2007/8/22 日本経済新聞

日本触媒 アクリル酸工場再編 130億円投資 愛媛閉鎖、姫路に集約

 日本触媒は紙おむつなど吸水素材の原料となるアクリル酸の国内工場を再編する。姫路製造所(兵庫県姫路市)に最新設備を導入して生産能力を増やす一方、愛媛工場(愛媛県新居浜市)を閉鎖する。総投資額は約130億円。同社はアクリル酸の国内最大手。現在の生産能力を維持しながら拠点を1カ所に集約して生産効率を高める。
 2009年をメドに姫路製造所に、
愛媛と同じ年8万トンの生産能力を持つ設備を新設する。化学反応の効率を高めることで、不純物の発生を最小限に抑えた高品質のアクリル酸を生産する。投資額は約115億円で、姫路の年産能力は46万トンに増える。愛媛工場は今年末までに生産を停止、約15億円をかけて設備を解体撤去する。同工場は02年に住友化学から事業交換で譲り受けたが、稼動から30年余りが経過し生産効率が悪化。老朽化のため年間約6億円の修繕費用がかかっていた。
 同社は昨年末に姫路の生産能力を16万トン増強したばかりだが、日米欧で高齢者向け紙おむつなどの原料として需要が拡大。中国やインドなどの新興国では乳幼児向け市場が伸びているため、生産効率を高める。
 同社のアクリル酸工場は国内と米国、インドネシア、シンガポールの計4カ所になる。業界推定によると、日本触媒のアクリル酸の国内シェアは70%弱で2位の三菱化学(20%弱)を引き離しているが、世界シェアは10%強で2位グループにとどまっている。工場再編で生産効率を高め、世界シェア20%強を占める首位の独BASFを追撃する。


2007/8/22 日本触媒

愛媛工場アクリル酸プラント停止及び姫路製造所第7系列アクリル酸プラント新設

 株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、社長:近藤忠夫)は、住友化学株式会社との事業交換により2002年4月に同社から取得した愛媛工場の年産8万dのアクリル酸プラントを2007年末までに停止すること、並びに当社姫路製造所(兵庫県)において2009年末完工予定で年産8万dの第7系列目のアクリル酸プラントを建設することを決定いたしました。

 標記のスクラップアンドビルドを行う理由は、以下の通りです。
2006年12月から商業運転を開始した姫路製造所第6系列アクリル酸プラント(年産16万d)が順調に立ち上がったこと
愛媛工場のアクリル酸プラントが老朽化により修繕費用が年々増加していること・2010年以降の姫路製造所における高吸水性樹脂を中心とするアクリル酸誘導品の増強を見据え、より一層のシナジー効果を出すため

なお、愛媛工場のアクリル酸プラントは、停止後除却し、解体することといたします。

<ご参考:当社グループのアクリル酸生産能力>
 2007年  愛媛アクリル酸プラント停止前   国内 年産46万d、海外 年産16万d 計 年産62万d
 2007年末  愛媛アクリル酸プラント停止後  国内 年産38万d、海外 年産16万d 計 年産54万d
 2009年末  第7系列アクリル酸プラント稼動後  国内 年産46万d、海外 年産16万d 計 年産62万d

 


2007年9月6日 信越化学

信越化学、ドイツで医薬用メチルセルロース生産へ

信越化学工業(本社:東京、社長:金川千尋)は、2009年4月を目途に医薬用メチルセルロースの生産をドイツの子会社のSE タイローズ(SE Tylose GmbH & Co.KG)で開始する。今回の増強により、日本の直江津工場(新潟県上越市)と併せ、医薬用メチルセルロースの生産拠点の複数化を図る。また直江津工場でも2008年10月を目途に、医薬用メチルセルロースの生産能力を増強する。
SE タイローズでは、建材用メチルセルロースの生産能力も増強する。医薬用メチルセルロース製造設備の新設と併せ、同社のメチルセルロースの生産能力は年産約1万トン増加し、年産約5万トンとなる。今回の増強に要する投資金額は、日独合わせ総額およそ300億円を予定している。

信越化学では、今年3月20日に直江津工場のセルロース製造設備において爆発火災事故が発生し、同工場における全てのセルロース製造設備の操業を停止した。爆発したMC−U工場を除く製造設備は5月後半より順次操業を再開したが、需要家をはじめとする皆様に多大なご迷惑をお掛けすることとなった。
SEタイローズでは、従来より主に建材用のメチルセルロースを生産していたが、医薬用のメチルセルロースの生産は行っていなかった。今回の直江津工場事故による影響を鑑み、安定供給を確保するため、医薬用メチルセルロースについても新たにSEタイローズでの生産を開始する。
また直江津工場でも、旺盛な需要に応えるため、既存の工場などで医薬用セルロースの生産能力を増強する。今回の日独における生産能力の増強により、信越化学のメチルセルロース全体の生産能力は年産約7万トンとなる。

セルロース誘導体はパルプを主原料とする水溶性高分子で、主に建材用、医薬用に使われるほか、食品、トイレタリー、土木など幅広い分野で使用されている。現在、信越グループは医薬用で世界シェアトップ、建材用でも世界トップクラスのシェアを有している。今回の増強を機に、医薬、建材、その他の用途の各分野において二極体制のメリットを生かし、安定供給に努めるとともに世界シェアの拡大を目指す。


2007年9月28日 旭硝子

米国のフッ素化学品生産拠点(ベイヨン工場)の閉鎖を決定

 旭硝子株式会社(本社:東京、社長:門松正宏)は、2005年から3年間の中期経営計画“ JIKKO-2007 ” の重点施策の1つとして北米地域の収益改善を掲げ、フッ素化学事業についても製造設備更新による生産性向上等の施策を実施してきましたが、今般、2007年12月末をもって、
AGCケミカルズ・アメリカ社ベイヨン工場でのフッ素化学品の生産を停止し、同工場を閉鎖することを決定しました。
 当社は、化学事業の成長分野であるフッ素樹脂事業のグローバル展開を図るため、1999年に
ICI社の英国及び米国のフッ素樹脂事業を買収、その後、英国に旭硝子フロロポリマーズU.K.社(現AGCケミカルズ・ヨーロッパ社)を、米国に旭硝子フロロポリマーズUSA社(現AGCケミカルズ・アメリカ社)をそれぞれ設立し、フッ素化学事業を展開しています。
 AGCケミカルズ・アメリカ社は、現在、フッ素樹脂PTFE及びフッ素系溶剤AK−225の製造・販売拠点であるベイヨン工場(ニュージャージー州ベイヨン)、フッ素樹脂コンパウンドを行うソーンデール工場(ペンシルベニア州ソーンデール)、並びにフッ素化学品の営業・サービス拠点であるテクニカルセンター(ペンシルベニア州エクストン)の3拠点を有しています。
 当社は、フッ素化学事業において、これまでも事業の選択と集中を実施してきましたが、米国でのPTFE事業の収益悪化を受け、米国におけるフッ素化学事業の戦略を大幅に見直し、ベイヨン工場でのPTFE、AK−225の生産を停止、同工場を閉鎖することとしました。一方、
ソーンデール工場においては、フッ素樹脂コンパウンドの生産を継続するとともに、エクストンのテクニカルセンターでのサービス機能を向上させ、日本、英国の生産拠点で製造した、高機能なフッ素樹脂「フルオンRETFE」やフッ素ゴム「アフラスR」などの輸入販売を強化します。
 当社は、今後も日本、英国、米国などグローバルに展開するフッ素化学事業の開発・製造・販売体制の最適化を図り、米国での同事業の収益改善に努めるとともに、お客様により高品質なソリューションを提供していきます。

<ご参考>
1.AGCケミカルズ・アメリカ社の概要
(1) 所 在 地 米国 ニュージャージー州
(2) 代 表 者 末廣 眞澄
(3) 設立年月 2004年1月(AGAケミカルズとAGCフロロポリマーズUSAが合併)
(4) 事業内容 各種フッ素化学品の製造・販売
(5) 資 本 金 75.1百万USドル
(6) 出資比率 AGCアメリカ100%(AGCアメリカは旭硝子の100%子会社)
(7) 生産拠点 ベイヨン工場、ソーンデール工場
(8) 従業員数 270名(2007年9月末時点)

2.AGCケミカルズ・アメリカ社ベイヨン工場の概要
(1) 所 在 地 米国 ニュージャージー州
(2) 事業内容 フッ素樹脂PTFE、フッ素系溶剤AK−225の製造・販売
(3) 敷地面積 約14万u
(4) 従業員数 157名(2007年9月末時点)

3.PTFE
 耐薬品性・耐熱性に優れたフッ素樹脂で、シート、チューブ、テープ等に加工され、半導体関連製品・自動車部品などに使用される。
4.AK−225
 不燃性、洗浄力、乾燥性に優れたフッ素系溶剤で、樹脂部品洗浄、希釈溶媒などに使用される。
5.フッ素樹脂コンパウンド
 ベースのフッ素樹脂に添加剤を混ぜ合わせ、新しい機能を持たせた成形前材料のこと。


2007/10/2 帝人

帝人と米カーギル社がジョイントベンチャー設立
ネイチャーワークス社に共同出資

 帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:長島 徹)と米国カーギル社(本社:米国ミネソタ州ミネアポリス、Chairman of the Board, Chief Executive Officer & President:Gregory R. Page)は、10月1日、100%植物由来の「NatureWorks®」バイオポリマーのメーカー、ネイチャーワークスLLC(本社:米国ミネソタ州ミネトンカ)に折半出資することで合意しました。同ジョイントベンチャーは、関係当局の認可後、正式に発足することになります。

 グローバル規模でポリマーを製造する帝人とカーギル社が提携することにより、両社は、今後、ネイチャーワークス社のグローバルな売上拡大が加速し、製品がプラスチックおよび繊維の幅広い市場に向けて拡大していくことを期待しています。また、このたびの提携により、ネイチャーワークス社の米国のPLAポリマープラント(世界初で最大規模の商業用製造施設)は生産能力を拡大する計画です。

 帝人は、人と地球環境に配慮した化学技術の向上と、社会と顧客が期待している解決策を提供することにより本当の価値の実現を目指しています。市場において著しい成長を示しているネイチャーワークスのPLAポリマーは、帝人およびその顧客にとって価値のあるビジネス領域であり、帝人が有する繊維、フィルム、プラスチックコンパウンドにおける用途開発技術は、それぞれの分野での新市場開拓に貢献することができます。また、今後のさらなる生産拡大に向けても大きな役割を果たすことが期待されます。

 ネイチャーワークス社は、2005年以来、米国、欧州、アジアで100を超える有名ブランドや小売業とのビジネスを通じて著しい成長を記録しました。現在は「NatureWorks®」および「Ingeo®」ブランドで、硬軟両タイプの生鮮食品用パッケージ、耐久消費財、飲料用パッケージ、衣料、ホームテキスタイル、パーソナルケア、衛生用品などの製品分野においてプロダクトイノベーションを実現しています。

 なお、ネイチャーワークス社の本社および経営陣は引き続きミネソタ州ミネトンカで変わりありません。また、経営幹部の異動などは予定していません。


【帝人株式会社 長島 徹 社長 のコメント】
 「カーギル社への理解が深まるにつれ、ネイチャーワークスのPLAポリマーおよびその他のバイオ由来製品に対して長期的なコミットメントを持つことに感心させられた。帝人グループは先般『環境経営宣言』を行い、『環境経営』戦略をグローバルに展開していくためにふさわしい投資先を求めていたが、ネイチャーワークス社はまさに最適であった。両社の連携により、PLAポリマー事業のさらなる成長を図っていきたい。」

【カーギル社 ジュローム・バスティアン 副会長 のコメント】
 「帝人の繊維、フィルム、プラスチックコンパウンドにおける川下への用途展開での豊かな知識は、我々のネブラスカ州ブレア工場の生産拡大にかけがえのない価値をもたらし、急成長するグローバル市場の中で、さらなる増設の検討にもつながるだろう。ネイチャーワークス社は、帝人の技術および最終製品の用途開発に関する専門知識から、大きな恩恵を受けられるものと考えている。ネイチャーワークス社は、帝人との連携により、多くのブランド、小売業者、コンバーターなどの持続可能なソリューションに対するグローバルな関心を、自社のバイオポリマーに向かわせることができるだろう。」

【ネイチャーワークス社 デニス・マックグロウ CEO のコメント】
 「このたびの提携は、世界初で最大のバイオポリマー製造会社にとって、またひとつ画期的な出来事である。帝人がネイチャーワークス社に投資する理由は、帝人およびその顧客にとって重要なビジネス領域で、我々がリーダーシップを持っているからである。一方、カーギル社が帝人をパートナーとしたのは、世界をリードするポリマー製造会社の1つである帝人の専門技術と、そのグローバルな事業領域を活用できるチャンスと考えたからである。これ以上に魅力ある組み合わせは、我々の業界には見当たらない。」


< 参考 : 会社概要 >

【 ネイチャーワークス社について 】
 地球環境に妥協することなく、世界が求める今日的・将来的ニーズに応えていくネイチャーワークス社は、100%バイオ由来の原料を用いて、石油由来の包装資材や繊維に匹敵するコストと品質を持つ低カーボンフットプリント(二酸化炭素排出量を抑えた)ポリマーを商業ベースで製造した初めての企業である。同社の独自技術を植物中の糖質の加工プロセスに用いて、独自のPLAポリマー(ブランド名:「NatureWorks®」「Ingeo®」)を創出した。詳しくは、同社ウェブサイト
www.natureworksllc.comへ。

【 帝人について 】
 帝人は、1918年に日本初のレーヨンメーカーとして発足。化学を基礎とした合成繊維メーカーへの転換を図り、その後、繊維事業で培った化学技術や経験を応用し、フィルム、樹脂、医薬医療、流通・製品、ITなどへ事業領域を広げてきた。2003年には帝人が持株会社となり、7つの事業を150社を超える企業が担う企業グループとして生まれ変わり、化学素材とビジネスソリューションを幅広く提供している。詳しくは、同社ウェブサイト
www.teijin.co.jpへ。

【 カーギル社について 】
 カーギル社は、食物、農業およびリスク管理に関する製品とサービスを提供するグローバル企業。世界66カ国に15万8000人の従業員を持つ同社は、顧客と協働し、顧客の成功を支援するために知識と経験を活用することを約束している。詳しくは、同社ウェブサイト
www.cargill.comへ。

2007年10月3日  化学工業日報

帝人、バイオポリマー生産でカーギルと合弁

帝人は2日、米カーギルと共同出資でバイオポリマーメーカー「ネイチャーワークスLLC」(ミネソタ州)を設立すると発表した。許認可が下り次第、11月には正式発足の見通し。現在、ポリ乳酸(PLA)を製造するネイチャーワークスは存続し、新たにポリマー製造を行う合弁会社を設立するもの。新会社はカーギルが有する世界最大の供給力と帝人のポリマー技術を融合させることで、グローバル展開に弾みをつける。今回の提携を機に既存プラントの増産を計画中だが、あわせて帝人も技術協力を図る計画。

 ネイチャーワークスは、カーギルとダウ・ケミカルが100%バイオ由来原料を用いたポリマー生産を目的に設立、現在も唯一の商業生産メーカー。しかしコスト面での不透明感から05年にダウが撤退を表明、以来、生産設備があるものの、それを最大限生かす運転技術などポリマー知見に弱い側面があった。ここ数年は原油高騰が続くほか、CO2削減など世界的なグリーン対策への取り組みが活発化、PLAに対するニーズが増大、グローバルな売上高も拡大している。一方で年産能力は14万トンながら実生産は7万トンで、世界的な玉不足から同社に対する要求も強まっている。

 今回、帝人はポリマー生産の部分でカーギルと合弁会社を設立するとともに、6名からなる役員協議会に3名を派遣、後発のPLAポリマーの巻き返しに乗り出す。当面は収率増大など技術協力を進める。ただ、ネイチャーワークスが2年以内に拠点のブレア工場のボトルネック解消で14万トンに引き上げるころには黒字化を果たすとともに、製品開発など具体的な成果にもつなげる方針。

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 カーギルは97年、米化学大手ダウと合弁でポリ乳酸事業を立ち上げた。05年にダウが撤退した後も事業を続け、世界で使われているポリ乳酸樹脂の大半を生産している。ネイチャーワークスはカーギル側から年産7万トンの生産設備を引き継ぎ、設備を改修して生産能力を年産14万トンに倍増させる。

 ポリ乳酸は生産が需要に追いついておらず、有望市場と見られている。日系メーカーでは関連の事業でユニチカや東レなどが先行し、帝人は参入の機会をうかがっていた。

fujisankei

 PLAポリマー事業にはすでに、ユニチカや東レといった国内の大手繊維・化学メーカーが進出している。2日、都内で会見した帝人の唐澤佳長副社長は、「すでに参入している企業に対しては競争相手というより、PLAポリマーの顧客として対応する」と話した。また、ネイチャー社のデニス・マックグロウCEO(最高経営責任者)は「世界をリードするポリマーメーカーである帝人の技術事業領域を活用できるチャンス」とし、帝人との提携を機にPLAポリマーの用途開拓を推進する考えを示した。

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October 1, 2007 - NatureWorks

Cargill, Teijin Form Joint Venture for NatureWorks

Cargill and Teijin Limited of Japan today announced a joint venture in NatureWorks LLC, maker of NatureWorks® biopolymer, derived from 100 percent renewable resources. On Oct. 1, the two companies entered into an agreement in which Teijin will acquire 50 percent ownership of NatureWorks, effective upon regulatory approvals.

The move comes as NatureWorks expands to the nameplate capacity of its U.S. polylactic acid (PLA) plant - the worlds first and largest commercial scale biopolymer manufacturing facility. Cargill and Teijin, a respected global polymer producer, will accelerate NatureWorksglobal sales growth and facilitate product expansion in the broad plastics and fibers markets served by NatureWorks.

Teijin's downstream application knowledge in fibers, films and plastic compounds will be of immeasurable value as we grow production at our Blair, Nebraska facility and consider additional expansion in the fast-growing global marketplace,said Cargill Vice Chairman Guillaume Bastiaens. NatureWorks will greatly benefit from Teijins expertise in technology and end-use application development. Teaming up with Teijin will allow more brand owners, retailers and converters to address their global interest in sustainable solutions using NatureWorks biopolymer.

NatureWorks PLA biopolymers, which are showing significant market growth, represent an important future-oriented business for Teijin and its customers. Under its commitment to developing bio-friendly chemical technology and related solutions, Teijin intends to leverage its expertise in applications for fibers, films and plastic compounds to play a key role in the development of new markets for NatureWorks biopolymer.

We are very impressed with Cargills long-term commitment to NatureWorks PLA polymers and other biobased products,said Toru Nagashima, president and CEO of Teijin. NatureWorks LLC is a perfect fit with our strategy of pursuing strategic investments to take our environmental management technologies global. We look forward to growing our global PLA polymer business through this partnership.

Since 2005, NatureWorks has recorded triple digit volume growth, with more than 100 leading brands & retailers in the US, Europe and Asia currently showcasing product innovations in flexible & rigid fresh food packaging, durable consumer articles, beverage packaging, apparel, home textile, personal care and hygiene applications marketed under the Ingeo brand.

Todays announcement marks another milestone for the worlds first and largest commercial biopolymer manufacturer,said NatureWorks CEO Dennis McGrew. Teijin sought to invest in NatureWorks because it recognized our leadership in an area important to them and to their customers. Cargill agreed to partner with Teijin because it recognized the opportunity to tap into the expertise and global reach of one of the worlds leading polymer companies. There is no more compelling combination anywhere in our industry.

NatureWorks LLCs headquarters and management team will remain in Minnetonka, Minn. No changes in senior management are anticipated.

About NatureWorks LLC

Dedicated to meeting the worlds needs today without compromising the earths ability to meet the needs of tomorrow, NatureWorks LLC is the first company to offer a family of commercially available low carbon footprint polymers derived from 100-percent annually renewable resources with cost and performance that compete with petroleum-based packaging materials and fibers. The company applies its unique technology to the processing of natural plant sugars to create a proprietary polylactide polymer, which is marketed under the NatureWorks® and Ingeo® brand names. For more information, visit www.natureworksllc.com.


日本経済新聞 2007/11/9

三菱化学 PTA減産強化 中国の新工場休止

 三菱化学は衣料用などのポリエステル繊維の原料になる高純度テレフタル酸(PTA)の減産を強化する。中国の新工場を休止し、減産幅を年間能力比で現在の2割弱から3割強にする。原油高に伴い主原料のパラキシレンが高騰する中、PTAは供給過剰で価格が低迷していることに対応する。PTA大手では三井化学も1割の減産を進めている。
 三菱化学は3月に立ち上げた中国浙江省の新工場(年産60万トン)を12月後半から休止する方針を固めた。「一時的な措置だが、再開時期は未定」といい、長期化する可能性もある。同社はグループ工場の一部ですでに稼働率を落としている。中国の工場停止を加えると合計で年間3割強の減産になるという。


2007年12月18日 クレハ

ポリグリコール酸樹脂「クレハPGA」の事業化について

 株式会社クレハ(本社:東京都中央区、社長:岩ア隆夫、以下「クレハ」という)は、12月18日、米国ウエスト・バージニア州にある米国デュポン社のBelle プラントの一画に年間生産規模4,000トンのポリグリコール酸樹脂(以下「PGA」という)工場を建設することを決
定しました。投資金額は約1億米ドル(約113億円)です。2008 年早々に米国に新会社を設立のうえプラント建設に着工し、2010年初頭から商業生産を開始、数年後には1 億米ドル(113 億円)を超える事業とする計画です。
 現在、原油価格が高騰し、今後もその状況の継続が予想される中で、PGA 事業は、環境、経済性の両面で社会に貢献するものとして事業化を決定したものです。

【PGA の特長と開発経過】
 PGA は高ガスバリア性(酸素や炭酸ガスを透過しにくい)、易加水分解性(水との反応で分解しやすくなる)、高強度といった特長を併せもつポリエステル樹脂の一種です。これらの特長は、最も単純な分子構造に由来し、今後PGA に匹敵する材料が出現する可能性は、科学的観点から極めて少ないと考えています。
 PGA は、工業的に生産することが難しく、これまで外科用縫合糸用途として比較的小規模で生産されているに過ぎませんでした。クレハは1995 年に世界で初めて工業的な生産技術開発に成功し、2002 年にクレハのいわき事業所に年産100 トンのパイロットプラントを設置した後、PGA の特性を生かす新たな用途の開発を進めてきました。

【PGA の用途と市場規模】
 主な用途として、PGA の高ガスバリア性に注目した分野で、炭酸飲料、ビール用の多層ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という)ボトルがあります。地球環境保護のため、石油消費量の削減は世界的な課題であり、PET の減量はそのひとつの手段です。PGAは、PET の100 倍のガスバリア性によって、炭酸ガスの保持能力を維持しつつ、PET を減量することを可能にしました。現在では、ボトル重量に対して1%のPGA をバリア層とするPET 多層ボトル成型技術の確立に見込みが立ち、その結果、PET を20%以上減量できる可能性がみえてきています。しかも、PGA は易加水分解性であるため、現存のPET のリサイクル工程に適応しており、再生PET の品質にも影響を与えることはありません。
 また、PGA は、ポリ乳酸樹脂(PLA)等のバイオマス樹脂に各種ガスや水蒸気のバリア性などの機能を付与することができ、それらの利用範囲を拡大することを通じて環境保護に貢献します。
 PGA の易加水分解性、高強度性を生かした工業用途について、いくつか有望な開発も既に行われており、高ガスバリア性を求める市場と合わせ、将来的には年間で数万トン以上の規模の市場を見込んでおります。今回の4,000 トンのプラントは、それを目指した布石としてのコマーシャルプラントと位置づけています。

【新会社の概要】
・ 会社名: Kureha PGA LLC
・ 事業目的: PGA の生産・販売
・ 資本金: 500 万米ドル(設立時の予定額。段階的に約1 億米ドルまで増資)
       ・・・ 当社グループで100%出資
・ 所在地: ウエスト・バージニア州 米国デュポン社Belle プラント内
・ 設立時期: 2008 年1 月(予定)

【米国での工場建設について】
 デュポンは、PGA の主要原料であるグリコール酸を生産・供給している企業であり、コーポレート戦略として顧客の環境負荷を低減する製品を積極的に展開しています。クレハのPGA 事業はこれに沿うものであり、デュポンからは原料供給にとどまらない協力をいただいております。
 また、工場の建設を予定しているウエスト・バージニア州の政府とは良好な協力関係を築いており、州政府からもクレハのPGA 事業を成功させるべく、様々な支援のご提案をいただいています。その中には投資税額控除、雇用者トレーニングサービス、また日本から赴任する従業員家族のサポート等も含まれます。今後PGA 工場運営において、クレハは現地で新たに約50 名を雇用する予定です。
 なお、本件による2008 年3 月期の連結業績予想への影響はありません。

<用語説明>
縫合糸: 外科手術等で切開部位を縫合するために用いる糸。素材(合成、天然)、太さ、吸収性・非吸収性などで分類され、用途に応じて使い分けられる。PGA は吸収性を持つ合成素材に分類される。

バイオマス樹脂: 石油などの化石資源ではなく、植物由来の原料から製造される樹脂。ポリ乳酸(PLA)のほか、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、でんぷん樹脂などがある。

ポリ乳酸(PLA): トウモロコシやサトウキビなどの植物に含まれるデンプンを発酵させて得られる乳酸を原料とした樹脂

グリコール酸: サトウキビなどにも含まれるフルーツ酸の一種で、人間の身体や動植物など、自然界に広く存在する物質

 


2008年2月1日
合成エタノール事業の強化について
〜日本エタノール社の統合〜
三菱化学株式会社
三菱化学株式会社(本社:東京都港区、社長:小林 喜光)は、合成エタノール事業の一層の強化を図るため、当社の完全子会社である日本エタノール株式会社(以下「日本エタノール社」)を吸収合併により、本年4月1日付で当社に統合し、当該事業を当社が直接運営する体制とすることといたしました。
日本エタノール社は、アルコール専売法時代の1969年11月に設立されて以来、一貫して合成エタノール事業に取り組んでまいりました。
一方、2001年のアルコール専売法廃止およびアルコール事業法の制定、さらには暫定期間措置の終了を経て2006年4月からはアルコールの製造・輸入・販売・使用が完全に自由化されるなど、事業環境は大きな転換を経てきており、また、原料であるエチレン価格の高騰や発酵アルコールとの競争激化など取り巻く環境は厳しさを増しています。
こうした中で、日本エタノール社は、事業運営の効率化を推進し、自由化への対応等、事業強化に向けた取り組みに成果を上げてきましたが、今回、日本エタノール社を当社に統合し、石化事業全体の中に有機的に組み込むことにより、こうした取り組みを一層強力に推進するものです。
当社は、今回の施策を契機として、化学工業用途をはじめ各種産業分野での合成エタノールの強みを生かし、一層事業を強化していくとともに、製造・マーケティング等において、戦略的な事業運営を加速化させることにより、お客様のご要望に対して迅速な対応と高品質な製品を提供してまいります。
【日本エタノール株式会社の概要】
1. 本社 東京都千代田区神田錦町一丁目16番地1
2. 社長 蓑田 豊一(みのだ とよかず)
3. 資本金 480百万円(2007年12月31日現在)
4. 売上高 6,192百万円(2007年3月期)
5. 主要製品 工業用エタノール
6. 主要株主 三菱化学(株)100%


2008年2月14日 クラレ

欧州でのPVB樹脂生産設備の増設について

 当社は、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂[商標名:Mowital<モビタール>]の需要拡大に対応するため、欧州現地法人クラレヨーロッパ(Kuraray Europe GmbH 所在地:ドイツ・フランクフルト 以下KEG)のPVB樹脂生産設備を増設(年産10,000トン)し、総生産能力を年産39,000トンに拡大します。本増設工事は、2009年7月に完了する予定です。

 PVB樹脂は、当社が1950年に世界で初めて工業化したPVA(ポリビニルアルコール)樹脂を原料として作られます。現在では、建築用窓ガラス、自動車フロントガラスの破壊・飛散を防止する合わせガラス中間膜用のフィルムをはじめ、塗料・インク分野などで需要が拡大しています。

 当社は、2001年にClariant AG(クラリアント)社からPVA樹脂・PVB樹脂事業を、さらに2004年にHT Troplast(トロプラスト)社からPVBフィルム事業を買収し、KEGにて原料PVA(ポリビニルアルコール)樹脂からPVB樹脂、同フィルムに至る一貫体制を確立し、“酢ビ・ポバール系事業”のダウンストリーム展開を強化・拡大しています。
 PVB樹脂は上記買収後、欧州の建築用合わせガラス向けを中心とする旺盛な需要に対応し、設備改造(デボトルネッキング)による能力増強を進めてきました。今後も引続き着実な成長が見込まれることから、このほど新ラインの増設に踏み切ることとしました。

 クラレグループは今後とも、市場のニーズに的確に対応できる新製品の開発、新市場の創造に努め、“酢ビ・ポバール系事業”の強化・拡大に注力していきます。

設備増強の概要

生産能力 :現状29,000トン/年 → 増強後39,000トン/年(+34%の能力増強)
場所 :フランクフルト(Frankfurt)(ドイツ)
投資額 :26百万ユーロ
完工時期 :2009年7月

PVB樹脂 設備能力推移

年 月 年産能力(増加分) 備 考
2001年12月 16,000トン (買収により取得)
2003年 20,000トン(+ 4,000トン) 設備改造
2005年 22,000トン(+ 2,000トン) 設備改造
2006年 25,000トン(+ 3,000トン) 設備改造
2007年 29,000トン(+ 4,000トン) 設備改造
2008年2月着手
2009年7月完工
39,000トン(+10,000トン) 新ライン増設


KEG の会社概要
1)社名:Kuraray Europe GmbH
2)資本金:31百万ユーロ(クラレ 100%出資)
3)社長:Dr. Gerd Lepper(ゲルド・レッパー)
4)本社:ドイツ フランクフルト
5)事業内容:PVA樹脂、PVB樹脂およびフィルムの生産販売 繊維製品、化成品、歯科材料の輸入および販売
6)従業員数:約540名


2008年3月31日 東ソー

エチレンアミンの大幅な生産能力増強について
〜機能商品事業をより一層強化し、ハイブリッド経営を加速〜

東ソーはこの度、南陽事業所(山口県周南市)において、機能商品事業の主力事業でフル生産・フル販売が続いているエチレンアミンの新系列年産
3万6千トン製造設備を建設することを決定しました。投資金額は200億円強を予定。まず第一期計画として、年産2万6千トン設備を本年3月に着工し、2010年3月完工、さらに第二期計画として、年産1万トン設備を2012年3月完工と二段階にわけて建設を進めます。

エチレンアミンはエポキシ樹脂硬化剤、紙力増強剤、キレート剤、界面活性剤、潤滑油添加剤、医・農薬原料など幅広い用途で使用されており、その需要は今後も年率3〜4%程度の安定的な伸びが予測されています。特に当社が唯一の生産メ−カ−であるアジア市場では、年率5%を上回る高い需要の伸びが見込まれています。東ソーのエチレンアミンは、コスト競争力のある「ビニル・イソシアネート・チェーン」事業の二塩化エチレン(EDC)、苛性ソーダ等を利用するEDC法から生産されており、さらにハイアミンと呼ばれる分子量の多いグレードを高い収率で製造できる独自の新生産技術を採用しております。

今回の新系列増設により生産能力は
年産8万9千トンとなり、世界トップ級の生産能力を有することとなります。今回の設備増強により、エチレンアミン事業の売上高は300億円を上回る事業規模に拡大する計画となっています。尚、当社はオランダにてアクゾ・ノーベル社(オランダ)との合弁会社であるデラミン社でもエチレンアミン事業を展開しております。

昨年12月に発表した四日市事業所でのハイシリカゼオライト・ジルコニア粉末の新規プラント建設に続く、今回の南陽事業所でのエチレンアミンの増強によ
り、弊社の最大の収益事業となっている機能商品事業の更なる強化・拡大をより加速させていきます。

デラミン社(オランダ)で年産3万トンのエチレンアミンを製造・販売している。


1996年03月18日 東ソー

エチレンアミンの生産能力増強について

東ソーは、ファイン・ケミカル事業の主力製品であるエチレンアミンの生産能力を年産4万トン強に増強することを決定した。第1段階として、南陽事業所にある現有プラント(年産1万5千トンの生産能力)のデボトルネッキングを本年夏に実施し、生産能力を約4割増強する。さらに第2段階として、97年末を目途に年産能力を4万トン強とする。(その後 5.3万トン?)

 エチレンアミンは二塩化エチレン(EDC)、苛性ソーダ、アンモニアを出発原料とするEDC法、あるいはエチレンオキサイド(EO)、アンモニアを出発原料とするEO法により製造され、分子量などの違いにより約8種類存在する。その用途は、エポキシ樹脂硬化剤、紙力増強剤、キレート剤、医・農薬、界面活性剤、染色助剤など幅広い。

 現在、エチレンアミンの需要は全世界で年間23万トン程度であるが、今後、年率4%程度の伸びが予想され、3〜4年後には完全な供給不足となる。なかでも当社以外に供給源のない東南アジア市場では年率10%近い伸びを示している。また、エポキシ樹脂硬化剤や紙力増強剤などの一般消費材に多く使用されている分子量の大きいハイアミンの需要増加が顕著であり、当社の製造法であるEDC法は競合他社のエチレンオキサイド法と比ベハイアミンの得率が高い。今回の増強により、今後の東南アジアを中心とした需要増加への対応に加え、当社で推進しているウレタン用触媒を始めとするアミン誘導品の拡大による自家消費率の増加への対応も可能な供給体制が整うことになる。

 当社はこれまで海外立地を含めFS(企業化調査)を重ねてきたが、南陽事業所に於ける電解ソーダ・EDC事業の持つ優位性を全面的に有効利用すること、製造技術の改良によりハイアミンの得率の大幅な向上が可能になったことなどにより、今回の増強に至った。

 当社はアクゾ・ノーベル社(オランダ)との合弁会社である
デラミン社(オランダ)で年産3万トンのエチレンアミンを製造・販売している。今回の増設により、合計で年産7万トンを超える生産能力を有することになり、ダウ・ケミカル社(アメリカ)、UCC社(アメリカ)と並び世界市場を睨んだグローバルな販売政策を構築、展開して行く。特に需要増加の著しい東南アジアに於いては、デラミン社との連携も強化、販売網の整理・統合を含め、強力な地盤作りを目指す。

Delamine
A joint venture between Akzo Nobel Chemicals the Netherlands and Tosoh Corporation Japan, producing Ethyleneamines in Delfzijl, the Netherlands.

Complete range of Ethyleneamines
Ethylenediamine EDA
Diethylenetriamine DETA
Piperazine Anhydrous PIP
N-Aminoethylpiperazine N-AEP
Triethylenetetramine TETA
Tetraethylenepentamine TEPA
Pentaethylenehexamine PEHA
Higher Ethylenepolyamines HEPA


2008/6/30 三井化学

アペル(R)(環状オレフィンコポリマー)第2プラントの営業運転開始について

 当社(社長:藤吉建二)は、非晶性で光学特性に優れたアペル(R)(環状オレフィンコポリマー)を製造販売しております。このたびプラント新設による生産能力増強が完工し、以下の通り営業運転を開始いたしました。

<新プラントの概要>
1.製品:       環状オレフィンコポリマー
2.商標:       アペル APEL
3.製造設備:    三井化学大阪工場内(大阪府高石市)
4.生産能力:    3,000トン/年
5.技術:       自社技術
6.総投資額:    約60億円
7.スケジュール: 着工:2007年1月、完工:2008年1月、
             営業運転開始2008年5月1日

※ご参考: アペルの既存プラント・・・三井化学岩国大竹工場内、生産能力3,400t/年

 アペルは屈折率が高く複屈折が小さいという特徴から、DVDのピックアップレンズやカメラ付携帯電話用レンズを中心に情報電子関連分野の光学材料として需要が急拡大しています。さらに、防湿特性を活かしたPTP(Press Through Package:錠剤の包装パッケージ)、収縮性を活かしたシュリンクフィルム等の機能性包装材料分野の市場における需要も大幅に増加しております。
 今後これらの市場は年率20%を越える伸長が見込まれるため、プラント新設により生産能力を増強いたしました。また、アペルの第1プラントは現在岩国大竹工場に立地しておりますが、BCP(事業継続計画)に基づく顧客への製品供給安定化のため、大阪工場にプラントを新設いたしました。

 当社は今般、経済・環境・社会の3軸経営の確立と革新的な新技術の創出により新たな価値創造へ挑戦することを基本コンセプトとした、08年度を初年度とする4年間の新しい中期経営計画(08中計)を策定いたしました。アペルが含まれる電子・情報材料分野は機能材料事業の重点領域の1つですが、同事業は08中計において、成長ドライバーたる高収益体質の獲得を使命としております。このたびの生産能力増強により、アペル(R)事業の更なる拡大・成長を図って参ります。


日本経済新聞 2008/7/18

三菱化学、植物樹脂を量産
「脱・原油依存」進める 年産1万トン、生産設備新設 10年度にも

 三菱化学は植物を使った合成樹脂の量産に乗り出す。2010年度にも生産設備を新設する計画で、従来の主原料である石油の使用量を減らして食器や家電などプラスチック製品を作れるようにする。植物樹脂は高価格など難点があったが、原油価格が1バレル100ドル程度なら競争力があると判断した。三井化学も木材からの樹脂生産を目指しており、石化業界で「脱・原油依存」の動きが加速している。

 樹脂2種類で植物転換を進める。土中で分解する「生分解性プラスチック」では、原料の約6割を占めるコハク酸をイモなどの糖分から作る方式に変更。従来は原油由来のナフサ(粗製ガソリン)から生産していた。
 10年度をめどに年産能力1万トンの設備を新設する。四日市事業所(三重県)内に置く方針で、投資額は数十億円。量産技術を確立し、15年度にも汎用樹脂並みの年10万トン規模に拡大、植物由来コハク酸に切り替える。残る約4割の原料も植物転換し、稲わらなど非食料の活用をめざす。

 自動車や家電製品に使う
ポリカーボネートでも植物でんぷんを主原料とする量産技術を開発する。09年度にも黒崎事業所(北九州市)に約10億円を投じ年数百トンの試作設備を新設、10年度以降の事業化を検討する。

 三井化学はシンガポールの政府系研究所など国内外11社・機関と連携して、木材や稲わらから合成樹脂を生産する技術の開発に着手した。木材1トンから基礎原料エタノールを300-400リットル作るのが目標で、15年度にも量産に踏み切る。

 植物樹脂は米カーギルと帝人の合弁会社がトウモロコシなどを原料に米国で年7万トンの商業生産をしているが、価格や強度などで課題があった。ただ、環境規制が強まるなか欧州を中心に潜在需要は大きいと見られる。


日本経済新聞 2008/8/23

帝人、トヨタから実証プラント バイオ樹脂生産能力 6倍
年1200トン 自動車や家電向け

 帝人は植物を原料とするバイオプラスチック(樹脂)の製造設備を増強する。トヨタ自動車から年産能力1千トンの実証プラントを購入し、2009年夏に松山事業所(松山市)で稼働する。製造能力を現在の6倍に引き上げ、本格的な事業化に備える。自動車や家電、繊維製品などで環境負荷の低い生分解性樹脂の需要が高まるとみており、10年度をメドに年産1万トンの量産を目指す。
 トヨタ自動車が04年に広瀬工場(愛知県豊田市)で導入したバイオ樹腹の実証プラントの設備を帝人が取得した。設備は解体して松山事業所に移設、帝人独自の製造技術を加えて改良する。設備の購入と改造に計20億円を投じる。
 トヨタは実証実験にメドが付いたとして今年3月に同プラントの稼働を停止していた。今後もバイオ樹脂の研究開発は継続する方針だ。
 帝人は今年7月に岩国事業所(山口県岩国市)で年産200トンの実証プラントを稼働しており、今回の設備購入により製造能力は2工場合わせて年間1200トンに増える。
 すでに同社はマツダと共同でバイオ樹脂を使った自動車用シート素材を開発。今年度中にもマツダ向けに供給する予定だ。これを商品化の第一弾として自動車や家電メーカーなどに売り込む。バイオ樹脂の採用が進めば新たに設備投資を行い、年産1万トン規模に能力を高める。
 バイオ樹脂の価格は通常の樹脂の約2倍とされるが、量産効果で価格差を縮める。帝人が開発したバイオ樹脂は耐熱性を従来の170度から210度に高めたのが特徴。石油由来のプラスチック製品の代替だけでなく、繊維に加工して衣料品などにも応用できる。
 バイオ樹脂を巡っては三菱化学が10年度にも年産1万トンの設備を新設する計画で、帝人はこれに対抗する。


2008/9/25 宇部興産

1,6へキサンジオールのタイ新工場建設を決定

  宇部興産株式会社(社長:田村浩章)は、予てより検討していたタイ国ラヨーン県での1,6へキサンジオール工場新設を正式に決定した。現地における製造・ 販売新会社「UBE Fine Chemicals (Asia) Co., Ltd.」は既に設立済みで、併産する1,5ペンタンジオールを含め年産能力6,000tの設備を、同国の宇部興産グループが所有する敷地内に、2009 年1月より建設を開始、2011年初頭から稼動させる予定。総投資額は数十億円で、フル生産時の売上高は1,300百万バーツを見込んでいる。

  1,6へキサンジオールは宇部興産のファインケミカル事業の主力製品の一つ。その特性から高品質、高性能なポリエステル・ポリウレタン樹脂や接着剤原料な どに使用され、特に近年では、環境負荷が低い材料として注目されるUV硬化型コーティング材への適用も進んでいる。世界需要が年率5〜8%で伸びる中、中 国を含むアジア市場は10%を超える最も高い成長率を示しており、今後も極端に需給逼迫状況が続くと予想される。

  宇部興産は、ドイツのBASF、ランクセスと並ぶ三大サプライヤーの一つとして、既に日本(宇部市、堺市)とスペイン(カステジョン市)で1,6ヘキサン ジオールを生産している。今回のタイ工場新設によりアジア市場の旺盛な需要に応えることで、グローバル市場における地位を更に強固なものとする。

  タイ国では既にカプロラクタム、ナイロン、合成ゴム工場が順調に稼動している。本件は、現地で初のファインケミカル製品として、付加価値の高い機能品・ ファイン事業展開を強化する方針を具現するもので、今後、新会社をアジア地域におけるファインケミカル事業の中核拠点に育成する予定。新工場の立地につい ては、アジアの主要顧客に近いことに加えて、隣接する当社グループの工場から主原料、ユーティリティの供給を受けられること、およびメンテナンスや事務処 理等のサービスを共有できるメリットも考慮した。

 宇部興産は、日本とスペインで1,6 へキサンジオールを主原料とするPCD(ポリカーボネートジオール)も生産しており、更に日本ではPCDを原料として環境対応型の機能性コーティング材料 (PUD:水系ポリウレタンディスパージョン)の量産設備も計画している。タイ国においても、将来、同様の誘導品展開を目指す。


【UBE Fine Chemicals (Asia) Co., Ltd.の概要】

・所在地:タイ国ラヨーン県 Thai Caprolactam Pcl.(宇部興産(株)連結子会社)敷地内
・代表者:チャルニア ピチットクン(Charunya Phichitkul)
      (宇部興産(株)常務執行役員、Thai Caprolactam Public Co., Ltd.、
       UBE Nylon (Thailand) Ltd.、Thai Synthetic Rubbers Co., Ltd.社長)
・事業内容:ファインケミカル製品の製造、販売
・設立:2007年10月
・資本金:500百万バーツ(宇部興産(株)100%出資)(予定)
・操業開始:2011年初頭(予定)
・生産品目:1,6へキサンジオール、1,5ペンタンジオール

 


2008年12月26日 東レ

欧州で自動車向けに炭素繊維複合材料部品を開発・生産
ドイツのCFRP部品成形メーカーに資本参加

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:榊原 定征、以下「東レ」)は、このたび、炭素繊維複合材料の自動車分野における事業拡大を図るべく、欧州にCFRP部品(CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics)の現地開発・生産拠点を設置することを決定しました。本年12月に、ドイツのCFRP部品メーカー ACE Advanced Composite Engineering GmbH(ACE・アドバンスト・コンポジット・エンジニアリング社、本社:ドイツ・インメンシュタット市、以下「ACE社」)に資本参加します(出資比 率:21%)。自動車分野でCFRP部品の採用が先行している欧州市場で現地開発・生産を手掛けることにより、将来飛躍的な成長が期待される自動車用 CFRP部品事業の本格拡大を目指します。

 ACE社は2001年に設立されたドイツのCFRP部品メーカーで、高級車やトラック等のCFRP部品を開発・生産・販売しています。同社は自動 車用CFRPの部品設計、成形加工をはじめ、金型治具製作、機械加工などにおいて高い技術力を有しており、欧州の主要自動車メーカー各社から高い評価を得 ています。

 これまで自動車外板用のCFRP部品は、従来からの製法であるプリプレグ成形で生産されてきましたが、成形時間が長くコストも高いことから、採用 は生産台数がごく少量で市場価格が非常に高いスーパーカーに限られていました。しかし自動車メーカーでは、昨今の地球環境問題への対応として車体のさらな る軽量化が急務となっており、CFRP部品を本格採用する機運が高まっています。高級車領域における本格普及に向けてCFRP成形技術の革新が求められる 中、年産10,000台規模の中量産車種に対応できるRTM (Resin Transfer Molding)成形技術が今後の主流になりつつあります。東レは今回の資本参加を通じてACE社との技術交流を深め、当社独自のRTM成形技術とACE 社の優れた技術を融合することにより成形技術の更なる革新と開発期間の短縮を図り、CFRP部品の量産車種への本格採用を加速させていきます。

 東レは、「自動車・航空機」分野を重点事業領域の一つと位置づけ、同分野向けに積極的に経営資源を投入しています。現在、その一環として名古屋事 業場(愛知県名古屋市)に「自動車・航空機」分野向けの総合技術開発拠点「A&Aセンター (Automotive & Aircraft Center)」の整備を進めています。この「A&Aセンター」において、本年10月の「オートモーティブセンター(AMC)」の開所に続き、来 年4月に「アドバンスト・コンポジット・センター(ACC)」を開所する予定です。ACCでは、RTM成形技術を進化させた「ハイサイクル成形技術」の実 用化等を進める一方、量産車種への適用に向けて熱可塑樹脂を用いた次世代コンポジットの開発を加速します。こうした日本における開発体制整備に加えて、 ACE社を欧州におけるCFRP開発拠点と位置づけ、グローバルな開発体制の下で自動車用CFRP部品の開発を推進していきます。東レは自動車分野におけ るCFRP部品の本格普及を加速させることで、2015年近傍に同分野向けのCFRP部品事業の売上高を500億円規模に拡大する計画です。

 東レは現在、中期経営課題 Innovation TORAY 2010 (IT-2010) の基本戦略の一つとして「重点4領域への先端材料の拡大」を推進しています。東レは、重点領域の一つにあたる「自動車・航空機」分野に向けた先端材料事業 の強化・拡大を図り、高収益企業への転換を加速して参ります。

ACE社概要(2007年末現在)

1.   社名 ACE Advanced Composites Engineering GmbH
2.   事業内容 自動車部品その他の設計、試作、開発、製造、販売
3.   所在地 ドイツ インメンシュタット市
4.   設立 2001年1月
5.   資本金 70千ユーロ(約9百万円)
6.   出資比率 東レ 21%、その他 79%(2008年12月末現在)
7.   売上高 5,806千ユーロ(約7.5億円)