enterprises with its first-class technology, quality and service.


2003/7/10 BASF            生分解性樹脂事業

Cooperation with U.S. biotechnology company Metabolix
BASF to investigate renewable resource based plastics

BASF Aktiengesellschaft, Ludwigshafen, Germany, and Metabolix, Inc., Cambridge, Massachusetts, have entered into a research collaboration agreement on plastics made from renewable resources. Under the terms of the initial one-year agreement, Metabolix will produce polyester plastics from sugar using fermentation technology and supply BASF with pilot-scale sample quantities. BASFs polymer research division will investigate the materials technology and processing properties of the products. The terms of the deal include extensive information-sharing between the two partners; financial terms were not disclosed.

Polyhydroxyalkanoate polyesters (PHAs) are a versatile family of biodegradable plastics made from renewable resources. They have a very broad range of applications and may be used for the manufacture of plastic films, fibers, thermoplastic materials, and dispersions for adhesive raw materials or coatings.

We are delighted at the prospect of exploring new applications for our plastics in collaboration with BASF research scientists,says Jim Barber, President of Metabolix, Inc. This arrangement marks another important milestone on our commercialization path.

The collaborative deal gives BASF the opportunity to gain experience with a technology that is still in its infancy. The manufacture of plastics using microorganisms holds huge future potential,says BASF polymer research scientist Dr. Dietrich Scherzer, who is leading the project. In the medium to long term, renewable resources are an attractive alternative to petrochemical raw materials - also from an economic point of view.

Founded in 1992, Metabolix, Inc. uses sophisticated biotechnology to produce environmentally friendly performance plastics and specialty chemicals from renewable resources. The company is a world leader in applying the advanced tools of metabolic engineering and molecular biology to produce PHA plastics in microbial systems efficiently via fermentation and, ultimately, directly in non-food plant crops. The companys current focus is on commercializing PHAs in applications where they provide unique performance benefits. Targets include paper coatings, nonwovens, adhesives, disposable food ware, and performance additives for other polymers. For more information on Metabolix visit the website at www.metabolix.com.


Metabolix   http://www.metabolix.com/

Welcome to Metabolix. Our integrated interdisciplinary team is applying the cutting edge tools of biotechnology to create a new generation of highly versatile, sustainable, environmentally-friendly plastics and chemicals.

Metabolix produces a wide variety of bioplastics through the fermentation of natural sugars and oils using microbial biofactories. These materials range in properties from stiff thermoplastics suitable for molded goods, to highly elastic grades, to grades suitable for adhesives and coatings. In some cases, bioplastics offer combinations of properties not available in synthetic materials. For example, bioplastics, excellent water resistance with biodegradability, allowing flushable personal hygiene products and wet wipes. In the future, bioplastics will be produced directly in plants, making them cost-competitive with even general purpose resins such as polyethylene.
PHAs will serve as environmentally friendly alternatives to over half of the plastics used today.

PHA Structure and Properties

PHAs (polyhydroxyalkanoates) are semicrystalline thermoplastics, ranging from around 70% crystallinity to very low crystallinity. They have the following generic structure:


R can be hydrogen or hydrocarbon chains of up to around C13 in length, and x can range from 1 to 3 or more. Varying x and R effect hydrophobicity, Tg, Tm, and level of crystallinity.

When R is a methyl group and x=1, the polymer is poly-3-hydroxybutyric acid (PHB), the base homopolymer in the PHA family. [For comparison, when R is a methyl group and x=0, the product is polylactic acid and when R is a hydrogen atom and x=4, the product is polycaprolactone.]

PHAs containing 3-hydroxy acids have a chiral center and hence are optically active. By the very nature of the manufacturing process at Metabolix, all 3-hydroxy units have an R configuration.

Metabolix has achieved the ability to produce a variety of PHA homopolymers, copolymers, and terpolymers, using high-productivity microbial bio-factories. Copolymers vary in the type and proportion of monomers, and are typically random in sequence. The range of PHA structural architectures that is now accessible has opened a broad property space, encompassing rigid thermoplastics, thermoplastic elastomers, and grades useful in waxes, adhesives, and binders. Metabolix can also break down PHAs into their building blocks, which have application as solvents and chemical intermediates.

PHAs can also be produced as aqueous dispersions. The glass transition temperature (Tg) of PHA dispersions are generally below 0°C. These dispersions are unique in that they can be made in the amorphous state, but form semicrystalline films after drying. Hence there is no need to use traditional coalescing solvents or plasticizers to artificially reduce the polymer glass transition temperature during the film formation and drying processes. These films are extremely tough and show unusual scrub and scuff resistance compared with conventional emulsion polymers.


2003/7/17 エネルギー総合工学研究所/東洋エンジニアリング

IAE/TEC/RITE共同で新しい「天然ガス内熱式水蒸気改質法」を開発
 = CO2排出なく低い設備費で天然ガスからメタノールを製造できる新技術 =

 財団法人エネルギー総合工学研究所(IAE、理事長 秋山守)と東洋エンジニアリング株式会社(TEC、社長 広瀬俊彦)は、財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE、理事長 秋山喜久)と共同で、二酸化炭素を排出することなく、かつ設備コストを下げて、天然ガスからメタノールやDMEなどのクリーンな次世代エネルギーを製造するための合成ガスを作り出す新たな技術である「天然ガス内熱式水蒸気改質法」を経済産業省の補助金を得て開発中です。

 通常、天然ガスを水蒸気改質してメタノールなどの原料となる合成ガスを製造する場合、触媒が充填された複数の管型反応器を加熱炉に入れてバーナーで外側から加熱する「外熱式」が用いられており、加熱のための燃焼により発生する二酸化炭素の排出を避けることができませんでした。今回新たに開発されたのは、酸化触媒と改質触媒が交互に充填されている密閉された反応器の中で、外から加熱することなく内部の酸化触媒の発熱反応と、その熱を利用した吸熱反応の水蒸気改質により合成ガスを製造する新方式の「内熱式」技術です。

 新方式の「内熱式」では、主に水蒸気・天然ガス・酸素からなる原料ガスが反応器内の酸化触媒層で発熱反応である部分酸化反応により昇温され、次いで改質触媒層で吸熱反応である水蒸気改質反応により次第に温度が下がります。さらに酸素を追加し同様に酸化触媒層と改質触媒層を通す操作を数段繰り返すことで高い合成ガスの収率が得られます。従来の「酸化触媒を用いない内熱式」では、反応器内部で天然ガスの一部が燃焼する際、高温が発生すること、高温により原料ガスが熱分解し煤が発生すること等の問題がありましたが、酸化触媒を用いて反応開始温度を450℃程度へと大幅に下げることにより解決することができました。

 また反応器外壁温度も300℃程度以下に下げられるため、余熱器の負荷を小さくして合成ガス製造が可能であり、設備小型化や安価な装置材料の使用による設備コストの大幅な低下が期待できます。
この製造法のポイントとなる酸化触媒にはRITEが開発したマンガン置換「ヘキサアルミネート型触媒」が、改質触媒にはTECが開発した「ISOPR触媒」が使用されています。今般、TEC茂原研究室で、両触媒を組み合わせた小型実験装置を用いてこの「天然ガス内熱式水蒸気改質法」の有効性を確認しました。さらに、IAEは、独立行政法人産業総合研究所北海道センターで、透過型実験装置を用いて、両触媒を充填した石英製の反応器内で起こる反応の様子を目視し、酸化触媒層が十分低温で赤熱する様子を捉えています。


天然ガス水蒸気改質法の比較表

  外熱式 内熱式
(従来型ATR)
内熱式
(酸化・改質触媒式ATR )
反応温度 〜900 ℃ 〜2000 ℃ 〜1000 ℃
材料温度 〜1100 ℃
(金属)
〜2000 ℃
(バーナー周り:2500 ℃)
〜1000 ℃
(無機材料)
問題点及び
課題
・耐高温金属材料
・二酸化炭素の排出
・高温材料
・「すす」の生成
・触媒の開発
・新しい反応器の開発
酸素設備 不要 必要 必要
メリット 実績が多い 機器が小さい 機器が単純
建設費


<参考>
■ IAEのグリーンフューエル製造技術開発プロジェクト
IAEは経済産業省の補助金を得て、平成12年度から5ケ年計画で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の産学協同研究「石炭・天然ガス活用型二酸化炭素回収・利用技術開発」プロジェクトの一環として、石炭および天然ガスから、太陽光や風力・水力等の自然再生エネルギーを利用し、二酸化炭素を排出することなくメタノール等の液体燃料を製造するためのプロセス開発を目的としたプロジェクトを進めています。その一つが新しい「天然ガス内熱式水蒸気改質法」の開発であり、他にも「石炭・水混合燃料(CWM)予熱式石炭ガス化炉」の開発などを行なっており、産業技術総合研究所(産総研、理事長 吉川弘之)の北海道センター内に実証プラントが設置されています。

■ TECのISOPR触媒
合成ガス製造技術においては世界屈指の実績を持つTECが開発したISOPR触媒は、従来の市販触媒に比べ3−4倍の非常に高い活性を持ち、伝熱性の大幅改善、燃費削減効果、改質管寿命延長(2−3倍)、生産量増大(20−30%)などのメリットが得られます。ISOPR触媒は、合成ガス製造、水素製造で商業実績を積み重ねており、2000年には触媒学会賞と石油学会賞を受賞しています。


2003/07/24 トヨタ

トヨタ、バイオプラスチック生産実証プラントを建設へ

 トヨタ自動車(株)〔以下トヨタ〕は、植物資源を原料とした
バイオプラスチック(ポリ乳酸)を生産する年産1000トンクラスの実証プラントを、日本国内の既存工場内に建設することを決定した。

 トヨタは、「地球再生・循環型社会構築」に向け、自動車の生産・使用・廃棄、全ての段階で環境負荷低減に取り組むことはもとより、様々な分野の環境負荷低減技術の研究・開発にも積極的に取り組んでおり、その一環として、バイオプラスチック製造技術の研究・開発を推進している。既に、自動車用に耐久性・耐熱性等を向上させた「トヨタ エコプラスチック」として、本年5月にモデルチェンジした新型「ラウム」に採用を開始している。

 今回の実証プラントは、バイオプラスチック製造のための各工程の要素技術がほぼ確立したことを受け、量産化に向けたコストや品質目標達成の検証を行うことを狙いに建設するものであり、サトウキビを原材料に、乳酸の発酵・精製からポリ乳酸の重合(高分子化)までを一貫して手がける計画である。

 バイオプラスチックは、大気中のCO2を吸収して成長した植物資源を原料とするため、従来の石油系プラスチックに比べ、地球温暖化防止に貢献するだけでなく、土中の微生物により水とCO2に分解されるという生分解性を付与することもでき、廃棄物処理問題の解決にも役立つ等、極めて環境負荷低減に貢献度の高いものである。

 トヨタでは、この実証プラントで生産したバイオプラスチックを、内装材を中心とした自動車部品材料として展開していくと共に、我々の生活に広く浸透している多くのプラスチック汎用製品へも応用を図っていくことにより需要を開拓し、本格プラント建設への足がかりとしていく方針である。


◆バイオプラスチック実証プラントの概要

建設予定地   日本国内の既存工場内
敷地面積   約5000m2
建設開始予定   2003年内
実証開始予定   2004年 8月
生産規模   年産1000トン
原材料   サトウキビ
投資額   約23億円

2003/8/13 朝日新聞夕刊

古米からプラスチック量産 農水省が補助・原料供給計画

 植物が原料で、廃棄しても土の中で分解される「
生分解性プラスチック」の本格生産を支援する国の新事業が04年度から始まる。原料には、政府が大量に抱え、処分に困っている古米を使う一石二鳥の試みだ。農林水産省が8月末に提出する04年度予算の概算要求に技術開発と工場建設への補助金を新たに盛り込む。米国などでは事業化が始まっており、取り組みの遅れている日本メーカーを後押しする。

 補助金は04年度分として約20億円、06年度までの3年間で計60億円を要求する。農水省は参加企業を募って技術開発費の50〜100%、工場建設費の50%を補助する。対象とする工場は1カ所で、年間5万トンを生産する予定だ。

 このプラスチックは土の中で微生物によって水と二酸化炭素に分解される。普通のプラスチックと同じように使え、燃やしてもダイオキシンを発生しないなど環境への負荷も少ない。原料に米やトウモロコシに含まれるでんぷんなどを使い、石油は使わないので石油利用の削減にもつながる。農業用の保温シートなどに使われ始めたほか、「環境への配慮」を訴える狙いもあって、メーカーでの利用も始まった。すでにソニーがヘッドホンステレオ、トヨタ自動車が乗用車部品の一部に導入している。

 国内の事業化が遅れているのは、米国企業が原料にしている飼料用トウモロコシのような安い植物原料が確保できなかったからだ。農水省が目をつけたのは安い古米。政府は昨年10月時点で国産米だけで155万トンの在庫を抱え、このうち53万トンは古くて食用には売りにくい96、97年産が占める。本格生産に必要とみられる「数年間にわたって年10万トン規模」の供給は可能で、販売価格は飼料用に売る際の1キロ20円より安くなる見込みで、飼料用トウモロコシと同水準になる。

 国内の年間のプラスチック需要約1400万トンのうち、生分解性プラスチックは今年度は2万トンにとどまる見込み。しかし、大手メーカーの利用が弾みになって、需要増加が見込まれ、化学業界によると10年度には需要は20万トンに膨らむと試算している。


市民のための環境学ガイド http://plaza13.mbn.or.jp/~yasui_it/index.html

「今月の環境」(2003/8/13)

C先生:今年は、不作になることがほぼ確実だから、古米も多少捌けるだろう。しかし、96、97年産米で、もう食料にもならないという古米だが、いくらなんでも燃やすのは勿体無いように思える。

A君:燃やしてエネルギー源にするとしたら、でんぷんとたんぱくですから、発生エネルギーは紙程度。10万トン/年を燃やしたとして、4万トン程度の石油の節約ですか。

B君:2.5億トンもの石油を燃やしている日本という国にとって、4万トンでは余りインパクトが無い。

C先生:実は、内閣府のS氏から情報を貰っているのだが、やはり、同様の考え方のようだ。工業原料にするという発想が余りなかったとのこと。

A君:プラスチック原料も一つの可能性ではありますが、アルコール用の原料だってありそうですよね。

B君:経済的な要素が大きいので、焼酎の原料も良さそうには思うが。

 


毎日新聞 2003/11/5

樹脂製タンク 国産車にも利用広がる 軽量、安全、加工に便利

 欧米車に比べて遅れていた国産車のガソリンタンクの「プラスチック(樹脂)化」が浸透してきた。日本では鉄製タンクが主流だったが、車の軽量化や安全性が重視されるのに伴い樹脂の利点が注目され始め、樹脂メーカーは今後の有カな成長市場と期待している。
 タンクの素材には、ガソリンが気化して漏れるのを遮断する性質が必須。気体遮断性に優れた樹脂としては、クラレが発明し、72年から販売を始めた「エバール」などがある。
 エバールは、かつお節やマヨネーズのパックなど食品包装材を中心に利用されているが、94年以降は欧米車のタンクの素材にも使われ始めた。
 樹脂は軽くてさびず、加工しやすいほか、衝突時も割れにくいためタンクに向いており、米国車の約7割、欧州車の約9割に採用されている。クラレは米国車の大半、欧州車の約1割にエバールを供給しているが、国産車では99年のホンダ向けが初めてだった。
 しかし、その後はホンダ以外のメーカーにも広がり、現在では国産車のエバール採用率が1割を突破、鉄製タンクの牙城を崩し始めた。樹脂製タンクを作るにはエバール以外の樹脂も使う必要があるため、クラレ以外の樹脂メーカーも樹脂製タンクの需要増に期待している。


2003/11/11 三菱瓦斯化学

子会社の異動に関するお知らせ
  
http://www.mgc.co.jp/news/2003/031111.pdf

 当社は、本日開催の役員会において、当社の持分法適用会社であるエイ・ジイ・インタナショナル・ケミカル株式会社(以下「AGIC 」)の株式を、合弁相手先企業であるAmoco International Finance Corporation から購入し、子会社とすることを決定しましたので、お知らせします。

1 .異動する子会社の概要

(1)商号   エイ・ジイ・インタナショナル・ケミカル株式会社
(2)代表者   代表取締役社長 川添 能 夫
(3)所在地   東京都港区西新橋一丁目1 番3 号
(4)設立年月日   昭和43 年1 月30 日
(5)主な事業内容   イソフタル酸の製造及び販売
(6)決算期   3 月31 日
(7)従業員数   40 名
(8)資本金   850 百万円
(9)発行済株式数    850,000 株
(10)大株主及び
  持株比率     
  三菱瓦斯化学株式会社 50%
Amoco International Finance Corporation 50%
(11)当社との関係    
   資本的関係 当社はAGIC の発行済株式の50 %を保有しております。
   人的関係 当社の執行役員のうち、1 名がAGIC の監査役を兼務しております。
   取引関係 AGIC は、イソフタル酸の主要原材料であるメタキシレンを全量当社より購入しております。
(12) 業績動向   (単位:百万円)
   
  平成14年3月期 平成15年3月期

売上高

6,478

7,444

営業利益

1,039

1,027

経常利益

713

672

当期純利益

415

384

総資産

9,816

8,710

     
2 .株式の譲渡会社
(1)商号   Amoco International Finance Corporation
(2)代表者   President K.E. Holmberg
(3)所在地   4101 Winfield Road, Warrenville, Illinois 60555, USA
(4)設立年月日   昭和42 年5 月29 日
(5)主な事業内容   BP Amoco Chemical Company の金融子会社
(6)資本金   US$ 2,500,000
(7)大株主及び持分比率   BP Amoco Chemical Company 100%
(8)当社との関係   資本的関係、人的関係及び取引関係はありません

3 .取得株式数、取得価額および取得前後の所有株式の状況

(1) 異動前の所有株式数 425,000 株 (所有割合 50 %)
(2) 譲受株式数       425,000 株 (取得価額 2,950 百万円)
(3) 異動後の所有株式数 850,000 株 (所有割合 100 %)

4 .取得の理由
 AGIC は、塗料、繊維、不飽和ポリエステル、PET 樹脂などに広く用いられる化学品であるイソフタル酸の生産、販売を行っています。
 AGIC は、イソフタル酸事業を欧米で展開しているBP グループとの合弁で、昭和43 年に創業し、現在に至っております。
 このたび、BP グループから同グループ保有のAGIC 株の売却申し入れがありました。
 AGIC は当社のメタキシレンの大口需要先であり、当社のコア事業であるメタキシレン系事業の拡大強化を図るため、BP グループ保有のAGIC 株の購入を決定しました。
 本件により、当社の持株比率は100%となりますが、AGIC の製造・営業体制についての変更はありません。

5 .日程
 平成15 年11 月14 日(予定)株式譲渡契約書の締結
 平成15 年12 月15 日までに譲渡完了予定

6 .業績に与える影響
 BP グループ保有のAGIC 株式を当社が取得することによる当社業績に与える影響は軽微です。


平成16年3月3日 三菱ガス化学

子会社株式の一部譲渡について
http://www.mgc.co.jp/news/2004/040303.pdf

 三菱ガス化学株式会社(以下、当社。本社:東京都千代田区、社長:小英紀)は、100%子会社であるエイ・ジイ・インタナショナルケミカル株式会社(以下、AGIC。本社:東京都港区、社長:川添能夫)の発行済み株式数の8.4%にあたる71,400株をエヌ・エヌ・ケミカル株式会社(以下、NNCC。本社:東京都港区、社長:國吉英五郎)に約5億円で譲渡いたしました。
 AGICは、PET樹脂の改質材や粉体塗料となるイソフタル酸の世界第2位のメーカーです。イソフタル酸の世界市場は約45万トンで、その内アジアが15万トン強を占めており、今後もアジアでは年率10%強の成長が見込まれています。AGICは年産12万トンの生産能力を有し、アジアでは最大のメーカーであるとともに当社のメタキシレン事業の大口需要家となっております。
 当社はメタキシレン系事業強化の観点から、昨年、当時の合弁事業相手であったBPグループよりAGIC株式を買い取り、AGICを100%子会社化しておりましたが、アジア地域でのイソフタル酸販売店の一つであるNNCCからの出資を一部受け入れ、これまで以上に同社における内外の販売網を活用することといたしました。
 なお、NNCCによる株式保有後もAGICの経営は当社の主導で行い、AGICの製造・営業体制に変更はありません。また、AGIC株式をNNCCに譲渡したことによる当社業績に与える影響は軽微です。

            2007年度 10,000トン   売上予想100億円

3. 設備投資の概要
  場   所   :当社 岡山事業所(岡山市 事業所長:上席執行役員 和食 征二)
  設 備 能 力 :年産5,000トン
  稼 働 開 始 :2004年9月
  設備投資額 :約10億円

【ご参考】
新バリア樹脂がターゲットとする用途(食品包装)
●シュリンクフィルム(食肉用)   現行品:PVDCなど

●PET系バリアボトル  現行品:PET/MXD-6など
   
●深絞りカップ    現行品:EVOH(新樹脂採用により、さらに超深絞り品が可能)