業界再編の波・相次ぐ大型買収 http://www.morosada.co.jp/sub6.htm
旧来の外国メーカーが日本の農薬メーカーとの取引を打ち切って、自社で直接販売する形が現れてきました。
◆ アベンティス (フランス)
ローヌプーランとヘキストの農薬事業を統合したアベンティス クロップ サイエンスが設立され、
年間売上が国際的に4千億円の会社が出来、日本にも進出し、ごく最近では、シオノギ製薬の農薬部門と合併しアベンティス クロップ サイエンス シオノギという会社を作り日本市場にも登場しました。
→ バイエルがアベンティス
クロップサイエンス社を買収
◆ シンジェンタ (スイス)
チバガイギーで知られる農薬部門が、ICI(インペリアル・ケミカル・インダストリ)の英国総合化学メーカーの農薬部門と合併して、年商約7千億円 世界市場の25%を占めます、日本へもその豊富な資金力によって、強力なライバルとして登場しました。
◆ BASF(バディシュ・アニリン ウント・ソーダ・ファブリッケン) (ドイツ)
ドイツのBASFは世界に誇る、空気中の窒素を固定する技術を世界ではじめて発明したメーカーとして知られていますが、アメリカンサイアナミットと合併し、農業部門の本社をニュージャージーシ州に移転し、いよいよアメリカ市場・日本市場へと積極的に進出しようとしています、アメリカンサイアナミットは以前にシェル化学の農薬部門を合併していますので、ますます日本市場の農薬業界に影響を与えるようになるでしょう。
1993 アメリカン・サイアナミドがシェル農薬部門を買収
1994 アメリカン・ホーム・プロダクツ
がアメリカン・サイアナミドを買収
2000 BASFがアメリカン・ホーム・プロダクツから農薬事業のサイアナミドを買収
◆ ダウ・ケミカル(アメリカ)
ダウ・ケミカルは、旧来直接販売していませんでしたが、ロームアンドハースの農薬部門を傘下に入れて、旧来からあった農薬商社菱商農材の株式を51%取得して、日本の直接部門 ディーエーエス菱商という形になって日本市場へ直接進出しようとしています。
◆ バイエル(ドイツ)
バイエルは世界の農薬業界で、トップ企業といわれたローヌプーランとヘキストの農業化学部門、
アベンティス
クロップサイエンス社を買収すると言うことを発表しました、世界のトップ農業メーカーが出現しようとしています。
2002/08/20
三菱化学、日本農薬
農薬事業の譲渡・譲受けに関するお知らせ
日本農薬株式会社(本社:東京都中央区、社長:大内 脩吉)と三菱化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:冨澤 龍一)とは、本日、三菱化学の農薬事業を日本農薬に譲渡することに合意いたしました。譲渡・譲受け期日は、本年10月1日を予定しています。
譲渡・譲受けの対象となる三菱化学の農薬事業は、殺虫剤、除草剤等の原体分野で年間約70億円の売上高があり、日本農薬は、三菱化学が取り扱ってきた品目に対するマーケットの需要に応えるとともに、原体販売事業強化並びに日本農薬の取扱い品目との相乗効果によるマーケット展開が図れると判断し、今般、当該事業を譲受けることとしたものです。なお、これに伴い、三菱化学の取引先との関係については、原則として日本農薬がすべて承継いたします。
日本農薬は、売上高の約10%の研究開発投資を続ける技術・知識集約型企業として、これまで「フジワン」「アプロード」「モンカット」「ダニトロン」「エコパート」など自社開発原体を中心に製品化し、国内外の農薬マーケットへの販売に取組んできました。この度、新規薬剤創出力に秀でた三菱化学の農薬事業を譲り受けることは、日本農薬の研究開発力を更に倍化するものであり、今後予想される農薬業界再編成の中で市場競争力を強化できるものと確信しています。
三菱化学は、農薬事業において、高い創薬能力をベースに原体メーカーとして地歩を築いてきましたが、国内市場が伸び悩む中にあって、巨大化した外資企業の国内市場への攻勢、国内企業の再編成等により今後極めて厳しい競争状態が続くと想定される事業環境下、研究開発規模、原体メーカーであることの限界等から、単独で勝ち残っていくことは困難であると判断し、事業及びこれに携わる人材を高く評価し、全面的に譲り受けて発展させていきたいという強い意志を持った日本農薬への事業譲渡を決断したものです。
日本農薬といたしましては、三菱化学の農薬事業を譲り受けることにより、創薬力のある農薬総合メーカーとしての基盤を確実なものにすると同時に、一層の事業の拡充と顧客サービスの向上に努めてまいります。