2003/5/14 住友金属工業/中國鋼鐵/住友商事
住友金属工業株式会社和歌山製鉄所上工程合弁事業契約締結の件
本日、住友金属工業株式会社(社長=下妻博以下住金)、台湾の中國鋼鐵股■有限公司(董事長=林文淵以下CSC)及び住友商事株式会社(社長:岡素之以下住商)の3社は住金和歌山製鉄所上工程における合弁事業契約の締結を行ないました。同時に、上記3社に台湾の●隆企業股■有限公司(董事長:林高煌以下●隆)を加えた4社は合弁事業の下におけるスラブ売買契約の締結を行ないました。
*■は人べんに分という文字
*●は火へんに華という文字
1.合弁事業の趣旨
和歌山製鉄所上工程設備の有効活用を図る住金と、鉄鋼半製品の安定的供給源の確保を目指すCSCグループの意向を最大限に実現するものとして、合弁事業を行なう。
住金は和歌山製鉄所熱延ミル休止後においても、上工程設備の高水準の操業が見込め、世界有数の製鋼設備をはじめとする上工程を活用した事業基盤の安定化が実現するとともに、当社鋼管事業等の経営基盤安定に資する。
CSCグループは、現在、年間2百万トン以上の鉄鋼半製品を世界各地から調達している。この内、1.8百万トンを安定的に調達でき、在庫管理、納期管理の面で効率化が見込まれるとともに、品質面でも極めて安定した品質により、圧延面等での成果が期待されている。
既存高炉一貫製鉄所を舞台とした、国際的な合弁事業は世界的に見ても初のビジネスモデルである。
2.合弁事業の基本的な構造(2005年4月以降)
3.持株会社及び上工程会社の概要
〈持株会社の概要〉
項目 | 内容 |
社名 | 東アジア連合鋼鐵株式会社 (中国名)東亜聯合鋼鐵股■有限公司 (英語名)East Asian United Steel Corporation |
本社 | 東京都中央区 |
取締役 | 取締役5名(内、1名はCSCから) 監査役3名 *人事は未定 |
資本及び総資産 | 資本、総資産ともに303億円 |
〈上工程会社の概要〉
項目 | 内容 |
社名 | 株式会社住金鋼鉄和歌山 |
本社 | 和歌山県和歌山市 |
取締役 | 取締役3〜5名、監査役3名 *人事は未定 |
業務内容 | スラブ、ビレット等の生産・販売を行う |
主要設備 | 高炉2基 製鋼設備(250トン転炉2基) スラブCC1基 |
資本及び総資産 | 資本303億円、総資産約900億円 |
売上高 | 年間約900億円 |
従業員数 | 約1,OOO人 |
4.合弁事業のスラブ販売
CSCグループは本合弁事業の下において、年間180万トンのスラブ購入の権利及び義務を有する。スラブの大部分は●隆が購入する。
住商は本合弁事業の下において、CSCグループ向けスラブ販売に携わる。
尚、CSCグループ向けスラブ販売数量が年間180万トン規模に達するのは、住金和歌山製鉄所の熱延ミルを休止する2005年4月以降である。それまでの期間の数量は協議の上、決定する。
5.今後のスケジュール
今後、関係各社の手続きが順調に進展すれば、次のスケジュールが見込まれる。
2003年 7月 東アジア連合鋼鐵設立(当初資本1億円) 11月 住金鋼鉄和歌山設立 東アジア連合鋼鐵増資(資本135億円) 2005年 3月 住金和歌山製鉄所熱延ミル休止 4月 東アジア連合鋼鐵増資(資本303億円)
(参考)
〈中國鋼鐵の概要〉
項目 | 内容 |
社名 | 中國鋼鐵股■有限公司 |
本社 | 高雄市小港区中鋼路一號 |
主要経営陣 | 董事長:林文淵 総経理:陳振榮 執行副総経理:陳源成 |
資本金 (2002年末) |
932億NT$ 内政府出資分40.8% |
売上高(2002暦年) | 999億NT$ |
*NT$:New Taiwan Dollar
〈●隆の概要〉
項目 | 内容 |
社名 | ●隆企業股■有限公司 |
本社 | 高雄縣橋頭郷芋寮村芋寮路317號 |
主要経営陣 | 董事長:林高煌 総経理:劉季剛 |
資本金 | 114億NT$ 内CSC出資分39.3% |
売上高(2002暦年) | 232億NT$ |
2002/12/26 新日本製鐵/住友金属工業
新日本製鐵(株)と住友金属工業(株)のステンレス事業統合について
新日本製鐵株式会社(所在地:東京都千代田区、社長:千速晃)と住友金属工業株式会社(所在地:大阪市中央区、社長:下妻博)は、本年6月に両社ステンレス事業の統合に向けた基本覚書を取り交わしました。以降、事業統合検討委員会にて鋭意検討を重ねてまいりましたが、この度、両社ステンレス事業を統合することを決定し、両社間でそのための基本契約書を締結致しました。
その概要は以下の通りであります。
1.名称(商号) | :新日鐵住金ステンレス株式会社(仮称) |
2.統合の目的 | :両社ステンレス事業の構造的な収益体質強化 |
3.対象事業 | :ステンレス薄板、厚中板、棒線、及び鋼片 (但し株式会社住友金属直江津及び株式会社住友金属小倉の事業は含まず) |
4.事業規模 | :売上高1,500億円/年程度、生産規模100万トン/年程度(実績ベース) |
5.統合期日 | :平成15年10月1日 |
6.事業統合の方法 | :共同新設分割 |
7.株式割当比率 | :新日鐵80:住金20 |
日本経済新聞 2002/12/27
新日鉄・住金 ステンレス事業統合決定
競争力確保へ設備集約必要 公取委「独禁法に違反せず」
新日本製鉄と住友金属工業は26日、ステンレス事業の統合を決め基本契約書を結んだと発表した。統合期日は2003年10月1日。ステンレス製造設備を現物出資し新会社を設立する。出資比率は新日鉄80%、住金20%。公正取引委員会は同日、両社のステンレス事業統合について「独占禁止法の規定に違反する恐れはない」とのコメントを発表した。
新日本製鐵(株)と住友金属工業(株)のステンレス事業統合の主要施策について
新日本製鐵株式会社(所在地:東京都千代田区、社長:千速晃、以下「新日鐵」)と住友金属工業株式会社(所在地:大阪市中央区、社長:下妻博、以下「住金」)は、昨年末に両社ステンレス事業を統合することを決定し、両社間でそのための基本契約書を締結致しました。
現在両社で、事業統合に関わる諸準備に着手しておりますが、統合に伴い実施する主要施策につき、お知らせ致します。
1.お客様へのサービス対応力の強化
2.生産・設備体制の効率化
3.管理間接コストの削減
4.その他コスト削減
具体的な内容は以下の通りであります。
1.お客様へのサービス対応力の強化 | |
両社独自商品の相互補完等による商品メニューの拡充、輸送効率の改善によるデリバリー対応力強化、東西の生産拠点の最適活用による品質対応力強化等を通して、お客様各位のニーズにより一層応えうる営業・生産両面での対応力向上を図ります。 | |
2.生産・設備体制の効率化 1)冷延薄板関連 |
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(1) | 品種集約 |
製造品種の生産を集約、集中生産することで生産効率化を進めてまいります。 (例:普通鋼プロセスを活用したタンデム冷延材(クロム系)の八幡集約) |
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(2) | 生産設備集約 |
上記の品種集約と合わせ、以下の生産設備集約を実施致します。 | |
[1]住金は、鹿島のZM系冷間圧延機及びAP設備(焼鈍・酸洗)各1基を休止。 (平成16年度2/四期末を目途) [2]新日鐵は、光のZM系冷間圧延機及びBA設備(焼鈍)各1基でのステンレス製造を中止。 (平成15年度4/四期を目途) [3]現行の八幡・鹿島2ミルでのタンデム冷延材の製造体制を八幡に集約。 (平成16年度2/四期末を目途) |
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2)厚中板関連 | |
現行の八幡・鹿島2ミル体制を、八幡に集約致します。これに伴い住金は、鹿島の厚板精整ラインを休止致します。(平成15年度4/四期末を目途)かかる生産・設備体制の効率化に伴い、今後お客様各位には、新たな設備体制にて生産した製品の購入をお願いすることとなります。両社は、そのために必要となる品質確性等の円滑な実施に万全を期す所存であります。 | |
3.管理間接コストの削減 | |
事業統合に伴う管理部門のスリム化や、ステンレス事業に相応しい業務運営の構築等により、管理間接コストを削減致します。また営業部門及び研究開発部門等については、お客様サービスの充実と共に規模を生かした効率向上を図ります。 | |
4.その他コスト削減 | |
物流・資材等の調達コスト等についても、徹底した効率化を図ります。 |
日本経済新聞 2003/1/28
ステンレス設備2基休止 新日鉄・住金、統合受け集約 薄鋼板圧延の2割
コスト削減、年50億円超新日本製鉄と住友金属工業は27日、ステンレス事業の統合に伴う設備集約計画を発表した。2004年9月末までに、両社で7基あるステンレス薄鋼板専用の圧延設備のうち2基で製造を中止し、年間生産能力を約2割に相当する約10万トン減らす。管理部門の簡素化などを加えたコスト削減効果は年50億円超とみられる。