国際石油開発株式会社と帝国石油株式会社
共同株式移転契約締結のお知らせ
http://www.inpex.co.jp/news/2005/1105_2.pdf
国際石油開発株式会社(代表取締役社長 黒田直樹、以下「国際石油開発」)と帝国石油株式会社(代表取締役社長 椙岡雅俊、以下「帝国石油」)は、このたび、経営統合を行うことについて最終合意に至り、本日、両社取締役会において「共同株式移転契約」の締結を決議いたしました。両社は、平成18年1月31日開催予定のそれぞれの臨時株主総会による承認等を前提として、同年4月3日に、株式移転により共同で持株会社「国際石油開発帝石ホールディングス株式会社」(以下、「共同持株会社」)を設立することとなりましたのでお知らせいたします。
日本経済新聞 2005/11/5
国際石油と帝石 合併へ 来春メド 資源開発で補完 売上高5600億円強に
石油開発で国内最大手の国際石油開発と同3位の帝国石油は4日、合併する方向で最終調整に入った。合併時期は来春の見通し。資源高を背景に石油・ガス開発の国際競争が激化する中、日本勢は米企業や中国などのアジア大手に投資規模で劣っている。両社は有力鉱区獲得と開発資金の確保を狙い、合併によって国際市場で開発中堅の地位を固める。
国際石油開発の2005年3月期の連結営業利益は原油価格高騰で2686億円と過去最高を更新、売上高営業利益率は50%を超えた。株式の36%を旧石油公団から引き継いだ政府(経済産業相)が保有。04年に政府系の旧ジャパン石油開発を合併し中東での権益を増やしたが、生産量の6割近くはインドネシアなどアジアに偏っていた。米国が核開発問題を巡って開発に慎重な姿勢を示しているイラン・アザデガン油田の権益も持つ。
国策会社として設立された帝石は現在、純民間企業。新潟県内などの国内ガス田と、首都圏へのガスパイプラインを保有、営業利益の7割を国内で稼ぐ。南米や北アフリカを中心に海外14鉱区で開発するが、国際的な開発事業強化が課題になっていた。両社は合併により世界的な地盤を補完する。帝石は開発を巡って中国と対立する東シナ海のガス田鉱区で探鉱の権利を持っている。
新たな国策会社の色彩 権益確保へ外資買収も
主な石油会社の連結業績(単位・円)
(注)東燃ゼネラル、昭和シェル、帝国石油は04年12月期。その他は05年3月期 |
2005/1/31 METI資料
石油公団資産処分の状況
総合エネ調答申(平成15年3月)に従い、石油公団保有株式(80社)の処分、中核的企業の形成を着実に実施
1.中核的企業の形成(関係会社9社)
国際石油開発(株)は、平成16年11月に東証一部に上場。石油公団保有株式を1株46万5千円(時価総額8,929億円)、発行済み株式数の約18%を売り出した(約1,598億円)。今後、市況を踏まえながら残りの公団保有株式も順次売却していく。
ジャパン石油開発(株)については、民事再生の上、国際石油開発(株)に統合済。
サハリン石油ガス開発(株)等他の中核的企業を構成すべき会社(5社)の統合・連携に向けた調整は並行して継続中。
2.石油資源開発(株)の上場
平成15年12月に上場。石油公団保有株式を1株3千5百円(時価総額2,000億円)、発行済み株式数の約16%を売り出した(約316億円)。今後、市況を踏まえながら残りの公団保有株式を順次売却していく。
2004/2/5 石油公団
石油公団では、昨年来、平成15年3月18日に公表された総合資源エネルギー調査会石油分科会開発部会石油公団資産評価・整理検討小委員会のとりまとめにおいて提言された中核的企業の形成(国際石油開発株式会社(以下、INPEX という。)、ジャパン石油開発株式会社(以下、JODCO という。)、サハリン石油ガス開発株式会社、及びこれらの企業が実質的な運営主体となっている傘下の石油・天然ガス開発プロジェクト企業の統合)及び上場を実施するための協議をINPEX を初めとする関係者との間で行って参りました。
本日、上記小委員会のとりまとめにおいて提言された中核的企業形成のうち、INPEX とJODCOの株式交換、INPEX とインペックス南西カスピ海石油株式会社の株式交換、インペックスジャワ株式会社及びインペックスエービーケー石油株式会社の石油公団保有株式の INPEX への売却に関して、石油公団とINPEX の間で基本的な合意に達しました。
国際石油開発株式会社 [INPEX CORPORATION]
インドネシア
当社のコアエリアであるインドネシア。当社の事業の基礎となり、現在主力地域となっている東カリマンタン沖に加えて、当社はナトゥナ海、ジャワ・スマトラ沖地域でも成功プロジェクトを有しております。また、オペレーターとして天然ガス・コンデンセート発見に成功したマセラ鉱区(チモール海)や、新たなLNG 基地として期待されるタングーLNGプロジェクトなどの有望資産を保有すると共に、新規探鉱鉱区への挑戦も継続しています。
また、国際的コンサルティング会社Wood Mackenzie社による「インドネシアにおける石油・ガス資産保有会社ランキング」において、当社は第1位にランクされました。オーストラリア及びチモール海共同石油開発地域(JPDA)
同じく当社のコアエリアとして位置付けられる地域です。同地域においては、西オーストラリア州沖にて成功を収めたアルファ石油を中心として事業展開を行っており、JPDAにおけるバユ・ウンダンLNGプロジェクトへの参画の他、資産の拡充を目指し、積極的な探鉱活動を展開しております。また、西オーストラリア州沖合WA-285-P鉱区においてはオペレーターとして天然ガス・コンデンセートの発見に成功しております。カスピ海沿岸諸国
諸国豊富な資源が注目されているカスピ海周辺地域に当社は1998(平成10)年に進出し、北カスピ海の巨大油田であるカシャガン油田の発見に成功、2003 (平成15)年には既生産大規模油田であるACGプロジェクトの権益も取得し、同地域における資産の拡充を行っております。また、両油田の輸送施設として貢献するBTC(バクー〜トビリシ〜ジェイハン)パイプラインプロジェクトにも参加、ターゲットエリアである同地域事業を着実に推進中です。中東 / 南米
中東では、アブダビ沖にてABK鉱区およびADMA鉱区に権益を有し、計6油田より原油の生産を続けております。また、イランのアザデガン油田ではオペレーターとして評価・開発作業を推進しております。一方、南米ブラジルにおいては、アルバコーラ油田開発協力契約を締結した他、北カンポス沖のフラージ鉱区における油田の開発に参加しております。中東および南米は、カスピ海同様当社が引続き注力していくターゲットエリアと位置付けられております。
■ アラブ首長国連邦ADMA(アドマ)鉱区 (ジャパン石油開発株式会社)
当社は2004年5月、石油公団が保有するジャパン石油開発株式会社の全株式を、株式交換により取得し完全子会社化しました。
ジャパン石油開発株式会社は、1973年に設立され、アラブ首長国連邦アブダビ沖のADMA鉱区にて現在5油田より原油を生産しております。同海域最大の油田である上部ザクム油田、ならびに同社が開発を手掛けたウムアダルク油田及びサター油田については、それぞれ1982年、1985年及び1987年の生産開始以来、順調に生産を継続しております。また、既生産油田であったウムシャイフ油田及び下部ザクム油田においてもそれぞれ1962年、1967年以来、生産を続けております。生産された原油はパイプラインによりダス島またはジルク島に送られ出荷されております。
これら油田の操業は、現地に設立された操業会社(アブダビ国営石油会社(ADNOC)と同社等との合弁会社)を通じて行われており、ジャパン石油開発株式会社から技術者を中心に人員を継続的に派遣しております。
ベネズエラ
ベネズエラ石油 ・ サンビ・グエレ石油:
中東地域以外で最大の原油埋蔵量を誇るベネズエラ。1991年、同国国営石油会社PDVSAは、国際入札方式による生産停止中の油田に対する再活性化事業と新規探鉱事業の対外開放政策を発表しました。帝国石油は、その第一次入札よりこれに参画し、中央部陸域の2鉱区(イースト・グアリコ鉱区/サンビ・グエレ鉱区)を落札、いずれもオペレーターとして、現在日産約4千バーレルを生産しています。
さらに、同国でも高まりつつある天然ガス需要に対応するため、2000年にイースト・グアリコ鉱区内からの天然ガス供給事業を開始し、現在日量約80百万立方フィートを生産しています。
帝国石油は、2002年10月、サン カルロス・ティナコ鉱区での天然ガスを対象とした探鉱・開発事業に参加し、現在、探鉱作業を実施中です。
エジプト
エジプト石油開発:
1975年6月、エジプト石油開発は、エジプト・アラブ共和国政府との間に、同国スエズ湾沿岸の東部砂漠、ウエスト・バクル地区を対象に、石油探鉱・開発協定を結びました。帝国石油はこのプロジェクトに対し資本参加と技術支援を行い、事実上のオペレーターとして探鉱作業を進めた結果、3箇所の構造で油田を発見し、1980年から商業生産を開始しました。その後も開発井の追加掘削を実施しながら、現在日産約5千バーレルを生産中です。
帝石スエズSEJ:
帝国石油は、2003年12月に、帝石スエズSEJを設立。エジプト・アラブ共和国スエズ湾のSouth East July(SEJ)鉱区での探鉱・開発事業に参加し、2004年7月から試掘作業を進めております。
コンゴ
帝石コンゴ石油:
帝国石油は、1970年8月、帝石コンゴ石油(株)を設立。現在のコンゴ民主共和国沖合で、米国とベルギーの会社が行っていた石油探鉱の共同プロジェクトに参加、32.28%の利権を取得しました。1970年にスタートした試掘は、その年にGCO構造で、1973年にはMIBALE構造でそれぞれ出油に成功。1975年11月より日産約25千バーレルで生産を開始しました。
また、1978年からは原油回収率を高めるため水攻法を実施。周辺海域では新たな油田も発見され、日産約19千バーレルの生産を順調に続けています。他の構造に対する探鉱も積極的に実施するなど、今後もアフリカにおける生産拠点として安定供給を見込んでいます。
アルジェリア
近年国営企業の民営化が進むアルジェリアは、世界第4位の天然ガス輸出量を誇るOPEC加盟国です。地中海を隔てた西欧のガス需要は今後更に高まり、将来は消費量全体の25%をアルジェリア産天然ガスが占めると予測されています。帝国石油は同国東部陸上における2件の石油・天然ガス開発事業に参画しています。
オハネット・オイル・アンド・ガス:
2001年1月、オハネット・オイル・アンド・ガス社に資本参加。同社は、豪BHP社をオペレーターとしてオハネット・ガス田の開発事業に取り組んできましたが、2003年10月より生産を開始し、今後ピーク時には日量、天然ガス7億立方フィート、LPG/コンデンセート47千バーレルを生産する予定です。
帝石エル・オアール石油:
2001年12月には、帝石エルオアール石油を設立。同社は、El Ouar I及びII鉱区での探鉱・開発事業に参加いたしました。現在、開発移行の可能性について検討を進めています。
メキシコ
Teikoku Oil de Burgos:
帝国石油は、2003年9月、 Teikoku Oil de Burgosを設立。メキシコでのガス開発サービス事業(Cuervito鉱区/Fronterizo鉱区)に参加し、2004年2月より操業を開始しています。同社は、日本企業としては初めて同国における石油・天然ガス開発事業への進出となります。
マレーシア
日石サラワク石油開発・日石マレーシア石油開発:
マレーシア国サラワク州ミリ沖合で展開する両事業は、日石マレーシア石油開発(SK-10鉱区)が1987年に、日石サラワク石油(SK-8鉱区)が1991年にそれぞれ設立されました。これ迄にヘラン・ガス田(SK-10鉱区)、セライ・ガス田及びジンタン・ガス田(SK-8鉱区)などを発見し、ヘラン・ガス田は2003年11月より、セライ・ガス田は2004年6月より、ジンタン・ガス田は2004年8月より生産を開始しています。
今後、3ガス田合計で、天然ガスは日量最大10億立方フィート、コンデンセートは同42千バーレルの生産を見込んでいます。天然ガスはLNGとして、日本、韓国等へ供給されています。
帝国石油は、新日本石油グループとの業務提携の一環として、 2000年11月、上記2社へ資本参加。両プロジェクトは、わが国エネルギー産業の国際化に対応し、開発から販売にわたる一貫したエネルギー供給体制を強化する事業として、内外から期待・注目されています。
石油資源開発株式会社
JAPAN PETROLEUM EXPLORATION CO.,Ltd.(略称 JAPEX)
設立年月日 1955年12月1日(現会社設立 1970年4月1日)
資本金 142億8,869万4千円
大株主 石油公団 49.94%
帝国石油(株) 4.98%
国内探鉱開発
当社の中核事業である国内天然ガスビジネスの持続的な成長を図るため、当社はコスト競争力の強い国産天然ガスの埋蔵量を拡大することを基本戦略としています。このため当社は、「国内探鉱開発の徹底的な再構築」という方針に基づき、2003年度より5年間を積極的な探鉱開発期間と位置づけ、国内における原油・天然ガス埋蔵量の拡大を図っています。
基本戦略として、新潟県、秋田県及び北海道における当社保有油ガス田周辺での埋蔵量の上積みを志向した探鉱開発と、新たな地域において大規模な埋蔵量の発見を目指した探鉱を実施しています。
2005年3月期の国内平均生産量は、原油1,600kl/d(10,000bopd)、天然ガス2,900千m3/d(102mmcfd)でした。
アジア
中国では、連結子会社の新南海石油開発(株)が南シナ海珠江口沖Lufeng
13-1油田の共同オペレーターとして生産操業活動を行っています。2004年は、原油回収率の向上を目的として生産井2坑を掘削しました。また、4坑のワークオバーを実施し、生産量の維持に努めました。2004年の油田全体の平均生産量は、1,900
kl/d(12,000bopd)でした。
インドネシアでは、持分法適用会社の(株)ユニバースガスアンドオイルが東カリマンタン陸上のサンガサンガ鉱区に権益を保有しています。原油・天然ガスの生産は、バダック、ニラム、ムティアラ及びスンベラの4油ガス田を主体として行われ、2004年の鉱区全体の平均生産量は、原油46,000kl/d(29,000bopd)、天然ガス26,000千m3/d(900mmcfd)でした。また、原油・天然ガス回収率の向上と生産量の維持を目的として生産井19坑の掘削及び3坑のワークオバーを実施しました。
フィリピンでは、2004年12月にネグロス島とセブ島の間の海域に位置するSC46鉱区におけるサービス契約を同国エネルギー省との間で締結しました。2005年7月、同鉱区の権益35%をファームアウトし、当社権益は65%となりました。当社は、オペレーターとして、これまでに2次元地震探鉱データの取得を行い、現在、同データの処理・解釈作業により、構造の摘出、評価作業を実施しています。
カナダ
カナダでは、連結子会社のカナダオイルサンド(株)がアルバータ州アサバスカ地域ハンギングストーン地区においてオペレーターとしてSAGD(Steam
Assisted Gravity Drainage)法によるオイルサンド開発事業を行っています。SAGD法は、油層に上下2本の水平井を約5mの間隔で平行に掘削し、上部の水平井から水蒸気を圧入し、油層を加熱することで流動化したビチューメンが重力により油層下部に集積するため、これを下部の水平井から回収生産するものです。
2004年は、水平井3ペアを追加掘削し、合計12ペアの水平井から平均1,160kl/d(7,300bopd)の生産を行っています。2005年は、さらに水平井3ペアを掘削し、1,600kl/d(10,000bopd)程度に生産量が増加する見込みです。
中東
イランでは、持分法適用会社のJJI S&N B.V.がSoroosh油田およびNowrooz油田の開発生産事業に参加しています。2005年5月に生産処理施設が完成し、同年7月、両油田からの生産量が30,210kl/d(190,000bopd)の本格生産を達成し、生産操業はイラン国営石油会社に移管されました。
イラクでは、同国石油省との間に、油田評価等の共同スタティ実施と、専門家育成のための同省職員への教育訓練を中心とする技術協力覚書を締結しました。同覚書により、当社は、同省と共同でバグダッド近郊の油田の開発検討、イラク北東部の油田及び探鉱プロスペクトの評価等について技術的検討を実施するとともに、当社から石油省に対して、3次元地震探鉱の実施に必要とされる機材・ソフトの提供を含む技術支援及び探鉱開発技術等に関する教育訓練を実施していきます。
ロシア
当社は、ロシア連邦極東地区のサハリン島北東沖海上のチャイウォ、オドプト、アルクトン・ダギの3油ガス田の探鉱開発事業(サハリン-1プロジェクト)に30%の権益を保有するサハリン石油ガス開発(株)(SODECO)への出資等を通じて、同事業に関与しています。現在、チャイウォの原油開発を対象としたフェーズ1作業として、大偏距掘削(Extended
Reach Drilling)による開発井の掘削、陸上生産処理施設及び原油出荷基地等の建設が行われています。
帝国石油(株)の株式買増しについて
http://info.eneos.co.jp/press/2005_2006/e71_pr_20051122_01.html
1. | このたび当社は、資本・業務提携先である帝国石油(株)の株式1,200万株(発行済株式総数の3.9%)を追加取得し、これまで保有していたものと合わせ、同社株式を6,244万株(発行済株式総数の20.4%)保有することになりました。 |
2. | 株式追加取得の理由・目的は、次のとおりです。 |
(1) | かねてより、当社としては、石油資源の乏しい我が国においては、中核的石油開発事業会社を設立・育成することが必要であり、これが国の資源政策にも適うものであると理解しております。 |
(2) | このような考えに立ち、当社は、民間企業の立場で、我が国のエネルギー安全保障の確保に努めており、上流(石油開発)から中・下流(精製・販売)、さらに石油化学までをバランスよく営む垂直一貫型の石油会社グループの形成を目指し、石油開発分野においても強靭な中核的事業会社の育成・強化に努力しているところであります。 |
(3) | 当社としては、帝国石油(株)の筆頭株主および資本・業務提携先として、今後とも、こうした当社の考えに合致するよう、同社による中核的石油開発事業会社作りに対しては協力してまいる所存であり、そのために必要な貢献も果たしていきたいと考えております。このような考えの下、将来にわたり、株主として同社に対する支援を継続し、さらに、これを一層強化していくため、今般、同社の株式を追加取得したものであります。 |
(4) | 今回の帝国石油(株)と国際石油開発(株)との統合案については、これが当社の考える方向性に適うものであるかどうか、また、帝国石油(株)の企業価値向上に資するものであるか、なお慎重にその妥当性の検討を進めてまいります。 |
新日石が帝石株買い増し 国際石油開発との統合牽制か
新日本石油は22日、帝国石油の株式を発行済み株式総数の20.4%まで買い増したと発表した。新日石は帝石の筆頭株主となって事業統合をめざしていたが、帝石はこれを受け入れず、今月上旬に国が筆頭株主の国際石油開発との経営統合を決めた。新日石は帝石株の3分の1を取得すればこの統合案を拒否できるが、さらに株を買い増すかどうかについて「現在は白紙」としている。
日本経済新聞 2005/11/23
新日石 帝石に統合提案へ 出資比率20%超に 国際石油含む3社で
石油元売り最大手の新日本石油は22日、国際石油開発との経営統合を決めた帝国石油に、3社統合を含む提携を提案する方針を明らかにした。国際石油と帝石の統合で誕生する国内最大の資源開発会社に新日石も加わり、精製・販売も含む一貫操業の連合を目指す。ただ、国際石油と帝石はまず開発専業として新会社の基盤を固める方針で、提案が実現するかどうかは不確定要素も多い。
新日石 国際石油主導 再編に危機感
新日石は3月に発表した中期経営計画で、開発から精製・販売までの一貫操業体制を目指す方針を打ち出した。国内需要が頭打ちの製品販売だけでは将来の成長が見込めない中で、原油高で潤う開発部門を収益源に育てる戦略だ。その核となるのが石油・ガス開発で豊富な実績を持ち、技術者も多く抱える帝石との連携だった。
帝国石油への比率
新日本石油 16.5%→20.4%国際石油/帝国石油新会社への比率
政府 29.3%(筆頭)
新日本石油 3.8%(買い増し前 3.1%)
日本経済新聞 2005/12/20
石油開発、新日石と連携 国際石・帝石の統合会社 株持ち合いも拡大
来年4月に経営統合する国際石油開発、帝国石油と帝石の筆頭株主である新日本石油の3社は19日、石油開発事業で協力関係を強化すると発表した。統合新会社と新日石の株式痔ち合いも拡大する。新日石は両社の統合への賛否を明確にしてこなかったが、関係強化を条件に賛成する。国内の石油開発業界の核ができることで、再編の動きが活発化することも予想される。
新日本石油、帝国石油の提携の流れ | ||||||||||||||||
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精製・販売 「川下」協力は不透明