総会では9月28日のアルジェリアでの臨時総会で合意した日量3,250万〜3,300万バレルの下限である3,250万バレルに減産することで加盟国がまとまった。
2017年1月1日から実施し、実行をチェックするためのHigh-level Monitoring Committeeの設置を決めた。
インドネシアは、石油の純輸入国であることから減産への参加を見送り、加盟を一時停止した。
これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。
最新分は http://blog.knak.jp
Brexit予定日まで1カ月となった。
最高裁の判決を受け、英議会は9月25日に再開されたが、離脱派と残留派の舌戦がエスカレートしている。
最高裁判断について所感を述べるジョンソン首相に対し、最大野党・労働党の議員らから「投獄しろ」「詐欺師」などの厳しいやじが飛んだ。
ジョンソン首相は「離脱期限延期法」を「EUへの降伏法」などと批判して応酬した。
労働党女性議員は、2016年の国民投票の直前、極右思想や白人至上主義に感化された男に殺害されたEU残留派の同党女性下院議員 "Jo" Cox に言及し、議員たちの安全確保のためにも「穏当な言葉」を使うよう首相に訴えたが、首相は「追悼するには何より(中略)ブレグジットを実現することが一番の方法だと思う」と述べ、残留派の怒りと反発を呼んだ。
英下院議員を標的とした脅迫や嫌がらせの通報が増加しているという。
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Brexitが難航しているのは、離脱後の英国とアイルランドの国境管理の問題である。
北アイルランド紛争の関係で、北アイルランドとアイルランド共和国の間には国境を設置しないことで合意している。
しかし、EU側は、EU制限物品が外国から北アイルランドを経由して入るのを防止するため、工業製品、環境、農産品などに関してEU規制を適用し、通関手続きはEU関税法典に従うことを求めている。
現在の合意案は、2020年末までの移行期間を置く、その間に解決策が出なければBackstop案に移り、英国はEUのルールから外れることができない。英国が提案してもEUが了承しない限り、英国が永遠にEU関税同盟に残ることとなる。
ジョンソン首相は就任後、EUにバックストップ条項の修正を求めたが、EU側は一貫して、バックストップ条項が含まれる協定は再交渉しないとしている。メルケル首相は、「バックストップ条項」の代替案を示唆したが、実現可能な計画を提案するのはイギリス次第だと釘を刺した。
しかし、現時点で代替案の検討が進んでいる兆しはない。
問題は、EU残留派と離脱派が拮抗していることと、英国とアイルランドの国境管理に案がないことである。
離脱延期法案(離脱日を2020年1月末に延ばす)は通ったが、2020年1月末までに案がまとまる可能性はほとんどない。
このままでは、首相が公言している「合意なき離脱」の可能性が極めて高い。
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不思議なことに、この問題は英国にとって重大問題であるのに、議会が全く機能していない。
4月11日にBrexitが10月31日に延期されたが、6カ月と20日の延長に過ぎない。
しかし、その短い期間に、保守党の党首選挙で2か月、夏季休暇で5週間、議会は議論をせず、さらにジョンソン首相は5週間の休会を決めた。
党首選挙はやり方が決まっているが、当初から結果は予想されており、特例で早くきめるべきであった。非常事態に夏季休暇は棚上げすべきであろう。
最高裁の判決で9月25日に再開はしたが、合計で3か月と3週間も休会したままである。
国民がこれを許しているのが不思議である。
2019/3/29 | Brexit 予定日→4/12 | ||
4/11 | Brexit 予定日→10/31 | Brexit まで 6カ月と20日 | |
5/24 | メイ首相辞任発表 | 2か月間 実質審議なし |
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6/7 | メイ首相辞任 | ||
6/13 | 新党首選挙 | 1回目 | |
6/18 | 2回目 | ||
6/19 | 3回目 | ||
6/20 | 4回目 | ||
↓ | 党員投票 | ||
7/23 | Boris Johnson 当選 | ||
7/26 | 5週間 夏季休会 | ||
↓ | |||
9/2 | |||
9/3 | 再開 | ||
9/9 | 5週間 ジョンソン首相による一時休会 |
2週間強 休会 | |
↓ | |||
9/25 | 最高裁判決で再開 | ||
↓ | |||
10/13 | |||
10/31 | Brexit 予定日 |
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国境管理の問題の究極の解決策は北アイルランドの放棄、アイルランド共和国への統合である。
1998年4月10日のベルファスト合意(聖金曜日協定)では、「北アイルランドの将来の帰属は北アイルランド住民の意思によって決定される」となっており、カトリック系の方が出生率 が高いため、北アイルランドは将来的にアイルランドへ帰属を変更する可能性が高い。
いずれ放棄するなら、いま放棄すれば、残りの英国は問題なしにEUを離脱できる。
現実的な案として、北アイルランドのみにバックストップを適用するという案が浮上しているという。
これまで英国は、この案は英国を分割するものとして反対し、その結果、バックストップ案となった経緯がある。
しかし、これにより、英国は関税同盟を抜けて、自由に他国と貿易協定を交渉することができる。そして、今までと同じように北アイルランドとの政治的関係を保つことができる。
2019/10/2 ヒトiPS細胞からミニ多臓器(肝臓・胆管・膵臓)の作製に成功
東京医科歯科大学の先端医歯工学創成研究部門の武部貴則教授の研究グループは、9月25日のNature誌で、ヒトiPS細胞から連続した複数(肝・胆・膵)の臓器を同時発生させる技術を確立したと発表した。
血管を作る必要があるなどまだ課題はあるが「10年以内に移植医療で使える技術にしたい」としている。
Cincinnati Children’s Hospital Medical Centerとの共同研究で、胎内で肝・胆・膵領域が発生する過程を模倣することで成功した。
ヒトiPS細胞から特定の臓器を人為的に創出する試みに注目が集まってい る。武部教授はこれまでにミニ肝臓を作ることにも成功している。
しかし、特定の臓器のみ(単一臓器)の誘導を試みる、という従来のパラダイムでは、隣接した複数臓器間の連結が再現され ない。このため目的の臓器機能が充分に発揮されない、あるいは、持続しないなどの重大な未解決課題が存在している。
例えば、肝臓に隣接する臓器である「胆管」において狭窄が生じる胆道閉鎖症などの疾病では、徐々に肝臓が傷害され、最終的に肝不全の状態に陥ることが知られてい る。
研究グループは、機能の完全再生のためには、臓器の設計思想の抜本的な見直し(パラダイムシフト)が必要と考えた。
すなわち、周辺臓器との連続性を取り入れた複雑な多臓器創生技術の開発が急務と考え、胎内で臓器間の連結が作り上げられるダイナミズムに着目し、それらを試験管内で人工的に再現することによって、世界に先駆けて、ヒトiPS細胞から多臓器を一括創生するための基盤技術を確立することに成功した。
肝・胆・膵領域を構成する多臓器は、受精後8週前後に形成される前腸と中腸とよばれる前駆組織の境界領域より発生する。
肝・胆・膵を含む消化器系臓器の発生は、原始腸管とよばれる単純な 1 本の管から始まる。
原始腸管は、胎児の頭側および尾側からの位置によって区分され、前腸、中腸および後腸の3つの組織に分類され る。
前腸からは食道・胃・肝臓・胆管・膵臓などが、中腸からは十二指腸・空腸・回腸などが形成されると考えられてい るが、肝胆膵領域は、前腸と中腸の境界領域より発生することが知られている。
そこで、発生初期段階で生じる前腸・中腸およびその周辺細胞の細胞間相互作用に着目し、それらの再現を試みた。まず、ヒトiPS細胞から前腸および、中腸組織を別々に誘導し、それらを連結させ、前腸-中腸境界(バウンダリ)を作成したところ、驚くべきことに、肝臓・胆管・膵臓の前駆細胞が、その境界領域より自発的に誘導されることを見い出した 。
さらに、これら肝・胆・膵前駆細胞の出現には、レチノイン酸シグナルなどの分子のやり取りを介した、複雑な細胞間相互作用が必要であることもつきとめた。
さらに、得られた組織の培養方法を最適化することにより、長期間の特殊な3次元培養により、試験管内で誘導した前駆細胞から、肝・胆・膵組織を連続性を保ったまま発生させることに成功した(図2c、図3)。
グループは今後、実際の臓器に近づけるため、血管などのほかの組織まで含むミニ多臓器を作る方法を開発する。
将来は病気の赤ちゃんへ移植し、体内で実際に機能する臓器に育てる計画。また腎臓と尿管やぼうこうなど、ほかのミニ多臓器を作る研究も行う。
ミニ多臓器以外のやり方での腎臓の再生については、下記を参照
2019/4/9 腎臓の再生医療実現に向けた取り組み開始
南米のエクアドルは10月1日、石油輸出国機構(OPEC)を来年1月1日で脱退すると発表した。
財政立て直しのために原油を増産したい考えで、OPEC加盟国やロシアなど非加盟国が実施する協調減産にこれ以上参加できないと判断した。
OPECとロシアなど非加盟国は2018年12月7日、2019年1月から合計で日量120万バレル減産することで合意した。OPECは2019年7月1日、6月末で期限が切れた協調減産を2020年3月末まで9カ月延長することで合意したと発表した。
OPECは2日、ロシアなど非加盟産油国との会合で、減産を9カ月延長することで合意、OPEC+の協力体制を定める「憲章」を採択した。OPEC+は恒久的なものとなる。2018/12/8 OPEC-Plus、減産を発表
エクアドル政府は声明で、OPECからの脱退は「公共支出を抑え、新たな収入を創出するという国の計画に歩調を合わせたもの」と説明した。
OPECの月報によると、2019年8月のエクアドルの産油量は日量537千バレルで、加盟国内でのシェアは1.8%程度。英BPによると、世界でのシェアは0.5〜0.6%程度にとどまる。
相場に与える影響は小さいとみられるが、2019年1月にカタールがOPECから脱退したばかりで、エクアドルも抜ければOPEC加盟国は13になる。
OPECの求心力の低下が目立つ。
エクアドルは1992年にもOPECを脱退し、2007年に復帰していた。
1993年1月にエクアドル、1995年1月にガボンが脱退した。
両国とも、生産量にかかわらず各国同額で設定される拠出金の支払いを不服かつ困難としたこと、および増産意欲を有しながら生産枠の増加が見込めなかったことが理由と見られた。エクアドルは2007年11月の首脳会議において、再加盟が認められた。(ガボンも2016年に復帰)
OPEC加盟国の推移
加盟 離脱 再加盟 一時停止 加盟 脱退 イラク 中東 1960 イラン 中東 1960 クウェート 中東 1960 サウジアラビア 中東 1960 ベネズエラ 南米 1960 カタール 中東 1961 2019/1 インドネシア アジア 1962 2009 2015 2016
リビア アフリカ 1962 UAE 中東 1967 アルジェリア アフリカ 1969 ナイジェリア アフリカ 1971 エクアドル 南米 1973 1993 2007 2020/1 ガボン アフリカ 1975 1994 2016 アンゴラ アフリカ 2007 赤道ギニア アフリカ 2017 コンゴ アフリカ 2018 加盟国 14 14 -3 +3 -1 +2 -2 (13)
(インドネシア)
総会では9月28日のアルジェリアでの臨時総会で合意した日量3,250万〜3,300万バレルの下限である3,250万バレルに減産することで加盟国がまとまった。
2017年1月1日から実施し、実行をチェックするためのHigh-level Monitoring Committeeの設置を決めた。
インドネシアは、石油の純輸入国であることから減産への参加を見送り、加盟を一時停止した。
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OPECは2008年9月の定例総会で、2009年1月からインドネシアの加盟を停止することを決めた。
インドネシアは1962年に加盟し、アジアからの唯一の参加国となったが、国内需要の増加に対し、新規油田の開発が遅れ、政官界での根強い汚職体質など背景に外資誘致が停滞していることもあり原油生産量が下降の一途で、2004年に純輸入国に転じた。このため脱退論が強まり、ユドヨノ大統領が5月に脱退方針を確認した。将来的な新規油田開発によって原油の輸出余力を回復できた場合、再加盟とみられた。
2016/12/5 OPEC、8年ぶり減産合意
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インドネシアは6月5日、石油輸出国機構(OPEC)への再加盟が認められたと発表した。
エネルギー相は声明で「インドネシアはOPECの創設メンバーであり、サウジアラビア政府代表による支援により再加盟した」と述べた。
インドネシアの石油の需要は更に伸びているが、生産量は逆に減少している。インドネシアのサイード・エネルギー・鉱物相は「インドネシアはわずかではあるが天然ガスを輸出している。このためOPEC再加盟には問題ない」とし、「生産国と消費国との対話という意味でわが国は両者の懸け橋になれる」と述べた。
2015/6/9 インドネシアがOPEC再加盟
(カタール)
エネルギー相は記者会見で、天然ガスを中心とする産業の発展に集中するためだと説明したが、一方で、脱退後はOPECの合意に拘束されないと言明した。
また、「OPECは一国によって管理されている」と指摘し、サウジを暗に批判した。
2018/12/5 カタール、OPEC脱退へ
(コンゴ共和国)
OPECは2018年6月22日のOPEC総会声明の中で、西アフリカのコンゴ共和国のOPEC加盟がOPEC会議で承認されたと述べた。
コンゴ共和国は2018年1月、様々な計画の実施によって、日量35万バレルの原油を生産し、アフリカの第3産油国になることを追求していると述べた。
ジョンソン英首相は10月2日、マンチェスターで4日間の日程で開催された与党・保守党の年次大会を締めくくる演説を行い、メイ前首相がまとめたEU離脱案の核心部分を大幅に変更する代替策を明らかにした。
10月17、18両日のEU首脳会議での承認(満場一致の賛成が必要)を目指す。
政府高官は「これが英国からEUへの最後の提案だ」と強調、EUが拒否するなら、政府は「合意なき離脱」の道を選ぶと圧力をかけた。
英議会は、17〜18日のEU首脳会議で新たな合意が結ばれなかった場合、EUに延期を要請するよう首相に命じる法律を可決している。首相は法律に従うことを約束したが、英国は何があろうとも10月31日にEUを離脱することに変わりはないと主張している。約束を破ることなく、合法的にこの法律を回避する方法を模索していると報じられている。
また、新たな合意にこぎつけても、議会を通過させる難題がある。与党は議会での過半数を失っている。
首相は最終提案をJuncker委員長に送 り、電話会談を行った。
Juncker委員長は提案を歓迎する一方で、「さらに取り組む必要がある問題点がまだ幾つかある」と述べ、受け入れへの懸念も指摘した。ハード・ボーダー(物理的な国境施設)」回避やEUの単一市場保護といった国境問題解決に必要な条件を挙げ、「すべてを満たす法的に運用可能な措置が必要だ」と強調した。
英国とEUの交渉担当者間で今後協議を進める。
今回の提案のポイントは以下の通り。
◎離脱協定案にある「Backstop」は削除
英国は自由貿易協定をベースとしたEUとの将来の関係、つまり規制措置や貿易の問題を独自に決めることができるようになることを欲しており、EUと関税同盟で緊密に結び付いて多くの分野でEUの法令に縛られるのを望んではいない。
EU制限物質が北アイルランド経由でアイルランドに入るのを防ぐために、以下の手段を取る。
移行期間が終わった後は、北アイルランドは農産品と工業製品について、EUの基準に従う。英国から北アイルランドに入ってくる農産品は、英当局が(英本土側の)検査場所で、EUのルールに基づいて検査や書類作成などを行う。 (英国内の本土と北アイルランドの間の移動が自由でなくなる:英国側の譲歩)
その結果、北アイルランドからアイルランドに入る製品は検査する必要がなくなる。
アイルランドから北アイルランドに入る物品については、英国は同等の検査をしない。
北アイルランドとアイルランドのすべての物品の動きは申告制にする。
◎最も重要な点として、Belfast (Good Friday) 協定と両立する解決策であること
アイルランドと北アイルランドとの境界に何らかの検問所や管理施設ができれば、1998年のベルファスト和平合意の精神が損なわれかねない。
◎EU加盟以前からの英国とアイルランドの関係の維持
◎アイルランド全島の同一規制ゾーン化
北アイルランドを含めたアイルランド島全体を1つの規制ゾーンとし、全ての工業品や農産品が対象になる。
「これによって北アイルランドの規制体系は確実にEUと同一化され、北アイルランドとアイルランド間の貿易に関する全ての検査がなくなる」。
◎この規制ゾーン実現は関係者の同意が必須となる。
北アイルランドの自治政府と議会には、EU離脱の移行期間中とその後4年ごとに、こうした枠組みを承認する機会が与えられる。
(4年後に延長しない場合、どうするのか? 紛争再発の恐れも)
◎英国の関税同盟離脱
2020年末の移行期間の終了とともに、北アイルランドはEUの関税同盟を脱して、完全に英国の関税圏に入る。
◎通関
移行期間の後、英国とEUは異なる関税領域になるため、アイルランドと北アイルランドの境は通関国境になるが、この国境で通関検査と管理を行う必要がない。
北アイルランドとアイルランドのすべての物品の動きは申告制にする。
ごく一部の物品の動きの検査が、貿易業者の近辺か、アイルランドもしくは北アイルランドの指定された場所で行うこともある。
以上のような取り組みは、信頼される貿易業者のスキームと単純化した通関手続き、一時的許可などの措置で支えられる。
政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)は本案に賛意を示したが、他党は反対している。
2019/10/4 米国、EUによる航空機大手エアバスへの補助金を巡り報復関税
世界貿易機関(WTO)が同日、米国がEUに年最大75億ドル相当の報復関税を課すことを承認した。航空機に10%、その他の農産品や工業品に25%を上乗せする。
EUは「対抗措置は非生産的で、互いに関税をかけ合えば双方の企業と市民に打撃を与えるだけだ」との懸念を表明した。エアバスも同日、「関税は航空産業だけでなく、世界経済全体に不安と混乱を生じさせる」との声明を発表した。同社の調達の約4割は米国で、米国にもマイナス影響を与えると強調した。
WTO上級委員会は米国政府による米航空機大手ボーイングへの補助金提供はWTO協定に違反するとのEUの主張をおおむね認める判断を下している。
EUもWTOに対抗措置を申請し、承認を待っており、WTOの承認が出るのは2020年になる見通し
。
付記
WTOは12月2日、エアバスに補助金を拠出していないとしたEUの主張を退け、先に承認した米国の対EU報復関税を巡るEUの差し止め要請を認めなかった。エアバスのA380型機とA350型機に対する補助金が政府ローンという形で続いていると認定した。
これを受け、米通商代表部(USTR)は12月6日、追加関税の原案を固めた。航空機部品や農産品を加えるほか、発動済関税の税率を最大100%まで引き上げることなどを検討する。
原案によると、エアバスの製造を支援するフランス、ドイツ、英国、スペインの4カ国から輸入する航空機部品を追加、EU域内産の魚介、金属、時計なども加える。
来年1月13日まで企業などから意見を募った上で最終判断する。
ーーー
欧州エアバスと米ボーイングが絡む通商紛争で、世界貿易機関(WTO)の紛争処理手続きの最終審に当たる上級委員会は2018年5月15日、EUによるエアバスへの補助金がボーイングに損害を与えたとの判断を下した。
また、WTO上級委員会は2019年3月28日、米国政府による米航空機大手ボーイングへの補助金提供はWTO協定に違反するとのEUの主張をおおむね認める判断を下した。
WTOの判断をもとに、米国とEUは報復関税の応酬を行っている。
米国のUSTRは、EUの補助金により米国が毎年110億ドルの損害を被っていると試算 している。
USTRは4月8日、EUに対する追加関税措置の暫定リストを公表
(210億ドル相当)、大型商用機やその部品のほか、乳製品やワインを含む。
7月1日には追加で40億ドル相当の品目リスト(オリーブやイタリア産チーズ、スコッチウイスキーなどさまざまな食品や酒類)を発表した。
一方、EUは4月17日、米国に対する追加関税措置の200億ドル相当の暫定リストを公表した。
品目は500を超え、航空機に限らず、化学品から農水産・食品(冷凍食品、かんきつ類、ケチャップなどを含む)まで広範にわたる。
2019/7/4 米国、EU航空機補助金巡る報復関税対象追加
WTOの紛争処理の手続きでは、対抗措置を取るには 紛争処理機関(DSB)に承認を得る必要がある。相手国が対抗措置に対して異論を申し出た場合はWTOが仲裁する形で、WTOが上限額を決める。
WTOによると、米国は年約105億ドルの報復関税の承認を求めていた。今回、WTOは米国とEUを仲裁する形で、対抗措置の上限額を決めた。WTOの仲裁で決めた金額としては過去最高となる。
2019/10/5 ユーラシア経済同盟、シンガポールとFTAを締結、イランとは3年限定のFTA
ロシアが主導し、旧ソ連の5カ国で構成する自由貿易圏「ユーラシア経済同盟 (EEU)」は10月1日、シンガポールと自由貿易協定(FTA)を締結した。
ロシアのプーチン大統領は「シンガポールは信頼できる安定したパートナーだ」と協力拡大に意欲を見せた。シンガポールのリー・シェンロン首相は保護主義に対抗するためにもFTAが重要だとの認識を示した。
東南アジアとのFTAはベトナムに次いで2カ国目となる。
ユーラシア経済連合(EEU)は2019年5月17日、イランとの時限的自由貿易協定(FTA)、中国との貿易経済協力協定に調印した。カザフスタンの首都アスタナで開催されているアスタナ経済フォーラムに併せて調印式が行われた。
イランの3年間限定での時限的FTAは10月27日に発効する。
優遇税率の対象品目について、EEU側は食肉、油脂製品、菓子、金属製品、化粧品、電気・機械設備を、イラン側は野菜・フルーツやドライフルーツなどの食品、建材、食器、じゅうたん、非鉄金属を挙げている。工業製品の平均関税率について、EEUは8%から4.7%に、イランは22.4%から15.4%に軽減し、農産品はそれぞれ9.6%から4.6%、32.2%から12.2%に引き下げる。
中国との貿易経済協力協定に関して、EEUを主導するロシア政府は「EEU・中国との協力の法的な基礎になるもの」と説明している。
今回の協定締結で関税の引き下げ・撤廃は発生しない。衛生・植物検疫、通関手続き、電子商取引、知的財産保護、政府調達、反独占・競争政策など幅広い分野での協力や、中国政府が主導する「一帯一路」政策とEEUとの連携、技術・資源・資本分野などでの共同事業の創設が想定されている。
ロシアのウラジミール・プーチン大統領と中国の習近平国家主席は2015年5月8日、ユーラシア経済連合と中国の一帯一路構想を連携させるとする共同声明を発表した。2015年5月29日にはユーラシア経済連合は初の自由貿易協定をベトナムと締結した。
2013年3月にロシア、ベラルーシ、カザフスタン3ヵ国の関税同盟との間で交渉が開始され、2014年12月の第8回交渉で妥結した。
2015年1月のEEU発足に伴いアルメニア、キルギスが加わり、同年5月、両国が正式署名した。同年10月5日に発効した。ベトナムとEEU双方は品目ベース、貿易額ベースともに約90%の関税が撤廃される。
EEUは、エジプトやインド、イスラエルなどともFTAを交渉中。
ーーー
ロシア、カザフスタン、ベラルーシの首脳は2011年11月18日、ユーラシア経済同盟に関する文書に調印した。
ユーラシア経済同盟は、2012年3月のロシア大統領選に立候補を表明し大統領職復帰が確実視されているプーチン首相が10月に創設を提唱、まず3カ国で経済統合を進め、旧ソ連中心の地域統合「ユーラシア同盟」につなげようとのプーチンの長期的外交戦略実現の第一歩になる。
最終的には統一経済圏の創設へと移行する。
2012年1月1日から3国の圏内では、統一経済圏を形成する17の合意が発効するが、それとともに関税タリフ政策、関税調整がスタートする。
共通の国境を形成するなかで、具体的なタリフ政策、自然独占、通貨および信用貨幣政策の調整が新たな方向性となってくる。
2011/12/2 ユーラシア経済同盟
ロシアのプーチン大統領は2014年5月29日、カザフスタンとベラルーシ両国の首脳とともに「ユーラシア経済同盟 Eurasian
Economic Union」を正式発足させる条約に署名した。
1億7000万人以上を抱える貿易圏を通じ、米国やEUに挑む。
ユーラシア同盟は2015年1月に発足するが、2014年10月10日、アルメニアの参加が正式に決まった。
キルギスタンも2014年12月に参加した。
国名 署名日 ロシア 2014年 5月29日 ベラルーシ 2014年 5月29日 カザフスタン 2014年 5月29日 アルメニア 2014年10月10日 キルギス 2014年12月23日
ジョンソン英首相は10月2日、メイ前首相がまとめたEU離脱案の核心部分を大幅に変更する代替策を明らかにした。最終提案をJuncker委員長に送り、電話会談を行った。
Juncker委員長は提案を歓迎する一方で、「さらに取り組む必要がある問題点がまだ幾つかある」と述べ、受け入れへの懸念も指摘した。
政府高官は「これが英国からEUへの最後の提案だ」と強調、EUが拒否するなら、政府は「合意なき離脱」の道を選ぶと圧力をかけた。
2019/10/4 英首相、Brexitの最終代替案提示
欧州議会は10月3日、英国の新提案について、欧州議会ブレグジット問題対策グループの協議の結果、「EUとアイルランドが必要とする安全策が含まれていない」との見解で一致したと発表した。現時点での新提案の受け入れには難色を示した。
対策グループの座長は下記を問題とした。
英国とEUは10月4日、協議を行った。
EU側は同日夜、次のように述べた。
本日協議を終えた。英側の提案にコメントし、多くの質問を行った。
英側の提案は協定書を結ぶベースにならない。
英国側は立場を根本的に修正する必要がある。
10月7日(月)に再度会い、詳細な提案を行う機会を与える。
英側は、EU側が問題とする点について週末に協議し修正したいとしたが、EU側は拒否した。
週末に協議をすると、交渉が進んでいる印象を与えるが、実際には差が大きすぎるとしている。
英議会は、17〜18日のEU首脳会議で新たな合意が結ばれなかった場合、EUに延期を要請するよう首相に命じる法律を可決している。首相は法廷で、法律に従うことを約束したが、英国は何があろうとも10月31日にEUを離脱することに変わりはないと主張している。約束を破ることなく、合法的にこの法律を回避する方法を模索していると報じられた。
10月4日の夜、EUソースは、英国がハンガリー政府に対し、延期の要請を拒否するよう求めたと述べた。延期には27カ国全部の賛成が必要である。
実用化への最終調整として、福岡県久留米市と小郡市の職員から希望者約120人を対象に検査し、運用の流れを確認すると明らかにした。
同社は2016年に、当時九州大助教だった広津崇亮社長が設立。福岡県と久留米市の支援を受け開発を進めた。 がんの1次スクリーニング検査『N-NOSE』は、線虫C.
elegans の化学走性(好きな匂いに近づき、嫌いな匂いから遠ざかる)を指標にした、これまでにない全く新しいタイプのがん検査。
線虫は土壌などに生息する微小生物で、犬より優れた嗅覚で、がん患者の尿に含まれる特有のにおいに近づき、健康な人の尿からは逃げる性質を利用して判定する。
従来の腫瘍マーカーは早期がんに対して感度が低い欠点があったが、『N-NOSE』は早期がんでも感度が変わらない。
反応するのは胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、子宮、前立腺など15種のがん。 現時点では検査でがんの部位までは判明しないが、今後は特定も目指す。
がん探知犬の研究結果より、がんの種類によって匂いが異なる可能性が示唆されている.
特定のがん種の匂いにだけ反応しない線虫株を作製(例:特定のがん種の匂いの受容体を欠損した変異体)
広津社長は「技術的な検証はほぼ終わった。がんの検診率を上げるには画期的な技術が必要。特に子育てや仕事で検診率が低い若い女性の検診率アップにつなげたい」と話した。
ーーー
癌検査については、東レが血液1滴から様々な癌を発見する検査キットについて、2019年中に厚生労働省に製造販売の承認を申請する。
高い精度でがん患者と健常者を識別でき、1次スクリーニングの検査方法として有用であることが示された。
2019/6/13 東レ、血液による癌検査キットを承認申請へ
線虫の嗅覚研究をしてきた広津氏が、ある条件下において、線虫が人の尿中からがんの匂いを検知して、がんに罹患している人とそうでない人を高精度に嗅ぎ分けることを発見し、これを
”線虫の鼻”(Nematode NOSE)を意味する『N-NOSE』と名付けた。
がん患者1400人に実施した検査では的中率は約85%に上り、特にステージ0〜1の患者は87%で判定できた。一般的ながん検査「腫瘍マーカー」よりかなり高確率という。
当面は尿を都内にある同社の検査施設に持ち込んで解析する。結果報告まで1週間から1カ月ほどかかる。
1年目は25万人分の解析が可能で、既に約10万人分の検査が予定されている。
2019/7/3 政府、半導体材料の対韓輸出規制を発表
韓国産業通商資源部の通商交渉本部長(次官級)は10月2日、国会による国政監査で、日本政府が7月上旬に半導体・ディスプレー材料であるフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材、フォトレジスト)の3品目の対韓輸出規制を強化して以降、これまでに7件の韓国向け輸出を許可したことを明らかにした。
産業通商資源部は前日、日本の輸出承認件数は気体フッ化水素(エッチングガス)が1件、フッ化ポリイミドが1件、レジストが3件の計5件と伝えていたが、その後、エッチングガス2件の承認が追加で確認された。
報道では下記の通りで、フォトレジストの3件目は不明。
承認 購入企業(供給元) フッ化ポリイミド 9/30 韓国の中小企業 フォトレジスト 8/7 サムスン電子(信越化学) 8/21着 8/19 サムスン電子(JSR) ? ? フッ化水素 気体 8/29 サムスン電子 9/末 SKハイニックス サムスン電子 液体 無し このほか、8月5日付でサムスン電子の中国陝西省西安の工場向けに気体フッ化水素の承認が出ているが、今回の韓国向け輸出規制とは無関係
フッ化水素については、気体フッ化水素は3件の承認が出たが、液体フッ化水素は「書類補完」などの理由を挙げて承認しないでいる。
韓国の業界では、液体フッ化水素がウェハーエッチングや不純物除去など広範囲に使われるため 、日本が「意図的に」輸出承認を先送りしているとみている。
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SKハイニックス関係者は、液体フッ化水素を Ram Technology から供給を受け、「10月1日から一部の生産ラインに日本産液体フッ化水素の代わりに国産製品を投じている」と明らかにした。
Ram Technologyは2001年10月に設立された半導体工程用科学素材専門企業
で、中国産原料を輸入して再加工したフッ化水素製品と自社生産分などをSKハイニックスに納品している。
同社の液体フッ化水素供給可能物量は年間7000トン水準で、SKハイニックス全体需要量の半分程度とされる。
SKハイニックスとRam Technologyは昨年末から液体フッ化水素の生産を共同で準備し、先月最終品質試験を終えたという。
サムスン電子も先月から一部の生産ラインで国産液体フッ化水素を使っている。同社関係者は「相対的に『それほど敏感でない』生産ラインで日本製品の代わりに国内で生産した液体フッ化水素を使っている」と話した。
業界関係者は「日本政府の液体フッ化水素輸出許可が遅れていることでサムスン電子とSKハイニックスが国産製品の品質テスト速度をさらに上げた」と評価した。
付記
韓国は9月11日、日本の半導体材料に対する輸出管理の厳格化がWTO協定に違反するとしてに日本を提訴した。
WTOは貿易紛争の処理を二審制にしており、まず2国間で解決方法をさぐる協議が起点となる。
経済産業省は10月10日、WTOの紛争解決手続きに基づく2国間協議を10月11日にジュネーブで行うと発表した。
提訴翌日の9月12日から60日以内に協議で進展がなければ、韓国は第一審にあたるパネルでの審理を要請できる。日韓の主張は対立しており、協議の期限内では解決せずに第一審にあたる紛争処理小委員会(パネル)での審理に移る公算が大きい。
付記
10月11日の協議は平行線をたどった。韓国は次回協議を要請し、日本は受け入れた。
付記
経済産業省は12月20日、韓国向けの輸出管理を厳格化していた半導体材料3品目のうち、レジスト(感光材)の管理措置を緩和した。
同一企業による継続的な取引が輸出の大半を占めるため、適切な管理状況を確認できた企業に限り、包括的な取引を許可する。
個別取引ごとに求めてきた申請手続きを改め、特定包括許可と呼ぶ仕組みを使い、最長3年分を一括して申請できるようにする。
2019/10/9 大正製薬、光触媒マスクで消費者庁に審査請求
光触媒は、光を当てると有機物質を分解する効果があるとされている。
消費者庁は7月4日、大正製薬とDR.C医薬、アイリスオーヤマ、玉川衛材の4社に再発防止命令を出した。
光触媒を使用したマスクの販売事業者4社に対し、4社が供給するマスクに係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(優良誤認)が認められたことから、措置命令を行った。
大正製薬の「光の力で分解するマスク」はあたかも、本件3商品を装着すれば、太陽光及び室内光下において、本件3商品に含まれる光触媒の効果によって、表面に付着した花粉由来のアレルギーの原因となる物質、細菌、ウイルス及び悪臭の原因となる物質を化学的に分解することにより、これらが体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す表示をしている。
消費者庁は、景品表示法第7条第2項の規定に基づき、4社に対し、それぞれ、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、4社から資料が提出された。しかし、当該資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められないものであった。
しかし、大正製薬によると、同社はマスクに花粉を添加して一定時間光を当てた試験結果を提出していた。花粉が分解されて濃度が減少し、効果があったとしている。
大正製薬によると、消費者庁は同社の主張に対し、独自の実験を実施した。
花粉を載せた8センチ四方のマスクを容器に入れ、蛍光灯を48時間照らし、分解された場合に生じる二酸化炭素(CO2)の増加量を測定し、CO2が増えなかったとして、「光触媒では花粉などの有害物質は分解されない」と結論付けたという。
大正製薬は「『花粉をCO2に分解する』とは表示していないのに、CO2の濃度で効果を判断したのは不合理」と反論。
さらに、消費者庁の試験手法では測定できるCO2の量は極めて少なく、花粉の分解の有無までは判断できないとしている。
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大正製薬の製品紹介(2013年9月発売)
EUは週内にも英政府がEU離脱の条件を示した新提案を受け入れるかどうかを判断するが、EUの首脳らから慎重な反応が目立つ。
ドイツのメルケル首相は10月8日、英EUが合意できる公算は「圧倒的に小さい」と電話でジョンソン首相に伝えた。
北アイルランドの離脱後の処遇が問題で、北アイルランドがEUの「関税同盟」に残ることを求めた。それに対しジョンソン首相は反発し、「離脱を巡る合意は本質的に不可能だ」と伝えた。
英議会は、17〜18日のEU首脳会議で新たな合意が結ばれなかった場合、EUに延期を要請するよう首相に命じる通称「ベン法」を可決している が、首相は延期要請をしたくないとしており(‘I am literally not going to write that letter’)、政府筋は、首相が延期要請を避けるため最高裁に訴える考えだと述べた。
野党は経済への影響が懸念される「合意なき離脱」を回避するために離脱延期法の期限を現行の19日より早める法案の提出を検討している。
ジョンソン英首相は10月8日夜、議会を13日まで休会した。再開後に施政方針を示すためとしており、施政方針を示すエリザベス女王の演説を14日に開く予定。首相が上記の法案提出を妨害したとの見方がある。
休会をめぐっては、9月に最高裁判所が違法と判断したばかりで、野党議員の批判を受けるのは必至。
付記
ジョンソン英首相は10月10日、アイルランドのバラッカー首相と会談した。
両首脳は会談後にツイッターで合同声明を発表し、「詳細にわたる建設的な話し合い」の中で合意への道筋につながる可能性を見いだしたと評価した。
「離脱合意を成立させることがあらゆる関係者の利益にかなうと引き続き確信している。合意への道筋が見込めるとの点で一致した」と
述べた。
とりわけ国境をまたぐモノの検査方法やアイルランド島の地方自治体の発言権を確保する方法に議論が集中したという。
EUのミシェル・バルニエ首席交渉官と英国のバークレイEU離脱担当相が11日の朝に会談した。
バルニエ氏はこの会談後、法的文書の草案作成作業に入るための十分な進展があったと、EU 27カ国の代表に説明した。
加盟各国が承認すれば、合意案について詳細な交渉に入る。
トランプ米政権は10月7日、監視カメラ世界首位の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)など中国の28団体・企業に禁輸措置を課すと発表した。
米国は中国が新疆ウイグル自治区で少数民族を弾圧していると批判している。中国の人権問題でも圧力をかけるとともに、新興ハイテク企業をけん制する思惑がみられる。
米商務省が10月9日付で輸出規制の対象である「エンティティー・リスト(EL)」に加えるのは、下記のハイテク8社と、新疆ウイグル自治区各地区の公安部門など20機関の合計28団体・企業である。
米国政府は、新たに登録された企業は新疆ウイグル自治区の住民たちに対し先進技術を用いた監視によって抑圧、大量の恣意的な拘留などを強いるのに協力していたと判断されると述べた。
Hikvision(杭州海康威視数字技術 ) | 監視カメラ世界首位 |
Dahua Technology (浙江大華技術) | 監視カメラ世界2位 |
Sense Time(商湯科技) |
AIスタートアップの先頭集団に位置 自動運転向け画像認識技術 ホンダが提携 |
Megvii Technology(曠視) |
アリババが支援する顔認識およびディープラーニングソフトウェア バイデン前副大統領の次男の関連投資会社が出資 |
iFLYTEK(科大訊飛) | 音声認識や自動翻訳技術大手 |
Xiamen Meiya Pico Information (美亞柏科信息) |
情報セキュリティ(データフォレンジック) |
Yitu Technologies(依圖科技) | 顔認識 |
Yixin Science and Technology (溢鑫科創科技) |
ナノテクノロジー |
日本経済新聞によると、中国には監視カメラが2億台以上あるとされ、当局は顔認識技術を連動させて特定人物を探せるシステムを複数運用している。ハイクビジョンやダーファが監視カメラを製造し、センスタイムやメグビーは人工知能(AI)で精度を高めた顔認識技術を監視用システムに提供している。すでに人間の目よりも高い精度で人の顔を判別することが可能だ。
米政府は「中国共産党は100万人以上のウイグル族を含むイスラム教徒を強制収容施設に投獄している」(ペンス副大統領)と批判。監視システムが少数民族の人権侵害に使われていると非難する。
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Entity List 対象は、これまでは、大量破壊兵器(WMD)プログラム、テロリズム又はその他の行為のリスクをもたらす恐れのある企業であった。
「知財戦争」に適用したのは、2018年10月29日に中国の福建省晋華集成電路(JHICC)、本年5月15日の華為技術(Huawei)の2つである。
2019/5/16 米国、Huawei を対象に2施策
米商務省は6月21日、輸出管理法に基づき安保上懸念がある企業を列挙したEntity List にスーパーコンピューター大手5社とそれぞれのグループ会社を追加した。
8月13日には、中国国有の原子力発電最大手、中国広核集団とその子会社をEntity List に加えると発表した。
2019/6/24 米、中国スパコン大手を禁輸対象に指定
2019/10/10 米民主党大統領候補 Elizabeth Warren 上院議員
トランプ米大統領は10月3日、2020年大統領選の民主党候補にElizabeth Warren 上院議員 (1949/6/22生まれ)が選出されることも想定し、準備していることを示唆した。
首位のバイデン前副大統領がウクライナ疑惑を抱えるなか、ウォーレン上院議員が急速に支持を広げている。
バイデン元副大統領自身の不正の証拠はないが、副大統領として接触したウクライナと中国での息子の行動はやめさせるべきであった。疑念を持たれること自体が問題である。
米政治専門サイト RealClearPolitics は10月8日、来年の大統領選に名乗りを上げた民主党候補の支持率に関する各種世論調査の平均でウォーレン上院議員が26.6%となり、バイデン前副大統領(26.4%)を抜いて初めて首位に立ったことを明らかにした。3位は今月初旬に心筋梗塞で一時入院したサンダース上院議員(14.6%)だった。
Elizabeth Warren
は、かつてテキサス大学法学部、ペンシルベニア大学法学部、ハーバード・ロー・スクールで教鞭をとっていた。連邦倒産法を専門とする著名な学者であり、商法の分野で特に有名であった。
積極的な消費者保護論者であり、消費者金融保護局の設立に貢献した。オバマ大統領のもと、大統領補佐官および、消費者金融保護局のアメリカ合衆国財務長官顧問となった。
裕福なエリート層のためにある「不正に仕組まれたシステム」を打倒すべく出馬した。「権威主義と腐敗した資本主義」が組み合わさることで米国がクレプトクラシー(支配階級が民衆の資金を横領して私腹を肥やす政治体制)に陥りかねないと警告している。
出馬表明前の2019年1月、資産額5000万ドル超の米国人に対し富裕税を課すこと提案した。純資産が5000万ドルを超える部分に年間2%の税金、10億ドルを超える部分については年間3%の税金を支払うよう求める。
4月には新法人税を提案した。大きな収益を上げている超大手企業に新たに7%の税を課すことを提案している。向こう10年で法人税収が約30%増加する措置となる。
2月の選挙集会では、「気候変動は真実だ。グリーン・ニューディール政策を支持する」と述べた。再生可能エネルギーへの巨額投資計画に賛同するとしている。
2019年3月8日、ブログサイトに「巨大ハイテク企業を解体する方法(Here's how we can break up Big Tech)」と題する記事を投稿した。文中ではAmazon、Google、Facebook をやり玉に挙げているが、翌日のインタビューでAppleも追加し、GAFAすべてを対象にしている。
内容は以下の通り。
1990年代、連邦政府が独占禁止法に違反したとしてマイクロソフトを訴え、最終的に和解に達したことで、GoogleやFacebookのようなインターネット会社が出現する道が開けた。競争促進が重要である。
今日の巨大ハイテク企業は大きな力を持ち過ぎている。
二つの手法が問題で、対策が必要。
@ 競合の買収
Facebookは「Instagram」や「WhatsApp」を、Amazonはオムツ販売サイト「Diapers.com」を、Googleもオンライン広告会社である「DoubleClick」を傘下に収めてきた。
競合買収の規制や、過去に遡及しての買収許可の取り消しが必要。
A 「マーケットプレイス」や「プラットフォーム」の悪用
売買の場を提供しながら、自らもそこで販売している。マーケットプレイス上で自社を有利に扱うことで、そこに参加する第三者のビジネスを阻害している。
年間売上高が250億ドル以上でプラットフォームを提供する企業を「プラットフォーム公共事業体(Platform Utilities)」と定義し、そのプラットフォームにプレーヤーとして参加できなくするという立法措置を行う。その事業を切り離すことを求める。
Facebook のザッカーバーグ最高経営責任者は本年7月、従業員に対し、ウォーレン上院議員が大統領に当選した場合、議員が推進するフェイスブックの解体計画を阻止するため「全力で戦う」と発言していた。
「ウォーレン氏が当選すれば当社は間違いなく法的な課題に直面するが、確実に勝利すると確信している。それでもこの問題が当社にとって最悪かと問われれば、それは最悪だ。なぜなら私は自分の国の政府を相手に大規模な訴訟などしたくないからだ」。
2019年のノーベル化学賞は、「リチウムイオン電池」を開発した旭化成の吉野彰名誉フェロー(71)、米テキサス大のJohn B. Goodenough 教授(97)、米ニューヨーク州立大のM. Stanley Whittingham卓越教授(77)に贈られる。
Goodenough 教授はノーベル各賞を通じ最高齢受賞で、90歳を超えても大学の研究室に通い、現役の研究者として活動している。
リチウムイオン電池の開発経緯は下記の通り。
1) M. Stanley Whittingham
1970年代の中盤、当時エクソンに勤務していたWhittinghamが、正極材料として二硫化チタンを使い、負極に非常に軽くて反応性の高いリチウム金属を使うことで、繰り返し充放電可能な新しい電池を開発した。
二硫化チタンは層状の化合物で、リチウムイオンが出入りしても形が壊れにくく、繰り返し充放電が可能な物質。この「層状化合物にイオンが出入りする」という考え方は、Intercalationと呼ばれており、その後の電池材料で広く使われる極めて重要な考え方となった。
リチウムイオン電池は正極と負極の双方にインターカレーション電極を用いる。
リチウムは電子を放出しやすいだけでなく、この新しい電池は電子をチャージすることができる。
しかし、この新しい電池は破裂しやすいという弱点を抱えていた。
2) John B. Goodenough
1976年から86年まで英オックスフォード大教授であったGoodenoughと研究チーム(現在は東芝リサーチ・コンサルティングのシニアフェローの水島公一を含む)はコバルト酸リチウム (LiCoO2) などのリチウム遷移金属酸化物を正極材料として提案した。
しかし、ほとんど注目されず、論文に「コバルト酸リチウムが正極に使えることを発見したが、負極の材料がない」と書いた。
3) 吉野彰
旭化成で1981年にポリアセチレンを産業利用するための研究を開始した。
白川英樹氏は導電性高分子のポリアセチレンの研究を行った。
(2000年に 「導電性高分子の発見と発展」でノーベル化学賞を受賞)普通の高分子は電気をまったく通さないが、ポリアセチレンは導電性である。
ドーピングという手法で、いくつかのπ電子を引き抜いてやると、スペースが生まれ、
他のπ電子が動けるようになり、電流が流れる。
家庭用「ビデオカメラ」に使える充電できる2次電池の開発を試み、ポリアセチレンが負極の材料に適していることを見つけたが、正極の材料が見つからなかった。
1982年の暮れに、たまたま、John B. Goodenoughの論文を見つけ、正極にコバルト酸リチウム、負極にポリアセチレンを使って期待の結果を得た。
但し、ポリアセチレンは体積が大きく、電池の小型化には向かないため、ポリアセチレンに構造が似ている素材を100種類以上を試し、社内の別のチームが作った炭素素材にたどり着いた。
付記 吉野彰 私の履歴書 リチウムイオン電池開発経緯
9/24 |
米野党・民主党のペロシ下院議長は、トランプ大統領の弾劾に関する正式な調査を開始すると表明。 下院の情報委員会、外交委員会、監視・政府改革委員会が担当する。
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9/26 |
下院情報特別委員会は、トランプ氏の対ウクライナ圧力疑惑に関する内部告発を公表。
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下院が開始した大統領弾劾捜査において証言を行った1人目としてジョゼフ・マグワイア国家情報長官代行が証言。 | |
9/27 | 下院の3委員会は、弾劾調査の一環として、ポンペオ国務長官にウクライナ関連の資料提出を命じた。 |
下院委は、国務省のウクライナ担当特別代表のKurt Volker氏、ケント国務次官補代理 、マリー・ヨヴァノヴィッチ元駐ウクライナ大使、ウルリッチ・ブレックブル国務省参事官、ゴードン・ソンドランド駐欧州連合(EU)大使の5人に今後2週間に証言するよう求めた。 | |
委員会は国務省のKurt Volkerウクライナ担当特別代表に対し、10月3日に出頭して質問に答えるよう命じた。 これを受け、同氏は辞任した。
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9/29 | 米野党・民主党のアダム・シフ情報特別委員長は、問題の内部告発者の議会証言について「近く実施することを望む」と語った。 |
9/30 |
米下院の情報特別委員会は、トランプ氏の顧問弁護士ジュリアーニ元ニューヨーク市長に召喚状を出した。
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米共和党上院トップのマコネル院内総務は、下院がトランプ大統領を弾劾訴追した場合、上院としては弾劾裁判を行う以外に「選択肢はない」との考えを示した。
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10/1 |
大統領は、「何が起きているかについて私が出している結論は、これは弾劾ではなく、人々の力や投票権、自由、憲法修正第2条、宗教、軍、国境の壁、米国民として神から与えられた権利を奪うことを意図したクーデターだ!」とツイートした
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ポンペオ国務長官、同省高官らが弾劾調査で宣誓証言するのを拒否する考えを示す。 | |
10/2 |
ポンペオ氏は、7月25日に行われたトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領による電話会談には参加していたと述べた。 国務省当局者の証言には反対しないとしつつ、国務省には情報を秘匿する「重大な憲法上の権限」があると語った。 |
10/3 |
米下院委員会は、対ウクライナ圧力疑惑を巡るトランプ大統領の本格的な弾劾調査入りに向け、ウクライナ問題の米特別代表を務めたKurt
Volker氏から事情聴取する宣誓証言を非公開で行った。野党民主党が、多数を占める下院で弾劾調査入りを表明後に出した召喚状に基づく初の聴取。 Volker氏は、トランプ氏の弁護士を務めるジュリアーニ元ニューヨーク市長とウクライナ政府関係者を引き合わせたと指摘されている。 以下を述べたとされる。
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トランプ米大統領は、野党・民主党のバイデン前副大統領の息子ハンター氏が中国と不正なビジネスをしていた疑いがあると主張し「中国政府は調査すべきだ」と訴えた。
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10/4 |
下院の民主党議員は、トランプ氏のウクライナ政策に関して、マイク・ペンス副大統領に文書の提出を求める書簡を送付。
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下院の監視・政府改革委員会、情報特別委員会、外交委員会の3委員会は4日、ホワイトハウスに対し、トランプ氏が政治的な便宜を図るようウクライナに圧力をかけたという疑惑の関連文書を提出するよう命じた。Mick
Mulvaney大統領首席補佐官代行に対し、今月18日までに文書を提出するよう求める書簡を送った。
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10/6 | 2人目の内部告発者が現れたことが判明。
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10/7 | 情報特別委員会などは、国防総省と行政管理予算局(OMB)に対し、15日までに関連文書の提出を命じる召喚状を出した |
10/8 |
国務省はソンドランド駐EU大使に、下院委員会での事情聴取に出席しないよう命令
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ホワイトハウス、民主党幹部に弾劾調査への協力拒否の文書
ホワイトハウスのツイート
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10/9 | トランプ大統領、下院の採決で可決され、自らが公平だと考えるルールに従って調査すると民主党が約束すれば、協力すると述べた。 |
2019/10/12 碧素(ペニシリン)の製造許可申請書とアンプルが2019年の「未来技術遺産」に
Meiji Seika ファルマは10月7日、同社の前身である明治産業(1943/12〜1947/4)により1945年に提出された碧素(へきそ:ペニシリン)の製造許可申請書が、2019年度重要科学技術史資料(「未来技術遺産」)に登録されたと発表した。
1944年製作の碧素アンプルも同時に登録された。
ペニシリンは1928年に英国で発見され、多くの感染症に効く奇跡の薬として知られている。
1928年にイギリスのAlexander Fleming博士によって発見された世界初の抗生物質である。
ブドウ球菌を培養して増やす実験をしていたとき、細菌が繁殖している培養器の中にアオカビが発生し、その周囲だけに細菌が繁殖していないことに気がついた。顕微鏡で調べ、アオカビが分泌する液体が細菌を溶かしているということを見つけ、この物質をペニシリンと名付けた。
Fleming博士は、純粋なペニシリン抽出に成功したHoward Florey、Ernst Chainとともに1945年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
第二次世界大戦中も使用され多くの命を救ったが、当時ペニシリンの実用化に成功したのは英米を除くと日本だけであった。
ドイツのキーゼ報告を頼りに、医、理、工、薬、農学の研究者によるペニシリン研究委員会を結成し、独学で1年以内にペニシリンの大量生産を開始するという一大成果を成し遂げた。
昭和18年12月に潜水艦が同盟国ドイツから持ち帰った機密資料の中にベルリン大学のキーゼ教授によるペニシリンの臨床報告があった。
「ペニシリン」は、「碧素」と命名され、陸軍軍医学校で昭和19年2月に碧素委員会が開催され、研究が始まった。同年9月に抽出に成功した。
昭和19年11月、森永食品(現・森永製菓)三島工場で国産碧素第一号の製造が開始された。
しかし当時の製造に関する資料はほとんど残っておらず、明治ホールディングスが所有する昭和20年4月の日付がある製造許可申請書は、化学的に不安定なペニシリン(碧素)の開発に成功し、戦時中に実際に製造しようとした事実を伝える貴重な資料として重要である。
アンプルは森永食糧工業の製作で、日本感染症医薬品協会が岐阜県各務原市の内藤記念くすり博物館で公開している。
「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」 一覧
http://sts.kahaku.go.jp/material/
トランプ大統領は10月11日、米中貿易交渉の"phase one"で合意したと発表した。
10月15日に実施予定であった2500億ドル分の中国製品に対する制裁関税の拡大は延期された。
トランプ米大統領は8月23日、対中関税の新たな引き上げを発表した。
10月1日から、これまでに課している2500億ドル相当の中国製品に対する関税を現在の25%から30%に引き上げる。
さらに中国製品3000億ドルに課す追加関税第4弾の税率も10%から15%に引き上げる。トランプ米大統領は9月11日、2500億ドル分の中国製品に対する制裁関税の拡大を10月15日に先送りすると発表した。同日に中国が建国70周年を迎えるのにあたり、劉鶴副首相から要請を受けた。
2019/8/26 米国、中国の報復関税に更に対抗関税、米国企業に中国撤退を要求
現状 8/23 発表 @ 340億ドル 2018/7/6 25% 2019/10/1 30%
(→10/15に延期)
(→今回延期)A 160億ドル 2018/8/23 25% B 2000億ドル
計 2500億ドル2018/9/24 10%
↓
2019/5/10 25%C 3000億ドル 除外 300億ドル ー 一般 1100億ドル 2019/9/1 10% 9/1 15% 消費財 1600億ドル 2019/12/15 10% 12/15 15%
大統領はその前にツイッターで合意を示唆した。
Good things are happening at China Trade Talk Meeting.
Warmer feelings than in recent past, more like the Old Days.I will be meeting with the Vice Premier today. All would like to see something significant happen!
トランプ大統領はホワイトハウスで、2日間の閣僚級の貿易交渉を終えた中国の劉鶴副首相と会談し、その後、中国との貿易交渉で第1段階の合意に至ったと発表した。
合意の対象は、知的財産権、金融サービスと、中国によるアメリカ産の農産品の400〜500億ドルの購入としている。
米国が人民元安への意図的な誘導と批判してきた通貨政策では透明性を担保する。金融市場を開放したり、技術移転の強要をなくしたりする施策も含めたという。
中国の過剰な産業補助金や国有企業の優遇などの問題は先送りした。
両政府は今後、詳細を詰めて書面化する。大統領は、11月のチリでのAPEC首脳会議で、習近平国家主席と正式に署名することに意欲を表した。
米中は「第2、第3段階の合意」に向け、引き続き中国の経済構造改革を中心に協議を続ける。
12月15日には消費財1600億ドル分に15%の追加関税をかける予定になっている。
付記 トランプ大統領のツイッター
My deal with China is that they will IMMEDIATELY start buying very large quantities of our Agricultural Product, not wait until the deal is signed over the next 3 or 4 weeks.
THEY HAVE ALREADY STARTED!
Likewise financial services and other deal aspects, start preparing...
I agreed not to increase Tariffs from 25% to 30% on October 15th. They will remain at 25%.
The relationship with China is very good.
We will finish out the large Phase One part of the deal, then head directly into Phase Two. The Phase One Deal can be finalized & signed soon!
CHINA HAS ALREADY BEGUN AGRICULTURAL PURCHASES FROM OUR GREAT PATRIOT FARMERS & RANCHERS!
ニューヨーク州の連邦地検は10月10日、旧ソ連出身で米国籍を持つ南部フロリダ州の実業家、Lev Parnas
(ウクライナ生まれ)と Igor Fruman (ベラルーシ生まれ)を起訴したと発表した。
10月9日にWashington Dulles International Airport
空港で片道切符で出国する直前に逮捕された。逮捕の数時間前にはジュリアーニ弁護士と食事をしていたという。
二人はトランプ大統領の弁護士ジュリアーニ氏(元NY市長)の顧客で、バイデン前副大統領がウクライナの検事総長の解任に圧力をかけたとされる問題について独自の調査を進めていたジュリアーニ 弁護士に対し、ウクライナの現元職の検察官らを紹介するなど支援していた。
起訴状や米メディアによると、2被告は2018年5月ごろ、架空のLLC Global Energy Producersの名義を使ってトランプ氏を支持する特別政治活動委員会(スーパーPAC)America First Actionに325千ドルを献金。政権側への接近を図る狙いがあったとみられる。
起訴状は、2被告と関係のあったクライナ当局者の「政治的利益」のために献金が行われたと指摘しているが、具体的な「利益」の内容には言及していない。
連邦法は選挙に関して外国人からの献金などを禁じており、新たな疑惑に発展する可能性もある。
また、2被告が共和党の Pete Sessions下院議員(当時)への献金(2万ドル)を通じて、Marie
Yovanovitch元駐ウクライナ米大使の解任を政権側に働きかけていたことも判明した。
元大使はバイデン副大統領に関する調査に非協力的だったとされる。
セッションズ氏は2018年5月、ヨバノビッチ氏がトランプ氏に対して偏見を持っているとして解任を訴える書簡をポンペオ国務長官に送付。献金はその後に行われたという。
ヨバノビッチ氏は任期を残して2019年5月に召還された。起訴状では、「大使排除の試みの少なくとも一部は、1人または複数のウクライナ政府当局者の要請で実行された」としている。
献金を機に二人は大統領と親しい関係にあることを吹聴している。
大統領は2018年5月1日にホワイトハウスでParnasと食事をしている。Parnasがツイッターに載せている。
Thank you President Trump!!! Making America great!!!! incredible dinner and even better conversation.
2018年5月にはParnasはFruman、大統領の息子の Donald Trump Jr 、America First Actionの会長の4人のBeverly Hills Hotelでの食事の写真を掲載した。
また、日付は不明だが、2人と大統領、副大統領、Giuliani弁護士の写真もある。
大統領は写真の存在を認め、「彼らを知らない。基金集めのパーティがどこかで写真を撮ったかも知れないが、誰とでも写真を撮る」と述べた。また「彼らについては知らない。多分ジュリアーニの顧客じゃないか」と述べた。
弾劾調査を指揮する下院情報特別委員会の委員長は、両被告はフロリダ州を拠点とする実業家で、「ジュリアーニ氏と協力し、トランプ氏の政敵の汚点を探すようウクライナに圧力をかけたとされる」と説明。両被告に関連文書の提出と議会証言が命じられていることを明らかにした。
世界経済フォーラム(WEF)は10月9日、2019年版の「世界競争力(Global Competitiveness Index)報告」を発表した。
http://reports.weforum.org/global-competitiveness-report-2019/
世界経済フォーラムはダボス会議を主催するスイスのシンクタンク。
141カ国・地域を対象に「革新力」「労働市場」など12項目を100点満点評価した。
シンガポールが初めて1位となり、昨年首位だった米国は2位に後退した。日本は6位と前年より1つ順位を下げた。
WEFは「人的資源や制度改革などに投資した国は生産性を向上させた」と分析した。
1位のシンガポールは「金融システム」「マクロ経済の安定性」などが高評価だった。WEFは米中の貿易摩擦に伴う生産移転などを念頭に「シンガポールやベトナムなど貿易摩擦の恩恵を受けた国もある」としている。
3位の香港は金融やマクロ経済が評価され、前年より4つ順位を上げたが、今後は長引くデモが影響する可能性がある。
韓国は13位、中国は28位だった。EU離脱で揺れる英国は1つ順位を下げて9位だった。
順位と総合点は以下の通り。(141か国・地域)
2018 | 2019 | |||
Singapore | 2 | 83.5 | 1 | 84.8 |
USA | 1 | 85.6 | 2 | 83.7 |
HK | 7 | 82.3 | 3 | 83.1 |
Netherlands | 6 | 82.4 | 4 | 82.4 |
Switherlands | 4 | 82.6 | 5 | 82.3 |
Japan | 5 | 82.5 | 6 | 82.3 |
Germany | 3 | 82.8 | 7 | 81.8 |
Sweden | 9 | 81.7 | 8 | 81.2 |
UK | 8 | 82.0 | 9 | 81.2 |
Denmark | 10 | 80.6 | 10 | 81.2 |
日本の評価内訳は以下の通り。
長寿を背景に「健康」は100点だったが、硬直的な労働市場や、女性の労働参加が不十分である点などに改善の余地が大きいとした。