旭化成、水島でスチレンモノマー大型S&B
新たに33万トン、中国合弁子会社向け供給へ
旭化成は水島地区のSM(スチレンモノマー)設備更新を決めたと26日発表した。2系列(年産15万トンと31万トン)合わせて年産46万トンの設備のうち、15万トン設備を休止し、新たに33万トンの大型プラントを建設する。わが国では久しぶりの大型スクラップ&ビルド計画となる。2003年12月完成の予定だ。
休止する15万トン設備は1968年稼動と古く、老朽化のため維持補修にコストがかかっていた。新系列には最新鋭プロセスを採用し、コスト競争力を強化する。また既存31万トン系列に隣接して建設することにより、用役等の合理化を図る。
さらに副生される水素を有効利用することにより、水島コンビナート全体の効率化が一層進む。こうした一連の合理化効果により同社水島コンビナート全体の基盤強化と各種誘導品のコスト競争力強化が図られ、21世紀における同社化成品樹脂事業の持続的成長が可能になる、としている。
新プラント完成後のSM生産能力は既設の31万トンを30万トンに変更し、新設の33万トンを合わせて年産63万トンになる。
新プラントによる能力増分は、自家消費分の増加および中国で米ダウケミカルと共同で進めているPS(ポリスチレン)年産12万トン向けに供給する予定。
中国には1998年10月、ダウケミカルと合弁(50対50)で斯泰隆石化(張家港)有限公司を設立、02年初稼動入りを目標に年産12万トンのPSプラントを建設中である。
(2001/9/26 同社発表)
スチレンモノマー設備更新について
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山本一元)は、スチレンモノマー(SM)について、下記の通り、設備更新することを決定いたしましたので、お知らせ致します。
1.背景・経緯
旭化成は、現在水島支社内に2系列のSMプラント(生産能力15万トン及び31万トン計46万トン/年)を保有しておりますが、15万トン系列のプラントは1968年稼働と古く、今後老朽化により維持投資が嵩むことから、今回、同系列を休止し、33万トンの新設備に更新することといたしました。
今回のスクラップ&ビルドにより、新系列には最新鋭プロセスを採用しSMのコスト競争力の強化が可能となるとともに、新系列を既存31万トン系列に隣接して建設することにより、用役等の効率化が図られます。さらに、副生される水素の有効活用により水島コンビナート全体の効率化が一層向上することになります。これら一連の合理化効果により、当社エチレンセンターの基盤強化と各種誘導品のコスト競争力強化が図られ、21世紀に向けて水島を中心とした、当社化成品樹脂事業の持続的成長が可能となると考えています。
なお、新プラントの能力増分については、自家消費の増加分および中国において米国ダウケミカル社との折半出資の合弁事業※で進めていますポリスチレンプラント(生産能力12万トン/年)用などに充てる予定です。
<生産能力>
既設 既設 新設
現 状(2系列) 15万トン 31万トン 計46万トン/年
更新後(2系列) 休止 30万トン 33万トン 計63万トン/年
2.設備更新の内容
1) 今回休止する設備 生産能力15万トン/年
2) 今回新設する設備 生産能力33万トン/年
3) 立地 岡山県倉敷市、水島支社内
4) 完成予定 2003年12月
※中国ポリスチレン合弁会社の概要
斯泰隆石化(張家港)有限公司 <スタイロン(ジャンジャガン)>
1998年10月13日設立
資本金26.8百万米ドル(旭化成50%、ダウ50%)
2002年初頭稼働予定
Japan's Asahi to complete new Mizushima SM plant Nov/Dec
Japan's Asahi Kasei expects to complete building in November or December its new styrene plant at Mizushima, a company source said Friday. The plant is to have a nameplate capacity of 330,000 mt/yr.
出光石化、来月定修でエチレン増強、SM用に未精製エチレンも
注目の「ダイリュートエチレン」わが国で初めて
出光石油化学は10月上旬から約30日の予定で徳山工場のエチレン装置が定修に入るが、期間中に大型分解炉1基を増設、既存炉の手直しも含めてエチレン生産能力を現有年産45万トンから10万〜20万トン増やす。
また、あわせて期間中にスチレンモノマー(SM)用エチレンをこれまでの精製エチレンから未精製(ダイリュート)エチレンに切り換える工事も行う。
未精製エチレンというのはナフサなどの原料をエチレン装置で分解したあと、精製しないで取り出し、比較的純度が低くても利用できるSMの原料とするもので、技術は同社が独自に開発、わが国は初めての採用となる。
これにより今後増加が見込まれるコンビナート各社の需要増にも合理的に対応できるとしている。
鐘淵化学、宇部のSM共同事業から3月末で離脱
固定費償却残高、昨年決算の特別損失で一掃
鐘淵化学工業は、三井東圧化学(現三井化学)などと共同事業化を進めていた宇部地区のSM(スチレンモノマー)について、今年3月の決算において特別損失14億5,000万円を計上、引き取り枠を破棄し共同事業から離脱した。
宇部のSM事業は将来のエチレンセンター構想を目指し、旧三井東圧化学、宇部興産と3社により設備を建設、同社は15%の引き取り枠を確保見合いの建設費用、固定費の償却負担を行い、最終的には合弁会社化を目指していた。
しかし、エチレンセンター構想が中断、輸送コストなどにより原料としての競争力が低下したこともあり、3社間により共同事業を解消することで合意、同社は先行して昨年度決算において償却残高を特別損失として計上、共同事業から正式に離脱したもの。
(日本経済新聞 1999/3/12)
スチレンモノマー生産・販売
三菱化学・旭化成が統合 pending
再編、川上の原料分野に波及 シェア3分の1に
三菱化学と旭化成工業は2000年4月をメドに合成樹脂の原料となるスチレンモノマーの生産・販売を一体化する。両社は同分野の1位と2位のメーカーで、合わせると3分の1のシェアを握る。すでに樹脂製品のポリスチレンでは共同出資会社に両社の営業・製造を移管しつつあり、さらに原料分野を取り込むことで一層のコストダウンを狙う。化学業界では設備過剰の解消が大きな課題で、製品分野から始まった事業再編の動きが原料分野にまで広がってきた。
新聞雑誌名:化学工業日報
月日:1998/7/17
三菱化学、SM再構築 鹿島に設備集約 四日市は停止
コスト30億削減、黒字化めど
三菱化学はポリスチレン(PS)に次いで原料スチレンモノマー(SM)事業の再構築を実施する。来年秋をめどに四日市事業所のエチルベンゼン(EB)、SMおよびベンゼンの各設備を停止し、鹿島事業所に集約する方針を打ち出した。具体的には四日市のベンゼン2系列年22万トン、EB同29万トン、SM2系列同27万トン(うち1系列9万トンは休止中)をスクラップ、これに対し鹿島では約20億円を投資してEBをゼオライト触媒プロセスに転換し、同16万トン増強、計43万トンヘ、SMは手直しで6万トン増の39万トンに増強する。「約30億円のコストダウンが可能となり、黒字化の見通しがたった」(鈴木宗夫常務)としており、石化事業の懸案だったスチレン事業の再構築にめどを立てた。このSM対策の実施により旭化成工業との提携はPSだけでなくSMも加えたスチレントータルの提携に拡大する弾みがついたといえる。
三菱化学は石化事業の再構築するため最大の赤字部門であるPS,SM事業の立て直し対策を積極的に推進してきた。この間、PSでは旭化成と今年10月をめどに合弁で販売会社を設立、1年後には製販一体の体制を目指している。その一環として原料SMについても両社が一体化するのを視野に入れて、双方が競争力ある体質転換を目指す方向が打ち出されていた。
従来、SMは四日市と鹿島で生産され、EB/SMは交錯輸送されていた。このため輸送コストの負担、四日市のSM設備の老朽化など競争力に問題があった。とくに、国内外での供給過剰バランスは国際市況の下落を招き、業績は急速に悪化していた。このため四日市の設備を停止し、鹿島の増強により設備集約する方針が打ち出された。これにより国内は内需に見合った生産体制が整い、トータル30億円のコストダウンが可能となる。海外についてはシンガポールのセラヤケミカルを中心に海外拠点で対応する方針。また、四日市は設備償却損約28億円が発生、従業員約60名の配置転換が行われる。
「国際価格が下落しているが、これで黒字化のめどが立った。また、旭化成とのSM提携も視野に入れ展開ができるようになった」(鈴木常務)と、旭化成との提携がさらに進展する可能性を示唆した。
解説 業界再編に弾み
SM業界はPS業界の再編と連動して、大幅なリストラ、合理化が避けられない状況にあった。国内のSM供給能力は年310万トン、うち内需は230万トンとみられ、輸出の50万トン程度を加算しても大幅な供給過剰状態にある。とくに老朽化し設備能力が小規模なものも多く、設備の廃棄、集約化は避けられないとみられていた。
業界トップの三菱化学が四日市のエチレン稼働率の低下を覚悟して設備の停止に踏み切ったのは、SM事業がそれだけ構造的問題を抱えていたということがいえる。現在、業界では競争力のない設備が多くある。三井化学・宇部、東ソー・四日市、出光石化・徳山など再構築が避けられない設備について各社がどう対応するのかが注目される。
その意味でも三菱化学の再構築が業界各社にインパクトを与え、誘導品であるPSの再編、アライアンスを一層促す材料となろう。
1998年8月6日
四日市事業所のスチレンモノマープラント休止について
東ソーは、四日市事業所におけるスチレンモノマープラントの操業を本年9月末を目途に休止する。
東ソーのスチレンモノマー事業は、71年、大日本インキ化学工業、協和発酵工業、日立化成工業とともに設立した中部ケミカルにおいて、年産8万トンの生産能力を有するスチレンモノマープラントの建設に着手、72年から商業生産を開始した。78年の新大協和石油化学と中部ケミカルの合併、90年の東ソーと新大協和石油化学の合併により同事業は東ソーへと引き継がれた。その間デボトルネッキング(手直し増強)を行い、現在の生産能力は年産13万トン。
近年、アジア各国ではスチレンモノマープラントの新増設が相次ぎ、また、経済混乱の影響などで需給バランスが崩れ、市況は大幅に下落している。この状況下で、東ソーはプラントの省力化や物流の合理化などコスト削減を進めてきた。しかし、当面は事業収益改善の可能性が極めて困難であると判断、今回の決定に至った。
なお、大分にある新日鐵化学との合弁会社である日本スチレンモノマー(年産能力23万2千トン、東ソー出資比率35%、年間引き取り量
約8万トン)での事業は引き続き継続する。
《休止対象設備》
・スチレンモノマー設備
年産能力 13万トン
・合成エチルベンゼン設備 年産能力
10万トン
・分留エチルベンゼン設備 年産能力
4万5千トン
(1999/9/2 三菱化学発表)
シンガポールにおけるスチレンモノマー
(SM)引取権取得について
当社は、8月27日付で、シェル社(Shell
Eastern Petrolemn(Pte)Ltd.)との間で、シンガポール・セラヤ島で生産されるスチレンモノマー(SM)の引取権(キャパシティーライト)契約を締結しました。従来より保有している既存プラントからの引取量年間10万トンに加え、2002年下半期以降更に年間28万トン、合計年間38万トンのSMの引取権を得ることになります。これによってアジアのSM市場における当社の位置付けが更に強固となることが期待されます。
セラヤ島では、シェル社と当社の合弁会社であるセラヤ・ケミカルズ社(Seraya
Chemicals Singapore(Pte)Ltd.)が運営する1期プラントで、SM年産31.5万トンとプロピレンオキサイド(PO)年産14万トンを生産しておりますが、今般、シェル社はBASF社(BASF
South East Asia)と合弁で新プラントを建設することを決定しました。この2期プラントは、2002年下半期運転開始予定で、SM年産55万トン、PO年産25万トンの生産能力を有する計画です。当社は、1期・2期分を合わせたSM38万トン分の建設費相当額を預託し、引取権を確保します。2期計画分の原料は、当社が、シンガポールエクソン社等から調達しシェル社に供給します。
これに伴い、1期プラントの運営のあり方についてシェル社との間で見直しを行い、セラヤ・ケミカルズ社の当社所有株式(出資比率30%)をシェル社に売却すると同時にSMの引取権を取得しました。これに伴いPOの引取権をシェル社に譲渡し、当社のPO事業は、本年末を目処に終了する予定です。
当社は、本年10月四日市事業所のSMプラントを停止する予定にしていますが、今回の決定は、マーケットに応じた供給体制を敷き、構造的に、国内は鹿島事業所、海外はセラヤケミカルズとし、競争力を更に強化するという基本方針に沿ったものです。
Platts--2002/5/2
Shell and BASF have completed the construction of their styrene monomer and propylene oxide plant in Singapore, and are now testing it, a source close to the joint venture, ELLBA Eastern, said Thursday. The plant has the nameplate capacity to produce 560,000 mt/yr of styrene and 250,000 mt/yr of PO. It is supposed to start commercial shipments between July and September. ELLBA will buy most of its benzene and ethylene feedstocks locally from ExxonMobil and the Petrochemical Corp of Singapore. But it also plans to import some from Malaysia. ELLBA will not buy the feeds directly, but acquire them through BASF and Mitsubishi Chemical.
Shell has a 50-year agreement with Mitsubishi, in which the latter is to offtake 280,000mt of ELLBA's styrene yearly. In return, Mitsubishi and BASF are to supply equal halves of ELLBA's feedstock requirements. BASF and Shell are to split equally ELLBA's PO output.
Shell has another wholly-owned SM-PO plant in Singapore, called Seraya Chemicals, which came on stream in 1997. Mitsubishi Chemical also has an agreement to offtake styrene from Seraya. Mitsubishi has the right to offtake up to 100,000mt of Seraya Chemicals' yearly styrene output. Seraya has a styrene nameplate capacity of 320,000mt yearly, and 140,000 mt/yr of PO. The contract does not require Mitsubishi to provide Seraya with benzene and ethylene. Shell offtakes all of Seraya's PO output.
Styrindo Mono Indonesia社(SMI)
インドネシア唯一のスチレンモノマー工場──
SMI
インドネシアにおけるトーメン最大の合弁事業へと成長したのが、
Styrindo Mono Indonesia社(SMI)。インドネシア唯一のスチレンモノマー工場です。これまで年産10万トンベースでのフル稼働が続いていましたが、インドネシア国内での総需要を満たすことができなくなったため、
1999年に年産20万トンプラントの増設を完了し、年産30万トンの生産体制を確立しました。スチレンモノマーは、家電製品や包装資材、家庭用品などに幅広く使用されているポリスチレンの原料です。インドネシア国内の旺盛な需要を反映して、順調な操業を続けています。また、周辺諸国でも需要の伸びが予測されており、インドやタイ、中国などへの輸出力強化を含めた販売体制の整備に取り組んでいます。
(トーメン広報)
SMI(スチリンド・モノ・インドネシア)は、 トーメンが68.42%を出資します インドネシアで唯一のスチレンモノマーの 生産会社です。 年産10万トンと20万トンの2系列を保有し、 能力合計は30万トンです。 → 34万トンへ
他の出資者は:
現地の PT Bimakima 15.79%
Idemitsu petorochemical 5.26%
他
Platts 2002/5/29
Indonesia's Styrindo boosts SM capacity by 40,000 mt/yr
Styrindo Mono Indonesia is in the course of expanding its styrene capacity at Merak by 40,000 mt/yr to 340,000 mt/yr, a company source said Wednesday. Last week Styrindo brought down the larger of its two styrene plants, a 200,000 mt/yr unit. It is to undergo a two-month maintenance outage followed by the expansion. Styrindo's other 100,000 mt/yr styrene plant is not scheduled for an outage or expansion in the near future, the source said. The plant is currently operating at 100% capacity. Styrindo is a joint venture among Japan's Tomen Corp (65%), Idemitsu Petrochemical (5%) and private local interests.
Styrindo plans to export its additional styrene output to China, where it has term supply contracts with Chevron Phillips and Heqiao Chemical, another source close to the firm said. Chevron has a 100,000 mt/yr polystyrene plant at Zhangjiagang while Heqiao has the capacity to produce 330,000 mt/yr of expandable polystyrene at Jiangyin and Ningbo. In addition, Styrindo exports styrene to Toray Malaysia, which has a 160,000 mt/yr ABS plant at Butterworth, near Penang. Styrindo already has existing contracts to supply styrene to the three firms. It is unclear how Styrindo is able to compete with South Korean producers for its styrene sales to China. It costs around $30/mt to ship a 2,000mt styrene cargo from Indonesia to China, compared with just $15-20/mt from Korea.
日刊工業新聞 1990/12/21
三井東圧 宇部でSM生産を再開 92年夏メドに新設備
建設費150億円投入 年産規模は24万トン
三井東圧化学は20日、92年7月完成をメドに山口県宇部市にSM(スチレンモノマー)の製造設備を建設すると発表した。同社は83年、産構法による合理化策の一環として、SM生産を中止していたが、宇部での新設備によって生産を復活する。生産能力は年24万トンで、原料は関連会社の大阪石油化学などから調達する。立地場所は宇部興産が進めているエチレン設備新設計画の建設予定地(西沖の山埋め立て地=宇部興産所有地)で、同埋立地のプロジェクトとしては、宇部興産など4社の共同出資会社によるポリプロピレン計画に次ぐ2番目のもの。
三井東圧化学は現在SMを原料としてポリスチレン、AS樹脂、不飽和ポリエステル樹脂を生産している。しかし原料のSMは83年、子会社の大阪スチレン工業で生産を中止したことから、これまで同業他社から外部購入していた。
ポリスチレン、AS樹脂、不飽和ポリエステル樹脂の需要は堅調に推移しており、同社では原料の安定確保を図るため、SM製造設備を建設することになった。着工は来春で建設費は約150億円。製造技術はルーマス法を採用する。
立地場所については石化事業の中心である大阪工業所(大阪府高石市)があるが、手狭になっているため、宇部興産所有の西沖の山埋め立て地にする。現在、宇部興産と土地の買収交渉を行っている。西沖の山埋め立て地は宇部興産が進めているエチレン設備計画の建設予定地で、SMの原料がエチレン、ベンゼンであることから誘導品設備面で極めて注目される。
2001/12/26 中国新聞地域ニュース
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn01122606.html
三井化学、山口工場の生産中止へ
三井化学は25日、汎用プラスチック樹脂ポリスチレンの原料、スチレンモノマーを製造する山口スチレン工場(宇部市)の生産中止を検討していることを明らかにした。国際競争の激化に対応し、収益性の高い製品に経営資源の集中を進める一環で、撤退が決まれば、同工場も閉鎖される見通し。
前身の三井東圧化学山口工場として1994年4月に操業開始。年間294千トンの生産能力があり、他社を含む国内スチレンモノマー生産能力の1割を占める。
だが、世界的な景気の低迷で市況の悪化が続き、設備稼働率を今月から80%と5%引き下げた。アジア地域などとの競争激化に加え、出光石油化学(55万トン)や旭化成(44万トン)に比べて規模が小さく、収益が見込めなくなったため、98年度からの中期経営計画でも「再構築する事業」として位置付けられていた。
03年10月の住友化学工業との経営統合に向けて体質強化を急いでおり、「事業撤退のほか、他社との提携も含めて再構築を検討する」としている。
化学工業日報 2002/7/22
三井化学、宇部のSM稼働継続へ
三井化学は、山口県宇部市のスチレンモノマー(SM)年産29万4000トン設備について、売却を含めたあらゆる選択肢について検討を継続中とする一方で、今秋に予定している定期修理では触媒入れ替えなどの通常作業を実施する方針を示した。同社は大阪の石油化学コンビナートで、基礎原料を生産するナフサクラッカー(エチレン設備)の主産物を従来のエチレンからプロピレンに転換するプロジェクトを推進中。このため、原料エチレンを大阪から転送している宇部のSM設備の去就が注目されていたが、今秋に通常の定修を実施することで、当面は稼働を継続する可能性が高まった。
旭化成、水島工場のスチレンモノマー設備の廃棄を一部見送り
旭化成は、水島工場(岡山県倉敷市)で基礎化学品のスチレンモノマー(SM)を製造している設備のうち、当初予定していた一部(年産能力15万トン)の廃棄を見送ることを決めた。同33万トンの新鋭設備に更新する12月には引退させる計画だった。だが製品市況の動向も視野に安定した供給を確保するには、現役として温存することが得策と判断した。結果としてSMの生産能力でアジア最大規模となる。
旭化成が廃棄を見送るのは、水島工場でSMを製造している2系列(計同46万トン)の一つ。あくまでも余力能力としてだが、需給バランスや市況状況などを勘案しながら柔軟に稼働させる。
2003/10/08 三井化学
スチレンモノマー事業の譲渡について
三井化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:中西宏幸)と太陽石油株式会社(本社:東京都千代田区、社長:河井圀士)は、この度、三井化学が所有・運営する山口スチレン工場でのスチレンモノマー(SM)事業を太陽石油を主体に設立する合弁会社(太陽石油化学株式会社)に譲渡することで基本合意に達しましたのでお知らせします。
この基本合意に沿って、合弁会社は2004年1月1日を目途に本事業に係る資産を譲り受け、営業を開始します。
なお、合弁会社には太陽石油(筆頭株主)及び三井化学他が出資する予定です。
三井化学は、中期経営計画の基本戦略として事業の選択と集中を進めており、かねてより山口スチレン工場でのSM事業を再構築事業と位置付け、あらゆる選択肢を検討してまいりました。この度、太陽石油の石油化学誘導品事業への本格的進出の企図と利害が一致し、この機会にSM事業を同合弁会社に譲渡するのが最良の選択であるとの結論に達し、本譲渡を決定しました。
なお、SM事業を譲渡後も、三井化学は本合弁会社に出資し、工場人員も当面の間派遣することと致します。また、住友化学工業株式会社との合弁会社である日本ポリスチレン株式会社及び日本エイアンドエル株式会社を含む社内自消用SMの必要量は、同合弁会社に製造委託することにより確保することとしております。
また、新合弁会社の概要につきましては、別紙のとおりです。
別紙 新合弁会社概要
1.会社名 | : | 太陽石油化学株式会社(Taiyo Petrochemical Company, Ltd.) |
2.所在地 | : | [本社]東京都千代田区内幸町2−2−3 [工場]山口県宇部市大字西沖ノ山字西沖13−3 |
3.資本金 | : | 20億円 |
4.代表取締役社長 | : | 村田正夫(就任予定、現太陽石油本社化学品部長) |
5.出資比率(予定) | : | 太陽石油70.1%、三井化学9.9%、その他20.0% |
6.事業内容 | : | スチレンモノマーの製造及び販売 |
7.年間売上高 | : | 200億円程度(2004 年見通し) |
8.従業員数 | : | 40名程度 |
9.生産能力 | : | 294千トン/年 |
日本経済新聞 2003/10/9
太陽石油は主力の四国事業所(愛媛県菊間町)で原料ベンゼンを生産しており、高付加価値のスチレンモノマーへの進出で収益力を高めたい考え。
スチレンモノマー事業の開始について
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=62264太陽石油化学株式会社(本社・東京都千代田区、社長・村田 正夫、以下「太陽石油化学」という。)は、太陽石油株式会社(本社・東京都千代田区、社長・河井 圀士、以下「太陽石油」という。)、三井物産株式会社(本社・東京都千代田区、社長・槍田 松瑩、以下「三井物産」という。)、並びに三井化学株式会社(本社・東京都港区、社長・中西 宏幸、以下「三井化学」という。)を引き受け先とする第三者割当増資、及び三井化学が所有・運営する山口スチレン工場の資産譲り受けを経て、平成16年1月1日よりスチレンモノマー(SM)事業を開始しましたので、お知らせします。
太陽石油化学は、三井化学から継承する高い技術及び事業運営ノウハウ、三井物産の持つ販売力、並びに太陽石油による山口スチレン工場の操業支援を背景に、従来からの優良な顧客との関係を維持・強化しながら、成長著しいアジア市場での積極的な販売活動を推進してまいります。
また、スチレンモノマーの原料であるベンゼン及びエチレンは、太陽石油及び三井化学から安定的に調達し、強固な原料供給体制を確立します。
なお、太陽石油化学の組織概要、並びに役員・管理職一覧につきましては、別紙のとおりとなりますので、併せてお知らせします。
【 太陽石油化学組織概要 】
「 本社 」
1.太陽石油化学の本社に、総務部及び営業部を設置する。
2.所在地
東京都千代田区内幸町 2丁目2番3号 日比谷国際ビル 15階
「 山口スチレン工場 」
1.太陽石油化学の山口スチレン工場に、事務グループを設置する。
2.山口スチレン工場の操業については、太陽石油に委託する。
3.所在地
山口県宇部市大字西沖の山字西沖13番地の3
【 太陽石油化学管理職一覧(役員兼務者を除く) 】 略【 太陽石油化学役員一覧 】
( 役 職 ) ( 氏 名 ) ( 備 考 )
代表取締役 会長 塩 眞澄 兼 任:太陽石油代表取締役専務
代表取締役 社長 村田 正夫
以下略