Y その他の分野での再編                         目次へ
         
6 - 1   スチレンモノマー
         
       
       
ア)東ソー
  東ソーは四日市で13万トンのSMを生産し、同地の大日本インキ化学に供給していたが、市況下落による収益悪化のため1998年に停止した。同社は大分で新日鐵化学とのJVの日本スチレンモノマーを持っており、ここから供給する。
   
イ)三菱化学
  三菱化学は1999年にSM事業の再構築を実施、四日市事業所のベンゼン、EB、SMの各設備を停止し、鹿島に集約した。
   
ウ)三井化学
  三井化学は2004年1月、山口工場でのSM事業を太陽石油に譲渡した。山口SM工場は宇部でのエチレンセンター構想を前提に1994年に三井東圧、宇部興産、鐘淵化学3社が合弁会社化を目指して建設したが、エチレン計画がつぶれたため、三井の工場のままで3社が引き取り枠を持って運営していた。2000年には鐘化が離脱した。
三井は生産中止を含めて対応を検討していたが、
原料ベンゼンを生産する太陽石油が、高付加価値のSM進出を図り買収した。 この事業のため太陽石油化学が設立され、三井化学と三井物産が参加している。
 (三井化学は旧三井東圧が産構法時に大阪の9万トン設備を廃棄しており、これでSM事業からは撤退する)
   
エ)住友化学
  住友化学は2003年、PO事業との関連でSMの販売を日本オキシランに移管した。
同社はライオンデルとのJVでSM/PO併産設備を持つと同時に、2003年に自社技術のPO単産法プラントを稼動したが、PO事業をコア事業の一つと位置付け、日本オキシランへの出資比率を60%に引き上げた。単産法プラントは2〜3年内を目処に日本オキシランへ移管する。
   
オ)旭化成
  2001/9にS&Bを発表、2系列のうち15万トンを停止し、30万トンを新設、計63万トンとするというもの。自家消費増加と中国張家港でのダウとのPSのJV(12万トン)用とした。
2003年には当初予定していた系列(年産能力15万トン)の廃棄を見送ることを決定。
2004年2月、新設備の商業運転を開始、合計78万トンとした。
        
6 - 2   EO、EG
       
       
ア)丸善石油化学
  丸善石油化学は1999年、日本曹達と帝人の保有する日曹油化工業(工場は四日市)の全株式を譲り受けた。
丸善石化は日曹油化が五井工場を分離して設立した日曹丸善ケミカルに出資していたが、同じ1999年に100%子会社とし、2000年10月、日曹油化と日曹丸善ケミカルを合併させ、丸善ケミカルとした。
2005年4月、丸善石油化学は丸善ケミカルとHDPE製造子会社の丸善ポリマーを吸収合併した。
   
イ)三菱
  上述の通り、2001年1月にエチレンとともに、EO,EGの生産を停止した。
         
6 - 3   フェノール、ビスフェノールA 
                               単位:千トン
                  

フェノール

ビスフェノールA

 
三井化学

大阪

    200

      

大阪

60

当初、「共同ビスフェノール製造」(三菱化学との50/50JV)
97/3合弁解消、98/3吸収

市原

    190

 

名古屋

      55

Singapore

    250

     230

Mitusi Phenols Singapore
Mitsui Phenol Singapore/Mitusi Bisphenol Singapore統合 
他にアセトン 15万トン

中国  

(120)

上海シノペック高橋三井化学

日本GEプラスチック

市原

 

90

 

千葉フェノール

出光千葉

200→230

三井55%/出光45%200
アセトン 60→80
出光石油化学  千葉

70

三菱化学 鹿島

 180→250

100

黒崎

100→120

新日本フェノール  戸畑

120
→ 0

改良トルエン法 新日鉄化87.5%/三菱12.5%
→新日鐵化学 100%→製造停止
新日本ビスフェノール

  

戸畑

95

新日鉄化51.4%/三菱24.3%/東都化成24.3%
→2001/3東都持分を新日鉄化へ
→新日鐵化学 100%
新日鐵化学
 (錦湖P&B)
韓国
 Yeochon

130
(280)

35
(135)


(  )増設後
         
        ア)新日鐵化学と三菱化学
       
  新日鐵化学と三菱化学は1989年に新日本フェノールと新日本ビスフェノールを設立し、1993年に両設備を稼動開始した。
 しかし、原料トルエンの高騰による採算悪化から2005年に合弁を解消、フェノールは停止、ビスフェノールAは新日鐵化学100%とした。
 三菱化学は鹿島のフェノールと黒崎のビスフェノールAを、新日鐵化学は韓国のJV・錦湖P&B化學のフェノール、ビスフェノールAをそれぞれ増強する。
         
        イ)三井化学と三菱化学
       
  三井東圧と三菱油化は1986年にビスフェノールAの製造JV・共同ビスを設立したが、1996年に三井化学100%とし、1998年に吸収合併している。
なお三井化学は
シンガポールにフェノールとビスフェノールAの100%子会社を、中国にビスフェノールAの(シノペックとの)50/50JVを設立している。
         
6 - 4   アセトアルデヒド、酢酸、誘導品
         
       
        ア)アセトアルデヒド
       
  能力(2004年末)
 
      千t  
昭和電工 大分

  160

 
徳山

140

徳山石油化学
1962/5 設立(日本瓦斯化学 60%、昭和電工 40%)
   → 昭和電工 100%
1999/5 昭和電工が
吸収合併
日本アルデハイド 千葉

   69

1966/12 設立 住友化学 60%、ダイセル 40%
1981/6 1系列停止
協和油化 四日市

   61

 
三井化学 岩国

  (53)

97/10 休止
合計  

430

 
         
        イ)酢酸
       
 
        千t    
協同酢酸 網干

  408

メタノール法
1977   設立
    ダイセル化学 60%/三菱ガス化学 20%/
電気化学
15%/チッソ 5%
1981   協和発酵が参加
    ダイセル 54%/三菱ガス化学 18%/電気化学 15%/
協和発酵 8%/チッソ 5%
ダイセル化学 大竹

   36

ワッカー,BPケミカル技術  
昭和電工 大分

  (150)

アセトアルデヒド法 2001/8休止
再稼動検討→酢酸エチルに転用
大分

 100

エチレン直接酸化法 2006年 130千トン
BPマレーシアから約12万トンの引取契約
         
        ハ)酢酸エチル
       
 
      千t  
昭和電工  徳山

  150

旧 徳山石油化学
昭和電工  Showa Esterindo インドネシア

50

直接付加法

日本酢酸エチル

大分

100

昭電/協和醗酵 製造JV 04/4 Start

千葉酢酸エチル 五井

   44

1981/5   設立
チッソ 55%/ダイセル 45%
     
1981/7   チッソ・五井の酢酸エチル設備を増強して操業
(ダイセル・新井のプラント停止)
協和油化 四日市

   (39)

日本酢酸エチル設立後、生産を中止 

チッソ: 当初韓国 International Esters Corporation * に参加、酢酸エチルを輸入
        (* BP,
Korean Alcohols Industrial, 住友商事とのJV)
      → 1996/末 撤退

         
        ニ)酢酸ビニル
       
 
      千t  
日本合成化学 水島

  180

協同酢酸から原料
クラレ 岡山

  150

 
中条

  (86.4)

1983/7 天然ガス法酢ビ停止
昭和電工 大分

  120

自社  2006年 175千トン
電気化学 千葉

   60

協同酢酸から原料
日本酢ビ・ポバール
 (旧 信越酢酸ビニル)

  120

2002/5   設立
    信越化学 50%/ユニチカ 50%
      信越酢酸ビニル、ユニチカケミカルを統合
2005/3   信越化学が完全子会社化
         
        ホ)ポリビニルアルコールPVA ポバール
       
 
      千t  
クラレ
岡山    96   バイエル技術
中条    28.2 酢ビ生産停止で特殊品中心に
ドイツ    70 クラレスペシャリティーズヨーロッパ社
 
2001年、クラリアント社PVA関連事業買収
 PVA 50,000トン → 57,000トン → 70,000トン
クラレ/日本合成化学 シンガポール    40 ポバールアジア
1996/10設立 クラレ 50%/日本合成化学 50%
日本合成化学
水島    40   
熊本    30  
電気化学 青海    28.8  
日本酢ビ・ポバール
 (旧 ユニチカケミカル)
   28.8
2005/3   信越化学が完全子会社化
         
        ヘ)EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂)
       

メーカー2社がいずれも日米欧の3極体制
 
    千トン                                                 
日本合成化学
  「ソアノール」
水島   10  
La Porte, TX   18 NOLTEX L.L.C.
 設立:1994
 日本合成化学/三菱化学
 休止中のDuPontのEVOHプラントを買収
販売はSoarus L.L.C.
 設立:1996
 日本合成化学/OC Inc.
英国   15 Nippon Gohsei UK Ltd.
 設立  :2001/3
 日本合成化学 100%
 ヨークシャーハンバー地域のBP工場敷地内
販売は当初 British Traders & Shippers
 1999年 25%出資
 2003   Eastern Producers Investmentの持株を買収、
        日本合成化学 100%
 2005   Nippon Gosei UK と合併
クラレ
  「
エバール」
岡山   10  
テキサス州 パサディナ   23 Eval Company of America
 クラレ 100%
  +24千トン(2006/3完工予定)
アントワープ   24 EVAL Europe N.V.
 クラレ 100%
         
6 - 5   プロピレンオキサイド
       
 
会社名 工場   千トン  

旭硝子

鹿島

  110

塩素法

昭和電工

川崎

  (31)

休止

トクヤマ

徳山

   79

塩素法

日本オキシラン

千葉

  181

SM併産法(ハルコン法)
当初 ARCO/ ハルコン 50%、住友化学 30%、昭和電工 20%

→ ライオンデル・ケミカル50%、住友化学
 44.76%、昭和電工 5.24%
→ 2002/6 住友化学 50%、Lyondell 50%
→ 2003/3 住友化学 40%、Lyondell 60%

住友化学 千葉

200

新法(単産法) 2001年稼動
近く日本オキシランに移管

三井化学

名古屋

  (36)

休止


製法
 
    1.塩素法   プロピレン+塩素 → クロルヒドリン
  クロルヒドリン+苛性ソーダ → PO+塩化ナトリウム
    2.ハルコン法   プロピレン+エチルベンゼン(or イソブタン)→PO+SM (or MTBE)
    3.住化新法   プロピレン+キュメン→PO+クミルアルコール(→キュメン)
    4.H2O2プロセス
  (BASF/Dow、中国)
  プロピレン+過酸化水素→PO+水
         
6 - 6   アクリロニトリル 
       
                       単位:千トン
 

旭化成

川崎

148

2000年、三井化学から青化ソーダの営業権を譲受
 川崎工場内にAN副生青酸を原料に10千トンの青化ソーダプラントを建設

水島

243
+50


2004/10増設
韓国・東西石油化学   270 1998年 100% (←旭化成 50%/韓一合繊 50%)
2003年 AN、青化ソーダ 増設
 AN  13万トン+(20万トン-6万トン)=27万トン
 青化ソーダ 2.5万トン+1.5万トン=4万トン
 アクリルアマイド 1万トン
 EDTA 3千トン
米国Solutia社       1998、年間約5万トンのAN引取権
(年産25万トンのプラント新設計画で)

ダイヤニトリックス

三菱化学・水島

111

2001/7 
アクリロニトリル、アクリルアミド、ポリアクリルアミド及び関連事業
統合
 三菱化学 50%/三菱レイヨン 50%
 

三菱レイヨン・大竹

86

住友化学

新居浜

52

 

三井化学

大阪

(59)

2005/5 停止、所要のANは旭化成ケミカルズ生産委託

2002年、韓国アクリルアマイド事業を再編
 龍山化学(三井化学/龍山/トーメン):
  銅法アクリルアマイド(7千トン)停止、無水マレイン酸などに事業を特化
 龍山三井化学(三井化学/龍山):
  バイオ法プラント(5千トン)完成、銅法と合わせ12千トン
* 日本 38千トン、インドネシア(P.T. Mitsui Eterindo Chemicals三井化学 70%/Eterindo 20%, クオック 10%) 5千トンとあわせ3カ国で55千トンとなり、アジアでは最大級のAAMメーカー

昭和電工

川崎

51

 
         
6 - 7   アルキルベンゼン
       
    LAB BAB                                               

日本石油洗剤

川崎

40

(50)

販売=新日本石油化学
1960 日本石油化学(55%)、Chevron Chemical(45%)JV
1993 日本石油化学100%

BAB 03/8停止

協和油化

千葉

(45)

 

2002/5停止

三菱化学

四日市

(45)

(30)

BAB 1997/3 停止
LAB 2006/3 停止

日本アルキレート 

愛媛

(30)

 

1966 日本アトランチック設立
    (住化、花王石鹸、Atlantic Richfield 均等出資)
1980 ARCO撤退、住化・花王石鹸 均等出資
1981 日本アルキレートと改称
1995/末 解散

LAB リニアアルキルベンゼン 直鎖状、ソフト型
BAB ブランチアルキルベンゼン 分岐状、ハード型

         
6 - 8   メタノール
       
1970年代 東西の共同生産会社を含め5社体制
   東日本メタノール梶@住友化学中心 
   西日本メタノール梶@三井東圧中心
    三菱ガス化学
   三井東圧化学
   協和ガス化学 
 
安値海外品流入で相次ぎ操業停止
 1995/7最後の国産メーカー 三菱ガス化学(新潟 264千トン)操業停止 
    設備は中国内蒙古伊克昭盟化工集団総公司に売却 
       
三菱ガス化学を中心に海外進出
@サウディアラビア
  社名   AR-RAZI (Saudi Methanol Company)
  場所   Al-Jubail
  設立   1980/2
  出資   SABIC 50%/日本・サウジアラビアメタノール* 50%  
     
  *日本・サウジアラビアメタノール出資:(1997/6時点)
    三菱ガス化学 
海外経済協力基金
三井東圧
住友化学
クラレ
伊藤忠商事
新日鉄化学 
東邦理化
日本化成  
  47.0%
30.0%
 5.0%
 5.0%
 5.0%
 5.0%
 1.0%
 1.0%
 1.0%        
  能力   4系列 実質生産能力 合計320万トン
      第5期(2007年) 170万トン 
       
Aサウディアラビア(計画)
  社名   International Methanol Company
  場所   Al-Jubail
  設立   2002
  出資   Saudi International Petrochemical 65%/
三井物産 20%/三菱商事 5%/ダイセル化学 5%/飯野海運 5%
  能力   100万トン
       
Bベネズエラ
  社名   Metanol De Oriente, Metor.S.A
  設立   1992/3
  出資  
Pequiven   37.5%
三菱ガス化学   23.75%
三菱商事   23.75%
Inversiones Polar   10.0%
International Finance Corp    5.0%
  能力   730千トン
第2期 850千トン(2007年内の稼働目標)
       
C中国(計画)
  社名   未定
  場所   重慶市
  設立   2005年
  出資   三菱ガス化学 51%/重慶化医 49%
  能力   85万トン
       
 メタノール誘導品事業化計画
  社名   未定
  場所   南京市
  設立   2005年
  出資   三菱ガス化学 85.1%/伊藤忠 14.9%
       
Dブルネイ(計画)
  社名   未定
  立地   ブルネイ国スンガイ・リアング工業地区
  出資  
三菱ガス化学   50%
伊藤忠商事   25%
Brunei National Petroleum   25%
  能力   850千トン
       
Eインドネシア 
  社名   PT. Kaltim Methanol Industri
  立地   Bontang, East Kalimantan
  出資   双日 (日商岩井)     85%
ダイセル    5%                             
フンプス    10%
  能力   660千トン
       
 
         
6 - 9   アクリル酸
       
    アクリル酸 同エステル  
日本触媒 

姫路

   220
+160

   130

 

住友化学・愛媛*

(80)

 

停止/日本触媒に事業譲渡(MMAモノマーと交換)
テキサス州 

120

  American Acrylic Corporation
NA Industries(日本触媒) 50%/アトフィナ 50%

インドネシア

60

100

PT.Nippon Shokubai Indonesia
日本触媒 93.8%

シンガポール

精   25

  Sumika Glacial Acrylic
日触100%
住化 100%
Singapore Acrylic シンガポール

租   60

 

住化9%/日触51%/東亜合成 40%
(住化 60%/東亜合成 40%)

東亞合成

名古屋

 

114

 

シンガポール

 

82

Singapore Acrylic Ester
東亜合成 100%東亞合成 75%/住化 25%

三菱化学

四日市

   110

   116

直接酸化法

南アフリカ

80

80

Sasol Dia Acrylates (South Africa) (Pty) Ltd
 Sasol Dia Acrylates (Pty) Ltd* 50%/Sasol 50%
  *三菱化学 50%/Sasol 50%

大分ケミカル 

大分

    60

  東亞合成90%、昭和電工10% 83/10設立
 日昭化薬(日本化薬/昭和電工 83/5停止)から酸事業引き継ぎ

出光石油化学

愛知

    50

    50

 
         
6 - 10   テレフタル酸
         
       
    PTA DMT  

三井化学

岩国

   750

   

 
インドネシア      450     PT Amoco Mitsui PTA Indonesia
BP 50%, 三井化学 45%、三井物産 5%
タイ    1,400     Siam Mitsui PTA
三井化学 49%、CCC 49%、SMH 2%
中国(申請)    (600)     三井化学(張家港)有限公司

三菱化学

黒崎

  (170)

(80)

黒崎工場停止   海外シフト

松山

250

  100%出資松山化成を吸収
 2002/9 140千トン停止後
韓国

1,500

    三南石油化学
三菱化学 40%/三養社
インド

470
(+800)

    MCC PTA INDIA
三菱化学 66%
中国

600

    寧波三菱化学有限公司
寧波PTA投資*90%/中国中信集団 10%
* 寧波PTA投資 三菱化学 61%/伊藤忠 35%/三菱商事 4%
インドネシア

640

    バクリー化成
三菱化学 83.2%/日本アジア投資

ダイヤ ティーエー

国内  

    ー

   ー

2002/10 国内販売統合
 三菱化学 65%/三菱ガス化学 35% 

水島アロマ 

水島

   250

   

三菱ガス化学 50%/東洋紡 50% 

東レ

東海

    250

   

帝人

松山南

 

   230

 
徳山  

9

         
6 - 11   MMAモノマー
        単位:千トン 各年12月末
 

製法

 2000

 2005

・*

旭化成

直メタ法&ACH法

100

100

日本メタアクリルモノマー
     (住友化学・愛媛)
     (日本触媒・姫路)
住友化学
直酸法

90
(40)
(50)

32


40


愛媛工場を住化に移管 
姫路工場50のうち、MMA 32は住化が引取
      残り 18はメタアクリル酸として日触が引取

三井化学(千葉)

ACH法

(15.7)

 

96/9停止

共同モノマー
     (三井化学)
     (クラレ)

直酸法

40
(20)
(20)

40
(40)

三井化学とクラレ、「共同モノマー」の合弁を2005/9月末で解消 
三井100%へ  

クラレ

ACH法

63

67

三菱ガス化学

新ACH法

41

51

三菱レイヨン

直酸法&ACH法

215

217

合計

549

547

         
        ア)住友化学と日本触媒
       
  住友化学と日本触媒は1982年に50/50出資で日本メタアクリルモノマー(JMMA)を設立、1984年に住化・愛媛に直酸法による40千トン設備を建設した(それまでの住化のACH法設備、日触の実証プラントを停止)。その後1989年には日触・姫路に第二プラント、韓国にLGとのJVでLG MMAプラントを、更にシンガポールでプラントを建設した。
 住化は既存需要家へのモノマー販売とポリマー、日触はモノマーとメタアクリル酸の販売と、仕分けをしていた。

 2002年、住化は自社のアクリル酸事業を、日触はMMA事業を、シンガポール事業を含めそれぞれ相手に譲渡した。日触がアクリル酸事業で幅広く誘導品事業を行っているのに対し住化は単体営業だけであり、住化がMMAではシート、成形材料など幅広く事業を行っているのに対し日触がモノマー営業だけであることから、事業交換により夫々がコア事業に経営資源を投入することとしたもの。(韓国MMA事業には日本触媒 残留)

         
        イ)旭化成
       
  旭化成は1999年、直酸法を更に進化させた直メタ法MMAモノマー製造設備の商業運転を開始、その後能力増強を行った。
         
        ウ)三菱瓦斯化学
  新技術では三菱瓦斯化学が副生硫安の出ない新ACH法で生産を行っている。
         
        エ)クラレと三井化学
       
  1988年に三井東圧が大阪工場内で直酸法によるモノマー設備を完成させたが、1989年に協和ガス化学が50%出資して共同モノマーとし、同年のクラレによる協和ガス吸収合併でクラレと三井化学のJVとなった。

 2005年9月、両社は合弁を解消、共同モノマーは三井化学100%子会社となった。クラレは中条にACH法モノマープラントを所有している。

         
6 - 12   MMA海外活動(含むポリマー)は以下の通り 
                                       単位:千トン
       

立地

会社名

モノマー

ポリマー

シート

JV相手

備考

住友化学     

韓国

LG MMA

  100  

  90

:     

LG 50%、
日本触媒 25% 

モノマー 2008年 +76

シンガポール

Singapore MMA Monomer

  133

:

:

100%(日触撤退)

2008年 +90

Sumika MMA Polymer

:

  50

:

100%

2008年 +50

三菱レイヨン

タイ

Thai MMA Co., Ltd.

   90

:

:

Cementhai Chem 45%
Bangkok Synthetics  5%
三菱商事 5% 

他にブチルメタクリレート 
10千トン

Diapolyacrylate Co., Ltd.

:

   8

:

三菱商事

(当初 TPI 65%)

Diaglas Company, Ltd.

:

:

  8

スリフェンフン グループ 25.2%
三菱商事 26.2%

:

中国

三菱麗陽高分子材料(南通)

  90

:

:

100%

2006年スタート

恵州恵菱化成

:

  40

 

丸紅 20%

:

南通麗陽化学

:

:

 20

100%

他に塗料用樹脂 3.5

蘇州三友利化工

 * 5

:

:

住友商事25%、現地25%

* 高級エステル・
ブチルメタアクリレート

米国

Aristech Acrylics LLC 

:

:

 34

三菱商事  88%

2008年4月、SK CapitalがAristech Acrylicsを買収

三菱レイヨン

 (140)

:

:

:

2010年商業運転 
メタクリル酸含む
ルーサイトのシンガポールと相互供給

旭化成

韓国

韓国デラグラス

:

:

  6

RAYGEN 30%
サムスン物産 10%

:

クラレ

中国

可楽麗亜克力(張家港)

:

:

  3

クラレトレーディング 20%

:

         
6 - 13   ナイロン原料カプロラクタム
         
       
能力                 千トン    

宇部興産

宇部

   90

  110
-20


旧式プロセスで硫安副生量の多い第I期プラントを停止
タイ

  100

Thai Caprolactam Public Co
 宇部興産 53.63%/TPI Polene 26.50%
堺工場を停止し、タイでの増強を検討
スペイン

75

UBE Chemical Europe S.A.(旧称 Productos Qui'micos Esso)
 宇部 100%
宇部エムス 宇部

   15

ラウロラクタム併産

三菱化学

黒崎

 110
-50

ハルコンSD法
外販事業(国内販売・輸出)から撤退

東レ

名古屋

  80
→0

光ニトロソ化(PNC)法

東海

   90
→100

住友化学 

愛媛

  93
67
(160)

BASF技術(直酸法)
新プラント

   
         
         各社とも合理化を進めている。 
       
 住友化学は硫安を一切副生しない画期的な新プロセスを開発、2003年にこれにより増設を行った。

 三菱化学はカプロラクタムの外販事業から2005年3月末をもって撤退、自消用に特化することとし、1系列を停止した。

 宇部興産は2003年に1系列を停止し、タイの子会社に生産をシフトした。宇部はタイとスペインでナイロン生産を行っているほか、米国での事業も検討している。

 東レも2004年、名古屋のプラントを停止、東海工場に生産を集約、一工場体制として効率化を図った。
         
6 - 14   ナイロン
       
    66  

宇部興

宇部

 55

  7

  9

ナイロン12

タイ

25

 

 

UBE Nylon (Thailand) Ltd.
宇部興産 100%
スペイン

10

 

 

Ube Engineering Plastics. S.A.
宇部興産 100%

東レ

名古屋

 28

 22

 2.4

ナイロン11、12、その他

岡崎    5         ナイロン繊維の重合設備を転用

旭化成

延岡

   76    

三菱化学 

黒崎

 30

     
台湾

11

    太洋ナイロン(100%子会社)

ユニチカ

宇治

 12

     

三菱ガス化学 

新潟

   

 14.5

MXD6

米国    

10

MXナイロン
MGC Advanced Polymers, Inc.
 三菱ガス化学 80%/丸紅 20%

東洋紡

敦賀

  4

     

三井化学

岩国

   

 3.2

芳香族ナイロン

         
        宇部興産、タイ・スペイン進出

1994/3 三菱化学、三菱ガス化学、折半出資で販売会社「三菱エンジニアリングプラスチック」設立
         
6 - 15   ポリアセタール
       

ポリプラスチック

  ダイセル 55%
  Ticona(セラニーズ) 45%

富士

 100

co-polymer

中国   60 宝泰菱工程塑料(南通)有限公司
 ポリプラスチックス 70.1%、
 三菱ガス化学、韓国Engineering Plastics、チコナ 計29.9%
マレーシア   30 Polyplastics Asia Pacific Sdn. Bhd.
 ポリプラスチック 100%
三菱ガス化学 四日市   20 co-polymer
韓国   80 Korea Engineering Plastic 
 Celanese 50%、MGC40%、三菱商事10%
タイ   45 Thai Polyacetal Co
 三菱ガス化学 73.55%、TOA Chemical 26.45%
中国   60 宝泰菱工程塑料(南通)有限公司 上記

旭化成

水島

  20
  24

homo-polymer
co-polymer
中国   20 杜邦-旭化成ポリアセタール(張家港)有限公司
 旭化成ケミカルズ50%/DuPont 50%
シンガポール  (20) 旭化成テナックシンガポール
 
旭化成 100% 2001/3 建設中止
東レ 韓国   20 KTP Industries Inc.
 東レ68.9%、Kolon Industries, Inc. 31.1%
         
6 - 16   PBT(ポリブチレンテレフタレート)
       
     重 合 コンパウンド  

ウインテック

       

  (ポリプラスチック)

富士

  22

   25

 

  (帝人  ) 

松山

  50

   

重合50 新設
旧設備 14 停止

岩国

 

    13

 

  (ケーユーポリマー)
   クラレ・宇部興産JV
   ウインテックに営業譲渡

クラレ・西条

   ー

   
宇部興産・宇部       ー  

愛媛

  22

   

名古屋

 

   50

ナイロンと併産

マレーシア     60   Toray BASF PBT Resin Sdn. Bhd.
東レ 50%/BASF 50%
2006年初め操業開始

日本GEプラスチック

真岡

 

   17

 

三菱化学 

四日市

  80

   18

重合60新設

三菱レイヨン

豊橋

   5

   10

 

大日本インキ化学 

尼崎

   4

    5

 

ポリプラスチックスと帝人は2000/7、両社のPBT事業と帝人のガラス繊維強化PET事業と統合してウィンテックポリマーを設立した。
なお、宇部興産とクラレは1992年に折半出資で「ケーユーポリマー」を設立し、クラレ・西条工場でニートポリマーを、宇部・宇部工場でコンパウンドを生産していたが、両社は事業からの撤退を決め、2001年にウィンテックに営業譲渡した。

東レはマレーシアで BASFとの50/50JV Toray BASF PBT Resin を設立、2006年初めからPBTベースレジン60千トンを生産する。

       
         
6 - 17   PC
       
グループ 社名 場所 日本 アジア  

住友化学

住友ダウ

愛媛

55

 

住化 50%/ダウ 50%

GE

GEPJ

千葉

45

 

 

出光

出光興産

千葉

50

 

 

台化出光石油化学

台湾

 

100

出光 50%/FCFC 50%
3期計画合意 75

帝人

帝人化成

松山

120

 

 

Teijin Polycarbonate
Singapore

シンガポール

 

180

ビスフェノールA ソース:
Mitusi Bisphenols Singapore

帝人化成(中国)

中国

 

50

第2系列 05/5着工 
増設後は10
0
バイエルとグローバルで製品の相互供給
ビスフェノールA ソース:
上海シノペック高橋三井化学

三菱
エンジニアリング
プラスチックス

三菱化学

黒崎

40

 

 

三菱ガス化学

鹿島

100

 

2002/4 70増設

三菱ガス化学

大阪

(25)

 

2002/9停止

三養化成 

韓国

 

85

三養社 50%/三菱化学 25%/
三菱エンジニアリングプラスチック 25%

Thai Polycarbonate

タイ

 

140

MEP 60%/三菱ガス化学 5%/
三菱化学 5%/TOA Chemical 30%

旭化成

旭美化成

台湾

 

100

旭化成 10%/奇美実業 90%
旭化成の非ホスゲン法技術

         
6 - 18   ポリフェニレンサルファイド(PPS)
       

東レ

東海

  9.0

当初フィリップスとの50/50JV 「東レ・フィリップス」

1992 東レ100%「東レPPS」
1994 吸収合併

呉羽化学

7.5

(コンパウンドはポリプラスチック)

米国

6.8

フォートロン・インダストリーズ
 呉羽 50%/Ticona(Hoechst) 50%

ディーアイシーEP  

(大日本インキ化学

鹿島

3.5

DIC鹿島工場PPSを分離し、ディーアイシーEPに統合

千葉 

3.5

当初 トープレン(東都化成55%/東燃化学45%)
その後、新「トープレン」(東都化成10%/東燃化学90%
→2001/2 DICが譲受け  

東ソー 

四日市

 2.0

当初 「東ソー・サスティール」(東ソー70%/保土ヶ谷化学30%)

1992/6 東ソー100%、1996吸収合併

         
        トップメーカーの呉羽は錦工場の増設とともに、米国のJV・フォートロンの増設を行った。東レも増強した。
大日本インキ化学は1991年から鹿島工場でPPSを製造しているが、2001年、千葉に工場を持つ東燃化学/東都化成JVのトープレンを買収、鹿島工場を統合してディーアイシーEPと改称した。
東ソーは保土ヶ谷化学とのJVの東ソー・サスティールを1992年100%子会社とし、96年に吸収合併した。
         
         
6 - 19   MBS
       
カネカ  

高砂

 35

 

カネカテキサス

 50

鐘化100%

カネカベルギー

 51

鐘化90%/三井物産10%

カネカマレーシア

15

鐘化100%

クレハ

 13

販売権をR&Hに売却

クレハケミカルズシンガポール

(30)

当初 呉羽 75%/Rohm and Haas 25%
→R&Hに売却

ROHM AND HAAS (SCOTLAND) LTD

(55)

当初 呉羽25%/Rohm and Haas 75%
→R&Hに売却

三菱レイヨン 大竹

25

 

Metco North America, Inc.

(26)

三レ 50%/ Atofina 50%
→ Atofinaに譲渡

Metablen Company B.V.(蘭)

(25)

三レ 50%/ Atofina 50%
→ Atofinaに譲渡

日本ゼオン

川崎

(5)

生産中止(撤退)

         
        カネカは米・欧・マレーシアに進出
クレハは全面撤退(日本の販売権も含め、提携先のR&Hに譲渡)
三菱レイヨンも米・欧の事業を提携先のAtofinaに譲渡
       
                 

続く