日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめ
た個人のデータベースです。

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毎日新聞夕刊 2003/7/2

イラン油田 米、公式に開発中止要請
 国務副長官と大統領補佐官 加藤大使呼び


 日本の企業連合によるイラン最大級の
アザデガン油田の開発計画について、米政府が「安全保障上の重大な懸念」を理由に、在米日本大使館を通じた公式の外交ルートで中止を要請していたことが1日、分かった。


毎日新聞 2003/7/3

中止要請 強硬策鮮明に 米“市場排除法”の発動も


アザデガン油田

http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/150630.htm

イラン南西部にあるアザデガン油田は、イラン最大級の油田であり、確認埋蔵量は約260億バレルとされる。2000年のハタミ大統領訪日時に両国間で交渉開始に合意。

参加する企業連合は、国際石油開発(旧インドネシア石油)、石油資源開発、トーメンの3社。


日本経済新聞 2004/2/19

イランのアザデガン油田 日本開発で合意 事業総額2000億円超

日本の企業連合とイラン政府はアザデガン油田の開発交渉で基本合意し、18日に覚書に調印、発表する。事業総額は2千億円を超え、2010年ごろの本格生産をめざす。埋蔵量は、イラン政府推定で中東最大級の260億バレル程度。生産量は日本の原油輸入量の1割弱に相当する日量30万−40万バレルと期待されている。
 

具体的な条件 詰めこれから


日本経済新聞 2004/2/20

日本の得失 不透明に イラン核疑惑 開発のリスクに

 日本とイランのアザデガン油田開発交渉がようやく合意に達した。交渉を事実上先導してきた経済産業省はアラビア石油の権益失効以来4年ぶりの大規模な自主開発油田獲得と自賛するが、石油業界には採算に疑問を唱える声は少なくない。本格生産にこぎ着けるには残された課題も多い。
 事業総額は20億ドル。原油生産量を2008年6月までに日量15万バレルとし、2021年2月までに日量26万バレルに引き上げる。日本側が原油を受け取る形で投資資金を回収できる契約期間は第一段階が6年半、第二段階が6年、合計12年半に限られる。


想定外負担も
 
ファミリー温存


イラン、大きな外交成果 米政府内には不快感も


朝日新聞 2005年12月29日

国際石油、イラン油田の本格開発に来年着手

 国際石油開発は、日本の自主開発油田として最大級となるイランの
アザデガン油田の本格生産に向けた開発を06年中に始める方針を固めた。イランの核開発疑惑を批判する米国政府が、同社の大株主である日本政府にイラン向け投資を再考するよう求めていた。このため、政府も開発着手に慎重だったが、同社は「着手が遅れると権益を失いかねない」と判断し計画を進めることにした。

 同油田の推定埋蔵量は約260億バレルで、「日の丸原油」としてはアラビア石油が権益を失ったペルシャ湾沖のカフジ油田以来の大規模権益となる。同社によると、イラン側による地雷除去作業は来春ごろに終わる見通しで、その後、年内に開発に着手する。生産開始は当初計画より1年遅れて08年になる見通し。開発費は1000億〜2000億円。



 同油田の権益は
国際石油が75%、イラン側が25%。国際石油は保有権益の20%前後を外国企業に売却する方針だ。油田開発のリスクを分散するためで、親密な関係にある国際石油資本(メジャー)のフランス・トタール社が有力となっている。


 

2006/5/31 日本経済新聞夕刊

アザデガン油田開発 日本に早期着手訴え
 イラン 「地雷除去96%完了」

 イラン石油公社傘下で外国企業との交渉にあたる石油開発技術会社のバザールガン社長は5月30日、テヘランで開いた石油業界の集会でイラン南西部アザデガン油田の開発計画を巡り、日本の石油開発大手、国際石油開発が「契約期限の9月22日までに」開発に着手するよう訴えた。イラン国営通信が伝えた。
 同社長は複数の外国企業などから開発参画の打診があると述べ、国際石油開発が撤退するならば「こうした企業の中の1社と契約するだろう」との見通しを示した。参画希望会社は中国企業を含むとみられる。
 国際石油開発はイラン側が約束した油田の地雷除去を終えていないことが遅れの主因と主張。一方、バザールガン社長は「地雷除去は96%終わっており、作業に問題はない」と反論している。
 一方、イラン外務省のアセフィ報道官は5月30日の記者会見でこの問題に触れ「9月まで時間がたっぷりあり、まだ推測する時期ではない」と指摘した。

 

*アザデガン油田はイラン・イラク国境に近く、1980年代のイラン・イラク戦争で100万発といわれる地雷が敷設され、そのままになっている。イラン側は、油田地帯に敷設された地雷のうち90%を除去し終わり、これで日本側は油田開発に着手できるはずだと言っているが、日本側は、残りの地雷も除去せよと要求し、対立している。

 イラン側は「除去した90%の地域の石油から開発していけば、残りの10%の地域の地雷は、来年まで除去しなくていいはずだ」「残り10%の地域の中には過去の洪水で水没したままになっている場所が多く、除去には時間がかかる」と反発しており、油田開発は暗礁に乗り上げかねない。(http://tanakanews.com/f1206oil.htm



平成16年2月18日 国際石油開発(株)(インペックス)

イラン・イスラム共和国アザデガン油田の評価・開発に関する契約調印について(共同声明)

National Iranian Oil Company(NIOC、イラン国営石油会社)、国際石油開発株式会社(インペックス)およびNaftiran Intertrade Co. Ltd.(NICO 、NIOCの子会社)は、本日2月18日、イラン・イスラム共和国アザデガン油田の評価・開発に係わる契約について合意に達し調印した。

1999年に発見されたアザデガン油田は, イラン・イスラム共和国クゼスタン州の州都であるアフワズより南約80kmに位置する。アザデガン油田の特定エリアの開発交渉は、2000年11月のハタミ大統領訪問より開始された。

インペックスとNICOは、それぞれ75%と25%の参加権益で本契約に基づき、イラン国営石油会社NIOCのコントラクターとして、アザデガン油田の評価・開発作業を推進する予定である。

契約上アザデガン油田の開発は2つの段階に分かれる。開発第一段階は契約調印後4年4ヶ月後から日量15万バレルの生産を予定し,その後開発第二段階として、契約調印後8年(96ヶ月)後から日量26万バレルの生産を計画している。なお、契約調印後3年4ヶ月間で日量5万バレルのレベルで生産開始を予定している。

本プロジェクトへの総投資額は、20億ドルを見込んでおり、この額は、日量26万バレルのレベルで1年半の生産して得られる収入に相当する。契約上の投資額の回収期間は、開発第一段階では6年半、開発第二段階では6年となっている。

我々は、本プロジェクトが成功裡に推進され、イランと日本との経済的な関係強化につながり、両国の関係がより一層深まることに貢献することを期待している。


外務報道官談話 平成16年2月19日


イランのアザデガン油田開発の契約署名について

 わが国は、日本時間2月19日(木)未明、国際石油開発(INPEX)がイラン国営石油会社(NIOC)及びナフトイラン・インタートレード会社(NICO)とアザデガン油田開発契約に署名したことを歓迎する。

 今回の契約署名が、日・イラン友好関係の一層の進展に寄与することを期待する。

 わが国としては、イランの核問題についての考え方を堅持し、最近イランがIAEA(国際原子力機関)の活動に対して前向きな協力姿勢を見せていることを歓迎するとともに、イランが累次のIAEA理事会決議とNPT(核兵器不拡散条約)上の義務を完全に履行することにより、かかる日・イラン友好関係の進展に影響が及ぶような事態が生じないことを強く希望する。

(参考)アザデガン油田開発契約交渉の経緯
(1) 2000年11月、ハタミ大統領の訪日時に、日・イラン間でアザデガン油田開発の日本企業の優先的交渉権について合意。
(2) 以降、契約合意を目指して、日本企業とイラン国営石油会社等との間で交渉が行われてきた。
(3) 優先交渉期限であった昨年6月末までに交渉は妥結せず、優先交渉権は消滅したが、以降も引き続き交渉は継続していた。

日本経済新聞 2006/9/14

アザデガン油田着工、日本との交渉を継続・イラン石油相

 イランのバジリハマネ石油相は13日、同国南西部のアザデガン油田開発の早期着工に向けた日本の石油開発最大手、国際石油開発との協議を15日以降も続けると明言した。イラン側は国際石油開発に対し、15日までに着工で合意しなければ開発権を取り消すことを示唆していた。


 一方、国際石油開発の関係者は日本経済新聞に「そのような内容の契約ではない」と述べ、イラン側の主張を否定。予備調査の段階で開発予算が大きく膨らみ、核開発問題を巡りイランに国連安全保障理事会が制裁を発動する可能性があることなども考慮し、着工に踏み切れないでいる。


ベトナム ランドン油田

2005/8/5 新日本石油

ベトナム沖ランドン油田 累計原油生産量1億バレル達成について

 当社(社長:西尾 進路)の石油開発部門である新日本石油開発株式会社(社長:大森 輝夫、当社100%出資会社、以下「新日石開発」)が出資する日本ベトナム石油株式会社(以下「JVPC」)は、ベトナム沖ランドン油田におきまして、本年6月に累計原油生産量が1億バレルに達しましたのでお知らせいたします。

 1980年以降、日本の会社がオペレーターとして探鉱・開発を実施した油田では初めての累計原油生産量1億バレルを達成いたしました。1億バレルは日本国内で消費される原油のおよそ24日分に相当いたします。

 なお、8月4日(木)には、ベトナム シェラトンハノイホテルにおきまして当社会長 渡 文明および新日石開発社長 大森 輝夫が出席のもと、1億バレル達成を記念したセレモニーを実施いたしました。併せて、1億バレル達成記念事業の一環として、身体障害児童のリハビリテーション施設の新設資金10万ドルをベトナム・クアンチー県の人民委員会(県の行政機関)に寄付いたしました。

1.ベトナム沖ランドン油田の概要

1992年10月、ベトナム沖に鉱区権益取得以降JVPCがオペレーターとして探鉱活動を実施し1994年6月、試掘1号井でランドン油田を発見いたしました。同油田の現在の生産量は45,000バレル/日であり、今後、掘削済みの生産井を順次立ち上げ、将来の生産量60,000バレル/日まで増産を予定しております。

2.日本ベトナム石油株式会社の概要

(1)商号 日本ベトナム石油株式会社
(2)代表者 取締役社長 大森 輝夫
(3)所在地 東京都港区西新橋一丁目3番12号
(4)設立年月日 1992年8月21日
(5)事業内容 ベトナムにおける石油・天然ガスその他鉱物資源の探鉱、開発および採取他
(6)資本金 22,530百万円
(7)株主構成
   新日本石油開発(株)53.13%
   新日石資源投資(株)43.94%
   三菱商事(株)2.93%


アラブ首長国連邦 ムバラス油田  Mubarras Oilfield

アブタビのアブダビ市の西方約60kmに位置する海上油田。我が国のアブダビ石油(株)により1969年に発見され,1973年5月に生産が開始された。1984年の産油量は18,160b/d。産油層は白亜紀のタママ層とジュラ紀のアラブ層に含まれる10枚の石灰岩で,深さは2,700mから3,400m前後まで。原油比重37.8°API,硫黄分0.92%。生産された原油は,セントラル・ファシリティーズ・プラットフォームに集められ,一次処理後油田の西方約35kmのムバラス島に送られ,ここで処理されたのち沖合15kmの地点に設置されたSBMから出荷されている。


コスモ石油の子会社であるアブダビ石油とその関連会社ムバラス石油(2006年1月ムバラス石油はアブダビ石油に吸収合併)がムバラス油田、ウム・アル・アンバー油田
AR油田)、ニーワット・アル・ギャラン油田GA油田)の3油田を運営し、これらから生産する原油を混合して「ムバラスブレンド」として出荷している。

コスモ石油
1960年代よりアラブ首長国連邦のアブダビ首長国で原油開発を行い、1968年にはアブダビ石油を設立しました。


2006/10/6 日本経済新聞夕刊

アザデガン油田 日本、開発権10%に下げ イランと合意 公的支援見送り

 イラン南西部のアザデガン油田の開発問題で、開発権を持つ国際石油開発とイラン政府は、日本側の開発権の保有割合(出資比率)を大幅に引き下げることで大筋合意した。国際石油開発が保有する75%の開発権のうち65%分をイランの国営石油会社に譲渡し日本の開発権は10%とする方向だ。同油田はイランの核開発問題で着工が遅れていたが、懸念されていた全面撤退は当面避けられる見通しとなった。
 開発権の比率の引き下げとともに、日本政府は国際協力銀行の融資や石油天然ガス・金属鉱物資源機構による出資など、油田開発への公的支援を見送る。