2019/10/15
つばめBHB、エレクトライド触媒を用いたアンモニア製造パイロットプラント 竣工
つばめBHBは10月7日、味の素・川崎事業所内に設置する同社のR&Dセンター川崎分室において、年間数10トンの生産を可能とするオンサイト・アンモニア製造パイロットプラントを竣工したと発表した。
従来の化成品は大規模な工場で大量に生産されるが、オンサイトは必要としている場所で、必要な分だけ生産する省エネルギー型生産手法。
このパイロットプラントは、東京工業大学の細野秀雄栄誉教授らが発見・発明したエレクトライド触媒を用いたアンモニア製造装置であり、今月より連続運転を開始する。
科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業「エレクトライドの物質科学と応用展開」の研究開発による。
今後、連続運転を通じて長期耐久性、最適な運転条件などの実用化に向けた各種データを取得し、年産数千から数万トンスケールのオンサイトアンモニア製造装置の量産に向け、準備を進める。
その後、味の素の国内外発酵素材工場に本技術を導入し、2021年頃を目処に世界初のエレクトライド触媒を用いたオンサイトアンモニア生産の実用化を図る。
将来的には様々なパートナー企業と連携し、農業肥料、食品・医薬品、化成品等への適用拡大を図り、より環境に配慮したサステナブルな生産システムの実現を通じて社会への貢献を目指すとしている。
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現在、アンモニアは Haber–Bosch
法により、窒素ガスと水素 ガスから工業的に合成されている。
しかし、高温・高圧の過酷な反応条件( 使用されている鉄系触媒では約400〜500°Cかつ10〜30MPaと、 高温・高圧下での反応が求めら る)が必要で、 高いエネルギー負荷がかかる大型プラントでの一極集中・大量生産を行わなければならず、設備投資が高額になるという課題がある。
加えて、アンモニアを生産拠点から世界各地に点在する需要地に輸送するためには、専用の運搬装置と保管設備が必要であることから物流コストが非常に大きいことが課題となっている。
東京工業大学の細野教授等は、高エネルギー加速器研究機構の阿部仁准教授らと共同で、ルテニウムなどの貴金属の担持を必要としない高活性触媒を開発した。
電子が陰イオン(アニオン)として働く「電子化物(エレクトライド)」のコンセプトを拡張することで新触媒を検討し、ランタンLaとコバルトCoの金属間化合物 LaCoSiが貴金属を用いずに高い活性を示すことを見い出した。
エレクトライドは電子が陰イオンとなって形成されるイオン結晶で、1974年に米国ミシガン州立大学のJames L.
Dyeが発見、命名した。
LaCoSiはこれまで報告されてきたコバルト系触媒でアンモニア合成において最高の活性を示す。LaCoSi内でのLaからCoへの電子供与が高活性発現の鍵と考えられる。
また、LaCoSiは従来の触媒に比べ窒素分子の切断(開裂)をより速やかに行うことができ、より低温でのプロセスに有利である。
このエレクトライド触媒は、低温・低圧(目標
300〜400℃、3〜5MPa)条件下で高効率のアンモニア合成が可能であることが特徴で、低温・低圧の反応条件であることから、従来法(1基当たり約100万トン)では難しいとされた年産数万トン以下の小規模プラントでの生産が可能となる。(目標
2〜10万トン)
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これとは別に、東大大学院工学系研究科は4月25日、 西林仁昭教授らの研究グループが、常温・常圧の温和な反応条件下で窒素ガスと水からアンモニアを合成する世界初の反応の開発に成功したと発表した。
モリブデン触媒を用い、窒素ガスおよびプロトン(H+ )源として水、還元剤としてヨウ化サマリウムを用いることで、常温・常圧の反応条件下で世界最高の触媒活性を達成した。
今回新たに開発したルテニウム触媒で、約400°C、 5MPaの低温・低圧下でのアンモニアの合成が可能となった。
2019/5/3 世界で初めて窒素ガスと水からのアンモニア合成に成功
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つばめBHBは 東京工業大学の細野秀雄グループが発明した優れた触媒を用いた、世界で初めてとなるオンサイト型のアンモニア合成システムの実用化を目指す
。
社名
つばめBHB株式会社
事業
オンサイトアンモニア生産システム・触媒の研究開発・製造
R&D拠点
東京工業大学すずかけ台キャンパス内
川崎分室
味の素株川崎事業所内
事業開始
2017年4月25日
出資比率
UMI 1号投資事業有限責任組合 53.8%
味の素 45.1%
細野 栄誉教授ほか 1.1%
ツバメは東京工大のシンボルマーク、BHBの意味不明(どなたか教えてください)
味の素は、グルタミン酸をはじめとする多種のアミノ酸等の発酵素材の生産において多くのアンモニアを原料として利用しており、従前より細野教授らの発明・発見をアンモニアの安価・安定供給を実現する画期的な基本技術として高く評価し、本技術の実用化に関する共同開発を実施してきた。
味の素は、つばめBHBと協力して自社工場でのオンサイトアンモニア生産の実現を図り、発酵素材のコスト競争力を高めるドライバーとする
。
UMI(下図)はつばめBHBに対して、今後の事業推進に必要な資金を供給するとともに、取締役等の経営メンバーの派遣、事業開発体制の強化等の経営サポートを行う。
2016/1/7 素材・化学産業における新事業創出プラットフォームの確立を目指すVenture
Capitalの設立
2019/10/16 Brexitの状況 (10/15)
既報
ジョンソン英首相は10月10日、アイルランドのバラッカー首相と会談した。
両首脳は会談後にツイッターで合同声明を発表し、「詳細にわたる建設的な話し合い」の中で合意への道筋につながる可能性を見いだしたと評価した。
EU のミシェル・バルニエ首席交渉官と英国のバークレイEU離脱担当相が11日の朝に会談した。バルニエ氏はこの会談後、法的文書の草案作成作業に入るための十分な進展があったと、EU 27カ国の代表に説明した。
合意案について詳細な交渉に入る。
離脱延期法では 10月19日までに新たな離脱案が通らなければ、離脱日を10月末から2020年1月末に延ばすこととなる 。
英各紙は10月10日、ジョンソン首相が19日に下院を招集すると報じた。 10月17〜18日 にブリュッセルで開催され EU首脳会議 の結果を受け、月末に期限が迫ったEU離脱に政府としてどう対処するかを表明、下院の賛否を問うとみられる。
EU首脳会議では17日夜にも結論が出るとみられる。
首相が決議案を提出するとすれば18日で、翌19日に審議・採決の運びとなる。
19日は土曜日で、週末の開会は異例。
土曜の開会は1939年以降の80年間で、@第2次世界大戦勃発時の1939年9月、Aスエズ危機時の1956年11月、Bフォークランド紛争時の1982年4月、など4回のみで、37年ぶりとなる。
しかし、週末の英国とEUの交渉は成果が無かった 模様。 EUは13日に出した声明で「多くの仕事が残されている」としている。引き続き交渉を行う。
EUの バルニエ首席交渉官はEU各国の代表に、アイルランド島内での関税についての英国の提案はリスクがあり、容認できないと述べた。今週中にまとめるにはジョンソン首相からの新しい政治的な衝動的行為が必要としている。
北アイルランドが拒否権を持つことについては、アイルランドの代表は、 Good Friday
協定に含まれない考えであると述べた。
マクロン仏大統領は13日、首都パリの大統領府にメルケル独首相を招き首脳会談を行った。離脱の条件について残された時間でEUとしてイギリスと合意することが可能かどうか協議を行ったものとみられる。
ジョンソン英首相は10月8日夜、議会を13日まで休会した。再開後に施政方針を示すためとした。
エリザベス女王は14日に施政方針を示す演説を行った。女王の施政方針演説は、政権の重点政策や法案の概要を説明するもので、政府が原稿を起草し、国家元首である女王が読み上げた。 要旨 は以下の通り。
政府の最重要課題は常に、10月31日のEUから離脱を確実にする ことだ。自由貿易と友好的な協力に基づくEUとの新しい関係を目指す。離脱によって生まれる機会を漁業、農業、貿易の分野が享受できるような体制を作る。
英国に大きく貢献し、生活拠点を持つEU市民は居住する権利を持っており、それを保証する。金融サービスや法律に関する分野の仕事を保証し、新しい機会を与えられるようにする。
4つの国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)が結束し、繁栄することが最も重要だ。英国がEUを離脱しても、国際情勢の中でのリーダー的役割を担い続け、利益を守りながら価値を高める。
EUと英国は15日、交渉を続行した。
欧州メディアによると、双方は最大の懸案となっている英領北アイルランド国境管理問題などで歩み寄りを模索、離脱協定案の修正に向けた詰めの調整が進んでいるもようで、合意に近づいているとの見方が広がっているという。但し、まだ課題は残されており、首脳会議前の合意実現には懐疑的な声もある。
2019/10/17 トランプ大統領 弾劾の状況 -2
大統領の財務記録の公開をめぐる2件の裁判(刑事事件と下院の召喚状に関するもの)で、トランプ大統領は敗訴した。今後、控訴裁や最高裁で争うが、これまで開示を拒否してきた納税記録が公開される可能性が出てきた。
財務記録の開示は大統領弾劾への影響がある。
10/7
マンハッタン連邦地裁は大統領の Mazars USA 会計事務所に8年分の納税申告書 をマンハッタン地検に提出する必要があるとの判断を下した。
大統領は直ちに連邦控訴裁に控訴した。
控訴裁は最終決定まで、一時的執行停止を認めた。
マンハッタン地検は8月29日、刑事捜査の一環として、大統領の会計事務所に過去8年分の納税記録などの提出を求める召喚状を出した。
大統領は、現職大統領は刑事捜査の対象にはならないとして訴訟を起こしていた。
地裁判決は、トランプ氏と不倫関係にあったと主張する女性2人への「口止め料」支払い についての捜査に関連するもの。
米誌は本年2月、トランプ氏が大統領選挙前に、同時に複数の女性たちと不倫していたが、女性たちに多額の口止め料を支払うなど、メディアに知られないようにさまざまな工夫をしていたと報じた。
Playboy誌のプレイメイト Karen
McDougalがCNNのインタビューで、トランプ氏が自身との性行為の見返りに金を払おうとしたと明かした。
ポルノスターStormy Danielsは2016年の大統領選挙の直前に口止め料をもらったことを暴露した。
裁判は、コーエン元顧問弁護士がトランプ氏の不倫相手とされる2人に口止め料を支払ったことに関するもの。
トランプ氏は、元弁護士への支払いは選挙資金を使ったわけではないので、合法だと主張。これに対して、地検は、トランプ陣営による選挙資金法違反があったかどうかを捜査している。
10/11
ワシントンの連邦高裁、大統領の財務記録 を議会に提出するよう Mazars
USA 会計事務所に求めた下院監視・政府改革委員会の召喚状を2対1で合法だと判断
大法廷(所属判事全員)がパネルの判断を再審理するか、連邦最高裁で判断が覆らない限り、会計事務所は、開示の義務を負うことになる。
米下院歳入委員会のリチャード・ニール委員長(民主党)は4月3日、過去6年分を提出するよう内国歳入庁(IRS)に求めた。
トランプ氏が過去に脱税や節税、不適切な資金取引をしていなかったか調べる狙いがある。
トランプ氏は歴代大統領と異なり、納税申告書の公開を拒んでいる。
大統領は本年4月、自身の納税記録を巡る下院委の調査は憲法上の制限を越えているとして、情報公開の阻止を求め提訴したが、連邦地裁は5月、大統領の財務記録が議会の助けになる可能性があるとの判断を下した。
判事は「歴史的に、歴代大統領やその行動を巡り調査は行われている」と指摘した。さらに、最高裁や主要な下級裁判所は1880年以来、召喚状について議会が権限を越えたと判断したことはないと述べた。
下院監視・政府改革委員会は先月、トランプ氏と同氏の不動産会社や財団、その他の所有企業について、Mazars
USA会計事務所に財務諸表など8年間の記録を求める召喚状を出した。
トランプ氏はその差し止めを求め提訴していた。
10/10
ニューヨークの連邦地検、ジュリアーニ弁護士と関わりのあるビジネスマン2人を逮捕
10/11
Marie Yovanovitch元駐ウクライナ米大使が証言
元大使はバイデン副大統領に関する調査に非協力的だったとされる。
ジュリアーニ弁護士と親しい実業家Lev Parnasと Igor Fruman
被告が共和党の Pete
Sessions下院議員(当時)への献金を通じて、解任を政権側に働きかけ、元大使は任期を残して召還された。
証言:
2019年3月に任期延長の打診を受けたが4月末に「次の航空便」でワシントンに戻るよう突然指示された。
国務副長官はその理由をトランプ氏が同大使に信頼を失ったからだと説明。さらに同大使には落ち度はないとも説明した。
ニューヨークの連邦地検、ジュリアーニ弁護士の訴追の可否を含め捜査との報道
ヨバノビッチ前駐ウクライナ米大使に関し、前大使に不満を抱いていたウクライナのルツェンコ前検事総長とともに解任を画策し、米政府内に働き掛けた疑い。米連邦法は、外国政府の意を受けた全てのロビー活動の届け出を義務付けており、これに違反した疑い。
ジュリアーニ氏は「ルツェンコ氏でなくトランプ氏の代理人として活動している」と違法性を否定。
トランプ大統領は、これを魔女狩りと批判
So now they are after the legendary
“crime buster” and greatest Mayor in the history of NYC, Rudy Giuliani.
He may seem a little rough around the edges sometimes, but he is also a
great guy and wonderful lawyer.
Such a one
sided Witch Hunt going on in USA . Deep State. Shameful!
10/14
国家安全保障会議(NSC)の元欧州・ロシア担当首席顧問、フィオナ・ヒル氏が下院情報特別委員会で、非公開証言に応じた。
報道によると、その発言:
ウクライナ支援を話し合うため招集された7月10日の会議で、ジュリアーニ弁護士らと協力して対ウクライナ工作を進めていたソンドランド駐EU代表部大使は、ウクライナがバイデン氏に関する調査を開始すれば、「ウクライナが望むトランプ氏との首脳会談を行うことができる」という認識を表明、マルバニー大統領首席補佐官代行とも話をつけてあると語った。
外交を政治利用する動きに懸念を募らせたボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は即座に会議を打ち切った。
ボルトン氏は、「彼らが手を染める『麻薬取引』には私は一切関わらない」と激怒。NSCの弁護士に問題を報告するようヒル氏に指示した。
10/15
民主党の米大統領選候補者討論会、ウクライナ疑惑の弾劾手続きに関し、バイデン前副大統領ら各候補は一様に賛意を表明。
バイデン前副大統領は「私の息子も私も間違ったことをしていない」と釈明
2019/10/18 Brexitで合意
欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は10月17日、トゥスク大統領に宛てた書簡に「英国とEUの交渉担当者は17日に新たな離脱協定案で合意した」と明記した。自身のツイッターで書簡を公表した。
概要は以下の通り。経済や市民生活の面でEUやアイルランドとの関係の方が強くなる可能性が高く、「連合王国としての英国の一体性の維持」を党是とするDUPとしては容認しがたいと見られる。
アイルランド国境をめぐる「バックストップ」は削除
英国は北アイルランドを含め、EU関税同盟から離脱。
アイルランド島の国境には物理的な関税等は設けない。
2020年末までの移行期間終了後、名目上は北アイルランドを含む英全土がEUとの関税同盟から抜ける。
しかし、アイルランド島の国境付近での税関業務を省略できるよう、北アイルランドに限り関税手続きをEU基準に合わせる。英本土から北アイルランド向けの品物はいったんEUの関税を徴収されるケースも出る。
本土から北アイルランドに入る段階でEU関税を支払い。(英国が実施するが、EUは立ち合いの権利を持つ。個人の荷物はチェックしない。)
北アイルランドに留まるものは関税還付。
アイルランドに運ばれるものは関税還付なし。
実質的には北アイルランドだけEUの関税同盟に残る状態に近い。
北アイルランドはEU単一市場に部分的にとどまる。農産物や工業品の基準、付加価値税などでEUルールを適用
VATのEUルール適用はモノに対してのみで、サービスは除く。
北アイルランドにアイルランドと同じ率の適用もありうる。
英国が、EU規定での最低レートを下回る率を定めても、北アイルランドには適用できない。
北アイルランド議会はEUルール適用を受け続けるかどうか4年ごとに判断(移行期間終了の4年後の2025/1以降)
移行期間は2020年12月末まで
ーーー
英国を除くEU加盟国27カ国の首脳は新たな合意案を承認した。
ジョンソン首相
は19日 (土曜日) に下院を招集し、審議・採決の運びとなる。首相はツイッターで、「議会は土曜に承認しろ」と述べた。
We’ve got a great new deal that takes
back control — now Parliament should get Brexit done on Saturday so we can
move on to other priorities like the cost of living, the NHS, violent crime
and our environment
#GetBrexitDone #TakeBackControl
今回合意したが、協定にはイギリス議会の承認が必要である。ジョンソン首相は北アイルランドの民主統一党(DUP)や与党・保守党の親EU派による支持固めに奔走しているが、与党は多数を割っており、議決できるかどうか不明である。
「このままでは新離脱案を支持できない」。北アイルランドを地盤とする閣外与党の民主統一党(DUP)はコメントを出した。
ーーー
英国とEUの交渉は、
当初は15日深夜が妥結の期限とされていたが、協議はその後も続いた。アイルランドと英領北アイルランドの間の国境問題については、双方の意見がなお一致していなかった。
ジョンソン首相は北アイルランドをEUの単一市場、関税同盟に残すという妥協をした模様。Donald Tusk 欧州理事会議長は、「15日にはこれで決まったと思ったが、英国側に問題があるようだ」と述べた。
報道では主な問題点は下記の通り。
提案
反対
EU
アイルランド国境での厳格な国境検査を避けるため、北アイルランドをEUの単一市場と関税同盟に残す。
北アイルランドの民主統一党(連立与党)は一貫してこれに反対
英本土と北アイルランドの間で通関検査が必要となる
英政府
北アイルランドを巡る取り決めの実施に当たっては、北アイルランドの定期的な承認を必要とする仕組み
北アイルランドの民主統一党(連立与党)が強く要求
EUが懸念
IRA
国境をつくれば、国境施設・要員に軍事攻撃する。
英議会は、17〜18日のEU首脳会議で新たな合意が結ばれなかった場合、EUに延期を要請するよう首相に命じる 通称「ベン法」を可決している。
ーーー
その後、「英政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)が譲歩し、合意の可能性が高まった」と報道された。
欧州メディアは、バルニエEU首席交渉官が16日夜、加盟各国に対し、付加価値税(VAT)の取り扱い以外の課題は全て英国と合意した と説明したと報じた。
北アイルランドにEUのVATが適用されるのかどうかという問題とされる。
Another major issue in the PM's proposals are whether EU VAT rates would
apply in Northern Ireland.
VAT税率
基本税率
軽減税率
英国
20%
0、5%
アイルランド
23%
0、4.8%、9%、13.5%
現在は、北アイルランドでは英国の税率が課せられている。離脱後に何故変更が必要なのか分からない。
なお、現在は、アイルランドと北アイルランドの取引は、同じEU内のため、消費地の税率(アイルランド品を北アイルランドに運べば英国の税率、逆ならアイルランドの税率)が課せられてい
る。
離脱後は、本来ならば、域内のアイルランドと域外の北アイルランドの製品移動は輸出入となり、輸入側で輸入品の税率がかかる。
BBCによると、交渉の焦点となっていた国境に関する問題は「ほぼ解決された」が、なお技術的な詳細について協議が続いていた。
しかし、民主統一党(DUP)は、税関や地方政府の発言権についての現在の提案を受け入れることはできないとツイートした。付加価値税(VAT)についても明瞭性を欠いていると主張した。
"We have
been involved in ongoing discussion with the Government. As things
stand, we could not support what is being suggested on
customs and consent issues and there is
a lack of clarity on VAT.
We will
continue to work with the Government to try and get a sensible deal that
works for Northern Ireland and protests the economic and
constitutional integrity of the United Kingdom."
関係者によると、DUPは「数百万でなく数十億ポンド」単位の資金を北アイルランドに拠出するよう要求し、支出を増やすことが合意を支持する条件だとジョンソン首相に伝えたという。
2019/10/16
Brexitの状況 (10/15)
2019/10/19 Brexit 協定案 本日採決
英議会は10月19日土曜日に協定案を採決する。 議会が週末に開かれるのは1982年のフォークランド戦争以来 。
ジョンソン英首相は18日、態度を決めかねているユーロ懐疑派の保守党議員や野党・労働党の議員を中心に最後の支持を呼びかけた。
下院の現状は下記の通り。
2017/6/8
選挙結果
現状
投票
保守党
317
-29
288
287
民主統一党(DUP)
10
0
10
10
(与党)
(327)
(-29)
(298)
(297)
労働党
262
-18
244
242
スコットランド国民党
35
0
35
35
自由民主党
12
+7
19
19
保守党の党籍停止
+21
21
21
独立グループ
0
+13
13
13
The Independent Group for Change
0
+2
2
2
Change UK
0
+5
5
5
シンフェイン党
7
0
7
ブライドカムリ
4
0
4
4
緑の党
1
0
1
1
無所属
1
-1
0
議長
1
0
1
合計
650
±0
650
639
投票するのは639人で、過半数は320となる。
投票せず:議長、副議長(保守1、労働2)、Sinn Fein党7 合計11
連立与党の民主統一党は反対を表明しており、保守党は、党籍停止者を含めても309で過半数に足りない。
英下院は9月3日、議会進行主導権を政府から議会に移す動議を 賛成328票、反対301票の賛成多数で可決し、野党・労働党などが提出した離脱延期法案の審議入りを可能にした。
事前の警告通り、与党保守党はこれに賛成した議員21名を党籍停止した。
党議拘束はないため、保守党のなかにも反対者が出るが、野党からも賛成者が出る。
保守党の党籍離脱者を含めた309人から何人が反対に回るか、野党から何人が賛成に回るか、どちらに決まるにせよ、ギリギリである。
投票は午後になると見られている。午後11時までに決まらない場合、 通称「ベン法」により 首相は EUに延期を要請するよう求められている。
バックストップ案が問題となったメイ首相の離脱協定案は3回否決されたが、賛否は下記の通りであった。
メイ首相の離脱協定案
1回目(1/15)
2回目(3/12)
3回目(3/29)
賛成
反対
賛成
反対
賛成
反対
保守党
196
118
235
75
277
34
民主統一党
10
10
10
労働党
3
248
3
238
5
234
スコットランド国民党
35
35
34
自由民主党
11
11
11
独立党
3
5
4
6
4
5
独立グループ
11
11
シン・フェイン党
プライド・カムリ
4
4
4
緑の党
1
1
1
合計
202
432
242
391
286
344
賛否差
-230
-149
-58