「日本バイオベンチャー大賞」 http://www.jij.co.jp/bio/index.html
「日本バイオベンチャー大賞」は、「科学技術創造立国」の実現こそ21世紀において日本が進むべき道と提唱する日本工業新聞社が、"バイオで拓こう新世紀"をキャッチフレーズに創設した表彰制度で、2002年3月6日、大阪で高円宮殿下ご臨席のもとに第1回の授賞式を行いました。バイオテクノロジーをベースに果敢に新たな時代を拓こうとするベンチャーの、独創的な研究開発、将来性に富むビジネスモデル、斬新なバイオ関連機器・事業などを顕彰します。
この表彰制度の運営にあたっては経済産業省、文部科学省、日本経済団体連合会、日本商工会議所などが後援。審査には、岸本忠三・大阪大学総長を審査委員長に、委員に、わが国バイオ研究における最先端の学者、バイオ関係団体・ベンチャーキャピタル代表はじめ経済産業省、文部科学省のバイオ振興担当者が審査に携わり、先端的・独創的なバイオビジネスの発掘と評価を通じて21世紀の基幹産業と期待されるバイオ産業振興への貢献を目指します。
第1回日本バイオベンチャー大賞 2002年
◇ | 日本バイオベンチャー大賞 | |
アンジェスMG | ||
大阪大学発の遺伝子治療薬の開発や遺伝子機能解析キットの商品化 | ||
◇ | 経済産業大臣賞 | |
バイオ・エナジー | ||
独創的な菌体酵素を開発しバイオディーゼルエンジンなどに実用化 | ||
◇ | 文部科学大臣賞 | |
トランスジェニック | ||
低コストでマウスの大量生産可能な特異抗体バイオ試薬を事業化 | ||
◇ | バイオインダストリー協会賞 | |
ニッポンジーンテク | ||
独自の転写シークエンスといった遺伝子検査技術を開発し事業化 |
◇ | 日本工業新聞社賞 | |
ジュオン メディカル システム http://www.juon.co.jp/ | ||
不要な間伐材の樹液を原料に環境浄化システム機器を製品化 | ||
◇ | 近畿バイオインダストリー振興会議賞 | |
ファーマフーズ研究所 http://www.pharmafoods.co.jp/ | ||
鶏の抗炎症たまごを開発、炎症予防の機能性食品として商品化 | ||
◇ | 大阪科学機器協会賞 | |
安井器械 http://www.yasuikikai.co.jp/ | ||
微生物などを破砕できる多検体細胞破砕装置を開発、製造 | ||
◇ | 特別功労賞 | |
林原生物化学研究所 http://www.hayashibara.co.jp/ | ||
バイオVBの草分け的存在としてバイオ産業の振興に貢献 |
第2回日本バイオベンチャー大賞 2003年
◇ | 日本バイオベンチャー大賞 総合医科学研究所 http://www.soiken.com/indextop.html |
臨床試験受託で全段階を包括 | |
◇ | 経済産業大臣賞 セレスター・レキシコ・サイエンシズ http://www.cl-sciences.co.jp/ |
タンパク質相互作用の予測可能に | |
◇ | 文部科学大臣賞 ジェネティックラボ http://www.gene-lab.com/main/index.html 国大教官兼業でDNAアレイ開発 |
◇ | バイオインダストリー協会賞 ジーンケア研究所 http://www.we-care-gene.com/ ゲノム創薬ベンチャーを志向 |
◇ | 日本工業新聞社賞 クラスターテクノロジー http://www.alpha-net.ne.jp/users2/ctc01ma/ DNAチップ製造装置で脚光 |
◇ | 近畿バイオインダストリー振興会議賞 サンルイ・インターナショナル http://www.stlouis.co.jp/ 植物・芳香療法をプロデュース |
◇ | 大阪科学機器協会賞 北海道システム・サイエンス http://ssl.lilac.co.jp/hssnet/ DNA合成など受託業務展開 |
◇ | 日本工業新聞創刊70周年特別賞 エルティーティー研究所 http://www.ltt.co.jp/ 世界初のターゲット療法実用 |
関西化学機械製作(株)・野田秀夫社長と神戸大学・福田秀樹教授が2001/7 ベンチャー企業として設立
http://www.kce.co.jp/bioenergy/index.htm
未利用のバイオマス資源を、有用な物質に変換する菌体、技術、システム、プラントを開発、販売する会社です。
酵素法によるバイオディーゼル燃料 | |
菌体酵素法によるバイオディーゼル燃料のプラントおよび菌体酵素を販売いたします。 菌体酵素法は安全でかつ、環境に優しいプロセスです。生産コストも精製酵素法に比べて安くできます。副産物も利用が可能です。 |
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デンプン原料からのエタノール生産 | |
アーミング酵母を使用して、デンプン原料を直接アルコールに変換いたします。 2年以内に、無蒸煮法でアーミング酵母を使用してアルコール生産ができるように、研究中です。 この菌体の特許はライセンスの相談にのります。 |
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セルロース原料からのエタノール生産 | |
余剰再生紙を原料にアーミング酵母を使用して、エタノールを生産します。現在は試験管規模で成功しております。2、3年以内に実証プラントを計画しております。日本でもMTBEの代わりにエタノールが使えるように、努力をしております。 |
株式会社 ニッポン ジーンテク http://www.nippongenetech.com/
設立 | :2000年6月2日 |
所在地 | :東京都千代田区神田錦町一丁目5番地 |
資本金 | :2億0,515万円(2002年5月末日現在) |
鞄本ジーン 研究開発部を分社 | |
業務 | :バイオテクノロジーに関連する研究開発、およびその受託、技術開発、販売、等 |
代表取締役社長 | :米田祐康 (農学博士、薬学博士) |
<第一回日本バイオベンチャー大賞授賞式での米田社長コメント>
「当社が開発した転写シークエンス法では、従来法ではできなかった部分のヒトゲノム解析も可能になる。これで日本のバイオが遅れているというイメージが少しでも払拭できたらと思う。」
CUGARシークエンシングシステム
CUGAR(「クーガ」と読む)シークエンシングシステムとは、転写反応をおこなう際のRNA合成を塩基配列決定に応用した「転写シークエンス法」を(株)ニッポン
ジーンテクが独自に製品化したものです。転写シークエンス法の原理は、DNAポリメラーゼを利用したSanger,F.らのジデオキシターミネーター法に基づいたものですが、RNAポリメラーゼを使用することで、従来のシークエンス法にはない、多くの利点があります。
転写シークエンス法の主な特長
1.PCR産物を精製することなく、そのままシークエンス反応への持ち込みが可能
従来のDNAポリメラーゼを用いたシークエンス法では、鋳型DNA調製の際、PCRとシークエンス反応の両方で2'-dNTPを基質として用います。したがって、鋳型DNA調製のPCR反応液を用いてシークエンス反応をする際、多量の未反応分の2'-dNTPやプライマーがシークエンス反応の障害となるため、シークエンス反応前に必ずゲル濾過等の精製操作を必要としてきました。 転写シークエンス法では、シークエンス反応はRNA合成を基本としているので、基質として2'-dNTPを取り込みません。したがって、転写シークエンス法では、PCR産物を精製することなく、PCR反応液をそのままシークエンス反応に使用することができます。 |
表1:転写シークエンス法とサイクルシークエンス法の比較
転写シークエンス法 | サイクルシークエンス法 | |
酵素 | RNAポリメラーゼ | DNAポリメラーゼ |
鋳型DNAの状態(反応時) | 二本鎖DNA | 一本鎖DNA |
反応条件 | 37℃,60分間 | 複雑な温度設定,2〜3時間 |
酵素の認識配列 | プロモーター配列 | プライマー結合部位 |
反応基質 | rNTP 3'-dNTP |
2'-dNTP 2',3'-ddNTP |
2.従来法では解析困難であった塩基配列に対して解析が可能
従来のDNAポリメラーゼを用いたサイクルシークエンス法では、シークエンス反応開始の際、DNA合成開始に不可欠なプライマーをアニールさせるために二本鎖であった鋳型DNAを一本鎖に変性します。このため、GC含量が高い鋳型DNAや短い繰り返し配列を有する鋳型DNAでは、一本鎖になると高次構造を生じ、この高次構造がDNA合成をする際の阻害要因となっていました。 転写シークエンス法では、RNAポリメラーゼによる転写反応を利用しているので、鋳型DNAが高次構造の取りにくい二本鎖のままで、GC含量が高い鋳型DNAや短い繰り返し配列を有する鋳型DNAでも解析可能です(図2参照)。 |
3.37℃、60分間での反応が可能
従来のサイクルシークエンス法では、<変性−プライマーアニール−伸長反応>を繰り返しおこなうので、サーマルサイクラーを用いて、それぞれに異なる温度設定が必要な上、反応時間も約2時間要していました。 転写シークエンス法では、反応時に温度の上下を必要とせず、一定温度(37℃)、短時間(60分間)で反応が済むので、等温設定のできるインキュベーターさえあれば簡単にシークエンス反応をおこなうことが可能です。 さらに、弊社が独自に開発した転写シークエンスシステム「CUGARシークエンシングシステム」では、転写シークエンス用のRNAポリメラーゼとして「CUGAR3ポリメラーゼ」、「CUGAR7ポリメラーゼ」の2つの変異型RNAポリメラーゼを用いることで、鋳型DNAの両端に導入されたそれぞれT3プロモーター、T7プロモーターを起点に両端からのシークエンシングが可能です。したがって、サイクルシークエンス法で解析したデータの確認作業を、それとは異なる原理の転写シークエンス用RNAポリメラーゼである「CUGAR3ポリメラーゼ」、「CUGAR7ポリメラーゼ」で解析することにより、データの正確性が飛躍的に高まります。 しかも、従来のDNAシークエンサーを用いて解析することができますので、特別な装置は一切必要ありません。 |
遺伝子解析の研究開発分野における提携について
〜富山バイオバレー構想の推進に向けて〜
株式会社ニッポンジーンテク(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 米田祐康)と株式会社インテック(本社:富山市、代表取締役社長 中尾哲雄)および インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長 末岡宗広)は、資本提携を含む業務提携を行い、富山バイオバレー構想をはじめ国プロジェクトなどの研究開発の分野で、共同で積極的な展開を進めることを合意しました。
今月、インテックがニッポンジーンテクへ1億2千万円を出資するとともに、インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクス(以下W&G)とニッポンジーンテクは近日、共同事業に向けた業務提携を行います。
共同事業化のメリット
ニッポンジーンテクは、試薬による遺伝子解析の研究開発会社です。バイオ・インフォマティクスを専門とするW&Gと共同事業化することで、世界で競争が激化している遺伝子やたんぱく質の機能解析分野において、(1)インフォマティクス技術の導入により効果的なターゲットの絞込みと(2)従来方式では解読が難しかった遺伝子配列の迅速な解読が可能になります。これにともない、現在の遺伝子データベースの高精度化、遺伝子解析のスピードアップが実現し、新たな遺伝子ネットワークの早期発見など世界市場への展開が見込まれます。
塩基配列決定技術の重要性
ゲノムプロジェクトは、医学、医療の分野において、正確な病気の診断、治療、ひいては創薬に繋がることから、世界的に激しい研究開発競争が展開されています。ヒトゲノムについては、平成12年6月にドラフト配列解読の完了宣言がなされ、現在は、遺伝子個々の役割を解析していく「機能解析」が最大の研究開発テーマとなっています。
今後も、従来の解読法で読めなかった部分の解読、遺伝子配列の再確認、生物の多様性解析など、より効果的かつ正確な「塩基配列決定」技術は遺伝子解析の根幹技術としてさらに重要性を増してきています。
ニッポンジーンテクの転写シークエンス法
ニッポンジーンテクは、独自の解析方法である「転写シークエンス法」による難解読配列の遺伝子解読を特徴とするバイオベンチャーです。この解析方法は、(1)従来のサイクルシークエンス法では解読が困難であった部分も解読でき、(2)シークエンス作業において常温のままで反応が進み、反応に温度操作がまったく不要という特長があります。これにより、従来法に比べて解析時間や人件費の節約、温度管理の工程不要、設備の簡素化などで多くの優位性をもちます。
なお、この技術は理化学研究所と和光純薬工業(株)とニッポンジーンテクとの共同研究で開発され、ニッポンジーンテクが実用化したものです。この解析方法は従来法の機器にも対応しており、取り扱いが容易なことから、解析競争のスタートが切られた遺伝子の機能解析や多様性解析等のより高度な解析分野において、そのニーズはさらに拡大するものと見込まれます。
W&Gの役割、遺伝子解析支援
W&Gは、コンピュータによるバイオ・インフォマティクス専門会社であり、以下のサービスを提供しています。
(1) 遺伝子解析の支援システム「WebGenシリーズ」の販売
(2) 米国ゴールデンヘリックス社の複合遺伝子解析ソフトウェアの販売
(3) 米国ジェナイサンス社と提携したハプロタイプ解析による臨床開発の受託サービス
(4) 国プロジェクトの共同研究の受託開発
特にW&Gも参加して、国プロジェクトで開発したSNPs(遺伝子の個体差)のデータベースは、世界的にも高精度なデータベースとして評価されています。W&Gは上記実績に加え、技術力をさらに高めて遺伝子解析の効率化を図り、ニッポンジーンテクの遺伝子解析を強力にバックアップします。
インテックの役割
インテックは万全の情報セキュリティ対策をもって、データベース構築およびシステムの運営・管理を支援するとともに、全国の拠点が保有している営業ネットワークを活用して、遺伝子解析分野での新規顧客開拓や新製品の開発をサポートしていきます。
今後の狙い
今回の資本提携および業務提携により、ニッポンジーンテクは事業の柱を現在の試薬の研究開発中心から診断薬、創薬ビジネスへと事業拡大を図ります。またインテックとW&Gは、バイオ分野における遺伝子解析関連ソフトウェアやデータベースを構築するとともに、新たなネットワークシステムを構築し、ソフト資産の拡大と市場開発を目指します。
3社は、それぞれの得意分野における相互協力により、遺伝子解析研究のスピード化、高精度化を図り、新たに遺伝子の難解読配列やSNPs等のデータベースを構築し、オーダーメード医療や創薬への事業展開を目指していきます。
富山バイオバレー構想の推進に向けて
「富山バイオバレー構想」とは、長年にわたり富山に蓄積された和漢薬や伝統医学などのバイオ分野の研究資源をもとに、テーラーメイド医療、遺伝子の機能解析、DNAチップ、バイオ・インフォマティクスなどの先端研究に積極的に取り組み、医薬バイオ分野を中心として研究開発と産業を集積しようというものです。今回の3社の提携は、同構想のより高レベルな実現を推し進めていくものであり、さらには、国プロジェクトにも積極的に参画し、世界に通用する効果の獲得を目指しています。
1.ニッポンジーンテクの概要
商号 | 株式会社ニッポンジーンテク | ||
Nippon Genetech Co., Ltd. | |||
本店所在地 | 東京都千代田区神田錦町1−5 | ||
代表者 | 代表取締役社長 米田祐康 | ||
代表取締役 綿引正則 | |||
設立 | 平成12年6月 | ||
資本金 | 205百万円(4,400株) | ||
従業員数 | 19名(平成14年9月末日時点) | ||
事業内容 | 遺伝子配列解析・遺伝子検査技術の開発、製造、販売及び受託 遺伝子機能解析技術の開発、データベース構築、販売及び受託 遺伝子配列、機能解析技術を通じた創薬支援事業の構築 |
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関係会社 | 金剛薬品(株)、(株)ニッポンジーン |
2.主要製品について
2−1.転写シークエンス法について
従来法であるサイクルシークエンス法では、読みたい遺伝子のシグナルを増幅するのに温度を上下させることから、1本鎖DNAが高次構造を取る部位で反応が止まり、読めない箇所ができるという短所がありました。一方、転写シークエンス法では、遺伝子を転写するRNAポリメラーゼと言う酵素を用い、生体内と同じ常温のままで反応が進むことから反応が途中で止まることがなく、サイクルシークエンス法では読めない箇所も解読できます。 |
2−2.「CUGAシリーズ」について
遺伝子を改変してシークエンスに適したRNAポリメラーゼを使用したシークエンス試薬を「CUGAシリーズ」として登録商標を取得しました。第1世代は平成14年4月に上市しており、第2世代はシークエンス感度を上げてさらに長い塩基配列の解読を可能にしたものを近日中に発売する予定です。さらに、室温で反応が進むこと、前処理に精製工程が不要という特長を生かして、反応系をミクロ化した全自動システム機器に対応した第3世代の試薬開発も計画しています。 |
2−3.「RNAi(RNA interference)合成試薬」について
線虫の研究過程で発見されたRNAiは遺伝子の機能を見るうえで非常に便利な媒体で、その後21−23個の2本鎖RNAが動物細胞遺伝子の不活性化に効果があることが明らかになり、siRNA(small interfering RNA)を用いた研究が急速に進展しています。 このRNAiは遺伝子機能解析に必須の技術であるばかりでなく、将来はバイオ・インフォマティクスをベースにした新薬としても最有望視されています。 ニッポンジーンテクでは、上記RNAポリメラーゼ(特許出願済み)を用いたsiRNA合成試薬の上市を近日中に予定しています。 |
インテック グループ
株式会社インテック INTEC INC. http://www.intec.co.jp/
設立 | : 1964年1月11日 |
資本金 | : 204 億55百万円(2002年4月1日現在) |
本 社 | : 富山市牛島新町5-5 |
社 長 | : 中尾 哲雄 |
事業概要 | :
アウトソーシング・サービス、ソフトウェア開発、 システム・インテグレーション・サービス、ネットワーク&モバイル・サービス、 eビジネスソリューション、コンサルテーション、基幹業務ソリューション、 金融業務ソリューション、官公庁・地方自治体向業務ソリューション、 医療業務ソリューション、ネットワークセキュリティ・ソリューション、 ユースウェア・サービス |
インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクス株式会社
INTEC Web and Genome Informatics Corporation http://www.webgen.co.jp/
設 立 | 1989年3月 | |
資 本 金 | 13億9,649万6千円(2002年4月1日現在) | |
売 上 高 | 2,409百万円(2001年12月期) | |
役 員 | 取締役会長 平井 俊邦 代表取締役社長 末岡 宗広 |
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従業員数 | 94名(2002年4月1日現在) | |
主な事業内容 | バイオ・インフォマティクス事業 ウェブ事業 アドバンスト・リサーチ事業 |
日々飛躍的に進歩する情報技術の先進分野の研究に取り組むため1989年に設立された弊社(旧社名:(株)インテック・システム研究所)は、事業を創造する企業として新ミレニアムを迎えるべく、2000年2月に社名をインテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクス株式会社(略称:ウェブ・アンド・ゲノム W&G)に変更しました。
日本経済新聞 2003/3/25
エンバイオテック 掘り返さずに土地浄化 日商岩井が5000万円出資
バイオ技術開発の大学発ベンチャー、エンバイオテック・ラボラトリーズ(東京、水上春樹社長)は日商岩井と組み、汚染された土地を掘り起こさずに浄化する事業を始める。汚染状況やコストに見合った土地活用法や浄化計画を提案、低価格で施工する。工場跡地などの転用を後押しする。
日商岩井は近く、エンバイオテックの第三者割当増資を引き受け5千万円を出資する。エンバイオテックは日商岩井の不動産開発などで必要となった土地の浄化を請け負う。
施工技術は米杜から導入。まず地上から直径約5センチの井戸を汚染された地層まで掘り進む。浄化対象の地層に水圧で横に穴を広げ直径30メートルの皿状の空間を作り、地上から汚染物質を吸着・無害化する薬剤を投入して周辺の土壌を浄化する仕組み。
地上の作業スペースは車1台分程度だが、ガソリンスタンド程度の土地なら営業したまま1−2カ所の井戸で浄化できるという。施工期間は1週間程度で、価格は従来の一般的な工法の半分以下に抑えられる。
専業の子会社を通じて、初年度は売上高6千万円を目指す。ガソリンスタンドや工場跡地など比較的小さな土地を対象とする。金融機関とも提携し案件の掘り起こしを進める。
エンバイオテックは村上和雄・筑波大学名誉教授らが経営に参加し、バイオ技術の環境への応用を計画。環境ホルモンの検出器具やダイオキシンの濃度測定センサーなどを開発している。
潟Gンバイオテック・ラボラトリーズ http://www.enbiotec.co.jp/
環境バイオ産業創出をめざして
環境バイオテクノロジーが持つ二つの可能性。一つは「環境との共生」の実現へのキーテクノロジーであること。もう一つは、日本発の「新たな産業分野」として世界に拡がる環境バイオ産業としての可能性です。
ネットワーク・ラボラトリーズとは
環境バイオ産業の創出には、基礎研究から技術開発、市場開発、普及活動まで、多くの関係者の協力が必要です。新たな価値を創出して環境問題を解決する"仕組み"――それが当社の提唱するコンセプトです。環境診断から修復、そこして共生へ
わたしたちは環境バイオビジネスを3つのフェーズで考えています。バイオテクノロジーに先端技術を融合することで、環境問題を解決する新たな製品・技術を創造しています。
日本経済新聞 2003/7/2
人工赤血球 早慶教官が共同VB 微粒子技術を活用
早稲田大学と慶応大学の教官が微粒子を使った人工赤血球を事業化する。ベンチャー設立支援のバイオ・アクセラレーター(バイオX、東京、高木智史社長)と新会社を設立し、ベンチャーキャピタル(VC)に合計2億円の第三者割当増資を実施した。
人工赤血球は血中から酸素を運搬する働きを持つヘモグロビンを取り出し、直径250ナノ(ナノは10億分の1)メートルの微小カプセル(リポソーム)で内包する。早大理工学部の武岡真司助教授らがリポソームを設計・開発、慶大医学部の小林紘一教授らが生体内の作用を解析する。リポソームを使えば、約3週間の赤血球の保存期間が2年に延びるという。製薬会社と共同で、人間のヘモグロビンを使わない人工赤血球やがんなどの薬剤を組み込んだリポソーム製剤の開発も目指す。
新会社はオキシジェニクス(東京・港)。高木氏が社長に就任し、バイオXの社員が出向して運営する。資金調達や製薬会社との提携を支援し、上場のメドが立った段階で新たな経営陣に事業を引き継ぐ計画。2007年の上場を目指す。
日本経済新聞 2003/7/2
慶大 大学発VBに最大100万円 出資制度を創設へ
慶応大学は教員らがベンチャー企業を設立する際に1社当たり最大100万円を出資する制度「アントレプレナー(起業家)支援資金」を近く創設する。会社設立の最大の難関となる資金調達を直接支援し、学内からの起業を促す。毎年5−10社に出資する計画。
学校法人慶応義塾(東京・港)が出資する。学内で開発した技術などを使って開発者自らが起業する場合が対象。開発者が原則として代表取締役に就任、自己資金と慶大からの出資金で株式会社を設立する。出資先を決定する際には学外の有識者を交えた委員会に諮る。9月にも第一弾の出資をする。
経済産業省によると、大学発ベンチャーは2002年度末で約530社ある。うち慶大発は24社で早稲田大、東京大に次いで多い。
日本経済新聞 2003/10/8
大学発VBの素顔 ジーンワールド DNA合成のバイオ機器
ジーンワールドはゲノム創薬などに不可欠なDNA(デオキシリボ核酸)合成装置などの研究開発を手がける。日本大学医学部出身で複数のバイオベンチヤーを起業した林伸信氏が、早大の技術を生かしたバイオ関連機器の開発や再生医療参入を目指して設立。林社長は現在、早稲田大学理工学部の研究員も務める。
主力事業はDNA合成装置で売上高の約8割を占める。米国企業が高いシェアを占めるが、ジーンワールドは他社の4倍の192本のDNAを同時合成できる装置を開発。低価格と生産能力の高さで対抗する。
事業拡大の柱として、細胞内の成分を分離できるセルソータ(細胞選別装置)事業に着目。理工学部の船津高志教授らが研究した技術を事業化、デスク型パソコン並みの大きさの分析装置を発売する。DNAや標的となる細胞を蛍光物質で分け、細胞の分化や薬物への反応を調査できる。
今後はたんぱく質やゲノム(全遺伝惰報)の受託解析サービスを拡大するほか、再生医療の基本となる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の抽出事業を実施する。製薬会社や研究所向けに、バイオの基礎研究で必要な事業を分析機器と受託サービスの両面で展開する。
2003年12月期は前期比57%増の2億2千万円の売上高を見込み、2005年度に各事業とも利益を確保できる体制を目指す。
▽本杜 | 東京都板橋区1 | |
▽売上高 | 1億4000万円(2002年12月期) | |
▽設立 | 2000年9月 | |
▽社長 | 林伸信氏 | |
▽電話 | 03・5292・4619 |