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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。
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国土交通省が10月31日に発表した9月の新設住宅着工戸数は 63,018戸で、前年同月比 44.0%減、3か月連続の大幅減少となった。
平成18年度の住宅着工は1,285千戸であったが、9月の季節調整済年率換算値では 720千戸に止まっている。(7月は947千戸、8月は729千戸)。特にマンションは 5,328戸で、前年同月比 74.8%減と大きく落ち込んでいる。
これは改正建築基準法の施行によるものである。
耐震偽装対策として申請時の添付書類を大幅に増やしたうえ、建物の構造、防火などにかかわる計画変更は原則として認めず、着工後の再申請は工事をストップした場合に限って認めた。
詳細は以下を参照。
2007/10/1 日米住宅着工件数減少
建築資材については既に影響が出ている。住宅を主需要とする塩ビについても間もなくこの影響が出てくると思われる。
7〜9月期のGDPに対しても下押し要因になることは避けられないとみられ、景気への悪影響が懸念されている。
法改正で自治体や民間審査機関の責任を重くしたため、審査機関が慎重になりすぎた面があり、審査機関の多くは改正法をしゃくし定規に適用している。
審査の目安となる技術基準解説書が公開されたのは8月になってから。
マンション建設の審査に利用する「構造計算ソフト」の整備が間に合っていないという問題もある。
改正建築基準法では、中高層マンションなど高さ20m超の鉄筋コンクリート建築などには、建築物の安全性を測定する「構造計算書」の提出が求められ、自治体などの検査機関とは別に、「指定構造計算適合性判定機関」という第三者組織を設け、二重にチェックする体制を整えた。
審査をスムーズに進行させるためには、書類の申請側と審査側に共通仕様の計算ソフトが必要になる。
姉歯事件でのプログラム改竄を避けるため、不正防止機能を備えた認定構造計算ソフトをつくることとなっているが、施行から4ヶ月たった現在でも発売されておらず、年内発売も微妙という。現在は、構造計算書は非認定プログラムによって計算されたものが使われているが、審査期間が長くなるし、着工後に建築基準法に違反していたことが判明すれば工事はストップし、完成後でも取り壊さざるを得なくなる恐れがある。
国土交通省では着工件数の激減について「予想以上の混乱」としており、改正法が円滑に運用されるよう、10月30日、「改正建築基準法の円滑な施行に向けた取組について」を発表した。11月中旬にも同法の施行規則を改正し、実施する方針。
国土交通省においては、改正建築基準法の円滑な施行に向けて、各般の関連情報の周知徹底等に努めておりますが、これまでに意見交換の場等であった実務者からの要望等を踏まえ、更に以下の取組みを行います。
(1) 実務者向けのリーフレットの配布 従来から行ってきたホームページによる質疑・応答( Q&A) 等の公表に加え、新しい建築確認手続きの要点に絞って、設計者、施工者、デベロッパーなど主に事業者側の実務者を念頭に、わかりやすく説明したリーフレットを作成し、関係団体、商工会議所、地方公共団体等を通じて、幅広く、関係者に配布するとともに、確認審査の窓口等に備え置きます。 (2) きめ細かい個別の地域に対するアドバイスの実施
・ 建築確認申請件数、あるいは建築確認件数が依然大幅に落ち込んでいる地域に対して、特定行政庁や指定確認検査機関から個別に状況をヒアリングした上で、具体的な改善策についてアドバイスを行います。 ・ 建築確認手続きの円滑化に向けて、特定行政庁や指定確認検査機関が講じている効果的な取組事例を整理し、各審査機関に対して周知を図ります。 ・ (財) 建築行政情報センターのホームページ上に設置している「苦情箱」に寄せられた苦情のうち、特定行政庁や指定確認検査機関の不適切な取扱いの具体的な事例を整理し、各審査機関に対して注意喚起をします。 (3) 建築確認手続きに関する運用面の改善・明確化 大臣認定書の写しの添付や計画変更に係る確認を要しない軽微な変更に関する取扱い等について、事務手続きの合理化や解釈の明確化を図る観点から、建築基準法施行規則等の所要の見直しを行います。
改善例
間仕切りや開口部の変更で、構造安全性、防火・避難性能が低下することのないもの等については、「軽微な変更」として扱い、計画の変更に係る確認申請を要しないこととする。建築確認申請の際に、構造方法、材料に係る大臣認定書の写しについては、審査機関が認定内容を確認できる書類を有していない等の理由により、申請者に提出を求める場合に限って添付を要することとした。
付記
国土交通省が導入した建築確認の二重チェック制度が始まった6月20日以降、約25%の建築物が不合格になっていたことが11月1日、分かった。耐震強度不足の物件はないものの、構造計算書と設計図面の不整合などが多かった。
Honeywell の100%子会社のUOP LLC は10月23日、シンガポールの Jurong Aromatics Corp.がJurong 島に建設する芳香族プラントの技術、基礎設計、設備購入業務に同社が選ばれたと発表した。
天然ガスコンセンデート(天然ガス田のガスに含まれる液体油)を原料に、パラキシレン 80万トン、オルソキシレン 20万トン、ベンゼン 45万トン、燃料 250万トンを生産するもので、基礎設計は既にUOPが実施しており、2011年稼動を目指す。
Jurong Aromatics は Jurong Energy Corp.が60%を出資し、他に次の各社が参加する。
・スイスの世界最大のコモディティ商社Glencore (アルミのUC RUSALに参加)
・韓国のSK Energy
・クウエートの投資会社
Noor
Financial Investment Co
・中国最大のPETレジンメーカーの三房巷(Jiangsu
Sanfangxiang Industrial Group Corp. )
このプラントでは低硫黄分のクリーンな燃料生産のためにUOP Merox process やUOP Distillate Unionfining process、高品質の芳香族を生産するためにUOP CCR Platforming process、UOP Parex process、UOP Isomar process、UOP Tatoray process、UOP Sulfolane processなど、UOPの幅広い技術を使用する。
Jurong Aromatics では、世界で最も進んだ技術を使用し、世界で最も競争力のある石化プラントになるとしている。
付記 (2009/4)
金融危機の影響で資金計画に狂いが生じた。
2013年スタート予定。
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シンガポールの石油化学については 2006/4/2 シンガポールの石油化学の歴史 (及び その2)
ExxonMobil Chemical は9月4日、シンガポールでの2期計画の最終決定を行なったと発表した。
Shellも2006年7月に
Bukom Island の Shell Eastern
Petrochemicals Complex 建設の最終決定を行なった。
2007/9/10 ExxonMobil、シンガポールでの2期計画発表
シンガポール政府は石油化学企業の誘致を進めており、エチレン生産を現在の230万トンから2015年以降に年600〜800万トンに高める計画を立てている。将来的には輸入のガスやメタノールを原料に現地でオレフィンに変換することも考えている。
2007/11/3 EU、Basell による Lyondell 買収承認、統合新会社はLyondellBasell Industries
EUは10月26日、Basell による Lyondell 買収を承認した。両社の活動は、製造場所が異なるため相互補完的であり、競争上、問題とはならないとした。
2007/7/18 Basell が Lyondell を買収
これを受け、両社は10月31日、統合後の会社の社名をLyondellBasell
Industries とすると発表した。
Lyondell は7月に締結した買収・統合契約を11月20日の株主総会に提案する。社名変更は年内に行なわれる株取引終了後に行なわれる。
Lyondell では、「新社名は、将来の事業拡大とともに、需要家・従業員・提携相手・株主・地元にとって大事なこれまでの歴史をも示すもの」としている。
2007/11/5 Braskem、サトウキビからHDPEを製造
ブラジルのBraskemは10月29日、Dusseldorf で開催中の国際プラスチック・ゴムフェア(K 2007)で、サトウキビベースのエタノールを原料にした年産200千トンのHDPEプラント建設を発表した。建設費は150百万ドルで、2009年下期に生産開始の予定。建設場所は明らかにしていない。
付記
同社は2008年6月5日、Rio Grande do Sul 州の Triunfo Petrochemical Complex での建設を発表した。
Triunfo には同社がPetrobras から株を買い、100%子会社としたIpiranga、Triunfo 等の工場がある。
Braskem は同州で ETBE project に投資をしている。2010年9月、green ethylene 200千トンの操業を開始した。
付記
豊田通商は2008年9月、Braskem が世界で初めて商業生産を開始する植物由来ポリエチレンに関し、日本を含むアジア地 区の販売パートナーとしての業務提携を行うことに合意した。
Braskem はHDPE及びLDPEをあわせて年間20万トン生産することを予定している。付記
Braskem は2008年9月30日、世界で初めて再生可能原料からのグリーンポリプロピレンの開発に成功したと発表した。
最初は実験室で、次にパイロットプラントで製造に成功、Beta Analytic Inc.から認証を得た。
同社は本年6月、サトウキビベースのエタノールからHDPEを生産するのに成功したと発表している。
同社の Technology and Innovation Center が技術を開発した。これまでに月産1トンのパイロットプラントでサンプルを生産し、需要家に渡している。既に green polymer に関心を持つ需要家と販売予約契約を締結している。
Braskemによると、プラスチック容器にバイオソースのPEを使用して 「環境に優しい」(green credentials)を謳い文句にしたい需要家が多く、プレミアムを払うとする需要家もある。(原料のサトウキビ1トンは炭酸ガス 2.5トンを吸収する)
Braskemでは、原油価格の高騰のなかで、バイオマスからの他のバイオポリマー(例えば PP)の研究も行なっているとしている。
なお、Dowはブラジルのバイオエタノール大手のCrystalsev と共同で、ブラジルでサトウキビからワールドクラスのLDPE工場の建設計画を明らかにしている。
2007/7/27 Dow、ブラジルでサトウキビからLDPE製造
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ブラジルは世界最大のエタノール生産国で、現在の生産量は年間180億リットル。次の5年で倍増が期待されている。
双日は10月31日、ブラジルの大手コングロマリットのOdebrecht
S.A と共同でバイオエタノール・砂糖製造事業に参入すると発表した。
Odebrecht S.A が2007年7月に設立したETH Bioenergia S.Aの発行済み株式33.33%を約92億円で取得し、農園のサトウキビ栽培からバイオエタノール・砂糖生産までの一貫事業を手がける。
2016年にサトウキビの年間圧搾量約1600万トン(エタノール生産量年間98万キロリットル+粗糖生産量年間79万トン)の事業にすることを計画している。
2007/11/6 トルコの国営石化会社 Petkim 売却で逆転劇
トルコ政府は2007年7月、国営石化会社Petkem民営化のため株式の51%の入札を実施したが、応札した8社のうち、最高額で入札したカザフスタンとロシアのコンソーシアムTransCentralAsia Petrochemical Holding が2,050百万ドルで落札した。
同社はロシアの投資銀行のTroika Capital Partners、カスピ海油田の開発のために設立された米国の石油会社Transmeridian Exploration の100%子会社の Caspi Neft と、ロシアやカザフの投資家のためにトルコでの投資管理を行っている不動産業のEvrazia のコンソーシアムである。
2007/7/11 カザフスタンのコンソーシアムがトルコの国営石化会社Petkim
の51%を取得
10月に入り、首相を含む Higher Privatization Council は2,040百万ドルで2位で入札したSocar-Turcas-Injaz joint investment group を売却先に決めた。
変更の理由は明らかにされていないが、入札のあとで、TransCentralAsia Petrochemical Holding の裏にアルメニア系の米国のビジネスマン Ruben Vardanyan がいるという噂が広まり、国民の間に反対の声が沸き起こっていた。
アルメニアとトルコは第1次世界大戦中に発生したとされるオスマン帝国による「アルメニア人虐殺」問題で対立している。
アルメニア側は、1915年から1923年にオスマン帝国が行った「アルメニア人虐殺」で150万人が殺害されたとし、トルコ政府はこれを否定している。
米国下院外交委員会は大統領やトルコ政府の批判を無視し、10月10日に27対21の賛成多数で 「ジェノサイド」と認定して非難する決議を採択した。
アルメニア政府はこれを歓迎、トルコ政府は外交委での採択を非難し、本会議での採決をけん制する声明を発表、採択された場合には両国の同盟関係が失われる恐れがあり、「無責任な態度だ」と反発している。
今回売却先に決まった Socar-Turcas-Injaz joint investment group はアゼルバイジャンの石油会社Socar、カザフスタンのKazmunaigaz 、トルコの石油会社Turcas Petroleum とサウジの Injaz Projects のコンソーシアムである。
Injaz Projects はサウジの3社、Al Muhaideb Group (40%)、Al Fozan Group (40% )、Amwal Al Khaleej (20%) が所有するコングロマリットで、本件の技術・財務コンサルタントをしており、コンソーシアムに10%の出資をしている。
Socar の社長は今回の決定を受け、トルコとアゼルバイジャンは歴史的なつながりから兄弟国であるだけでなく、多くの分野、特にエネルギー分野で戦略的パートナーであるとし、次のように述べている。
・今回の決定はトルコがアゼルバイジャンを重要なパートナーと見ている証である。
・同社はPetkim の設備の近代化のため20億ドルを投資する。
・トルコは現在、石油化学製品の需要の75%を輸入しているが、同社の投資でこれが30%に低下する。
・トルコとアゼルバイジャンの外交政策は同じであり、アルメニア問題へのスタンスは同じだ。
しかし、今回の決定は、両国が兄弟国で戦略的パートナーであることが理由だ。
・同社には年産600万トンのリファイナリー建設の計画があり、これにより両国の商業面での関係が深まる。
2006年6月に、アゼルバイジャン共和国バクー市からグルジア共和国トビリシ市を経由し、地中海に面するトルコ共和国ジェイハン市を結ぶ総延長1,768kmの「BTCパイプライン」が完成している。伊藤忠商事や国際石油開発などが投資している。
2006/6/7 BTCパイプライン完成
なお、トルコの最高裁は労働組合から出された
Petkim 売却無効の訴えを却下した。
入札手続の瑕疵を理由にしたものだが、このほかに、「国益に反する」理由での無効の訴えも出されている。
付記
最終的に2008年6月30日に51%がSocar&Turcas Petrochemical に20.4億米ドルで売却された。
2007/11/7 ペトロブラス、南西石油を買収、最新設備新設
ブラジル国営石油ペトロブラスはエクソンモービル系の南西石油を買収することで基本合意したと報じられた。
買収後に約1千億円を投じて最新設備を新設し、ブラジル産原油を日本でガソリンなどに精製、中国などアジア市場に輸出する。
本件は昨年9月に交渉開始が伝えられたが、その後、進展の報道はなかった。
昨年11月にブラジル国営石油総裁は次の通り述べている。
・ 2006年4月にブラジルは日量188万バレルの生産で、完全自給体制を確立した。
2011年までに237万バレルにまで拡大し、輸出を増やす。
ただブラジル産の石油は重質油で国内の精製能力が足りないため、欧米やアジアで現地企業の買収や提携などを通じ精製能力を拡大したい。・ シノペックとは油田開発や石油生産・精製で協定を結んだ。(中国での製油所建設の実現は中国政府の意向次第)
南西石油はエクソンモービル子会社の東燃ゼネラル石油が87.5%、住友商事が12.5%出資している。
1968年にエッソスタンダード沖縄として設立され、1977年に南西石油と改称した。
沖縄県西原町に製油所を持つ。
能力は常圧蒸留 100,000 BPCD、接触改質 13,500BPCD、ナフサ脱硫 25,000BPCD、灯軽油脱硫 19,000BPCD。
ペトロブラスは東燃ゼネラルの全保有株を買い取り、一部を住商に売却して、製油所を共同運営する計画で、住商に出資比率を20-30%に引き上げるよう要請している。
南西石油は能力が小さく、設備も老朽化しているため、エクソンは閉鎖を検討していた。このため、株式買取り額は数十億円と伝えられている。
ぺトロブラスは1千億円を投じて大型設備を建設し、2010年前後に稼働させ、中国や東南アジアなどにガソリンなど石油製品の輸出を始める見通し。
付記 2007年11月8日調印 (Petrobras 11/9、東燃ゼネラル石油 11/10 発表)
売却額は55億円
但し、最終的な譲渡金額は、2008/3予定の株式引渡期日時点の資産ならびに負債を調整後、決定。
Petrobras はターミナル能力を利用して、日本やアジアでのバイオ燃料の商業化、原油・石油製品のアジア市場への拡大を計画しているとしている。11月12日、住友商事はペトロブラスとの間で、南西石油の新株主間協定書調印に合意したと発表。
新出資比率はペトロブラス 87.5%、住友商事 12.5%。
3年後を目処に精製設備の高度化の為の設備投資を計画、これにより、安価なブラジル産の重質原油を南西石油で処理することが可能となる。
住友商事はアジア地域を中心とした原油、石油製品のトレードのノウハウと沖縄県内向けを中心とする国内石油販売の機能を提供する。付記
2008年4月1日、東燃ゼネラル石油は保有する南西石油の全株式をブラジルの国営石油会社ペトロブラスの子会社である、Petrobras International Braspetro B.Vに引渡し、同日付で譲渡が完了したと発表した。付記
2010年4月2日、住友商事は同社が保有する沖縄・南西石油の全株式12.5%をペトロブラスに売却すると発表した。
住友商事は株式売却後もペトロブラス、南西石油両社とは従来通り原油・製品取引きを続ける。南西石油は大型設備建設を凍結している。
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日本では2004年(と2005年)にSaudiAramco が昭和シェルの株式15%を取得、本年9月にはアブダビ首長国の政府系投資機関、国際石油投資会社(IPIC)が約900億円を投じコスモ石油に20%出資、筆頭株主になることが発表されている。
昭和シェルについてはシェルが持株の一部をAramcoに譲渡するもの。昭和シェルとAramcoの関係を深めて昭和シェルの原油調達能力を高め、競争力を抜本的に強化するのが狙い。
Shell とAramcoは米国とサウジで共同事業を展開するなど、グローバルな戦略的提携を実施している。
アブダビのIPCIはコスモ石油を「アブダビ政府の大事なパートナー」と評価、経営が良好で石油化学やLPGなど様々な下流部門を持っており、資本参加で上流と下流とのインテグレーションを進めたいとしている。
また、アブダビ産の原油や天然ガスの安定供給先の確保も出資の狙いと説明している。
このほか、アラビア石油と富士石油が統合したAOC Holding にはクウェート石油公社やサウジアラビア政府が出資している。
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日本の石油精製会社の出資関連図 (能力は2007/4/1現在)
2007/11/8 ChemChina と Blackstone Group など、豪州の農薬会社買収
豪州の農薬会社Nufarm は11月5日、中国化工集団公司 (ChemChina)、Blackstone
Group 及び
Fox Paine Management III, LLC からの買収提案を受け入れた。
買収額は30億豪ドル(27.7億米ドル)になる。
より有利な提案がなされない限り、これで決着する。
付記
コンソーシアムは交渉期限の同年12月10日までに正式提案をすることが出来ないと通知し、その結果、交渉は打ち切られた。
グローバルな信用収縮により、有利な借入ができなくなったのが理由とみられている。2007/12/15 ChemChina 等の豪州の農薬会社Nufarm 買収交渉、破談
2010/1/4 住友化学、豪州農薬メーカー Nufarm と包括的業務資本提携へ
中国化工集団公司(ChemChina)は2004年5月に国営のChina National Blue Star (Group) (藍星グループ)と
China Haohua
Chemical Industrial (Group) (昊華化工)を統合して設立された。
同社はその後、盛んに海外進出を図っている。
ChemChina は2005年に、Orica と ExxonMobil から両社のJVの石油化学会社Qenos を買収している。
Orica は1997年に ICI が売却した ICIオーストラリアが改称したもの。
Qenos は1999年10月に、Orica とKemcor(統合前のExxon Chemical とMobil Chemical の50/50 JV)が、両社の石油化学事業を統合して47/53で設立したJV。
BlueStar は2006年1月にはCVC Capital
Partners から子会社で動物用栄養製品メーカーの
Adisseo を4億ユーロで買収した。
2006年10月には、フランスのローディアとの間でローディアのシリコーン事業を買収する契約を締結した。
2006/10/30 中国化工集団公司(ChemChina)の海外進出
Blackstoneは2007年5月に中国政府から30億ドルの出資(9%)を受け入れている。
2007年9月、ChemChina と投資会社のBlackstone Group は、スペシャルティケミカル分野でのグローバルリーダーをつくるための戦略的提携を発表した。Blackstone はChemChina の100%子会社のBluestarの20%を6億米ドルで取得、2人の役員を派遣する。
2007/9/17 Blackstone、藍星グループに出資
今回の買収はその提携の一環である。
付記
中国のChemChinaは2011年10月、イスラエルのMakhteshim Agan の株式60%を24億ドルで買収した。 (Koorに1128百万ドル、残り一般株主に1272百万ドル)
40%はイスラエル最大の持ち株会社IDB Groupの Koor Industriesが保有、Makhteshim Agan は上場を廃止。
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Nufarm Ltd はオーストラリアのメルボルンに本社を置く農薬会社で、生産と製剤に関するグローバルネットワークを持ち、農薬事業を専門としながら、数多くの工業用化学薬品事業、ファインケミカル事業、高機能化学品事業も展開している。
豪州、ニュージーランド、アジア、欧州、南北アメリカに工場と営業拠点を持ち、従業員は2,600人以上。
特許切れ農薬ではイスラエルのMakhteshim Agan
Industries (MA Industries)に次ぐ世界第二位。
ChemChina は子会社のChemChina Agrochemical Corporation
で農薬事業を行なっており、中国最大の農薬メーカー。
Nufarm
とChemChina の農業化学事業を統合すると特許切れ農薬事業でグローバルリーダーになるとしており、Nufarm の経営陣が引き続き統合事業の経営を行い、Nufarm のビジネスカルチャーを維持する。
統合会社の本社はメルボルンに置く。
英ペルミラのアリスタライフサイエンス買収の後、Nufarm は買収対象の噂に上がっていた。.Monsantoや上記のMA Industries、アリスタライフサイエンス買収で負けたBain Capital と Advantage Partners も同社を狙っているといわれていた。
付記 2007/12/15 ChemChina 等の豪州の農薬会社Nufarm 買収交渉、破談
2007/11/9 韓国公取委、ガラス長繊維分野での事業統合を不承認
ガラス長繊維分野における世界1位企業の2位企業買収に伴う韓国の子会社同士の統合に韓国公正取引委員会が待ったをかけた。
朝鮮日報によると、公取委は11月4日、Owens Corning KoreaによるR&C Korea (Saint-Gobain の孫会社)の買収について、韓国市場での競争が行われなくなる可能性があるという理由から、これを認めず、R&C Korea の株式や工場をすべて第三者に売却せよと命じた。
買収により、韓国のガラス長繊維市場での事業者数が3社に減少し、統合新会社の韓国でのシェアが53.5%に達することから、競争が行われなく恐れがあるとするもの。
今回の合併は、両社の親会社である米国のOwens Corning によるフランスのSaint-gobain の長繊維事業 Saint-Gobain Vetrotex の買収に伴い自動的に実現するもの。
米国やEUは工場の一部売却を条件に買収を承認しており、今回の韓国公取委の措置は、これらより厳しいものとなった。
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2007年2月20日、 Owens Corning と Saint-Gobain は、Owens Corning の補強材事業(Reinforcements Business) とSaint-Gobain の補強・複合材事業(Reinforcements and Composites Business、Vetrotex の一部)を合併し、OCV Reinforcements (Owens Corning Vetrotex Reinforcements)というJonit Venture を設立することで合意した。
新会社は欧州、北米、南米、アジアに広く業務拠点を持つことになり、その中には中国、インド、ロシア、メキシコ、ブラジルなど主要な台頭新興市場も含まれる。
7月27日にOwens
Corning は、JVではなく、Saint-Gobain の事業を640百万ドルで買収することで合意したことを発表した。
(10月31日に手続きを完了)
Saint-Gobain の事業は2006年の売上高が9億ドル、従業員は4,500人。
統合後の売上高は22億ドル、従業員 9,000人で、16カ国、42箇所に生産基地を持つこととなる。
Owens Corning は、EUの条件を満たすため、同社のベルギーとノルウエーの子会社を、米国の独禁当局の条件を満たすためペンシルベニア州のCFM (連続フィラメントマット)事業を売却した。
今回のOwens Corning KoreaによるR&C Korea 買収はこの手続きの一環であった。
Owens Corning
は10月31日、この事業でのアジアと東欧、特に中国とロシアの能力増強を明らかにした。
先ず、今回の買収で手に入れた中国の杭州の旧 Hangzhou Saint-Gobain Vetrotex Glass
Fiber (JV
of Saint-Gobain
Vetrotex/Hangzhou Glass Group) 、モスクワ近郊のGous
Kroustalny にある旧
Saint-Gobain Vetrotex Steklovolokno の能力を2年以内に増強する。
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旭硝子は9月12日、旭ファイバーグラス(当初 Owens Cornin とのJV)のガラス短繊維事業と工業材料事業をグローバル・インシュレーションに譲渡することを決めたが、長繊維事業については2006年にOwens に譲渡している。
2007/9/21 旭硝子、旭ファイバーグラスの事業を譲渡
2007/11/10 Bayer MaterialScience の合理化策
Bayer は11月6日、第3四半期の業績を発表した。
HealthCare、CropScienceが好調で、全社的には増収、増益で、税効果の影響もあり、純利益は大幅に増加した。
1−9月業績 単位:100万ユーロ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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* EBIT =税引前当期利益+支払利息 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
* Net income はSchering 買収に伴う税効果の影響で増加 |
この中でBayer MaterialScience は増収だが減益となっている。
Bayerは同日の発表で、Bayer MaterialScience のコストダウン計画を発表した。
今後とも技術と収益性の面で主導的地位を占めるべく、更なるコストダウンを行なうとしている。
2009年末までに年間3億ユーロ(500億円)のコストダウンを行なう。
このため、世界中の生産基地の操業とメンテナンスにおいて、プロセスとコストの最適化を達成する。
加えて、管理・マーケティング・流通のコストを大幅に減らす。
これの達成のために、2009年に150〜200百万ユーロの特別損失を見込む。
記者会見でWerner
Wenning 会長は、部門の従業員の10%に相当する1500人をカットすると述べた。このうち400〜500人がドイツ。
大部分は2008年から2009年に退職者の再雇用をしないなど、自然減で達成できるとしている。
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証券アナリストの間でBayerがプラスチック(MaterialScience)事業を売却するのではとの説がある。
同社のCEOが、「プラスチック事業は同社の重要な部門である」としているが、いつまでそれが続くだろうかとしている。
2007/6/6 続 次の買収は?
今回の発表の直前にも、MaterialScience
のrestructuring
が発表されるのではないかとの噂が流れていた。
SABIC (PCのライバルのGE
Plastics を買収)やドイツのライバルBASF
が石油やガスで利益を確保できるのに対して、Bayer
のPC事業は長引く石油価格高騰の影響を逃れられないとされた。
2007/11/12 中国政府、「外国企業投資産業指導目録」を改定
国家発展改革委員会と商務部はこのほど、「外国企業投資産業指導目録(2007年改訂)」の全文を公布した。12月1日から施行される。2004年に出された目録(2004年改訂)」は失効する。
指導目録では外国企業による投資の奨励品目、制限品目、禁止品目を定めている。
現時点では中国語のものしか、入手できない。
http://www.ndrc.gov.cn/zcfb/zcfbl/2007ling/W020071107537750156652.pdf
人民日報によると、今回の改訂では状況の変化に応じ、以下の変更がなされた。
(1)対外開放拡大を堅持しつつ産業構造のランクアップを図る | |
: | 製造業では、ハイテク産業・設備製造業・新素材製造業に対する投資の奨励を強化した。 すでに成熟した技術と比較的高い生産能力を持つ旧来の製造業については投資を奨励しない。 サービス業では、WTO加盟時の承諾を履行、対外開放を積極的かつ確実に拡大し、「アウトソーシングサービス業務の引き受け」「現代的物流」などへの投資を奨励、これまで投資に制限や禁止を加えていた項目を減少 |
(2)資源節約と環境保護を促進 | |
循環経済・クリーン生産・再生可能エネルギー・生態環境保護・資源総合利用が投資奨励項目として新たに追加。 中国国内で稀少または再生不可能な重要な鉱物資源については投資を奨励しない。 そのうち数種の鉱物に関しては外国企業が投資して調査・採掘を行うことを禁止。 外国企業によるエネルギーや資源の消費量が高く汚染源となる事業も制限または禁止となった。 |
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(3)輸出奨励に偏っていた政策を調整 | |
(4)各地域のバランスのとれた発展を促す | |
投資項目の一部に付けられていた「中西部地域に限る」という条件を廃止。 (外国企業の投資をこれからも必要とする中西部や東北地方の産業に関しては、「中西部地区外国企業投資優勢産業指導目録」改訂の際にまとめて考慮する) |
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(5)国家経済の安全を維持 | |
国家経済の安全に関わる戦略的で敏感な産業については、慎重な開放が必要となるため、国内発展と対外開放の原則に則り、関係項目の適切な調整が図られた。 | |
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王子製紙は中国進出に当たり、当初の単独出資案を合弁に変更したが、これは2004年11月の「目録」変更によった。
そこでは外資奨励事業、外資制限事業、外資禁止事業が明示され、製紙業については
@年産30万トン以上の化学パルプ、年産10万トン以上の化学機械パルプの生産計画
A上級紙、段ボールの生産計画
が奨励事業となったが、いずれも合弁か合作に限るとされた。
2007/10/31 王子製紙の中国工場、発表から4年半でようやく着工
今回の改正でも、この点については変更はない。
しかし、「エチレンは年産60万トン以上が奨励事業とされ、中国側パートナーがマジョリティを持つこと」とされていたのは、今回は「年産80万トン以上、中国側均等出資」となった。
興味深いのは奨励事業に新しく 20万トン以上のエチレン法PVC が入ったことである。
中国国内では小規模プラント除去のため、新設はエチレン法では20万トン以上、カーバイドアセチレン法では8万トン以上となっている。
このため、東ソーは東曹(広州)化工有限公司設立に当たり、当初の11万トン計画を22万トンに倍増した。中国の最近の新設はほとんどがカーバイドアセチレン法である。
中国政府はカーバイドアセチレン法の環境問題等を懸念して、外資によるエチレン法PVC投資を奨励しているものとみられる。
各社の中間決算が順次、発表されている。
信越化学決算は 既報 2007/10/30 信越化学 中間決算
総合化学5社(住友化学、三菱ケミカル、三井化学、旭化成、東ソー)の決算は以下の通り。
住友化学のみが営業損益で減益となっている。
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住友化学
増収だが、石油化学と情報電子化学が大幅減益となったことで営業損益、経常損益は減少した。
更に、前期の投資有価証券売却益がなくなり、特別損益が前期比
183億円の減益となったことから、当期損益は半減した。
配当は年間12円を据え置く。
売上高 | 営業損益 | 経常損益 | 当期損益 | 配当 | ||||||
連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 中間 | 期末 | |
06/9中間 | 854,621 | 425,773 | 68,214 | 19,214 | 75,920 | 36,922 | 53,283 | 56,783 | 5.0 | |
07/9中間 | 931,896 | 444,878 | 48,364 | 6,865 | 57,664 | 23,401 | 26,396 | 18,737 | 6.0 | |
06/3 | 1,556,606 | 755,037 | 120,790 | 30,795 | 141,127 | 62,159 | 90,665 | 50,956 | 4.0 | 6.0 |
07/3 | 1,790,026 | 885,557 | 139,623 | 45,928 | 157,981 | 70,595 | 93,860 | 83,711 | 5.0 | 7.0 |
08/3予 | 1,940,000 | 940,000 | 120,000 | 32,000 | 125,000 | 50,000 | 70,000 | 42,000 | 6.0 | 6.0 |
営業損益対比(億円)
06/9中 07/9中 増減 07/3 08/3
予想基礎化学 59 79 20 135 170 石油化学 74 20 -54 236 100 精密化学 73 61 -11 131 130 情報電子化学 63 -63 -126 35 110 農業化学 122 108 -14 233 210 医薬品 262 260 -3 562 470 その他 34 22 -12 80 10 全社 -6 -5 1 -15 - 営業損益合計 682 484 -199 1,396 1,200
石油化学部門は原料価格の高騰や、千葉工場の4年に一度の大型定期修理の影響(約30億円の減益)により、前年同期に比べ54億円の減益となった。
情報電子化学は韓国の偏光フィルム販売が軌道に乗り、売上を伸ばしたが、国際市況の下落や設備増強に伴う固定費の増加などから営業利益は赤字となった。(昨年下期も赤字)
但し、「偏光フィルムは海外では品不足になるほど需要が拡大しており、操業度や生産効率も上がってきている」としており、通期では情報電子化学の営業損益は110億円の黒字としている。
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三菱ケミカルホールディングス
石油化学が好調で、営業損益は増益となった。
当期損益については、前中間期に自社株取得に関連して法人税等調整額が-56億円だったのが62億円と、差引118億円増えたこともあり、40%の減益となった。
配当は昨年の年間14円を16円に増やす。
売上高 | 営業損益 | 経常損益 | 当期損益 | 配当 | ||||||
連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 中間 | 期末 | |
06/9中間 | 1,263,457 | 22,275 | 56,640 | 21,187 | 64,531 | 21,115 | 61,945 | 42,896 | 7.0 | |
07/9中間 | 1,389,814 | 16,206 | 66,487 | 15,091 | 70,578 | 14,703 | 38,164 | 42,752 | 8.0 | |
06/3 | 2,408,945 | 1,487 | 133,619 | 438 | 143,575 | 144 | 85,569 | 81 | 3.0 | 8.0 |
07/3 | 2,622,820 | 36,800 | 128,589 | 34,553 | 141,296 | 33,978 | 100,338 | 55,898 | 7.0 | 7.0 |
08/3予 | 2,970,000 | ー | 148,000 | ー | 149,000 | ー | 186,000 | ー | 8.0 | 8.0 |
営業損益対比(億円)
06/9中 07/9中 増減 07/3 08/3
予想石化 71 170 99 282 機能化学 160 179 20 350 機能材料 120 108 -12 243 ヘルスケア 204 212 8 396 サービス 48 48 - 106 全社 -36 -52 -16 -92 営業損益合計 566 665 98 1,286 1,480
石化部門は、テレフタル酸の海外市況は弱含みで推移したが、1,4ブタンジオール等全般的は市況上昇や生産トラブル減少で増益となった。
11月9日の日本経済新聞によると、同社はPTAの減産を強化する。
主原料のパラキシレンが高騰する中、PTAは供給過剰で価格が低迷していることに対応するもの。
現在、年間能力比で2割弱の減産をしているが、3月に立ち上げた中国浙江省の新工場(年産60万トン)を12月後半から休止する。再開時期は未定。これを加えると年間3割強の減産になる。
なお、同社は棚卸資産の評価について総平均法をとっている。
上期のようにナフサ価格が急上昇している場合、住友化学や三井化学のような後入先出法会社では当期の高いナフサ価格に基づく高い製品価格が原価となるが、同社の場合は前期末残の安い価格と平均されたものが原価となり、利益が多目に出る。
2007年10月1日に田辺三菱製薬が誕生した。
2008年3月の営業損益(予想)は520億円だが、これは三菱ウェルファーマの中間決算に新しい田辺三菱製薬の下期予想を加えたもの。
グラフでは対比のため、田辺製薬の上期(184億円:棒グラフの下部)を加えた。
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三井化学
ウレタン原料の市況が高騰し、採算が大幅に向上したのが貢献し、増収増益となった。
当期利益は法人税等調整額が35億円増加し、若干の減益となった。
配当は前年の年間10円を12円にアップする。
売上高 | 営業損益 | 経常損益 | 当期損益 | 配当 | ||||||
連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 中間 | 期末 | |
06/9中間 | 833,985 | 490,591 | 33,488 | 9,714 | 36,744 | 15,001 | 20,292 | 9,406 | 4.0 | |
07/9中間 | 881,591 | 510,756 | 42,733 | 13,700 | 40,488 | 16,902 | 20,152 | 8,588 | 6.0 | |
06/3 | 1,472,435 | 852,955 | 58,705 | 25,552 | 61,989 | 34,246 | 44,125 | 14,967 | 4.0 | 4.0 |
07/3 | 1,688,062 | 991,787 | 91,678 | 31,720 | 95,478 | 38,373 | 52,297 | 20,996 | 4.0 | 6.0 |
08/3予 | 1,800,000 | 1,050,000 | 90,000 | 26,000 | 87,000 | 31,000 | 43,000 | 22,000 | 6.0 | 6.0 |
営業損益対比(億円)
06/9中 07/9中 増減 07/3 08/3
予想機能材料 82 190 108 259 380 先端化学品 48 50 2 117 120 基礎化学品 198 196 - 2 531 430 その他 19 14 - 5 36 20 全社 -12 -23 -11 -26 -50 営業損益合計 335 427 92 917 900
同社は今期より区分を変更した。
従来区分 新区分 機能樹脂 エラストマー、機能性ポリマー、工業樹脂、
ウレタン樹脂原料機能材料 自動車・産業材(エラストマー)、包装・機能材(工業樹脂)、
ウレタン樹脂原料機能性ポリマー 電子・情報材 電子材料、情報材料 生活・エネルギー材(機能加工品) 機能化学品 精密化学品、農業化学品 先端化学品 精密化学品、農業化学品 樹脂加工品、電子材料、情報材料 石油化学 石化原料、ポリエチレン、ポリプロピレン 基礎化学品 基礎原料(エチレン、プロピレン等)、フェノール、
合繊原料・ペット樹脂、工業薬品、
ポリエチレン、ポリプロピレン基礎化学品 合繊原料、ペット樹脂、フェノール、工業薬品 その他 プラントの建設及びメンテナンス、倉庫運送業等 その他 その他関連事業等
機能材料はウレタン原料のTDIの市況が東・東南アジアで改善したこと、原料価格高騰を受けたPPGの製品価格値上げが貢献した。
ウレタンは欧州大手の工場トラブル等で市況が過去最高となった。
このため変動費差 -50億円に対し売価差は160億円と、差引
110億円の利益増となった。
基礎化学品では中国市況の低迷でPTAの採算が悪化したほか、PE、PPもナフサ高の影響を受けている。
なお、日経報道では、三井化学もPTAで1割の減産を行なっている。
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旭化成
ケミカルズが好調で増収増益となった。
配当は前年の年間12円を13円にアップする。
売上高 | 営業損益 | 経常損益 | 当期損益 | 配当 | ||||||
連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 中間 | 期末 | |
06/9中間 | 768,878 | 22,984 | 50,690 | 15,720 | 48,765 | 16,178 | 28,958 | 16,755 | 5.0 | |
07/9中間 | 830,757 | 24,064 | 63,689 | 15,851 | 63,145 | 16,469 | 38,019 | 18,131 | 6.0 | |
06/3 | 1,498,620 | 42,649 | 108,726 | 27,410 | 104,166 | 27,013 | 59,668 | 29,010 | 5.0 | 5.0 |
07/3 | 1,623,791 | 42,758 | 127,801 | 28,216 | 126,507 | 29,069 | 68,575 | 28,867 | 5.0 | 7.0 |
08/3予 | 1,729,000 | 46,000 | 135,000 | 29,000 | 134,000 | 30,000 | 79,000 | 32,500 | 6.0 | 7.0 |
営業損益対比(億円)
06/9中 07/9中 増減 07/3 08/3
予想ケミカルズ 228 362 134 566 690 ホームズ 54 48 -6 275 240 ファーマ 72 77 5 139 135 せんい 13 35 22 42 65 エレクトロニクス 124 115 -9 226 230 建材 25 21 -4 50 45 サービスほか 23 27 4 39 45 全社 -32 - 49 -17 -58 -100 営業損益合計 507 637 130 1,278 1,350
ケミカルズは汎用事業、特にANM、SM などモノマー事業が旺盛な海外需要を背景に前期比大幅増益となり、イオン交換膜法食塩電解プラント及びイオン交換膜など高付加価値系事業も数量を伸ばし、前期比増収、増益となった。
コスト差等が前期比180億円(損)あるが、このうち198億円が原燃料で、ナフサが113億円、ベンゼンで58億円、その他で27億円となっている。
これに対して売価差は300億円の益で、その他差を含め、前期比 134億円の増益となった。
ANMは原料価格に連動せず需給バランスで2,000ドル/t 近い価格となっている。
なお、ニチアスの耐火性能偽装により、「ヘーベルハウス」、「へーベルメゾン」の約40,000棟の軒裏天井の改修工事を行なうが、ホームズの年間予想にはこれは織り込まれていない。
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東ソー
連結売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも上期過去最高となった。機能商品が好調。
配当は年間8円を据え置く。
売上高 | 営業損益 | 経常損益 | 当期損益 | 配当 | ||||||
連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 連結 | 単独 | 中間 | 期末 | |
06/9中間 | 374,700 | 255,254 | 22,531 | 11,692 | 23,131 | 14,881 | 11,480 | 8,334 | 3.0 | |
07/9中間 | 400,035 | 279,720 | 30,689 | 18,513 | 29,463 | 20,643 | 14,939 | 13,027 | 4.0 | |
06/3 | 648,810 | 444,024 | 47,459 | 26,203 | 49,731 | 31,191 | 27,532 | 16,288 | 3.0 | 3.0 |
07/3 | 781,347 | 520,068 | 60,279 | 33,584 | 57,998 | 38,466 | 28,488 | 22,353 | 3.0 | 5.0 |
08/3予 | 840,000 | 585,000 | 63,000 | 37,000 | 59,000 | 41,000 | 29,000 | 24,000 | 4.0 | 4.0 |
営業損益対比(億円)
06/9中 07/9中 増減 07/3 08/3
予想石油化学 49 71 21 140 136 基礎原料 1 12 11 61 46 機能商品 163 207 44 372 420 サービス 12 17 6 30 28 営業損益合計 225 307 82 603 630
石油化学 オレフィン製品、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び樹脂加工製品、機能性ポリマー等 基礎原料 苛性ソーダ、塩ビモノマー、塩ビ樹脂、無機・有機化学品、セメント等 機能商品 無機・有機ファイン製品、計測・診断商品、水処理装置、
電子材料(石英ガラス、スパッタリングターゲット)、機能材料、ウレタン原料等サービス 運送・倉庫、建設・修繕、検査・分析、情報処理等 *2006/9 日本ポリウレタン工業の連結子会社化により、ウレタン原料が機能商品事業の製品に加わった。
機能商品はウレタンの値上がりによる採算改善や免疫診断用試薬の伸びで営業増益となった。
苛性ソーダ、VCM、PVC、セメント等の基礎原料も前年上期比は増益だが、低迷が続いている。
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