2019/8/1
ファイザー、特許切れ医薬品事業を後発医薬のマイランと統合へ
米製薬会社のPfizerは、高コレステロール血症治療剤「リピトール」や男性用性機能障害治療薬「バイアグラ」を含む特許切れ医薬品事業(Upjohn Division) を、後発医薬品メーカーの米Mylanと統合する。
特許切れ医薬品や後発薬は米国での値下げ圧力の高まりなどから事業環境が厳しさを増しており、Pfizerはこれを切り離し、新薬・ワクチン事業に集中する。
統合新会社の2020年12月期の予想売上高は190億〜200億ドルとしており、後発薬分野で世界最大手のTeva
Pharmaceutical を上回る。
新会社の売上高は先進国市場が5割強、アジアを含む新興市場が4割強となる。2023年までに年間10億ドル規模のコスト圧縮効果が見込めるとしている。
統合は全株式交換のReverse Morris Trust方式で実施され、Mylanの株主は新会社の43%を取得、残りをPfizer株主が保有する。統合後の新企業は株式を公開
する。手続きは2020年半ばに完了の見通しで、新たな社名がつけられる。
新会社の執行会長にはMylanの現会長が、CEOにはPfizerのUpjohn部門の現社長が就任し、Mylanの現CEOは退任する。
付記
2019年11月12日、新社名 Viatris が発表された。
a path ("Via") to three ("TRIS")
core goals の意味で、
@expanding access to medicines、Aleading by
innovating to meet patient needs、Bbeing a trusted partner for the
healthcare community worldwide をgoal とする。
付記
2020年3月26日、コロナウイルス問題の影響で、手続き完了が2020年半ばから2020年下期にずれ込むと発表した。
ーーー
Pfizerの歴史:
Upjohn部門は2003年にPfizerに統合された。
Pfizerとアイルランドに拠点を置く同業のAllerganの両取締役会は2015年11月23日、満場一致で両社の合併を承認した。実質的に、Pfizerによる1600億ドルでのAllergan
買収となる。
形式的には、Pfizerの事業とAllerganの事業は
Allergan plc に統合され、アイルランド法での企業となるが、社名を“Pfizer
plc” に改称し、New York Stock Exchangeに上場する。
実務上の本拠はNew Yorkに置く。
この買収は過去最大の“inversion”(納税拠点の低税率国への移転)」となる。
2015/11/26
Pfizer、アイルランドのAllerganを買収
Pfizer
は2016年4月6日、Allerganとの合併を両社の合意で中止すると発表した。
米財務省が4月4日、税率の低い国へ本社を移転する税逃れ行為「インバージョン」をめぐり追加措置を発表したが、これが合併契約書に規定している「不利な税制変更」に該当すると看做した。
PfizerはAllergan買収を通じて本社を税率の低いアイルランドに移す考えだったが、米国の新たな税制では本社移転による恩恵がなくなる。
2016/4/7 Pfizer
とAllergan、合併計画断念
Pfizerは2016年9月26日、2012年から検討してきた会社分割を見送ると発表した。
特許で保護された製品を扱うPfizer
Innovative Health と、低成長のジェネリック製品を扱うPfizer
Essential Health
を分割して別々の企業として上場する案を撤回した。
2016/10/4
Pfizer、会社分割を見送り
Pfizer と英
GlaxoSmithKline(GSK)は2018年12月19日、一般用医薬品(大衆薬)事業を統合すると発表した。
合弁会社を設立し、GSKが68%、Pfizerが32%出資する。
2018/12/21
GlaxoSmithKlineとPfizer、大衆薬事業を統合
Pfizer
は2019年1月26日、Wyeth を680億ドルで買収すると発表した。
2009/1/27 Pfizer、Wyeth
を買収
Pfizerは2019年6月17日、悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬を持つ米バイオ医薬品のArray
BioPharma
Inc.を負債引き受けを含め114億ドルで買収すると発表した。
ーーー
日本では、Pfizer
と Mylan は後発医薬品事業で長期戦略的業務提携を結んでおり、マイラン製薬のジェネリック医薬品の多くは、Mylanが主に研究開発および製造を担当し、Pfizerが主にマーケティングおよび販売を担当している。
米国のPfizer
とMylanは8月23日、日本における後発医薬品の開発、製造、流通、販売について、独占的な長期戦略的業務提携を締結したと発表した。
2012/8/31
Pfizer と Mylan、日本での後発医薬品事業で長期戦略的業務提携
2019/8/1 FRB、10年半ぶり利下げ、資産縮小も終了
米連邦準備理事会(FRB)は7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年2.25〜2.50%から年2.00〜2.25%に引き下げた。
FRBは再び金融緩和路線に転じる。但し、パウエル議長は「景気循環の途中の調整」と述べ、長期の利下げ局面入りは否定した。
利下げの理由を「海外経済の動向とインフレ圧力の停滞」とし、景気悪化を未然に防ぐ「予防的利下げ」に踏み切った。
|
|
2008/10 |
2.00%→1.50%→1.00% |
2008/12 |
0.00%〜0.25% |
↓ |
0.00%〜0.25% |
2015/12 |
0.25%〜0.50% |
2016/12 |
0.50%〜0.75% |
2017/3 |
0.75%〜1.00% |
2017/6 |
1.00%〜1.25% |
2017/12 |
1.25%〜1.50% |
2018/3 |
1.50%〜1.75% |
2018/6 |
1.75%〜2.00% |
2018/9 |
2.00%〜2.25% |
2018/12 |
2.25%〜2.50% |
2019/7 |
2.00%〜2.25% |
|
|
又、米国債など保有資産を縮小する「量的引き締め」も、2カ月前倒しして終了することにした。
当初、米連邦準備理事会は、2019年1月以降、毎月500億ドルのオートパイロット(自動操縦)形式で進め、2.5〜3.0兆ドルの水準になるまで淡々と圧縮するとしていた。終了時期は2021年から2022年にかけてと示唆していた。
2019年2月20日に公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、2017年秋から続く保有資産の縮小を2019年中に終了する方針を明らかにした。
3月20日の米連邦公開市場委員会で「量的引き締め」は2019年9月末で停止すると決めた。
今回、7月末の終了を決めた。
付記
米連邦準備理事会(FRB)は10月11日、短期金融市場の資金不足を解消するため、短期国債を月600億ドルのペースで購入すると発表した。
10月15日から開始し、少なくとも2020年4〜6月期まで続ける。
米市場は資金需給が逼迫して短期金利が急上昇するなど不安定な状況が続いていた。
FRBの発表によると、アメリカの雇用市場はなお力強く、経済活動も堅調に伸びている。
「新規雇用はここ数カ月、平均して手堅く伸びており、失業率は低い値を維持している」
「家計支出の伸びは年初から回復してきていたが、企業固定投資の伸びは緩やかだ」と分析した。
また、「12カ月ベースで見ると、全体のインフレ率と食品・エネルギーを除くインフレ率は2%以下を推移している。」
この値がインフレ目標を下回っているため、利下げに踏み切ったとFRBは説明した。
ーーー
Trump大統領はかねてから利下げを要求していたが、ツイッターで下げ幅が小さいと不満を表わにしている。
いつも通り、パウエルは我々を失望させた。
As
usual, Powell let us down, but at least
he is ending quantitative tightening,
which shouldn’t have started in the
first place - no inflation.
We are winning anyway, but I am
certainly not getting much help from the
Federal Reserve!
「これが長期的・野心的な利下げサイクルの始まりで、中国やEU、世界中の国々と足並みを揃えられるようになる」と言うのを期待していたのに。
What the Market wanted to hear from
Jay Powell and the Federal Reserve
was that this was the beginning of a
lengthy and aggressive rate-cutting
cycle which would keep pace with
China, The European Union and other
countries around the world.
2019/8/1 東京電力、福島第二の廃炉を決定
東京電力は7月31日、福島第二全号機(1〜4号機)の廃止を決定した。
東京電力は7月24日、福島第2原発の廃炉を近く決定すると正式に表明した。小早川社長が福島県の内堀知事
に「廃炉の検討にめどがついた。月末の取締役会で正式に決める」と伝えた。
2019/7/27 東電、福島第2の廃炉を表明
同社は廃炉に伴う経理処理を明らかにした。
内訳 |
金額 |
経理処理 |
解体費用 |
既引当 |
2,822億円 |
2,163億円 |
過去に損失計上済 |
未引当 |
658億円 |
1,934億円 |
廃炉会計 資産計上(10年償却) |
燃料解体費・再処理等拠出金 |
1,276億円 |
発電設備、核燃料 簿価 |
956億円 |
2019/4-6 期 特別損失 計上 |
災害損失引当金戻入
(過去に損失処理) |
(益)1,135億円 |
2019/4-6 期 特別利益 計上 |
一般の会計原則では、廃炉が決まれば引当不足分を一気に損失計上する必要がある。政府は電力会社救済のため2013年に「廃炉会計制度」を導入した。
同社では、解体費用のうちの未引当分と燃料解体費・再処理等拠出金の合計1,934億円を資産計上し、10年償却する。
注)廃炉会計では、解体費用は運転期間40年+安全貯蔵期間10年=50年の定額償却となっている。
停止から解体までに放射能の減衰を待つ期間を置く必要があり、その間は使用済み燃料ピットその他は事業の用に供しているので、解体開始までの期間も償却期間に含む趣旨。
福島第2は2011年3月の大震災以降、休止しており、今から10年の貯蔵は必要ないと思われるが、このような場合の扱いは明らかでない。
発電設備と核燃料の簿価は2019/4-6期に特別損失に計上、過去に損失処理した災害損失引当金を同じく特別利益に計上する。
ーーー
東北電力は7月31日、福島第2原発の廃炉費用約2800億円のうち、約350億円を負担する見通しであることを明らかにした。
東北電力はこれまで廃炉費用約240億円分の積立金を東電側に支払っており、今後の実質的な負担額は残りの約110億円となる。
これまでの福島第2原発からの電力の購入(受電)比率に応じたもの。東北電は3、4号機から、それぞれ4分の1にあたる計55万キロワットを受電していた。
2019/8/2 トランプ大統領、9月1日に対中関税第4弾 ツイートで表明
トランプ大統領は8月1日、中国からの輸入品3千億ドル分を対象とする追加関税「第4弾」を9月1日に発動すると表明した。スマートフォンなど従来は追加関税の対象外だった輸入品のほぼ全てに、10%の関税を上乗せする方針。
米中両国は7月30〜31日に中国・上海で高官級の通商協議を開催、帰国した米側の交渉団から報告を受けた。
Our representatives have just
returned from China where they had constructive talks having to do
with a future Trade Deal.
We thought we had a deal with
China three months ago, but sadly, China decided to re-negotiate the
deal prior to signing.
More recently, China agreed to
buy agricultural product from the U.S. in large quantities, but did
not do so.
Additionally, my friend President
Xi said that he would stop the sale of Fentanyl (合成オピオイド)
to the United States – this never happened, and many Americans
continue to die!
Trade talks are continuing, and
during the talks the U.S. will start, on September 1st, putting
a small additional Tariff of 10% on the
remaining 300 Billion Dollars of goods and products coming
from China into our Country. This does not include the 250 Billion
Dollars already Tariffed at 25%.
We look forward to continuing our
positive dialogue with China on a comprehensive Trade Deal, and feel
that the future between our two countries will be a very bright one!
付記
大統領はその後、スマートフォンやノート型パソコン、子供服などを対象とする追加関税について、税率は25%を「はるかに上回る」可能性があると述べた。
米政権は5月10日午前0時1分、2千億ドル分の中国製品に課す制裁関税を現在の10%から25%に引き上げた。
米国は制裁関税の第3弾として、2018年9月24日より2千億ドルの中国製品に10%の追加関税をかけた。これについては、2019年1月1日から10%から25%に引き上げるとしていた。
しかし、12月の首脳会談の結果、1月1日からの引き上げを延期し、両国で交渉を続けた。
2018/12/2
米、中国への追加関税を90日猶予
交渉はまとまるかと言われていたが、Trump大統領は突然、5月10日から25%に引き上げると発表した。
トランプ米政権は5月13日、中国への制裁関税の第4弾として、携帯電話など約3000億ドル分の中国製品に最大25%の関税を課す計画を正式表明した。
対象は約3800品目で、金額ベースでは Apple
の「iPhone」など携帯電話(432億ドル)が最も多く、次にノートパソコン(375億ドル)などがある。衣類など消費財 も多い。
生活や産業への影響が大きい一部の医薬品やレアアースは除外する。
適用除外の対象には冷蔵庫に使用される部品やレストランで使用されるドリンクミキサー、自動車のカメラ部品なども含まれる。
2019/8/2 大阪ガス、米国シェールガス開発会社を買収
大阪ガスは7月29日、Sabine Oil & Gas
Corporationの全発行済株式を取得する株式売買契約を締結した。日本企業として初めて米国シェールガス開発会社を買収するもの。
Sabine Oil & Gas は、米国テキサス州東部に、約1,000km2の鉱区を保有しており、現在約1,200本の井戸から、LNG換算で約170万トン/年相当のガスを生産している。当エリアは今後さらなる新規開発のポテンシャルを有する優良な鉱区。
大阪ガスは昨年(2018年)7月に、Sabine
Oilの保有する鉱区の約半分にあたる東側エリアのガス田権益の35%を取得した。現在、参画時の想定を超える生産量、収益を得ている。
今回、西エリアを含め、Sabine Oilが持つ全鉱区を保有することとなる。
また、昨年の事業参画以降、Sabine
Oilの優れたマネジメントによる高いオペレーター能力を確認してきた。
今後、米国子会社のシェールガス開発部門をSabine
Oilと統合することで、Sabine
Oilを米国エネルギー上流事業の推進母体として、効率的かつ持続的な事業の成長を目指す。
これにより大阪ガスはフリーポートLNG事業と発電事業に加え、シェールガス開発事業を米国エネルギー事業における3本目の柱に位置付け、さらなる収益拡大を進める。
ーーー
大阪ガスは2008年1月30日、Contango Oil & Gasが保有する米国のフリーポートLNG基地事業の全持分を譲り受けると発表した。
この事業のための特別目的会社 Turbo LNG LLC を通じて同プロジェクトに10%出資した。
大阪ガスと中部電力は2012年7月31日、天然ガス液化加工契約に関する契約を締結した。
第1系列の液化設備においてそれぞれ年間約220万トンずつの天然ガス液化能力を確保した。
Freeport LNG
株主:
Michael Smith
Zachry
Dow(輸出には不参加)
大阪ガス |
Freeport LNG Terminal
(Quintana Island, TX) |
承認:2013/5(FTA締結国向けは
2011/2)
期間:20年間
液化開始:2018年(追加分2019年)
輸出契約: |
|
大阪ガス
|
|
220万トン |
|
中部電力 |
|
220万トン |
|
BP Energy |
|
440万トン |
|
東芝→Total
|
|
220万トン |
|
SK E&S
LNG |
|
220万トン |
|
Trafigura |
|
50万トン |
|
再計 |
|
1370万トン |
|
2013/5/20
米エネルギー省、日本へのLNG輸出を許可
ーーー
大阪ガスは2017年3月27日、米国の2つの天然ガス火力発電事業に参加すると発表した。
ニュージャージー州で稼働中のShore Power
Plantと、ペンシルベニア州で開発中のFairview Power Plantで、独立系発電事業者(IPP事業者)のCompetitive Power
Ventureから出資権益の一部を取得する。
大阪ガスは2015年4月に、メリーランド州で建設中のSt. Charles
天然ガス火力発電事業に参画することとし、同事業の特別目的会社であるCPV Maryland
LLCの出資権益の25%を、丸紅より取得する持分取得契約を締結している。これにもCompetitive Power Ventureが出資している。
2017/4/1 大阪ガス、米国の天然ガス火力発電事業に参加
2019/8/3 Tevaなど、ジェネリック薬販売遅延契約で罰金、帝国製薬も
カリフォルニア州司法長官は7月29日、Tevaなど4社がジェネリック薬の販売を遅らせ、薬価を高止まりさせた件で
、各社がカリフォルニア州に対し合計約70百万ドルを支払うことで合意した
と発表した。
これは Pay-for-delay または“Reverse
payment”
と呼ばれ、先発医薬品メーカーが後発医薬品メーカーに対して特許権侵害訴訟を提起した場合に、当該訴訟を和解により解決する際の方策として、先発品メーカーは後発品メーカーに一定の金銭を支払い、後発品メーカーは後発品の上市を一定期間遅らせることに同意するというもの。競争制限的であるとして、米国のFTCがとくに積極的に取り締まっている。
このうち1件はTeva Pharmaceutical Industries が「居眠り病」治療薬 Provigil
のジェネリック薬の上市を約6年間遅らせたもので、Tevaは69百万ドルを支払う。
日本の商品名モディオダールで、覚醒を維持するための精神刺激薬。
Tevaはこれを、FTCとの同様の和解に基づき2015年につくったファンドから支払う。
カリフォルニア州では、このような契約により、ジェネリック品があった場合と比べ、消費者は90%以上高く買わされているとしている。
69百万ドルのうち、25百万ドル以上が2006年から2012年の間にこの薬を買ったカリフォルニア州民のための消費者ファンドに払われる。
もう1件は帝国製薬の帯状疱疹後神経痛の医療用パップ剤(貼付剤)Lidoderm®に関する、TevaとEndo Pharmaceuticals
と米国帝国製薬が絡むもの。
司法長官は、Endo
Pharmaceuticalsとの間で同様の行為を8年間しないことと76万ドルの支払いで合意したとしている。帝国製薬とは20年間の禁止で合意したとする。
実はこの件の集団訴訟は既に2018年3月に和解している。今回の76万ドルは州への支払いである。
帝国製薬の帯状疱疹後神経痛の医療用パップ剤(貼付剤)Lidoderm®は米国ではEndo Pharmaceuticals
を通じて販売されている。
2013年以前にEndo Pharmaecuticals
はジェネリック薬メーカーのWatson との間で、Lidoderm®の安いジェネリックを上市するのを遅らせる協定を結んだ。
Watsonは、96百万ドル相当の"free brand Lidoderm"、及び、Endoと帝国がWatsonの製品の上市後
7.5カ月間は正規のジェネリック品を上市しないことの約束と交換に、ジェネリック品を9カ月遅らせることで合意した。
このWatsonの後発薬事業は下記の経緯で現在はTevaの事業となっている。
Watson
Pharmaceuticalsは2012年4月25日、ジェネリックメーカーのActavis Groupを42.5億ドルで買収することで合意した。Watsonは社名を2013年からActavisに改称した。
そのActavisは2014年11月17日、しわ取りの医薬品BOTOX®が有名なAllergan
plc を660億ドルで買収することで合意した。買収完了の3ヵ月後に、買収した会社の社名のAllerganに改称した
。
Teva Pharmaceutical
Industriesは2015年7月27日、Allergan から後発薬事業を買収することで最終合意したと発表した。
この結果、Endoと上記の契約をしたWatsonの事業は現在はTevaの事業となっている。
2015/7/29
後発薬最大手のTeva、米
医薬大手の Allerganから後発薬事業買収
この集団訴訟で、賠償額を下記の配分とした。
Endo |
$100
million |
Teva |
$112
million |
Teikoku |
$ 59
million |
Total |
$271
million |
2019/8/5 英国下院補欠選挙で与党敗北
就任したばかりのイギリスのジョンソン首相にとって、初の国政選挙となる下院の補欠選挙が8月1日行われ
、与党・保守党が敗北した。
補選が行われたのはウェールズ地方の Brecon and Radnorshire
選挙区で、保守党議員Chris Davies が3月に国会議事費に関する2件の詐欺容疑で有罪を認め、6月21日にリコールの請願により解任された。
保守党からはChris Davies 候補が再出馬したが、2015年まで議席を確保していた自由民主党が
勝った。
自由民主党候補 13,826票、保守党候補 12,401票、ブレグジット党候補 3,331票、労働党候補 1,680票、その他。
総議席650のうち、投票するのは639だが、与党(保守党と民主統一党)は320議席となり、僅か1票差での過半数である。党内で1人でも造反があれば重要法案は否決される。
10月末の離脱実現を目指す新政権にとって大きな痛手となった。
付記 9月3日、保守党の Phillip Lee
議員が自由民主党に鞍替えし、保守党は過半数を失った。(下表はこれを反映せず)
議長と副議長(保守1、労働党2)は投票しない。北アイルランドのSinn Fein党(7人)は
女王に忠誠を誓うのを拒否し、議会をボイコット、歳費も受け取らない。
|
前 |
2017/6/8 選挙 |
異動 |
2019/1/15 |
異動 |
2019/8/2 |
投票なし |
議決権 |
保守党 |
330 |
-13 |
317 |
|
317 |
-6 |
311 |
1 |
310 |
民主統一党 |
8 |
+2 |
10 |
|
10 |
|
10 |
|
10 |
(与党) |
ー |
|
(327) |
|
(327) |
(-6) |
(321) |
(1) |
(320) |
労働党 |
232 |
+30 |
262 |
-6 |
256 |
-9 |
247 |
2 |
245 |
スコットランド国民党 |
56 |
-21 |
35 |
|
35 |
|
35 |
|
35 |
自由民主党 |
8 |
+4 |
12 |
-1 |
11 |
+2 |
13 |
|
13 |
独立党 |
1 |
-1 |
0 |
+8 |
8 |
+3 |
11 |
|
11 |
独立グループ |
|
|
0 |
|
0 |
+5 |
5 |
|
5 |
シンフェイン党 |
4 |
+3 |
7 |
|
7 |
|
7 |
7 |
0 |
ブライドカムリ |
3 |
+1 |
4 |
|
4 |
|
4 |
|
4 |
緑の党 |
1 |
|
1 |
|
1 |
|
1 |
|
1 |
社会民主労働党 |
3 |
-3 |
0 |
|
0 |
|
0 |
|
0 |
アルスター統一党 |
2 |
-2 |
0 |
|
0 |
|
0 |
|
0 |
Change UK |
|
|
|
|
0 |
+5 |
5 |
|
5 |
無所属 |
1 |
|
1 |
-1 |
0 |
|
0 |
|
0 |
議長 |
1 |
|
1 |
|
1 |
|
1 |
1 |
0 |
合計 |
650 |
0 |
650 |
0 |
650 |
0 |
650 |
11 |
639 |
今年に入って補選は3回目。
2月17日にウェールズを選挙区とするベテラン労働党議員が死去したが、この後任については4月5日の補欠選挙で労働党候補が当選し、議席を維持している。
イングランド東部のPeterborough 選挙区の労働党女性下院議員Fiona Onasanya がリコールされ、6月6日に下院補欠選挙が行われ、僅差で労働党候補が当選した。
2019/6/8 英国の下院補欠選挙
今回、リコールされた保守党議員に代わり、自由民主党が当選した。
2019/8/6 Apple、Intelのモバイル向けモデムチップ事業を買収
米 Apple は7月25日、Intel
のスマートフォン向け通信半導体事業を買い取ることで同社と合意したと発表した。買収額は10億ドルで、関係官庁の認可を受け、第4四半期の取引完了を目指す。
スマホ分野での高速通信規格「5G」への対応を断念した
Intelから、知的財産や研究開発の設備、約2200人のIntel 社員を取り込み、スマホの中核技術である通信半導体の自社開発に弾みをつける。
Appleは自社の無線関連の特許と取得した特許を合わせ1万7千件以上を持つこととなる。
一方、Intel は、パソコン、IoT(internet-of-things)器具、自動運転自動車など、スマホ用以外のモデムを開発する能力を維持する。5Gではスマホ以外のデータセンター向けサーバーやネットワークに力を入れる。
ーーー
これまで、QualcommがAppleにiPhoneの通信機能をつかさどる半導体モデムチップを供給するという協力関係にあった。
しかし、Appleは過去の取引条件の見直しを迫り、Qualcommを提訴した。QualcommはAppleの主張を否定するとともに、特許侵害があったとして逆提訴した。
2社の関係は大幅に悪化、Appleは2016年以降、Qualcomm製モデムの搭載比率を引き下げ、代わりにIntel
製モデムを採用した。「iPhone」の現在のモデルのiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRにはIntelのモデムが採用されている。
しかし、Intelはまだ5Gモデムを発表しておらず、AT&T、Verizon、Samusung電子等が相次いで5G
対応スマホを発売する中、Qualcommから5Gモデムの供給を受けられないAppleは発売できないでいる。
AppleとQualcommは4月16日、Appleの契約メーカー(Contract manufacturers)
との間のものも含めて、すべての訴訟を取り下げることで合意した。
この和解を受け、Qualcommに代わってAppleにモデムを供給しているIntelは同日、5G対応のモデムの開発から撤退すると発表した。
IntelはApple以外には需要家を見つけておらず、この和解でAppleとQualcommの関係がもとに戻ったため、この分野で開発を続ける意味がなくなった。
Appleはこの事業を買い取ることで将来の内製化に近づくほか、Qualcommとの調達交渉も有利に進められるようになる。
2019/8/6 米、中国を為替操作国に指定
人民元相場が8月5日、対ドルで1ドル=7元台に下落した。16:30時点のレートは7.0352元となった。元安を食い止める7元の「防衛ライン」がついに崩れ、ほぼ11年ぶりの安値に沈んだ。
中国人民銀行(中央銀行)は間髪を入れずに声明を発表した。「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場はきょう7元を突破した」。
制裁関税の影響を緩和するために中国政府が人民元安を容認しているとの見方が広がっている。
中国人民銀行は6日、基準値を1ドル=6.9683元に設定したと発表した。基準値としては2008年5月以来、約11年ぶりの元安水準となる。
これを受け、米財務省は8月5日、中国を「為替操作国」に指定したと発表した。操作国への認定はクリントン政権以来で、相手国が対応を改めなければ関税の発動など制裁を強化する規定がある。中国が反発するのは必至で、米中対立が一段と激しくなる。
トランプ米大統領は5日、中国の通貨・人民元の対ドル相場が1ドル=7元台に下落したことに関連し「中国が通貨をほぼ史上最低の水準まで下落させた。為替操作だ」とツイッターで中国政府を批判していた。
China dropped the price of their currency
to an almost a historic low. It’s called “currency manipulation.” Are you
listening Federal Reserve?
This is a major violation which will
greatly weaken China over time!
ーーー
Based on the historic currency
manipulation by China, it is now even more obvious to everyone that
Americans are not paying for the Tariffs – they are being paid for
compliments of China, and the U.S. is taking in tens of Billions of Dollars!
China has always used currency manipulation to steal our businesses and
factories, hurt our jobs, depress our workers’ wages and harm our farmers’
prices. Not anymore!
米財務省は、1988年から毎年2回議会に対して為替政策報告書を提出している。それに基づき、対米通商を有利にすることを目的に為替介入し、為替相場を不当に操作している国に対してと議会が為替操作国と認定する。
為替操作国に認定された国は、アメリカとの間で二国間協議が行われ通貨の切り上げを要求される。またアメリカは必要に応じて関税による制裁を行う。
付記
国際通貨基金(IMF)は8月9日、今年の中国に対する「4条協議」に関する報告を発表し、「中国が重要な経済分野の改革で進展を収めた」と評価すると共に、「2018年の人民元相場はファンダメンタルズにおおむね沿った水準だった」と強調した。
IMFは「IMF協定」第4条に基づき、通常毎年1回、専門家チームを加盟国に派遣して現地の経済と金融の状況を調査した上で、調査結果について当該国の政府と議論し、更にその結果についてIMF理事会に諮っている。
今回の報告の中で、IMFは、「中国政府は最近、金融機関の脆弱性の軽減や経済の開放継続の面で進展を遂げた。また、過去数年の貿易の再均衡などにおける中国の努力を歓迎する」とした。
IMFアジア・太平洋課のアシスタント・ディレクター(中国担当)は記者会見で、米財務省が中国を「為替操作国」に指定したことについてのコメントを求められ、「2018年の人民元相場は中期的なファンダメンタルズにおおむね沿った水準であり、過大評価も過小評価もされていないと考えている」と述べた。
ーーー
米財務省は2019年5月28日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書を公表した。
日本と中国とドイツ、韓国を引き続き「監視リスト」に指定した。スイス、インドは今回、リストから外れた。新しく、アイルランド、ベトナム、イタリア、マレーシア、シンガポールをリストに加えた。
合計9カ国となった。
今回から基準を一部変更したが、イタリアとマレーシアは旧基準では対象外で、変更により対象となった。
未確認だが、シンガポール(外為市場への介入月数)もその可能性がある。
中国について、こう述べている。
昨年1年間のモノの対米貿易黒字は4,190億ドルで、これは中国の非関税障壁、非市場メカニズム、国家補助金、その他の施策の結果である。中国への輸入を妨げ、また外国の投資を妨げている。
2018年1年間で人民元は米ドルに対し5.4%安くなった。更に中国の対米黒字が増えることとなる。
為替介入をしないというG20での約束を守ることを注視する。
2019/5/30 米国、半期為替報告書を公表、9か国を為替監視リストに
参考
Trump 大統領は、大統領選挙前の2016年10月下旬に、大統領に選ばれた場合の公約
"Donald Trump's Contract With The American Voter"
を発表した。「アメリカを再び偉大にする」ための100日間のアクションプランである。
そのなかで、北米自由貿易協定(NAFTA) の再交渉又は撤退の意思の発表、TPPからの撤退の宣言などとともに、中国を為替操作国に指定することを挙げている。
2016/11/11 トランプの公約
トランプ大統領は2017年4月12日のWall Street
Journalとの会見で、「考えを変えた。中国は現在は為替操作をしていない」と述べた。
2017/4/17
トランプ大統領、「中国を為替操作国に認定しない」
2019/8/7 ネズミ体内でヒトの臓器作成
ヒトのiPS細胞を使い、ネズミの体内でヒトの臓器を作る東大医科学研究所の中内啓光特任教授らの研究について、文科省の専門委員会は7月24日に了承した。
文科省は8月下旬までに東大の研究実施を正式に認める見通しで、東大は認められ次第、研究に着手する。
人間と別の動物が混ざった生物が生まれるなどの懸念からこれまで国内では禁止されていたが、本年3月に文科省は、動物性集合胚の取扱いの見直しに係る「特定胚の取扱いに関する指針」及び「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律施行規則」の全部を改正、この研究も可能となった。
膵臓を作る能力のないマウスやラットの受精卵にヒトのiPS細胞を注入し、人と動物の細胞が混ざった「動物性集合胚」をつくる。
これを代理母であるネズミの子宮に入れる。妊娠や胎児の発育過程に沿って育てることで、人の細胞でできた膵臓などをもつ動物の胎児が育つ。
この胎児の臓器を移植に使えば、他人の臓器を使う脳死移植のような拒絶反応が起こりにくく治療が可能になる。
今回は、出産後、最長で2年間観察する。母体内である程度育った段階で、赤ちゃんの脳を調べ、ヒトの細胞の割合が30%を超えた場合は実験を中止する。肝臓や腎臓でも試みる。
将来、臓器のサイズが人間に近いブタやヒツジの体内で人間の臓器を作ることができれば、慢性的に不足する移植用臓器として使える可能性がある。
現在、日本で臓器提供を待っている患者は約14,000人いるが、そのうち移植を受けることができるのは年間約300人ほどに過ぎない。また、日本だけでなく世界的にも移植用臓器の不足が深刻な問題となっている。
中内特任教授はスタンフォード大教授を兼任し、米国で人間の膵臓を持つ羊を作製する研究を進めてきた実績を持つ。
https://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n1673_01.pdf
2019年3月の「動物性集合胚の取扱い」改正の主な内容は次の通り。
動物性集合胚の作成目的:「移植用ヒト臓器の作成に関する基礎的研究に限る」を削除
動物性集合胚の取扱期間
:「作成から原始線条が現れるまでの期間(最長14日)」以後の取扱いを可能とする。
動物性集合胚の胎内移植の取扱い:「人又は動物の胎内への移植は禁止
」→ 動物の胎内への移植を可能とする。
ーーー
慈恵大学・東京慈恵会医科大学、明治大学、バイオス、ポル・メド・テック、大日本住友製薬は4月5日、iPS細胞を用いた「胎生臓器ニッチ法」による腎臓再生医療の2020年代での実現を目標として、共同研究・開発などの取り組みを開始すると発表した。
「胎生臓器ニッチ法」とは、東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科学横尾隆教授らの研究成果で、動物の発生段階である胎仔の中で臓器が発生する場所に、別の動物から目的とする臓器の前駆細胞を注入し、臓器に分化誘導する方法。
2019/4/9 腎臓の再生医療実現に向けた取り組み開始
2019/8/7
中国、米農産品の購入を一時停止
中国商務部は8月6日未明、米国からの農産品の購入を一時停止すると発表した。トランプ米大統領が対中制裁関税「第4弾」の発動を表明したことへの制裁措置としている。
発表文:
米国は中国の米国向け輸出の3000億ドル分に10%の追加関税を課すると発表した。これは中国と米国のトップの会談の重大な違反である。
中国の関税委員会は8月3日以降、新たに購入する米国農産品に追加関税を課することを排除しない。中国の関連企業は米国農産品の購入を停止した。
中国市場は大規模であり、米国産の高品質農産物の輸入には将来性がある。しかし、米国側が首脳会談の共通認識を真摯に実行し、発言の信頼性を高め、約束したことを実行し、両国の農業協力に向け必要な条件を整えることを望む。
トランプ大統領は、中国が約束した米国農産品を購入していないと主張するが、人民網によると、中国の国家発展改革委員会の叢事務局長は8月5日、次の通り述べた。
中米両国トップの大阪での会談後、中国は米国産農産品の調達をめぐり協力への誠意を積極的に示し、大きな進展を遂げたが、米国産農産品に競争力が欠如するといった現実的な問題も存在する。
大阪会談から7月末までの間に、米国産大豆227万トンが新たに船積みされて中国に運ばれ、8月には200万トンが積み込まれる予定で、双方の企業が契約調印した大豆1400万トンは、9月に積み込む予定の30万トンを残すばかりとなった。
7月19日より中国の関連企業は米国の大豆、コーリャン、小麦、トウモロコシ、綿花、乳製品、干し草、エタノール、ワイン・ビール、果物、果物加工品などの農産品の調達について、持続的に価格問合せを行ってきた。
8月2日夜までに、大豆13万トン、コーリャン12万トン、干し草7万5千トン、小麦6万トン、豚肉・豚肉加工品4万トン、綿花2万5千トン、乳製品5700トン、果物400トン、果物加工品4500トンの契約に調印した。
契約が成立した農産品はすべて、中国企業が国務院関税税足委員会に輸入関税の上乗せ対象リストから外すよう申請している。
現在、エタノール、トウモロコシ、大豆油、ワイン、ビールなどの農産品の取引がまだ成立していない主な原因は、これらの米国製品に価格競争力が欠けていることにある。
エタノールの場合、昨年3月と7月、米国が中国に対して発動した通商拡大法232条と通商法301条に基づく調査に対抗するため、中国は米国から輸入されるエタノールについて通常の30%の関税をベースに、さらに15%と25%の上乗せを行い、現在の関税率は70%となっている。
米国の輸出企業の見積もりでは、301条調査に対抗して上乗せした25%の関税を除外しても、輸入関税コストを含んだ価格は中国国内市場の価格より30%以上高く、ビジネスにおける操作の可能性がない。
トウモロコシの場合、米国の輸出企業の見積もりでは、上乗せされた関税を除外しても、中国に到着して輸入関税を支払った後の価格は中国国内価格よりも高く、企業は基本的に利益が出ない。
また中国のトウモロコシ市場は供給にゆとりがあり、中国の飼料企業のニーズは相対的に弱く、企業は調達にそれほど積極的ではない。
また大豆の場合、以前は100万トン単位で輸入されていたが、今回新たに契約が成立したのはわずか13万トンで、これは主に中国国内で大豆飼料と大豆油脂加工のニーズが旺盛ではないこと、中国企業の海外産大豆の調達の意欲が低いことが原因だ。
また米国産大豆はタンパクと油脂の含有量がブラジル産を下回るため、価格はブラジル産を下回るべきだが、現在の価格はブラジル産に接近しており、中国市場では価格競争力がなく、従って取引量も少ない。
2019/8/8 韓国公取委、自動車部品カルテルで日本企業に課徴金
韓国公正取引委員会は8月4日、同国の自動車メーカーへの部品納入で談合したとして、三菱電機など日本企業4社に課徴金計92億ウォン(約8億1400万円)を課し、三菱電機など2社を検察に告発したと発表した。
|
課徴金
(億ウォン) |
告発 |
三菱電機 |
80.90 |
〇 |
日立オートモティブシステムズ |
4.15
|
〇 |
デンソー |
4.29
|
|
ダイヤモンド電機 |
2.68
|
|
合計 |
92.02 |
|
2004年から2014年にかけて、韓国でオルタネーターとイグニションコイルの価格維持、値上げのため共謀した。
三菱電機、日立オートモティブシステムズ、デンソーの3社はオルタネーターについて、値下げ要請に共同で対応するため、関連情報の交換で合意した。需要家が価格見積もりを要請した場合、3社は集まり、価格を決めた。
共謀の結果、三菱のオルタネーターがRenault SamsungのQM5 向けに決まった。
逆に、Hyundai MotorのGrandeur HGとKia MotorsのK7
VGなどに搭載されるオルタネーターはデンソーに決まった。
韓国のオルタネーター市場では、Valeo Group、Borg
Warner、デンソー、三菱電機が争っている。
一方、ダイヤモンド電機、三菱電機、デンソーは Hyundai MotorのGrandeur
HGとKia MotorsのK7
VG向けのイグニションコイルをデンソーが販売することで合意した。需要家が見積もりを求めた際に、ダイヤモンドは降り、三菱電機は意図的にデンソー価格より高い価格を提示した。
韓国のイグニションコイル市場ではデンソーと韓国のYura Techが最大である。
2010年代初めに日本の自動車部品メーカーによるグローバルカルテルが明らかになると、海外の競争当局は調査に乗り出した。この結果、米国やEUなどが三菱電機や日立オートモティブシステムズなどに罰金や課徴金を科すなどしている。
2012/11/24
公取委、自動車メーカー発注の自動車用部品コンペ参加業者に 排除措置命令と課徴金納付命令
2016/2/1
EU、自動車部品カルテルで日本メーカーに制裁金
米国については、各社別々に摘発しており、4社はいずれも制裁金を払っている。 最終リスト
韓国公取委は2014年から調査を開始、このほど、これら日本企業に対する制裁方針をまとめ、先月15日に発表する予定だった
。
日本政府による韓国のホワイト国からの除外を巡り、韓国政府が対話を通じた解決を日本側に求めていたため、政治的判断で発表を先延ばしにしていた。
しかし、「日本が国際社会の懸念にもかかわらず経済報復をするという状況の中、発表することになった」という。
2019/8/9 米政権、FRBに大幅利下げを要求
米連邦準備理事会(FRB)は7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年2.25〜2.50%から年2.00〜2.25%に引き下げた。
但し、パウエル議長は「景気循環の途中の調整」と述べ、長期の利下げ局面入りは否定した。
利下げの理由を「海外経済の動向とインフレ圧力の停滞」とし、景気悪化を未然に防ぐ「予防的利下げ」とした。
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|
2008/10 |
2.00%→1.50%→1.00% |
2008/12 |
0.00%〜0.25% |
↓ |
0.00%〜0.25% |
2015/12 |
0.25%〜0.50% |
2016/12 |
0.50%〜0.75% |
2017/3 |
0.75%〜1.00% |
2017/6 |
1.00%〜1.25% |
2017/12 |
1.25%〜1.50% |
2018/3 |
1.50%〜1.75% |
2018/6 |
1.75%〜2.00% |
2018/9 |
2.00%〜2.25% |
2018/12 |
2.25%〜2.50% |
2019/7 |
2.00%〜2.25% |
|
|
付記
2019/9 |
1.75%〜2.00% |
2019/10 |
1.50%〜1.75% |
大幅利下げを要求していた米政権はこれにいら立ちを示した。
Peter Navarro大統領補佐官(通商製造政策局長)は8月6日、FRBに対し年内にあと75〜100bp
(0.75%〜1.00%) の利下げを実施するよう要求した。
「パウエルFRB議長は就任後
計1%利上げしたが,、利上げ幅が大きく、急ぎすぎた。経済成長を犠牲にした」と語った。
パウエル氏が議長就任後に引き上げた分の政策金利を下げるよう促した形だ。
Powell 議長は2018年2月25日に就任した。
2018年3月、6月、9月、12月に各0.25%、合計 1.00% 引き上げた。今回 0.25% 下げた。
トランプ大統領は8月7日、ツイッターへの一連の投稿で、FRBを強く批判した。
初めに、同日、インド、ニュージーランド、タイが利下げしたことに触れた。
“Three more Central Banks cut rates.”
米国の問題は中国ではない。今までより強力で、資金は米国に流入している。一方、中国からは企業が逃げ出しており、人民元は包囲されている。
Our problem is not China - We are
stronger than ever, money is pouring into the U.S. while China is losing
companies by the thousands to other countries, and their currency is
under siege -
我々の問題はFRBだ。引き締めをやり過ぎた誤りを認めようとしない。
Our problem is a Federal Reserve that
is too proud to admit their mistake of acting too fast and tightening
too much (and that I was right!).
FRBはより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない。
They must Cut Rates bigger and
faster, and stop their ridiculous quantitative tightening NOW.
Yield curve is at too wide a margin,
and no inflation!
無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるというのに。
Incompetence is a terrible thing to
watch, especially when things could be taken care of sooo easily.
いずれにせよ、われわれは勝利する。しかし、
米国は他国と競っており、いずれの国も米国の犠牲の上に成功したいと考えている。このことを米金融当局が理解していたら、状況はずっと簡単なのに、彼らは理解しなかったし、今もしていない。
We will WIN anyway, but it would be
much easier if the Fed understood, which they don’t, that we are
competing against other countries, all of whom want to do well at our
expense!
Trump大統領は、8月5日に人民元のレートが7元台に下落したのを受け、呟いた。FRBに暗にドル安に誘導する利下げを要求している。
中国は元の価値を大幅に下げた。これは為替操作だ。FRBよ、聴いているか?
China dropped the price of their currency to an almost a historic
low.
It’s called “currency manipulation.” Are you
listening Federal Reserve?
This is a major violation which will greatly weaken China over time!
中国の為替操作の結果、追加関税は中国が払っていることとなる。中国は為替操作で米国の職を奪ってきた。今後は許さない。何年も前に止めるべきだったのだ。
Based on the historic currency manipulation by China, it is now even
more obvious to everyone that Americans are not paying for the Tariffs –
they are being paid for compliments of China, and the U.S. is taking in
tens of Billions of Dollars!
China has always used currency manipulation to steal our businesses
and factories, hurt our jobs, depress our workers’ wages and harm our
farmers’ prices.
Not anymore!
米中貿易摩擦の悪化や世界の需要後退を背景とした景気後退リスクを踏まえ、市場ではFRBが年内にあと3回の利下げに動くとの観測が高まっている。
付記
米連邦準備理事会(FRB)は9月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25%引き下げ、7月に続く利下げに踏み切った。
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2018/3 |
1.50%〜1.75% |
2018/6 |
1.75%〜2.00% |
2018/9 |
2.00%〜2.25% |
2018/12 |
2.25%〜2.50% |
2019/7 |
2.00%〜2.25% |
2019/9 |
1.75%〜2.00% |
|
2019/8/10 キリンホールディングスとファンケル、資本業務提携
キリンホールディングスとファンケルは8月6日、資本業務提携契約を締結したと発表した。
背景は次の通り。
キリングループ:
長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」では、「酒類メーカーとしての責任」を果たすことを前提に「健康」、「地域社会・コミュニティ」、「環境」の3つを重点課題として選定した。
このうち、「健康」については、ライフサイエンス分野に進出してからは、酒類・飲料による「食領域」
と医薬事業による「医領域」の双方から社会課題を解決してきたが、「食領域」と「医領域」の中間領域にあたる「医と食をつなぐ事業」を立ち上げ、次世代の成長の柱として育成していく方針を打ち出した。
本年4月には
従来「医領域」にあった
協和発酵バイオを「医と食をつなぐ領域」の中核事業会社に位置づける再編を完了した。高機能アミノ酸、免疫、脳や腸内環境に関する機能性素材などを強みとして
最大限に活用する。
協和発酵キリンは2019年4月に、連結子会社の協和発酵バイオの株式の95%を 親会社のキリンHDに約 1,280 億円で譲渡した。
協和発酵バイオの事業は次の通り。
ファインケミカル事業:各種医薬用アミノ酸、核酸関連物質、医薬品原料等
ヘルスケア事業:各種アミノ酸、ビタミン、カロチノイド等の機能性食品素材、健康食品
2019/2/8
キリンホールディングス、協和発酵バイオを子会社に
ファンケル:
2018年に長期ビジョン「VISION2030」を発表し
、「美」と「健康」の領域での企業集団になることを目指し、確かな機能を持つ健康食品を提供することで、「健康寿命の延伸」と医療費の削減に貢献することが使命であると考える。
このように、「健康」に関する社会課題の解決を通じて成長を目指すキリンの考え方と、「健康寿命の延伸」という大きな社会課題の解決に取り組むことで成長を目指すファンケルの考え方は共通しており、両社の目指す理念や方向性は一致している。
資本業務提携の概要は次の通り。
(1)業務提携の内容
@素材・商品・ブランド開発
A共同研究・事業開発の推進
Bインフラの相互利用
生産面での協業、チャネルの相互乗り入れ(キリンの自動販売機チャネル、ファンケルの直販チャネル等の活用)
(2)資本提携の内容
キリンによるファンケル株式の購入 取得総額は1,293億円、議決権割合
33.0%
(
3)キリンによる役員の派遣 常勤取締役1名、非常勤取締役1名および常勤監査役1名
2018/8/12 米国防権限法
8月13日に発効、Huaweiなど中国5社を米政府調達から排除
トランプ米政権は8月7日、昨年8月に成立した2019年度米国防権限法(NDAA2019)が8月13日に発効すると発表した。
2019年度米国防権限法(NDAA2019)は、指定された製品の購入禁止を国防総省以外の政府機関にも拡大するもので、禁止対象製品は次の通り。
(A)
華為技術(Huawei
Technologies)と 中興通訊(ZTE)製の通信機器
(B)
海能達通信(Hytera
Communications)、杭州海康威視数字技術(Hangzhou
Hikvision Digital Technology)、浙江大華技術(Dahua
Technology Company)製のセキュリティ用のビデオ監視・通信機器
(C)
国防長官が国家情報長官、FBI局長との協議で、中国政府の影響下またはつながりがあるとみなす企業の通信機器及びビデオ監視システムも同様の扱いとなる。
現時点では、これに該当するものはない。
禁止は2段階に分かれ、今回は第1段階である。
第1 段階(発効日の1年後=2019年8月13日以降)
米政府機関(連邦政府、軍、独立行政組織、政府所有企業)が5社の製品や、5社が製造した部品を組み込む他社製品を調達することを禁止
問題は第2段階(発効日の2年後=2020年8月13日以降)で、5社の製品を社内で利用している世界中の企業との取引を禁止する。米政府機関に収めている製品・サービスが通信機器とは一切関係のない企業でも、5社の製品を使っておれば米政府機関との取引が禁止される。
既に世界の企業で多くの中国製通信機器が利用されている。企業が米国政府と取引を続けたい場合には、問題視されている機器の利用を一切やめ、その旨を米政府に報告・誓約しなければならなくなる。
2018/12/11
2019年度米国防権限法(NDAA2019) --- Huawei、ZTE等の米政府機関との取引からの排除
華為技術(Huawei)は本年3月7日、同社の製品を米政府機関が調達することを禁じる2019年度米国防権限法が米国の憲法違反だとして、同社の米国子会社の本社があるテキサス州の裁判所で米政府を提訴したと発表した。
中国の王毅国務委員兼外相は3月8日、華為技術(Huawei)の米政府に対する訴訟を支援すると表明した。
2019/3/7 Huawei、米政府を提訴
今回の発表を受け、Huawei は8月㏧、メディアへの声明を発表した。
我々は本日のニュースを意外に感じてはいない。これは米国の『国防権限法2019』の実施条例に過ぎない。Huaweiは引き続き米連邦裁判所においてこの禁止令の合憲性を問うていく。
『国防権限法2019』及びその実施条項が Huaweiに不当行為があったと証明するいかなる証拠も存在しない状況において、Huaweiに対し懲罰的な行動を取るのは、原産国が設けた貿易障壁に基づいており、米国の電気通信のネットワークとシステムのセキュリティ保護にとっていかなる役にも立たず、最終的に損害を被るのは米国の農村地域でHuaweiのネットワークに頼っている数多くのユーザーたちだ。
ーーー
これとは別に、Trump
大統領は本年5月15日、米企業が安全保障上リスクがある企業の通信機器の調達を禁じる大統領令に署名した。
非常に抽象的で、米政府が問題だと思う企業をいつでも指定できるように見える。名指しはしていないが、華為技術(Huawei)などが念頭にあると報じられている。
米商務省は同日、華為技術(Huawei)に対する米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発表した。
2019/8/13 イタリア連立政権、崩壊の危機
昨年6月に発足したイタリアの「五つ星運動」と「同盟」の連立政権が崩壊の危機に瀕している。
左派「五つ星運動」のLuigi Di Maio党首(副首相・産業相)と極右「同盟」のMatteo
Salvini党首(副首相・内務相)は、インフラや移民などのさまざまな政策を巡ってたびたび対立していた。
「同盟」のMatteo Salvini党首は8月8日に「政権は壊れた」と述べ、Giuseppe
Conte首相に総選挙の実施を求めた。同盟は8月9日、内閣不信任案を上院議会に提出した。
イタリア議会は既に夏季休会に入っているが、Salvini
氏は今週にも内閣不信任案を審議をするように要求した。
一方、 Conte首相はSalvini
氏に対し、議会を招集するのは同氏ではないと突き放し、政府の活動を突如妨害する理由について、「有権者に説明し、正当性を示す必要がある」とクギを刺した。
現地通信社は、早ければ8月20日にも上院が開会され、Conte首相の退陣表明が行われる可能性があると報じた。その後数日のうちに議会解散もあり得るとしている。
憲法では、議会解散後50〜70日以内に選挙を実施しなければならないと定められている。
秋の選挙となれば、2020年の予算についてEUとの交渉のさなかとなる。
付記
イタリア議会の上院は8月13日、与党の「同盟」が提出していた内閣不信任案について、14日に審議するよう求める同党の要請を拒否し、政権危機を巡る議論を来週に先送りした。
上院は審議を見送る代わりに、コンテ首相が8月20日に政権危機について演説することを決めた。
付記
イタリアのコンテ首相は8月20日、議会上院で演説し、辞意を表明した。連立政権をつくる同盟が内閣不信任案を提出したことで政権運営は困難と判断した。
マッタレッラ大統領がコンテ氏の辞表を受理すれば、21日から各党と新政権樹立に向けた協議を始めるとみられる。大統領は議会の解散権を持つ。各党との協議が円滑に進まない場合、解散して総選挙を実施する可能性もある。イタリアの政治情勢は混迷が避けられない。
付記
イタリアで、中道左派「民主党(PD)」とポピュリスト(大衆迎合主義者)政党「五つ星運動」が8月28日、新たな連立政権を樹立することで合意した。
セルジオ・マッタレッラ大統領は、連立協議の期限としていたこの日、両政党の党首と首都ローマで会談した。
両政党は、ジュゼッペ・コンテ首相を次期首相に推すことで合意、大統領はコンテ首相に再び組閣を要請した。
連立政権は、次期総選挙が開かれる2023年まで続くこととなる。
付記
イタリアのコンテ首相は9月4日、「五つ星運動」と「民主党」の2党連立による組閣名簿をマッタレッラ大統領に提出した。これを受け、大統領府は5日に新閣僚の就任宣誓式を行うと発表した。
両党は政策合意で、EUとの連携を打ち出した。
ーーー
2018年3月4日の総選挙では、パオロ・ジェンティローニ首相の「民主党」が大敗した。
総選挙後、政治の空白が続いていたが、反EUの「五つ星運動」と「同盟」が連立することとなった。
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2018年選挙 |
元老院
(上院) |
代議院
(下院) |
五つ星運動 |
112 |
+58 |
227 |
+118 |
同盟 |
58 |
+41 |
125 |
+107 |
(小計) |
(170) |
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(352) |
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民主党 |
53 |
-52 |
112 |
-185 |
フォルツァ・イタリア |
57 |
-41 |
104 |
+6 |
その他 |
35 |
-6 |
62 |
-46 |
合計 |
315 |
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630 |
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(過半数) |
(158) |
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(316) |
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6月1日に両党の推す法学者Giuseppe
Conteの内閣が発足した。首相は学者で政治経験がなく、両党の主張をうまく調整できるか、疑問視された。
反EUの立場では同じだが、政治姿勢の異なる2つの党の連立である。連立の早期瓦解の可能性も指摘されていた。
「五つ星運動」
大衆の不満に率直な賛同を示す人民主義政党(ポピュリズム)として行動。反政党政治(直接民主主義)やEU離脱など急進的政策を掲げ、政治不信の募る若年層の間で急速に台頭した。五つの星は社会が守り抜くべき概念(発展・水資源・持続可能性のある交通・環境主義・インターネット社会)を指している。
失業者らへの最低所得保障など「ばらまき型」の経済刺激策を重視する。
「同盟」
右派ポピュリズム政党。イタリア北部の郷土主義政党「北部同盟」であったが、近年は反EUや排外主義などが支持基盤に変わりつつある。
EUの移民政策を批判、違法移民の強制送還の強化や、難民が域内で最初に到着した国で保護申請することを義務づけたEUのダブリン規則の見直しを強く求める 。
2018/6/5
イタリアの混迷
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もともと「五つ星運動」は左派、「同盟」は右派で、政策的にはかなり違いが大きい。共通していたのは、財政規律など、EUの各種ルールに従わずイタリアのやりたいようにやっていくという点だった。
最近になって対立が深まった大きな要因に、高速鉄道の建設がある。「同盟」は鉄道建設に賛成で、「五つ星運動」は反対だったが、議会では他党に賛成派が多く、最終的には鉄道建設は進められることになった。
「五つ星運動」は4月に、「同盟」幹部の汚職疑惑で連立崩壊の危機をもたらしていると批判した。同盟のSalvini党首の経済顧問が汚職容疑で捜査対象となった。
Salvini氏が強気に出ているのは「五つ星運動」との対立が深まったからだけではなく、最近の世論調査で「同盟」の支持率が高まっていることがある。解散総選挙を行えば五つ星運動を上回る第1党に躍進できる可能性がある。
解散総選挙が行われない場合、連立解消に動くと示唆している。同党より小規模で同じく右派の「フォルツァ・イタリア」との連立政権樹立の可能性も噂されている。
連立政権が解消になったり解散総選挙になると、イタリアの政治が不安定化し、影響はEU全体に広がる。
2019/8/14
JDIが債務超過に
経営再建中のジャパンディスプレイは8月9日、4-6月期の決算を発表した。
顧客の在庫調整や米中貿易摩擦の影響を受けた需要減により売上高が減少したほか、白山工場の減損を含む517億円の事業構造改善費用を特別損失として計上した。
この結果、連結純損益は833億円の赤字となり、債務超過となった。
JDIは6月12日、構造改革の実施と、合わせて執行体制の刷新に関する発表を行った。
1)
今後の需要の大幅回復の見込みが立たないモバイル事業の縮小と、これに伴う白山工場の一時稼働停止
及び茂原工場後工程ラインの閉鎖
2) 人員削減
3) 役員報酬及び社員給与等の削減
4) 執行体制の刷新
詳細は 2019/6/17
ジャパンディスプレイ、苦境に
問題の増資問題については下記の通り。
6月27日、中国の嘉実基金管理から合計522億円のコミットメントレターを受領したと発表した。
JDIの需要家の米国のAppleからの支援の出資100百万ドルを含んでいる。
香港のOasis
Management からの150〜180百万ドル
については6月28日に出資決定の通知を受領した。
7月12日にHarvestは追加で100百万ドル出すこと、為替レートなどで合計が800億円未達の場合、差額をOasisが出すとの発表があった。
これにより800億円の目途が立ったため、臨時株主総会を8月29日を目処に開催するとした。
2019/6/29
JDI、一部の支援は決まるが、依然、不安 及び付記
JDIは8月7日、中国ファンドなどからの最大800億円の資金支援に関し、資本業務提携の正式な契約を結んだと発表した。
契約が想定よりも遅れたため、臨時株主総会は8月29日から9月27日に変更する。
8月9日夕方にファンド側と東京都内で共同記者会見を開く予定としたが、「健康上の理由もあり、来日できなかった」ため中止となった。
「関係当局の許認可などが得られる時期が確定できない」として、払い込みの期限を今年12月30日から来年の8月28日に延ばす。
支援の前提条件としては@中国の政府当局からの介入がないA顧客の米アップルから製品購入の大幅削減の通知を受けていないBJDIの株価の終値が30円以下になったことがない−などとなっている。
JDIでは、筆頭株主で政府系ファンドのINCJ(旧産業革新機構)から新たに200億円の融資を受け、当面の運転資金に充てる。返済期限は2020年8月8日としている。
現在の経営実績、アップルの購入見通しなどから考えると、ファンドからの実際の入金があるまでは安心できない。
出資条件に、株価の終値が30円以下にならないというのがあるが、8月13日の連休明けの株価は一時、前週末から11円安の59円をつけた。
また、800億円の入金があっても、現在の経営状態からはすぐに資金不足になるとみられている。
付記
中国ファンドの嘉実基金管理グループが、支援を見送る方針をJDIに伝えたことが9月26日、わかった。複数の交渉関係者が明らかにした。
JDIの再建策は事実上、白紙に戻る。
JDIは同日夜、Harvest
Techより、JDIのガバナンス(企業統治)に対する考え方に「重要な見解の不一致が生じた」として、企業連合からの離脱を通知してきたと述べた。
2019/8/14 米の対中関税第4弾、スマホなど12月15日に先送り
米通商代表部(USTR)は8月13日、中国から輸入する約3000億ドルへの10%の追加関税について、詳細を発表した。
第4弾の関税自体は予定通り9月1日に発動するが、健康や安全、安全保障に関わる製品は除外する。また、スマートフォンやノートパソコン、玩具など特定品目の発動を12月15日に先送りする。
ーーー
トランプ米政権は5月13日、中国への制裁関税の第4弾として、携帯電話など約3000億ドル分の中国製品に最大25%の関税を課す計画を正式表明した。
対象は約3800品目で、金額ベースでは Apple
の「iPhone」など携帯電話(432億ドル)が最も多く、次にノートパソコン(375億ドル)などがある。衣類など消費財 も多い。
生活や産業への影響が大きい一部の医薬品やレアアースは除外する。
適用除外の対象には冷蔵庫に使用される部品やレストランで使用されるドリンクミキサー、自動車のカメラ部品なども含まれる。
6月下旬まで産業界の意見を聴取する予定で、発動は6月末以降になる。 意見聴取次第で、除外品目を増やしたり税率も25%から圧縮したりする可能性がある。
トランプ大統領と習近平国家主席は6月29日、大阪市内で会談した。
会談で、中米が平等と相互尊重に基づいて経済貿易協議を再開することで合意した。米側は、中国の輸出品に再び新たな関税を上乗せしないと表明、両国の経済貿易チームは具体的な問題について討議する。
2019/6/29 米中首脳会議、「米は追加関税課さず」
米中両国は7月30〜31日に中国・上海で高官級の通商協議を開催、帰国した米側の交渉団から報告を受けた。
トランプ大統領は8月1日、中国からの輸入品3千億ドル分を対象とする追加関税「第4弾」を9月1日に発動すると表明した。スマートフォンなど従来は追加関税の対象外だった輸入品のほぼ全てに、10%の関税を上乗せする方針。
2019/8/2 トランプ大統領、9月1日に対中関税第4弾 ツイートで表明
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今回、意見聴取の結果などを折り込み、実施計画を発表した。
5月中旬に発表した約3800品目の原案から、健康や安全、安全保障に関わる製品は除外した。
スマホやノートパソコン、ゲーム機、特定の玩具、コンピューター用モニター、特定の靴や衣服など代表的な消費財への発動を12月15日に先送りする。
第4弾は消費財が4割を占めており、実際に発動すれば米国の個人消費や中国を中心としたサプライチェーンへの影響が甚大である。
トランプ米大統領は同日、追加関税を一部先送りする理由について「クリスマスシーズンのためにやる。万が一にも関税の一部が米国の消費者に与えうる影響を考えた」と語った。
また、主要品目の発動を12月に延期することで、米中両政府には協議の余地が生まれる。
具体的な品目は次の通り。
2019/9/1 発動品目 List
4A – Effective September 1, 2019
2019/12/15 発動品目 List
4B – Effective
December 15, 2019
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