Jパワー上場 電力自由化へ対応、課題
成否握る新規事業の育成
■完全民営化
同社の株式(計1億3880万株)は、政府出資の民営化ファンドが83%、沖縄電カを除く電カ9社が17%を保有していた。上場に伴い国内外から3750億円を資金調達、ファンドは借入金などを返済した後約1200億円が国庫に入る。
9電力の保有株売却は、電カ自由化をにらみ、電力会社と資本関係を断ち切るのが目的。上場前は東京が5.07%、関西と中部も3%台を保有していたが、今後は顧客であると同時にライバル関係にもなる。
■財務基盤
■価格競争の波
Jパワー 正式名は電源開発。戦後の電力不足を補うため政府が1952年、電源開発促進法に基づく国策会社(特殊法人)として設立した。発電設備は石炭火力や水力を中心に67カ所あり、能力は東北電力に並ぶ1637万キロワット。電力は東京電カなど電力10社に卸供給している。民営化は、橋本内閣の特殊法人改革で97年に決まり、03年に法律上は民間会社になっていた。 |
電源開発株式会社
http://www.jpower.co.jp/
コミュニケーションネーム | J-POWER | |
設立 | 1952年(昭和27年)9月16日 | |
資本金 | 152,449,600,000円(2004年3月31日現在) | |
従業員数(単体) | 2,386名(2004年3月31日現在) |
J-POWERが取り組んでいる事業
卸電気事業で培った技術力をコアに事業領域を拡大
電源開発株式会社(Jパワー)は、2019年6月26日開催の取締役会において、米国現地法人(J-POWER North America Holdings Co., Ltd.)を通じて、米国イリノイ州シカゴ近郊に120万kWのガスコンバインドサイクル(以下、CCGT)であるジャクソン発電所を建設することを決議致しました。
Jパワーは2005年に現地法人を設立。長期売電契約付の既設案件の一部権益買収案件(2006年、フロンティア発電所)により米国電力市場へ本格参入を果たし、その後長期売電契約付の新規開発案件(2010年、オレンジグローブ発電所)、さらには自由化市場向けピーク電源の権益買増案件(2016年、エルウッド発電所)、自由化市場向けCCGTの一部権益買収による建設初期段階から開発参加(2017年、ウェストモアランド発電所)と、米国電力市場で様々な知見を蓄積してまいりました。
本開発事業は、米国で最も大規模な自由化市場であるPJM※1市場内のComEd※2地域において、Jパワーが2007年から運営参画してきたエルウッド発電所の隣地に発電所を建設するものです。ジャクソン開発地点は、大需要地であるシカゴ都市圏近傍です。
※1:PJMは、米国東部地域における独立系統運用機関(IndependentSystem Operator)で、北米最大の卸電力市場の運営、電力システムの運用を行っている。運営地域はその名の通りペンシルバニア・ニュージャージー・メリーランドから始まり、現在はデラウェア・イリノイ・インディアナ・ケンタッキー・ミシガン・ノースカロライナ・オハイオ・テネシー・バージニア・ウェストバージニア・ワシントンDCも含んでいる。
※2:ComEdは、PJMにおける西端のゾーン名称。送電事業者であるCommonwealth Edison社の管轄地域(イリノイ州北部)であることからComEdゾーンと呼ばれる。
2016年以来、米国現地法人のJ-POWER USA Development Co., Ltd.は、米国における10年以上の発電所運営経験を活かし、自社開発案件として、ジャクソン発電所の開発を進めてまいりました。
2019年6月26日に発電所建設に着工し、2022年4月の営業運転開始を目指して建設工事を進めて参ります。ジャクソン発電所は、Jパワーにとって米国市場では累計12件目、PJM市場では同5件目となります。Jパワーは、2015年に発表した中期経営計画に基づき、自由化の先進市場であり、豊富な事業機会が見込める米国において、多様な販売形態を取り入れながら業容拡大を図るとともに、2025年度の海外持分出力1,000万kWの実現を目指して、海外発電事業を推進して参ります。
以上
ジャクソン発電所プロジェクト概要
場所
イリノイ州ウィル郡エルウッド村、シカゴ市街地より南西約70km
発電方式
ガスコンバインドサイクル
出力
120万kW(60万kW×2ユニット)
燃料
天然ガス
事業会社名
ジャクソン・ジェネレーション社(Jackson
Generation,
LLC)
販売先
自由化市場であるPJMにてマーチャント運営
着工時期
2019年6月26日
運開時期
2022年4月(予定)
当社出資比率
100%