海外経理制度研究 ←目次へ
1970年代に入り、海外プロジェクトが検討されることとなり、経理部としてもそれに対応すべく検討を始めた。
1.欧州メチオニン構想
メチオニンを欧州でJVで生産する案が出た。どの国に本拠を置くのが税務上有利かの検討を依頼され、主計課メンバーが欧州各国の税務システムを分担して勉強した。
(筆者はスイスを担当)
2.米国アルミ精錬計画
住化、日軽金、神戸製鋼と商社3社(住商、丸紅、日商岩井)が共同で米国の Revere Aluminum & CoppersとのJVで米国でアルミ精錬を行う計画が出た。(計画は実現せず)
ジャマイカでボーキサイトの採掘とアルミナ生産(いずれもジャマイカ政府との共同事業)を行い、そのアルミナを米国で精錬してアルミをつくるもの。
筆者はこの計画の調査団(企画前沢氏がリーダー)に加わり、税務上、経理上の問題点を調査した。事前に米国の税法を読み、詳細を現地で調査し、それを基に調査報告を作成した。これが後にMPCCとSCAIの設立に役に立った。(現地の中心は丸紅のアルミ担当者であったが、元住商社員で米国人秘書と不倫関係になり、離婚、退職し、丸紅に現地採用となった。のち米国昭電の会長に就任)
調査報告(目次のみ)
A 計画概要
B 外国税額控除制度
C 米国税制(連邦所得税)概要、投資税額控除制度(注. 現在はなし)、減価償却、減耗償却、無形固定資産、DISC(Domestic International Sales Corporation)、WHTC(Western Hemisphere Trade Corporation)、Minimum Tax、連結納税
D 取引価格
IRC482条、アルミナTransfer Price、アルミナ売価、Sales Corporation
E アルミ精錬の運営形態
Revereの意向、Partnership
F LeaseLeveraged Lease、Anaconda case、Industrial Revenue Bond、Double lease
G アラバマ州税
H ジャマイカ税制
I 資金問題
問題点、Kidder Peabody資料要約、Foreign basket、Debt/Equity ratio
3.住化アメリカ設立検討
1975年6月5日MPCCの設立登記がされ、米国スミチオン計画がスタートした。
住友化学が米国で事業を行うこととなるため、駐在員事務所を独立会社とする必要ができた。
このため1975年末に企画(中本)と農薬(中山:9月に経理から異動)が米国に出張し、問題点を調査した。
これらの知識は後にPhillips社とのPPのJVの検討で役立った。
1993/6にこれらを総合し、「海外プロジェクトのための基礎知識」をまとめた。