目次へ

Y     その他の分野での再編
       合成樹脂以外でも「選択と集中」方針に基づき、事業停止や事業再編、海外進出が多く見られる。
       
  1   スチレンモノマー   (資料 6-1
   
     
東ソー   1998年に四日市 13万トン 停止
三菱化学   1999年に四日市のベンゼン、EB、SMの各設備を停止、鹿島に集約
三井化学   2004年 山口工場でのSM事業を太陽石油に譲渡
住友化学   2003年、PO事業との関連でSMの販売を日本オキシランに移管
     日本オキシランへの出資比率を60%に引き上げ
 単産法POプラントは2〜3年内を目処に日本オキシランへ移管
       
  2   EO、EG  (資料 6-2
       
     
丸善石油化学   1999年、日本曹達と帝人の保有する日曹油化工業(工場は四日市)の全株式を譲り受け
1999年、日曹丸善ケミカルを100%子会社に
2000年、日曹油化と日曹丸善ケミカルを合併させ、丸善ケミカルに
2005年、丸善石油化学が丸善ケミカルとHDPE製造子会社の丸善ポリマーを吸収合併
三菱化学   2001/1、エチレンとともに、EO、EGの生産を停止
       
  3   フェノール  (資料 6-3
     
     
新日鐵化学
 & 三菱化学
  1989年、新日本フェノールと新日本ビスフェノールを設立
2005年、合弁を解消
  フェノールは停止、ビスフェノールAは新日鐵化学100%
     
  三菱化学   鹿島のフェノールと黒崎のビスフェノールAを増強
  新日鐵化学   韓国のJV・錦湖P&B化学のフェノール、ビスフェノールAを増強
     
三井化学
 & 三菱化学
  1986年、三井東圧と三菱油化はにビスフェノールAの製造JV・共同ビスを設立
1996年、三井化学100%とし、1998年に吸収合併
     
  三井化学   シンガポールにフェノールとビスフェノールAの100%子会社を設立
       
  4   アセトアルデヒド、酢酸、誘導品  (資料 6-4
     
 昭和電工が大分でアセトアルデヒド、酢酸、酢酸エチル、酢酸ビニルの一貫体制を確立
   酢酸ではマレーシアのBPから長期購入契約
   酢酸エチルでインドネシアに工場
 信越化学が酢酸ビニル、PVAで、ユニチカとのJVを解消して100%化
 クラレはPVAでシンガポールで日本合成化学とのJV、更に欧州でクラリアントの事業を買収
 EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂)ではクラレ、日本合成化学のメーカー2社がいずれも日米欧の3極体制
       
  5   プロピレンオキサイド  (資料 6-5
     
     
住友化学   2001年、単産法PO稼動
     近く日本オキシランに移管
       
  6   アクリロニトリル  (資料 6-6
     
       
  三井化学   2005/5 停止(所要のANは旭化成に生産委託)
  旭化成   水島、韓国・東西石油化学で増設
  三井化学から青化ソーダの営業権を譲受
  三菱化学/三菱レイヨン   2001/7 ダイヤニトリックス設立
  
アクリロニトリル、アクリルアミド、ポリアクリルアミド及び関連事業統合
       
    アルキルベンゼン  (資料 6-7
      日本石油洗剤のLABを除き、全て停止
     
  LAB BAB

日本石油洗剤

40千トン

停止

協和油化

停止

 

三菱化学

停止
 予定

停止

日本アルキレート 

解散

 
       
  8   メタノール  (資料 6-8
     
1970年代 東西の共同生産会社を含め5社体制
   東日本メタノール梶@住友化学中心 
   西日本メタノール梶@三井東圧中心
    三菱ガス化学
   三井東圧化学
   協和ガス化学 
 
安値海外品流入で相次ぎ操業停止
 1995/7最後の国産メーカー 三菱ガス化学(新潟 264千トン)操業停止 
    設備は中国内蒙古伊克昭盟化工集団総公司に売却 

三菱ガス化学を中心に海外進出

サウディアラビア Saudi Methanol Company SABIC 50%/日本・サウジアラビアメタノール* 50% *三菱ガス化学47.0%
International Methanol Company 三井物産 20%/三菱商事/ダイセル/飯野海運  
ベネズエラ Metanol De Oriente, Metor.S.A 三菱ガス化学 23.75%  
中国(計画) 社名未定 三菱ガス化学 51% 南京で誘導品計画
ブルネイ(計画) 社名未定 三菱ガス化学 50%  
インドネシア PT. Kaltim Methanol Industri 双日85%、ダイセル5%、フンプス10%  
       
       
  9   アクリル酸  (資料 6-9
       
      友化学、日本触媒に事業譲渡(MMAモノマーと交換) 愛媛停止
        シンガポール事業も日本触媒、東亞合成に譲渡
      日本触媒、米・インドネシア・シンガポールに拠点
      三菱化学、南アフリカでSasol とJV
       
  10   テレフタル酸  (資料 6-10
       
      三井化学、三菱化学 海外展開
 三井:インドネシア、タイ 他に中国に申請中
 三菱:韓国、インド、中国、インドネシア(
黒崎工場停止、海外シフト)

三菱化学/三菱ガス化学 国内販売統合 
         
Y 11   MMAモノマー  (資料 6-11
     
住友化学 & 日本触媒   1982、50/50出資で日本メタアクリルモノマー(JMMA)を設立
 1984年 住化・愛媛に直酸法による40千トン設備建設
 1989年 日触・姫路に第二プラント
 その後、韓国にLGとのJVでLG MMA、シンガポールに
Singapore MMA Monomerを設立
   住化は既存需要家へのモノマー販売とポリマー、日触はモノマーとメタアクリル酸の販売

2002年、住化は自社のアクリル酸事業を、日触はMMA事業を、シンガポール事業を含め
それぞれ相手に譲渡
(韓国MMA事業には日本触媒 残留)

     
旭化成   1999年、直酸法を更に進化させた直メタ法MMAモノマー製造設備の商業運転を開始、その後能力増強
     
三菱瓦斯化学   副生硫安の出ない新ACH法で生産
     
クラレ & 三井化学   1989年、協和ガス化学が三井東圧が大阪工場内で直酸法によるモノマー設備に50%出資(共同モノマー)
  クラレによる協和ガス吸収合併でクラレと三井化学のJV

2005年、合弁を解消、共同モノマーは三井化学100%子会社に
  クラレは中条にACH法モノマープラントを所有

       
  12   MMA海外活動(含むポリマー)は以下の通り  (資料 6-12
                                              単位:千トン
 

立地

会社名

モノマー

ポリマー

シート 

住友化学

韓国

LG MMA

  100

   90

:   

シンガポール

Singapore MMA Monomer

  133

:

:

Sumika MMA Polymer

:

  50

:

三菱レイヨン

タイ

Thai MMA Co., Ltd.

   90

:

:

Diapolyacrylate Co., Ltd.

:

   8

:

Diaglas Company, Ltd.

:

:

  8

中国

三菱麗陽高分子材料(南通)

   90

:

:

恵州恵菱化成

:

  40

 

南通麗陽化学

:

:

 20

蘇州三友利化工

    5

:

:

米国

Aristech AcrylicsLLC

:

:

 34

三菱レイヨン

 (140)

:

:

旭化成

韓国

韓国デラグラス

:

:

  6

クラレ

中国

可楽麗亜克力(張家港)

:

:

  3

       
  13   カプロラクタム  (資料 6-13
     
 住友化学は硫安を一切副生しない画期的な新プロセスを開発、2003年にこれにより増設を行った。

 三菱化学はカプロラクタムの外販事業から2005年3月末をもって撤退、自消用に特化することとし、1系列を停止した。

 宇部興産は2003年に1系列を停止し、タイの子会社に生産をシフトした。宇部はタイとスペインでナイロン生産を行っているほか、米国での事業も検討している。

 東レも2004年、名古屋のプラントを停止、東海工場に生産を集約、一工場体制として効率化を図った。
       
  14   ナイロン  (資料 6-14
     
宇部興産、タイ・スペイン進出

1994/3 三菱化学、三菱ガス化学、折半出資で販売会社「三菱エンジニアリングプラスチック」設立
       
  15   ポリアセタール  (資料 6-15
       
      各社海外進出
       ポリプラスチック 中国(三菱ガス化学と共同)、マレーシア
       三菱ガス化学   中国(ポリプラスチックと共同)、韓国、タイ
       旭化成       中国(DuPont と) 
                  シンガポールは建設中止
       東レ        韓国
       
  16   PBT  (資料 6-16
     
ポリプラスチックスと帝人は2000/7、両社のPBT事業と帝人のガラス繊維強化PET事業と統合してウィンテックポリマーを設立した。
なお、宇部興産とクラレは1992年に折半出資で「ケーユーポリマー」を設立し、クラレ・西条工場でニートポリマーを、宇部・宇部工場でコンパウンドを生産していたが、両社は事業からの撤退を決め、2001年にウィンテックに営業譲渡した。

東レはマレーシアで BASFとの50/50JV Toray BASF PBT Resin を設立、2006年初めからPBTベースレジン60千トンを生産する。

       
  17   PC  (資料 6-17
      アジア進出
  出光:
台湾
  帝人:シンガポール、中国
  三菱化学/
三菱ガス化学:韓国、タイ
  旭化成:台湾(旭化成
の非ホスゲン法技術)

帝人、バイエルとグローバルで製品の相互供給契約 

       
  18   PPS  (資料 6-18
     
トップメーカーの呉羽は錦工場の増設とともに、米国のJV・フォートロンの増設を行った。東レも増強した。
大日本インキ化学は1991年から鹿島工場でPPSを製造しているが、2001年、千葉に工場を持つ東燃化学/東都化成JVのトープレンを買収、鹿島工場を統合してディーアイシーEPと改称した。
東ソーは保土ヶ谷化学とのJVの東ソー・サスティールを1992年100%子会社とし、96年に吸収合併した。
       
  19   MBS  (資料 6-19
     
カネカは米・欧・マレーシアに進出
クレハは全面撤退(日本の販売権も含め、提携先のR&Hに譲渡)
三菱レイヨンも米・欧の事業を提携先のAtofinaに譲渡