ブログ 化学業界の話題 knakのデータベースから 目次
これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。
最新分は http://blog.knak.jp/
中国では6月1日に「レジ袋規制」が始まった。
2008/6/4 中国でレジ袋有料化 実施
規制が始まると、いろいろ規制をモグル動きが出ているため、商務部、国家発展改革委員会、工商総局は10日、規制を厳しくする「補充意見」を通達した。
1)飲食店、書店なども無料レジ袋禁止
法律は 対象小売店を、消費者を相手に小売業を営む各種のスーパー、デパート、自由市場などを想定していたが、多くの飲食店でレジ袋の無料提供が続くなどの問題が多発したため、今回施行範囲を飲食店、書店、衣料品店、建築材店などにも広げられた。
2)手提げ機能つき包装は禁止
スーパーでは果物、野菜、海産物などの個別包装に、主に無料提供のロール式ポリ袋が用いられている。(規制対象外)
レジ袋規制の施行後に、このロール式ポリ袋の使用量が大幅に増加している。
ロール式ポリ袋をレジ袋代わりに使用する消費者がいるためで、手提げ用の穴があるロール式ポリ袋を用意したり、なんの標示もないロール式ポリ袋を総菜や麺類など直接口に入れる食品の包装に使用している。
「補充意見」は「生鮮食品などの包装に用いるビニール製事前包装袋」は、手提げ機能を備えず、かつ食品包装の関係基準を満たさなければならないとした。
国の関連規定に照らして、企業情報のほか「食品用」「QS」などの標示を袋上に明記し、消費者が納得した上で使用できるようにしなければならない。
3)無標識の袋は10月から禁止
国の基準はレジ袋の厚さ(0.025ミリ以上)・強度・標識を厳格に定めている。
4月16日以前にメーカーが仕入れ、かつ安全性・衛生度・厚さに関する「要求」の規定を満たしながら、それらが印刷されていないレジ袋については、9月30日までは販売・使用できるが、10月からは禁止となる。
4)製造元が不明の袋は禁止
「補充意見」は、小売業者は顧客に各種材質の袋を提供する際、合法的に設立されたメーカー、卸売業者、あるいは商社から購入し、かつ検査に備えて必要な証書を請求し、仕入・販売台帳を用意しなければならないと定めた。
現在、買い物袋の多くは企業の広告やロゴが印刷されているだけで、中には基準を満たしていないものすらある。こうした製品の根絶を図る。
松下電器産業は7月14日、姫路市飾磨区で液晶テレビ用パネルの新工場の起工式を行なった。
投資額は約3000億円で、尼崎市に建設中のプラズマパネル工場の2800億円を上回り、松下の薄型テレビ用パネル工場としては過去最大規模となる。
新工場の建設地は出光興産の兵庫製油所跡地で、敷地面積は48万平万メートル。松下が日立製作所などと共同出資している液晶パネル生産会社、IPSアルファテクノロジが建設する。
松下が投資額を全額負担し、松下主導で運営する。
ガラス基板には第8世代(2.2m×2.5m)を採用する。
シャープは新工場でより大きな第10世代を使うが、松下は30型台の中型パネルでは第8世代の方が生産効率が高まると判断している。
37型以上はプラズマ、それより小さいタイプは液晶とすみ分け、それぞれでコスト競争力を高める。
2010年1月の操業開始を目指しており、2013年のフル稼働時には当初計画の2割増しの年間1800万台分(32型換算)を生産する見通し。
参考 2007/12/5 シャープの「21世紀型コンビナート」
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松下は2008年3月末に、日立子会社の日立ディスプレイズの株式24.9%を取得した。
2年以内をメドに、日立ディスプレイズが保有するIPSアルファテクノロジ株を含む大型液晶パネル関連事業を660億円で取得し、松下がIPSの経営権を握る。日立は10%を上限にIPS株の保有を検討する。
出資者 | 出資比率 | |||
当初 | 2008/3 | 将来 | ||
日立ディスプレイズ | 日立 | 100% | 50.2% | |
キヤノン | − | 24.9% | 過半数→(付記)撤回 | |
松下電器 | − | 24.9% | ||
IPSアルファテクノロジ | 日立ディスプレイズ | 50% | 50% | − |
日立 | − | − | 10% | |
松下電器 | 30% | 45% | 90% | |
東芝 | 15% | − | − | |
その他 | 5% | 5% | − |
付記 キヤノンは日立ディスプレイズの過半数取得を撤回。松下電器は持分を日立に返却。
IPSアルファテクノロジはパナソニック子会社「パナソニック液晶ディスプレイ」に。
出資者 出資比率 当初 2008/3 2010 日立ディスプレイズ 日立 100% 50.2% 75.1% キヤノン − 24.9% 24.9% 松下電器→パナソニック − 24.9% − IPSアルファテクノロジ
→
パナソニック液晶ディスプレイ日立ディスプレイズ 50% 50.02% − 日立 − − 3% 松下電器→パナソニック 30% 44.98% 92% 東芝 15% − − その他 5% 5% 5%
2010/12、台湾・鴻海精密工業が日立製作所と提携、日立ディスプレイズに出資するとの報道。
2007年12月25日、日立製作所、キヤノン、松下電器産業は、液晶ディスプレイの事業、技術のさらなる強化、発展を目的に、包括的な提携を行うことで基本合意した。
日立の100%子会社として中小型液晶パネル事業を行っている日立ディスプレイズについて、日立からの株式譲渡により、キヤノンと松下がそれぞれ株式の24.9%を取得する。
次の段階として、3社は、今後、
・日立ディスプレイズについては、中小型液晶パネルユーザーとして多くのノウハウを持つキヤノンが過半数の株式を、
・IPSアルファについては、テレビ分野で世界トップクラスの松下が過半数の株式を、
それぞれ取得することも含めた資本構成の変更を予定している。付記
キヤノンは2010年9月30日、日立ディスプレイズの子会社化方針を撤回したと発表した。
24.9%の出資比率を維持、共同開発は従来どおり続ける。
東芝は松下・日立連合を離脱、テレビ用の液晶パネルでシャープと提携する。
シャープが堺市に建設中の新工場からパネルを調達してテレビに組み込む。
2008年2月、日立と松下は上記包括提携について2社間の正式契約を締結した。
松下は、将来的に日立ディスプレイズが保有するIPSアルファの発行済株式全株を含む大型IPS液晶パネル付随事業を660億円で取得する。その際、日立は10%を上限にIPSアルファ株式を保有することを検討する。
日立は先端的な技術開発を加速し、また、セットメーカーとして、最先端の液晶パネルを活用した世界最薄の液晶テレビの開発や超薄型液晶テレビの競争力強化を図る。
松下は、主力とするPDP事業の一層の拡大・強化を図るとともに、IPSアルファの事業運営への関与を深め、日立グループと連携しながら松下が中核となってIPSアルファの新工場の建設を進めることで、液晶パネルの安定調達を図る。
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付記
日立製作所は2008年9月18日、年度内にプラズマテレビ用のパネル生産から撤退すると発表した。
パネルは来年度以降、松下から調達する。
パイオニアも2009年1月に生産から撤退するため、国内でのプラズマパネル生産は松下だけとなる。
ドイツの連邦カルテル庁は7月10日、談合と価格カルテルで化粧品会社に課徴金を課したと発表した。
課徴金は25万ユーロから210万ユーロで、合計は約10百万ユーロ。対象はChanel、Clarins、Cosmopolitan Cosmetics Prestige(現在は P&G Prestige Products)、Coty Prestige Lancaster、Estee Lauder、L'Oreal、LVMH Parfums & Kosmetik、資生堂、YSL Beaute の9社のドイツ子会社とその役員。
カルテル庁によると、各社は1995年以来、年に4回集まり、販売数量、宣伝費、新製品、価格、利益などの多くの情報を互いに交換しており、これは競争を制限するもので、ドイツとEUの独禁法に違反するとしている。
(特に、どの会合で値上げを決めた、とは言っていない)
L'Oreal は談合に参加していたとするカルテル庁の主張を否定し、この決定を控訴するとしている。
化粧品協会では、事業者間のどんなコミュニケーションが違反で、どんなものが許されるのか、明確にしてほしいとしている。
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こちらは明らかな価格カルテル:
英国の公正取引庁(Office of Fair Trading) はタバコのメーカー2社と多数の販売会社がタバコ製品の小売価格を違法に決めていたとして本年4月に摘発したが、7月11日、このうちメーカーの Gallaher (日本たばこが買収)と販売会社数社が早期決着を行なった。
公正取引庁によると、メーカー2社は販売会社に製品価格を同じように上げるよう指示をしていた。また販売会社は将来の値決めについて情報交換を行なっていた。
合計173.3百万英ポンドの課徴金を支払うが、数社にはLenicency (協力による減額)が適用される。
Gallaher
の制裁金は約93百万英ポンド。
もう1社のメーカーはImperial Tobacco で、Gallaher とImperial で英国で売られるタバコの9割を占める。
日本たばこでは「当社による買収前のGallaher社等における行為ではありますが、今回の英国公正取引庁からの指摘を重く受け取るとともに、今後とも、コンプライアンス体制の一層の強化に努めてまいります」としている。
米国商務省が17日に発表した6月の住宅着工件数は、季節調整済みで年換算1,066千戸となり、前月(修正後)の977千戸を 9.1%上回った。
しかし、商務省は同時に異例の Special Note を発表した。
6月の住宅建設許可と建設着工はそれぞれ前月比 11.6%、9.1%の大幅増加となった。
特に北東部の集合住宅が増加している。
北東部の集合住宅を除くと6月の住宅着工は4%のマイナスとなっている。ニューヨーク市の新しい建築基準が7月1日に施行された。
このため、ニューヨーク市で6月に多数の集合住宅の建設許可が出された。北東部で 6月に前月と比べ11,000戸増の集合住宅が着工されている。
これを季節調整すると年率で126千戸となり、これを除くと6月の着工は前月比4%減となる。
実質ベースでは2008年1-6月の平均は年換算で 1,013千戸で、2007年平均を大きく下回っており、依然として回復の兆しは見えていない。
サブプライム問題はまだ収まらず、拡大し続けている。
住宅金融大手のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の融資・保証残高は3月末に5兆ドルに達している(全米の住宅金融残高は約12兆ドルの40%)が、両社の株価が先週、約半値に下がった。
ポールソン米財務長官は13日、両社の株式を上限を設けずに取得し、必要時に貸し付けを行う権限の付与を議会に求める方針を発表した。
米連邦準備制度理事会(FRB)も同日、必要と認められた場合に資金を直接貸し出す権限
をニューヨーク連銀に付与するとの声明を発表した。
Fannie Mae は正式名は連邦住宅抵当公庫(Federal National Mortgage Association)、Freddie Mac は連邦住宅金融抵当金庫(Federal Home Loan Mortgage Corporation)で、政府支援法人GSE(Government Sponsored Enterprises)と呼ばれる。
債券発行で調達した資金で民間金融機関から住宅ローン債権を買取り、住宅ローン担保証券に仕立て直して投資家に販売している。Fannie Mae は1938年に米国の法律に基づいて設立されたが、1968年に民営化された。
Freddie Mac は1970年に米国連邦議会の公認のもと、Fannie Mae が十分カバーしていなかった部分に資金を供給するために設立された。
いずれもNYSEに上場している。両社には政府保証はないが、「暗黙の政府保証」がついているとみられてきた。
このため日本の金融機関も大量の投資をしており、毎日新聞によると、2社発行債券保有額は3月末時点で、農林中金の5.5兆円、三菱UFGの3.3兆円、日本生命の2.6兆円、みずほの1.2兆円など、合計15兆円を超える。
付記
9月19日、民主党は参院金融委員会で、「財務省の外国為替資金特別会計と日銀が2社の債券8兆円を所有している」との試算を発表、財務相は否定しなかった。
メリルリンチは17日、4-6月期決算を発表したが、サブプライムローンの赤字は97.5億ドルで、同赤字は昨年7月からの1年間で 419.5億ドル(4兆4500億円)に膨れ上がった。
18日、シティグループは4-6月決算を発表した。サブプライムローン関連の評価損を72億ドル計上した。1年間の累計損失額は582億ドル(6兆2000億円)で欧米金融機関では最大規模となった。
サブプライムローンを組み込んだ住宅ローン担保証券は、昨年秋以降、買い手不在で売買の成立しない状況が続いており、今後も評価損は増えると思われる。米国経済への影響がますます深刻になってきた。
付記
7月20日の毎日新聞の「時代の風」に浜 矩子・同志社大教授が「ファニーとフレディ」を書いている。
本質的な問題は、このような事態に至るまで、民業であって民業でないような、官業でないのに官業であるような巨大な金融機関の存在を放置してきたことだ。そのことの矛盾と不合理を、サブプライム問題が顕在化させた。−−どう安らかにご退場願うかが次の課題だ。
ここで、ふと日本のかつての巨大な官製金融機関が頭に浮かぶ。2017年9月末の完全民営化を目指している。−−−
付記
7月26日(土)に米上院は住宅公社支援法を可決した。
骨格は以下の通り。
・ 米住宅公社支援
緊急融資と公的支援による資本注入の枠組みを整備。発動は財務長官に一任する。・ 米住宅公社の監督強化
経営健全化を厳しく点検するため新たな監督機関を発足・ 3千億ドルの債務保証
米連邦住宅局を通じて低利への借り換えを促進・ 初めての住宅購入を支援
ローンの一部について税金を払い戻す優遇制度を創設・ 州への助成
差押さえに直面した物件買取りや修繕に40億ドルの補助金を計上
付記
ポールソン米財務長官は2008年9月7日、ファニーメイとフレディマックを政府の管理下に置くと発表した。
・財務省が優先株を引き受ける形で、公社それぞれにまず10億ドルの公的資金を注入する。
優先株の発行上限は最大で公社それぞれ1千億ドル。今後は公社が債務超過になれば、その分を追加注入していく。
・発行済み株式の79.9%に相当する普通株の購入権も引き受ける。
2社の既存の普通株と優先株は無配。
公社に損失が生じた場合は、政府に先んじて普通株と既存優先株の株主が負担を被る。
・2社の経営者は退任
・住宅ローン担保証券(RMBS)を担保に、財務省がニューヨーク連銀経由で資金を貸し出す。
金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に0.5%上乗せした水準とする。
ファニーメイ、フレディマックに加え連邦住宅貸付銀行(FHLB)も対象。2009年末までの措置。
・財務省が公社発行のRMBSを市場経由で買い取る。RMBSの利回り上昇の抑制など金融市場の安定化が狙い。
今月から買い取りを開始。個別の買い取り時期、買い取り額などは財務省の裁量で判断する。
保有期間についても、満期までの保有が可能。
官報の決算公告で、非上場会社の3月期決算を調べた。
(総会後速やかに、ということで、6月下旬からとなる)
予想以上の大きな利益を計上している会社があるのに驚く。儲かっていると思っていた会社が赤字転落していたり。
以前は膨大な枚数の決算公告を1枚ずつめくって調べたが(いつ公告するか分からないため大変)、今はパソコン検索で社名を入れれば、過去の分も含めて、その社の決算公告がすぐに見られる。
(官報購読者のみが検索できるが、東京都の図書館では無料で検索が可能)
しかし、上場会社の子会社でも官報に載っていない会社がある。最近になって(黒字転換してから)ようやく公告を行なった企業もある。
(有価証券報告書提出会社は公告不要。定款で日刊新聞紙に公告すると決める会社もある)
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7月9日の朝日新聞は以下の通り報じた。
デジタルテレビの視聴に必要なB-CASカードを独占的に発行する「ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ」が設立以来、会社法に違反して財務内容の公告を怠っていた。
(中略)
公共性が高い業務を担う同社だが、これまで売上高や利益、剰余金などの財務データをまったく公表してこなかった。会社法は、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表などを公告しなければならないと定め、公告を怠ると過料に処すと規定している。
これについて、磯崎哲也氏のブログ
isologue は次のように述べている。
http://www.tez.com/blog/archives/001199.html
会社法の規定:
(計算書類の公告)
第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。(以下略)(過料に処すべき行為)
第九百七十六条 (略)は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。
二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。
(以下略)日本の株式会社100万社がすべて公告すれば、平均50日間くらいに分散されるとしても、1日の官報の厚さが2000ページ(電話帳3冊分)にもなる。(あり得ない)
9割の90万社が公告していないとして、罰金を1社当たり100万円ではなく、30万円(官報広告費6万円の5倍)を取っても、2700億円の収入になる。
「ほんとに数%しかちゃんと公告してないとしたら、まじめに公告してる会社がアホみたいじゃないですか。」
「登記のデータベースをサーチして、公告の方法が官報になってる会社の過去2年分くらいの官報データに該当する公告がなかったら過料の通知を印刷して送付すればいいだけ。」
「法務省さんというのは、法の下の平等を確保するお役所とお見受けいたしますので、何とぞよろしくお願いいたします。」
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確実な収入源なので、本当にやったらどうだろう。
もっとも実際に過料を取り出すと、全社が公告してパンクするので、公告掲載の方法を考える必要がある。
コンプライアンスが問題になるなかで、子会社や関係会社が明白な「商法違反」をしているということが明らかにされれば、それだけでも親会社にとって打撃となると思われる。
企業は子会社や関係会社がきちんと公告しているかどうか、チェックする必要があるだろう。
今年上期(1―6月)の合成樹脂の国内出荷量は、ポリエチレンなど主要5製品すべてが前年同期比マイナスとなった。
5製品の前年実績割れは1998年上期以来、10年ぶり。
国内景気の減速による需要減に加え、原油高に伴う石化製品の値上げが響いた。
輸出も、以前とくらべ数量が減少しているPSを除き、大幅減となっている。
輸出の場合は、三菱化学のエチレンプラントの火災事故の影響で、輸出をカットしたことも響いている。(特にPVC)
出荷数量(千トン) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
PVCの場合は、昨年6月の改正建築基準法施行の影響で住宅着工件数が激減したが、そこからの回復は未だに見られない。
(前年比マイナス幅は縮小しているが、前年下期のマイナスを取り戻せていない。)
ーーー
1ー6月のエチレン累計生産量は、3,570.5千トンで、前年同期比
8.2%(319千トン)の減少となった。
1月以降毎月前年割れの状態が続いている。3月以降は
4カ月連続で60万トン割れとなっている。
昨年12月の三菱化学鹿島第2エチレンの火災事故で全国能力の6.4%に相当する516千トン/年が停止した。
3月下旬に約2/3の能力部分が生産を再開したが、これによる減産が大きい。
また、今年は定期修理が多い。
しかし、本年の生産量の前年比減は生産面の理由だけではない。
本年は3月中旬から山陽石油化学と東ソーが定期修理を行なったが、5月から三菱化学・鹿島の第1エチレン、三菱化学・水島、丸善石油化学・千葉が定修を行なった。
更に、大阪石油化学・堺、三菱化学・鹿島の第2エチレン(保安検査認定取り消しで毎年定修が必要)、新日本石油化学・川崎が6月末から8月末までの間に順次定修を実施する。
このため、本来なら石油化学品全体の需給は非常に窮屈な状態が続くことになる。
その中で、各社がエチレンの減産に入る。
原料が高騰しているなか価格への転嫁が十分に行なえず、採算状況を勘案したもの。
三井化学は、市原工場で8〜9月の2カ月間、10%程度稼働を落とす。
EGやPEの需要減退で、それぞれエチレン減産見合いの生産減を実施する。
旭化成は水島工場で7月上旬から稼働率を5%減の95%にした。
住友化学も7月上旬から千葉工場の稼働率を4%減の96%にしている。
両社はSMの減産を行なっている。
3社がそろって減産するのは、アジア通貨危機による需要急減に見舞われた1998年以来10年ぶりで、他社も追随する可能性がある。
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三菱化学は18日、黒崎事業所で試運転を行なっているポリカーボネート樹脂製造設備(年産6万トン)の稼動を当初の予定の7月から当面の間延期すると発表した。
原油高騰を背景とした原燃料費上昇に加えて、ポリカーボネート樹脂の市況低迷が続き、事業の採算性が悪化しているためで、稼動開始時期については、今後の原燃料、市場 及び価格の動向を勘案しながら、総合的に判断するとしている。
三菱化学(ヴイテック)は又、PVCの輸出を停止し、水島工場の年産11万トンのプラントを5月末で停止した。
2008/4/15 ヴイテック、PVC生産体制見直し
付記
三菱ガス化学は7月30日、ポリカーボネート樹脂の国内需要が減退し、原料高から事業採算も悪化しているため、鹿島工場の年産11万トンプラントを減産すると発表した。減産幅は最大20%の予定。
中国、韓国、台湾などアジア各地でPTAの生産量が7月末から8月末にかけて大幅に縮小することが確実の見通しとなってきた。
三井化学は収益が悪化している高純度テレフタル酸の輸出を停止し、岩国大竹工場の古い設備を廃棄し、国内能力を47%落として年40万トンにする。3基のうち、1基は既に停止、もう1基も2011年までに停止する。
同社は又、ポリカーボネート需要の低迷を受け、原料のビスフェノール-Aの減産を行なっている。
シンガポールと大阪工場の定期修理に加え、市原工場の設備の稼働率を6月から70%に抑制しており、生産量は少なくとも7月末までは従来の規模を大きく下回る形で推移することになる。
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業界紙によると、中国でも石油化学製品の減産が広がっている。
原燃料価格高騰分を製品価格に転嫁できないためで、エチレンでは7月に入り、ほとんどのセンターが稼動を90%に落としており、ポリオレフィンの場合は20%程度の減産企業も少なくないという。
2008/7/23 韓国でタイヤメーカーが納品拒否、GM大宇が自動車生産停止
GM傘下のGM大宇は18日、韓国タイヤと錦湖タイヤがタイヤの供給を中断したため、富平工場のジェントラおよびトスカの生産ラインが停止したと発表した。
両社は「今年に入り原材料価格が40%以上も上がり、価格引き上げ交渉を要求したが、GM大宇は交渉そのものを拒否した」としている。
他の完成車メーカー各社とは円満に協議を進めているとのこと。
これに対して、GM大宇は、「長期の供給契約を締結しているが、原材料価格の上昇を考慮し、今年3月、例外的に5.5%の価格引き上げを行った。しかし最近になり、再び12%の価格引き上げを要求された」とし、2社が同じ日に同じ幅の値上げを要求し、供給中断まで同時に行なったのは、公正取引法違反だと批判している。
韓国タイヤ(ハンコックタイヤ)と錦湖タイヤは韓国で激しいトップシェア争いを行なっている。
GM大宇はタイヤの85%を両社に依存している。
タイヤ在庫を持たず、ジャストインタイムで供給を受けている。
ソウル中央地方法院は18日、GM大宇が両社を相手にタイヤの供給を要求して提出した仮処分申請を一部受け入れた。
裁判所は韓国タイヤなどは、契約書で定めた内容を履行する義務があり、これを履行しない特別な理由は存在しないと明らかにした。
しかし、両社が仮処分決定後タイヤ供給を履行しない場合、毎日一定金額の履行強制金をGM大宇に支給するという要請は受け入れなかった。
付記
両社は裁判所の命令を受け入れ、7月22日に納入を再開した。
GM大宇は両社との価格交渉再開を検討中とのこと。
事業統合会社(非上場)の決算が出揃った。各社(12月決算を含む)の営業損益と当期損益を対比した。
各社概要及び2005年度決算は下記参照。
2006/7/19 事業統合会社の2005年度決算
1)ポリオレフィン
日産丸善ポリエチレンは当期損益しか発表していない。(B/Sのみを公告)
営業損益は各社とも前年比減益となっている。
三井化学/出光興産のプライムポリマーは、初年度の06/3は恐らく統合のための特別処理を行なったと思われ、赤字となったが、07/3には大きな利益を計上した。
しかし、08/3には大幅減益となった。
2)PVC
3社とも3年連続の減益で、ヴイテックは赤字となった。
(損益そのものは、親会社からのVCMやエチレンの供給価格の決め方で変わる。
大洋塩ビと新第一塩ビは親会社がVCMを供給。ヴイテックはVCM自製で、親会社からエチレンを購入。)
大洋塩ビは06/3に(2000年4月再出発後の)累積損失を一掃した。
新第一塩ビは05/1に60億円の減資を行なって(1999年の減資増資後の)累積損失を消したが、08/3で実質ベースでもほぼ累損を消した。
ヴイテックの累積損失は140億円となった。
3)PS、ABS
日本ポリスチレンは08/3で累積損失一掃。日本A&Lはまだ累積損失が残っている。
東洋スチレンとUMG ABS の決算は不明。
2008/7/25 M&G、ブラジルのPETプラントを拡大、1系列で世界最大に
世界最大のPETメーカー、イタリアのM&G (Gruppo Mossi & Ghisolfi)は17日、ブラジルのIpojuca にある45万トンプラントを拡大し、単一リアクターで最大の65万トンにすると発表した。
必要機器は発注済みで12-15ヶ月で完成する。同社の誇る最新技術を導入する。
同社では、ブラジルのPET需要は2012-13年にようやく65万トンに達すると見ているが、需要家への安定供給のため、また需要家の成長に資するため投資を決めたとしている。
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M&G はイタリアのTortona
に本拠を置く家族経営の会社で、1953年にVittorio
Ghisolfi が設立した。
当初はHDPEやPVCを使って洗剤等の容器を生産していた。
M&G は現在、PET
Polymer とAcetates の2つの事業を行っており、Brazil、Italy、Mexico、USA
にプラントを持っている。
子会社のAcetati Spa
が欧州でセルロースアセテートの生産をしている。
現在の同社の全世界のPET能力は165万トンに達しており、後記分を含めた新増設が完了すると、能力は250万トンを超えることとなる。
また、M&G
のPETプラントの建設を担当した米国のエンジニアリング会社Chemtex International
を三菱商事から買収している。
Chemtex は中国とインドに子会社を持っている。
2007年の売上高は28億ドルで、うち90%がPET樹脂の販売。
同社の推移は以下の通り。
同社は1983年に化学品の製造を始めた。
この時期にShell Italia とのJVのSipetを設立している。(Shell 85%、立地:Patrica,
Italy、能力:PET
60千トン)
2000年2月、M&GはShell からPET事業を買収した。
4工場合計61万トンのPET工場の買収で、同社の売上高は一挙に3倍の8億ドルとなった。
Patrica, Italy 190千トン Glandford, England 30 Apple Grove, W.Va. 285 Altamira, Mexico 105 合計 610
2002年、Rhodia (旧 Rhone-Poulenc)から南米最大のポリエステル繊維とPET樹脂のメーカー Rhodia-ster (ブラジル)の持ち株84.4%全てを買収し、ブラジル進出を図った。
2003年、メキシコAltamiraに新工場を建設し、世界第二位のPET樹脂メーカーとなった。
2004年、上記メキシコ新工場などの建設を担当したエンジニアリング会社
Chemtex International Inc.を三菱商事から買収した。
同社はWilmington, North Carolina
に本拠を置き、米国、インド、中国で活動している。(Chemtex
は1958年に設立された。その以前はRayon
Consultant )
M&Gは、これによりポリエステルや石油化学、石油精製、スペシャルティケミカルの設計施工業務を手掛けることとなり、また、中国やインドに進出した。
2007年2月、同社はブラジルの Ipojuca に45万トンのPET工場を立ち上げた。
同年7月、同社は米国に80万トンの最新鋭のPET工場を建設すると発表した。うち65万トンは2009年前半に完成する予定で、立地は追って発表するとした。
同時に、W. VirginiaとMexico
工場のでボトルネッキングで、合計20万トンの増設を行なうこととした。
2008/7/26 英国投資会社Ashmore、フィリピンのPetron のマジョリティ買収
英国の投資会社 Ashmore Group plc は22日、株式公開買付でフィリピン最大の石油精製会社 Petron の50.57%を取得することになったと発表した。
同社は5月にSaudi Aramco から40%分を550百万ドルで買収しており、比政府も財政赤字対策として国営石油会社PNOCの持分40%を手放さす意向を示していたため100%買収を目指したが、最終的に政府は手放さないこととした。
Petron 株はPNOC とSaudi Aramco が40%ずつ所有し、残り20%を上場していた。
Ashmore
はAramco からの40%に加え、投資家から10.57%を146百万ドルで購入した。
なお、今後、会長はPNOCから、社長はAshmore から出し、取締役は5人:5人になる。
付記
2008年10月、食品飲料メーカーのSan Miguel がPetron の株を購入し、石油事業に乗り出す考えを明らかにした。
Petron の51%を購入すべく、Ashmore Group と交渉を行なっている。
ーーー
第2次大戦後、フィリピンの石油精製業は欧米石油メジャー主導で始まったが、比政府は1973年、石油製品の安定供給体制確立を目指し、国営石油会社Philippine National Oil Company(PNOC)を設立した。
1933年に Socony Vacuum Oil Company of New York とStandard Oil Company of New Jersey が Standard Vacuum Oil Company (Stanvac) を設立した。
1960年代初めにJVが解消され、Esso と Mobil に分割された。
1973年、Esso は事業を比政府に売却、これがPNOC となった。その後、Mobil も事業を PNOC に売却した。
1993年12月、石油産業構造改革の一環として国営石油会社PNOC の子会社で精製・販売を担当するPetron の民営化が行われ、Saudi Aramco が40%出資した。Aramco 出資により、サウジアラビアから長期契約ベースで原油が供給されるようになった。
Petron はBataan に日産18万バレルの製油所を持っている。
フィリピンには他に、Caltex とShell が製油所を持つ。
本年初にPetron のFCC と年産14万トンのプロピレンプラントが稼動した。同社はまた、本年末完成を目指してBTXプラントを建設している。(B: 22,800t/y、T: 15,000t/y、X: 220,000t/y)
ーーー
フィリピン政府は財政赤字対策として本年末にも PNOC のPetron 持ち株を売却することを検討していた。
本年3月、PNOC
はAramco からPetron 株式をAshmore Group に売却したいとの意向の表明を受けた。
(Aramco は株式入手時の約束で、売却する際には比政府の了承を必要とする。)
Arroyo 大統領は、Aramco の方針が14年前の時点とは変わったことを認め、Aramco がPetron 株式売却後も、強力な商業関係を維持するとしていることは喜ばしいと述べ、 Ashmore についてもこれまでの金融やユーティリティ面での同国への投資を更に拡大するものとして歓迎した。
本年5月にAramco 持ち株がAshmore に売却された。
ニューヨーク市場の原油先物相場 WTI原油価格は11日に一時過去最高の147.27ドル(終値は145.08ドル)となってから下降に転じ、15日には140ドルを割り、17日には130ドルを割って、25日の終値は123.26ドルとなった。
7月3日の終値としての過去最高145.29ドルからは22ドル強の下落となった。
15日は景気悪化懸念、16日は原油在庫の予想外の増加、23日からはドル高が下げの理由となっている。
商品投資規制の動きをにらんで、年金基金が原油先物への投資残高を減らしているのも影響しているという。
但し、このまま下がり続けるかどうかは分からない。
東京市場のドバイ原油、ナフサ価格は1日遅れでWTI価格の動きに追随している。
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原油価格高騰の理由の投機を抑える動きが広がっている。
北海道洞爺湖サミット首脳宣言では「エネルギー安全保障」のなかで、
「商品先物市場の透明性向上に向けた各国当局間の更なる協力を奨励」がうたわれた。
ーーー
米上院ではCommodity Exchange Act の修正として、民主党のリード院内総務提案の「過度のエネルギー投機をやめさせる法案」(“Stop Excessive Energy Speculation Act of 2008”)が審議されている。
Commodity Exchange Act を石油製品や天然ガスにも適用するもので、米商品先物取引委員会 (CFTC:Commodity Futures Trading Commission)に過度な投機をもっと厳しく監視させることとしている。
当初の法案では、証拠金率を現在の5-7%から25%に引き上げることが盛り込まれていたが、最終案では外された。
しかし航空会社などの実需に基づいたヘッジ取引は保護し、推進するが、現物受け渡しを伴わない過度な投機取引を制限するようCFTCに求める内容となっている。
投機筋に厳しいポジション上限を課すためCFTCが有識者会議を開くことや、スワップディーラーやコモディティ指数トレーダーに取引内容のCFTCへの報告を求めている。
また、米国市場と同様の商品を上場している国外の取引所に対して、日々の取引情報の公開や米先物取引所と同様のポジション上限を課すことも盛り込まれた。
銀行など先物取引に関係する業界はこれに反対、航空会社やトラック業界は賛成していた。
しかし、共和党は環境保護地域での石油や天然ガスの掘削の拡大、西部のオイルシェール開発、原子力発電所新設など、多くの修正を求めて話し合いを望み、25日に審議打切り・投票動議を阻止した。共和党は今週の話し合い再開を望んでいる。
民主党側は、共和党は欲深な投機家を保護する一方、エネルギー危機を短期に解決する案を阻止したと批判している。
共和党はこれに対し、民主党案は火事のときに水鉄砲で消そうというものだとし、本格対策が必要だと反論している。
下院では今週、石油投機に関して同じような規定を折り込んだ法案が農業委員会で審議される。
ーーー
米商品先物取引委員会(CFTC)は24日、ニューヨーク・マーカンタイル取引所で原油先物などの価格操作を行った疑いで、オランダのファンドOptiver Holding とそのシカゴ部門を提訴した。
2007年3月に原油・ガソリン・ヒーティングオイル先物取引で価格操作を行い、約100万ドルの利益を得た疑い。
一般的には大きすぎて操作できないとされるエネルギー市場で、短期間ではあるが、価格の操作を行なった。
また、役員がNYMEの担当者に嘘をついて隠蔽したことも容疑に加わった。
ーーー
付記
米大統領選の民主党候補に内定しているオバマ上院議員は8月4日、エネルギー政策についてミシガン州で演説した。
今後10年で中東などからの石油依存からの脱却を表明。長期的にはこれまで反対してきた海底油田掘削の限定的再開を認め、短期的には戦略石油備蓄から7,000万バレルの軽油を放出する考えを明らかにした。
2008/7/29 PKN Orlen、ポーランド初のPTAプラント建設
ポーランドの石油精製・石油化学メーカーのPKN Orlenは23日、首都ワルシャワの北西160キロのWloclawek にある同社の石化コンプレックスにポーランド初のPTAプラント建設を開始した。
三菱化学の技術を導入するもので、年産60万トン能力。2010年下期に生産開始の予定。
同社はそれまでに原料のパラキシレン能力を拡大する。
三菱重工業が昨年8月に詳細設計・機器調達・現地据付け指導などの業務を受注した。受注総額は約500億円で、協力商社は伊藤忠商事。
建設はPolimex-Mostostal
が受注した。
三菱重工業にとってはPTAの受注は、MCC PTA India (三菱化学 66%、能力 35万トン-当初)、Shahid Tondgooian Petrochemical (イランNPC 85%、能力 35万トン)、寧波三菱化学(60万トン)に次ぐ4番目の受注で、全て三菱化学の技術を使用している。
PKN Orlenでは西欧のPTA需要は2003〜2010年に毎年6%伸びるとみている。
ーーー
PKN Orlen はポーランド、チェコ、ドイツ、バルチック諸国で活躍する東欧最大の石油精製・石油化学会社。
ポーランドでは1944年に国営の石油販売の独占会社
C.P.N.
が設立された。
1950年には国営の石油精製会社
Polski Koncern
Naftowy (PKN) が設立された。
1999年に両社は部分的に民営化され、統合されて、石油精製・販売のPKN Orlen となった。
同社は主として「友情パイプライン」でロシアから送られる Urals 原油を処理している。
その後、同社は国内外で拡大した。
国内ではポーランド最大の石油小売業で、2000を超える給油所を持つ。
石油化学ではPlock にコンプレックスを持つ。2005年に能力増強を行なった。ポリオレフィンでは Basell との50/50 JV のBasell Orlen Poliolefinsを設立した。2007年現在の能力は以下の通り。(単位 千トン)
Olefins 700、Ethylene oxide 105、Glycols 106、Aromatic 550、Paraxylene 32、Butadiene 60、
MTBE 115、Acetone 32、Phenol 51Basell Orlen Polyolefins
HDPE (Hostalen) 320、LDPE 23+100、PP (Spheripol) 400
2006年にPKN Orlen は2009年〜2010年生産開始を目指し、大拡張計画をスタートさせた。今回のPTAはその一つ。
PX 400、PTA 600、Petrol 80、OrthoXylene 40
PKN Orlen はポーランド最大の窒素肥料とPVCのメーカー
Zaklady Azotowe Anwil の75%を所有する。
同社の能力は以下の通り。(千トン)
Ammonia 520、Nitrogen acid 650、Ammonium nitrate 837、
Chlorine 5,195、VCM 300、PVC 300、PVC granules 76
Anwil は2005年から、韓国 SK Chemicals とのJV(SK 60%)でPETの生産販売を開始した。製品の70%はEU諸国に輸出されている。
Anwil はチェコのSpolana a.s. の81.78%(PKN Orlen 持ち株を合わせると95.181%)を所有している。
Spolana の能力は以下の通り。製品の85%は主にEU諸国に輸出される。
Chlorine 135、VCM 148、PVC 132、PVC granules 12、Caprolactam 48.5
ーーー
PKN Orlen はドイツで500の給油所を買収した。
PKN Orlen は2004年にチェコの石油精製・石油化学会社 Unipetrol の63%(政府持分)を買収した。
Unipetrol は1994年にチェコの石油化学会社を統合して設立された。
政府が63%を保有、残りは一般株主だが、政府持ち株は将来放出することが予定されていた。Rafinery products、Monomers and Agroproducts、Polyolefins の3部門がある。
2007年の販売数量は以下の通り。(千トン)
Ethylene 154.5、Propylene39.7、Benzene 162.7、Urea 169.7、Ammonia 115.5、Oxo-alcohols 54.8
HDPE 265.4、PP 186.9100%子会社のKaucuk で合成ゴム事業を行っている。
PKN Orlen は2005年にハンガリーの石油会社 MOL との統合交渉を開始した。統合すれば国際的な巨大会社になったが、政治化した結果、失敗に終わった。
MOLは化学会社TVKの84.86%を所有。
TVKの事業 (現状)
エチレン 660千トン、LDPE 97千トン、HDPE 420千トン、PP 280千トン2008/3/15 ロシアのLukoil、ウクライナで塩ビ工場建設開始
このほか、スロバキアの石油会社を所有、クロアチアの国営石油会社 INAと戦略的パートナーシップを組んでいる。
付記
オーストリアのエネルギー大手OMV(Borealis に35%出資)は2007年にMOLの敵対的買収を仕掛けていたが、2008年8月6日、これを断念した。
EUの欧州委員会が中・東欧での独占的地位を得ることに懸念を表明したため。
しかし、その後、バルト3国の一つ
リトアニアのMazeikiu Nafta の84.36%をロシアのYukos
International UK B.V. とリトアニア政府から買収した。現在、90.02%を所有する。
同社はバルト3国で唯一の製油所を持つ。
GEは25日、組織簡素化と成長・効率を図るため、改組を行なうと発表した。25日付で実施した。
家電部門や個人向けの金融部門などを分離、縮小するのに合わせ事業体制を見直し、現在6つある事業部を4つに再編成する。
法人向けと個人向けの2金融事業を一つに統合する。(GE Capital)
従来、独立していた医療部門(Healthcare)を民需系のインフラ部門に統合する。
一方、事業の柱であるインフラ事業を、航空エンジンなど主に民需部門(Technology Infrastructure)と、エネルギーなど主に官需部門(Energy Infrastructure)に分離する。
家電事業を含む消費者・産業向け製品事業部(Consumer & Industrial )についてはスピンオフを目指しており、新体制に組み込まれていない。
事業部 | 部門 |
Technology Infrastructure | Aviation |
Enterprize Solutions | |
Healthcare | |
Transportation | |
Energy Infrastructure | Energy |
Oil & Gas | |
Water & Process Technologies | |
GE Capital | Aviation Financial Services |
Commercial Finance | |
Energy Financial Services | |
GE Money | |
Treasury | |
NBC Universal | Cable |
Film | |
International | |
Network | |
Sports & Olympics | |
(Spin-off) Consumer & Industrial |
Appliances |
Lighting | |
Electrical distribution |
同社は本年5月16日、消費者・産業向け製品事業部のなかの家電部門(Appliances)について、戦略的オプションを検討していることを明らかにした。他社とのJVやパートナーシップ、スピンオフ、売却のいずれかを検討する。
同部門は長い歴史を持つが、米国だけの事業であり、単一市場に依存しており、グローバルに展開する可能性を探るとしていた。
中国家電最大手の海爾集団(ハイアール)や韓国LG電子などが有力な売却先とされた。
しかし、7月10日に、同社は創業事業である照明を含む消費者・産業向け製品事業部全体をスピンオフすることを検討すると発表した。
別会社にし、GE株主に株を分ける。
家電の戦略を検討した結果、相互に関連している事業部全体をスピンオフするのが早く、効率的な手段であることが明らかになったとしている。
ーーー
GEは2006年9月、シリコーン事業のGE Advanced Materials をApollo Management, L.P.,に38億ドルで売却すると発表した。
2006/9/21 GE、シリコーン事業を売却
2007年5月にはGE PlasticsをSABICに売却した。
2007/5/22 速報 GE、GE PlasticsをSABICに116億ドルで売却
シリコーン事業やGE Plastics はAdvanced Materials 事業部を構成していた。
同社は2006年には1つの事業部であった保険事業をスイス再保険に売却した。
2004年に日本のGEエジソン生命保険をAIGに売却している。
ーーー
NBC Universal はGE傘下のNBCとVivendi 傘下のVivendi Universal Entertainment の合併により2004年に設立されたメディア・エンターテイメントグループ。GEが80%、Vivendi が20%を所有する。
6月の輸入ナフサ通関価格の平均は74,877円/kl
となった。
この結果、第2四半期の平均は 68,877円/kl
となり、国産ナフサ基準価格は70,900円/kl
と、第1四半期比で4,200円/klのアップとなった。
前年同期と比較すると、13,100円/kl ものアップとなる。
07/1 | 46,622 | ||||||||||||||
07/2 | 46,080 | 07/4 | 52,132 | ||||||||||||
07/3 | 47,724 | 07/5 | 55,793 | 07/7 | 60.205 | ||||||||||
2007 | 1Q | 48,800 | ← | 平均 | 46,809 | 07/6 | 58,892 | 07/8 | 58,004 | 07/10 | 56,744 | ||||
2Q | 57,800 | 08/1 | 65,961 | 平均 | 55,776 | 07/9 | 55,002 | 07/11 | 59,037 | ||||||
3Q | 59,700 | 08/2 | 64,562 | 08/4 | 63.392 | 平均 | 57,668 | 07/12 | 62,850 | ||||||
4Q | 61,600 | 08/3 | 63.597 | 08/5 | 68,205 | 平均 | 59,560 | ||||||||
2008 | 1Q | 66,700 | ← | 平均 | 64.653 | 08/6 | 74,877 | ||||||||
2Q | 70,900 | ← | ーー | ーーー | ー | 平均 | 68,877 |
国産ナフサ基準価格については 2006/7/29 2Qの国産ナフサ基準価格 49,800円/klに
三菱化学が鹿島事業所(茨城県神栖市)でエチレンオキサイドの物流コスト削減のため進めているEOセンター構想が動き出した。
鹿島以外の地域に製造工場を持つ各種界面活性剤等のメーカーを鹿島に誘致し、双方の設備をパイプで直結し、双方の物流と製造に係わるコストの削減を図る。
同社は蒸気や窒素等も新たな配管で供給していくことにしている。所要資金は約50億円となる見込み。
鹿島地区では、ライオン、日本乳化剤、旭硝子の3社がEO誘導品プラントを設置してパイプでEOの供給を受けている。
(日本乳化剤は第一三共の100%子会社であったが、2007年11月に日本触媒が買収した。)
また、花王も2010年末以降は界面活性剤向けのEOをパイプで引き取ることにしている。
新しく鹿島に誘致するのは、東邦化学工業、竹本油脂、日華化学、青木油脂の4社で、既に土地を買収しており、東邦化学工業が先頭を切って7月7日に現地で界面活性剤の新工場の建設工事に着手した。
茨城県も誘致活動を展開してきた。
2010年末には合計8社のEO誘導品設備がパイプでEOプラントとパイプで直結されることになり、ローリーや貨車による遠隔輸送を2011年3月をめどに停止する。
東邦化学工業は、千葉、追浜、四日市、徳山の4工場を持つが、昨年4月に鹿島で用地を取得、既存工場での加圧反応設備の能力不足を補うと共に、大型且つ高度に合理化された設備を導入し、少品種大量生産型製品中心の生産に対応する。
竹本油脂は蒲郡市に本社工場を持つ。
日華化学は鯖江に本社工場、千葉県旭市に関東工場を持つ。
鹿島に非イオン界面活性剤を中心とした鹿島工場を建設する。非イオン界面活性剤は、現在、関東工場で生産しているが、東日本の生産拠点としての位置づけ、海外子会社への原料供給拠点としての将来性、今後計画していく新規事業に対応するための拡張性等を考慮し、工場移転を行なう。
付記
日華化学は2010年11月、鹿島コンビナートの神之池西部地区に建設中だった非イオン界面活性剤工場の第一期工事が完成し、11月下旬から操業を開始すると発表した。
旭硝子から取得した用地に、非イオン界面活性剤などを製造する年産25,000トン設備の建設を急い でいた。主原料のEOやユーティリティは、三菱化学からパイプで供給を受ける。引続き計画中の第二期工事(年産能力20,000トン)完成後は、関東工場(千葉県旭市)を全面移管する予定。
青木油脂は大阪と滋賀に工場を持つが、鹿島に第3工場を立ち上げる。
同社では非イオン界面活性剤の主原料のEOやユーティリティ関係がパイプで供給されること、コスト競争力、鹿島港が近く原料の国際的な海上輸送基地としての利便性等がメリットとなるとしている。
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