帝人ファイバー、「繊維to繊維」の新原料リサイクル技術を開発
帝人化成、ポリカーボネ−ト樹脂のケミカルリサイクル技術を確立
帝人ファイバー ペットボトル再生停止 容リ法での原料調達ゼロ
ボトル用PET樹脂では、回収ペットボトルの落札不調から、平成17 年7月より「ボトルto ボトル」プラントは
休止を余儀なくされました。
「ボトル to
ボトル技術」とは、新原料リサイクルの一環として開発を進めた、使用済みのPETボトルからPETボトルを再生する技術です。回収ボトルから、新原料リサイクルプラントでDMT(テレフタル酸ジメチル)を回収した後、これを化学分解して、石油から製造するのとまったく同等のTPA(高純度テレフタル酸)を得ます。このTPAを原料としてPETボトル用樹脂を生産しますので、品質は既存のものと同等です。これによって、ほとんど石油に依存しないポリエステルの完全循環システムが完成することになります。
*アイエス方式
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回収PETボトルを再びボトル用PET樹脂にリサイクルする「ボトル
to ボトル」の事業化について
http://www.teijin.co.jp/japanese/news/2001/jbd011217.htm
既に確立している原料リサイクル技術をベースに、回収PETボトルを再びボトル用PET樹脂に戻す完全循環型のPETボトルリサイクル「ボトル to ボトル」を事業化することを決定
当社のPETボトルリサイクルの歩み
1958 | ポリエステル繊維生産開始からまもなく、製造工程で発生する繊維屑を化学的に分解して原料に戻すケミカルリサイクルを開始。 | |
1995 | PETボトルリサイクル繊維「エコペット」(再生ポリエステル短繊維)を製造・販売開始。 | |
1996 | 衣料や雑貨、寝装インテリア製品、キッチン用品、スポーツ用品などの繊維製品への再商品化に向けて「エコペット」の本格展開を開始。 用途拡大とともに、96年度:600トン、97年度:800トン、98年度1,200トンと販売量増加。 |
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1999 | 短繊維に加えて再生ポリエステル長繊維の製造・販売を開始。「エコペット」の販売量は、99年度:2,400トン、2000年度3,000トン、2001年度:5,000トン(見込み)とさらに拡大。 | |
2000 | ポリエステル製品から、石油より製造したものと同等の高純度DMTを回収できる原料「ボトル to ボトル」リサイクルの技術を確立し、12月に発表。 | |
2002 | 4月より徳山事業所内の原料リサイクルプラントを操業開始(予定)。 | |
2003 | 10月に「ボトル to ボトル」を事業化(予定)。 |
ボトル用PET樹脂の生産体制
既存設備
(松山事業所内)新 設 備
(徳山事業所内)合 計 生産能力(トン/年) 40,000 50,000 90,000
毎日新聞夕刊 2003/7/5
ペットボトル完全リサイクル 帝人・世界初 海外へ技術提供
PET再生繊維 「ECOPET®」
http://www.teijin-eco.com/e_product/outline/e_pet.html
●2002年よりエコペット®はその領域を大きく広げます。
「エコペット®」はエタノール〈永久的な〉リサイクル手法で生まれたポリエステル(PET)繊維を新たな仲間に加え、より強力なラインアップを完成しました。
循環型社会の構築を目指して
「ボトルtoボトル」リサイクル施設操業式
http://www.teijin.co.jp/japanese/news/2003/jbd031119.html
帝人グループは、使用済みPETボトルを化学的にポリエステル原料に戻し、再びPETボトル用樹脂として再生する「ボトルtoボトル」リサイクル施設を、このたび帝人ファイバー(株)徳山事業所内に完成し、本日操業式を開催することとなりました。
ポリカーボネ−ト樹脂のケミカルリサイクル技術確立
−経済産業省の補助を受けて実証プラント建設へ−
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=83100
帝人化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井 高信)は、ポリカーボネート樹脂の廃材から、石油から製造したものと同等の高純度ビスフェノールA(ポリカーボネート樹脂の主原料)を回収するリサイクル(以下「ケミカルリサイクル」)技術を開発しました。
この技術は実用化の期待が高いことから、経済産業省より本年度の地域新規産業創造技術開発費補助事業として採択されており、帝人化成ではこのたび世界初の事業化に向けて実証プラントの建設を決定しました。
当技術の特徴 | |
(1) | このたび開発したのは、世界初の商業生産を目的とした実用性の高いポリカーボネート樹脂ケミカルリサイクルプロセスで、回収した廃ポリカーボネート樹脂を解重合し、主原料であるビスフェノールAを分離精製して高純度な状態に再生できるところが技術のポイントです。 |
(2) | この技術が、従来技術と比べて特徴的なのは次の点です。 |
■ 解重合技術 | |
解重合工程(ポリカーボネートをモノマーに分解する工程)においては、低温でのアルカリ分解を可能とする技術を開発し、副生物の生成抑制によるモノマーへの転化率向上と、エネルギー負荷の低減を実現しました。 | |
■ 精製技術 | |
精製工程(モノマーの純度を高める工程)においては、溶液状態での高度な精製技術を確立し、一般の蒸留精製法に比べて大幅なコストダウンを可能にしました。 | |
(3) | この技術によって再生されるポリカーボネート樹脂は、石油由来のポリカーボネート樹脂と同等の品質およびコストで製造することができます。 |
当プラントのプロセスは下図のとおりで、処理能力は数百トン/年程度です。
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【 別 紙 】
帝人化成のマテリアルリサイクルの取り組み
■ 回収廃ディスクのリサイクル
1996年、音楽用CDを対象に、アルミニウム膜およびコート膜を分離して回収されたポリカーボネート樹脂を、ガラス繊維等との複合化により再利用する量産技術を確立しました。
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ノート型パソコンハウジンングのクローズドリサイクル
1998年以降、東芝と共同でノート型パソコンハウジング(難燃PC/ABSアロイ)のクローズドリサイクルシステムの構築に取り組み、2000年には量産技術を確立しました。
(注)
クローズドリサイクル:リサイクル材料を再生元の製品に再利用すること。
■ オープンリサイクル材の供給
2001年以降、自社工場で発生するポリカーボネート樹脂のシート端材や顧客で発生するポリカーボネート樹脂廃材のリサイクル技術の開発に取り組み、現在OA機器やパソコンの筐体等を中心に展開しています。
(注)
オープンリサイクル:リサイクル材料を再生元の製品とは異なる製品に再利用すること。
【参考】
帝人化成株式会社概要
1.設立 1947年8月2日
2.本社所在地 東京都千代田区内幸町1−2−2
3.資本金 21億49百万円(2004年3月末現在)
4.代表者 代表取締役社長 藤井信
5.従業員数 700名(2004年3月末現在)
6.売上高 582億円(2004年3月期)
7.事業内容 帝人グループにおける樹脂事業の中核会社として、ポリカーボネート樹脂・
複合樹脂の製造販売、ポリカーボネート樹脂シート、ボトル用PET樹脂・
PEN樹脂・A−PETシートの製造販売、燻蒸剤・難燃剤の製造販売を展開している。
2005/6/29 日本経済新聞
帝人ファイバー ペットボトル再生停止
中国への輸出増加で 容リ法での原料調達ゼロ
帝人フアイバーは月内に、徳山事業所(山口県周南市)の使用済みペットボトルの再生工程の生産を停止する。容器包装リサイクル法(容リ法)に基づく入札で2005年度分の使用済みペットボトルの落札がゼロとなり、原料を調達できなかったため。使用済みボトルの中国向け輸出が増加し、容リ法ルートヘの供給量が減少した。
徳山事業所はペットボトルを完全に再生できる世界初の事業所として注目された。総額百億円を投じて設備を導入、ペットボトルをポリエステル原料に戻し、再びペットボトル用樹脂を製造している。
後工程の高純度テレフタル酸からペットボトル用樹脂を生産する工程は、石油原料を使い、稼働を続ける。
2005年8月16日 帝人/パタゴニア
米国パタゴニア社と帝人による完全循環型の衣料品リサイクルプログラムについて
http://www.teijin.co.jp/japanese/index.html
米国パタゴニア社〔本社:カリフォルニア州ベンチュラ市、社長:マイケル・クルーク〕(以下、パタゴニア)と帝人株式会社〔本社:大阪市中央区、社長:長島
徹〕(以下、帝人)は、本年9月より、ポリエステル繊維製品の完全循環型リサイクルプログラムを共同で展開していくことにしました。
完全循環型衣料品リサイクルシステムのプロセスについて | |
(1) | このたびの取り組みをパタゴニアは「Common Threads Recycling Program(つなげる糸リサイクルプログラム)」と称しており、TFJが展開しているポリエステル製品の完全循環型リサイクルシステム「エコサークル(R)」を通じて、使用済み衣料品のリサイクル行っていくことになります。 |
(2) | パタゴニアは、使用済みの機能性アンダーウェア「キャプリーン(R)」を、お客様からの直接郵送により、またはパタゴニア直営店舗において回収し、TFJ松山事業所に輸送します。 |
【 参考:会社概要 】
パ タ ゴ ニ ア 社
1.設 立 1965年
2.本社所在地
米カリフォルニア州ベンチュラ市(Ventura,
California USA)
4.代 表 者 代表取締役 兼
CEO マイケル・クルーク
5.従 業 員 数 約1,000人
6.事 業 内 容
グローバルに展開しているアウトドア用品・衣料品会社。徹底した品質主義と環境行動主義で国際的に知られている。 1985年に「Environmental Grants Program」を開始して以来、通算2000万ドル以上の寄付と一般の環境保全活動家への物資提供を続けている。1996年以降、衣料品製造において有機栽培された綿のみを使用。1993年からはフリース衣料にリサイクルポリエステル繊維を使用している。2004年の売上高は2億4000万ドル。
ホームページ:www.patagonia.com(日本サイト)
毎日新聞 2006/5/5
ペットボトル 275度の水で再生産 低コスト
原料へ分解
ペットボトルなどを高温の水を使って原材料まで効率よく分解することに、独立行政法人・産業技術総台研究所(茨城県つくば市)が成功した。
研究グループはステンレス製の密封反応器内で、ペットボトル片などのポリエステル系樹脂と水を一緒に加熱。300度の高温で原材料のテレフタル酸とエチレングリコールに分解することに成功した。さらにテレフタル酸を、加熱前に水に加えておくと、もっと低い約275度でも分解できることを突き止めた。
ペット樹脂は、エチレングリコールとテレフタル酸が交互に結合している。この間に高温の水の分子が入り込み結合を切断。エチレングリコールは水に溶け、テレフタル酸は沈殿するため分離できた。
従来法 帝人 アイエス
2007/5/12 日本経済新聞夕刊
帝人・住商 ペットボトル再生提携 自治体と契約 回収から一貫で
帝人の再生技術と、住商が持つ回収ルートを組み合わせる。住商はノルウェーのペットボトル回収機大手、トムラ・システムズ日本法人と組み、東京都足立区と廃ボトルの回収契約を結んでいる。同区内の商業施設などに17台の自動回収機を設置する。回収機は足立区以外の地方自治体にも導入を働きかけ、2009年に日本市場で2千台の設置を目指す。
帝人は、自動回収機て再生しやすいように破砕された廃ボトルをグループ企業で購入。帝人ファイバーの徳山事業所(山口県周南市)でペット樹脂を再生産し、ボトルメーカーに販売する。初年度に500mlのボトル433万本に相当する130トンを回収する計画だ。
Japan Teijin refining recycling of polycarbonate into bisphenol-A
Japan's Teijin Limited is experimenting with process technology for the recycling of colored polycarbonate and polycarbonate compound products into bisphenol-A, at a pilot plant in Matsuyama, a company source said.
2008年10月2日 帝人化成 / 帝人ファイバー
「ボトルtoボトル」リサイクルの休止と「ボトルto繊維」リサイクルへの転活用について
この「ボトルtoボトル」リサイクルについて、昨今の事業を取り巻く環境変化などを勘案して、このたび当面休止することとし、リサイクル設備については、同様の技術によって使用済みペットボトルから新たなポリエステル繊維を再生する「ボトルto繊維」リサイクルへの転活用を図っていきます。