2003/12/12 田辺製薬

米国開発子会社の設立について
   
http://www.tanabe.co.jp/newsrelease/2003/20031212.pdf

 田辺製薬株式会社(社長:葉山夏樹)は、100%出資の開発子会社「タナベファーマデベロップメントアメリカエルエルシー(TANABE PHARMA DEVELOPMENT AMERICA, LLC)」を設立しました。

 田辺製薬は、国内のみならず、米国での上市を目指した新規化合物の創製活動を強化しており、そのための臨床試験実施体制の準備を進めてきました。
 今回の新会社設立によって、米国における医薬品の自社開発、ジョイントベンチャー及び導出先企業に対する業務支援をより円滑に推進できる体制の構築を図ります。

 新会社の概要は下記の通りです。

「新会社の概要」 

社 名   タナベファーマデベロップメントアメリカエルエルシー
    (TANABE PHARMA DEVELOPMENT AMERICA, LLC)
所在地   401 Hackensack Ave., 10th floor, Hackensack, NJ 07601, U.S.A
資本金   50万ドル
出資比率   田辺製薬(株) 100%全額出資
    (米国内グループ持株会社タナベホールディングアメリカ社の出資による間接保有)
設立日   2003年12月12日
事業内容   米国における臨床開発関連業務全般
決算期   12月31日

 


日本経済新聞 2003/12/13

医学生物研と資本提携 住商子会社 再生医療を共同研究

 住友商事のバイオ研究子会社
サミット・グライコリサーチ(SGR)は、ジャスダック上場の医学生物学研究所と資本提携する。SGRの実施する6800万円の第三者割当増資を医学生物学研が全額引き受け、出資比率30%程度の第2位株主となる。再生医療分野で共同研究を進め、成果の知的財産などを共有する。
 SGRは東京大学の入村達郎氏ら2教授の研究成果を事業化するため設立した。バイオ分野の中では日本が強いとされる、糖鎖生物学を専門に研究している。具体的な成果が挙がれば、製薬会社へのライセンス供与や共同研究などで実用化を進める方針。
 再生医療に強い医学生物学研の資本を受け入れることで、開発のスピードを上げる考え。糖鎖は生体内の様々な生理機能を担っているとみられている。日本政府はポストゲノム時代の重要研究テーマと位置付け、複数の省庁が予算を計上して各大学や研究所の研究を後押ししている。


2003/5/29 住友商事

住友商事、「糖鎖」分野のバイオベンチャーを設立
〜日本で初めてバイオ研究の最先端「糖鎖」分野で本格事業化を目指す企業が誕生〜
   
http://www.sumitomocorp.co.jp/news/20030529_143957_kagaku.shtml

【概 要】
 住友商事株式会社(社長:岡 素之)は、バイオ研究の最先端である「糖鎖」分野で、東京大学・大学院薬学系研究科 入村達郎教授及び同大学・大学院新領域創成科学研究科 山本一夫教授の研究成果の事業化を目的とするバイオベンチャー「サミット・グライコリサーチ株式会社」を設立した。住友商事がバイオ・医薬分野の新事業開発ノウハウや人材・資金等を供出し、東京大学の2教授が同社の取締役に就任した。

 住友商事は東京大学と糖鎖分野で共同研究を実施してきたが、今般、研究開発を促進し事業化を目指すために新会社の設立を決めた。新会社は、糖鎖研究の第一人者である入村達郎教授及び山本一夫教授がそれぞれ開発した「糖鎖解析」と「糖鎖合成」に関する研究成果を活用して、糖鎖の解析と合成の基盤技術の開発を本格的に進める。住友商事はバイオ・医薬分野における長年の新事業開発実績やネットワークを生かして、製薬企業、診断薬企業、IT企業等とも幅広く連携し、糖鎖分野の新技術を利用した次世代型の医薬品や診断薬、研究試薬等の開発・事業化を強力に推進していく。
また、新会社は東京大学との間で、糖鎖分野でさらに共同研究を進める予定であり、最先端の研究成果を製薬企業等他社へライセンス供与するほか、共同開発を行うことで本格事業化に結びつけていく方針である。

 ポストゲノム時代の最も重要な課題である「糖鎖」は世界中で研究が進んでいるが、糖鎖を網羅的に研究しその成果を事業化する目的で設立された企業は日本で初めてであり、世界的にも新しい試みである。新会社は、基盤技術の開発進捗と製薬企業、診断薬企業等との提携状況を踏まえ、3−4年内の株式上場を目指す。新会社の概要は次の通り。

<新会社概要>

社名 サミット・グライコリサーチ株式会社 
    (英文:SUMMIT GLYCORESEARCH CORPORATION
所在地 東京都中央区晴海1-8-11晴海トリトンスクエアY棟
 (住友商事株式会社 本社内)
設立時期 2003年1月31日
資本金 20百万円
出資比率 住友商事株式会社         
住商ファーマインターナショナル株式会社  
70%                  
30%
役員 代表 堀本 泰三 (住友商事株式会社 メディカルサイエンス部
                      医療ビジネス推進プロジェクトチーム長)
入村 達郎 (2003年5月就任:東京大学・大学院薬学系研究科
                    生体異物学教室 教授)
山本 一夫 (2003年5月就任:東京大学・大学院新領域創成科学研究科
                    先端生命科学専攻 医薬デザイン工学 教授)
吉川 隆弘 (住友商事株式会社 メディカルサイエンス部長)
大熊 俊彦 (住友商事株式会社 メディカルサイエンス部 部長付) 
事業目的 糖鎖生物学を利用した医薬品、診断薬、研究試薬の開発と販売

【背 景】
 バイオ医療研究の最前線では、ヒトゲノム情報が解明された現在、その設計図から得られるタンパク質の構造と機能の解析に注目が集まっている。生体内で機能する重要なタンパク質のほとんどは糖鎖が付加されており、糖鎖は生体内の様々な生理機能と多様性を担うものと認識されている。日本政府も複数の省庁が予算を計上するなど、糖鎖研究はポストゲノム時代の最も重要な課題のひとつとして位置付けられている。
 
 また先端医療研究として、各種生理機能を有する細胞や組織をヒト体内に移植する「再生医療」も注目を集めており、細胞自体の品質を管理する方法論の確立が急がれている。細胞膜表面上に存在している糖鎖情報の内容を迅速に解析し、選別することが細胞の品質を管理し、再生医療技術を進化させる近道と見られている。
 このように、生体内の「糖鎖情報の持つ意味」を解明し、それを利用することで、新しい次元での医薬品・診断薬の開発や再生医療の本格実用化を可能とすると期待されているが、これまで、糖鎖の解析と合成は極めて煩雑で手間のかかるものであり、糖鎖の網羅的な研究によって糖鎖の生物学的な意義を解明しそれを活用することはバイオ医療の大きな課題となっていた。

 住友商事は、2001年から、東京大学・大学院薬学系研究科 入村達郎教授の「レクチンライブラリーによる糖鎖解析」に関する研究成果について事業化に向けた試みを実行すると共に、東京大学(入村研究室)と共同研究を進めてきた。また2002年からは、同大学・大学院新領域創成科学研究科 山本一夫教授の「カーゴレセプターの遺伝子改変による糖鎖ライブラリー技術」に関する研究成果の事業化に向けた試みも実行してきた。

 住友商事は、これまでの入村達郎教授及び山本一夫教授の研究成果の事業化に向けた試みや東京大学(入村研究室)との共同研究等の実績を踏まえ、より本格的に基盤技術開発を促進し、画期的な医薬品や診断薬、研究試薬等の開発に挑戦する為に、バイオベンチャー企業「サミット・グライコリサーチ株式会社」を設立し、同新会社に入村達郎教授と山本一夫教授の2教授を取締役に迎えて、事業化を目指す。医薬品や診断薬等の製品開発や再生医療での実用化にあたっては、糖鎖を利用した新薬、診断薬や再生医療に関心のある、製薬企業、診断薬企業、IT企業等とも広く提携し、迅速な開発と商業化を進める方針である。


2001/3/9 住友製薬/日本メジフィジックス

住友製薬バイオメディカル(株) 4月1日営業開始
  
http://203.138.228.209/pr/2001/03/0090/

 住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:横塚実亮)と日本メジフィジックス株式会社(本社:西宮市、社長:中村日出彦)の出資による体外診断薬会社「住友製薬バイオメディカル株式会社」は、このたび下記のとおり役員人事が内定し、本年4月1日に営業を開始します。
 住友製薬バイオメディカルは、体外診断薬事業を強化するため、両社が独自に行ってきた体外診断薬事業を引き継ぎ、体外診断薬の研究、開発、製造から販売までを一貫して行います。
 体外診断薬事業は、予防医学や患者の疾患の種類・原因を正確に特定して医薬品の適正使用を行うという観点から将来性の見込める分野ですが、当面、骨代謝・カルシウム代謝分野での市場拡大を図るとともに、他社との提携により新規分野及びPOC検査にも参入・注力していきます。
 これからは、両社から受け継いだ資源を効率的に運営することにより事業基盤の強化を図るとともに、臨床検査の分野でより一層顧客の皆様にご満足いただけるよう最善の努力を重ねていきます。

※ POC(ポイント・オブ・ケア)検査:
医師が外来、病棟等その場で簡便、迅速に診断できる検査システム。例えば、妊娠診断薬や糖尿病診断システム等が既に開発、発売されています。



○会社概要

・会社名 住友製薬バイオメディカル株式会社  http://www.ssbm.co.jp/
・役員  代表取締役社長 村野  敦
・本店所在地 大阪市中央区道修町二丁目2番8号
・営業開始 平成13年4月1日
・資本金 4億8,000万円
・株主
 (出資比率)
住友製薬株式会社        90%
日本メジフィジックス株式会社 10%
・従業員 約50名
・事業内容 体外診断用医薬品、医療用具、医療用理化学測定機器、その他試薬の研究、
開発、製造および販売ならびに輸出入

日刊工業新聞 2004/1/6

アストラゼネカ、新薬開発部門を英本社に統合

 アストラゼネカは、日本での新薬開発力強化を目的に開発組織を英アストラゼネカ本社の開発部門に統合する。全世界で進めている研究開発の効率化の一環で、本社との連携強化により日本での新製品開発を迅速化し、また開発成功確立も高める。日本での新薬開発戦略が初期の段階から国際的な開発計画に組み込まれることになり、欧米との開発スケジュールの差が少なくなりそうだ。

 英国本社の開発部門が日本での臨床開発業務を直轄する。開発予算と日本での研究開発結果に対する責任を持ち、管理する。本社の人材や技術、データベースなどを活用できるようになる。

 一方で開発の最高意思決定機関に日本の開発担当者も加わることで、日本固有の状況や患者や医療機関のニーズが国際開発戦略に反映されることになる。

 


日本経済新聞 2004/1/13

血液バッグ中国合弁 テルモが子会社化

 テルモは輸血用血液を入れる「血液バッグ」を生産する中国・吉林省の合弁会社を、1月中にも完全子会社化する。合弁相手の現地企業の持ち株53%すべてを買い取る。現地需要が伸びているため、全額出資にすることで事業の意思決定を早めるのが狙い。
 「長春泰爾茂医用器具」(吉林省長春市)を完全子会社化することで2003年12月下旬、中国当局の承認を得た。145人の従業員は全員引き継ぐ。買収額は明らかにしていない。
 合弁会社はテルモと現地メーカーの長春康達医用器具が1996年、共同出資で設立。中国の血液バッグ市場で約2割のシェアを持つという。2004年度には、前年度比3割増である4億円の亮上高を目指す。
 テルモの中国の全額出資子会社は2社目。


日本経済新聞 2004/1/13

BML 臨床検査の拠点新設 40億円投資、自動化徹底

 臨床検査大手のビー・エム・エル(BML)は40億円強を投資して、埼玉県川越市に検査拠点を新設する。2004年末の稼働を目指す。既存のシステムよりも自動化を徹底し、医療機関から夕方から夜間にかけて届く3万−4万人分の血液などの検体をほぼ全量、翌朝までに検査できる体制を構築する。
 新システムが本格稼働すれば、検査担当者の勤務体系を現在の昼夜二交代制から夜間だけの勤務に切り替えられる。コストの大幅抑制が期待できる。
 自動化と同時に個人情報保護の機能も従来より拡張する。データの匿名化などを徹底し、患者情報の管理強化を求める医療機関が増えているのに対応する。
 経営環境が悪化する医療機関は、検査会社に対して検査委託料の引き下げを求めている。検査業界では価格競争が激化しており、BMLのように競争力強化のために大型投資に踏み切る動きが加速しそうだ。


日本経済新聞 2004/1/18

がん治療法開発 名大教授らと新会社
 日本化薬、2010年メド実用化

 
日本化薬は新たながんの治療法を開発するため名古屋大教授らと共同で新会社を設立する。同大学との共同研究をもとに、がん細胞への攻撃力が高く副作用も少ない治療法を2010年をメドに実用化する計画。医薬事業の中核であるがん領域を強化する。
 「ナノセラピー研究所」(名古屋市)を月内に資本金1千万円で設立する。日本化薬や装置メーカーの第一高周波工業(東京・中央)、
名大大学院工学研究科の小林猛教授らが出資する。新会社は「ヒートイムノセラピー」と呼ぶ新治療法を開発する。直径100ナノ(ナノは10億分の1)メートルほどの微粒子を患部に注入して磁力をあてると、微粒子が発熱してがん細胞の活動を止める。
 通常の抗がん剤は副作用を伴うが、新治療法は正常細胞に作用せず、がん細胞だけを攻撃するため患者の負担が少ないという。
 2010年をメドに実用化し、年数十億円の売り上げを目指す。


日本化薬 医薬事業への取り組み
 
http://www.nipponkayaku.co.jp/japan/iyaku/iyaku_torikumi.html

がんの予防から診断、治療、ケアにいたるまで患者さんにとって有用な製品の開発に注力します。
当社の医薬事業は、「ブレオマイシン」始まり、現在では10種類のラインナップを誇る抗がん剤を中心とした「がん領域」及び各種ニトログリセリン製剤を中心とした「循環器領域」での展開を強みとしています。高齢化社会の到来にあたり、当社の得意とする「がん」に焦点を当て、がんの予防から診断、治療、ケアにいたるまで患者さんにとって有用な製品の開発に注力し、「医療・介護分野」での成長を目指します。


名大大学院工学研究科 小林猛研究室
 
http://www.nubio.nagoya-u.ac.jp/proc/japanese/reseach.htm

バイオテクノロジーを工業プロセスに応用するための「生物プロセス工学」と医療に応用するための「医用工学」に関する研究を活発に行っています。また、発展著しいバイオインフォマティクス(生物情報科学)に関する研究もしています。

人工知能を応用した脳波による病気の簡易診断法の開発
DNAチップを利用した遺伝子解析と最適治療法の選定
バイオインフォマティクスにおける新規遺伝子解析手法の開発
不定胚誘導条件の最適化と優良植物の大量繁殖
固定化植物細胞を用いた人工種子の大量調製法の開発
間葉系幹細胞の最適培養条件の確立
ヒートイムノセラピー(Heat Immunotherapy)の臨床研究
機能性磁性微粒子を利用した新しいガン診断・治療法の開発
微生物の有機溶媒耐性機構の解明
異種遺伝子組換え菌の培養と遺伝子産物の効率的生産
バイオ感性工学による商品設計用インターフェイスの構築

 


日本経済新聞 2004/1/19

移植可能な大型軟骨作成 物材機構・産総研究「幹細胞」を培養
 従来の10倍 関節炎治療に応用

 物質・材料研究機構と産業技術総合研究所は共同で、骨や筋肉など様々な組織に成長する「幹細胞」を培養し、従来より10倍以上大きい長径1.5センチ、厚さ7ミリの軟骨の塊を作製した。動物細胞を使った基礎研究の段階だが、関節炎などの移植治療に使える大きさを初めて実現した。機能も本物の軟骨と変わらず、実用性の高い再生医療に道を開く。
 物材機構の田中順三・生体材料研究センター長と産総研の植村寿公主任研究員らのチームがウサギの骨髄から幹細胞を取り出し、微小重力を生み出す回転容器の中で成長させた。
 特殊な培養液を使って回転させながら1カ月間培養したところ、大型の軟骨に成長した。
 幹細胞から軟骨を作る試みはこれまでもあったが、大きさが1ミリほどで内部が壊死することが多かった。研究チームは地球の重力に原因があるとみて、地上の約100分の1の微小重力状態を生み出す装置を利用。できた軟膏は内部の細胞も均一に成長していた。
 利用した回転装置は通常の還心分離機とほぼ同じサイズ。培養液を満たした筒上の容器に幹細胞を入れ縦方向に回転させると、重力の向きが連続的に変わり、微小重力状態を作り出せる。
 同じ手法で人間の幹細胞から軟骨を再生する実験を筑波大学医学部と共同で始めた。「ウサギと人では軟骨の成長過程に大差なく、人でも大きな軟骨が期待できる」と研究チームはみている。
 骨髄の幹細胞は再生医療の材料として有望だが、移植に適した塊状の組織を作るのが難しかった。研究チームは再生組織づくりの新手法として特許を出願した。
 関節炎の移植治療では通常、別の部位から採取した軟骨を使うが、大きな軟骨は取り出せない。新手法を使えば患者の肉体的負担の軽減につながる。

 


日本経済新聞 2004/1/24

最高益企業の研究 テルモ
 現場主義でシェア回復 最先端医療が成長左右

 テルモの2004年3月期は連結経常利益が前期比12%増の337億円と3期連続で最高となる見通しだ。ただ、血管治療に使うカテーテル(医療用細管)など主力製品の公定価格が相次いで引き下げられ、持ち前の収益力にはかげりもみえる。海外や最先端医療への進出によって成長戦略の再構築を急いでいる。
 神奈川県中井町。富士山を一望できる丘陵地帯に心臓外科医らが頻繁に足を運ぶ施設がある。病院の手術室を再現した「テルモメディカルプラネックス」だ。
 設置されているのはテルモ製を中心とする最新医療機器。大小5つの手術室で食用豚を「患者」にして最新機器の使い方が習得できる。2002年秋の開設以来、約700人の医師が利用した。
 プラネックス誕生の背景には苦い教訓がある。カテーテルの落ち込みで2001年9月中間期の連結経常利益は増益予想から一転減益。発表翌日の株価はストップ安となった。カテーテルの苦戦を「開発現場の意識と医療現場の二ーズにズレが生じたため」と分析。医師の要望を吸い上げて製品開発に生かすための戦略拠点として設けたのがプラネックスだった。
 2002年6月にカンパニー制を導入。医師、薬剤師、看護師など顧客別に組織を再編し、開発、製造、営業を一体化した。顧客二ーズをすぐに製品改良に生かす狙いだ。「我々が気付かないことまで『こう改良したら使いやすいのでは』と提案してきた」と心臓手術で実績を持つ榊原記念病院(東京都府中市)の浅野竜太医師は評価する。
 こうした地道な取り組みが奏功し、外資の攻勢で2001年に12%前後に低下した経皮的冠動脈形成術(PTCA)用カテーテルの国内シェアが昨年は17%に回復。心肺システムも26%と首位を堅持している。今期の最高益更新も営業利益率が35%と高いこれら「心臓・血管領域商品群」の好調が原動力だ。和地孝社長は「付加価値をつければ既存分野でも十分に収益を拡大できる」と自信をみせる。
 それでも安閑としてはいられない。売上高経常利益率は1999年3月期の18%をピークに低下傾向にある。持ち直しているとはいえ今期は16%とピークには届かない。医療器具の公定価格が定期的に引き下げられ、収益が圧迫されているからだ。PTCA用カテーテルは内外価格差を理由に2002年から25%も引き下げられた。
 テルモの営業利益の半分近くを稼ぐのはカテーテルなど心臓・血管領域商品群。ここでの採算の低下は収益悪化に直結する。同利益の4割を占める輸液バッグや注射器などのホスピタル商品群も競争激化などによる価格引き下げ圧力にさらされている。輸液バッグなどは中国やフィリビンの工場を拡張してコスト削減を進めているが、「価格引き下げの行政リスクをカバーするには限界がある」(外資系証券会社アナリスト)。
 そこで新たな成長市場として着目するのが海外だ。1999年に約150億円で米スリーエムから心肺システム事業を買収。2002年には人工血管大手の英バスクテックを約190億円で買収して同分野に本格参入した。2003年9月期の海外売上比率は37%と2000年3月期に比べて5ポイント近く高まった。
 潜在市場が数百億円とされる最先端医療にも挑む。自社開発を進める補助人工心臓はこのほどドイツで臨床試験を開始。人工赤血球は2006年に臨床試験を始める。和地社長は「先端技術を手に入れるためなら企業買収も考える」と話す。
 2008年3月期には連結売上高を1.5倍の3千億円に増やす計画。それには海外はもちろん最先端医療への進出が不可欠だが、研究開発や事業化の段階でこれまで以上のリスクを背負う。株主資本比率が65%に達する強固な財務基盤を生かして未知の市場を切り開いていけるのか。それがこれからの利益成長を左右する。


2004/02/03 タカラバイオ

北京市に遺伝子治療や遺伝子工学の研究開発を目的とした新会社を設立
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=64263

 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、中国における細胞・遺伝子治療の研究開発と当社製品の販売を目的とした新会社「宝日医生物技術(北京)有限公司 (Takara Biomedical Technology (Beijing) Co., Ltd.)」を、中国北京市昌平区の中関村生命科学園内に設立すべく手続を進めてまいりましたが、本年1月20日付けで設立登記が完了しました。新会社は、当社の100%子会社で、資本金は3億5千万円で、董事長(会長)には加藤郁之進が、董事 総経理(社長)には北京市出身の宗 康拉(Zong Kang la) 博士が就任します。宗博士はニューヨーク州立大学で博士号取得後、米国国立衛生研究所でがんの養子免疫療法の創始者であるローゼンバーグ博士の下で研鑽後、カリフォルニア大学でがんの免疫治療の研究を続けてきました。また、副総経理(副社長)の一人である曹 春渝(Cao Chun yu)博士は中国における医師免許を持ち、この数年間は当社のバイオ研究所で遺伝子治療の研究に従事してきました。

 この新会社の設立目的は、当社の中国における遺伝子治療および細胞医療の事業化であり、遺伝子治療としては、(1)白血病などの造血器腫瘍を対象とした遺伝子治療、(2)エイズを対象とした遺伝子治療、(3)非小細胞肺ガンなどの固形腫瘍を対象とした遺伝子治療の中国での臨床開発を推進し、商業化を目指します。また、細胞医療としては、活性化リンパ球療法を中心としたがん免疫療法も展開していく予定です。また、新会社では、バイオ研究用試薬および理化学機器の製造販売、バイオ研究の受託サービスも行います。

 中関村生命科学園は、バイオテクノロジー及びバイオ医療に特化した科学技術園(サイエンスパーク)であり、北京首都国際空港まで車で約45分と交通の便もよく、生命科学研究所やバイオチップの研究センターが入居を予定しています。中関村生命科学園は現在開発中で2005年に第1期工事が終了見込みで、2008年には第2期工事が終了し、大型の病院が入居する予定です。また近隣には、清華大学、北京大学、中国科学院等の一流の研究機関が密集しています。このような地の利をいかし、新会社で遺伝子治療や細胞医療の臨床開発や事業展開を進めます。

 当社は、1993年に宝生物工程(大連)有限公司をバイオ研究用試薬の製造拠点として遼寧省大連市に設立しましたが、現在では従業員が320名を超え、日本への輸出だけでなく、中国国内へのバイオ関連試薬の販売にも積極的に取り組んでいます。今回、上海と並ぶ中国の2大市場の1つである北京に販売拠点を置くことにより、中国バイオ試薬市場への販売拡大をさらに推進し、中国においてもバイオ研究用試薬のトップメーカーを目指します。


<設立会社の概要>

会社名: 宝日医生物技術(北京)有限公司
所在地: 北京市昌平区回龍観中関村生命科学園
資本金: 3億5千万円(※当社100%出資)
経営範囲:バイオ医薬の研究開発
       バイオ研究用試薬、理化学機器の製造・販売
       バイオ研究受託サービス
役員構成:董事長  加藤 郁之進(タカラバイオ(株)代表取締役社長)
       副董事長 仲尾 功一(タカラバイオ(株)常務取締役)
       董事    日野 文嗣(タカラバイオ(株)常務執行役員)
       董事    竹迫 一任(タカラバイオ(株)執行役員)
       董事    喜多 昭彦(タカラバイオ(株)バイオインダストリー部部長、                       宝生物工程(大連)有限公司 総経理)
       董事    宗 康拉(宝日医生物技術(北京)有限公司 総経理)
       董事    曹 春渝(タカラバイオ(株)主任研究員)
設立時期:2004年1月20日

<参考資料>

【語句説明】

養子免疫療法
 ヒトリンパ球をインターロイキン2やインターロイキン4等の存在下で培養し、がん細胞に対して非特異的な細胞障害活性を示すキラー細胞を誘導します。この細胞を患者の体内に戻してがん治療を行う治療法です。米国国立衛生研究所のローゼンバーグ博士らが開発しました。

造血器腫瘍
 白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの総称です。

固形腫瘍
 白血病以外の多くの腫瘍のように、特定の組織臓器に腫瘍塊として存在しているがんの総称です。

活性化リンパ球療法
 患者の血液から取り出した白血球の中のTリンパ球を、リンパ球増殖因子であるインターロイキン−2やTリンパ球を刺激する抗CD3抗体により体外で刺激し、増殖させる方法が最も一般的に行われています。Tリンパ球として、腫瘍部位から分離されるリンパ球を使用したり、刺激として自己腫瘍細胞やがんやウイルス由来のタンパク質抗原を使用する場合もあります。


2004/2/4 大正製薬

大正製薬株式会社、サノフィ・サンテラボ社に合弁会社の持ち株を売却
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=64323

 大正製薬株式会社(社長 上原 明)は、サノフィ・サンテラボ社(本社:フランス・パリ/会長:ジャン・フランソワ・デュエック)と共に設立している合弁会社、大正・サノフィ・サンテラボ製薬株式会社の49%の大正製薬持ち分株式を2006年3月31日付けで同社に売却し、合弁契約を解消することについて合意したことを発表致します。
 同合弁会社は、サノフィ・サンテラボ社が開発した製品の日本での開発・販売を目的に1983年9月に設立され、現在は抗不整脈剤アンカロン(塩酸アミオダロン)の販売を管理しています。大正製薬持ち分株式の売却により、合弁会社はサノフィ・サンテラボ社100%子会社、サノフィ・サンテラボ株式会社(本社:東京・千代田区/社長: フィリップ・フォシェ)に吸収されます。
 持ち分株式売却が実施される2006年3月31日までの期間、大正製薬とサノフィ・サンテラボ社の日本100%子会社であるサノフィ・サンテラボ株式会社は共同で日本の専門医への販促活動を行い、その後サノフィ・サンテラボ株式会社がアンカロンのマーケティング活動を主導することになります。
 今回の合意締結後、大正製薬は、合弁会社の価値に適合する株式売却金額を取得すると共に、持ち分株式売却後も引き続きアンカロンの製造と物流に携わり、製品の適正な普及に努めていきます。
 なお、厚生労働省から希少疾病用医薬品の指定を受けているアミオダロン注射剤(アミオダロンI.V.)の開発の臨床試験業務は、2003年よりサノフィ・サンテラボ株式会社に移管されております。

○大正・サノフィ・サンテラボ製薬株式会社概要
設立 1983年9月
事業内容 サノフィ・サンテラボS.A.が開発した製品の日本における開発・販売
本社所在地 東京都千代田区紀尾井町3−23 文藝春秋新館
資本金 1,000万円
社長 フィリップ・フォシェ
     
○サノフィ・サンテラボ社 (フランス Sanofi-Synthelabo S.A.) 概要
事業内容 医薬品研究開発・生産・販売活動
本社所在地 174 Avenue de France, Paris 75013 France
会長兼CEO ジャン・フランソワ・デュエック (Jean-Francois Dehecq)
     
○サノフィ・サンテラボ株式会社 (Sanofi-Synthelabo K.K.) 概要
設立 1971年7月12日
本社所在地 東京都千代田区紀尾井町3−23 文藝春秋新館
資本金 4億2,980万円
株主 サノフィ・サンテラボS.A. (フランス Sanofi-Synthelabo S.A.
役員 代表取締役会長 ハンスピーター・シュペック (Hanspeter Spek)
代表取締役社長 フィリップ・フォシェ (Philippe Fauchet)

 


日本経済新聞 2004/2/5

中国・三九 日本の医薬品販売 中国のドラッグストアで

 中国の医薬最大手、三九企業集団(深セン市)は中国で日本製の医薬品や医療機器を販売する。佐藤製薬やオムロンなど15社から製品を仕入れ、傘下のドラッグストアで売る。三九は中国で主流の漢方薬で最大手だが、成長が期待できる非漢方薬の品ぞろえが少ないため日本企業と連携する。
 三九は大衆薬大手の佐藤製薬と契約、医薬品3種類を販売する。すでに小児用風邪薬、皮膚用塗り薬、栄養補助剤の販売を中国政府に申請し、年内をメドに発売する。三九の傘下のドラッグストアのうち、都市部にある約700の大型店舗で販売する。
 医療機器メーカーのオムロンやマルタカ(静岡県藤枝市)とも組み、血圧計や筋肉痛の電気治療器を発売した。年内に提携先を15社まで増やし、ドラッグストアの店舗内に日本製品の専用売り場も設置する。2005年に日本製品で計35億円程度の売り上げを計画している。
 ドラッグストア向けの大衆薬とは別に、病院向け医薬品でも中国に工場を持つ日本企業と販売提携の交渉を始めた。
 中国の医薬品市場は現在4兆円程度といわれる。2008年には6兆円を突破して日本を抜き、米国に次ぐ世界2位の市場になるとの予測もある。日本企業にとっては販売網の構築や債権管理が難しく、政府への承認申請ノウハウも乏しいため、進出が進んでいなかった。
 三九は昨年、中堅製薬の東亜製薬(富山県上市町)を買収して日本市場に進出。ドラッグストア大手のCFSコーポレーションとも提携し、日本で漢方薬を売り出した。今回、日本製品の中国販売にも乗り出し、医薬品需要が高まる中国での売り上げ拡大を目指す。


日本経済新聞 2004/2/10

三井物産 がん診断に進出 米VBと提携、2007年めどに

 三井物産は米バイオテクノロジー企業のコリロジック(メリーランド州)と資本・業務提携し、国内でがん診断事業に乗り出す。コリロジックに300万ドル(約3億2千万円)を出資し、日本では合弁会社を設立する。早期がんを簡便に高精度で診断する技術を2007年メドに国内で実用化。将来の成長分野と位置づけるバイオ事業を拡大する。
 コリロジックは2000年設立のベンチャー企業。血液中にある複数種類のたんぱく質の量を調べ、がん患者特有のパターンを解析する技術を開発した。がんを見つける精度は90%以上で、現在主流のがんマーカー検査を上回るという。一滴の血液で診断できるため患者の負担が小さく、画像診断で発見できない微小な早期がんの発見も可能という。コリロジツクはまず3月に卵巣がん、年内に前立腺がんの診断事業を米国で開始。将来はすべてのがんを診断できるようにする。
 三井物産はコリロジックの技術が日本人にも応用できるかを調べたうえで、年内に51%以上を出資して日本で合弁会社を設立。2007年をメドに全国の医療機関を窓口とした診断事業を始める。診断費用は検査するがんの種類や数により異なるが、1万−5万円程度に抑える予定。アジア各国でも同様の事業を展開する権利をコリロジックから取得する。


日本経済新聞 2004/2/13

がんを狙い撃て “兵糧攻め”で増殖抑制 副作用少なく脚光

 がんの組織だけを狙い撃ち、副作用を最小限に抑える新たな治療法が各国で続々と実用段階に近づいている。日本も4月から始動する国家プロジェクト「第三次対がん10か年総合戦略」で政府が後押しする方針。製薬企業同士のし烈な研究開発競争が始まっている。

 進行・再発性の大腸がんを対象にした次世代の抗がん剤が今春、米国で販売承認にこぎつける。がんへの栄養供給路を断ち“兵糧攻め”にする
血管新生阻害薬「アバスチン(一般名ベバシツマブ)」。米食品医薬品局(FDA)が新薬を積極的に承認する姿勢に転じたことも各社の開発の追い風となっている。
 がんが周囲に毛細血管を引き寄せる性質に注目。このカギを握る分子にくっついて無力化させる抗体と呼ぶたんぱく質がこの薬の正体。開発した米ジェネンテック社は親会社のスイス・ロシュ社と連携し、乳がんや肺がんへの適用拡大を狙う。
 血管新生阻害薬はがんを劇的に縮小させる力はないが、がんを直接たたく既存の薬に比べ副作用ははるかに小さい。
 これまでがん治療は力づくでがん病変を縮小させることに主眼がおかれてきた。だが臨床医の間では、軽い負担でがん病変の増殖を抑える方が「患者のQOL(生活の質)を損なわず、従来以上の延命効果も期待できる」(藤井雅志・日本大学医学部助教授)という考えが育っている。製薬各社はこの戦略にうってつけの血管新生阻害薬の研究開発に力を入れている。
 ジェネンテック以外にも米ファイザーやノバルティス、仏アベンティスなど大手製薬企業が追い上げへ臨床試験を急ぐ。

 国内企業の先頭を走るのがエ−ザイ。昨年末に飲み薬を使った第一相臨床試験を始めた。中外製薬はロシュ社を通じてアバスチンの日本における開発・販売の独占的実施権を取得、今年末にも臨床試験を始める。協和発酵やキリンビールは独自の候補物質を使い動物実験中だ。
 副作用が問題となった肺がん治療薬「イレッサ」のように細胞内の特定の物質に働きかける新薬には未知のリスクもある。アバスチンなどが安全性を確保して軌道に乗れば、現在の大型抗がん剤を超える「年間3千億円の市場規模に育つ可能性がある」(エーザイの浅田誠・創薬第二研究所長)とみられている。

血管新生阻害薬の開発状況

企業 対象 開発状況
ジェネンテック 結腸・直腸がん 今春にも米国で販売承認
中外製薬が年内にも日本で臨床試験
アベンティス 悪性固形がん、リンパ腫 初期の臨床試験
ノバルティス 結腸・直腸がん 臨床試験の最終段階
エ一ザイ 悪性固形がん 初期の臨床試験
協和発酵 悪性固形がん 米子会社を通じ動物実験中

 


2004/02/19 明治製菓/アリスタライフサイエンス

明治魯抗医薬有限公司設立について
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=65490

 明治製菓株式会社(本社:東京都、社長:佐藤尚忠、以下明治製菓)、アリスタライフサイエンス株式会社(本社:大阪府、社長:ジョン・ハガマン、以下アリスタ)、および山東魯抗(さんとうるーかん)医薬股■有限公司(本社:中国山東省済寧市、董事長:章 建輝、以下魯抗医薬)は、医薬品等の製造・販売を目的とする合弁会社「明治魯抗医薬有限公司」(以下新会社)を中国済寧市に設立いたしました。このほど資本の払込および登記が完了しましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1.新会社設立の目的

 明治製菓は既に中国にて医薬品事業を展開しておりますが、同国での生産を拡充することによる国際的なコスト競争力の強化と、今後さらなる拡大が見込める同国内での市場獲得を目的としております。
 3社共同出資の理由は、抗生物質を中心に製造販売を行っている魯抗医薬と同国内で明治製菓の医薬品販売を仲介し、同国の医薬品ビジネスにノウハウを持つアリスタに、明治製菓の生産技術を加えたシナジー効果が期待できると判断したことによるものです。
 新会社の生産品目は抗生物質を主とした医療用医薬品および動物薬の原薬製造等で、中国国内は魯抗医薬が、中国国外は明治製菓がそれぞれ販売いたします。また、将来的に他社からの受託生産も視野に入れた事業基盤の確立を図ってまいります。なお、事業開始時期は2005年春を予定しており、現在工場を建設中であります。

2.新会社の概要
1)会社名 :明治魯抗医薬有限公司
         (英文名)Meiji Lukang Pharmaceutical Co., Ltd.
2)所在地 :中国山東省済寧市
3)資本金 :2,000万米ドル
4)出資比率:明治製菓............50%
         魯抗医薬............30%
         アリスタライフサイエンス.. 20%
5)董事長 :松尾 正彦(明治製菓株式会社 取締役常務執行役員)
6)事業内容:医療用・動物用医薬品等の製造・販売
7)稼動開始:2005年4月(予定)
 
(参考)
 山東魯抗医薬股■有限公司の概要
1)会社名 :山東魯抗医薬股■有限公司
         (英文名)Shandong Lukang Pharmaceutical Co., Ltd. 
2)所在地 :中国山東省済寧市
3)資本金 :4.1億中国元
4)設立年 :1966年
5)董事長 :章 建輝
6)事業内容:医療用・動物用医薬品等の製造・販売
7)売上高 :10.4億元(2002年12月期)

 ■は、にんべんに分


日本経済新聞 2004/3/2

味の素、医薬品生産拡大 人工透析用製剤など 100億円投じ新設備

 味の素は医薬品の生産を拡大する。子会社である清水製薬(静岡市)の2工場に総額約100億円を投資し、需要拡大が見込める人工透析用製剤などを増産する。味の素は医薬品をアミノ酸や食品に次ぐ主力事業に育成する方針。生産増強をテコに2007年3月期の医薬品事業の売上高を2003年3月期比6割増の1千億円に増やす。
 清水製薬の清水工場(静岡市)に人工透析用製剤「ハイソルブ」の新生産設備を設置、来年4月に本格稼働させる。投資額は約20億円。国内の人工透析患者は20万人強。今後も増加傾向をたどる見通しで、増産が有効と判断した。
 ハイソルブは血液中の老廃物などを除去する際に使う薬剤。現行製品は液体が主流だが、新工場では運搬や保管がしやすい粉末タイプを増産する。他社との違いを打ち出し、現在約70億円の売上高を倍増させる。
 清水製薬の大井川工場(静岡県大井川町)では、90億円を投じ新設備を建設、今秋をメドに入院患者の脱水症の治療などに使う輸液製剤「ソリタ」を増産する。生産能力は年1億4千万本と2倍強になる。味の素は輸液で国内シェア20%弱を握る2位。増産で首位の大塚製薬を追撃する。
 増産にあわせて営業体制も拡充する。現在、病院を回る医薬情報担当者(MR)は約450人。新規採用や配置転換で早期に700人に増員する。
 味の素は人工透析製剤や輸液を自社販売するほか、糖尿病など生活習慣病の薬を開発し、国内外の医薬専業メーカーに販売委託している。医薬品事業の売上高は2003年3月期で627億円。


2004/3/11 藤沢薬品

中国語圏事業基盤の再構築に関するお知らせ
http://www.fujisawa.co.jp/ir/release/040311.pdf

 当社はこのほど、中国語圏における当社事業の効率的運営と収益性向上を図るため、2004年4月1日付けで下記の通り事業基盤の再構築を実施することを決定しましたので、お知らせします。

[1] 再構築の内容と時期
香港に当社の100%子会社として2003 年12 月に設立した「藤澤薬品大中華有限公司」を、中国語圏における当社事業の統括会社とする。
当社の台湾子会社「台湾藤澤薬品工業股.有限公司」の当社持分(約80%)を「藤澤薬品大中華有限公司」に移管する。また、現「台湾藤澤薬品工業股.有限公司」にある経営戦略・人事・経理などの本社機能を「藤澤薬品大中華有限公司」に移転する。
「台湾藤澤薬品工業股.有限公司」の100%子会社で当社の中国ビジネス拠点である「藤澤薬品(中国)有限公司」の全株式も「藤澤薬品大中華有限公司」に移管する。
これにより、「藤澤薬品大中華有限公司」の下、「藤澤薬品(中国)有限公司」は中国国内販売子会社、「台湾藤澤薬品工業股.有限公司」は台湾国内販売子会社となる。
また、「台湾藤澤薬品工業股.有限公司」の観音工場は2005 年3月末を目処に閉鎖する。工場閉鎖後も販売を継続する製品については、当社または外部より完成品を購入する。
[2] 再構築の背景と趣旨
中国経済の発展や2001 年のWTO 加盟などにより、今後中国医薬品市場の拡大が期待されている。当社は、1996 年に「台湾藤澤薬品工業股.有限公司」の中国販売子会社を設立し、中国におけるビジネスを展開している。しかし、近年、製薬企業各社が中国市場へのアクセスを強化している中、巨大な潜在市場である中国での今後のビジネス展開をより一層効率的に進めるため、かねてより当社の中国語圏事業体制の見直しを検討してきた。
今後の中国医薬品市場の拡大を想定した場合、台湾子会社は台湾事業に専念し、中国事業は独立して事業展開を進める方が、全体としての中国語圏事業をより効率的に展開でき、収益性の向上にもつながると判断した。また、それぞれの事業を日本の本社直轄とするよりも、両社を束ねる統括子会社を設けることにより、現地により密着した事業戦略の立案、実施、並びに相互の連携を進めることが出来ると判断した。
台湾国内では、医療費抑制策として2001 年4月と2003 年3月に大幅な薬価切下げが相次い
で実施されたことにより、オリジナルメーカーは現地後発メーカーとの熾烈な価格競争を余
儀なくされている。当社は、これまで現地生産品目の競争力を確保するために、原価低減策
や工場人員削減策など様々な施策を実施してきたが、度重なる薬価切下げにその効果は打ち
消されているのが現状である。
医療環境の変化を受けて、台湾国内事業は収益体質を強化するための大幅な構造改革が急務
となっていたため、「台湾藤澤薬品工業股.有限公司」の観音工場を2005 年3月末を目処に
閉鎖し、「台湾藤澤薬品工業股.有限公司」を台湾国内の販売会社として再構築することで、
台湾国内ビジネスの収益性の向上を図る。

 なお、当社とサノフィ・サンテラボ社(Sanofi-Synthelabo 社、本社:フランス)は、2003年12月末日をもって台湾における合弁事業を解消しましたので、併せてお知らせします。

[参考]
中国語圏事業拠点(2004 年4月1日時点)

藤澤薬品大中華有限公司(Fujisawa Greater China Group Limited)
1. 本社所在地 香港
2. 社長 櫻井清(現台湾藤澤薬品工業股.有限公司社長)
3. 設立 2003 年12 月1日
4. 従業員数 約20 名
5. 事業内容 販売子会社の統括業務
     
藤澤薬品(中国)有限公司(Fujisawa Pharmaceuticals (China) Company Limited)
1. 本社所在地 香港
2. 社長 卓永清(現藤澤薬品(中国)有限公司ジェネラル・マネジャー)
3. 設立 1996 年5月(2003 年11 月に現社名に変更)
4. 従業員数 約70 名
5. 事業内容 医薬品の開発・輸入・販売
6. 製品領域 免疫抑制剤、アトピー性皮膚炎治療剤
     
台湾藤澤薬品工業股.有限公司(Fujisawa Taiwan Co., Ltd.)
1. 本社所在地 台湾台北市
2. 社長 李謀進(現台湾藤澤薬品工業股.有限公司副社長)
3. 設立 1962 年11 月
4. 従業員数 約170 名
5. 事業内容 医薬品の製造・開発・輸出入・販売
6. 製品領域 免疫抑制剤、入眠剤、抗生物質など


[別紙]中国事業拠点


2004/03/24 メディビック

合弁会社設立に関するお知らせ
http://www.medibic.com/investors/file/20040324.pdf

 当社は、平成16年3月24日開催の取締役会において、株式会社ラボ(本社:札幌市北区、代表取締役杉田一憲以下「ラボ」という。)との合弁会社の設立に関し下記のとおり決議いたしましたので、お知らせいたします。

1.合弁会社設立の理由及び業務内容

 近年、遺伝子治療や細胞治療、再生医療関係の研究、臨床応用が多くの医療研究機関で活発化し、大きな期待を集めております。しかしながら、再生医療が健全に発展するためには、薬事法に基づく医薬品の臨床試験と同様に、再生医療に用いる幹細胞の分離、体外培養、細胞調製など、細胞を扱う一連の作業の安全性と品質が高いレベルで保証されなければなりません。医薬品製造の品質管理要件の基準であるGMP(
Good Manufacturing Practice)に準拠した、細胞調製施設(CPC=Cell Processing Center)の設置が全国の医療施設で多く望まれております。
 このような環境を踏まえ、当社はこのたび市場のニーズに対応するため、当社企業集団のさらなる事業拡大を目的にラボとの合弁会社である
株式会社アドバンスト・メディカル・ゲートウェイ(以下「アドバンスト・メディカル・ゲートウェイ」という。)を設立いたします。
 アドバンスト・メディカル・ゲートウェイは当社のコア・コンピタンスであるゲノム創薬技術及び先端医療技術分野に専門特化したコンサルティング能力とインフォマティクス技術並びにラボによる特殊研究施設の設備設計技術や機器導入のノウハウを活用して事業を展開してゆきます。
 アドバンスト・メディカル・ゲートウェイの業務内容は、当社によるソフト面での技術とラボによるハード面での技術を統合させて国内の医療機関に対する先端医療技術の応用に必要な支援サービスを提供することであります。
 具体的には、遺伝子治療、細胞治療、再生医療のための設備を開設または運営開始しようとする医療機関や企業に対して、施設設計、機器選択・調達、設置バリデーション、クリーン処理、運用体制および基準の確立、運営業務支援などを含む、施設立ち上げから運営までのトータル・コーディネーション・サービスの提供を行っていく事を計画しております。

2.合弁会社の概要

  商 号   株式会社アドバンスト・メディカル・ゲートウェイ
  代表者   代表取締役社長 榊 昭雄(株式会社ラボ取締役)
  所在地   東京都千代田区内幸町一丁目1番1号
  設立予定年月日   平成16年4月5日
  主な事業の内容   遺伝子治療、細胞治療、再生医療のための施設開設及び事業運営の
支援及び関連するサービスの提供
  決算期   3月31日
  資本の額   10,000千円
  大株主構成および
所有割合
  株式会社メディビック50%,株式会社ラボ50%
       
3.株式会社ラボの概要
       
  所在地   札幌市北区北二十七条西六丁目2番12号
  設 立   昭和56年7月
  代表者   代表取締役社長 杉田 一憲
  主な事業の内容   医療、理化学、バイオテクノロジー関係の機材、試薬等の輸入及び
国内販売、研究開発(DNAアレイ受託サービス)
  資本の額   30,000千円
  売上高   2,653,253千円(平成15年6月期)
  従業員   42名

4.今後の見通し

 アドバンスト・メディカル・ゲートウェイ設立による平成16年12月期(平成16年1月1日〜平成16年12月31日)の当社業績見通しに与える影響は現段階では未定ですので、現時点での業績の修正などはございません。

【参考】
 細胞調製施設(CPC=Cell Processing Center)
  =GMPに準拠した治療のためのクリニカル・プロダクトを製造する特殊な施設。


2004/04/01 アベンティス ファーマ

アベンティス社、CSL社へのベーリング事業の売却完了について
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=68801

 アベンティス社(本社:フランス)は、同グループ企業であり血漿蛋白製剤に特化するアベンティス ベーリング社(本社:アメリカ)をCSL社(本社:オーストラリア)へ売却する合意書を、両社で締結したことについて2003年12月8日フランスにおいて既に発表しておりました(添付資料[1]参照)。この度、各国の独占禁止法関係管理当局の承認が得られ、3月31日をもってこの取引を完了しましたのでご報告致します。

 これに伴い、アベンティス ベーリング社の事業は、CSL社のグループ企業であるZLB Bioplasma社(本社:スイス)に統合され、新生
ZLB Behring社(本社:アメリカ)が誕生します。(添付資料[2][3]参照)

 尚、各国各拠点におけるアベンティス ベーリング社及びZLB Bioplasma社の事業統合は、それぞれの環境に応じ、順次進められる予定です。日本国内における製品の取り扱いについては、日本における事業移管が完了(2004年10月1日を予定)するまでは、従来どおり「製品の輸入及び国内販売」に関してはアベンティス ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役会長兼社長:ジェームズ・ミッチャム)が継続し、「製品情報提供活動」はアベンティス ベーリング ジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:ヘルマン・ストレンガー)が継続して行ってまいります。

 今回のアベンティス ベーリング社売却により、アベンティス社は、より専門性の高い製薬企業として中核事業へ専念し、業界におけるポジションを強固なものとします。また、新会社ZLB Behringは、血漿分画製剤市場における世界的リーダーとなり、患者さん、医療関係者の皆さんに、より優れた製品と質の高いサービスを提供できるようになると確信しています。

<アベンティス ファーマ株式会社について>
 アベンティス社の日本法人。糖尿病、腫瘍、骨、アレルギー領域を中核事業として、革新的な新薬の研究開発、製造及び販売を展開。国内における2003年売上及び社員数はそれぞれ、約1,209億円、約2,700名。2000年1月事業開始。

<アベンティス ベ−リング ジャパンについて>
 アベンティス社のグループ企業であり、血漿蛋白製剤市場において世界第2位のシェアを有しているアベンティス ベーリング社(本社:アメリカ ペンシルバニア州、最高経営責任者:ルディ・ベーガー)の日本法人。2000年2月に設立。
 
【添付資料@】アベンティスSAのフランスでのプレスリリース(2003年12月8日)

アベンティス社は、9 億2500 万US ドルでアベンティスベーリング社をCSL 社に売却することに同意

 アベンティス社とCSL社は、CSL社がアベンティス社の血漿蛋白治療製剤事業グループであるアベンティスベーリング社を買収する旨の合意書を締結しました。この取引には独占禁止法関係管理当局の承認が必要ですが、2004 年上半期には完了する見込です。
 この合意書に従い、アベンティス社には、総額最高9 億2500 万US ドルが支払われます。
 この総額のうち、5 億5000 万US ドルが取引完了時に支払われ、1 億2500 万US ドルが繰り延べ払いされます。
 この繰り延べ払いに関しては、2006 年7 月1 日に3000 万US ドル、2006 年12 月31 日に3000 万US ドル、2007 年12 月31 日に6500 万US ドル、の3 回に分けて支払いが行われます。
 さらに、アベンティス社には、CSL社の株価実績に基づいて、最高2 億5000 万US ドルが取引完了日の4 年後に支払われることになります。
 アベンティス社の取締役会副会長兼CFO であるPatrick Langlois 氏は、次のように述べています。
 「アベンティスベーリング社の売却は、現在の非中核事業を2004 年末までに分離し、アベンティス社をより専門性の高い製薬企業として戦略的に位置付けるという目標に近づくための第一歩といえます。この取引の完了により実現される中核事業への専念により、フリー・キャッシュ・フローが改善されると考えられます。」 Langlois 氏は次のように結んでいます。「CSL 社が業界のリーダーとして今回の買収を行うことは、今後の成功を確かなものにする上で、適切な投資といえるでしょう。」
 この売却の一環として、アベンティス社は、2003 年第4 四半期において、アベンティスベーリング社とその関連資産の帳簿価額に対し、約3 億5000 万から4 億ユーロ(税引き後)の償却を行う予定です。アベンティスベーリング社は、アベンティス・グループの中で既に非中核事業に分類されており、アベンティスの中核事業のキャッシュまたは収益性に影響はないと考えられます。アベンティスの中核事業とは、処方薬、ヒトワクチン、動物薬に関するビジネス領域を指します。

【添付資料A】 アベンティスベーリング社について

 アベンティスベーリング社は、蛋白治療製剤業界の世界的リーダーであり、全世界の3/4 以上の市場へ製品を供給するとともに、全世界で使用される血漿蛋白製剤のうち1/5 を生産しています。アベンティスベーリングは、血液凝固疾患、免疫不全疾患、アルファプロテイナーゼ欠損症、プラズマエキスパンダー、創傷治癒といった領域で30 以上の製剤を提供しています。アベンティスベーリングは世界最大規模を誇るインテグレーティッドプラズマコレクションカンパニーとして、治療製剤の品質、純度、そして安全性を保証するための製品サイクルをコントロールしております。

本社:米国・ペンシルバニア州・キングオブプロシア、
従業員数:世界で約5,800 人、
2003 年度の年間売上:10 億2200 万ドル

CSL 社について

 CSL グループは、生物由来製剤を開発、製造、販売しており、下記のヘルスケア事業を展開しています。
 ・ヒト血漿由来の救命薬
 ・健康に不可欠な医薬品および診断薬
 ・製薬業界向けの細胞培養試薬
 ・家畜およびペットを守る動物ワクチンならびに診断薬

 CSL グループは、欧州、米国、オーストラリアに製造工場を保有しています。ヒューマンヘルス、JRHバイオサイエンス、アニマルヘルス、ZLB 血漿事業という4 つの事業を世界的に展開しています。
 CSL のヒューマンヘルス事業には、ZLB バイオプラズマ、CSL バイオプラズマ、CSL ファーマシューティカルの事業およびその世界的な新製品開発が含まれます。

アベンティスについて
 アベンティスは、革新的な医療用医薬品やヒト用ワクチンの創製と開発を通じて、疾病の治療や予防に取り組んでいます。アベンティスは2003 年、同社の中核事業において約69,000 人の社員を擁し、約28億6 千万ユーロ(約3746 億円)の研究開発費を投じ、約167 億9 千万ユーロ(2 兆1990 億円)の売上高を達成いたしました。アベンティスの本社はフランス、ストラスブールにあります。

{2003 年ユーロ/円換算レート:1 ユーロ≒130.9712 円}


日本経済新聞 2004/4/2

カネボウの医薬品事業 中国最大手 買収名乗り 医家向け漢方薬進出狙う

 中国製薬最大手の
三九企業集団(広東省)が産業再生機構にカネボウの医薬品事業を買収する意向を伝えたことが1日、明らかになった。日本の医家向け漢方薬へ進出するとともに、カネボウブランドを活用しアジア市場の開拓を狙う。中国企業による日本でのM&A(企業の合併・買収)戦略が本格化してきた。
 分離が決まった化粧品事業を除くカネボウ本体の医薬品、繊維、食品などの事業は再生機構が資産査定中で、再生計画は5月中旬をメドに確定する計画。医薬品事業の評価額は数十億−200億円とみられる。再生機構が事業売却する場合は入札を実施する可能性が高く、最終結果が出るのは今秋以降になりそうだ。
 カネボウは葛根湯など一般用漢方(大衆薬)が主力で、医療機関で処方する医家向け漢方もツムラに次ぐシェアを持つ。医薬品事業の年商は200億円強だが、2003年9月中間期は営業赤字だった。
 三九の買収の狙いは医家向け漢方の製造承認の取得。新たに取得するとコストと時間がかかる承認を継承し、中国で生産した原料を使い製造コストを大幅に下げる。カネボウのブランドカも活用し、アジア市場の開拓にも生かせると判断した。
 三九は中国医薬市場の3割のシェアを持つとされ、1万エーカー(約40平方キロメートル)の薬草農園を所有するなど生薬供給能力で日本勢を圧倒する。日本では昨夏に富山県の中堅メーカーを買収し大衆薬事業に参入。漢方市場の大半を占める医家向け市場参入が課題だった。
 カネボウの2003年9月中間期は化粧品以外のすべての事業が営業赤字。医薬品のほか、家庭用品などは薄利なため、ブランドを切り売りする手法で事業の縮小することも考えられる。


日本経済新聞 2004/9/4

医薬品大手「三九」2007年日本上場
 中国企業初 6月に持ち株会社

 中国最大の医薬品メーカー、
三九企業集団(広東省深セン市)は日本で持ち株会社を設立、2007年に株式上場させる方針を決めた。主力商品である漢方薬の需要が日本で拡大すると判断、必要な資金を日本で調達できる体制を整える。実現すれば中国企業の日本での上場は初めてとなる。
 同社の趙新先総裁兼最高経営責任者(CEO)が日本経済新聞社に明らかにした。6月をメドに各事業を統括する持ち株会社「アジア薬品」(仮称)を日本で設立する。同持ち株会社を2007年中にジャスダックなど日本の新興市場に上場させる計画だ。上場後は発行済み株式の30%を三九グループが保有し、残りは日本で出資者を募る。
 持ち株会社の傘下には日本の現地法人、三九本草坊医薬(西村一郎社長)や昨年買収した中堅漢方薬メーカーの東亜製薬(富山県上市町)、新たに設立するドラッグストア企業を置く。


2004/4/20 新日本科学

聖マリアンナ医科大学と「育薬ベンチャー」設立で提携
http://www.snbl.co.jp/data/ir/release040420.pdf

 医薬品開発総合受託機関として国内最大手である株式会社新日本科学(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:永田良一)は、聖マリアンナ医科大学における「育薬ベンチャー」設立において、事業支援することで合意いたしましたので、お知らせいたします。
 新日本科学グループは、前臨床試験受託事業、臨床試験受託事業、トランスレーショナルリサーチ事業を3 つの柱としています。そのひとつ、トランスレーショナルリサーチ事業では、国内外の大学、バイオベンチャー、研究機関などとの間で様々な形態での協働補完関係を構築し、有望な創薬シーズや新たな医療技術の具現化・事業化を積極的に支援しています。
 聖マリアンナ医科大学では、1990年10月に「難病治療研究センター」をキャンパス内に設置、難治性疾患の原因究明と治療確立のための先端医療推進を目的に研究活動を行っております。また、1999年4月には、こういった先端医療の研究成果を医学教育にも積極的に反映させるべく、大学院医学研究科難治疾患学講座を新設しております。
 「育薬ベンチャー」構想は、同大学の難病治療研究センター長である西岡久寿樹教授が中心となり、「難病に苦しむ患者さんのニーズに対応して、医師側の豊富な臨床経験と基礎研究成果を活かして、難病治療という観点から創薬を行う」というコンセプトのもとに設立するものであります。聖マリアンナ医科大学は、この「育薬ベンチャー」の事業理念を、「日本の将来を担うバイオメディカル関連の人材育成」としております。
 一方、新日本科学は、前述のトランスレーショナルリサーチ事業の一環として、聖マリアンナ医科大学「育薬ベンチャー」の設立支援、資本参加を行うともに、創薬の全般的な開発や経営支援を行うというものです。新日本科学グループは事業ミッションとして、「創薬と医療技術の向上を支援し、人類を苦痛から解放することを絶対的な使命とする」と謳っております。また、新日本科学社長の、永田良一も同大学の難病治療研究センター客員教授に2004 年4 月1 日付で就任しました。
 なお、本「育薬ベンチャー」の設立時期や当社の出資額等の詳細については未定であり、今後決まり次第お知らせいたします。また、本件が弊社の業績に与える影響は、軽微と見込んでおります。


2004/04/21 杏林製薬

能代工場における新生産体制の構築について
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=70225

 杏林製薬株式会社(社長荻原郁夫、資本金4,317百万円)は、新生産体制の構築として能代工場新製剤棟の新築を計画しておりましたが、着工に先がけ、本日(4月21日)安全祈願祭を実施いたしました。

 当社は、FDA(米国食品医薬品局)のGMP基準に適合する国際水準の新製剤工場を能代工場内に建設し、大量または技術的に高度な製品を効率よく生産する体制の構築を目指しております。

 新製剤棟では、最先端のIT化、自動搬送システム等の導入によりリアルタイム監視や自動化を可能とします。また、製造室のモジュール化、フレキシブル包装ラインの採用等によりフレキシビリティを確保してまいります。この他、最先端の技術により品質および生産効率の高い工場の実現ができるものと考えております。

 また、快適な労働環境や作業者保護の徹底など働く人に優しい工場、更には省エネルギーと地球環境を配慮するなど環境に優しい工場を目指しております。

 なお、建設に伴う設備投資金額は約80億円を予定しております。

 新築工事に関するスケジュール及び新製剤工場の概要は以下のとおりです。

<備考>
 能代工場新製剤棟
  住所:秋田県能代市松原1番地
  着工予定日:2004年6月1日
  稼動予定日:2006年4月1日
  生産品目:主要内服固形剤(錠剤、カプセル剤他)
  構造種別:鉄骨造/5階建て
  建築面積:4382m2
  延床面積:15597m2
  施工者:大成建設株式会社


2004/04/21 田辺製薬

田辺製薬(株):上海医薬(集団)有限公司との共同研究について
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=70277

 田辺製薬株式会社(社長:葉山夏樹)は、4月21日、上海医薬(集団)有限公司(中国、董事長:周玉成、以下上海医薬)と医療用医薬品の共同研究を行なうことで合意しました。

 今回の合意により、田辺製薬は、創薬機会の拡大とパイプラインの強化が期待でき、上海医薬は、創薬体制の強化・充実および国際化の推進が期待できることとなります。

 田辺製薬は、創薬における競争力強化の一つとしてアライアンスの強化を掲げ、従来から進めてきた欧米企業との連携を強化するとともに、これまで培ってきた協業のノウハウを基に、更に多様な共同研究の可能性を模索してきました。
 今後は、中国における協業として上海医薬と創薬に関する共同研究を行ない、有望な化合物が選定された後は、両社共同で世界的に開発・販売を行ないます。

 一方、上海医薬は、中国最大手製薬企業の一つで、弊社カルシウム拮抗薬「ヘルベッサー」のライセンシーである延安製薬を傘下に有することから、これまでも田辺製薬とは密接な関係にありました。上海医薬は、医薬品事業への経営資源集中化を図るとともに中央研究院を設立し、国立研究機関の中国科学院上海薬物研究所と密接な連携のもと、共同で研究施設を作り、精力的に創薬体制の強化・充実を進めています。

 中国は、近年様々な産業分野において著しい発展を遂げています。医薬品産業においても近代化に力を注いでおり、その一環として、新薬創製を目指して、研究者の育成を重視し、海外で活躍する中国人研究者の中国への招聘・優遇措置、研究機関・企業の充実など様々な施策が取られています。

参考資料
【上海医薬(集団)有限公司の概要】 (数値は2003 年)

  和文 英文
会社名(Company name) 上海医薬(集団)有限公司 Shanghai Pharmaceutical (Group) Co., Ltd.
本社(Headquarters) 中華人民共和国、上海 Shanghai, People.s Republic of China
設立年(Establishment) 1996 年10 月 Oct. 1996(Reorganized)
売上高(Sales) 200.5 億元 20.05 billion RMB
従業員数
(Number of Employee)
40,000 人 40,000
代表者
(Representative person)
周玉成(董事長) Zhou YuCheng
(the Chairman of the Board)
事業内容
(Business Category)
医薬品・化成品・医療機器等の製造販売 Pharmaceuticals, Chemicals
and Medical Instrument


2004/4/28 日本経済新聞夕刊

医療関連事業 京セラ・神鋼統合            
発表

 京セラと神戸製鋼所は人工関節を中心とする医療関連事業を統合する。9月をメドに医療関連事業をそれぞれ分離、統合して新会社を設立する。人工関節や人工骨の製造・販売で国内勢ではシェア1位、2位の両社がそれぞれの得意技術を融合、先行する海外勢を追撃する。売上高で年10%以上の成長を目指し、高齢化で将来性が見込める市場で首位を狙う。
 両社は医療関連事業を分離、新会社に集約する「共同新設分割方式」を採用し、事業を統合する。新会社の資本金は20億ー30億円で、現在の売り上げ規模に応じ京セラが80%前後、神鋼が20%前後を出資するとみられる。本社は大阪市に置き、社長は京セラから就任する予定。
 京セラで医療関連事業に従事する300人、神鋼の100人の従業員がそのまま新会社に移り、京セラの滋賀県蒲生町と神鋼の神戸市の工場を引き続き使用する。
 2004年3月期の医療関連事業の年間売上高は京セラが約100億円、神鋼が約30億円。新会社の今期売上高は150億円規模となるもよう。


2004/4/28 京セラ/神戸製鋼所

京セラ・神戸製鋼所 医療材料事業の統合
「日本メディカルマテリアル株式会社(仮称)」設立合意について
http://www.kyocera.co.jp/news/2004/0408.html

 京セラ株式会社(本社:京都市、社長:西口(にしぐち)泰夫(やすお)、以下「京セラ」)と株式会社神戸製鋼所(本社:神戸市、社長:犬伏(いぬぶし)泰夫(やすお)、以下「神戸製鋼所」)は、2004年9月1日付で両社の医療材料事業を統合し、総合医療材料メーカーを目指す新会社を設立することで合意いたしました。
 新会社名は「日本メディカルマテリアル株式会社(仮称)」、資本金は25億円、出資比率は京セラ77%、神戸製鋼所23%となります。

 今後は、セラミックスとチタン合金という両社が得意とする材料及び加工技術と経営資源を融合することにより、これらを併せ持つ世界でも類を見ないメディカルマテリアルの専門会社として事業基盤を早期に確立し、日本国内はもとより、アジア全域、ひいてはグローバル展開へとワールドワイドに事業をおこなってまいります。とりわけ主力製品である人工関節分野において国内メーカー1位の京セラと2位の神戸製鋼所が事業統合することで、今後日本を代表する総合医療材料メーカーを目指してまいります。

 現在、高齢者に多い変形性関節症や慢性関節リウマチ等の治療に用いられる人工関節分野における国内の市場規模は約735億円で、なかでも海外メーカーは欧米における豊富な臨床経験をもとに約40年前から日本市場に参入し、現在、同分野において過半のシェアを占めています。(2002年データ:矢野経済研究所)。一方、多くの国内医療機関からは、かねてより日本人の体形や生活様式にあった人工関節の開発要望があり、これまで京セラ、神戸製鋼所とも各々の材料特性や加工技術等を活かして供給してまいりました。
 今後さらに本格化する高齢化社会を迎えるにあたって、益々拡大する市場のニーズを的確に捉え、より優れた製品を供給していくための事業基盤を早期に確立しなければなりません。
 そのためには国内トップ2社の双方の強みである、京セラが有するセラミック材料と加工技術等、及び神戸製鋼所が有するチタン合金への知見とその加工技術等との融合と、開発・製造・営業部門の統合によるシナジー効果を発揮し、医療機関から期待される高品質なサービスの提供と事業の拡大、展開を図ることが重要と考えます。
 そして3年後には人工関節の国内市場においてシェア20%を目指し、今後も世界中の人々の健康に貢献する製品およびサービスを提供し続け、人類社会の進歩発展に貢献してまいります。

■新会社の概要
会社名   日本メディカルマテリアル株式会社(仮称)
Japan Medical Materials Corporation
設立予定日   2004年9月1日 *同日に事業開始いたします。
資本金   25億円
出資比率   京セラ 77%、神戸製鋼所 23%
従業員数   約400名
本社所在地   大阪市を予定
事業内容   人工関節、人工歯根をはじめとする医療材料・医療機器の開発、製造、販売。
および総合医療材料メーカーとしてのその他の事業。
売上目標 2007年度 約300億円を目指します。(統合時 約150億円)
備考 なお、代表者・役員は現在のところ未定ですが、社長は京セラからを予定しています。

■ご参考

京セラ株式会社
設立    1959年4月1日
本社所在地   京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地
代表取締役社長   西口 泰夫
資本金   1,157億3百万円 (2004年3月末現在)
売上規模   【連結】1兆1,408億円(2004年3月)
主な事業内容   ファインセラミック関連事業、電子デバイス関連事業、機器関連事業、他
会社概要             京セラグループは、現在全世界に170社余りを有しており、ファインセラミックスをはじめとした各種電子部品、携帯電話、太陽電池など、幅広い事業を展開しています。近年は「通信情報」「環境保全」「生活文化」の3つの産業分野を21世紀のターゲット市場と定め、これらの分野に経営資源を集中して参りました。生活文化産業は、人々の心や暮らしの豊かさが求められる時代の重要な分野と捉えており、なかでも医療材料事業は高齢化社会の到来で今後更に成長が期待できる分野です。京セラは、セラミックスが有する高い生体親和性を活かし、人工骨、人工関節、人工歯根など生体機能の回復に役立つ医療材料を開発し、30年にわたって提供しています。
     
株式会社神戸製鋼所
設立   1905年9月1日
本社所在地   兵庫県神戸市中央区脇浜2丁目10―26(神鋼ビル)
代表取締役社長   犬伏 泰夫
資本金   2,181億円(2003年3月末現在)
売上規模   【連結】1兆2,047億円(2003年3月)
主な事業内容   鉄鋼・溶接、アルミ・銅、エンジニアリング、機械、不動産等の事業
会社概要   神戸製鋼および神戸製鋼グループ(子会社194社および関連会社70社)は「鉄鋼・溶接」「アルミ・銅」「都市環境・エジニアリング」「機械」「建設機械」「情報エレクトロニクス」「不動産」「各種サービス」等の広汎な分野で技術、ノウハウを駆使して多彩な事業活動を展開しています。
当社は、日本で一番早く金属チタンの研究開発を実施し、実用化に努力してきたチタンのパイオニアです。
当社が開発したK-MAX人工股関節シリーズは、永年にわたり蓄積されたチタンおよびチタン合金の材料技術、加工技術を活用し、生体工学に基づく設計・製造技術により完成しました。当社ではこの他、人工膝関節、およびヒップスクリュー等の関連製品を開発・製造しており、来るべき高齢化社会において予想される社会的ニーズに対応すべく活動を続けております。