アスベスト(石綿) 中西準子氏コメント
2007/11 ニチアス釜山合弁跡地で中皮腫多発
2005/7/29 厚生労働省 労災認定234事業所公表 石綿被害 9割が製造・建設業
2005/7/15 経産省調査 「石綿」死者374人 製造89社 治療中の患者88人
2005/7/9 石綿被害 死者計358人 23社の工場従業員ら
2005/7/14 「石綿」死者 2000年以降急増 大量使用から30年前後 業種さらに拡大 460人を超える
アスベスト被害者の集団訴訟に対して、連邦破産法第11条の保護を求めた企業
<石綿死>クボタ社員ら10年で51人 工場周辺住民も 被害住民3人に見舞金
* 中皮腫: ▽…肺を包む胸膜などの表面を覆う中皮にできるがんの一種。原因の大半は石綿吸引とされる。通常石綿を吸い込んでから30-40年後に発症。初期症状は軽い息切れと運動能力の低下で、次第に呼吸がより苦しくなり、呼吸不全を起こす。決め手となる治療法はなく、確定診断後、1,2年で死亡することが多い。 ▽…中皮腫は4種類あるアスベストの中でも、飛び散りやすい「青石綿」を吸い込んだ時に起きる例が一般的。微量でも発症する可能性がある。日本では1995年に毒性の高い青石綿と茶石綿の使用が全面禁止されたが、石綿を原因とする労災認定は1999年度に20件を突破、2002年度に55件、03年度には83件と急増している。 |
毎日新聞 2005/7/9
石綿関連病 23社で358人死亡 企業が公表した死者数 計460人を超える
本社調査 最多は「じん肺」
アスベスト(石綿)による健康被害問題で、中皮腫、肺がん、じん肺などで死亡した石綿関連会社の従業員(退職者を含む)は、8日現在、少なくとも全国の23社38事業場で計358人に上ることが毎日新聞の調査で明らかになった。療養中の患者は計65人に上る。一方、住民の石綿関連病については、大手機械メーカー「クボタ」の旧神崎工場(兵庫県尼崎市)周辺の5人(うち2人が死亡)が中皮腫を発症した以外に報告はなかった。
◆石綿関連病による死者数◆
社名(50音順) | 死者 | 内訳 |
曙ブレーキ工業 |
1人 |
委託業者社員(埼玉県羽生市) |
旭硝子 |
1人 |
旧船橋工場(千葉県船橋市) |
旭硝子ポリウレタン建材 |
1人 |
久喜工場(埼玉県久喜市) |
6人 |
宇部工場(山口県宇部市) 3人 |
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富士工場(静岡県富士市) 1人 |
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その他関係者 2人 |
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23人 |
旧石岡工場(茨城県石岡市) 5人 |
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朝日珪酸工業(大分市)2人 |
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大阪工場(大阪府高槻市) 2人 |
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エーアンドエー名古屋(名古屋市) 1人 |
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浅野防火建材(埼玉県熊谷市) 1人 |
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関東浅野パイプ(埼玉県熊谷市) 1人 |
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その他関係者 11人 |
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79人 |
旧神崎工場(兵庫県尼崎市) 78人 |
|
小田原工場(神奈川県小田原市) 1人 |
||
神島化学工業 |
1人 |
詫間工場(香川県詫間町) |
三和パッキング工業 |
1人 |
旧袋井工場(静岡県袋井市) |
四国浅野スレート |
1人 |
本社工場(高松市) |
住友大阪セメント |
1人 |
旧ダイスレ工業(兵庫県加古川市) |
15人 |
旧秩父工場(埼玉県秩父市) |
|
竜田工業 |
21人 |
本社工場(奈良県斑鳩町) |
東洋 |
1人 |
本社工場(大阪府河内長野市) |
中谷商店 |
1人 |
本社工場(名古屋市) |
141人 |
王寺工場(奈良県王寺町) 57人 |
|
羽島工場(岐阜県羽島市) 29人 |
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鶴見工場(横浜市) 10人 |
||
袋井工場(静岡県袋井市) 4人 |
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その他関係者 41人 |
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日清紡 |
2人 |
旧東京工場(東京都足立区) |
日本インシュレーション |
8人 |
岐阜工場(岐阜県瑞穂市) 3人 |
その他関係者 5人 |
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20人 |
旧厚木工場(神奈川県厚木市) 4人 |
|
旧八尾工場(大阪府八尾市) 4人 |
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その他関係者 12人 |
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日本ピラー工業 |
1人 |
三田工場(兵庫県三田市) |
ノザワ |
6人 |
旧門司工場(北九州市) 4人 |
フラノ事業所(北海道富良野市) 2人 |
||
日立化成工業 |
1人 |
下館工場(茨城県筑西市) |
ミサワリゾート |
24人 |
旧大宮工場(さいたま市) 12人 |
旧高松工場(高松市) 8人 |
||
旧鳥栖工場(佐賀県鳥栖市) 4人 |
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三菱マテリアル建材 |
2人 |
旧千葉工場(千葉市花見川区) 1人 |
名古屋工場(愛知県大治町) 1人 |
||
計23社 |
358人 |
: |
<石綿死>クボタ社員ら10年で51人 工場周辺住民も
アスベスト(石綿)を材料に水道管や建材を製造してきた大手機械メーカー「クボタ」(本社・大阪市浪速区)の社員(退職者含む)や出入り業者の間で、「中皮腫」や肺がんなど石綿関連病の発症が急増し、過去10年間で51人が死亡していたことが分かった。石綿水道管を長年製造した兵庫県尼崎市の旧神崎工場での勤務経験を持つ人が大半という。また、同工場の周辺住民5人も中皮腫を発症し、うち2人が死亡していたことが、民間団体「関西労働者安全センター」(大阪市中央区)の調べで判明した。石綿関連がんの潜伏期間は約20〜50年とされ、他の石綿関連企業でも発症者数が急激に増加するとみられる。発症者への対応や救済が今後大きな課題となりそうだ。
同社は昨年10月に国が出した石綿使用の原則禁止措置を受け、石綿使用企業の責任として情報開示方針を決定。毎日新聞の取材に応じ、初めて実態を明らかにした。
同社によると、社員の石綿関連病による死者は78年度から出始め、これまでに75人に達した。さらに同工場の構内請負協力会社でも石綿関連病で昨年度までに4人が亡くなり、計79人になった。このうち95〜04年度には51人が死亡。現在治療中が18人おり、緊急な対応を迫られているという。
死者79人のうち半数以上の43人は、胸や腹部にできる石綿特有のがん中皮腫が死因とされ、16人は肺がんだった。社員の死者は1人を除き同工場で働いていた。同工場では、1954年以降、水道に使う石綿管などを製造し、累計約24万トンの石綿を使用した。
一方、同工場の半径1キロ以内に住んでいる住民2人も最近1年以内に中皮腫で亡くなり、別の50〜70歳代の自営業の女性、主婦、男性商店主の3人も被害を訴えている。3人は今年4月下旬、クボタ側に「中皮腫の原因は、工場操業による石綿の飛散が原因ではないか」などと訴えた。
同社は「社員の石綿関連死の多発に衝撃を受けている。法令は守っていたが、75年以前はほとんど規制がなかった。潜伏期間を経て発症したと考えられる。また、アスベストの飛散源はいろいろあり、現時点で旧神崎工場と住民の病気が関係あるとも、ないとも言えない。ただ、住民の訴えには誠実に対応したい」と説明している。
アスベスト(石綿)健康被害に関する当社の取り組みについて
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=104137&lindID=4
現在、社会的問題となっているアスベスト(石綿)疾病の治療法は未だ確立されていません。また、石綿疾病と石綿暴露との因果関係においてなお不明な点が多く、かつ労災給付による場合を除いて石綿疾病に罹患した時の社会的救済措置が無いのが現状です。
当社は長年に亘り、石綿含有製品を製造してきた企業としての社会的責任を明確にするという観点から、次のような取組みをさせていただくこととなりましたので、下記の通りお知らせいたします。
1. | 当社事業所(旧神崎工場)周辺の中皮腫罹患者への対応について | |
当社は、本年4月上旬に尼崎市の市会議員を通じて、旧神崎工場周辺における中皮腫罹患者の方々の存在を初めて知りました。このような状況下、かつて石綿を使用していた一企業として何ができるか、何をなすべきかということをベースに、患者の方々、支援団体との話合いをした結果、次のような考え方と経緯で、見舞金の支払いを決定いたしました。 | ||
(1) | 見舞金支払いに至るまでの支援団体・患者の方々との経緯 | |
[1] | 4月26日に支援団体(「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」「尼崎労働者安全衛生センター」)と患者の方々に説明を致しましたが、その際に患者の方々の病況や思いをお聞きしました。 | |
[2] | その後、社外関係方面への相談や社内検討を経て、見舞金を支払うことを決定したものです。 | |
(2) | 見舞金の考え方 | |
[1] | 会社の誠意の表し方として見舞金を支払うことについては、社内でも異論がありました。 「全てを金で解決しよう」と受け取られてしまうのではないか、という懸念です。 |
|
[2] | しかしながら、支援団体の方々と話合いを進めている中で、3名の患者の方々は現実問題として多額の治療費等などがかかっており、少しでも早く対応すべきと判断致しました。 | |
[3] | 今後の患者の方々への対応につきましても、誠心誠意取組まさせていただく所存です。 | |
[4] | 亡くなられた方々につきましても、弔慰金をお支払いすることを検討しております。 | |
[5] | 他工場の周辺でも患者が発生した場合には、誠心誠意対応させていただきます。 | |
2. | 今後の対応について この見舞金の対応だけでなく、かつて石綿を取り扱ってきた一企業として、社会的にも貢献しなければならないという考え方のもと、総合的な対策を取るべく、検討しております。 |
<ご参考>
1.当社における石綿取扱事業の履歴
事業所 | 石綿含有製品 | 取扱期間 | 石綿の種類 |
旧神崎工場(尼崎市) (現・阪神事務所) |
石綿管 住宅建材(外壁材・屋根材) |
S29〜S50 S46〜H7 |
青石綿・白石綿 白石綿 |
長洲分工場(尼崎市) | 石綿管継手加工 住宅建材加工 |
S39〜S45 S46〜H1 |
青石綿・白石綿 白石綿 |
小田原工場(小田原市) | 屋根材 | S35〜H13 | 白石綿 |
滋賀工場(湖南市) | 屋根材 | S47〜H13 | 白石綿 |
大浜工場(堺市) | 住宅建材加工 | S63〜H7 | 白石綿 |
鹿島工場(茨城県鹿島郡) | 外壁材 | S55〜H4 | 白石綿 |
2.当社の石綿疾病患者の状況(退職者含む)
(1)S53〜H16 石綿疾病による死亡
75名【内、中皮腫による死亡者は42名】
(2)現在療養中
18名【内、中皮腫による療養者は4名】
(中皮腫は、石綿との因果関係が特に強いと言われている疾病)
3.社内石綿疾病患者への対応
(1)補償制度
・H2年4月「石綿疾病者特別対策取扱い基準(在籍者)」を制定
・H4年6月「石綿疾病者特別対策取扱い基準(退職者)」を制定
項目 支払内容 法定外補償金 労災認定後の上積み補償 療養費 家族看護料、差額ベッド代 退職者への特殊健康診断実施 会社負担にて、じん肺・石綿健康診断を実施 その他 葬儀費用、香典
(2)専任者の配置(安全衛生担当部門)
・H4年8月〜 1名
・H13年4月〜 2 名
活動内容 1)石綿疾病者特別対策の推進 2)労災申請手続きへの協力 3)石綿疾病患者に対する相談活動全般
クボタがアスベスト被害住民3人に見舞金 「誠意感じた」
大手機械メーカーの「クボタ」(本社・大阪市)がアスベスト(石綿)を使って水道管を製造していた旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民が、石綿が原因のがんの「中皮腫(ちゅうひしゅ)」にかかった問題で、クボタは30日、治療中の3人に1人200万円の見舞金を渡した。謝罪はなかったが、この日尼崎市内で記者会見した3人は「誠意を感じた」と話した。
旧神崎工場近くで50年以上住んできた会社経営前田恵子さん(73)は一昨年に中皮腫と診断された。会見では度々せき込みながら「これを区切りとして、過去のことを清算しながら、地域に貢献して欲しい」とクボタに求めた。
計30年近く近所で生活してきた自営業早川義一さん(53)はクボタについて「情報も公開しており、誠意を感じる」と評価。「できるだけ早く、(患者救済の)法整備をして欲しい」と訴えた。
現在は兵庫県伊丹市に住む土井雅子さん(57)も国の対応を求め、「私たちを出発点に、ほかの患者が出ないように対応して欲しい」と述べた。
会見に同席した「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」世話人の古川和子さん(57)によると、旧神崎工場の被害が29日に明らかになって以来「近くに住んでいた親族が中皮腫で亡くなった」という相談が複数、寄せられているという。
クボタは今後も、石綿を使っていた他の工場を含め、近隣で生活していた人が中皮腫を発病した場合、条件を満たせば、見舞金や弔慰金の支払いを検討する。
アスベスト:元クボタ社員の妻死亡 初の家族被害
大手機械メーカー「クボタ」(本社・大阪市浪速区)の社員や協力会社員79人がアスベスト(石綿)関連病で死亡した問題で、同社旧神崎工場(兵庫県尼崎市浜)で勤務していた元社員の妻が、がんの一種の中皮腫と診断され、死亡していたことが6日、分かった。夫の作業着を洗濯した際などに吸い込んだ石綿が原因とされ、クボタは遺族に補償金を支給した。家族の発症と石綿の関連を企業が認めたのは初めて。
同社によると、夫婦は兵庫県内に居住し、夫は1961年〜96年、同工場で石綿の原料供給を担当していた。妻は50歳代後半だった02年5月に死亡した。夫(当時60代前半)は99年、石綿とは無関係の持病で死亡した。
妻は労働者でないため、労災認定の対象にはならなかった。しかし、担当医師が中皮腫の原因について「夫の作業服に付着した石綿が洗濯した際などに飛散し、吸引したためとみられる」と説明。海外でも同様のケースの報告があり、同社は02年8月、補償金を遺族に支払った。同社員が石綿関連病で労災認定され死亡した場合は、労災保険に基づく支給に加え、約3000万円の上乗せ補償金が支給される。この妻の補償金について同社は「ほぼ上乗せ補償金相当」と説明している。
一方、旧神崎工場の周辺住民の石綿被害を巡っては、5人が中皮腫になったことが判明している。うち2人は死亡し、同社は治療中の3人に対し、自己負担の医療関連費1〜2年分程度の額を見舞金として支払った。
アスベスト:運送業者も死亡 生前、労災申請−−クボタ旧神崎工場
大手機械メーカー「クボタ」の旧神崎工場(兵庫県尼崎市)に出入りし、アスベスト(石綿)を運搬していた元日本通運社員、古嶋(こじま)美代司さん(当時68歳)が4月末、石綿特有のがんの中皮腫で死亡していたことが9日、分かった。古嶋さんは生前、尼崎労働基準監督署に労災を申請していた。認定されれば、元日通社員の石綿労災では3人目。
遺族によると、古嶋さんは1956〜62年、日通尼崎支店に勤務。神戸港から旧神崎工場に大型トラックで石綿原料を運んだ。古嶋さんは「アスベストが鼻に入り、顔が真っ白になった。トラックの荷台も粉じんだらけ。会社や工場からは危険だとは知らされなかった」と話していたという。
初めて体の異変に気付いたのは昨年12月だった。腹部がはれ、調べると腹水がたまっていた。今年2月末、医師から「腹膜中皮腫」と診断された。労災補償の時効は治療や休業の翌日から起算して2年以内、遺族補償は死亡日の翌日から5年で、働いていた時期は関係ない。3月に労災申請したが、結果が出る前に死亡した。妻右春(うはる)さん(71)は「6人の孫の子守をいつも楽しみにしていたのに……。アスベストが憎い。国は、病気で苦しんでいる人を助けてあげてほしい」と訴えている。
アスベスト:太平洋セメント秩父工場でも16人死亡
セメント製造大手の太平洋セメント(本社・東京)は1日、アスベスト(石綿)を使ったセメント管などを製造していた埼玉県秩父市の2工場で、16人の社員が石綿関連病で死亡し、7人の社員が治療を受けていることを明らかにした。23人はいずれも労災認定を受けている。
同社によると、39〜79年、秩父市の「秩父第一工場」(既に閉鎖)と「同第二工場」で、青石綿と白石綿を使った水道管やセメント管、煙突を製造していた。死亡した16人のうち6人は石綿特有のがん「中皮腫」を発症していた。同社は「近隣住民からの被害の申し出はない」と話している。
石綿をめぐる被害では、大手機械メーカー「クボタ」の旧神崎工場(兵庫県尼崎市)で働いていた関連会社員を含む78人が石綿関連病で死亡し、周辺住民5人(うち2人死亡)が中皮腫にかかったことが明らかになっている。
アスベスト、業界団体が被害開示へ 経産省も情報収集
大手機械メーカー「クボタ」(大阪市)の旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の従業員や周辺住民が、アスベスト(石綿)が原因で起きるがん「中皮腫」で死亡していた問題で、業界団体「日本石綿協会」(東京都港区、31社)は、従業員の健康被害の状況について近く情報開示する方針を固めた。8日に大手3社の社長らによる幹部会を開き、公開の時期や方法を決める。
また、経済産業省は1日、同協会をはじめ石綿製品の製造にかかわる7つの業界団体に対し、過去の生産実績と健康被害の状況について情報を提供するよう要請した。回答期限は8日とし、4日には各団体の代表を同省に集め、具体的な方法などについて協議する。
これまで、一般に公開されることのなかった石綿製品を製造していた企業の従業員による健康被害が、明らかになってきそうだ。また、従業員に被害のあった工場の所在地が公表されることで、周辺住民の間で、見逃されてきた被害がみつかる可能性もある。
業界最大手で、同協会の会長会社でもあるニチアス(東京都港区)は1日、「社員にクボタと同様な健康被害があったのは事実だ」と認め「情報は公開する方針だが、協会の対応に合わせたい」と述べた。
また、エーアンドエーマテリアル(横浜市)は、89年に52歳、02年に55歳の男性従業員が中皮腫で死亡したと明らかにした。三菱マテリアル建材(東京都中野区)は「現職で報告はなく、退職者について調査中」としている。3社とも「周辺住民から健康被害の訴えはない」としている。
アスベスト:「ニチアス」4工場で29年間に死者86人
耐火材メーカー「ニチアス」(本社、東京都港区)は5日、同社の4工場で76年から04年までの29年間でアスベスト(石綿)疾患による従業員・退職者の死亡者が61人、工事現場のアスベスト疾患による死亡者が25人に上ると発表した。他にアスベストが原因と特定できないじん肺による死者が55人に上るという。
同社によると、86人はアスベストと因果関係が強いとみられる中皮腫、肺がんや合併症の死亡者で、ほかに療養者が5人いるという。
ニチアスの広報担当は「中皮腫、肺がん合併症については工場で発生したアスベストとの因果関係を認め、亡くなった61人については補償している。今後も因果関係が認められれば誠意をもって対応したい」と説明している。
アスベスト疾患を巡っては6月、大手機械メーカー「クボタ」(本社・大阪市浪速区)が、同社の工場で勤務経験がある従業員などが78年以来、79人が死亡していたと発表した。石綿関連がんの潜伏期間は約20〜50年とされる。
日本石綿協会は今月4日、会員企業31社に対し、従業員や周辺住民らの健康被害などに関する情報開示を求める文書を通知していた。
アスベスト:「ニチアス」の工場以外でも25人死亡
耐火材メーカー「ニチアス」(本社・東京都港区)でアスベスト(石綿)疾患による死亡者が発生していた問題で、工場以外でも従業員が25人死亡していたことも分かった。工場で死亡した61人を含め、アスベスト疾患による死亡者は76年からの29年間で計86人に上る。他にアスベストが原因と特定できないじん肺による死亡者も55人確認された。計141人は労働災害と認定されたという。
同社は5工場でアスベスト製品を製造していたが、毒性が強いといわれる青石綿は71年まで、茶石綿は92年まで使用していた。工場従業員の死亡者61人の内訳は、▽鶴見(横浜市)5人▽王寺(奈良県王寺町)31人▽羽島(岐阜県羽島市)21人▽袋井(静岡県袋井市)4人。結城工場(茨城県千代川村)では死亡者はいなかった。
経済産業省は、日本石綿協会など業界団体に対して、過去の石綿の製造状況、従業員や周辺住民の健康被害などに関して調査の上、8日までに回答するよう求めている。ニチアスは、日本石綿協会の会長会社。
当社のアスベスト(石綿)の使用状況、健康障害状況およびその対応について
http://www.nichias.co.jp/昨今、アスベスト(石綿)に関して大きな問題となっており、社会および当社工場周辺住民の皆様方の不安を考慮し、当社におけるアスベストの使用状況、健康障害状況およびその対応について、下記のとおりお知らせいたします。
1.アスベスト製品の製造状況および管理状況について
当社におけるアスベスト製品の製造状況を、別表1にて説明いたします。当社では、昭和46 年末に青石綿(クロシドライト)、平成4 年に茶石綿(アモサイト)の使用を中止しました。
昭和46 年以前は、防じんマスクでの対応が主でしたが、特定化学物質等障害予防規則が制定され、昭和47 年以降は、局所排気装置、集じん装置などの整備を行い、法順守とともに、より厳しい自主基準を設定して、管理、改善に努めてまいりました。
なお、工場境界線のアスベスト粉じん濃度につきましては、平成元年に定められた大気汚染防止法の基準を、制定時以降大きく下回っておりました。2.アスベストによる健康障害者の状況についてアスベストによる健康障害者の状況について
下記の表は、昭和51年以降、特に因果関係が強いといわれる中皮腫、肺がん・合併症により死亡または療養中の方々の状況です。参考として、これら以外にじん肺として労災認定を受けた方々の状況を表の下に付記します。
なお、アスベストによる健康障害者は過去30年以上前に、アスベストにばく露された方々で、昭和47年以降入社した方からのアスベストによる死亡または療養中の方はおりません。工場におけるアスベスト疾患死亡者数および療養者数
(昭和51年〜平成16年の29年間、退職者を含む)
事業所名
死亡者数
療養者数
中皮腫
肺がん・合併症
計
中皮腫
肺がん・合併症
計
鶴見工場
1
4
5
1
1
2
王寺工場
8
23
31
1
0
1
羽島工場
9
12
21
1
1
2
袋井工場
2
2
4
0
0
0
結城工場
0
0
0
0
0
0
工場合計
20
41
61
3
2
5
【参考】じん肺死亡者数39 名、療養者数14 名
(参考)工事関係者他のアスベスト疾患死亡者数および療養者数(昭和51年〜平成16年、退職者を含む)
工事他
死亡者数
療養者数
中皮腫
肺がん・合併症
計
中皮腫
肺がん・合併症
計
15
10
25
1
0
1
【参考】じん肺死亡者数16 名、療養者数4 名
3.健康障害者に対する補償について
死亡された方々およびアスベスト疾患を持って退職した方々に、社内規程に基づき補償を行っております。4.工場周辺からの問題等について
現時点までは、工場周辺地域からのアスベストに関する問題等は、起きておりません。5.今後の対応
・アスベスト疾病関連研究に対して、現在支援を行っており、今後さらに拡大していきます。
・従来からアスベスト問題に関しましては、関係官庁等と連携をとり、対応を進めております。
今後さらに、アスベスト処理に関する安全な技術を開発してまいります。(参考)弊社工場の所在地
鶴見工場(神奈川県横浜市)
王寺工場(奈良県王寺町)
羽島工場(岐阜県羽島市)
袋井工場(静岡県袋井市)
結城工場(茨城県千代川村)
アスベスト:不燃建材メーカーで従業員9人死亡
不燃建材メーカー「エーアンドエーマテリアル」(本社・横浜市鶴見区)は5日、76年以降にアスベスト(石綿)との因果関係が強いとみられる疾患で死亡した従業員が9人いたと発表した。他にアスベストが原因と特定できないじん肺による死亡は14人確認された。全員が労働災害と認定されているという。
工場別の死亡者は▽エーアンドエー名古屋(名古屋市南区)1人▽旧石岡工場(茨城県石岡市)2人▽浅野防火建材(埼玉県熊谷市)1人▽朝日珪酸工業(大分市)1人。工場以外で4人の死亡が確認されている。アスベストと因果関係が強い中皮腫、肺がんなどで11人が療養中。
同社によると、工場の周辺の住民からの健康被害の申し出はないという。
ウベボードでも石綿が原因?で6人死亡
宇部興産の子会社で建材メーカーのウベボード(山口県宇部市)でも中皮腫などで従業員6人が亡くなっていることが5日、分かった。内訳は中皮腫が2人、じん肺が3人、アスベスト肺が1人。同社では昨年7月まで石綿を使用していた。
米上院司法委、アスベスト被害者補償法案可決・基金14兆円超
米上院司法委員会は26日、アスベストのせいで健康を損なった被害者への補償基金を創設する法案を可決した。アスベストのメーカーや保険会社などの拠出で総額1400億ドルの基金を設ける代わりに、企業側が被害者団体などから訴えられるリスクを軽減する。
審議は上院本会議に移る。法案には被害者側、企業側双方が不満を示しているだけに法案修正を求める動きも浮上しそうで、審議の行方は予断を許さない。
米国内では、建材に含まれていたアスベストを吸い込んだため肺がんや呼吸器疾患になったとする被害者らが、メーカーなどを相手どって各地で集団代表訴訟を起こしている。
高額の訴訟コストが企業を圧迫しているとして、産業界は政府・議会に救済策を求めていた。
2005.07.06 日本バルカー工業
当社のアスベスト疾病発症状況について
http://www.valqua.co.jp/company/pdf/release050706.pdf
日本バルカー工業株式会社(本社:東京新宿区、社長:瀧澤利一)は、現在、深刻な社会的問題となっておりますアスベスト疾病に関しまして、過去にアスベストを製品材料として使用しておりました当社工場周辺住民の皆様方の不安および社会的な影響に鑑み、その健康障害の状況、製造状況をお知らせ致します。
1.アスベスト疾病の発症状況
疾病者の人数は、特定化学物質等障害予防規則が改正された昭和50年9月以降を対象としております。
事業所 | 現在 療養中の方 |
亡くなられた方 | |
中皮腫 | 肺ガン他 | ||
旧厚木工場 | 0 | 2 | 2 |
旧八尾工場 | 0 | 0 | 4 |
新城工場 | 0 | 0 | 0 |
計 | 0 | 2 | 6 |
工事関係子会社 | 0 | 1 | 11 |
注1.上記工場の内、厚木工場と八尾工場は現在閉鎖し、存在いたしません。
注2.工事関係子会社とは日本リンペット工事株式会社(本社:東京都中央区工場:埼玉県東松山市)で、
平成11年3月に解散し、存在いたしません。
注3.工事関係子会社の「亡くなられた方」には臨時工9名を含んでおります。
妻4人がアスベスト死 夫の服に付着? 兵庫・神奈川
アスベスト(石綿)が原因でがんの一つの「中皮腫(ちゅうひしゅ)」になる被害が、石綿を扱う工場の社員だけでなく、その家族にも広がっていることが7日わかった。大手機械メーカー「クボタ」(本社・大阪市)では、旧神崎工場(兵庫県尼崎市)に勤務していた元社員の妻が死亡。神奈川県横須賀市でも、石綿を扱う造船所などの従業員の妻3人が中皮腫で死亡していたことが確認された。いずれも、夫の作業服に付いていた石綿を吸引したことなどが原因とみられるという。クボタは因果関係を認め、遺族に約3000万円の補償金を支払った。
◇
アスベスト被害をめぐり、神奈川県横須賀市の横須賀共済病院と同市立うわまち病院が共同で調査した結果、過去約30年間の中皮腫患者64人のうち、夫が造船所などアスベストを扱う職場に勤務していた妻3人も含まれていることが、7日わかった。
64人は同県三浦半島在住で、72年から03年にかけて共済病院で診察を受けた患者。大部分はすでに死亡しており、妻3人も中皮腫で死亡している。調査にあたったうわまち病院の医師によると、「妻たちは、夫の作業着を洗濯する際に、頻繁にアスベストを吸い込み、中皮腫になった可能性が高い」と話している。
毎日新聞 2005/7/9
石綿 08年完全禁止へ
厚生労働省は8日、現在は製造や使用、譲渡などが原則禁止されているアスベスト含有製品を08年までに全面禁止とする方針を明らかにした。
石綿は天然の繊維状鉱物で、建材や接着剤などに使われてきたが、アモサイト(茶石綿)とクロシドライト(青石綿)は95年に使用禁止とされた。クリソタイル(白石綿)は昨年10月から原則禁止になったが、化学プラントの配管接合部分に使うシール材など、代替が難しい一部の製品は使用が認められている。
「早く禁止措置とればよかった」アスベスト禍で官房長官
細田官房長官は11日の記者会見で、アスベスト(石綿)による健康被害が広がりを見せていることについて「より早く禁止措置がとられれば、よかったと思う。これまでの蓄積がたくさんあり、一種の『蓄積公害』みたいなものだ」と述べた。
アスベスト問題を巡っては欧米に比べ、日本政府の対応が後手に回ったとの批判が出ている。ただ、別の政府高官は11日、アスベストと健康被害の因果関係が明確であるとの立場から「公害ではなく労災だ」と記者団に語り、発生元の企業がまず被害補償などの責任を負うべきだとの見方を示した。
政府は1日以降、3回にわたって関係省庁の実務者による対策会議を開催、調査データの情報共有と実態把握を進めている。今後の対応について、細田長官は「適切に速やかに対応しなければならない」と語った。具体的には、(1)健康相談窓口の開設(2)ビル解体時の飛散防止策(3)労働安全衛生法や大気汚染防止法に基づく対策の強化などを挙げた。
アスベスト死、日立化成でも1人 茨城・下館事業所
日立化成工業(東京都新宿区)は11日、茨城県筑西市の下館事業所の元従業員の男性が、石綿が原因と見られるがん「中皮腫(ちゅうひしゅ)」で死亡し、02年に労災認定を受けていたことを明らかにした。同社は「工場周辺の住民への被害の報告はない」としている。
同社によると、下館事業所では、電機部品のプラスチック部分に使う素材を生産。その原料の一部が63〜00年まで石綿だった。元従業員は同事業所に25年間勤め、退社後の01年に60代で死亡したという。
アスベスト死、東京ガスでも1人
東京ガス(東京都港区)は11日、肺がんで99年6月に死亡した同社の元男性社員(当時64)が、石綿を吸ったことが原因となった疑いがあるとして労災認定を03年に受けていたことを明らかにした。
社員は東京都内の事務所に勤務。住宅の壁に穴をあけてガス管を通す作業を担当していた。
アスベスト、造船3社で24人死亡 国交省が調査要請
アスベスト(石綿)による健康被害が広がっている問題で、朝日新聞社が11日、主な造船会社に調べたところ、退職者を含む従業員の死亡者は少なくとも3社で計24人いることが分かった。これまで、石綿製品を製造した企業を中心に公表が相次いでいるが、それを使う代表的業界にも被害が広がっていた格好だ。国土交通省は造船業界に、石綿製品が原因とみられる従業員の死亡数などを調査するよう要請、近く公表する考えだ。
本社調査は、日本造船工業会や日本中小型造船工業会の加盟社を中心とした75社を対象に電話で聞き取った。49社から回答を得た。
このうち「住友重機械工業」(東京都品川区)では、神奈川県横須賀市の4工場(うち三つは現在は閉鎖)に勤務していた14人が、91〜03年に石綿が原因でおきるがん「中皮腫(ちゅうひしゅ)」で死亡した。2人は治療中という。各工場では75年まで、船内の配管の断熱材に石綿を使っていたという。
また、「JFEエンジニアリング」(東京都千代田区)では89〜05年に、鶴見事業所(横浜市)で4人、清水製作所(静岡市)で2人、津製作所(津市)で働いていた1人が死亡した。3人が療養中という。「日立造船」(大阪市)でも、04〜05年に旧桜島工場(同市)で2人、神奈川工場(川崎市)で1人が死亡していた。この2社の造船部門は、「ユニバーサル造船」(川崎市)に統合されている。
「サノヤス・ヒシノ明昌」(大阪市)の水島製造所(岡山県倉敷市)を退職した1人も中皮腫で療養中という。
調査で「被害者なし」と回答したのは40社。「調査中」は6社だった。
国交省が調査を求めたのは日本造船工業会、日本中小型造船工業会、下請け業者でつくる日本造船協力事業者団体連合会。造船業界での石綿被害の実態把握が目的だ。神奈川県横須賀市の造船所従業員の家族が、死亡したことを受けた。
国交省は「下請けには零細業者も多く、業界全体の完全な把握は難しい」としている。
一方、川崎重工業の兵庫工場(神戸市)で、男性従業員が中皮腫で85年に死亡していたことが分かった。同工場では電車の車両製造などで石綿を使っていた。同社によると、死亡した男性は53年に入社、塗装工などとして勤務した。
石綿被害、マツダも2人死亡 富士重工は1人
アスベスト(石綿)による健康被害が相次いで報告されている問題で、マツダ(広島県府中町)は12日、元従業員2人が、広島市南区にあった旧D工場で石綿を吸い込み、がんの一種「中皮腫(ちゅうひしゅ)」で死亡していたことを明らかにした。2人の元従業員も、中皮腫などで療養中だという。石綿問題で被害をまとめて公表した自動車メーカーは初めて。造船業界に続いて石綿製品を多く使ってきた自動車業界にも波及した格好だ。
同社によると、2人は、88年と91年に死亡した。同工場では59年から71年の間、小型三輪車「K360」、「T600」を製造。1人は同工場に10年、もう1人は9年間勤め、エンジンルームに断熱材を取り付ける作業などに従事した。断熱材には毒性の強い青石綿が使われていたという。
また、療養中の2人は同工場に9年間勤務。4人とも労災の認定を受けていた。
◇ ◇
「富士重工業」(東京都新宿区)の鉄道車両の製造工場に勤務していた従業員が、中皮腫で死亡していたことが12日、分かった。元従業員1人も中皮腫で治療を受けているという。
同社によると、死亡した従業員は宇都宮市の宇都宮製作所で、防音材や断熱材に石綿を使った鉄道車両の製造に従事していた。在職中の98年に死亡、翌年に労災認定を受けたという。
療養中の男性も同工場で鉄道製造に従事。現在、労災認定を申請中という。
日本経済新聞 2005/7/14
「石綿」死者 2000年以降急増
14社調査 大量使用から30年前後 業種さらに拡大
アスベスト(石綿)の大量使用から30年前後の2000年代に入って、中皮腫などの死者数が多様な業種で急増していることが明らかになった。複数の死者が報告された主な企業14社では、04年の死者だけでも41人に上り、1970年代以降の累計死者数(371人)の1割超となった。企業が公表した死者数も計460人を超えた。
石綿の輸入量は74年の約35万トンをピークに90年代から減少。95年に毒性の高い青石綿、茶石綿が使用禁止となり、04年には約8千トンとなったが、石綿の吸引から中皮腫などの発症に至る期間は一般に30−40年間と長く、石綿による健康被害が今後、本格的に増加することも懸念される。
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石綿 遅すぎた禁止
WHO危険断定の15年後 縦割り行政動けず
クボタ社長に聞く
見舞金に独自基準
日本経済新聞(夕刊)2005/7/15
経産省調査 「石綿」死者374人 製造89社 治療中の患者88人
アスベスト(石綿)の健康被害問題で、経済産業省は15日、石綿製品の製造業者89社を対象にした調査結果を発表した。「中皮腫」などでの死亡者数は27社で計374人、治療中の患者数は12社計88人だった。国が同問題で被害者数をとりまとめ、公表するのは初めて。
この問題を巡っては、石綿製品の製造業者のほか、造船、自動車関連などを含む企業の公表べースですでに500人以上の死亡が判明。国土交通省も造船業界などへの調査結果を近く公表する予定で、被害者数はさらに拡大する可能性が大きい。
調査は経産省が業界団体の日本石綿協会などを通じ各社の回答を得た。被害者数には従業員のほか関連会社従業員らを含む。死亡者374人のうち中皮腫での死亡が114人、じん肺が154人で、いずれも労災認定を得ているという。
企業別でもっとも死亡者数が多かったのは、ニチアスの141人。なかでも1937年から昨年まで断熱材などを製造していた王寺工場(奈良県)の死亡者が57人にのぼった。
同省は各社に周辺住民や従業員の家族の被害についても報告を依頼。約7割の企業から回答を得たが、従業員の家族1人の死亡をクボタが回答しただけだった。未報告の企業が多いため、家族については今回の集計には含めず、引き続き報告を求める。
同日、記者会見した経産省住宅産業窯業建材課の富田健介課長は、「これほどの大被害の発生を正直予想していなかった。もう少し早く調査すべきだった」と述べた。
経済産業省が発表したアスベストによる健康被害者数(人)
企業名 | 死者数 | 中皮腫 | じん肺等 | 療養者数 |
阿形工業 |
2 |
0 |
2 |
0 |
曙ブレーキ工業 |
3 |
0 |
3 |
0 |
飯田パッキン工業 |
1 |
0 |
1 |
0 |
ウベボード |
6 |
2 |
4 |
0 |
エ一アンドエーマテリアル |
27 |
8 |
19 |
11 |
神島化学工業 |
1 |
0 |
1 |
0 |
近畿 |
0 |
0 |
0 |
2 |
クボタ |
79 |
43 |
36 |
18 |
光陽 |
3 |
0 |
3 |
2 |
四国浅野スレート |
1 |
0 |
1 |
0 |
双伸ライニング |
3 |
0 |
3 |
0 |
東鐘工業所 |
2 |
0 |
2 |
0 |
東洋スレート |
0 |
0 |
0 |
1 |
ニチアス |
141 |
35 |
106 |
24 |
日清工業 |
1 |
0 |
1 |
0 |
日本インシュレーション |
3 |
0 |
3 |
1 |
日本バルカー工業 |
20 |
3 |
17 |
0 |
ノザワ |
6 |
1 |
5 |
1 |
三菱マテリアル建材 |
2 |
0 |
2 |
0 |
旭硝子 |
1 |
1 |
0 |
0 |
旭硝子ポリウレタン建材 |
1 |
1 |
0 |
0 |
太平洋セメント |
16 |
6 |
10 |
7 |
竜田工業 |
21 |
2 |
19 |
1 |
中谷商店 |
1 |
1 |
0 |
0 |
日清紡 |
2 |
0 |
2 |
0 |
日本機材工業 |
5 |
0 |
5 |
1 |
日本ピラー工業 |
1 |
1 |
0 |
0 |
日立化成工業 |
1 |
1 |
0 |
0 |
ミサワリゾート |
24 |
9 |
15 |
19 |
日本経済新聞 2005/7/30
石綿不使用
87年に方針 省庁・官舎など国の建造物
一般の使用禁止は17年後
石綿を巡る政府の主な対応
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日本経済新聞 2005/7/30
労災認定234事業所公表 石綿被害
9割が製造・建設業
アスベスト(石綿)の健康被害問題で、厚生労働省は29日、1999−2004年度に石綿の吸引が原因で発症する中皮腫や肺がんで労災認定を受けた人がいた234カ所の事業所名を公表した。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/07/h0729-2.html
国民の間に不安が高まる中、事業所各を公表することで、同じ事業所にいた人や周辺の住民らに注意喚起するのが狙い。早期の健康診断の受診を呼びかけている。
同省は事業所名の一覧をホームページで公開している。
第1表 建設事業を除く http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/07/dl/h0729-2d1.pdf
第2表 建設事業
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/07/dl/h0729-2d2.pdf
船員 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/07/dl/h0729-2d3.pdf
同省によると、04年度までの6年間に労災認定を受けた531人が所属していた383カ所のうち、所在地などが確認できた224カ所の事業所名を公表した。
業種別では、製造業が48%、建設業が43%と、両業種で9割以上を占めている。製造業では船舶と窯業・土石関係が多かった。労災認定は事業所の所在地に基づくため、多くの現場を転々とした建設労働者らが実際に石綿被害を受けた場所は異なるケースも含まれている。
2005/8/5 日本経済新聞夕刊
アスベストに損保が免責特約 被害増を察知、「保険」かける
アスベスト(石綿)の健康被害を出した企業が、アスベスト被害を「免責」とする保険契約を結んでいた。米国での訴訟増大を懸念した損害保険各社が求めたもので、企業も潜在被害を承知していたことになる。企業も損保も、被害が出れば国の労災補償に頼る判断だったようだ。
問題は、そうした企業と保険会社の契約が従業員に十分知らされていたかという点と、労災は従業員の健康被害を補償しても、家族や周辺住民はカバーできないという点だ。しかも年齢ごとに支給額の上限がある。例えば、50歳代前半の従業員が死亡し、受給者が妻一人なら、一時金を含む支給金は最高で1千万円を少し上回るだけ。
被害が多発する企業は賠償金支払いで行き詰まる可能性もある。だからこそ企業の賠償力を担保する民間保険に意味がある。
アスベスト被害で解散企業の責任負担 住友大阪セメント
兵庫県尼崎市に73年まであったアスベスト(石綿)建材会社「関西スレート」(01年解散)の工場近くで幼少期を過ごし、石綿が原因とされる中皮腫(ちゅうひしゅ)になった女性(45)に対して、同社に後から資本参加した「住友大阪セメント」(本社・東京都)が19日までに、見舞金200万円を支払うことを決めた。
関西スレートは73年に同県加古川市に移転。78年になって旧・大阪セメント(現在の住友大阪セメント)が資本参加し、「ダイスレ工業」に社名を変えた。だが、経営不振で00年12月に工場を閉鎖、01年3月に会社は解散した。
クボタ、石綿被害者に最高4600万円
兵庫県尼崎市の大手機械メーカー「クボタ」旧神崎工場の周辺住民に石綿(アスベスト)による健康被害が広がっている問題で、同社と「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」などの患者・支援団体とが補償内容について合意し、クボタが17日午後、発表した。
工場から1キロ圏内に居住・勤務歴がある人で、中皮腫や肺がんになった患者・遺族に4600万円〜2500万円を救済金として支払う。そのほかの救済策は、クボタと患者支援団体が代表者を出し合う協議機関で話し合いを続ける、が主な内容。まず、これまで一律200万円の見舞金・弔慰金を認められた88人を対象に、総額32億1700万円を支払う。
「人民網日本語版」2006年8月30日
日本のアスベスト規制、中国がWTOで交渉継続
国家質量監督検疫検験総局によると、日本は「外国為替及び外国貿易法(外為法)」の改正により、石綿(アスベスト)含有製品の輸入を9月1日から禁止する。アスベストはブレーキ用の摩擦材として中国製自転車のブレーキシューに広く使用されている。このため同局は、日本向け輸出製品にはアスベストを含有しないブレーキを使用するよう各企業に呼びかけている。
今回の日本の措置は公布から施行までがわずか1週間で、アスベストの含有制限は、従来の製品重量の1%から0.1%に厳格化された。同局は、これに関する技術報告が出されておらず、世界貿易機関(WTO)の規定に違反するとして、引き続きWTOを通した交渉を継続する考えだ。
平成17年9月27日
アスベスト含有部品を使った製品輸入を規制 外為法に基づく告示改正
アスベスト含有部品を使った製品輸入を規制する目的で、経済産業省は「外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく告示」の改正を行い、平成17年9月27日に公布、施行した。
今回の改正は、アスベスト含有部品や資材を含む製品の輸入時に、経済産業大臣の承認を受けなければ輸入できないとする内容。
対象となる部品・資材は、石綿セメント円筒、押出成形セメント板、住宅屋根用化粧スレート、繊維強化セメント板、窯業系サイディングなどの建材、クラッチフェーシング、クラッチライニング、ブレーキパッド、ブレーキライニングなどの摩擦材、接着剤−−のうち、重量の1パーセント以上アスベストを含むもの。
これらの部品・資材は16年10月に公布、施行された労働安全衛生法施行令の改正内容でも、製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されている。
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経産相会見
・・・それから、アスベストに関して、例の中国から輸入された自転車のブレーキにアスベストが使われているということがわかりまして、これは労働安全衛生法上は輸入は禁止されており、アスベストを使ったブレーキは外為法上輸入禁止ですけれども、そのブレーキを使った自転車は外為法上輸入ができるといういままでの法制度のルールは実態と合わないということで、厚生労働省と協議しまして、外為法上もアスベストを使ったブレーキを使った自転車も輸入の承認をしないということを今日付けで決定したところでございます。
アスベスト:釜山でも中皮腫多発 ニチアス合弁跡地で
耐火材メーカーのニチアス(本社・東京都港区、旧日本アスベスト)が出資して1971年、韓国釜山市に設立した石綿工場の跡地周辺で、石綿がんの中皮腫が多発していることが分かった。発症率は、他地域の10倍に達している。中皮腫の潜伏期間は30〜50年とされており、今後の被害拡大が懸念される。
ニチアスの社史など複数の資料によると、社員を派遣するなどして現地で71年に技術、資本援助して合弁会社「第一アスベスト」を設立し、石綿布を生産した。一方、ニチアスの国内4工場はいずれも71年に青石綿の使用を中止した。71年には「特定化学物質等障害予防規則」が施行され、石綿粉じんの排気装置の基準が定められた。
11月23日 NHK
国際アスベスト会議 始まる
世界各国のアスベスト被害の実態や救済のあり方について意見を交わす国際会議が横浜市で開かれ、日本よりも幅広く被害者を救済している海外の実情が報告されました。24日は、日本の企業が操業開始にかかわった韓国の工場の跡地周辺で住民に中皮腫の被害が出ている実態などが報告されることになっています。
すべてのアスベスト被害者・家族に公正・平等な補償を求める
11.23−24国際アスベスト会議
http://park3.wakwak.com/~banjan/kokusaikaigi.html日時
2007年11月23日10:00(9:00開場)〜17:30
18:00〜 結成20周年パーティー2007年11月24日10:00(9:00開場)〜17:30
場所
パシフィコ横浜アネックスホール
主催:石綿対策全国連絡会議
〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1Zビル5階
пi03)3636-3882/FAX(03)3636-3881
E-mail:banjan@au.wakwak.com