2002/5/25 三菱化学

フォトレジスト事業の譲渡について

 三菱化学株式会社(本社:千代田区丸の内、社長:正野 寛治)は、この度米国
シプレイ社(Shipley Company L.L.C、本社:米国マサチューセッツ州マールボロー市、最高経営責任者: Pierre R.Brondeau)への半導体用フォトレジスト事業の譲渡につき合意致しました。

 当社は、1987年(昭和62年)から半導体製造用のフォトレジスト事業に参入し、半導体の高容量化に合致した高解像度のフォトレジストを開発、製造、販売してまいりました。その間、1998年(平成10年)には、三養社(本社:大韓民国ソウル市、社長:金 )との合弁で
韓国リソケム社(Lithochem Korea Co., Ltd. 本社:大韓民国天安市、社長:太田見義雄)を設立しております。

 一方、シプレイ社は、
ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Company、本社:米国ペンシルバニア州フィラデルフィア市、最高経営責任者:Raj L. Gupta)の全額出資子会社で、1963年(昭和38年)から半導体用フォトレジスト事業を全世界で行っております。

 当社は、昨年末に策定した中期計画に沿って「選択と集中」を進めておりますが、その一環として、今回の事業譲渡を行うこととしたものです。一方、シプレイ社は、当社からの事業譲受により、今後マーケットの急拡大が見込めるアジア地域において強固な拠点を確保することとなります。

 今回合意に至った事業譲渡の内容は、次の通りです。

 三菱化学は、フォトレジストの
営業権、知的財産権、黒崎事業所(福岡県北九州市)及び韓国リソケム社の製造、RD設備等をシプレイ社とその日本及び韓国の現地法人に譲渡する。
 黒崎事業所のフォトレジスト製造設備の運転は、三菱化学が受託する。
 今後両社は、必要な官辺手続等を経たのち、本年6月末を目標に、スムーズな事業移管を進めてまいります。


1998/3/26 三菱化学

フォトレジスト事業に関する韓国三養社との合弁会社の設立について
 
 三菱化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:三浦 昭)は、今般韓国におけるフォトレジストの製造及び販売につき、韓国三養社(本社:韓国、社長:金銃)と、合弁会社を設立し事業展開を図ることと致しました。
 三菱化学社では、フォトレジスト事業を国内のみならず、韓国・台湾・米・欧等を中心に海外販売も積極的に展開して参りました。その中でも、韓国につきましては、顧客から韓国国産化を強く求められており、種々検討して参りましたが、今般、韓国の三養社との間で、韓国での合弁会社設立に関し、立地、出資の形態等につき合意に達しました。

 新社「韓国リソケム株式会社(Lithochem Korea Co.,Ltd.)」は、年産10万ガロンの製造設備を韓国天安市の天安工業団地内に本年5月に着工し、平成11年2月に完成する予定です。新社に対して、三菱化学社はフォトレジストの製造技術、評価技術を提供し、三養社は管理運営業務の支援を行います。今後、韓国の顧客との新規レジストの開発協力、迅速対応及び安定供給等を行うことにより、顧客の要望に応えていく予定です。

 なお、新社の概要等は別紙のとおりです。

 三菱化学社は、フォトレジスト事業の事業拡大のために、現在、開発要員の増員及び評価設備の充実に取り組んでおります。また、黒崎事業所におきましては、昨年9月に増強を完了し、年産20万ガロンとなっており、韓国新社と併せると年産30万ガロン体制となる予定です。

<添付別紙>

1 .新社の概要
(1)社  名   韓国リソケム株式会社(Lithochem Korea Co.,Ltd.)
(2)資 本 金   40億ウオン(約3.5億円)
(3)出資構成   三菱化学社70%、三養社30%
(4)本  社   韓国天安市
(5)社  長   太田見 義雄(三菱化学株式会社情報電子カンパニー)
(6)従業員   当面30名でスタート
(7)事業内容   フォトレジストの製造と販売
     
2 .フォトレジスト製造設備概要
(1)生産能力   10万ガロン/年
(2)立  地   韓国天安市天安工業団地
(3)投 資 額   300億ウオン(約25億円)
(4)着  工   平成10年5月
(5)完  成   平成11年2月
     
3 .三養社の概要
(1)設  立   1924年
(2)資  本   527億ウオン
(3)本  社   韓国ソウル市
(4)社  長   金銃
(5)従 業 員   約3,500人
(6)事業内容   ポリエステル繊維、砂糖、飼料等の製造・販売
(7)当社との関係   1988/1 TPAのJ/V 三南石油化学社設立
    1989/3 PCRのJ/V 三養化成社設立

  


2001/3/22 昭和電工

フォトレジスト等の原液事業の提携に関して

 半導体用ポジ型レジスト現像液の原液であるTMAH(テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイド)事業において世界最大のセイケム社(Sachem Inc. 米国テキサス州 John E. Mooney CEO)と昭和電工株式会社(東京都港区 大橋光夫社長)は、同事業で提携することに合意いたしました。

 TMAHは、半導体フォトレジスト、TFT液晶用現像液の原液で、世界の市場規模は2000年の約3万トンに対して2004年には4万トン超と今後も継続して需要の高まりが見込まれる製品です。
 なかでも日本、韓国、台湾、中国を中心としたアジア地区において、市場規模は同期間に約1.5倍成長し、全世界の過半数量を消費すると推定されております。

 提携内容は、以下の通りです。

1. 昭和電工がセイケム社の日本法人であるセイケム・ジャパン(株)(SJL)に34%出資する。
2. SJLの社名をセイケム昭和(株)に変更するとともに、アジア地区をテリトリーとするTMAH製造販売会社とし、両社のアジア地区の販売を統合する。
3. 昭和電工東長原事業所(福島県河沼郡)のTMAH製造設備をセイケム昭和(株)に譲渡する。
4. 東長原事業所の製造設備能力を倍増し、コスト競争力を強化する。
5. 東長原事業所での製造は、昭和電工がセイケム昭和(株)より受託する。

 セイケム社は、日本を含むアジア地区の販売を強化するため、同地区の供給基地を確保するとともに、昭和電工がアジア地区に有する半導体向け関連製品のサービス網を活用することが可能となります。また、TMAHは昭和電工にとって、半導体向け関連製品である特殊ガス、除害装置、ソルファインとともにコア事業として強化すべき製品であり、この提携によりコスト競争力が一段と強化されます。このような両社の考えが一致し、今回の提携に結びつきました。

 セイケム昭和(株)は、東長原の製造設備の第二次増設を視野に入れながら、セイケム社製品の輸入を一部継続することで安定供給体制を確立し、アジア最大のTMAH供給メーカーを目指してまいります。なお、同社では2004年の売上高を15億円と計画しております。

セイケム昭和(株)の概要は以下の通りです。

  本  社   東大阪市水走5−6−27
  工  場   昭和電工(株)東長原事業所内、本社内に充填、希釈設備
  資本金   75百万円
  出資比率  : セイケム社 66%
      昭和電工(株) 34%
  代  表   岡野 光彌(セイケム・ジャパン代表取締役)
  役員構成   セイケム社 4名、昭和電工(株) 2名

(ご参考)

Sacheem Inc.の概要

  本社   米国テキサス州オースチン
  工場   米国テキサス州クレボーン
  設立   1950年
  CEO      John.E.Mooney

 


2000/11/22 化学工業日報

信越化学、直江津にKrFフォトレジストの新工場

 信越化学は、半導体チップの微細化とともに需要が急増しているKrF(フッ化クリプトン=波長248ナノメートル)エキシマレーザー対応フォトレジストの新工場を建設し、2002年度にも年間売り上げ200億円を目指す。同社は今年4月にフォトレジストの生産能力を従来比2倍にし、100億円体制を固めたばかり。しかし、おう盛な需要を背景に矢継ぎ早の投資を決めた。
 信越化学は98年、フォトレジスト市場に最先端のKrF製品で参入した後発メーカーだが、世界シェア約3分の1を占めるトップグループ。半導体市況の回復を受けてレジスト需要は急伸が続いているだけに今年4月、直江津工場の生産能力を2倍にした。ユーザーであるデバイスメーカーの認定を終えた6月以降は本格操業を続けており、「今月は年商100億円以上のペース」(金川千尋社長)と、目標にしてきた100億円突破を達成できそうな勢いだ。この勢いに乗って同社はKrF製品の生産能力をさらに倍増し、2002年度をめどに年間売り上げ200億円体制を目指す。直江津工場は敷地の余裕もあるため、新工場を建設することにした。


1998/1/5 信越化学

信越化学、電子材料分野で新規事業進出 (エキシマレーザー対応フォトレジストとペリクル) 

 信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:金川千尋)は、電子材料分野で新規事業に進出する。1991年に、当社の将来を担う新規事業を創出する目的で、金川社長を委員長とする「Z委員会」を設置。研究テーマを絞り込み、開発を進めてきたが、このほどエキシマレーザー対応のフォトレジスト(感光材料)とペリクル(フォトマスク用防塵カバー)を事業化することを決定した。

A.エキシマレーザー対応フォトレジスト
   
当社は、独自に開発した化学合成技術や量産化技術により、ベースポリマーとして他社に先駆けて単分散ポリヒドロキシスチレンを使用し、さらに独自の置換基を導入。エキシマレーザーに対応できる高解像度と高感度を備えた、化学増幅型ポジティブフォトレジストを開発し、量産化に成功した。
当レジストの感度は、次世代の露光機であるスキャン方式にも対応できるレベル。また解像度は、64MDRAMで導入された線幅0.25ミクロンのプロセスだけでなく、さらに線幅が狭い256MDRAMや1GDRAMのプロセスにも対応できるレベルである。
国内・海外の大手デバイスメーカーで、線幅0.25ミクロンに対応したレジストとして当レジストの採用が相次いでいる。既にデバイスメーカーからは、0.20〜0.18ミクロンにも適用できるレジストとして期待が寄せられており、今後、需要増が確実である。
1997年12月に、直江津工場(新潟県中頸城郡)内に、ベースポリマーから製品にいたる本格的な量産設備が完成し、最新の評価設備も拡充された。これらの投資総額は約40億円となる。今後も需要に応じて増設を計画しており、1999年には年間約100 億円の売上規模を目指す。
   
なお当社では、当レジストとは別に、パソコンの外部記憶装置であるHDD(ハードディスクドライブ)のうちギガバイト以上の大容量タイプに必要な、最先端の磁気ヘッド「GMRヘッド」に使用可能な高解像度厚膜フォトレジストを、世界に先駆けて開発し上市している。GMRヘッドはHDDの大容量化の鍵を握っている。当社の製品はi線対応のレジストで、通常の半導体用フォトレジストの10倍にあたる10ミクロンの膜厚で、サブミクロン(1ミクロン未満) オーダーを解像できる解像度で、GMRヘッドの製造に使用される。国内・海外の大手メーカーで、このレジストが既に採用され、将来の成長が期待できる。群馬事業所(群馬県安中市)で生産を行っている。
   
B.エキシマレーザー対応ペリクル
   
当社は、エキシマレーザーに対応できる光透過性や耐久性を備えたペリクルを開発し、量産化に成功した。ペリクル膜にフッ素ポリマーを使用し、独自に開発したフッ素系接着剤で、ペリクル膜とフレームの接着性を改善した。さらにペリクルをフォトマスクに固定する際の粘着剤には、独自に開発した耐光性の優れた特殊シリコーン系粘着剤を採用した。
ペリクルは高さ約5mmのアルミニウム製フレームに、ペリクル膜を貼り付けた構造。当ペリクルの開発に際しては、当社が半導体材料分野で培ったクリーン化技術や検査技術、さらにシリコーンの製造で培った接着剤、粘着剤、成形加工に関する技術を最大限に駆使した。また収納容器にも独自の工夫を加えている。
デバイスの高集積化に伴って最も問題となる異物管理の面でも、他社より1ランク上のレベルを達成。国内・海外の大手デバイスメーカーやフォトマスクメーカーで採用され、国内で既にシェア50%以上を確保している。 ■ これまで群馬事業所(群馬県安中市)内のプラントで、月産数千枚の生産を行ってきた。今後はクリーンルームの拡張で供給能力を引き上げる一方、1998年度中に量産プラントを建設し、年間40〜50億円の売上規模を目指す。
   
C.新規事業進出の位置付け
   
信越グループは、シリコウェーハから半導体デバイスに至る一連の材料を多数品揃えしており、このようなメーカーは世界唯一である。シリコンウェーハで世界シェア25%、合成石英(フォトマスク基板とステッパー用レンズ材料)で世界シェア55%を占め、いずれも世界最大手である。またエキシマレーザーの光源で世界最大手のCymer Inc.(米国)には、米国子会社(シンテック社)が出資している。
   
今回、新たに事業化するフォトレジストとペリクルが加われば、エキシマレーザーを用いたフォトリソグラフィー工程の主要素材を信越グループで供給できることになる。
   
信越グループでは上記以外にも、シリコン単結晶引上げ用石英ルツボ(信越石英)、炉心管、ボートなど半導体工業用石英ガラス製品(信越石英)、シリコンウェーハ輸送容器(信越ポリマー)、半導体封止材はじめ各種有機材料(信越化学)など、半導体製造プロセスを支える多くの製品を手がけている。このため、半導体各社との営業面、技術面での交流が極めて密である。

2001/9/11 JSR

ベルギーに半導体用材料の新工場を建設
     〜日、米、欧の三極体制強化で半導体材料事業の世界展開を加速〜

 JSR株式会社(社長:吉田淑則)は、ベルギー、ルーバン市のインタールーバン工業団地内に半導体用フォトレジストの新工場建設を決定しました。
 今回の新工場建設は、最先端デバイス向けフォトレジストの販売拡大を捉えて、日米欧三極での生産供給体制を強化するとともに、将来の新規半導体材料の展開に向けた事業インフラ構築を目指したものです。
 2001年9月に着工し、2002年9月末に完工、2003年初頭に商業生産を開始する予定です。投資額は25億円です。

 新工場は、JSRエレクトロニクスN.V.(JSR100%出資)の既存工場とは別に新立地で、最新プロセスによる最先端KrF(フッ化クリプトンレーザー)エキシマレジストの生産設備を建設します。
 生産能力は年産20万リットル(約5万ガロン)で、現像液生産設備も有します。また、今後事業化を予定している低誘電層間絶縁膜材料(Low-k材料)や研磨材CMPスラリーなど、新規半導体材料の生産スペースも視野に入れた計画です。

 当社は半導体用材料事業のグローバル展開を推進しており、これまでに、
四日市、ベ ルギー(JSRエレクトロニクスN.V.)、米国カリフォルニア州(JSRマイクロエレクトロニクスInc.)、佐賀(JSRエレクトロニクス九州梶jの4工場を相次いで稼動させ、アジア、北米、欧州の主要市場をカバーする三極生産供給体制を確立しています。
 当社の半導体用フォトレジストは、大手半導体メーカーから高い評価を得ており、とくにKrFエキシマレジストは、最先端デバイス分野で、販売量が急拡大しています。
 一方で、拡大する最先端レジスト販売量に対応して、適宜各拠点で生産能力の増強を行っておりますが、欧州の生産拠点であるJSRエレクトロニクスN.V.の既存立地での設備増強は既に限界に達していることから、今回の新工場建設を決定いたしました。
 なお既存工場は、新工場稼動後、2004年末までに閉鎖する予定です。


[参考]

〈ベルギー新工場の概要〉
  所在地   ベルギー、ルーバン市 Inter-Leuven工業団地(既存立地に近接)
  敷地面積   28,933平方m
  生産設備   半導体用フォトレジストの調製設備および現像液生産設備
  投資金額   約25億円
       
〈JSRエレクトロニクスN.V.の概要〉
  所在地   ベルギー、ルーバン市 Inter-Leuven工業団地
  代表取締役   長谷川 誠一(JSR株式会社取締役)
  資本金   450百万ベルギーフラン(JSR(株)100%出資)

日刊工業新聞 2003/1/27

JSR、液晶向け着色レジストを増産−九州工場の能力倍増

 JSRは、液晶表示装置(LCD)のカラーフィルターに使う着色レジスト(感光性樹脂)の生産能力を増強する。規模は明らかにしていないが、03年内に全額出資子会社の九州工場(佐賀市)で年産能力を倍増する。建物やクリーンルームの拡張分を含めた総投資額は10億円。これにより供給体制の整備を図り、急拡大する国内の液晶ディスプレー材料需要に対応する。

 増産するのは、現像性に優れた顔料分散レジスト「オプトマーCR」。高いコントラスト(対照性)と透過率を持つレジストで、各種の色度要求に対応できることに加え、回路形成性にも優れていることが特徴。

 同社は全額出資子会社の
ジェイエスアールマイクロ九州(佐賀市、長谷川誠一社長)の九州工場で01年12月に着色レジストの生産ラインを立ち上げたばかりだが、直近ではフル稼働の状態が続いており、急拡大する液晶需要に対応するためには増設の必要があると判断した。

 


東京応化工業

 1940年10月にファインケミカルメーカーとして設立された東京応化は、1972年に国産初の半導体用ポジ型フォトレジスト(感光性樹脂)を開発しました。聞きなれない名称でしょうが、フォトレジストとは半導体製造に欠かせない液体で、光や放射線をあてると、照射された部分だけが変化を起こし、溶剤に溶けなくなったり、逆に溶けやすくなる性質を持った高分子材料のことです。開発以後、国内はもちろん世界でもトップシェアを誇り、業界のリーディングカンパニーとなった今、めざましい進化を遂げる半導体業界に対応して、より超微細な「ナノ・メートル(十億分の1メートル=DNAの分子構造と同じ)」を実現する新しい性質の材料を作り出す研究に取り組んでいます。


日刊工業新聞 2002/8/30

東京応化、中国で半導体製造用フォトレジスト付属薬品を生産

 東京応化工業は数年内に、中国で半導体製造用フォトレジスト(感光剤樹脂)付属薬品を現地生産する。今後数年間で半導体・液晶ディスプレー分野の大規模な投資が見込まれるためで、9月中に上海市に駐在員事務所を新設、具体的な検討作業に入る。同時にシンガポールにも駐在員事務所を開設することにしており、05年には中国と東南アジア地域で02年3月期実績の3倍以上となる100億円の売上高を目指す。

 東京応化工業が中国とシンガポールに事務所を開設するのは、半導体や液晶ディスプレーの生産拠点が中国、韓国、台湾などアジア地域に大きくシフトしているため。セールスエンジニアを常駐させてユーザーニーズの把握ときめ細かな情報提供を行う一方、現地生産・販売拠点の設立に向けた検討作業に着手することにした。


2001/10/4  http://www.semiconductorjapan.net/newsflash/past/semicon_0110_1.html

DuPontと東京応化工業 157nm波長対応レジストを共同開発

 DuPontと東京応化工業は,次世代半導体のチップ製造に使用されるフォトレジストの共同開発およびレジスト製造に必要な特許使用に関する契約を締結した。契約内容の詳細に関しては明らかにされていない。
 この提携により,DuPontのフォトポリマおよびフッ素ポリマ技術と東京応化工業のフォトレジスト開発・製造技術を融合させることで,157nm波長(F2リソ)対応のレジスト開発に取り組む。


1999/12/13 東京応化工業

液晶ディスプレイ用フォトレジスト・装置事業を積極展開

 弊社は、今後大幅な拡大が見込まれれる液晶ディスプレイ用フォトレジスト・装置事業を積極的に展開し、21世紀のコア事業の一つとして、M&E(Materials & Equipments)をコンセプトに材料・装置両面からの研究開発・技術サポートを行い注力してまいります。
 現在、液晶パネル市場の需給の逼迫により各パネルメーカーは増産体制を本格化し、また設備投資意欲も急速に回復しております。この好影響を受け、当社の液晶フォトレジスト・装置も販売・受注が順調に伸張しております。

 東京応化では、半導体用フォトレジストのトップサプライヤーとして長年培ったノウハウをもとに研究開発を進めており、また、需要の増加に対しては一部の生産ラインで液晶用フォトレジストの生産比率を高めるなどして対応しております。さらには、フォトレジスト付属薬品については海外生産をはじめ、世界的に顧客に密着した生産体制を一層整えるべく積極的に展開を図っております。

 また、製造装置に関しましては、液晶ディスプレイ製造用スピンコーターではデファクトスタンダードとなっている「TRシリーズ」に多数の引き合い、受注が寄せられておりますが、さらに拡販を図るためにこの度、850×1,000mmクラスのガラス基板に対応する「TR50000シリーズ」をラインナップしました。

 フォトレジストのトップメーカーとして長年にわたって培ったノウハウを生かし、今後も、M&Eによるトータルソリューションを提供することにより、液晶ディスプレイ用フォトレジスト・装置事業を21世紀のコア事業の一つとすべく注力してまいります。

 


化学工業日報  2001/7/26

長瀬産業/錦湖石油化学  次世代フォトレジストを共同開発

 長瀬産業が韓国の大手石油化学メーカー、錦湖石油化学(KKPC)と共同で行っている次世代型半導体製造用フォトレジストの開発が順調に進んでいる。すでに試作品ができ上がり、性能評価を目的に半導体メーカーへの出荷段階に入っている。2002年にも普及が予想されるワンランク上の微細加工が可能なフッ化アルゴン(ArF)を光源に用いるエキシマレーザー(露光装置)の導入状況をにらみながら、ビジネス構築を目指す考え。
 長瀬産業は昨年からKKPCとの間で、次世代のArF露光による半導体製造用ステッパー(縮小投影型露光装置)に対応した感光性材料であるフォトレジストに関わる共同研究をスタートさせた。生産・開発を担うグループ企業のナガセケムテックスの技術スタッフをKKPCのエレクトロニクス分野の研究、生産拠点の牙山(アサン)工場に派遣し、長瀬がレジスト製品化に向けた応用技術、日本で培った技術サービスや迅速な製造体制の確立、また需要家対応の営業活動などを担当、一方のKKPCが基礎技術や高度なポリマー合成技術を主に担当する研究開発体制を整えている。
 現在までのところ、KKPCのポリマー合成技術に基づくノルボルネン/無水マレイン酸系のレジストで成果が得られ、半導体メーカーに対する試作品出荷を通じ、ArF露光によるステッパーへの適応を進めている。これまでの改良点を含め、需要家から良い評価が集まっており、事業化への道が徐々に開きつつあるという。
 半導体デバイスの製造技術であるシリコンウエハー上に回路パターンを転写する露光技術は、高度集積化・微細化が進むにつれ、波長の短いレーザー光源による露光が求められている。
 現在、主流のフッ化クリプトン(KrF)に比べ、193ナノメートルという短波長のArF光源は最先端のエキシマレーザーとされ、これを組み込んだステッパーが半導体メーカーに次世代の半導体製造用として試験的に導入されつつある。
 長瀬−錦湖石化が狙うのは、既存のフォトレジストでは対応が難しいため、量産化に適した新設計の製品となる。

 


富士フイルムオーリン株式会社     http://www.fujifilm.co.jp/ffo/


 富士フイルムオーリン(株)は富士写真フイルム(51%)と米国Arch Chemicals社(49%)との合弁会社として1983年に設立され、電子産業用感光材料専業メーカーとして順調に発展してきました。当社の主力製品はマイクロフォトレジストです。マイクロフォトレジストとは半導体の命ともいうべきサブミクロン単位 (1ミクロンは1000分の1ミリ、サブミクロンはさらにその10分の1)の微細な電子回路を形成するために必要な感光材料です。当社は様々な種類のマイクロフォトレジストや処理剤などの関連製品を製造・販売しており、日本国内のみならず韓国・台湾などの東南アジアの国々への輸出により順調に業績を伸ばしています。液晶市場向けには1989年に他社に先駆けカラーフィルター用画素形成材料として高解像性を維持しつつ色合いや安定性を保持することが出来る感光性の顔料分散液『COLOR MOSAIC』を発表しました。ノートパソコンの普及によってカラー液晶の大サイズ化・高精細化への需要が急速に高まっているTFT型やSTN型液晶のカラーフィルターに『COLORMOSAIC』は広く用いられ、同種の感光材料メーカーの中でも当社はトップシェアを握っています。

 注 アーチ・ケミカルズ
    1999年、オーリン・コーポレーションから特殊化学品部門が分離独立する形で発足した


1997/2/27 富士写真フイルム

富士ハントエレクトロニクステクノロジー株式会社
     「富士フイルムオーリン株式会社」に社名を変更

 富士写真フイルム株式会社(社長:宗雪雅幸)の子会社である富士ハントエレクトロニクステクノロジー株式会社(代表取締役:中島庸介)は平成9年4月1日より「富士フイルムオーリン株式会社」に社名を変更いたします。

 富士ハントエレクトロニクステクノロジー株式会社(以下富士ハント)は、半導体集積回路製造用感光材料フォトレジストの製造販売会社として昭和58年7月に富士写真フイルム(51%)と米国フィリップ・A・ハント・ケミカル社(49%)との合弁会社として設立され、営業活動を開始いたしました。
 翌昭和59年には静岡県吉田町にフォトレジスト製造工場とテクニカルコミュニケーションセンターを開設し、自社製品の製造販売ならびに顧客サービスを開始いたしました。

 以来、富士ハントは、日米両親会社との緊密な技術協力の下に、
半導体集積回路市場に各種最先端のフォトレジストの製造販売
液晶ディスプレイ市場に液晶カラーフィルター作成用顔料分散型感光材料「カラーモザイク」の製造・販売
プリント配線板市場に富士写真フイルム(株)製ドライフイルムレジストの販売
を行い、毎年2桁の成長を遂げております。
 また平成8年2月には台湾にフォトレジスト用ポジ現像剤製造子会社(台湾富士汎特股イ分有限公司)を設立するなど電子産業用感光材料メーカーとしてアジア市場での活動を強化してきております。

 この間、米国側親会社は創業100年を越す有数な米国の化学会社であるオーリン社の傘下に入り、同社が重視する半導体市場を担当しているオーリンマイクロエレクトロニックマテリアルズ事業部の中で活動を始めております。

 これを契機に、富士ハントは富士写真フイルム(株)・オーリン社のそれぞれの会社名を使用した新社名に変更し、両親会社との繋がりをより強力に訴求してまいります。

 富士ハントはこれまで、『マイクロフォトリソグラフィーの専門技術集団として、電子材料事業を発展させ、世界の進歩に貢献する』との企業理念に基づいて業容を発展させてまいりました。
 今後、新社名「富士フイルムオーリン株式会社」のもと、グローバルネットワークの中でますます活動力を高めてまいります。

富士ハントエレクトロニクステクノロジー株式会社
  本 社 : 東京都渋谷区
  資本金 : 490百万円
  従業員数 : 140人
  売上高 : 95億円(平成8年3月期)
     
オーリン社(Olin Corporation)
  本 社 : 米国コネチカット州ノーウォーク
  代 表 : CEO Donald W. Griffin
  資本金 : 25百万US$(1996年)
  従業員数 : 11,800人
  売上高 : 2,600百万US$(1996年)
  主製製品
    化学品事業(半導体用感光性高分子・プロセスケミカル、塩素苛性ソーダ、
         プール用殺菌剤、防菌・防黴剤、ロケット燃料、硫酸)    
    金属事業
ウインチェスタースポーツ用銃弾事業

シプレイ(Shipley)      http://www.dmi.co.jp/shipley/index.html

1957 シプレイ設立
1958 P-T-Hスルホールめっき触媒を開発
1961 シプレイ海外展開開始
1963 ポジ型フォトレジストの開発に成功
1964 プラスチック・プレーティングシステムを開発
1966 シプレイの最初の子会社英国に設立
1970 シプレイの新ロゴマーク”S”採用
1971 プラスチック機材への金属付着を容易にしたクラウン
プレートシステムが自動車産業に革命を起こす
1975 i線などの紫外線露光を可能にしたポジ型
フォトレジストの新製品開発に成功
1976 シプレイ・ファーイースト設立
1979 日本で製造開始
1980 超LSI製造プロセスを支援する新フォトレジスト製「マイクロポジット」を開発
1982 多層プリント回路製造用トータルシステム製品「キューポジット200プロセス」を開発
1983 笹神工場でマイクロ分野専業の製造プラント開設
1984 電磁波障害(EMI)防止用のシールディング法を開発
1985 広島工場予定地を購入
1986 笹神工場でPC/SF分野の製造プラント開設
1987 シプレイ・マイクロエレクトロニクス設立
1990 資本金4億8,000万円に増資
1992 ローム&ハースカンパニーが100%資本買収
1995 笹神工場にR&D棟開設
ISO9001取得
1999 ISO14001取得
2000 三菱化学(株)半導体部門を買収

 


クラリアント     http://www.clariant.co.jp/lse/s_densi.html

クラリアント社のAZフォトレジスト
  1944年、独ヘキスト社カレ工場において、オスカー・ズースがポジ型印刷版及びマイクロエレクトロニクスに必要なポジ型フォトレジストの基礎となる、ナフトキノン・ジアジドの光化学反応を解明しました。さらに、1953年には世界で初めてプリント配線板およびICチップ製造用ポジ型フォトレジストを開発しました。1997年、ヘキスト社の組織改革に伴い AZフォトレジスト事業は世界有数のスペシャルティケミカルズ企業であるクラリアント社に移管されました。AZの名は、AからZまで顧客ニーズに 応じた幅広い商品群と、ジアジド(ジアゾ)に由来しています。
   
クラリアント社のAZフォトレジスト電子材料関連商品
  クラリアント社は、電子材料関連商品として、半導体・液晶ディスプレイ製造用の感光性樹脂「AZフォトレジスト」を中心に多くの電子材料関連商品を取り扱っています。これらには、 半導体製造用各種化学薬品、エンジニアリングプラスチック「PBITMセラゾール®」、強誘電液晶材料 などがあげられ、今日の世界の半導体産業に大きく貢献しています。
   
日本における電子材料関連での活動
   1983年、国内での製造販売の開始にあたり、静岡県大東町にフォトレジストの製造および技術サービスの拠点となる技術センターを設置しました。その後は、電子材料製品の製造メーカーとして、半導体産業および液晶ディスプレイ産業からの要望に対応すべく、厳しい品質管理の下にAZフォトレジスト製品の製造販売活動を進めてきました。

1990年、日本のエレクトロニクス関連企業と共同で市場のニーズにあった製品を開発する開発拠点として、埼玉県川越市に先端材料技術研究所を設置しました。現在、同研究所は、その機能を静岡県大東町の技術センターに移し、世界のクラリアントグループ電子材料関連製品開発拠点の中核として、次世代のフォトレジストや液晶ディスプレイ材料などの研究開発を行っています。

1995年、半導体業界の顧客に信頼・満足される効果的な品質システムの構築に向けて、品質保証に関する国際規格「ISO 9001」の認定を取得しました。また1999年に静岡県大東町の技術センターを含む静岡工場として環境に関する「ISO 14001」認定も取得しました。今後とも、各種のフォトレジストの開発・生産を行うとともに、顧客ニーズにあった、高性能、高品質のフォトレジスト、関連薬品の製品開発販売により半導体産業、液晶ディスプレイ産業の発展に貢献していきます。

 


オプティカルストレージ (住友化学/ダイセル/住友金属鉱山) 

1985 住友化学 光ディスク製造開始
    Information Storage Inc.とWO型光ディスク供給契約
1990 オプティカルストレージ叶ン立 MO,WO製造販売
    資本金50億円 住化40%、ダイセル40%、住友金属鉱山20% 
1993 オプティカルストレージ渇散

 


1998/8/7 PC Watch  

花王、FD事業に続きCD-ROM事業撤退も

 花王株式会社は5日、CD-ROM事業を売却することを含め、情報機器部門の事業全体を見直す方針を固めた。今後は本業の家庭用品事業に注力する。
 同社は既に、FD事業からも撤退を決めており、CD-ROMからの全面撤退が決まれば情報機器部門の売上高はほぼゼロとなる見通し。
 同社のCD-ROM事業は米Microsoftなどのパッケージソフトの製造が主体で、日米両国とカナダ、アイルランドの4カ所に拠点を持っている。連結ベースでの売上高は約400億円。


企業研究入門コース 花王    http://www.apu.ac.jp/~makita/pdf/8.pdf


--- 後藤社長は、丸田・後藤時代をつうじて作り上げられてきた事業や仕組みに区切りをつけようとしている。例えば、フロッピー・ディスクの製造・販売を停止し、この事業からの撤退を決断したことはあまりにも有名である。花王のフロッピー・ディスクは、世界でもトップ・クラスの生産高を誇っていた。引き続いて最近の花王は、その他一切の情報関連事業(ワード・プロセッサー用リボン、CD-ROM)から撤退するなど、今後、より高い利益(率)が得ることができ、高い成長が期待できるような事業分野や製品のみへの「選択と集中」を推進し、これをいっそう徹底化しようとしている。---

 


2002/9/12 大日本印刷

あらゆる色表現を可能にする 新液晶ディスプレイ用カラーフィルターを開発

 大日本印刷株式会社(以下DNP)は、国際規格であるISO12642 1) に規定される4色印刷評価用データ928色を100%再現できる、新しい液晶用カラーフィルターの開発に成功しました。印刷物と同等の色再現を可能にすることで、従来のディスプレイでは困難であった電子商取引、コンテンツ製作支援、デジタルアーカイブ、遠隔医療、教育などの分野をはじめとした高精細ディスプレイ用途の市場の拡大を可能にし、その発展に寄与するものです。このカラーフィルターを使えば、従来の自然な色の再現に加え、CGなど人工的な色を多用した画像の忠実な色表現が可能となります。このカラーフィルターは、従来の液晶ディスプレイでは表現が不可能だった色の領域を完全に表現でき、新市場の開拓が可能となります。

 近年インターネットの普及により、一般的な映像情報であったテレビ・映画以外にも映像や画像など配信の多様化が進み、加えて印刷・製版、電子商取引、コンテンツ製作支援、デジタルアーカイブ、遠隔医療、教育などの用途にも画像入力・画像表示システムを含む高忠実度標準色再生システムのプラットホーム作りが進められています 2)
 例えば、印刷・製版分野ではブロードバンドなど情報通信手段の発展により、顧客、製作会社、印刷会社間でのカラー印刷データをデータでやり取りするデジタル送稿がますます増えてきます。その場合、送り手と受け手の共通の『ものさし』となるものが日本ではJapan Color 3) と呼ばれるもので、ISO12642に準拠したものとなっています。そのため、実運用にあたりこの標準規格をカバーし、印刷色を完全に表現するディスプレイモニターの開発が急務となっていました。

 今回DNPが開発した新LCD用カラーフィルターは、同様の目的で開発されたバックライトと組み合わせて使用することにより、その効果を十分に発揮することができます。

 従来、RGB3原色で表示されているディスプレイから、CMY3原色を用いるプリンターや印刷機で、完全に色再現することが困難でした。今回、新カラーフィルターと新バックライトの最適化によって、液晶ディスプレイでは始めて従来の762色(当社比)の色再現から国際規格であるISO12642に規定される4色印刷評価用データ928色の色再現を完全にカバーすることが可能になりました。
 従来、高色純度を達成するためにはカラーフィルターの膜厚を厚くして、顔料濃度を上げることによって対応していましたが、生産性や低価格化への観点から薄膜化が重要な課題となっています。今回の新カラーフィルターは、HDTV規格(sRGB)に相当するNTSC 4) 比72%と同一膜厚(2ミクロン)において、29%の色再現域を拡大することが可能となり、薄膜化にも大きな効果を上げることができます。
この開発にあたっては、バックライトメーカーであるスタンレー電気株式会社の協力をいただき、スタンレー電気の色・光制御技術とDNPの色設計・顔料分散技術という、両社の共通する色・光設計技術をコラボレーションすることにより、多彩な色再現のニーズに対応した画期的なカラーフィルターを開発することが可能となりました。

 DNPは今回開発したカラーフィルターに関する関連特許を出願中で、2003年にサンプル出荷を開始する予定です。

1) ISO〔国際標準化機構〕が規定する10mmパッチ
928個配列(網パーセントの組み合わせ)された網ポジフィルム4枚(C,M,Y,K各1枚)とそのデジタルデータからなるカラーチャート
   
2) 「ナチュラルビジョン」プロジェクト www.akasaka.tao.go.jp/
平成14年度基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)に係る試験研究テーマ
「高忠実度標準色再生システムの研究」 NEDOプレスリリース(2002.8.22)
www.nedo.go.jp/informations/press/index.html
   
3) 「Japan Color Ink」「Japan Paper」「Japan Colorベタ色標準測色値」を指して、総合的に"Japan Color"と言い、日本における印刷色の標準を示しているもの。
また、国際規格(ISO規格)による標準は、1国1標準であり日本の印刷色の標準(色標準)が"Japan Color"といわれる。米国にはSWOP(Specifications for Web Offset Publications)、欧州にはEuro Standardがある。
   
4) National Television System Committeeの略で、カラーテレビの放送方式の一つ。米国で開発され、日本・カナダ・韓国・台湾・フィリピンなどでも採用されている。ディスプレイの色再現域を比較する場合の基準として一般的に用いられている。

 


2002/10/1 第一工業製薬、日本触媒 
 
リチウムメタル電池用ポリマーの生産・販売会社、株式会社ソリオン設立について
 
 第一工業製薬株式会社(代表取締役社長:植田 武彦)と株式会社日本触媒(代表取締役社長:柳田 浩)は、リチウム電池用ポリマーを生産・販売する新会社を、設立することに合意し、2002年9月20日に、両者対等出資による
株式会社ソリオン(英文表示:Solion Corporation、代表取締役社長:青木 充雄、本社:京都市、資本金9,800万円)を設立し、2002年10月1日から営業を開始いたします。
 ソリオン社は、第一工業製薬と日本触媒の両者が保有するリチウム電池用ポリマーの基本製造技術・量産化技術・品質評価技術を活用し、
リチウム電池用ポリマーの生産・販売を行います。
ソリオン社が供給するリチウム電池用ポリマーはリチウムメタルポリマー二次電池の材料として使用されます。リチウムメタルポリマー二次電池は、まず、通信用電源として北米地区での需要が見込まれています。さらに、ピーク電力平準化、ハイブリッドカー、電気自動車等の用途向けに大型のリチウムメタルポリマー二次電池の販売拡大が予想され、それに伴い同ポリマーの需要が拡大することが期待されています。
ソリオン社は、大型のリチウムメタルポリマー二次電池の今後の需要拡大に対応して、数年後には20億円程度の売上規模を目指します。
 
(参考) リチウムメタルポリマー二次電池の特長とは、
 ソリオン社が供給するリチウム電池用ポリマーを用いることで、完全固体電解質のリチウムメタルポリマー電池が実現できます。この電池の特長は、ノートパソコンや携帯電話に使用されているリチウムイオン二次電池と比較して、電解液の液漏れおよび引火の恐れがなく安全性が高いこと、負極にリチウムメタルを使用できることから、より高容量であること等があげられます。そのような特長から、リチウムイオン二次電池では適用が難しかった自動車用バッテリー、停電時バックアップ電源等の大型二次電池として使用可能です。
 現在、大型の二次電池としては、主として鉛蓄電池が使われています。ニッケルカドミウム電池も開発途上ですが、カドミウムの毒性が問題となります。リチウムメタルポリマー電池は無害であり、鉛蓄電池と比較して高容量かつ長寿命であるという特長があります。

 


日本経済新聞 2002/11/19

三井化学 液晶・PDP材料拡大
  反射材やフィルター 売上高200億円目標

 三井化学はディスプレー材料事業を拡大する。液晶ディスプレー(LCD)の光反射材でテレビや高級ノートパソコン向け製品を投入。PDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)向け光学フィルターも約2倍に増産する。三井化学は2003年度までの2年間で新製品売上高を2.4倍の1千億円に増やす計画で、両製品をともに100億円規模の事業に育てる。

 LCDのバツクライトの光を画面に行き渡らせる反射材では、樹脂に無機物を混ぜた白色フィルムの製品を開発。従来は最高で95%程度だった反射率を98%まで高めた。デスクトップパソコンやテレビ向けに売り込む。
 また従来の鏡状の反射材の表面に細かな凹凸を付けた製品を投入する。光が拡散し画面の輝度が最高3割上がるため、少ない電力で従来の輝度を保つことができバッテリーの電力消費を抑制できる。名古屋工揚(名古屋市)で増産するが、不足分は外部委託する。
 PDPの前面に張る光学フィルターは、生産委託先企業の生産能力を約2倍の月4万枚に増やした。同フィルターは樹脂製フィルムに金属などの薄膜を蒸着しガラスに張り合わせたもので、色の再現を良くしたり電磁波を遮断する。
 三井化学は反射材では今年度は45億円の売り上げを見込んでおり世界シェアは5割強の見通し。
 光学フィルターでは約4割の世界シェアを持っており、旭硝子とほぼ並ぶという。

 


日本経済新聞 2002/11/21           トクヤマ発表

次世代ステッパー向け 鮮明な回路描けるレンズ トクヤマが材料量産技術

 トクヤマは東北大学の福田承生教授と共同で、次世代半導体の回路形成に使うステッパー(縮小投影露光装置)向けレンズ材料の量産技術を開発した。従来製法では半導体に鮮明な回路を描けないケースがあった。来年からレンズメーカーに出荷を始め、2005年に売上高50億円を目指す。
 回路の配線幅0.1マイクロ(マイクロは百万分の1)メートル以下の半導体を製造するための次世代ステッパー向け。2004年ごろから本格的な利用が見込まれる次世代ステッパーは、光源のF2(フツ素)レーザーに適したフッ化カルシウムをレンズの材料に使う。
 従来製法の材料を使うと、透過した光が二重になる複屈折が発生しやすい。トクヤマはレンズロ径10インチ級に適した大型の単結晶を安定して育成させる技術を確立。品質のばらつきが少ないため複屈折が起きない。
 同様のレンズで先行する独カールツァイスグループが採用する製法では複屈折を防ぐため最終加工が必要という。トクヤマは新製法のコスト競争力は高いとみており、総額30億円を投じて、徳山製造所(山口県徳山市)に設備を建設し、ステッパー用のレンズ材料分野に参入する。


2002.11.20 トクヤマ

フッ化カルシウム単結晶 10インチ級の引き上げに世界で初めて成功
      ― 次世代F2レーザー露光装置へ弾み ―

 株式会社トクヤマは、東北大学多元物質科学研究所(宮城県仙台市、所長:中西八郎教授)の福田承生教授と共同で、チョクラルスキー(CZ)法によるフッ化カルシウム(CaF2)の10インチ級大型単結晶を引上げることに世界で初めて成功した。すでに、再現試験にも成功し、安定的に製造できる目途が立ったものである。
 フッ化カルシウムは半導体製造装置の心臓部である縮小投影露光装置(ステッパー)に使用されるレンズ材料で、次世代の本命とされるF2レーザー露光(リソグラフィー)装置のレンズとして必須の材料である。フッ化カルシウムは、これまでブリッジマン法と呼ばれる一方向凝固法でしか製造されておらず、この方法では大型のものを歩留まりよく作ることが困難で、F2レーザーの到来を危ぶむ声も出ていた。このため、一部の装置メーカーではF2レーザーを飛び越えて次々世代である電子ビームや極紫外線を使うタイプに向かう動きもみられていたものである。

 トクヤマは、CZ法による世界最大級のフッ化物専用大型単結晶育成装置を製作し、数年前より福田教授と共同で10インチ級の大型単結晶を安定的に製造するためのプロジェクトを進めてきた。
 フッ化カルシウム溶融液から種結晶を用いて引き上げるCZ法単結晶は、育成時に無理な応力がかかっていないため、ブリッジマン法で作られたものに比べて物性のばらつきが少なく、また強度が高く加工性が良いなどの優れた特徴が期待されていたが、今回得られた大型単結晶の試験においても、このことが改めて確認された。またレンズ材料として要求されるレーザー透過性や、耐レーザー性などにも優れており、F2レーザー露光装置の普及に大きく弾みがつくものと期待される。
 このプロジェクトの今後のターゲットとしては、これまでの知見を基に、さらに大型の単結晶の育成にチャレンジし、技術的な深化を目指す。

 生産体制については、すでに10月より開発兼商業プラントを徳山製造所東工場(山口県徳山市)内の新開発棟(今年10月竣工)に建設中で、来春よりサンプル出荷を開始する予定。その後ユーザーの状況をみながら、本格的な商業プラントを04年春頃に建設する。投資金額としては、開発を含め総額で約30億円を見込んでおり、数年後に50億円以上の売上げ規模を目指した事業プロジェクトにしていく予定。


【参 考】
 ステッパーとは、半導体の集積回路のマスクパターンを縮小してシリコン基板に焼き付ける装置。より集積度の高い微細な回路を作るにはより波長の短い光を使う必要がある。現在の最先端装置はKrF(フッ化クリプトン)レーザーを光源として幅0.13μmまでの回路を作れる。その次に、0.1μmまでがArF(フッ化アルゴン)レーザー、0.07μmまでがF2レーザーとされている。
 半導体メーカーや半導体装置製造メーカーにとって、F2レーザー露光装置の鍵を握るフッ化カルシウムの入手は技術のブレークスルーにとって最重要関心事と言われていた。


化学工業日報 2002/11/21

JSR、ベルギーでレジスト新工場が完成

 JSRは20日、ベルギーで建設を進めていた半導体用フォトレジストの新工場が完成・竣工したと発表した。すでに試運転に入っており、年内には生産を開始する。最新プロセスによる最先端エキシマレジストの20万リットル(約5万ガロン)能力の生産設備を有しているほか、現像液生産設備も併設。今後の半導体材料事業の拡大に備えたレイアウトともなっている。


2002/11/20 JSR

ベルギーの半導体材料新工場が竣工
     −JSRグループの半導体材料事業、グローバル展開加速−
        
http://www.jsr.co.jp/wnew/wn021120.html

 JSR株式会社(社長:吉田淑則)の100%子会社であるJSRマイクロN.V.(所在地:ベルギー、ルーバン市)が建設を進めていた半導体用フォトレジストの新工場が完成、11月20日に竣工します。投資金額は25億円で、既に試運転に入っており今年中には生産を開始します。

 新工場は、最新プロセスによる最先端エキシマレジストの生産設備、能力20万リットル(約5万ガロン)を有し、現像液生産設備も併設しているほか、今後の半導体材料事業の拡大に備えたレイアウト設計となっております。 

 JSRグループは、半導体材料事業のグローバル展開を推進しており、これまでに、四日市(JSR)、ベルギー(JSR Micro N.V.)、米国カリフォルニア州(JSR Micro,Inc.)、佐賀(JSRマイクロ九州梶jの4工場を相次いで稼動させ、アジア、北米、欧州の主要市場をカバーする三極生産体制を確立しています。

 当社の半導体用フォトレジストは、大手半導体メーカーから高い評価を得ており、特にKrFエキシマレジストは、最先端デバイス分野用途向けに販売量が急拡大しています。当社はこれまで、各拠点での生産能力の増強を行って来ましたが、欧州での既存工場の設備増強は既に限界に達していることから、今回同じルーバン市の新たな敷地での工場建設と致しました。尚、既存の工場は、新工場稼働後、2004年中に閉鎖する予定です。

[参考]
〈ベルギー新工場の概要〉
所在地   ベルギー、ルーバン市 Inter-Leuven工業団地(既存工場に近接)
敷地面積 28,933u
生産設備 半導体用フォトレジストの調製設備および現像液生産設備
投資金額 約25億円

〈JSRマイクロN.V.の概要〉
所在地    ベルギー、ルーバン市 Inter-Leuven工業団地
代表取締役 長谷川 誠一(JSR株式会社常務取締役)
資本金    11,555千ユーロ(JSR100%出資)
 


日本経済新聞 2002/12/25

PDP用電磁波防止フィルム 住友大阪セメントが量産
 ナノテク素材事業 売上高、3年後150億円

 住友大阪セメントはナノテクノロジー(超微細技術)を使ったプラズマ・ディスプレー・パネル(PDP)用の電磁波防止フィルムを来年度から量産する。低コストの生産技術の開発に成功、商用化のメドがついたと判断した。本業のセメントが建設不況で苦しむ中、ナノテク素材事業の売上高を2005年度に現在の2倍の年150億円に拡大する計画だ。
 開発した電磁波防止フィルムは透明フィルムにナノ塗料を使って網目状の下地を印刷、その上に銅メッキを施して製造する。真空状態で蒸着させる従来製法に比べ、生産コストを3割引き下げられるのが特徴だ。
 住友大阪セメントがナノ塗料の供給を担当、印刷、メッキの専門業者と協力し生産設備を整えた。設備投資額は1億5千万円。42インチ型のPDP換算で月1万2千枚の能力を持ち、コスト確認を経て、2003年度から商用生産に入る。
 ナノ塗料は5−30ナノ(ナノは10億分の1)メートルの超微細粒子を使い、それより波長の長い光や電波を通さない機能を持つ。セメントと同じ無機化学の技術を応用できるため、旧住友セメント時代の1991年に多角化の一環として事業化した。
 PDP向けではすでに蛍光灯などの反射防止、リモコンの誤作動を防ぐ近赤外線遮断の各フィルムを商用化している。こうした高機能フィルムの需要好調で2001年度のナノテク素材事業の売上高規模は75億円と単体売上高全体の5%強を占める。
 2002年度の国内セメント需要は6400万トン前後と、ピークだった1990年度(約8600万トン)の4分の3の水準にとどまる見通し。ナノ素材はセメントに比べて利益率も高く、住友大阪セメントは縮小する本業を補完し得る有力事業に育つと期待している。

 


2002/12/26 Chemnet Tokyo

JSR、LCD用材料で韓国に進出、忠清北道と調印

 JSRは26日、液晶ディスプレイ(LCD)用表示材料の生産で韓国に進出すると発表した。同日、同国忠清北道との間で投資に関する協定書に調印した。

 LCDは、CRD方式に対して省エネ、軽量薄型化などの面で優位性をもち、今後も年率20%以上の成長が期待されているが、とくに韓国では大型基板投資計画が活発で2005〜6年には世界のLCDの半数以上が韓国内で生産されると予測されている。
 
 このためJSRでは、韓国・梧倉(オチャン)科学産業財団地のある忠清北道との間で投資に関する協定書に調印し、現地にLCD用表示材料の生産拠点を構築することにした。今後関係当局と具体的交渉を行うが2003年春着工し、2004年末商業生産開始の予定。着色レジストの製造設備を建設する計画だ。


2002/12/26 JSR

JSR、液晶ディスプレー(LCD)用材料の生産で韓国進出へ
     −韓国内生産に向けて忠清北道と協約を調印−
        
http://www.jsr.co.jp/wnew/wn021226.html

 JSR株式会社(社長:吉田淑則)は韓国国内でLCD用表示材料の生産拠点の設立に向け検討を行って参りましたが、12月26日、韓国、忠清北道との間で投資に関する協約書の調印を行いました。

 当社は、需要の拡大するLCD用材料に対して、主力の四日市工場とJSRマイクロ九州(佐賀市、100%子会社)での増設で対応して参りましたが、今後PCモニター用のみならず、液晶テレビ分野でも、さらなる需要拡大が予測されることから、JSRマイクロ九州でさらに能力増強を行う一方、今後需要の急拡大が予測される韓国内に生産拠点を確保する計画です。

 LCDは、CRT方式に対し、省エネ、軽量薄型化などの性能で優位性を拡大するのみならず、基板の大型化を通して、コスト面でも差を縮めつつあり、今後とも年率20%を超える成長が期待されています。とりわけ韓国では、きわめて活発な大型基板投資が相次いでおり、2005−6年には韓国で世界のLCDの半数以上が生産されると予測されています。

 当社は、韓国内顧客の要請に応え、韓国でのLCD用材料の生産拠点確立に向け検討を行って参りましたが、このたび進出先候補である、梧倉(オチャン)科学産業団地のある韓国、忠清北道との間で投資に関する協約書の調印を行ったものです。今後関係当局との間で具体的交渉を行いますが、2003年春着工、2004年末商業生産開始の予定で、着色レジストの製造設備を建設する予定です。

 当社はLCD分野で着色レジスト、保護膜、感光性スペーサー、配向膜等の材料供給、ソルーション提供を通じて、顧客との信頼関係を強化して参りましたが、JSRマイクロ九州の能力増強と韓国内生産拠点確保により、日本、韓国、台湾の顧客に対するサービス体制の強化を行う方針です。


2004/10/12 JSR

JSR、韓国のディスプレイ材料工場の第2期工事を決定
 −着色レジストに続き、LCD用保護膜、感光性スペーサーを現地生産化 ー
http://www.jsr.co.jp/wnew/wn041012.html

 JSR株式会社(社長:吉田淑則)はJSRマイクロコリア(韓国、忠清北道の梧倉(オチャン)科学産業団地)でLCD(液晶ディスプレイ)用着色レジストの生産を開始していますが、今般、新たにLCD用保護膜、感光性スペーサーの生産を目的とした第2期工事に着工することを決定しました。

 JSRマイクロコリアでは昨年6月、
第1期計画として着色レジストの現地生産を目的とし梧倉科学産業団地内に工場建設を開始、本年7月から商業生産体制に移行しています。この間、韓国内では大型基板をベースとするLCDパネル工場が相次いで着工、2005年には本格稼動が見込まれています。現地関連業界から、着色レジスト以外のLCD用材料についても、現地生産化への要望が強まる中、このたび同工場内に保護膜、感光性スペーサーの先端材料の生産設備建設を決定したものです。

 デジタル家電の普及が本格化する中、LCDは大型TV、高機能パソコンを始めとするディスプレイ市場での本命と見られ、今後年率30%程度の成長が見込まれています。JSRは着色レジストをはじめ、保護膜、感光性スペーサー、配向膜、偏光板用位相差フィルム(アートンフィルム)など先端技術に基づいた幅広い液晶関連製品群に関して、四日市工場、JSRマイクロ九州(佐賀県)、JSRマイクロコリアを基盤として、日本、アジアのお客様に対する供給体制、サービス体制強化を図り、トータルマテリアルサプライヤーとして、今後半導体材料、光学材料とともに一層の事業拡大を推進する計画です。

JSRマイクロコリア概要
 設立日:2003年1月28日
 代表者:大橋 義行
 資本金:20億WON(JSR100%出資)
 所在地:大韓民国忠清北道清原郡玉山面南村里1111−5
 用地面積:約53,000u
 第1期工事総投資額:約30億円
 第2期工事総投資額:約20億円


日本経済新聞 2003/1/8

特殊素材 携帯向け増産 高機能化に対応
 新日鉄化学 薄型基板3倍に
 積水化学  液晶用粒子3割

 化学各社が相次ぎ携帯電話向け特殊素材を増産する。新日鉄化学は2004年までに70億円前後を投じて折り曲げ可能な薄型回路基板の生産量を3倍弱に引き上げる。積水化学工業は液晶画面向けの球状微粒子を2003年春から3割増産する。カメラの搭載や液晶画面の高機能化により特殊素材の需要が伸びているのに対応する。

 新日鉄化学が増産するのは樹脂と銅の二層構造のフレキシブル基板原料。通常は接着剤で三層になる基板に比べ、厚みは半分の約40マイクロ(マイクロは百万分の1)メートル。カメラ付き携帯電話の増加で部品の高集積化に適した薄型基板の需要が伸びている。現在、年180万平方メートルの生産能力を2003年秋までに400万平方メートルに増やす工事に着手しているが、計画を500万平方メートルに上方修正した。

 積水化学の球状微粒子は直径が4マイクロメートル前後。液晶を封入する2枚の基板を等間隔に保つ役割があるほか、画素一つひとつの配線材料に使われる。画素の増加で需要が増えるため増産する。
 JSRも液晶画面の視野角を広げるほか、明るさを高める特殊フィルムの生産能力を2004年1月までに3倍の年3千トンに増強。投資額は20億円。日本ゼオンもフィルム事業に参入、20億円を投じ高岡工場(富山県高岡市)に年産500トン設備を設置。10億円を投じ能力倍増を検討する。ともに厚みの精度や光学特性に優れ、高精細化する携帯電話画面向けに引き合いが強まっている。
 携帯電話向けでは汎用樹脂は低迷しているが特殊素材は利益率も高い。


2003/2/3 ジェイエスアール

光学用途「アートンフィルム(ARTON FILM)」生産工場を新設
  ― 高品位液晶ディスプレイ向けフィルム販売拡大に注力 ―

 JSR株式会社(社長:吉田淑則)は、独自に開発した耐熱透明樹脂「アートン/ARTON®」を用いた光学フィルムである「アートンフィルム」の生産工場の新設を決定しました。

 「アートンフィルム」は、当社が独自の分子設計技術、合成技術により開発した耐熱透明樹脂「アートン/ARTON®」をフィルム化したものです。主な需要分野である液晶ディスプレイでは、液晶テレビおよび高品位モニターなどの普及により、要求品質レベルがますます厳しくなっていることにより、「アートンフィルム」は位相差フィルム、透明導電フィルム等の原材料フィルムとして需要が急伸しています。

 当社は、今後「アートンフィルム」の需要増大に対応して安定的な供給を行うため、品質重視の製膜プロセスによるフィルム生産工場を新設することにしました。フィルム生産工場は当社四日市工場内に新設し、2003年9月稼働予定です。新工場の稼働後の供給能力は約500万m2/年となります。このフィルム工場の新設により従来からの供給能力と合わせ、増大する需要に十分応えることができることとなります。さらに将来の能力増強のスペースも確保しています。

 当社は、今回の「アートンフィルム」生産工場新設を決定する一方、2003年末を目処に原料樹脂「アートン/ARTON®」の
年産3000トンへの大幅な能力増強に着手しています。今後、高品位な液晶ディスプレイ分野に向けてフィルム製品の一層の拡販に注力します。

<アートンフィルムの特徴>
 特にアートンフィルムは液晶ディスプレイ用の位相差フィルムとして高い評価を受けています。従来素材に比べて以下のような優位性を有しており、液晶ディスプレイの大型化、高品位化、広視野角化などに貢献しています。
 (1) 位相差の面内均一性に優れる
 (2) 熱、湿度、密着等の外的ストレスが加わっても、位相差の変化が生じない
 (3) 位相差の波長依存性が小さい(どの波長にも均一な位相差を生じさせる)
 (4) 偏光板との接着強度が強く、容易に利用できる

(添付資料)

●位相差フィルムについて
   位相差フィルムは、光が液晶を透過する過程で発生する複屈折(光の歪み)をフィルムの位相差(光のズレ)で補正することにより、光の歪みを無くし、液晶ディスプレイの高品位テレビなどで必要とされる視野角の拡大、輝度の向上を実現します。
   
●耐熱透明樹脂「アートン/ARTON®」について
   「アートン/ARTON®」は、ノルボルネン系耐熱透明樹脂で、(1)耐熱性(透明樹脂中では最高、熱変形温度164℃)(2)光学特性(透明性が高く、低歪み)(3)低吸水性(アクリル樹脂の5分の1)(4)密着性に優れています。1990年の上市以来市場開拓を進め、レンズ、光学フィルム、導光板などの光学分野で採用されています。
   
●「アートン/ARTON®」と既存の代表的な透明樹脂の物性比較
 
   アートン  ポリカーボネート樹脂 アクリル樹脂
光学特性
 透過率(%)830nm
 複屈折(nm)830nm

    91
  <20

     89
    >30

    92
  <20
熱的特性
 ガラス転移点(℃)
 熱変形温度(℃)

   171
   164

  140〜150
    132

  90〜100
    90
その他
 飽和吸水率(重量%)

    0.4

    0.4

   2.0     

化学工業日報 2003年8月6日

JSR、アートンの製造能力を前倒し増強へ

 JSRは、耐熱透明樹脂の「アートン」の製造能力をボトルネック解消により引き上げた。千葉工場で年産能力を従来より300トン増強して同1300トンとした。同社では、来年初稼働の予定でアートンを同
3000トン能力に大幅に増強する予定としている。ただ、需要が急激に伸びていることから一部能力を先行して引き上げることにした。

 


2004/02/16 JSR

耐熱透明樹脂「アートン(ARTON)」の年産3,000トン体制確立
− 液晶ディスプレイ分野の需要急拡大に対応 −
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=65147

 JSR株式会社(社長:吉田淑則)は、千葉工場内で進めていた製造設備の増強工事の完了にともない、耐熱透明樹脂「アートン」の生産能力は3倍増の年産3,000トンとなりました。
 同設備は、昨年末から試運転を開始し、既に順調に稼動しています。今回の生産能力増強に関わる総投資額は約20億円です。

 「アートン」は、当社が独自に開発した耐熱透明樹脂で、1997年9月に千葉工場で年産1,000トンの製造設備で生産を開始し、順調に市場を開拓してきました。
 とくに薄型TVをはじめとした液晶ディスプレイ分野向けの位相差フィルム※用途で需要が急拡大しており、昨年12月には四日市工場内に「アートンフィルム」工場を新設しました。
 当社は、今回の樹脂の生産能力増強により、液晶ディスプレイ向けフィルムの需要の急拡大に対応するほか、今後は透明導電フィルム、導光板、さらには携帯電話カメラレンズなどの需要増に対応していきます。

 「アートン」は、当社が独自の分子設計技術、合成技術により開発したノルボルネン系耐熱透明樹脂で、(1)耐熱性(透明樹脂中では最高、熱変形温度164℃)(2)光学特性(透明性が高く、低歪み) (3)低吸水性(アクリル樹脂の5分の1)(4)密着性に優れています。当社は1990年の上市以来市場開拓を進め、レンズ、光学フィルム、導光板などの光学分野で採用されています。

 特に液晶テレビ用途では、大型化、高精細化、高品位化、省電力化など、要求性能が年々高くなっています。例えば、アートン製位相差フィルムは、従来素材に比べて次のような優位性を有しているため、透明導電フィルム、導光板などと共に需要が急拡大しており、2010年には2003年の約8倍になると見込まれています。

 (1)位相差の面内均一性に優れる
 (2)熱、湿度、密着等の外的ストレスが加わっても、位相差の変化が生じない
 (3)位相差の波長依存性が小さい(どの波長にも均一な位相差を生じさせる)
 (4)偏光板との接着強度が強く、作業性に優れる

※位相差フィルムは、光が液晶を透過する過程で発生する複屈折(光の歪み)をフィルムの位相差(光のズレ)で補正することにより、光の歪みを無くし、液晶テレビなどで必要とされる視野角の拡大、輝度の向上を実現します。


日本経済新聞 2003/2/7

有機EL基板 開発競う
 住友ベ−クライト 樹脂製にめど
 日本ゼオン 高機能素材応用を研究

 素材各社が有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレーに使う樹脂製基板の開発を競っている。住友べークライトが2年後をメドに量産する方針のほか、日本ゼオンやJSRも開発を進めている。有機EL基板は現在はガラス製が主力だが、樹脂製への移行で折り曲げたりできる表示装置も作れるようになり、市場が一気に広がる可能性がある。
 
主な有機ELディスプレー向け素材と開発・製造会社

低分子系有機EL材料
(発光材料)
出光興産、新日鉄化学、東洋インキ製造、三井化学、
高砂香料工業、独コビオン、米イーストマン・コダック
高分子系有機EL材料
(発光材料)
住友化学工業、昭和電工、新日鉄化学、独コビオン、
米ダウ・ケミカル
樹脂製基板 住友べ一クライト、日本ゼオン、JSR
ガラス製基板 旭硝子、日本電気硝子、米コ 一ニング

2003/2/13 新日本石油

LCフィルム事業に係わる当社現地法人(中国工場)設立について

 当社(社長:渡文明)は、LCフイルム(LCD用光学機能性フイルム)事業拡大の為、中国・蘇州市に当社100%出資の現地法人(中国工場)の設立を決定しましたのでお知らせいたします。

 LCフィルム事業に関しては、平成13年11月に販売・事業管理部門を当時の日本石油化学株式会社(現・新日本石油化学株式会社)より当社新商品事業部に移管し、続いて平成14年4月には製造部門を当社100%子会社である新日石液晶フイルム株式会社(社長:栗田隆夫)に移管しました。その後、既存需要家への販売拡大や新規需要家の獲得に努めた結果、年商は前年比約4倍ぺ一ス(約20億円、平成14年度見込み)まで急増しています。このたび、需要動向および販売計画から、平成16年度に現在の生産拠点である新日石液晶フイルム辰野工場(所在地:長野県上伊那郡辰野町、生産能力:120万u/年)がほぼフル稼働になることから、製造ラインの増設が必要との判断に至りました。
 また、蘇州・上海地区には、当社フィルムの販売先である偏光板メーカー、主要なLCDメーカーがすでに多数進出しており、それらメーカーへの即納体制を構築し、同時に当社フイルムのコスト競争力をより高めていくという観点から、新工場の建設地を中国・蘇州新区に決定することとしました。

現地法人の概要

商号(仮称)   中国名 新日石液晶(蘇州〉有限公司 
英語名 Nippon Oil LC Film(Suzhou) Corporation
所在地   中国蘇州市蘇州新区
設立時期   平成15年3月(予定)
資本金   2,500万米ドル(約30億円)
資本構成   新日本石油100%出資
会社形態   蘇州新区内の液晶フイルム生産・販売会社
業務内容   液晶フィルムの製造・販売、及びこれに付帯関連する業務

日本経済新聞 2003/2/13

液晶フィルム中国生産 新日石、進出企業に出荷

 新日本石油は中国・蘇州市に液晶フィルムの工場を新設する。5月に着工し、来年夏までに稼働させる。総投資額は約30億円の見込み。主に現地に進出している日本の液晶関連メーカー向けに出荷する。
 3月に全額出資の現地法人「新日石液晶蘇州」を設立し、延べ床面積1万1400平方メートルの二階建ての工場を建設する。液晶表示装置(LCD)の視野角を広げたり、画質を高めるために用いる液晶フィルムを月間10万平方メートル、小型LCD換算で5千万台分生産できる設備を入れる。操業開始時には140人前後の従業員を現地採用する。
 中国では携帯電話機向けの小型LCDの生産が急増している。新工場は現地のLCD関連メーカーなどに液晶フィルムを供給する。携帯電話表示部のカラー化が欧米などでも進むにつれ、液晶フィルム需要も拡大する見通しで、新日石は2005年以降に中国工場の生産ラインを増設し、海外への輸出も検討する。
 新日石は現在、辰野工場(長野県辰野町)で液晶フィルムを月間7万平方メートル生産。全量を国内の液晶関連メーカーに出荷している。現在の稼働率は7割前後だが、2003年度末にはフル稼働になる見通しだ。今後の世界的な需要増には、中国工場の増設で対応していく方針だ。 同社の液晶フィルムの2002年度の売上高は20億円と前年度比4倍になる見通し。中国工場稼働後の2005年度には50億円を目指す。


日本経済新聞 2003/2/16

非鉄各社、結晶材料を強化 車ランプ・光ディスクで需要増
 住友鉱山 高輝度LED向け、古河機械 青紫色レーザー用

 非鉄各社は今後需要増が見込まれる超高輝度LED(発光ダイオード)や青紫色レーザー向けの金属結晶事業を拡大する。住友金属鉱山がLED用のガリウム・リン結晶を増産するほか、古河機械金属は青紫色レーザーに使う窒化ガリウム基板と、基板の製造装置に参入する。
 LEDは自動車、青紫色レーザーは光ディスク用に需要が広がる見通しで、各社は結晶製品を電子分野の収益源に育成する。
 住友鉱山のガリウム・リン結晶は従来の10−20倍の明るさを持つ高輝度LEDの基板になり、自動車のテールランプなどに採用が始まっている。現在の生産額は推定で年間5億円強で、市場の大きい自動車向けの拡大を受け、5年後には5倍程度に引き上げる。
 高輝度用の基板は通常のLED用と比べ、結晶の製法などが異なる。業界団体によると、日本のガリウム・リン結晶出荷額は2001年度に約95億円で、住友鉱山は4割強のシェアを持つ。需要が伸びる高輝度品を増やしてシェアを拡大する。
 古河機械は複数の基板を同時に製造でき、1枚あたりの結晶成長も速い窒化ガリウム基板の製造装置の受注を始めた。装置の技術を生かし、窒化ガリウム基板の生産にも2003年度中に参入する。
 窒化ガリウム基板は次世代光ディスクの録画再生装置に不可欠な青紫色レーザーに使い、住友電気工業や日立電線も開発している。古河機械は青色LED用のサファイア基板も開発しており、化合物半導体向けの結晶事業を電子分野の中核に据える。
 非鉄各社はIC用のリードフレームやプリント基板用銅はくなどの事業を拡大してきたが、台湾や韓国企業との価格競争が厳しく、収益は低迷している。金属を原子レベルで均一な形で成長させる結晶材料は製造に高い技術が必要。銅はく最大手の三井金属も結晶製品の強化を打ち出しており、各社が技術開発を進めている。


2003/02/24 住友化学

化合物半導体材料事業会社の設立について

 住友化学は、このたび国内外の化合物半導体市場の需要動向に一層きめ細かく対応するため、MOEPIウェハー事業会社を日本および米国で設立いたしました。MOEPIウェハーとは化合物半導体の原料で、ガリウムヒ素基板などに有機金属を使用して薄膜を形成したものです。

 住友化学は、これまで化合物半導体関連材料についてMO(有機金属)、高純度ガリウムならびにMOEPI ウェハーの事業を行ってまいりました。中でもMOEPIウェハーについては、独自の設計に基づいて大口径対応の大型量産装置を開発、千葉工場内に量産機を設置し、需要の増加に対応できる体制を確立しています。一方、携帯電話等の移動体通信市場が拡大するとともに、需要家からのMOEPIウェハーに対する要求も多様化しているため、より顧客ニーズに即した製品開発を迅速に行うことが特に必要とされるようになっています。

 このため、住友化学はこのほど、MOEPIウェハーの主要市場である日本、および米国において以下の概要で事業会社を設立し、それぞれの市場で需要家の開発動向により一層柔軟かつ時宜を得た対応を可能とする体制を整備いたしました。日米それぞれの市場における技術開発を相互に有機的に連携させることで、拡大する市場で顧客の要望により迅速に対応していく所存です。

 なお、米国の事業会社は電子材料事業を展開しているATMI社(本社:米国コネチカット州)よりMOEPIウェハーの製造設備一式を取得し、米国での製造拠点として活用すると共に、フォトレジスト等のその他の情報電子化学製品の販売もあわせて取り扱うこととし、米国における住友化学の情報電子化学製品の総合的な顧客サービスを充実させてまいります。


<日本法人の概要>
1.社名   住化エピソリューション株式会社
2.本社   東京都中央区(当社東京本社内)
3.代表者   社長 神尾 邦政(住友化学)
4.営業内容   MOEPIウェハーの製造、販売
5.工場   千葉県袖ヶ浦市(当社千葉工場内)
6.営業開始   2003年3月
7.資本金   13億円
8.出資   住友化学100%
     
     
<米国法人の概要>
1.社名   Sumika Electronic Materials, Inc.
2.本社   米国デラウェア州
3.代表者   社長James LaCasse(住友化学アメリカ)
4.営業内容   MOEPIウェハーの製造、販売、およびその他の情報電子化学製品の製造、販売
5.工場   米国アリゾナ州フェニックス市
6.営業開始   2003年2月
7.資本金   3百万米ドル
8.出資   住化エピソリューション株式会社100%


【ご参考】

「化合物半導体」
  シリコン半導体に代わる半導体で、発光ダイオードや太陽電池などの光と電気を変換する素子として、また携帯電話などの移動体通信用の高性能次世代半導体として注目を集めています。
   
「高純度ガリウム」
   化合物半導体製造に使用されるガリウムリン基板、ガリウムヒ素基板などの原料として、またこういった基板上に結晶成長させる際の原料として使用されます。
   
「MO(有機金属)」
   高純度ガリウムと同様に化合物半導体製造時、基板上に薄膜層を結晶成長させる際の原料として使用され、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムなどの製品があります。
   
「MOEPIウェハー」
   ガリウムヒ素基板などの基板上に有機金属を原料として薄膜を形成させたものをいい、MOEPIウェハーが加工され種々の化合物半導体が作り出されます。

2003/3/10 大日本インキ化学

新規高分子系有機EL用発光材料の開発について

 当社は、高い発光効率を有し、塗布や印刷など多様な製膜手法に適用できる新規な高分子系の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)用燐光発光材料(緑色)を開発しました。
 有機ELディスプレーに用いられる発光材料は、一般に分子の形態から低分子系と高分子系に、発光機構からは蛍光発光と燐光発光に分類され、現在は低分子系蛍光発光材料が主流となっています。しかし、高分子系は高価な真空成膜装置が不要で、塗布や印刷などのウェットプロセスで簡単に製膜できる利点から、有機ELデバイスの低コスト化、大面積化を実現する材料として今後の開発が期待されています。また燐光発光は原理的に蛍光発光の4倍の発光効率を得られることから、次世代の有機EL材料として注目を集めています。
 現在、開発が進められている低分子系燐光発光材料では、発光層中の燐光発光材料の濃度が高くなると、燐光発光材料分子間の相互作用により発光効率が極端に低下する「濃度消光」と呼ばれる問題が生じるため、ホストとなる材料に少量をドープして用いることが必要となっています。
 このたび当社が開発した高分子系発光材料は、燐光発光材料であるイリジウム錯体にポリパラフェニレンπ共役鎖を導入したもので、このπ共役鎖がイリジウム錯体の周囲を立体的にブロッキングして相互作用を妨げ、濃度消光が抑制されることから、ホスト材料を用いなくとも十分な発光輝度を得ることができます。ITO電極上に本材料のみで塗布膜を形成し、Mg/Agからなる電極を付与した簡単な素子構造において、7,000cd/uを越える輝度を観測しており、デバイスのキャリアバランスの改善によりさらなる発光効率の向上も見込めます。また、π共役鎖に置換基を導入した結果、本材料は多種多様な溶剤に高濃度で溶解させることが可能となり、ホスト材料の溶解性に左右されることなく多様な製膜手法が適用できます。
 これらの特徴から、当社が開発した有機EL用発光材料は、塗布、印刷などのウェットプロセスにより高輝度、高発光効率の有機ELデバイスを容易に製造することができます。また、プラスチック基板に対する製膜性に優れることから、フレキシブルな有機ELディスプレー用途にも適しています。
 当社は今後、この技術を基に、色純度の高い赤、緑、青の三色の発光材料を取り揃えるための材料開発を進めるとともに、量産化技術の確立を目指します。
 なお当社は、信州大学谷口教授と本材料を用いた有機ELの特性評価を共同で実施しており、その成果については、3月27日から開催される「第50回応用物理学関係連合講演会」にて発表する予定です。


化学工業日報  2003/5/1

韓コーロン、有機EL事業に参入へ

 韓国大手繊維メーカーのコーロンが次世代ディスプレーである有機EL事業に参入する。忠清南道洪城で900億ウォンを投資し、月産能力52万個の新工場を建設する。来年6月から本格生産に入る。携帯電話向けに供給し、来年は売上高300億ウォン、2005年に同3000億ウォンを目指す。


2003/5/20 旭化成

韓国におけるアクリル樹脂導光板の合弁会社設立について

 旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:蛭田史郎)、Raygen Co., Ltd. (本社:大韓民国慶北道漆谷郡、社長:太聖吉)及びサムスン物産株式会社(本社:大韓民国ソウル特別市、社長:「鍾烈)とは、このほど韓国にアクリル樹脂導光板の製造販売を行う合弁会社を設立することに合意し、合弁契約書を締結しましたのでお知らせ致します。

1.経緯
 旭化成は、液晶バックライト用アクリル樹脂導光板(商品名「デラグラス®」)を日本において製造し、韓国市場にも販売しておりますが、その需要拡大に伴い、韓国国内での現地生産化を検討して参りました。 この度、韓国のLCDバックライトユニットメーカーであるRaygen社及び韓国最大の総合商社であるサムスン物産株式会社の協力を得て、旭化成の自社技術に基づく押出プロセスによる導光板製造及び販売の合弁会社を京畿道平澤市に設立することとなりました。
  デラグラス®は、旭化成の登録商標です。

2.合弁会社の概要

(1) 会社名 : 韓国デラグラス株式会社(Delaglas Korea Corpotation)
(2) 資本金 : 50億ウォン
(3) 出資比率 : 旭化成60%、Raygen 30%、サムスン物産10%
(4) 代表者 : 共同代表制(旭化成及び Raygen社が各1名を指名)
(5) 所在地 : 大韓民国 京畿道 平澤市
(6) 生産能力 : 押出板 6千トン/年
(7) 稼動時期 : 2003年10月(予定)
(8) 投資額 : 約100億ウォン

<ご参考>

旭化成株式会社
 本社 : 東京都 千代田区 有楽町 1−1−2
 資本金 : 1,034億円(2003年3月末)
 売上高 : 11,936億円(連結 2003年3月期)
   
Raygen Co., Ltd.
 本社 : 大韓民国 慶北道 漆谷郡 倭館邑 錦山里 981−7
 資本金 : 54億ウォン(2002年12月末)
 売上高 : 620億ウォン(2002年12月期)
   
サムスン物産株式会社
 本社 : 大韓民国 ソウル特別市 中区 大平路 2街 310番地
 資本金 : 8,000億ウォン(2002年12月末)
 売上高 : 36兆9168億ウォン(2002年12月期)

 


2003/11/28 旭化成ケミカルズ

韓国におけるアクリル樹脂導光板合弁会社の商業運転開始について

 韓国における液晶バックライト用アクリル樹脂導光板の製造・販売会社として、旭化成ケミカルズ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤原 健嗣)、RAYGEN Co., Ltd.(大韓民国慶尚北道漆谷郡、社長:太 聖吉(Sung-gil Tae))及びサムスン物産株式会社(大韓民国ソウル特別市、社長:「 鍾 烈(Chong-yeul Pae))の3社合弁により設立された、
韓国デラグラス株式会社(代表理事:太 聖 吉、能勢 雅紀)は、11月1日より本格的に商業運転を開始し、去る11月20日京畿道平澤市の同社新設工場にて、竣工式を開催しましたので、お知らせします。
 旭化成ケミカルズは、アクリル樹脂導光板(商標「デラグラス」)を日本において製造し、韓国市場にも販売していますが、今回の韓国デラグラスの工場完成により、供給能力及びコスト競争力を一段と高めることが可能となりました。今後とも中国現地生産の検討も含め、グローバル展開を更に加速していく方針です。

(ご参考)
韓国デラグラス株式会社 概要
(1) 会社名  : 韓国デラグラス株式会社(
DELAGLAS KOREA CORPORATION
(2) 資本金  : 50億ウォン
(3) 出資比率: 旭化成ケミカルズ 60%、
RAYGEN 30%、サムスン物産 10%
(4) 代表者  : 共同代表 社長:太聖吉 副社長:能勢雅紀
(5) 所在地  : 大韓民国 京畿道 平澤市
(6) 生産能力: アクリル樹脂押出板 6千トン/年
(7) 投資額  : 約120億ウォン


レイジェン(株) [RAYGEN CO., Ltd.]

設立日 : 1994年4月 現代電鋳金型(株)設立
2000年6月 RAYGENに法人名変更
業種 : LCD用バックライト(BLU)、FPDMモジュール、金型/精密射出
資本金 : 5.3 billion wons
従業員数 : 290名(2002年 7月基準)