日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめた個人のデータベースです。 他のページへ トップページ 石油精製(トップ) 連絡先 knak@js2.so-net.ne.jp |
サハリン開発 ロシア、外資に圧力 投資に影響も サハリン2 パイプライン建設中断
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/skk/russia/russia/r-spro/project/outline/index.htm
サハリン1:石油(出荷開始)と天然ガス
日本企業は天然ガスを拒否(LPGを希望)、日本への天然ガスパイプライン計画中止
エクソンは天然ガス輸出で中国と交渉
中国石油天然ガス(CNPC)と契約の前段となる覚書を結んだという
今後ロシア国内の天然ガスパイプライン計画建設調査
サハリン1プロジェクト | サハリン2プロジェクト 見直し 決着 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
事業主体 | ・エクソンネフテガス社 (米、エクソン・モービル子会社、オペレーター、30%) ・サハリン石油ガス開発(株)(通称:SODECO) (日、石油公団・伊藤忠・丸紅等 出資 30%) コスモ石油が離脱 ・ONGCヴィデッシュ社(インド、20%) ・サハリンモルネフテガス・シェルフ社 (ロシア、11.5%) ・ロスネフチ・アストラ社(ロシア 8.5%) |
・サハリンエナジー社 <出資企業> ・ロイヤル・ダッチ・シェル社 (英・蘭、オペレーター、55%) →27.5% ・三井物産(株)(日、25%) →12.5% ・三菱商事(株)(日、20%) →10.0% ・ガスプロム 0% →50.0%+1株 majority |
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投 資 額 | 約120億ドル以上 | 約100億ドル以上 事業費の倍増を承認 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
開発鉱区 | オドプト、チャイヴォ、アルクトン・ダギ | ピルトン・アストフスコエ、ルンスコエ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
推定可採 埋 蔵 量 |
@石油 約23億バレル (約3.07億トン) A天然ガス 約17兆立方フィート (約4,850億立方メートル) |
@石油
約7.5億バレル (約1.03億トン) Aコンデンセート※ 約3億バレル (約0.4億トン) (※天然ガス抽出等の過程で得られる原油) B天然ガス 約14兆立方フィート (約4,080億立方メートル) |
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経 緯 |
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最近の 動 き |
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事業計画 (予定) |
・ 2002年〜2005年第1フェーズ工事 <石油> ・ 2005年末に生産開始、日量25万バレル予定 ・ サハリン島を東西に横断し大陸側(ハバロフスク 地方デカストリ)に 至るパイプラインで運搬、デカストリ港よりタンカーで日本等へ輸出 (第1フェーズ) <ガス> ・ 2008年に本格生産し、日本へは、北海道の内陸の一部 (石狩平野)を経由する海底パイプラインにより運搬(第2フェーズ) |
・2003年〜2006年第2フェーズ工事 ・掘削地よりサハリン島を縦断しプリゴロドノエ(サハリン南部)に 至る石油・ガスパイプラインの敷設、プリゴロドノエにおける 港湾整備及びLNG(液化天然ガス)工場建設計画 <石油> ・2006年より通年生産。日量18万バレル予定。 プリゴロドノエまでパイプラインで運搬後、新設港湾よりタンカー で日本等へ輸出 <ガス> ・2007年より生産しプリゴロドノエまでパイプラインで運搬 ・液化後、LNGをタンカーで輸出 (年産960万トン予定) |
サハリン石油ガス開発株式会社は、
石油公団50%、
海外石油開発株式会社9.45%、
石油資源開発株式会社9.45%、
伊藤忠商事株式会社9.45%、
丸紅株式会社7.65%、
伊藤忠石油開発株式会社2.4%、
インドネシア石油株式会社2.4%、
日商岩井株式会社1.55%、
帝国石油株式会社1.4%、
兼松株式会社1.3%、
コスモ石油株式会社1.25%、
出光興産株式会社1.25%、
住友商事株式会社1.25%、
トーメン1.2%
という出資構成になっている。
日本経済新聞 2003/5/16
サハリン原油開発始動 「サハリン1」来月に掘削着手 地図
5500億円投資 日本中心に供給
サハリン1は伊藤忠商事や丸紅などが出資するサハリン石油ガス開発(SODECO)、米エクソンモービルが中心となり、ロシアとインドの石油開発会社が権益を保有。サハリン石油ガス開発は原油掘削にかかわる約5500億円の投資額のうち、権益保有率と同じ3割(1650億円)を分担する見通し。
サハリン2 地図
日本経済新聞 2003/5/7 → 月内にも事業化宣言 → 宣言 → 受注
サハリン原油・ガス事業、日欧3社、1兆2000億円投資 LNG生産2007年にも
三井物産と三菱商事などが手掛けるのは「サハリン2」と呼ばれる事業。両社とシェルが合弁で設立したサハリンエナジーが推進主体で、サハリン島東方の海上にある2鉱区で原油と天然ガスを生産する計画。2鉱区合計の推定可採埋蔵量は原油・天然揮発油が11億バレル、天然ガスが3億6千万トン(LNG換算)。
http://www.pref.hokkaido.jp/soumu/sm-tksai/russia/r-spro/project/outline/20030617_map.PDF |
日本経済新聞 2003/5/13
サハリン資源開発 月内にも事業化宣言 三井物産3000億円投融資
日本経済新聞 2003/5/16
サハリン2、事業化宣言 三菱商事など3社
日本経済新聞 2003/5/16
LNG基地3000億円で受注 千代田化工・東洋エンジ
受注したのは英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル、三井物産、三菱商事が建設を計画している石油・ガス開発プロジェクト「サハリン2」のLNG生産基地。3社が出資する事業会社のサハリン・エナジー・インベストメントが同日に設計、機器調達、建設を一括発注した。
産経新聞 2003/7/17
露サハリン沖開発 コスモ石油が離脱へ 「カタール」油田に軸足
事業費肥大化 資本参加の元売りゼロに
政府が国家プロジェクトに掲げるロシア・サハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン1」で、資本参加する石油元売り大手のコスモ石油が事業から離脱する方針を固めたことが、16日わかった。コスモ石油は日本企業連合としてサハリンの資源開発を手がけるサハリン石油ガス開発(SODECO)に資本参加する8社のうちの1社。
日本経済新聞 2004/11/2 「サハリン1」 日経解説
「サハリン1」天然ガス 日本への供給
白紙に エクソン中国に全量検討
しかし、日本へのパイプライン敷設が漁業補償問題で進んでいない。最大需要家になるとみられた東京電力もサハリン1からの購入に難色を示している。電力需要の伸び悩みに加え、パイプライン方式では液化天然ガス(LNG)以上に購入先が長期的に固定され、柔軟なガス調達が制限されるとみているからだ。
サハリン1への累計投資額は既に千億円以上。販売先の決定権を持つエクソンは早期回収にメドを付けるため、中国との交渉に入った。エネルギー需要が急速に拡大している中国は、全量受け入れに前向きな姿勢を示しているもよう。
サハリン1開発の経緯
1974年 : | 日本・ソ連(現ロシア)協力によるサハリン開発の日本側母体としてサハリン石油開発協力(旧SODECO)を設立 | |
95年 | 米エクソン(現エクソンモービル)参加に伴い、日本側の出資構成を見直しサハリン石油ガス開発(現SODECO)設立 | |
2001年 | : | エクソンなどロシア政府に対し商業化宣言 |
03年 | 鉱区で本格掘削を開始 | |
05年 | 原油商業生産を開始予定 | |
08年 | 天然ガス商業生産を開始予定 |
天然ガス「サハリン2」 ロシア国営企業参加
1000億円超負担 日本へ安定供給
三井物産、三菱商事などが出資するロシア・サハリン沖の天然ガス・石油開発計画「サハリン2」に、ロシア国営で世界最大のガス会社、ガスプロムが出資する見通しになった。出資比率は最大25%で、ガスプロムの将来的な資金負担は1千億円を超えるもよう。ガスプロムの参画で、開発の許認可権を握るロシア政府との交渉力と事業基盤が強まる。日本への天然ガス供給が確実になり、日本のエネルギー調達の多様化に結び付く。
サハリン2の総事業費は約1兆3千億円で、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが55%、三井物産が25%、三菱商事が20%を出資するサハリンエナジー社(ユジノサハリンスク)が開発主体。原油は1999年から生産を開始、2007年から液化天然ガス(LNG)の出荷を始める予定だ。
▼ガスプロム
世界最大のガス会社で、ロシア全体の8割強の天然ガス埋蔵量を持つ。旧ソ連時代の石油ガス工業省が前身で、1989年に同省から分離し発足、92年に株式会杜となった。現在のミレル社長はプーチン大統領の元部下。生産するガスの60%強をロシア国内、25%前後を欧州、残りを旧ソ連諸国に販売している。
サハリン2 ロシア、発言力強める
ガスプロム計画参加へ 「1」と統合に現実味
日本経済新聞 2005/7/14
サハリン2 韓国公社と長期契約 LNG、販売先確保にメド
韓国ガス公社には年間150万トンのLNGを2008年から20年以上供給する。そのほか需要に応じて50万トンを供給するオプション契約も交わす見通し。
サハリン2の生産能力は年間960万トン。すでに東京電力に150万トン、東京ガスに110万トン、シェルの北米事業向けに160万トンなど、いずれも20年以上の供給が決まっている。韓国ガス公社との契約で契約確定量は733万トンとなり、同公社や東電、東ガス、九州電力などと交わしているオプション契約を加えると契約量は900万トン前後になるもよう。
日本経済新聞 2005/7/15
サハリン2 事業費200億ドルに倍増 シェル見通し 日本企業対応急ぐ
英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは14日、同社が主導して開発するロシア・サハリン沖の大型液化天然ガス(LNG)プロジェクト「サハリン2」の総事業費が当初計画の2倍にあたる200億ドル(2兆2千億円)に達する見通しになったと発表した。同事業に参加する日本の三井物産や三菱商事も負担増を迫られることになる。
サハリン2はシェルが55%、日本の三井物産と三菱商事が合計で45%の権益を持つ。80億ドルの事業費の上昇分についてボザー氏は日本の2社も権益の比率に応じて45%を負担することを明らかにした。
2005/7/16 日本経済新聞
サハリン2 採算の壁 事業費2兆円超に倍増
日本勢 4500億円負担増も ガス・石油開発
ロシア・サハリン沖のガス・石油開発「サハリン2」の総事業費が200億ドル(2兆2千億円)と当初計画から倍増する見通しとなった。事業主体の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルとともに推進する三井物産と三菱商事は巨額の追加負担が避けられず、日本などへの製品安定供給にも支障が出かねない。
「クジラ」避ける
今回の事業は米エクソンモービル、石油資源開発や伊藤忠商事が進めるサハリン1と並び、日本勢が参加する大規模なサハリン資源開発。
事業費膨張の主因はパイプラインのルート変更だ。開発地の近くに希少種のコククジラの繁殖地があり、非政府組織が生態系に影響を与える事業に融資しないよう銀行団に要求。これを受けシェルなど3社でつくる事業会社のサハリン・エナジー社は、繁殖地を回避するルートヘの変更を余儀なくされた。
変更に伴う工期延長に加え、世界的な資源開発ラッシュと鋼材高を受け、新たに調達する資機材コストが高騰した。
LNG生産影響
資金調達にも影
採算の見直しも必至だ。エナジー社は事業の利益をロシア政府と一定の比率で分ける契約を結んでおり、ロシア側が取り分を減らすことに難色を示せば、一段と苦境に立たされる。
シェルは今月上旬、ロシア国営ガスプロムにサハリン2の権益25%超を譲渡し、代わりにシベリアのガス田権益を受け取ることで合意した。採算悪化が鮮明になれば、資金負担の増大を嫌う日本2社がシェルに連動して保有権益の一部をロシア系企業などに売却する事態も予想される。
シェル投資家の不信増幅
開発主体 | ・ロイヤル・ダッチ・シエル=55% (25%超をロシア・ガスプロムに譲渡へ) ・三井物産=25% ・三菱商事=20% |
埋蔵量 | 原油=10億バレル 天然ガス=4080億立方メートル |
事業費 | 200億ドル※ (100億ドルから倍増) |
生産開始 | 原油=1999年 天然ガス=2008年以降※ (07年から延期) |
ガス供給法 | LNG化して船で運搬 |
契約済みのガス販売先 | 東京電力、東京ガス、九州電力、東邦ガス、韓国ガス公社など |
三井物産など3社、「サハリン2」事業費の倍増を承認
三井物産と三菱商事、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルの3社はロシア・サハリン沖で取り組む天然ガス開発事業「サハリン2」について、総事業費を当初見積もりの2倍となる200億ドル(2兆2000億円)に修正する事業計画を承認した。15日にも事業利益を一定比率で分ける契約を結んでいるロシア政府に、コスト上昇分を盛り込んだ新たな予算案を提出、承認を求める。
事業を主導するシェルは7月中旬に総事業費の見直し案を日本側2社に提示した。両社は2カ月間にわたって内容を精査、大筋で事業費増大はやむをえないと判断。「原油高を追い風に採算は10分確保できる」(関係者)として、それぞれ25%、20%の割合で事業に参加する三井物産と三菱商事は合計4500億円の追加負担を受け入れた。
「サハリン1」が生産開始 来年3月末、日本にも輸出
サハリン北東沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン1」で1日、最初の石油・天然ガス生産が始まった。来年3月末には日本などへの輸出が始まる見通しだ。
サハリン沖の石油天然ガス開発は、70年代に日ソ協議でソ連側から提起されたが、実際に動き出したのは90年代半ば以降だ。サハリン1は、米エクソンモービル社が主導し、ロシア、日本、インドの企業が参加。投資額は約120億ドル(1兆3000億円)。石油23億バレル、天然ガス4850億立方メートルの採掘を見込む。
石油は日本のほか、韓国、中国へ輸出する予定で、当初は日量5万バレルの輸出量を来年末までに25万バレルまで増やす計画だ。天然ガスは当初日本だけに輸出する計画だったが、買い手が見つからず、エクソン側は中国への輸出交渉を進めている。
日本経済新聞 2006/2/19
サハリンで石化生産 三井物産・三菱商事
事業化を調査
英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと取り組む液化天然ガス(LNG)生産事業「サハリン2」を円滑に進める狙い。
候補にあがっているのはアンモニアやメタノールの生産事業。サハリン沖で産出する天然ガスを原料とする工場を建設する構想で、州政府は島南部3カ所の候補地を提示済み。日本側は昨年末に現場視察など初期調査を実施、州政府は今春にも報告をまとめるよう求めている。
Platts 2006/2/20
Mitsui sees
decision on Sakhalin MeOH plant taking several years
Russia and Japan
are "at least several years away" from reaching a
conclusion on the construction of a methanol and ammonia plant in
Sakhalin, in Russia's Far East, a source close to the Japanese
trading house Mitsui said Monday.
日本経済新聞 2006/8/26
サハリン開発 ロシア、外資に圧力 投資に影響も
ロシアのプーチン政権が資源・エネルギーの国家管理を一段と強化しようとしている。三井物産、三菱商事など日本企業が参加するサハリン沖の原油・天然ガス事業が対象で、外資に生産などに関する従来の取り決めを見直すよう間接的に圧力をかけている。天然ガスを独占するガスプロムなど政府系企業の権益拡大が狙い。契約変更に発展すれば同国政府への不信感が高まり、海外直接投資に影響を与えるのは確実だ。
▼生産分与協定(PSA)
資源保有国が単独で進めることが困難で大規模なプロジェクトの探査・開発に外国投資家を参加させる目的で定められる。
ロシアの場合、政府が外国企業と協議して生産計画や利益配分を決める。石油・ガス関連では「サハリン1」「サハリン2」など
3プロジェクトが承認されている。同協定は1995年に発効したが、2003年に国内企業を優先する内容に改正された。
一連の圧力はガスプロムが同事業に参加する比率を高めるのが狙い。同社は英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが所有する55%の権益のうち25%超を西シベリアのガス田の権益と交換することで昨年基本合意したが、日本勢の権益も含め、さらに高いシェア確保を求めているもようだ。
米エクソンモービルや丸紅などが参加する「サハリン1」を巡っては、鉱区からはみ出す地域で見つかった油田とガス田の権益を新たに入札にかけることを決定した。
ロシア政府は2004年にサハリン3でエクソンの開発免許を剥奪。仏トタルがPSAを結んで開発するロシア北部のハリャガ油田・ガス田にも一部権益譲渡を要求するなど圧力を加えている。
ガスプロムに株の一部放出も 日本側関係者が指摘
ガスプロム LNG輸出拠点確保へ 日本・北米市場へ影響力拡大狙う
ガスプロムがサハリン事業への参加に意欲を見せるのは液化天然ガス(LNG)事業を経営の「次の柱」に据えているからだ。同社はこのほど日本向けにオマーン産のLNGを専用船で初めて輸出、パイプラインに依存した輸出体制の見直しに着手している。
新日本石油、サハリン原油を初購入
新日本石油は23日、「サハリン−1」プロジェクトに権益参加するサハリン石油ガス開発(SODECO)から「サハリン・ソコール原油」をスポット購入すると発表した。
日本経済新聞 2006/8/29
サハリン2 パイプライン建設中断
権益拡大へ駆け引きか
サハリンエナジーの広報担当者が28日「8月中旬に停止し、再開時期は未定」と述べた。ロシアの環境監視当局が環境汚染の懸念があると指摘したことを受けた措置という。工事停止が長引けば日本企業の調達計画にも影響を与える可能性がある。ただ、同担当者は「中断したのはマカロフスキー・フレベト地区の総計約7キロで、2008年輸出開始の計画に今のところ変更はない」とも強調した。
日本経済新聞 2006/9/6
サハリン2 停止求める
ロシア当局提訴 自国の権益拡大狙う?
ロシア天然資源監督局は5日、三井物産や三菱商事などが出資するサハリン沖の資源開発事業「サハリン2」の事実上の生産停止を求める訴訟をモスクワの地区裁判所に起こした。妥協引き出す強硬策 ロシア、投資後退は望まず
日本経済新聞 2006/9/19 日経解説
サハリン2 工事承認取り消し LNG日本輸出に遅れも
ロシア天然資源省は18日、三井物産、三菱商事などが出資するサハリン沖の資源開発事業「サハリン2」工事の承認を取り消した。環境対策が不十分との判断からで、三井物産などは計画の見直しが不可欠となった。2008年にも予定されている日本向けの液化天然ガス(LNG)輸出が遅れる可能性が出てきた。
同省報道官は同日「独立した専門家が新しい環境対策を提出し、承認されるまでは工事は中断される」と述べた。対象はパイプラインだけでなく採掘施設、LNG基地の建設も含むことを示唆。この場合、事実上事業が停止することになる。新たな対策がいつ出るかは未定で事業停止が長期化する懸念もある。19日にも正式に発効する見通し。
権益獲得、ロシア強硬 三井物産・三菱商事
負担増を懸念
サハリン2
サハリン島北東部沖で産出する原油と天然ガスを日本や韓国などに輸出する事業。原油は1999年に生産を始めた。天然ガスは工事中のパイプラインなどで南部まで輸送、LNG(液化天然ガス)に加工して08年にも輸出を開始。東京電力や東京ガスなど日本のエネルギー会社が購入する予定。
日本経済新聞 2006/10/5
「サハリン2」経費倍増なら生産協定破棄も ロシア側
新たな圧力
サハリンエナジーは昨年9月にサハリン2の事業費が従来の2倍の200億ドル(2兆4千億円)となる予算案を提出、ロシア側の承認を求めていた。これについて同局長は@PSAを維持し従来経費で実施A経費倍増ならPSAを破棄し、優遇措置のない通常事業として実施B権益を売却ーーという3つの選択肢に言及。現状の枠組みのままでは経費増を承認しない意向を明らかにした。
日本経済新聞 2006/12/12
サハリン2株、過半要求
ガスプロム シェル・日本側に
ロシア国営の天然ガス独占企業ガスプロムが、サハリン沖の資源開発事業「サハリン2」について、最大株主である英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルに事業の主導権を譲るよう求めてきたことが11日明らかになった。株式の過半数取得を目指しているとみられ、三井物産、三菱商事にも保有株式を10%以上譲渡するよう求めているもようだ。
サハリン2の事業主体サハリンエナジー社にはシェルが55%、三井物産が25%、三菱商事が20%出資している。これまでシェルとガスブロムは、シェルが保有する株式の25%を、ガスプロムが持つシベリアの開発権益と交換することで基本合意していた。
外資側収益悪化も
日本経済新聞 2006/12/22
サハリン2 株式過半譲渡で合意 三井物産など ロシア側に8800億円で
ロシア・サハリン沖の資源開発事業「サハリン2」を進める英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、三井物産、三菱商事の3社は21日、ロシアの天然ガス独占企業ガスプロムに対し株式の過半数を譲渡することでロシア側と合意した。譲渡額は3社合計で74億5千万ドル(約8800億円)。2008年にも液化天然ガス(LNG)の日本向け輸出が始まるサハリン2の事業運営はロシア側が主導権を握り、ロシア政府の影響を強く受けることになった。
シェルのファンデルフェール社長、三井物産の槍田松螢社長、三菱商事の小島順彦社長が同日、モスクワでガスプロムや産業エネルギー省の首脳らと会談して合意議定書に署名した。合意内容は@3社が株式の計50%プラス1株を譲渡するA事業コスト増大の一部をロシア政府が承認、ガスプロムも負担するB外資優遇策である生産分与協定(PSA)の枠組みは維持するーーなど。
サハリン2の事業主体であるサハリンエナジー社にはシェルが55%、三井物産が25%、三菱商事が20%出資している。
↓
2006/12/22 日本経済新聞夕刊
ロシア大統領 「サハリン2、全面支援」 株過半譲渡で合意 08年輸出開始へ道筋
ロシアのプーチン大統領は21日、同国の天然ガス独占企業ガスプロムがサハリン沖の資源開発事業「サハリン2」に過半数(50%プラス1株)出資することが決まったことについて「ロシアは全面的に同事業を支援する」と述べ、歓迎の意を表明した。環境問題やコスト増加問題で事業停止の危機に直面した同事業はロシア主導で2008年の液化天然ガス(LNG)輸出開始への道筋がようやくついた。
シェル(持ち株比率55%)、三井物産(同25%)、三菱商事(同20%)はそれぞれ27.5%、12.5%、10%を総額74億5千万ドル(約8800億円)でガスプロムに譲渡することで合意した。
権益不足にシェル苦悩
日本経済新聞 2006/12/29
事業費膨らむサハリン2 ロシアに利益補てん
三井物産など3社が合意 4200億円の負担増
ロシア・サハリン沖の資源開発事業「サハリン2」を進める英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、三井物産、三菱商事の3社がロシア政府と交わした合意の中に、3社がロシア側に利益を補てんする仕組みが盛り込まれていることが28日明らかになった。事業予算の増加に伴いロシア側の利益が目減りするのを防ぐためで、3社の負担額は合計36億ドル(4250億円)前後にのぼるもよう。事業の基本的枠組みを維持する一方で、ロシア側の不満に配慮したものとみられる。
今回盛り込まれた条項では、総事業費を194億ドルとし、約100億ドルの増加分のうち36億ドルについてはコストとして勘定せず、優先回収の対象から除く。この結果、ロシア側の利益受け取り時期が早まり、事業費が膨らむにもかかわらずロシア側は当初想定に近い利益を得られる。
(三井物産事業案内)
サハリン−IIでは、生産分与契約(PSA)というスキームを導入している。ロシアで締結された初めての生産分与契約だ。これは、原油や天然ガス等埋蔵物の所有権を持つロシアに対し、開発の為の必要資機材・費用をサハリン・エナジー社が総て負担し、生産開始に伴い一定のロイヤルティーを支払った後、開発に要した費用を回収し、利潤を一定の割合でロシアとサハリン・エナジー社で分配する方式だ。ロシアにおいて当該契約を実行可能為らしめる生産分与契約法は 1996年1月11日に発効した。しかしながら、ロシアの他の法律と合致していない点も多く、整合性を保つ為の関連法改訂法がロシア議会での長期間に渡る審議の末、1999年2月17日、ようやく発効するに至った。また、2006年12月までに、約6億米ドルをロイヤリティーや税として、ロシア政府に支払っています。
http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/sakhalin/hoppo/hoppo4.html
生産物分与による利益配分はプロジェクトによって異なる。サハリンUの場合、ロイヤリティを取り除いた残りの部分をまずコスト回収に向ける。したがって、開発当初はロシア側は生産物の分与による収入を得ることができない。収益が出た段階で収益率の割合に応じて以下のように配分される。
収益率 投資家の取り分 ロシア側の取り分 17.5%未満の間 90% 10% 収益率17.5%以上、24%未満の間 50% 50% 収益率24%以上の場合 30% 70% In Sakhalin II, the Russian\par government only starts receiving its share of extracted oil revenues once SEIC has recovered both its costs AND a 17.5% real rate of return. Even after this point, the Russian government receives only 10% of the revenues for two years, and then 50% until SEIC has achieved a 24% real rate of return. Only after that does the distribution adjust to give the Russian government the long-term rate of 70%.
RISK CARRIED BY RUSSIAN STATE; COMPANY PROFITS ASSURED 概要
http://www.carbonweb.org/documents/SakhalinPSA.pdf
日本経済新聞 2007/3/19
ガスプロム サハリン1と提携交渉 天然ガス購入
LNGで輸出
ロシア・サハリン沖の資源開発事業「サハリン2」の経営権取得を決めた天然ガス独占企業ガスプロムは、日本連合が3割出資する「サハリン1」と提携交渉に入った。サハリン1で産出する天然ガスを購入し、サハリン2の液化天然ガス(LNG)施設を利用して輸出するほか、国内でも販売する考え。世界的なガス生産地となったサハリンに対する影響力を強める狙いとみられる。
サハリン沖開発 全事業に関与へ ガスプロムが提携交渉
日本経済新聞 2007/4/19
サハリン2権益取得 外資3社に74億ドル ガスプロム
支払い最終合意
ロシアの天然ガス独占企業ガスプロムは18日、サハリン沖資源開発事業「サハリン2」に出資する英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、三井物産、三菱商事から同事業の権益50%プラス1株を取得することで最終合意し4社が契約に調印した。
ロシア天然資源省はすでにガスプロムが中心になって作成したサハリン2工事に伴う環境被害の回復計画を承認しており、事業推進の障害はなくなった。
日本経済新聞 2008/12/13
サハリン2、通年輸出 石油、新積み出し基地完成
三井物産、三菱商事が出資するロシア・サハリン沖資源開発事業サハリン2で12日、通年での石油輸出が始まった。1999年から夏季に限り輸出していたが、新たな積み出し基地が完成し、通年輸出が可能となった。来年2月には液化天然ガス(LNG)の輸出も始まる予定で、サハリン2は本格的な生産体制が整う。
サハリン2の事業主体サハリンエナジーが同日発表した。新積み出し基地はLNG基地の建設が進むサハリン南部アニワ湾に完成した。