日本経済新聞 2007/6/5 

コンクリート強化剤原料 日本触媒が増産

 日本触媒はコンクリート強化剤の原料を増産する。国内工場のほか、中国や米国の工場に総額30億円を投資し、2006年末で6万トンの年産能力を2年後に10万トンに増やす。強化剤は08年の北京五輪や10年の上海万博を控えて高速道路やビルの建設が進む中国のほか、中東などでも需要が拡大している。欧米・中国の強化剤メーカーなど海外への販売強化につなげる。
 酸化エチレンからつくる
ポリカルボン酸など強化剤原料を増産する。中国の江蘇省・張家港市の工場で新プラントを建設し、今秋にも生産を始める。年産能力は1万トン。国内では現在、兵庫県姫路市と川崎市の工場で合計5万トンを生産。川崎工場の年産能力を今年末までに1万トン増やす。


需要地立地供給体制の拡充 
 
http://www.shokubai.co.jp/ir/pdf/briefing_note/h1905_09kaisha.pdf

  現状 計画
国内(姫路・川崎) 5万トン 川崎で1万トン増強(2007年末)
米国(エヌ・エイ・インダストリーズ) 1万トン 2万トン増強検討中
日触化工(張家港)  ー 新設1万トン今秋完工
合計  6万トン 増設後 10万トン

世界需要 ポリカルボン酸系 30万トン
  日本、北米、欧州   20万トン
  中国、アジアその他 10万トン


200773日 旭化成

新規キラルリガンド「CBHA」の工業化技術を世界で初めて確立
〜不斉酸化触媒用として試薬の販売を開始〜
 旭化成ケミカルズ(本社:東京都千代田区 社長:藤原 健嗣)の100%出資子会社である旭化成ファインケム株式会社(本社:大阪市西淀川区 社長:森山 直樹)は、医薬品の副作用抑制等に効果のある光学活性体の開発・製造用不斉酸化触媒に用いられる、新規キラルリガンド(触媒配位子)「キラルビスヒドロキサム酸リガンド『CBHA』」の工業化技術を世界で初めて確立し、7月9日(月)から試薬販売しますのでお知らせします。
 「CBHA」は、医薬品開発・製造時に従来の不斉酸化用リガンドでは、使えなかったり、低い光学純度しか得られなかった領域に用いることで、高い光学純度が得られます。また、酸化反応を行う際の安全性の大幅な改善、製造プロセスの簡略化も期待されます。
 当社は、試薬の販売を開始するとともに、さらに本技術を用いて光学活性医薬中間体の製造受託も行ってまいります。
   
 このたび工業化技術を世界で初めて確立した「CBHA」は、シカゴ大学山本尚教授が発明されたビスヒドロキサム酸構造をもつ不斉酸化用新規キラルリガンドです。バナジウムやモリブデンなどの金属と組み合わせて触媒として使用することで、従来の不斉酸化技術の課題を解決できると期待されています。
 当社は、山本教授の指導を得ながら工業化技術開発を行ってまいりました。このたび、シカゴ大学、科学技術振興機構(JST)から本技術の特許優先実施権を取得し、医薬中間体分野での不斉酸化技術展開に適したリガンドの市場開拓、本技術を活用した光学活性医薬中間体の製造受託も展開する計画です。
 
【用語解説】
光学活性体: キラル化合物とも呼び、光学異性体の内どちらか一方が過剰に存在する化合物。
キラルリガンド: 触媒において中心の金属のまわりに配位している有機化合物をリガンド(触媒配位子)という。光学活性なリガンドをキラルリガンドと言い、不斉合成に於いて立体を認識する重要な役目を果たす。
光学純度: 光学異性体の一方を他方より多く生成する割合。光学異性体が1対1で存在するラセミ体の場合光学純度0%。
ヒドロキサム酸: C(=O)N(OH)結合を有する化合物。
不斉合成: 光学活性の無い分子(基質化合物)から一方の光学活性体のみを合成する方法。
光学分割: ラセミ体から一方の光学活性体を取り出す方法。
キラル技術: 光学活性体を選択的に製造する技術であり、大きくは不斉合成と光学分割。
光学異性体: 右手と左手の関係のように、鏡に映った鏡像のような関係にある異性体を言う。物理的性質、例えば沸点や密度などは同一であるが、生理活性は異なり、生体に対して影響する。医薬品や農薬、調味料、香料などもどちらか一方の光学異性体しか効力がない場合が多い。
不斉触媒: 不斉合成に用いられる触媒であって、光学活性体を得るために反応に用いる。
不斉還元: オレフィン等の二重結合に水素を付加することによって、光学活性体を製造する技術で不斉水添とも言う。
不斉酸化: 化合物に酸素を反応させる際、光学異性体の内一方の異性体を選択的に製造する技術。
シャープレス酸化: 酒石酸エステルをキラルリガンドとしてチタンを用いた不斉酸化触媒で、アリルアルコールのエポキシ化に用いられる。
基質 化学反応を起こす前の化合物、原料。
ホモアリルアルコール: オレフィンの二重結合の炭素に炭素を2個隔ててアルコールが結合したもの。
単純オレフィン: 炭素−炭素の二重結合を持つ炭化水素のこと。
シス体: 二重結合の2つの炭素それぞれに置換基がある場合、置換基が同じ側にある場合をシス体、対角線側にある場合をトランス体という。
アリルアルコール: オレフィンの二重結合の炭素に炭素を1個隔ててアルコールが結合したもの。
立体選択性: 光学異性体のうちどちらか一方を選択的に製造する際の選択性。
 

2007 年8 月1 日 三菱化学

中国におけるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)事業計画について

 三菱化学株式会社(本社:東京都港区、社長:小林 喜光)は、中国を中心としたアジアにおけるポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下「PTMG」)の需要増に対応するため、設備の増設について検討を進めてまいりましたが、今般、2009 年9 月生産開始を目標に、中国浙江省寧波市大シャ島にPTMG の製造設備を新たに設置することを決定しました。今後速やかに寧波市に対し製造・販売会社の設立を申請する予定です。


[新社概要]
1.新社名称(予定) MCC 高新聚合?品?波有限公司
  (英文名称:MCC Advanced Polymers Ningbo Co., Ltd.)
2.事業予定地 中華人民共和国浙江省寧波市大?開発区
3.生産能力 PTMG 2.5 万トン/年
4.製造プロセス 当社独自技術
5.完成時期(予定) 2009 年4 月
6.総投資金額 約50 億円
  (うち新社資本金 約20 億円)
7.投資形態 三菱化学100%出資


2007/8/22 新日本石油

アルコール系溶剤の生産能力増強について
〜アジア市場でのシェア拡大を目指して〜

当社(社長:西尾進路)は、当社グループの石油化学製品製造会社である新日本石油化学株式会社(社長:高橋良昭、川崎市)川崎事業所(所長:土師省司、川崎市)において、インキ、塗料などの原料となるアルコール系溶剤、IPA※1の生産能力増強を決定しましたのでお知らせいたします。

現状、アジア域内におけるIPAの需給バランスは、IPAの生産能力および原料となるプロピレンの不足により、供給量が需要量を下回っており、また今後も、東南アジアを中心に年間4〜5%の需要の伸びが見込まれております。そこで、2008年8〜9月に予定されているIPA製造装置の定期修理期間中に、年間の生産能力を現在の
7万5千トンから8万5千トンに増強するものです。

当社は今回の増強により、国内最大かつアジア有数のIPAメーカーとして、堅調な需要が見込めるアジア市場での更なるシェア拡大を目指してまいります。

※1 Isopropyl alcohol:イソプロピルアルコール
特有の芳香を有し、水、エタノールなどに混合する無色透明のアルコール系溶剤


2007年9月10日 三菱化学

南アフリカ・Sasol社とのアクリル酸及びアクリル酸エステルの合弁事業の解消について

 三菱化学株式会社とSasol Chemical Industries Limited(本社:南アフリカ共和国・ヨハネスブルグ、以下「Sasol」)とは、アクリル酸(以下「AA」)及びアクリル酸エステル(以下「AE」)の
合弁事業を解消することに合意いたしました。
 三菱化学とSasolは、AA及びAE事業において、2003年9月に製品の販売、投資等をグローバルに展開する事業管理合弁会社 (社名:Sasol Dia Acrylates (Pty) Limited)と、製品の製造を行う製造合弁会社(社名:Sasol Dia Acrylates (South Africa) (Pty) Limited)の2社を南アフリカに設立し、2004年3月より営業運転を開始いたしました。

 しかしながら、今般、合弁事業の経営について当社とSasolの間で将来の方向性を協議した結果、それぞれが独自に事業を継続するほうが両社にとってメリットがあるとの結論に達し、友好的に合弁事業を解消することといたしました。今後、合弁事業解消契約に調印の後、南アフリカその他関係国の独禁当局、南アフリカ中央銀行による合弁解消についての最終承認をもって、三菱化学が事業管理合弁会社(Sasol Dia Acrylates (Pty) Limited)における持分50%を譲渡し、同社は
Sasolの100%子会社となります。
 当社は、四日市事業所におけるAA及びAEの一貫生産体制とともに、合弁解消後もSasolからの製品の引取権をもち、さらには、当社のAA及びAE生産技術の供与先である中国藍星(集団)総公司のグループ会社である
瀋陽パラフィン社(2007年第1四半期より営業運転開始)からの製品引取権を加えることにより、引き続き、日本市場、国際市場における事業展開を図ってまいります。また、今後とも当社は、AA及びAEの川上製品から高吸水性樹脂(SAP)やエマルジョン等の川下製品までの「トータル・アクリレート・チェーン」での事業展開を進めてまいります。
 なお、本件合弁の解消に伴う、当社連結親会社である株式会社三菱ケミカルホールディングスの今期連結業績に対する影響は軽微であります。


2007/9/12 日本経済新聞

CO2からプラスチック 東大・帝人など産学チーム 12年度にも実用化

 東京大学、帝人、住友化学などの産学チームは11日、二酸化炭素(CO2)からプラスチック(樹脂)を作ることに成功し、量産技術の開発を始めると発表した。包装材やフィルムなど幅広い用途での利用が期待できる技術で地球温暖化防止に役立つ。2012年度にも実用化する。
 チームには東京理科大学、慶応義塾大学、金沢大学、三菱商事、住友精化も参加。原料の5割はCO2でエポキシドと呼ぶ化合物と混ぜて作る。約40年前に東大が考案した製法だが、耐熱性の高い樹脂ができない欠点などがあった。
 野崎京子東大教授らは新しい触媒で耐熱性を改善し実用化のめどをつけた。世界の合成樹脂市場の6割強を占めるというポリプロピレンとポリエチレンの代替素材になる。
 工場から出るC02を原料にする。石油から作るのに比べCO2の排出を3割以上減らせるという。新エネルギー・産業技術総合開発機構の支援を受けて実用化を狙う。住友化学と住友精化が生産、帝人が加工、三菱商事が販路開拓などを担当する計画。コスト競争力を確保できるとみている。

野崎研究室 研究内容  http://www.chem.t.u-tokyo.ac.jp/chembio/labs/nozaki/

                 CO,CO2などの小分子を用いた合成反応 
            
http://www.chem.t.u-tokyo.ac.jp/chembio/labs/nozaki/researchdetail2.html

参考

2007/8/20 中国のCNOOC子会社が生分解性プラスチック製造


2007年9月28日 旭硝子

米国のフッ素化学品生産拠点(ベイヨン工場)の閉鎖を決定

 旭硝子株式会社(本社:東京、社長:門松正宏)は、2005年から3年間の中期経営計画“ JIKKO-2007 ” の重点施策の1つとして北米地域の収益改善を掲げ、フッ素化学事業についても製造設備更新による生産性向上等の施策を実施してきましたが、今般、2007年12月末をもって、
AGCケミカルズ・アメリカ社ベイヨン工場でのフッ素化学品の生産を停止し、同工場を閉鎖することを決定しました。
 当社は、化学事業の成長分野であるフッ素樹脂事業のグローバル展開を図るため、1999年に
ICI社の英国及び米国のフッ素樹脂事業を買収、その後、英国に旭硝子フロロポリマーズU.K.社(現AGCケミカルズ・ヨーロッパ社)を、米国に旭硝子フロロポリマーズUSA社(現AGCケミカルズ・アメリカ社)をそれぞれ設立し、フッ素化学事業を展開しています。
 

一方、ソーンデール工場においては、フッ素樹脂コンパウンドの生産を継続するとともに、エクストンのテクニカルセンターでのサービス機能を向上させ、日本、英国の生産拠点で製造した、高機能なフッ素樹脂「フルオンRETFE」やフッ素ゴム「アフラスR」などの輸入販売を強化します。

<ご参考>
1.AGCケミカルズ・アメリカ社の概要
(1) 所 在 地 米国 ニュージャージー州
(2) 代 表 者 末廣 眞澄
(3) 設立年月 2004年1月(AGAケミカルズとAGCフロロポリマーズUSAが合併)
(4) 事業内容 各種フッ素化学品の製造・販売
(5) 資 本 金 75.1百万USドル
(6) 出資比率 AGCアメリカ100%(AGCアメリカは旭硝子の100%子会社)
(7) 生産拠点 ベイヨン工場、ソーンデール工場
(8) 従業員数 270名(2007年9月末時点)

2.AGCケミカルズ・アメリカ社ベイヨン工場の概要
(1) 所 在 地 米国 ニュージャージー州
(2) 事業内容 フッ素樹脂PTFE、フッ素系溶剤AK−225の製造・販売
(3) 敷地面積 約14万u
(4) 従業員数 157名(2007年9月末時点)

3.PTFE
 耐薬品性・耐熱性に優れたフッ素樹脂で、シート、チューブ、テープ等に加工され、半導体関連製品・自動車部品などに使用される。
4.AK−225
 不燃性、洗浄力、乾燥性に優れたフッ素系溶剤で、樹脂部品洗浄、希釈溶媒などに使用される。
5.フッ素樹脂コンパウンド
 ベースのフッ素樹脂に添加剤を混ぜ合わせ、新しい機能を持たせた成形前材料のこと。

 


2007年12月18日 クレハ

ポリグリコール酸樹脂「クレハPGA」の事業化について

 株式会社クレハ(本社:東京都中央区、社長:岩ア隆夫、以下「クレハ」という)は、12月18日、米国ウエスト・バージニア州にある米国デュポン社のBelle プラントの一画に年間生産規模4,000トンのポリグリコール酸樹脂(以下「PGA」という)工場を建設することを決
定しました。投資金額は約1億米ドル(約113億円)です。2008 年早々に米国に新会社を設立のうえプラント建設に着工し、2010年初頭から商業生産を開始、数年後には1 億米ドル(113 億円)を超える事業とする計画です。
 

【新会社の概要】
・ 会社名: Kureha PGA LLC
・ 事業目的: PGA の生産・販売
・ 資本金: 500 万米ドル(設立時の予定額。段階的に約1 億米ドルまで増資)
       ・・・ 当社グループで100%出資
・ 所在地: ウエスト・バージニア州 米国デュポン社Belle プラント内
・ 設立時期: 2008 年1 月(予定)

【米国での工場建設について】
 デュポンは、PGA の主要原料であるグリコール酸を生産・供給している企業であり、コーポレート戦略として顧客の環境負荷を低減する製品を積極的に展開しています。クレハのPGA 事業はこれに沿うものであり、デュポンからは原料供給にとどまらない協力をいただいております。


2008年2月1日 三菱化学

合成エタノール事業の強化について
〜日本エタノール社の統合〜

 三菱化学株式会社(本社:東京都港区、社長:小林 喜光)は、合成エタノール事業の一層の強化を図るため、当社の完全子会社である日本エタノール株式会社(以下「日本エタノール社」)を吸収合併により、本年4月1日付で当社に統合し、当該事業を当社が直接運営する体制とすることといたしました。
 日本エタノール社は、アルコール専売法時代の1969年11月に設立されて以来、一貫して合成エタノール事業に取り組んでまいりました。
 一方、2001年のアルコール専売法廃止およびアルコール事業法の制定、さらには暫定期間措置の終了を経て2006年4月からはアルコールの製造・輸入・販売・使用が完全に自由化されるなど、事業環境は大きな転換を経てきており、また、原料であるエチレン価格の高騰や発酵アルコールとの競争激化など取り巻く環境は厳しさを増しています。
 こうした中で、日本エタノール社は、事業運営の効率化を推進し、自由化への対応等、事業強化に向けた取り組みに成果を上げてきましたが、今回、日本エタノール社を当社に統合し、石化事業全体の中に有機的に組み込むことにより、こうした取り組みを一層強力に推進するものです。
 当社は、今回の施策を契機として、化学工業用途をはじめ各種産業分野での合成エタノールの強みを生かし、一層事業を強化していくとともに、製造・マーケティング等において、戦略的な事業運営を加速化させることにより、お客様のご要望に対して迅速な対応と高品質な製品を提供してまいります。

【日本エタノール株式会社の概要】
1. 本社 東京都千代田区神田錦町一丁目16番地1
2. 社長 蓑田 豊一(みのだ とよかず)
3. 資本金 480百万円(2007年12月31日現在)
4. 売上高 6,192百万円(2007年3月期)
5. 主要製品 工業用エタノール
6. 主要株主 三菱化学(株)100%


2008年2月14日 クラレ

欧州でのPVB樹脂生産設備の増設について

PVB樹脂 設備能力推移

年 月 年産能力(増加分) 備 考
2001年12月 16,000トン (買収により取得)
2003年 20,000トン(+ 4,000トン) 設備改造
2005年 22,000トン(+ 2,000トン) 設備改造
2006年 25,000トン(+ 3,000トン) 設備改造
2007年 29,000トン(+ 4,000トン) 設備改造
2008年2月着手
2009年7月完工
39,000トン(+10,000トン) 新ライン増設

 


2008年3月31日 東ソー

エチレンアミンの大幅な生産能力増強について
〜機能商品事業をより一層強化し、ハイブリッド経営を加速〜

東ソーはこの度、南陽事業所(山口県周南市)において、機能商品事業の主力事業でフル生産・フル販売が続いているエチレンアミンの新系列年産
3万6千トン製造設備を建設することを決定しました。投資金額は200億円強を予定。まず第一期計画として、年産2万6千トン設備を本年3月に着工し、2010年3月完工、さらに第二期計画として、年産1万トン設備を2012年3月完工と二段階にわけて建設を進めます。


今回の新系列増設により生産能力は
年産8万9千トンとなり、世界トップ級の生産能力を有することとなります。今回の設備増強により、エチレンアミン事業の売上高は300億円を上回る事業規模に拡大する計画となっています。尚、当社はオランダにてアクゾ・ノーベル社(オランダ)との合弁会社であるデラミン社でもエチレンアミン事業を展開しております。

デラミン社(オランダ)で年産3万トンのエチレンアミンを製造・販売している。


1996年03月18日 東ソー

エチレンアミンの生産能力増強について

東ソーは、ファイン・ケミカル事業の主力製品であるエチレンアミンの生産能力を年産4万トン強に増強することを決定した。第1段階として、南陽事業所にある現有プラント(年産1万5千トンの生産能力)のデボトルネッキングを本年夏に実施し、生産能力を約4割増強する。さらに第2段階として、97年末を目途に年産能力を4万トン強とする。(その後 5.3万トン?)


 当社はアクゾ・ノーベル社(オランダ)との合弁会社である
デラミン社(オランダ)で年産3万トンのエチレンアミンを製造・販売している。今回の増設により、合計で年産7万トンを超える生産能力を有することになり、ダウ・ケミカル社(アメリカ)、UCC社(アメリカ)と並び世界市場を睨んだグローバルな販売政策を構築、展開して行く。特に需要増加の著しい東南アジアに於いては、デラミン社との連携も強化、販売網の整理・統合を含め、強力な地盤作りを目指す。

Delamine
A joint venture between Akzo Nobel Chemicals the Netherlands and Tosoh Corporation Japan, producing Ethyleneamines in Delfzijl, the Netherlands.

Complete range of Ethyleneamines
Ethylenediamine EDA
Diethylenetriamine DETA
Piperazine Anhydrous PIP
N-Aminoethylpiperazine N-AEP
Triethylenetetramine TETA
Tetraethylenepentamine TEPA
Pentaethylenehexamine PEHA
Higher Ethylenepolyamines HEPA

 


平成20年5月7日 三菱ガス化学

高純度イソフタル酸製造設備の稼働について

 三菱ガス化学株式会社の子会社エイ・ジイ・インタナショナル・ケミカル株式会社(本社:東京都港区、社長:川添能夫、以下「AGIC」という)は、
高純度イソフタル酸(以下「PIA」という)の生産能力を年産10万トン増強し、4月1日より商業生産を開始しました。既存の設備を合わせた生産能力は年産23万トンとなり、アジア最大のPIAメーカーとしての座は一層堅固なものとなります。
 この度の生産能力増強は、
三菱化学株式会社松山工場(愛媛県松山市)内の休止設備を取得、改修することにより、設備投資額を大幅に抑制しています。* 休止設備:高純度テレフタル酸
 PIA製造販売会社のAGICは、
水島工場(岡山県倉敷市、MGC水島工場内)に年産13万トンのPIA製造設備を所有していますが、ここ数年はPIA需要の急速な拡大に対応してフル操業を継続しており、早期の生産能力増強が期待されていました。

 このような状況から、AGICへ原料メタキシレンを全量供給しているMGCも、メタキシレンの生産能力を2009年秋までに年産15万トンから22万トンに引き上げることを決定しており、PIAをはじめとしたメタキシレン系事業の拡大発展を図ってまいります。

【PIAの用途と市場規模】
 PIAはメタキシレンから合成される芳香族ジカルボン酸で、ボトル用PET樹脂などの改質剤として、また、各種塗料、不飽和ポリエステル樹脂などの原料として使われており、需要は近年、年率7〜8%で成長しております。特にPETボトルや粉体塗料は高成長が続いており、PIAの世界需要は今後も引き続き高い水準での成長が見込まれています。

<AGIC概要>
設 立 :1968年1月
株主構成:MGC 91.6%、双日株式会社 8.4%
従業員数:約60名
事業内容:イソフタル酸の製造および販売
生産能力:年産23万トン(水島工場 年産13万トン、松山プラント 年産10万トン)

 


 

2010/9/9 三菱ガス化学

エイ・ジイ・インタナショナル・ケミカル株式会社の完全子会社化
   および高純度イソフタル酸事業の運営強化について

 三菱ガス化学株式会社は、9月から、これまでエイ・ジイ・インタナショナル・ケミカル株式会社(「AGIC」)で展開してきました高純度イソフタル酸(「PIA」)事業の
営業機能を当社に取り込むこととしました。
 なお、本年6月末には双日株式会社が保有していたAGICの発行済株式総数の8.4%にあたる71,400株を取得し、AGICを当社の完全子会社としております。
 PIAは、メタキシレンから合成される芳香族ジカルボン酸で、ボトル用PET樹脂等の改質剤や各種塗料、不飽和ポリエステル樹脂等の原料として使われており、世界同時不況で落ち込んだ需要も今後は中国等のアジアを中心に年率7〜8%の成長が見込まれます。
 組織を一体化することで、原料メタキシレンからPIAまでの一貫したコスト管理と市況変動に対応した迅速な販売戦略の立案が可能となり、PIA事業の競争力強化に繋げることができると判断しました。
現状のAGICの営業戦力に加えて当社の営業力も活用することで、
生産能力22万トン/年(23万トン?)のPIA拡販及び一体運営の強化を進めて行きます。
 併せて、物流部門を整備し効率化を図るとともに、AGIC本社事務所の統合等、更なるコストダウンを早期に実現し、PIA事業の収益改善を図るとともに、メタキシレンジアミン(MXDA)、MXナイロン、芳香族アルデヒドを含めた芳香族化学品事業全体の確実な収益確保を図って行きます。

<AGIC概要>
設 立 :1968年1月
株主構成:MGC 100%
事業内容:イソフタル酸の製造および販売
生産能力:年産23万トン(水島工場 年産13万トン、松山プラント 年産10万トン)
原料:メタキシレン(三菱ガス化学 22万トン)


2008年5月22日 昭和電工

大分コンビナート アリルアルコール設備生産能力増強完了

   昭和電工株式会社(社長:高橋 恭平)は、大分石油化学コンビナート(大分市、代表:佐藤 栄一)において進めてきたアリルアルコール設備の増強工事を今般完工させ、生産能力を年産5万6000トンから7万トンへ引き上げました。

   アリルアルコールは、香料や医薬中間体、眼鏡レンズ等に使用されるアリルエステル樹脂の原料として使用されており、需要は拡大傾向にあります。当社は、プロピレンと酢酸からアリルアルコールを直接合成する技術を独自に開発し、同技術を用いたプラントを1985年に完成させ事業化いたしました。2006年には年産能力を5万6000トンへ引き上げるなど、これまで事業は着実に拡大しておりましたが、今後の一層の需要拡大に対応するため、今般、さらに能力を引き上げたものです。

   当社大分石油化学コンビナートの酢酸等の製品群(「アセチル・チェーン」)は、原料ナフサからの一貫生産と、当社独自の触媒・プロセス技術により高い競争力を有しています。当社は、触媒の高度化をさらに進めるとともに、新規誘導品の開発、既存品目の生産性向上等に今後積極的に取り組むことにより、「アセチル・チェーン」のさらなる高付加価値化を果たし、アジアでトップクラスの収益力をもつ個性派コンビナートの実現を目指します。


2008/6/30 三井化学

アペル(R)(環状オレフィンコポリマー)第2プラントの営業運転開始について

 当社(社長:藤吉建二)は、非晶性で光学特性に優れたアペル(R)(環状オレフィンコポリマー)を製造販売しております。このたびプラント新設による生産能力増強が完工し、以下の通り営業運転を開始いたしました。

<新プラントの概要>
1.製品:       環状オレフィンコポリマー
2.商標:       アペル APEL
3.製造設備:    三井化学大阪工場内(大阪府高石市)
4.生産能力:    3,000トン/年
5.技術:       自社技術
6.総投資額:    約60億円
7.スケジュール: 着工:2007年1月、完工:2008年1月、
             営業運転開始2008年5月1日

※ご参考: アペルの既存プラント・・・三井化学岩国大竹工場内、生産能力3,400t/年


日本経済新聞 2008/7/18

三菱化学、植物樹脂を量産
「脱・原油依存」進める 年産1万トン、生産設備新設 10年度にも

  樹脂2種類で植物転換を進める。土中で分解する「
生分解性プラスチック」では、原料の約6割を占めるコハク酸をイモなどの糖分から作る方式に変更。従来は原油由来のナフサ(粗製ガソリン)から生産していた。
 10年度をめどに年産能力1万トンの設備を新設する。四日市事業所(三重県)内に置く方針で、投資額は数十億円。量産技術を確立し、15年度にも汎用樹脂並みの年10万トン規模に拡大、植物由来コハク酸に切り替える。残る約4割の原料も植物転換し、稲わらなど非食料の活用をめざす。

 自動車や家電製品に使う
ポリカーボネートでも植物でんぷんを主原料とする量産技術を開発する。09年度にも黒崎事業所(北九州市)に約10億円を投じ年数百トンの試作設備を新設、10年度以降の事業化を検討する。

 三井化学はシンガポールの政府系研究所など国内外11社・機関と連携して、木材や稲わらから合成樹脂を生産する技術の開発に着手した。


2008/9/25 宇部興産

1,6へキサンジオールのタイ新工場建設を決定

  宇部興産株式会社(社長:田村浩章)は、予てより検討していたタイ国ラヨーン県での1,6へキサンジオール工場新設を正式に決定した。現地における製造・ 販売新会社「UBE Fine Chemicals (Asia) Co., Ltd.」は既に設立済みで、併産する1,5ペンタンジオールを含め年産能力6,000tの設備を、同国の宇部興産グループが所有する敷地内に、2009 年1月より建設を開始、2011年初頭から稼動させる予定。総投資額は数十億円で、フル生産時の売上高は1,300百万バーツを見込んでいる。

 

  宇部興産は、ドイツのBASF、ランクセスと並ぶ三大サプライヤーの一つとして、既に日本(宇部市、堺市)とスペイン(カステジョン市)で1,6ヘキサン ジオールを生産している。今回のタイ工場新設によりアジア市場の旺盛な需要に応えることで、グローバル市場における地位を更に強固なものとする。

【UBE Fine Chemicals (Asia) Co., Ltd.の概要】
・所在地:タイ国ラヨーン県 Thai Caprolactam Pcl.(宇部興産(株)連結子会社)敷地内
・代表者:チャルニア ピチットクン(Charunya Phichitkul)
      (宇部興産(株)常務執行役員、Thai Caprolactam Public Co., Ltd.、
       UBE Nylon (Thailand) Ltd.、Thai Synthetic Rubbers Co., Ltd.社長)
・事業内容:ファインケミカル製品の製造、販売
・設立:2007年10月
・資本金:500百万バーツ(宇部興産(株)100%出資)(予定)
・操業開始:2011年初頭(予定)
・生産品目:1,6へキサンジオール、1,5ペンタンジオール

 


2008年12月26日 東レ

欧州で自動車向けに炭素繊維複合材料部品を開発・生産
ドイツのCFRP部品成形メーカーに資本参加

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:榊原 定征、以下「東レ」)は、このたび、炭素繊維複合材料の自動車分野における事業拡大を図るべく、欧州にCFRP部品(CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics)の現地開発・生産拠点を設置することを決定しました。本年12月に、ドイツのCFRP部品メーカー ACE Advanced Composite Engineering GmbH(ACE・アドバンスト・コンポジット・エンジニアリング社、本社:ドイツ・インメンシュタット市、以下「ACE社」)に資本参加します(出資比 率:21%)。自動車分野でCFRP部品の採用が先行している欧州市場で現地開発・生産を手掛けることにより、将来飛躍的な成長が期待される自動車用 CFRP部品事業の本格拡大を目指します。

ACE社概要(2007年末現在)

1.   社名 ACE Advanced Composites Engineering GmbH
2.   事業内容 自動車部品その他の設計、試作、開発、製造、販売
3.   所在地 ドイツ インメンシュタット市
4.   設立 2001年1月
5.   資本金 70千ユーロ(約9百万円)
6.   出資比率 東レ 21%、その他 79%(2008年12月末現在)
7.   売上高 5,806千ユーロ(約7.5億円)

2009.5.7 日本触媒

姫路製造所 高吸水性樹脂(SAP)プラント増設
 需要増に対応した増設/世界トップクラスのシェア維持

 株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、社長:近藤忠夫)は、高吸水性樹脂(以下SAP)の次期増強計画を決定し、姫路製造所(兵庫県)内に2010年秋完工を目処に生産能力年6万トンの新プラントを建設する。これにより欧米、中国を合わせた全世界での当社の生産能力は、47万トン体制に拡大する。新プラントには最新の技術を採用、より効率的な生産プロセスとなる予定。
 SAPの世界需要は現在約140万トン/年であるが、現在の不況下においても需要は確実に伸長しており、この数年は平均5%程度の伸びを示している。特に主用途である紙おむつ市場では、乳幼児用に加え大人用が伸びている他、新興国においても急速に需要が拡大しており、当社としては市場の伸びに合わせたSAP供給体制を構築していく方針。
 今回の増設により、世界トップメーカーの地位を確固たるものにするとともに、今後も、アクリル酸からSAPまでの一貫生産の強みを生かした事業展開を図っていく。

<ご参考:当社グループのSAP生産能力> (万トン/年)

   国内  海外  合計
増設前     26   15   41
増設後   32   15   47

  中国3、米国6、欧州6、合計15

 


2009年9月28日 三菱化学

タイ・PTT社との植物を原料とする生分解性樹脂に関する共同事業化検討開始について

 三菱化学株式会社(本社:東京都港区、社長:小林喜光、以下「三菱化学」)及びPTT Public Company Limited 社(本社:タイ王国バンコク市、総裁:Prasert Bunsumpun、以下「PTT」、詳細は別紙の通り)は、タイにおける植物を原料とする生分解性樹脂の共同事業化検討に関し、本年9月25日に基本合意書を締結いたしました。
 三菱化学は、親会社である(株)三菱ケミカルホールディングスの中核事業会社のひとつとして、7大育成事業の1つである「サステイナブルリソース」における植物等を原料とする樹脂の研究開発を進めております。
 現在、石油由来のコハク酸を原料に生分解性樹脂であるGS Pla の製造を日本で行っており、欧米を始めとする世界各国で販売しております。また、植物由来のコハク酸(以下「バイオコハク酸」)の製造に関しても三菱化学のバイオ技術を結集して独自技術を完成させており、当該技術を活かした植物を原料とするGS Plaの事業化を検討しておりました。
 一方、PTTはタイにおける最大の会社であり、天然ガス田の開発、石油精製、石油化学事業をタイ国内外にて展開しているとともに、現在タイにおいて国家政策として拡大を図っているバイオ燃料、バイオポリマー等バイオ関連事業についても力をいれております。
 今後植物を原料とするプラスチックの需要は増大が見込まれることから、この度、三菱化学とPTTは、GS Pla及びその原料となるバイオコハク酸の共同事業化検討を開始いたします。具体的には、共同で市場調査を実施するとともに、将来的に共同で事業を行うための詳細事業化調査(フィージビリティスタディ)についても2010年6月を目標に行って参ります。
 今後は、上述の共同市場調査及び詳細事業化調査の結果を基に共同事業化の詳細について協議・検討し、決定次第発表いたします。

【PTT社 概要】
会社名 :PTT Public Company Limited
設立 :2001年1月
所在地 :タイ王国バンコク市
総裁 :Prasert Bunsumpun
売上高 :2,000,816百万タイバーツ(約5.2兆円)
従業員数:3,559名
主要事業:石油関連事業、天然ガス事業

GS Plaについて
 GS Plaは、コハク酸を原料とする生分解性プラスチックで、土中などの自然環境下における生分解性を生かし、農業用ビニルや種苗ポット等農業資材分野等で利用されている。
 生分解性の認証においては、日本の日本バイオプラスチック協会(JBPA)のみならず、欧州のOK Compost やDIN Certco、米国BPI の各種認証も取得しており、海外での使用拡大も目指している。
 また、ポリオレフィン等衛生協議会にて29 番目の自主基準対象樹脂として承認されていることを受け、食品包装資材分野への用途展開も積極的に進めている。

三菱化学(株)では、コハク酸と1,4ブタンジオールとから成るポリエステル「GS Pla」を 上市していますが、このコハク酸を植物由来にすべく検討を進めております。現在は、良好な成形加工性、機械物性を基に、農業資材、日用品、包装材料、土木 資材、工業部品等の各種用途への展開をはかるべく市場開発中ですが、農業用マルチフィルムや使い捨て食器など具体化が進んでいます。

味の素と共同開発


日本経済新聞 2009/10/7

中国でのメタノール合弁計画 三菱ガス化学が撤回

 三菱ガス化学は中国・重慶市で計画していた合成繊維や塗料の基礎原料となるメタノール合弁事業を白紙撤回する。現地の化学メーカーとの合弁生産で中国最大のメタノールプラントを昨年稼働する計画だったが、原料の天然ガス価格の上昇などで頓挫していた。
 三菱ガス化学は2004年に重慶市で事業化調査に着手。当初は三菱ガス化学を中心とする日本企業連合が51%、中国の化学メーカー重慶化医(重慶市)が49%を出資する合弁会社を設立し、年85万トンのメタノールを生産する計画だった。総投資額は220億円で中国内陸部で産出する天然ガスを使い生産したメタノールを現地でほぼ全量販売する予定だった。
 中国の天然ガスの価格は計画当初に比べて約2倍に高騰しており、価格や費用などの条件面で折り合わなかった。
 三菱ガス化学はサウジアラビアとベネズエラでメタノールを合弁生産している。今後はブルネイやアフリカなど減量が安く調達できる地域での生産に重点を置く。


平成21 年11 月18 日 三菱ガス化学

モノメチルホルムアミドの事業化について

三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:酒井和夫)は、このたび、モノメチルホルムアミド (以下「NMF」)の新規事業化を決定いたしました。当社新潟工場(新潟県新潟市)のジメチルホルムアミド(以下「DMF」)生産設備(設備能力38,000 トン/年)の一部を転用し、NMF/DMF 切替運転により、2010 年春から年産7,500 トンの生産を開始します。

NMF は主に電子材料向けに使われるほか、医薬・農薬の合成における抽出溶媒、塗料用溶剤などとして幅広く使われており、今後、電子材料向けを中心に年率10〜15%での需要拡大が見込まれています。当社は、需要の伸びが期待できるNMF をメチルアミン系製品のラインナップに加えることで、国内唯一のメチルアミンメーカーとしてさらなる事業強化を図ってまいります。