千葉ポリプロの設立
住友化学最近20年史より
ポリオレフィンの設備処理と共販会社の設立
産構法に基づく構造改善基本計画
ポリオレフィン製造業では二次にわたる石油危機の影響により原料であるナフサ価格が急騰した。この結果、製造原価に占める原材料エネルギーコスト比率は8割を占めるまでに上昇し、国際競争力は急激に低下して輸出も急減した。安価な輸入品の影響と過当競争により市況は大幅に下落し、深刻な不況に陥った。
昭和58年5月、エチレン製造業12社とポリエチレン製造業5社の社長会で構造改善に対する基本事項が合意され、直ちに産構法の業種指定を申し出た。両業界は6月に特定産業として政令指定され、63年6月末の目標期日まで「過剰設備の処理および生産、販売など各分野における合理化」を重点に構造改善を行うことになった。
58年6月に告示されたポリオレフィン製造業の構造改善基本計画では、過剰設備として58年8月現在のポリオレフィン年産能力の22%に当たる90万2000t分を処理することになった。その内訳は、高圧法ポリエチレン(LDPE)は年産能力の37%に当たる63万7000t、中低圧法ポリエチレン(HDPE)は同25%に当たる26万5000tの設備であった。なお、ポリプロピレンは設備の過剰度がそれほど大きくなかったので、設備処理の対象とはならなかった。(中略)
設備の新設、増設および改造は、目標期日までの間は行わないとした。なお、更新、改良は制限しないが、設備能力増となる場合には、自社の残存能力範囲内に止めるようにすることになった。
さらに、共販会社を設立し、生産、販売など各分野における合理化を推進することとした。また、事業者は、気相法、低圧法などの新製法設備や省エネルギー設備の導入を図る投資を積極的に行い、新商品の開発や新技術の開発を推進することとした。なお、直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレンの設備投資については、需要見通しに照らして目標期日までの投資調整が行われることになった。
業界の対応
構造改善の具体的な対策としては、まず共販会社を設立し、生産、販売、流通など各分野における合理化を推進することであった。これを受けて業界では種々検討した結果、別表のとおり、住友・興銀系のユニオンポリマー、三菱系のダイヤポリマー、三井系の三井日石ポリマー、その他系のエースポリマーの四つの共販会社が設立された。(中略)
当社の対応
共販会社に対する取り組みでは、当社は宇部興産、東洋曹達、チッソ、徳山曹達および日産丸善ポリエチレンの各社とともに58年6月、「ユニオンポリマー株式会社」(資本金4億円、当社出資比率18%)を設立し、7月から営業活動を開始した。(中略)
新開発した気相法ポリプロピレンのプラントを60年10月、千葉工場に完成させたが、投資調整のルールに従い、この設備については、59年12月に運転停止していた愛媛工場の年産能力6000tの重合設備の廃棄、更新分として、同一能力の設備としたため、当社のポリプロピレン設備能力は不変であった。-------------------------------
上記の気相法PP(5CR)について、同じく最近20年史より
汎用樹脂の合理化 一 ポリプロピレンの新製法開発
ポリプロピレン製造の第二世代技術であるバルク重合法(BPP)を完成した昭和49年に第三世代技術である気相重合法プロセスの開発に着手した。同法はアタクチックポリマーと触媒残渣の除去をまったく行わない画期的なもので、建設費は第一世代の50〜60%、第二世代と比較しても80〜90%と見込まれた。同時に溶剤の精製が不要でリサイクルモノマー量も少ないためエネルギー原単位も向上し、大幅なコストダウンが図れるプロセスであった。
気相重合法プロセスの歴史は古く、昭和30年代には各社から特許が出されたが、触媒性能の難しさ(重合活性と規則性)から実際に開発に成功したのは、44年のBASF社が最初であった。しかし、当初のBASF法は規則性が低い触媒のためアタクチックポリマーが25%も副生し、同法の製品は通常のポリプロピレンとは著しく物性の異なるもので、通常品と変わらない品質のものになったのは触媒の改良が進んだ後年のことであった。アモコ社、UCC社、ハイモント社、三井石油化学など各社も独白の方法に取り組み、各社各様のプロセスが提案されていた。
当社は当初バルク重合法プロセス用のパイロットプラントを転用して研究を行い、その知見に基づき53年愛媛製造所内に気相法の専用パイロットプラントを設置し、企業化へ向けて本格的検討を開始した。続いて56年10月、愛媛製造所にセミコマーシャル規模の気相重合法プラントを設置、スケールアップデータの採取と製品試作を行い、試作品による市場評価も開始した。
PP製造の鍵となる気相重合用触媒についても改良研究を進め、当社独白の第三世代触媒の開発にも成功した(*)。この触媒は重合活性が高く脱灰を必要としないばかりでなく、規則性の非常に高いのが特徴であった。さらに粒径分布が極めて狭く、共重合における重合パウダーの粘着性の問題も解決したので、例えば、ブロックコポリマー製造時にEPゴム成分を多量に含むポリマーの製造が可能になるなど非常に優れたものであった。
これらの成果を踏まえ、60年10月に千葉工場内に年産能力6000tのコマーシャルプラントを完成した。なお、当時産構法によりポリプロピレンの設備投資調整が行われていたので、当社はこのプラントを建設するため愛媛工場の老朽化していた年産能力6000tの設備を廃棄した。
このプラントではホモポリマー、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーの製造が可能であった。ホモポリマーは規則性が高く、剛性・耐熱性に優れた製品が得られ、また、ランダムコポリマーはコモノマー含量の高いものの製造が可能であり、ブロックコポリマーはゴム含量の高いものまで製造できた。つまりこのプラントは本質的に従来のプロセスに比し広範囲な品質の製品を製造できる特徴を有していた。さらに経済性にも優れていたので、千葉ポリプロ、シンガポールのTPC、アメリカのフィリップス・スミカ・ポリプロピレン社などへ技術供与した。
* 上記の「当社独白の第三世代触媒」はDX−V-----------------------------
当社はユニオンポリマーに参加したが、同社に属するPPメーカーは住化、宇部興産、チッソ、徳山曹達の4社で、それぞれの能力は以下の通りであった。(1983/8)
住化 144千t 11.5%
宇部 105 8.4
チッソ 156 12.5
徳曹 95 7.6
ユニオン計 500 39.9
全国 1,252 100.0
これに加えて産構法期限切れを前に東洋曹達が、新大協和石化のプロピレンの有効利用のためPP進出を図り、UCCのガス法技術の導入した。
最近20年史より
ポリプロピレン生産体制の強化
千葉ポリプロの設立
ポリプロピレンの需要は自動車、家電製品などの成形部品分野が当初懸念されていたほどの落ち込みがなく、フイルム分野を含めて予想以上の好調を持続し、この基調はしばらくの間持続すると見込まれた。一方、供給面は産構法による規制下で、みるべき能力増強を実施することができないままに推移してきた結果、能力不足が顕在化し、早急に対策を講じなければならない状況になった。
当社の予測では全国のポリプロピレン需給状況は、昭和60年の内需が124万7000t、輸出が8万3000t、合計133万tで、65年の予想は含有フィラー(充填剤)約5万tを除く純ポリプロピレンベースで内外需合計145万6000tを見込んでいた。これに対する供給能力は公称能力の133万2000tに、休止設備および増産分を加えると153万2000tであった。そこで90%操業を前提にすると、65年で約8万tの不足が見込まれ、以後、毎年4万〜4万5000tのぺ一スで不足量が拡大する計算であった。このうち当社の需給バランスは65年(フルベース)で約1万tの不足が見込まれ、特にブロックコポリマーの不足が深刻とみられた。
このような見通しから、千葉工場での自社設備増設、他社の増設計画への参加、シンガポールでの増設など種々の案が検討された…(以下略)-----------------------------
住友化学では産構法の期限切れを控えた1986年10月に経営会議にポリプロ増設問題を付議した。
具体的な増設計画ではなく、業界事情を勘案して4つの増設ケースについて先ず議論をしてもらうというものであった。同時にTPCでのPP増強についても付議した。
当日の経営会議の資料の中でPP業界事情を詳細に説明している。
経営会議ではPP業界事情を説明した後、以下の4ケース(本命は1)を今後検討していきたいとした。(資料 経営会議資料)
1)ユニオングループの共同投資で千葉で増設
準国家管理のチッソについては別扱いの可能性
2)グループの何社かとの共同投資
3)5CRの増設
4)他社計画への参加
経営会議の席では森社長はポリプロ委員長会社として国内増設は業界に波紋を起こすとして反対した。経営会議の議論は以下の通り。元々結論を得ようというものでなく、将来の提案のためのPR、意見交換のためのものである。--------------------
経営会議議事録(1986年10月14日)
1.当社ポリプロピレン増強計画
小松原取締役より、当社ポリプロピレンの能力増強につき業界事情との絡みで将来の可能性を4つのケースに基づいて、その構想と考え方についての中間的報告があった。
また塚常務より以下の追加説明があった。ポリプロピレン増設問題は通産省の指導もあり、今、なりを潜めているが、旭化成、東曹、日石(川崎)、チッソ、東燃石化、三菱化成などが新増設を強く希望しているので、今後調整を要する重要な問題である。
当社としてはユニオンポリマーグループの中で議論を始めたい。ユニオンの中で東曹は独自で四日市でやりたいといい、チッソは国家管理の下で独自にやりたいといっているが、宇部、徳山は当社と共同歩調をとるだろう。以上に基づいて議論が行われたが、主要意見は以下の通りである。
社長 :本提案(ケース@、A)を業界に出せばまとまりがつかず、産構法後は全くフリーの状態になってしまう。それがいやなら、当社としてこの様な案を出すべきではない。当社としてはポリプロピレンの能力不足は生じないので増設はさせないというのが最初の提案でなければならない。それが受け入れないなら当社はシンガポールで増設して持ち帰るべきで、千葉でやるのはとんでもない。もう一つの案は次回は必ず東曹(四日市)をやらせるから今回はチッソ又は当社で増設をし、それにジョインしろと提案するとまとまるかも知れない。
小松原取締役 :時期を明示すれば東曹は応じると思う。しかしそのようなことをして東曹の新規参入を助けることはない。勝手にやらせて失敗させればいい。
伊藤専務 :日本の石化は瀕死の状態に陥ったが話し合いでようやくここまできた。こんな業界情勢ならもう一度戦うか、話し合うしかない。
岡野専務 :レッセフェールはいけない。今日の共販と業界の協調は得難いものであり、これを大切にする必要がある。先般スペインでの会議では、日本の共販体制のことばかりが話題になり、欧州の化学業界人の意見は、この成功を見習わなければならないというものばかりだった。--------------------
経営企画室が同日に提案したTPCのPP増強計画は、バルク法120千tに加え、ガス法で36千tを建設して需要増大に対処するとともに、PCSの余剰プロピレン対策も考えたものである。 詳細は別項(シンガポールPP増設)
この席で武内常務が「シンガポールという沈みかかった船に投資をすることは賛成できない」と強硬に反対した。賛否両論で結論が出ず、半月後の10月31日に再度議論し、了承された。
TPCのガス法設備は1989年秋に完成、11月から操業開始した。当初は新触媒のDX−Vがうまく動かず、DX―Wへの変更さえ検討したが、ぎりぎりで動いた。千葉ポリプロの完成はこれより半年遅れ、1990年6月である。TPCでの実績を利用した。
その後、ユニオンポリマー内で議論を重ねた結果、宇部興産、徳山曹達は共同で住化の気相法によって競争力のある新鋭プラントを建設することで基本的に合意に達した。
東洋曹達は既述のとおり、UCCガス法を導入してPP業界に参入することを強く希望した。住化としては同社に対し、PP業界への進出は認めるが、最初から自社生産などを考えず、先ず千葉の共同生産計画に乗るべきだと説得した。しかし同社はどうしても四日市でやりたいと主張し、千葉計画への参加を拒否した。
結局、同社は1988/7 チッソとのJV・四日市ポリプロを設立し(ユニオンが5%出資、両社折半)、四日市にチッソ技術でPP 40千t設備を建設した
1995年10月、東ソーはPP事業から撤退し、チッソに営業権を譲渡した。
(現在、四日市PPの出資比率はチッソ80%、東ソー20% 〔実質チッソ100%〕 能力 65千t)* 後に千葉ポリエチレンを共同で設立する際に、PPも千葉に乗っておけばよかったとのコメントが出た。
千葉ポリプロの設立問題については、塚専務の希望で、元ユニオンポリマーでポリプロを担当し、ユニオン社長でPP委員長でもあった塚専務を補佐した小川部長及び筆頭部長であった石母田部長が担当した。
当初、小松原事業部長は研究開発も含めた本来のJVとしようと主張し、両部長はその線で走り始めた。
筆者は小松原事業部長に、このJVは産構法がらみの方便にすぎず、住化としてはシンガポールでの拡大や米国計画も含め、独自の路線を取るべきだと説得し、急遽方向転換した。
1988年3月、PPの合弁計画を経営会議に付議した。(資料 経営会議資料)
この場では大枠が承認され、6月に再度経営会議にかけ、了承を得た。
両経営会議の議論は以下の通り。
経営会議議事録(1988年3月15日)
ポリプロピレン共同投資の件森社長 :住化ガス法で、どういった製品が出来るのか、パートナーに言っているのか?
福井事業部長 :特殊グレードは製造しないつもりだが、宇部はつくって欲しいといっているので、JVでなく当社でつくったものを供給しようと考えている。
森本副社長 :欲しがっているものをつくらないでやれるのだろうか?
社長 :JVでの製造は汎用品で、特殊品は別ということにせねばならない。
福井GM :技術内容をどこまで各親会社に開示するか難しいが、あまり教えないようにして、汎用品だけとしたい。そのかわり、技術料は安くなるかも知れない。JVの運営はシンプルなものにしていく。
水野専務 :10グレード程度を1.5ヶ月でワンサイクルさせていくと考えている。
社長 :6CRで特殊品を製造しないのなら、ガス法を採用する意味が減ってしまうのではないだろうか?
福井GM :既存法に比べ若干コストが安い。仮に新設同士で比べると5〜6円/kg 安くなる。
水野専務 :気相法にしておくことは、将来の新グレード開発を考えているためである。
社長 :当社はそうだが、JVの相手はどうみるか?
福井GM :ガス法の汎用グレードでもガス法ということでマーケットに対しても意味がある。
副社長 :6CRで特殊品をつくらないのならJVにしてもうちとしては手足が縛られるだけで、意味がないのでは?
福井GM :固定費は縦割りだから生産性が落ちるのを承知でうちの分だけ特殊品をつくることができる。
塚専務 :そうしたら他社も欲しいと言ってこよう。
副社長 :ガス法のメリットがいかんなく発揮できないといけない。とはいえ、当社の手が縛られるのは困る。
福井GM :当社の手が縛られることはない。
社長 :特殊グレードが増えてくると運営方法が変わってくるかも知れない。はじめは汎用でいこうということである。
水野専務 :DX−Vでやりたいと思うが、まだ十分確認されていない。触媒プラントを建設する必要がある。
伊藤専務 :低グレードのものをJVでつくり、いいものは出さない。そうしないと特殊品を開発した意味がない。
塚専務 :他社はいいものを欲しいと言い、うちは余り出したくないという。どの辺りで線を引くかがポイントだろう。
福井GM :技術を出さないで技術料は安くしていくことがいいと思う。
水野専務 :技術の開示はミニマムにしたい。
塚専務 :まだ具体的な話に入っていないが、うちがあまり頑張って話が潰れてしまっても困る。チッソ、東曹の話はまだまとまっておらず、東曹は当面韓国品を引いてくるようである。
副社長 :大枠は提案の線で進めていこう。
経営会議議事録(1988年6月16日)
森本副社長 :ポリマーでの合弁の経験は薄い。グレードのビジネスは複雑であり、運営管理はきっちりやらないといけない。
福井GM :事業部でバックアップしないといけないと思っている。
塚専務 :各社の間で運営協議会のようなものをつくりたいと考えている。
副社長 :やたらとサービスすることもないが、あまりがめつくしてはいけない。フェアにやることが大切である。
塚専務 :徳曹がもっと引き取りたいと言っているので、生産が6万t以上出た時は配分を考え直すことにしている。
水野専務 :技術料2億円の内、エンジニアリングコストとして1億円かかっており、利益は残りの1億円くらいにしかなっていない。
株主には技術内容を開示しないので安くしている。
伊藤専務 :エンジニアリングフィとノウハウフィを分けておかないと、次ぎにやる時、不明確になる。
水野専務 :はっきりさせない方がいいと思う。エンジニアリングの方ははっきりする。技術料はとっていないという立場である。JVの仕上がりコストが問題になるのだろう。
伊藤専務 :ガス法の研究者に対し評価が低いというのはまずい。
社長 :ライセンス料2億円としておくと問題にならぬか?
副社長 :汎用品しかやらないということで参加会社は満足するのか? 他のJVでガス法の新製品を生産すれば我々のグループでも欲しいというようになる。
福井GM :宇部が新しいものを欲しいと言えば別途のアレンジをしようと思っている。今のところは汎用だけでいくことで合意している。
副社長 :汎用だけだとたいした技術料も取れない。
伊藤専務 :この技術は特殊グレードをつくるという部分と、汎用グレードでもガス法だと安くつくれるという部分がある。汎用品だけの生産でもガス法を利用するのであれば技術料はとれる筈である。
塚専務 :汎用でないと公取の方もややこしい。特殊品は別のアレンジを行う。
副社長 :ガス法でしか出来ないグレードを欲しがらないというのならいいが、そうでないと将来問題が出てくるのではないか、気にかかる。
福井GM :応用問題は可能だが、運営の基本に持ち込むとややこしくなる。コストの安いもので走りたい。技術は開示したくない。特殊グレードは出したくないというのが基本である。
社長 :あとあと問題にならないように記録をしておくべきである。
福井GM :JVと住化の間で60億円で請け負う時、ライセンス料を明示すべきかどうか考えてみる。
1988年7月、「千葉ポリプロ有限会社」を設立した。
[新会社設立の概要](最近20年史より)
(1) 合弁会社設立
@ 参加会社ならびに出資比率
当社(47.5%)宇部興産(31.7%) 徳山曹達(15.8%)
ユニオンポリマー(5.0%)
A 資本金 5億円
B 社名 千葉ポリプロ有限会社
C 設立時期 昭和63年7月1日
(2) 年産能力 6万t 1系列
(3) 引取枠 当社3/6 宇部興産2/6 徳山曹達1/6
(4) 立地 当社千葉工場内(袖ヶ浦U地区) 当社から貸与
(5) 工期 昭和65年(平成2年)1月末完成予定
なお、ユニオンポリマーの合弁会社への出資は、同業グループの事例や共販会社の実質化、一体化の観点から参加が望ましいとの判断から実現したものであった。
また、当社は本計画に伴うプロピレン精留および受け入れ関係設備について、既存の姉崎地区エチレンプラントに隣接する精留ゾーン内に精留塔などを増強し、精留能力を引き上げるとともに、姉崎のタンクの受け入れ能力の増強工事、プロピレン、エチレンなど原料配管の新設、電源設備の増強などを行った。
このポリプロピレン生産設備は平成2年6月に完成した。主としてポリプロピレンの汎用グレードを生産し、共同販売会社であるユニオンポリマーを通じて販売するもので、汎用樹脂共同事業化の先駆けとして注目された。
千葉ポリプロ設備は1990/5に稼働した。当初能力は6万tだが。その後、8万t。
1990/12 宇部ポリプロを設立した。
出資比率は、宇部 47.5%、住化 29.69%、徳曹 17.81%,ユニオン 5%。
宇部技術で住化のDX−V触媒を使用、能力8万t。
引き取り比率は宇部 40千t、住化 25千t、徳曹 15千t。------------------
1995年頃の住化のPP能力は以下の通り。
既存5系列 公称 195千t(実質 203千t)
千葉ポリプロ 30 ( 40 )
宇部ポリプロ 25 ( 25 )
合計 250 ( 266 )
1995年10月、宇部が三井石化とのJV、グランドポリマーを設立したのに伴い、宇部の千葉ポリプロ株と住化の宇部ポリプロ株を交換し、同時にユニオンも解散したため、宇部ポリプロは宇部(後にグランドポリマーに株を譲渡)81%、トクヤマ 19%となった。
千葉ポリプロについては同様に、住化 83.3%、トクヤマ 16.7%となった。
2000年に入り、住化・三井の統合が発表された。
2001年、トクヤマがPPから撤退し、出光に営業譲渡(製造は受託)することを発表。トクヤマは千葉ポリプロから撤退し、同社は住化の100%子会社となった。<関連記事>
(日本経済新聞 2000/11/18)
汎用樹脂統合前倒し 住友化学・三井化学
2003年10月の経営統合を決めた住友化学工業と三井化学は17日午後、都内で記者会見し、主力の汎用樹脂事業は統合を前倒しし、2001年10月までに共同出資会社を設け両社の設備や営業部門を移管することを明らかにした。統合後は2005年をめどにシンガポールに1千億円以上を投じて石油化学プラントを増強、外資系化学会社との国内外での本格競争に備える。医農薬などでも企業の合併・買収(M&A)を進め一段の拡張戦略をとる。(以下略)
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(Chemnet Tokyo 2001/1/29)
トクヤマ、ポリプロ事業から事実上"撤退" 出光石化と製造新会社、営業権譲渡
出光石油化学とトクヤマは29日午後、PP(ポロプロピレン)の事業提携で基本合意した、と発表した。
両社でPP製造の新会社「徳山ポリプロ有限会社」を設立し、2003年1Q(1〜3月)完成を目標に年産20万トン規模の新鋭プラントを建設、トクヤマの現有16万トン設備を廃棄する。またトクヤマは、今夏をめどにPPの営業権と研究を出光石油化学に譲渡する。これによりわが国ではグランドポリマー、日本ポリケム、モンテル・エスディーケイ・サンライズに続き4番目のPPアライアンス会社が誕生する。出光石化のPP生産能力は千葉工場の年産40万トンと合わせて60万トンとなり国内第3位、しかし営業権を譲渡するトクヤマは、事実上同事業から"撤退"することになる。(中略)
三浦社長には「撤退ととれるが、なぜプラントを工場に残すのか」「千葉ポリプロ、宇部ポリプロとの関係はどうなるのか」などの質問が出た。これに対し同社長は「撤退ととられても止むを得ないが、徳山コンビナート全体の競争力を強化していくことが当社にとって最重要の課題、最良の選択ができた」、また関係会社との問題については「きょう基本合意できたばかりなので、両社にはまだ説明していない。しかし住友化学、三井化学両社は10月に統合新会社を設立される。当社も営業譲渡するし、これ以上両社とパートナーであり続けることは難しい。近く話し合うつもりだ」と語った。
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(日刊工業新聞 2001/7/10)
住友化学 トクヤマとの合弁解消 千葉ポリプロ完全子会社に
住友化学工業は9日までに、ポリプロピレン(PP)製造の千葉ポリプロ(東京都中央区)を共同運営していたトクヤマとの関係を解消し、千葉ポリプロを完全子会社としたことを明らかにした。持ち分に応じて双方が引き取っていた千葉ポリプロ生産量のすべてを住友化学が引き取る。PPをめぐって、住友化学は合併を控えた三井化学と10月に事業を統合する一方、トクヤマは出光石油化学(東京都墨田区)と提携しており、両陣営の勢力図を明確にすることが必要と判断した。
住友化学が全額出資の子会社とした千葉ポリプロの資本金は4億7500万円。住友化学の千葉工場内(市原市)で稼働しているPPプラントの生産能力は年間8万トン。住友化学はトクヤマの持ち分16.7%のすべてを譲り受けた。
千葉ポリプロは88年7月に住友化学が45.7%、宇部興産が31.3%を、トクヤマが15.7%などを出資して設立した有限会社。95年に宇部興産が全持ち分住友化学に譲渡したことから、住友化学とトクヤマの共同運営となっていた。
住友化学は三井化学と2004年の合併に先行してPPとポリエチレンの両合成樹脂事業の統合を計画しており、PPの合計生産能力は年間96万5000トンで、国内シェアは32.8%。
一方、トクヤマは出光石化にPPの営業権を譲渡すると同時に、折半出資で製造会社を設立している。現在の双方プラントを合計した生産能力は57万3000トンでシェアは19.5%。
トクヤマは03年稼働で新設する年産20万トンのプラントを出光石化と共同運営するなど双方は関係を深めている。PPをめぐる合従連衡が加速する中で、独占禁止法も視野に「住友−三井」化学連合との関係見直しが課題となっていた。