(2002/4/1 Chemnet Tokyo)

「三井住友ポリオレフィン」が1日から業務開始
  園田会長と榊社長が力強く挨拶

 三井化学と住友化学工業のポリオレフィン事業部門を統合した新会社「三井住友ポリオレフィン」(園田隆一会長、榊由之社長)が1日、業務を開始した。
 
 新会社の資本金は70億円(両社折半出資)。従業員数は400人。本社は東京都中央区新川2丁目の東京住友ツインビル内。名古屋と大阪に支店を、そして福岡に営業所を、さらに千葉県袖ヶ浦市の北袖と長浦に研究所をそれぞれ設置している。
 
 営業品目は、高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセンプラストマー、ポリプロピレン(PP)、超低温シーラントポリプロピレン、ガラス長繊維強化ポリプロピレン--など。
 
 これらの樹脂の製造は当分の間、両親会社に委託していく。設備能力は、国内が年産194万8,000トン、海外が同109万5,000トンの合計304万3,000トンとなっている。内訳は、LDPEが国内34万2,000トン、海外23万トンの計57万2,000トン、L−LDPEが国内39万9,000トン、海外15万トンの計54万9,000トン、HDPEが国内のみの20万6,000トン、PPが国内100万1,000トン、海外71万5,000トン--となっている。国内では最高の規模。世界全体では、ポリエチレンが第10位、ポリプロピレンが第4位となる。
 
 1日の営業開始に当たって園田会長と榊社長は全社員に対して概要次のように力強く挨拶した。
[園田隆一会長]
 ポリオレフィン事業の環境は、輸入関税の低下もあって数量と価格の両面で一段と厳しくなる見通しだ。したがって、当社の最大の課題は合理化の徹底ということになる。これまで両社で進めてきたコストダウンに今回の統合シナジーを加えてより大きな成果をあげていかねばならない。
 限りなく厳しい競争が続くが、私たちSMPOは日本を代表するポリオレフィン会社としてアジアならびに欧米の市場の成長分野における事業の強化・拡大に取り組み、しっかりした利益をあげながら成長していきたい。

[榊由之社長]
 当社には2つの使命がある。その1つはポリオレフィン事業の再構築を実現することであり、そしてもうひとつは、両親会社全体の統合に向けてのフォアランナーとしての役割を果たすことだ。
 前者の場合は、これまで1社でできなかったさらなる合理化やシナジー効果の追求が不可欠であり、また、収益重視の国内マーケット戦略の展開と差別化を主眼としたグローバル戦略の展開による事業の強化・拡大が極めて重要だ。また後者に関しては、両親会社の持つ優れた社風を組み合わせて永続的発展を支える新しい風土を作ることが大切と考える。ついては、常に革新を追及する活力に満ちた風土を形成し、のびのびと対外的活動ができる会社とすることが重要だ。皆で一緒になってこうした課題に挑戦し、きちんとクリアしていきたい。


(2002/3/18 日本ポリケム 発表)

川崎工場ポリエチレン樹脂製造設備の一部停止について

 日本ポリケム株式会社(本社:東京都千代田区、社長:坪井孝ョ)は、このたびポリエチレン樹脂事業の体質強化を図るため、平成14年8月(予定)をもって川崎工場における高密度ポリエチレン樹脂の製造設備2系列(95千トン/年)のうち1系列45千トン/年を停止することと致しました。

 ポリエチレン樹脂事業を取り巻く状況は、内需の落ち込み、輸出の減少、輸入製品の増加等厳しい事業環境のもとで市況の下落と低稼動を余儀なくされており、今後も2004年に向けての輸入関税率の逓減等、数量面でも高い伸びを期待することは困難な状況にあり、国際競争に生き残るためには思い切ったコストダウンを図ることが経営の最重要課題であります。

 当社は、現在、川崎・水島・鹿島の3工場において、高密度ポリエチレン樹脂合計で全5系列、200千トン/年の生産能力を有しておりますが、生産能力の最適化、要員・資産の効率化を図り上記環境下での競争力強化のためにも本系列の停止が最適と判断いたしました。

 過日ご案内いたしました四日市工場でのポリプロピレン製造設備の停止なども含め、当社では、引き続き最適生産体制の確立、物流効率化等、あらゆる手段のコスト削減策を積極的に実施し、強い競争力のあるポリオレフィンメーカーに向けた展開を図ってまいります。


(2002/2/15 三井化学・住友化学 発表)

三井住友ポリオレフィン(株)の営業開始日について

 三井化学と住友化学は、これまで両社のポリオレフィン事業の統合会社となる新会社(三井住友ポリオレフィン株式会社)の営業開始日について協議してまいりましたが、今般、本年4月1日に新会社の営業を開始することといたしました。


《ポリオレフィン事業統合新会社の概要》

 1.社名  三井住友ポリオレフィン株式会社 
       (Sumitomo Mitsui Polyolefin Company, Limited)      

 2.所在地 東京都中央区新川二丁目27番1号 東京住友ツインビル

 3.資本金 70億円(出資比率 三井化学:住友化学=50:50)

 4.役員  代表取締役会長:園田隆一(住友化学)
       代表取締役社長:榊 由之(三井化学)


(日本経済新聞 2002/2/16

  三井化・住化 樹脂統合会社 4月営業開始

 三井化学と住友化学工業は15日、両社の汎用合成樹脂事業を統合する新会社「三井住友ポリオレフィン」(東京・中央、榊由之社長)を今月中に設立、4月1日から営業を始めると発表した。当初予定より半年遅れとなるが、合理化を進めて競争力を強化する。
 


2002/08/19 日本ポリオレフィン

HDPEプラントの一系列休止について

 日本ポリオレフィン株式会社(社長 松下 浩、本社 港区虎ノ門1−26−5)は、川崎地区の高密度ポリエチレン(HDPE) 年産4万トンプラントを、2002年10月末日をもって休止することを決定いたしました。

 当社は、1995年10月設立以来、国際競争激化の合成樹脂業界の中で勝ち残りを目指し,グレード統廃合による生産の合理化、物流費削減、業務の効率化、人員のスリム化などを実施し、コスト改善に努めてまいりました。
 しかしながら、昨今の原料ナフサ価格の高止まりをはじめとする経営環境悪化の中、設備集約による生産効率の最適化および不採算分野の縮小を目的として、川崎地区HDPEプラント2系列のうち年産4万トンプラントを休止し、年産12.5万トンプラントに生産を集中することにいたしました。


(日本経済新聞 2002/2/4              
     
  過剰設備の廃棄拡大  競争カを強化 輸入品に対抗

 市況低迷が続く石油や化学など素材産業で過剰設備を休止・廃棄する動きが広がってきた。


 昭和電工と日石化学が出資する日本ポリオレフィンは年内にも川崎工場の老朽化したポリエチレン設備(年産能力約4万トン)の稼働を止める。将来は廃棄する見込み。日本ポリオレフィンとの事業統合を計画する日本ポリケムもポリエチレンの設備を縮小する方向で検討に入った。  (
関連記事 別紙)
 ポリエチレンの関税は2004年までに段階的に引き下げられる。すでに日用品などポリエチレンの加工品はアジアからの輸入が増加している。


(Chemnet Tokyo 2001/12/13) 

公取委、三井・住友、日本ポリケム・チッソのポリプロ事業統合を承認    

  公正取引委員会は13日、ポリプロピレンの事業統合で2グループの計画承認を発表したが、ポリエチレンに触れず、判断結果も示していないことについて、同委員会の松尾企業結合課長は「三井化学と住友化学の場合は、はじめから問題ないと判断されたため、早い段階でそのことを伝えてある」と、すでに同意済みであることを明らかにした。

 また、
日本ポリケムと日本ポリオレフィンの事業統合計画については、「事前相談はあったが、その後、当事会社から一時中断してほしいとの申し入れがあったため、今は審査はしていない」と語った。
                


(日本経済新聞 2002/2/1

  三菱化学など4社 事業統合、大幅ずれ込みへ  「早くて秋」の見方強く ユニカー合流案浮上

 三菱化学、昭和電工、東燃化学など化学4社のポリエチレン事業統合が当初予定の今春から大幅にずれ込むことが31日、明らかになった。東燃化学が5割出資する
日本ユニカーも合流した方がよいとの意見が浮上しているためだ。


日本経済新聞 2002/6/22

樹脂事業統合大幅ずれ込む ポリケムなど3社

 三菱化学と東燃化学が出資する日本ポリケムが、巳本ポリオレフィン(JPO)、チッソとの間でそれぞれ予定している合成樹脂事業の統合が当初計画に比べ大幅にずれ込むことになった。2002年春から年央としていたが、東燃化学の実質的な経営権を持つ米エクソンモービルの承認が遅れているため。

     * 
下記 日本ユニカー問題も        


(化学工業日報 2001/12/6)

日本ポリケムー日本ポリオレフィン、PE統合ずれ込み必至

 日本ポリケムの親会社である東燃化学が出資するPEメーカー、日本ユニカー(NUC)との資本関係について審査当局が改めて問題点を指摘しているためだ。日本ポリケムはこれまでNUCとのアライアンス交渉が不調に終わっていたことから、JPOとの合弁交渉を優先させてきた経緯があるが、ここにきてNUCとの調整が大きな壁となっている模様だ。


(日刊工業新聞 2002/1/30)  
       JPO、日本ポリケムとのPE事業統合の準備作業を前倒し

 日本ポリオレフィン(JPO 花倉康治社長)は、合成樹脂のポリエチレン(PE)で日本ポリケムと予定している事業統合をにらんだ準備作業を前倒しで実施する。川崎工場(川崎市)で一部設備の停止準備を始めたほか、間接人員も圧縮する。今春予定の統合は検討事項が多岐にわたり、ずれ込むのは必至。しかし、競争力強化の出遅れを防ぐには準備を先行させることで、統合と同時に効果を引き出すことが必要と判断した。

 JPOが停止の準備をしているのは、川崎工場内で稼働させているPEプラント全7系列のうちの1系列。同系列で製造している製品については、停止後の受け皿となる他設備を使って、グレード別に必要な試作と評価を始めている。
               


(1998/3/16 旭化成・ダウ 発表) 
   シングルサイト触媒によるスラリー法ポリエチレンの独占ライセンス契約締結

 旭化成工業株式会社とザ・ダウ・ケミカル・カンパニーとは、今般、ダウ社のシングルサイト触媒(SSC)技術である、「インサイト」技術によるスラリー法ポリエチレン製造技術のライセンス契約を締結致しました。本契約により、旭化成は日本において同技術によるスラリー法 ポリエチレンの独占的製造・販売権を得ることになります。

 シングルサイト触媒技術は、従来技術によるポリエチレンに比べ高性能なポリマーが得られることから、次世代のポリエチレン技術として、近年注目を集めており、世界の主たるポリエチレンメーカー各社が開発に取り組んでいます。「インサイト」触媒技術はダウ社固有のシングルサイト触媒技術で、ダウ社は開発・商業化で世界のトップを走っているとともに、多くの特許も保有しております。
 一方、旭化成は、スラリー法ポリエチレンの固有技術と永年にわたり蓄積された知見を有しています。
 今般の「インサイト」触媒技術を使用したスラリー法でのポリエチレン製造技術は、こうしたダウ社と旭化成の共同開発を通じて開発されたものです。

 この技術は、チーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒といった従来の触媒や一般のシングルサイト触媒では不可能な独自のポリマー構造をポリエチレンに付与することが可能です。その結果、ポリエチレンの高密度化が可能で、かつこのポリエチレンによる成型品が強度、対環境特性、加工性に優れるという特長を持ちます。こうした特長から、特に高密度ポリエチレンの中空成形容器や水道パイプ等の市場への展開が期待できます。

 旭化成は、この技術を同社水島製造所(岡山県倉敷市)のスラリー法高密度ポリエチレンプラントへ導入することを計画しており、98年の後半からこの技術によるポリエチレンの試験販売を開始し、99年には本格生産に移行する予定です。同プラントは、この技術の世界初の商業化プラントとなります。この技術の日本以外での第三者へのライセンスはダウ社が独占的に行い、今後、ダウ社は各スラリー法ポリエチレンメーカーに対するライセンス活動を展開していく方針です。


〔丸善石油化学 homepageより〕

京葉ポリエチレン株式会社 
 
・設立    1997年8月7日
・営業開始  1997年10月
・本社    東京都中央区日本橋三丁目13番5号 (第26興和ビル7階) 
・資本金   4億8,000万円
・株主    丸善ポリマー(株)、チッソ石油化学(株)(折半出資)
・事業目的  高密度ポリエチレンの
販売(国内および輸出)


丸善ポリマー

1981/3 「日産丸善ポリエチレン」設立(日産化学 51%、丸善石化 49%)
      日産化学、日産ポリエチレンのHDPE事業継承
1989   丸善石化 70%に。
1990    丸善石化 100%
1991    社名変更 「丸善ポリマー」
1997/10 「京葉ポリエチレン」に販売部門を移管、製造会社に。


化学経済 2000/9  

ポリオレフィン一体化会社の現況と展望 日本ポリオレフィン       設立発表

日本ポリオレフィンの概要

本社所在地  東京都港区虎ノ門一丁目26番5号
設立     1995年6月1日
営業開始   1995年10月1日
資本金    150億円
営業目的   (1)合成樹脂の製造および販売    
       (2)各種の合成樹脂加工品の製造および販売
決算期    12月31日
従葉員数   620人 
事業所    本社、大阪支店、名古屋営業所        
       研究開発センター(川崎・大分)
       大分工場、川崎工場
株主     昭和電工(65%)日本石油化学(35%)

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ポリエチレン専業で再スタート  2002年度には経営基盤を確立  

 ポリオレフィン樹脂事業統合会社の先駆けとなった日本ポリオレフィン(略称JPO)は、2000年6月に設立5周年を迎えた。大分のLLDPE設備を大分エルエルに分離し、その後休止したのに続き、1999年6月にはPP事業をモンテル・エスディーケイ・サンライズ(MSS)に譲渡、ポリエチレン(PE)専業メーカーとして再スタートした。  

 JPOは95年6月、昭和電工65%、日本石油化学35%の出資割合で設立され、同年10月に両親会社からポリオレフィン事業を譲渡され、営業を開始した。

 生産拠点は大分、川崎の2カ所で、生産能力は主力のHDPEが大分3系列19万7000トン、川崎が2系列13万5000トンの合計5系列で年産33万2000トン。また、LDPEは大分が3系列12万3000トン、川崎が3系列9万1000トンの合計21万4000トン、LLDPEは大分が1系列6万3000トン、川崎が1系列6万7000トンの合計13万トンで、ポリエチレンの生産能力合計は67万6000トン。 一方、PPは大分が21万6000トン、水島の日本ポリプロが6万4000トン、東北ポリマーが3万トン、浮島ポリプロが3万6000トンの合計34万6000トンとなり、ポリオレフィン生産量としては年産100万トン規模の国内では最大級の企業となった。  

 PP事業をMSSに譲渡   
 収益を圧迫してきた最大の要因は、ナフサ価格の上昇が直ちに連動してエチレン価格が上昇するにもかかわらず、それを製品価格に転嫁できないことにあるが、出血を抑えるために
大分のLLDPE事業を99年1月に大分エルエルに分離・譲渡した(その後、設備は休止)。また3月には旭化成工業との合弁会社の日本ポリプロのPP設備を休止した。同時に6月にはPP事業をオランダ・モンテルポリオレフインズ、昭和電工、日本石油化学の合弁会社であるMSSに譲渡し、JPOはポリエチレン専業メーカーとして再スタートを切った。  


 これらの結果、99年度に経常利益で初めて18億円の黒字を計上した。しかしポリオレフィンの輸入関税は2004年には 6.5%の定率になることが決まっており、値下がりする輸入品と競合しながら累損を一掃するためには、2工場のさらなる合理化、高付加価値分野へのシフトによる売上高のアップ、物流費の削減、管理部門の合理化努力が必要になっている。  

 


(2002/4/4 Basell発表)

Basell Awarded U.S. Patent for Pioneering Olefin Polymerisation Process  

Basell is pleased to announce that it has been awarded a U.S. Patent for a pioneering process for making olefin copolymers. The process, invented by Nobel Prize winner Professor Giulio Natta and his co-workers, is widely used for the production of ethylene copolymers and other polyolefin products.   "We are very proud of this patent," said Enrico Zanoli, Basell's senior vice president for Intellectual Property. "It reflects the strong technological heritage of our company. With the issuance of this patent, Professor Natta's fundamental contributions to our industry are again given recognition."  
There was a lengthy delay in issuing patent No. 6,365,687 -- the application was filed in the mid-1950's -- as a result of the comprehensive examination given to the application by the U.S. Patent Office and several judicial and administrative appeals involving competing applications filed by other companies.  
"It was frustrating at times," said Zanoli, "but we are pleased with the thoroughness of the examination process and the final outcome of it."   Licenses under the patent are available to interested parties.
Basell is the world's largest producer of polypropylene, the largest supplier of polyethylene in Europe and a global leader in advanced polyolefin products and the development and licensing of polypropylene and polyethylene processes and catalysts. Basell serves customers in more than 120 countries with materials produced in 18 countries. Basell's corporate headquarters is located in Hoofddorp, The Netherlands; the company has regional headquarters in Wilmington, Delaware, USA; Brussels, Belgium; Mainz, Germany; Sao Paulo, Brazil, and Hong Kong.

注: 
米国特許法は
先発明主義のため、昔の申請が生き返ることが時々起こる。
Natta教授と同僚のZiegler教授のPP製法特許(1950年申請)が1978年になって認められ、日本のPPメーカー各社が米国向け輸出自動車に使用されたPPに対して特許料を払ったことがあった。

本件はTiーハロゲン系触媒で生成するエチレンとαオレフィンとの共重合体の製法特許。この製法で生産した製品を米国に輸出する場合には抵触することになる。


European Chemical News. 15-22 April 2002

Basell awarded US copolymers patent

It has taken over 40 years, but Basell has just been awarded a US patent for a process for making olefin copolymers.
The lengthy delay, US patent 6365 687 was originally filed in June 1955 by Professor Guilio Natta and co-workers, was a result of several judicial and administrative appeals involving competing applications filed by other companies.
Enrico Zanoli, Basell's senior vice president for intellectual property, says the patent has a broad scope and believes there will be interest in licensing the technology covered by the patent.
Basell already uses the process and says it is 'widely used for production of ethylene copolymers and other polyolefin products'. But Zanoli would not be drawn on whether other copolymer producers would now be in breach of the Basell patent.
When Phillips had its composition of matter patent for polypropylene (PP) upheld in the US courts in 1983 and 1990, it managed to obtain revenue from almost all companies producing PP in, or exporting PP to, the US. There is some analogy here, admits Zanoli. The Phillips patent expired in March 2000.
The Basell patent covers copolymers based on
ethylene and alpha-olefins such as butene, pentene and hexene. It is not process specific and covers mainly catalysts and components, says Zanoli.
The patent cites reactions in the presence of a
catalyst comprising a catalytic aluminium alkyl compound and a catalytic titanium halide compound.
Licences are now available and Zanoli is expecting there to be several interested parties. As the patent was filed before 1995, it will run for 17 years from the date it was granted, giving Basell protection
until 2019.


千葉ポリエチレン

1990/2 設立 住化 75%、東ソー 25%
       (同じユニオンポリマーの宇部興産は単独でBP法LLを建設)

1992/2 住化気相法LLDPE 完成 出資比率引取


最近のプラスチック関連技術情報紹介  http://www.nishipla.or.jp/J-PRO/Pla_Info94.htm

工業材料  7月号   1999 / Vol.47  No.7        

■LLDPE用新触媒を住友化学が開発                     

 住友化学工業は、
直鎖状低密度ポリエチレン用の新触媒を開発した。今回開発された触媒はチーグラー系で、活性点が単一に近くなるため、フィルムに加工した際の透明度が高く、べたつかないなど、従来品に比べて高機能である。すでにサンプル出荷を通してマーケティング活動を行っているが、ユーザーから高い評価が得られており、本格採用に踏み切る方針を固めた。住友化学と東ソーが合弁で設立した千葉ポリエチレンが千葉工場内にもつプラントで行っているLLDPEの生産を、秋から新触媒に全面的に切り替える、新触媒の採用により、複数グレードの優れた点だけをもつグレードの開発が可能となるため、LLDPEのグレード数も現在の15から半減しコスト競争力も強化できる。


(1996/11/20 三井石油化学、住友化学発表)

 メタロセン触媒による気相法LLDPE 生産合弁会社設立の件

 三井石油化学工業株式会社(社長:幸田重教、以下「三井石化」という。)と住友化学工業株式会社(社長:香西昭夫、以下「住友化学」という。)とは、メタロセン触媒による気相法直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE )の生産を目的とする合弁会社を下記のとおり設立致しました。
 メタロセン触媒によるLLDPE は、低温での熱融着性、強度等に優れ、新規用途が見込まれるほか、樹脂加工段階での生産性が大幅に改善されることから、国内外での需要拡大が期待されております。
 両社は、合弁会社から製品を引取り、それぞれ独自のマーケティングにより本事業の拡大を図ります。

1 .会社名   日本エボリュー株式会社
2 .社長   榊 由之 (三井石化専務取締役)
3 .本社所在地   東京都千代田区霞が関三丁目2 番5 号
4 .設立時期   1996 年11 月20 日
5 .資本金    4 億円
6 .出資比率   三井石化:75 %、住友化学:25 %
7 .事業目的   メタロセン触媒によるLLDPE の製造
8 .製造設備    
 (1 )立地   三井石化千葉工場(千葉県市原市所在)内
 (2 )生産能力   20 万トン/年
 (3 )採用技術   三井石化が開発した製造技術
 (4 )営業運転開始   1998 年春
9 .製品の引取   出資比率により製品を引き取る。

 


最近のプラスチック関連技術情報紹介
   
低密度ポリエチレン「エボリュー」、プラストマー「エボリューP」
                 
http://www.nishipla.or.jp/J-PRO/Pla_Info12.htm

工業材料  12月号 1999 / Vol.47  No.12 P26〜P28

 三井化学は1995年、メタロセンHAO(High Alpha Olefin)−LLを「エボリュー」という商品名で上市し、1998年、世界で初めてのメタロセン触媒を使用した専用プラントでの生産を開始した。「エボリュー」の特徴は以下のとおりである。

コモノマーとしてヘキセンを採用しHAO−LLとした。ブテンをコモノマーとしたC4-LLに比べて機械的強度の強い製品が得られる。
メタロセン触媒を使用した。メタロセン触媒は活性点が均一であることから組成分布、分子量分布の狭いポリエチレンが得られる。これにより低温シール性、機械的強度、耐ブロッキング性に優れた製品が得られる。
「エボリュー」製造プラントを多段重合プロセスとした。メタロセン触媒から得られるポリエチレンは分子量分布が狭く、場合によっては流動性が悪く成形性を悪化させることがある。多段重合プロセスによって分子量と分子量分布が自由にコントロールでき、成形性に優れた品質設計を可能とした。

 さらに、密度がLLよりも低く、エラストマーよりも高い領域をプラストマーと呼び、この領域の製品を「エボリューP」という商品名で上市した。従来触媒系では生産が難しかった密度領域がメタロセン触媒を使うことにより生産可能となった。


三井・デュポン ポリケミカル

1960/12  「三井ポリケミカル」設立 三井石化 50%、デュポン 50%
1963     大竹工場完成
1967     千葉工場完成  

1984    社名変更「三井・デュポン ポリケミカル」
         LDPE事業を三井石化に譲渡(
製造は受託
         Specialty Copolymer(EVA、アイオノマー等)事業に専念 


日本ユニカー

1961/1  「日東ユニカー」設立 日東化学/UCC合弁
1963    川崎でLDPE生産開始
1965    三菱レイヨンが日東化学に代わり参加
1966    「日本ユニカー」に改称

1980    東燃化学が三菱レイヨンの持株を譲受       
          *東燃化学 : 東燃(現東燃ゼネラル石油)の100%子会社
          *東燃株主 :
                 エッソ石油    27.91%
                 モービル石油 22.11% (エッソ石油 100% 子会社)

2000    東燃(石油精製)とゼネラル石油(精製・元売り)が合併、東燃ゼネラル石油に。
2001    
Dow/UCC合併
2002    東燃ゼネラル石油株主が合併、エクソンモービル 50.02%

          


化学工業日報 1999/1/12

昭電がLーL新会社
 「大分エルエル」1日付で発足 JPO支援の一環

 昭和電工は1月1日付で直鎖状低密度ポリエチレン(LーLDPE)の新会社「大分エルエル」を設立、
LーLDPE設備を移管した。新会社は日本ポリオレフィン(JPO)にこの設備をリースする。昭和電工と日本石油化学はポリオレフィン事業の再編成を図るため、ポリプロピレン(PP)でモンテルと新たなアライアンスを組み、PP新合弁会社を設立する一方、ポリエチレン(PE)についてはJPOの負担を軽減し、PE専業メー力ーとして再構築することを決めていた。すでにJPOでは昨年12月末に新資本金150億円に50億円の増資を完了しており、今回の新会社設立、その他設備の移管などPEの新事業体制を確立していく計画。
 
新会社は昭和電工100%出資で、1月1日付で発足、社長には山戸敬昭和電工専務が就任した。資本金など詳細については明らかにされていないが、昭和電工が数十億円の一時損失を負担するかたちで、新会社に昭和電工大分のL−LDPE専用設備およびスイング・プラント計年6万トン能力を譲渡し、新会社はこのLーLDPE設備をJPOにリースすることになる。
 JPOはポリオレフィン需要不振、操業短縮などで赤字経営に陥り、累積損失が資本金に相当する約100億円に増大する見通しとなった。このため昨年10月末に昭和電工、日石化学の両親会社がJP0の増資を決定する一方、ポリオレフィン事業の再構築、再編成に乗り出した。PPは新たに世界最大のPPメーカーであるモンテルと提携、新合弁会社を5月に設立することで合意、JPOをPE専業メーカーとして再スタートさせることにした。ただ採算が問題となっているLーLDPEなどは昭和電工が新会社を設立、設備を移管し、新会社が償却負担するかたちで、メタロセン触媒PE「ハーモレックス」(商品名)設備も日石化学が負担する方針を固めていた。
 増資については12月24日に払い込みを完了、新資本金150億円(出資比率は従来通りで、昭和電工97億5千万円、日石化学52億5千万円)となった。さらに今回、新会社「大分エルエル」を設立、LーLDPE設備の移管、さらに今後高密度ポリエチレン(HDPE)の設備移管などで当面のPE事業体制を確立、黒字転換、収益体質強化を推進していく。 


Chemnet Tokyo 2001/12/10

旭化成のPEの高付加価値戦略が軌道に
      メタロセンPEもスムースな立ち上がり

 旭化成のポリエチレン事業部門がかねてから精力的に取り組んできた高付加価値品種の育成・強化活動が軌道に乗ってきた。

 現在同社が特に多くのエネルギーを集中して育成・強化に取り組んでいるのは、超高分子量ポリエチレン「サンファインUH」、ポリオレフィン系親水性多孔質プラスチック「サンファインAQ」、粉末ポリエチレン「サンテック−PAK」、焼結成形用パウダー「サンファインSH」、メタロセンポリエチレン「クレオレックス」−−など同社特有の高付加価値製品。いずれも、激しい国際生存競争のなかでポリエチレン事業の存続を図っていくには市場ニーズの高度化と多様化にきめ細かく対応していける独自の高付加価値品種の開発・育成が不可欠との考えに沿って開発・育成中のもの。
 「
サンファインUH」は、耐磨耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、耐薬品性などが大きな特徴。工業部品や産業資材が主な用途。
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サンファインAQ」は、吸水力に優れていながら吸水による形状変化や強度の低下がない点が強み。打ち抜きや切断などの加工性も高いという。このため家電や事務機の分野に新しい領域が切り開けつつある。 
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サンファインSH」は、軽量ながら剛性に富み、優れた焼結強度を発揮する点が最大のセールスポイント。濾過材、医療機器、消音材などに人気が出てきている。
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サンテック−PAK」は、柔軟性、耐薬品性、低温でに耐脆弱性、加工性などの特徴を持ち、冷蔵庫の網棚や自転車かご、フェンスなどの分野に独自の市場基盤を構築しつつある。
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クレオレックス」は、世界でもめずらしいメタロセン触媒による高密度ポリエチレン。従来のメタロセンPEの短所であった加工性を改良、合わせて耐衝撃性、耐環境応力性、クリープ特性、熱安定性などの強みも発揮できるようにしたもの。10月に商業化に踏み切ったばかりだが、早速、パイプやブロー分野で注目され引き合いと注文が活発という。 現在、同社が手がけているポリエチレン全体の生産・販売数量に占めるこれら高付加価値品種の比率は32%とのこと。ポリエチレン業界の中ではかなり高い“特化”比率だ。しかし同社ではこれからが本番だとしている。5年後には構成比を45%に持っていくとしており、それが実現すると、需要家だけでなくポリエチレン業界全体にも大きな刺激を与えることになろう。


Chemnet Tokyo 2002/7/24

旭化成、メタロセンHDPE事業本格立ち上げへ
パイプやブロー分野等に独自の新市場確保のメドつく

 旭化成はかねてから、世界でも初めてのメタロセン触媒法による高密度ポリエチレン(HDPE)の市場開拓を進めてきたが、いよいよ今年秋から本格的な製造販売活動に移行することになった。
 
 同社のメタロセンHDPE(商品名・クレオレックス)は、同社独自のスラリー重合技術と米・ダウケミカルのメタロセン触媒技術の組み合わせによって開発されたもの。耐衝撃性が高く、また耐環境応力性(ESCR)やクリープ特性にも優れるため、最終製品のダウンゲージ(薄肉化)と特性の長期維持が図れる点が最大の特徴とされる。さらには、優れた熱安安定性や外観も大きな強みとの一つという。品種は、パイプやブロー向けを中心とするC4コモノマータイプと、軟質製品を主用途とするC6コモノマータイプとに大別される。
 
 同社では、こうした同樹脂特有の強みを最も有効に生かせる新分野の確保を目指して需要家とともにかねてから用途開拓に取り組んでいるところ。その結果、パイプやブロー、さらには軟質製品などいくつかの分野で独自の安定市場を確保していけるメドがついてきたため今年秋から本格的な生産・販売活動を展開していくことにしたもの。3年後に年産6万t設備のフル稼働を目指していく。


Chemnet Tokyo 2001/12/12

東ソーのPEの差別化品種、順調な伸び
    2〜3年後に構成比40%を目指す

 東ソーが住友化学工業や旭化成同様に積極的に取り組んでいるポリエチレンの特化戦略が市場の評価を得て着実に実を結んできている。
 同社が「海外で量産されるポリエチレンや国内の他の樹脂に容易に置き換えられない品質と機能を持つもの」(高田正樹・同社理事、ポリマー事業部企画管理室長)と“規定”して開発・育成してきた同社特有の差別化品種がいずれも需要家の厳しいスクリーニングをクリアして順調な成長を遂げているもの。

 高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE)「商品名ペトロセン」の多層押出しラミネート品種、同じHP−LDPE系の接着性ポリマー「メルセンM」、高密度ポリエチレン(HDPE)「ニポロンハード」の工業薬品ブロー容器用品種、同じHDPEのパイプ用グレード、エチレン酢ビコポリマー(EVA)「ウルトラセン」のケン化反応樹脂「メルセンH」、同じEVAの中でも酢ビのコンテントが高い高酢ビEVA「ウルトラセン700番シリーズ」、EVAの発泡品種−−などが代表例に挙げられる。

 ペトロセンの多層押出しラミ品種の場合は同社の製品特有の低臭性が特に人気だ。また、ニポロンハードのブロー品種は純度が高く、耐薬品性に特に優れている点が最大のセールスポイント。現在同社では工業薬品向けではトップシェアを確保しているという。
 メルセンMは、イージーピール性や低温ヒートシール性が評価されて食品包装分野や一般工業分野で着実な伸びを遂げている。メルセンHは、金属接着性、低温接着性、耐薬品性、高流動性が大きな特徴で、ポリマーブレンド分野等に独自の基盤を構築している。
 
 これらの差別化品種は、いずれもベッセル法のもつ強みをフルに生かして製造されているもの。厳しい経済環境の中で、これまで以上に独自性に富んだ事業展開が不可欠と判断している多くの需要家の間で特に人気が高まっている。
 同社が現在製造・販売しているポリエチレン全体に占めるこれら差別化品種の構成比はおおむね25%とのこと。これを同社では2〜3年後に40%に引き上げたいとしている。ついては、EVAの育成・強化に加えて、C6コモノマーによるL−LDPE「ニポロン−Z」の市場開拓の行方が特に注目される。


Chemnet Tokyo 2002/2/13

JPO、シングルサイトPE設備を日石から買収へ
   技術改良に成功、本格的な事業展開にメドつける

 日本ポリオレフィン(JPO)は近く、親会社の一つの日本石油化学から
シングルサイト系触媒による高機能ポリエチレン(商品名・ハーモレックス)の製造設備を買収する。4月1日までに手続きを完了することになりそう。これが実現すると、同社は高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、シングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)のポリエチレン3品種全てについて名実ともに製販一貫体制を整えることになる。

 今回買収することになった設備は、日本石油化学が旧日本石油と共同で開発した新触媒技術による
気相法L−LDPEの製造プラント。生産能力は年間5万トン。シングルサイト系触媒の特徴を生かして、既存のポリエチレンにない機能性品種を任意に作れる点が大きな強みとされる。
 
これまでJPOは、同設備を日石化学から借り受けて、同触媒による高機能品種と汎用タイプのC4コモノマー品種とを切り替え生産し、それぞれを独自のルートで販売してきた。同時に、日石両社から同触媒技術と特許実施権を譲り受けて技術改良にも取り組んできていた。
 今回の設備買収は、そうした独自の研究によって多彩な高機能品種をこれまで以上に安定的かつ経済的に生産してける見通しを得たため、その成果を最大限に生かすことを目的に実施することにしたもの。
 JPOは年内には、日本ポリケムならびに日本ユニカーの両社との共同出資でポリエチレン新会社を設立する。ハーモレックスは、そのJVの中の重要な戦略製品の一つとなる。


Chemnet Tokyo 2002/8/6              発表文

三井住友ポリオレフィン、差別品の構成比を大幅アップへ
  思い切った事業構造改善を推進、04年度のROS 7%目指す

 三井住友ポリオレフィンの園田隆一会長と榊由之社長は6日記者会見し、現在の活動状況を披露するとともに、今後の事業の充実・強化に関する取り組みついても概要を明らかにした。
 
 このうちの今後の取り組みについては、「思い切った事業構造改善を実現、その結果04年度には7%のROSを確保する」と説明、加えて「その実現のためには収益重視のマーケティング戦略や製品戦略などを展開していく考えで、ついては不採算分野の縮小と差別品分野の構成比の拡大、さらにはS&Bによる設備の大型化・専用系列化などの改善策を効率よく実現していく」と、事業構造改善のポイントも明確に示し、厳しい国際生存競争を勝ち抜いていける強靭な体質作りを果たしたい意向を強調した。

両首脳の発言内容は概要次の通り。
現在の営業活動状況=ナフサの高騰に対処してのポリオレフィン各樹脂の価格改定交渉は、PPが決着し、PEが大詰めの段階にある。PEの交渉も何とか早急に決着したい。今回の改訂は“原料が上れば製品価格も引き上げ、原料が下がれ製品価格も下げる”という新しい価格体系の確立の第一歩とすべく取り組んだものでもある。さいわい多くの需要家のご理解が得られ始めた。
合理化実行計画の策定=生産から物流・購買等におよぶ全面的な検討の結果、05年度までに合計260億円(00年度からの累計は310億円となる)の合理化効果を上げる計画を固めた。内訳は、生産関連で140億円、販売・研究部門で40億円、物流・購買関係で45億円、アドミ関連で10億円、技術シナジーで25億円--となっている。
今後の取り組み=04年度におけるROSを7%とすることを目標に収益改善を図ることが基本。ついては、マーケティング、製品構造、設備構成、研究開発活動--の各部門とも思い切った事業構造改善が必要である。
マーケティング戦略としては、収益重視に徹していく。このため差別品分野の構成比率を、PEの場合で現在の40%から60%以上に、PPの場合で現在の45%を50%以上に引き上げていく計画だ。汎用品分野はS&Bによるコストダウンと品種の削減などのスリム化を進めていく。
製品戦略のポイントの一つは、HDPEとL-LDPEの汎用品種のうちの不採算分野を縮小して新触媒による差別化製品への転換を図ることにある。また、LDPEについては、生産プラントの集約化によってコスト競争力を強化していく。もうひとつのポイントは、PPの差別化品種の育成とS&Bによるコストの合理化だ。
設備面の戦略では2つのテーマがあり、その一つは、C4コモノマーのL-LDPEの年産10万tプラントを機能性品種用に転換してPE全体の現有95万t能力を04年に85万tにすることだ。もう一つのテーマは、S&BによってPPの設備を現在の12系列合計100万tから7系列合計96万t体制に改める。これも04年に実現する。
研究開発に関しては、重点テーマへの資源投入の集中化、開発の効率向上、将来テーマへの資源配分の強化--の3点を重要課題に掲げていく。

 


2002/8/6 三井住友ポリオレフィン 

三井住友ポリオレフィン株式会社(SMPO)の活動状況

1. 営業活動状況
 ・ ナフサ価格高騰に対応して、5〜7月を中心に製品価格の改定を行ってきた。
 ・ 今回の改定においては、「原料が上がる時には製品価格を上げ、下がる時は下げる」という新しい価格体系への改善の第一歩として取組んだ。
   
2. 事業構造改善計画の策定
 ・ 4〜6月の間に「事業構造改善計画」を策定した。
 ・ 策定の目的は、@統合後の最適事業形態を明確化し、A製品戦略・顧客戦略・R&D戦略・設備計画展開のベースを作り、B合理化計画の方向を定める、ことにある。
「事業構造改善計画」のアウトラインは別紙ご参照)
   
3. 合理化実行計画の策定
 ・ SMPO設立に先立って、00年度を基準として04年度までに260億円合理化する目標を定めていたが、SMPO設立以降、旧両社事業内容を詳細に検討し直し、それに基づいて改めて合理化実行計画を策定した。
 ・ 「分野毎にメリハリをつけた経営資源(販売・R&D)の投入」「アジア・スタンダードの導入を含む透明性・納得性のある商慣行の導入」等、構造改善の基本方針も踏まえて、生産から物流・購買等に及ぶ全面的な検討の結果、実行計画においても260億円の具現化方策を策定することができた。(05年度までの累計では310億円)
※内訳〜生産(140億円),販売・研究(40億円),物流・購買(45億円),アドミ(10億円),技術 シナジー(25億円)
   
4. 社内研修会の実施
 ・ SMPO設立に当って定めた使命・目標・基本戦略・運営方針等の浸透、相互理解を目的に、組織の縦横で合計30回の研修会を実施した。
 ・ 経営陣から男女を問わぬ若手社員まで、全社員を交えた自由闊達な討議を通じて、一体感を持って構造改善に取組み得る雰囲気の醸成に繋がったものと確信している。
   
5. 今後の取組みについて
(1) 事業構造改善計画・合理化計画の推進
  主要テーマについて責任者を明確にし、PDCAによる進捗管理を行う。
(2) 02年度下期予算の編成
  @04年度目標(ROS7%)達成の第一歩とすべく収益改善を図る
A構造改善に向けて今期に達成すべき具体的課題・方策を明確化する
以上を基本方針として、現在、編成中である。
(3) 海外事業の強化
  「日本での生き残り」とともにもう一方の事業運営方針の柱である「アジア市場及び欧米の成長分野での強化・拡大」を目指し、TPCとの連携強化やPPコンパウンドのグローバル展開の加速を進める。
(4) 「三井住友化学」の良きフォアランナーを目指して
  SMPO行動指針である
「1.社内にあっては常に革新を追求する活力に満ちた風土を形成する  
 2.伸び伸びと対外活動のできる会社とする」
ことを常に念頭に置き、PO事業の再構築を目指し、実績を上げていくことで、新しい企業風土を構築していく。

三井住友ポリオレフィン(株)会社概況 (2002年7月31日現在)

1. 設立   2002年2月20日
2. 営業開始   2002年4月1日
3. 資本金   70億円
4. 従業員数   393名(事業部173名、技術開発185名、他35名)                                                 
5. 役員  
6. 主要拠点   本社・名古屋支店・大阪支店・福岡駐在
SMPO研究所(北袖・長浦)
工場(製造は親会社に製造委託)
 ・三井化学市原工場、大阪工場
 ・住友化学千葉工場
 ・三井・デュポン ポリケミカル
7. 国内生産能力
  (単位;万トン/年)             
  ・ポリエチレン HDPE    21               
        LLDPE  40
  LDPE  34 
  (計)  95
・ポリプロピレン (計) 100
・合計   195

事業構造改善計画のアウトライン

1. マーケティング戦略
  ● 収益重視のマーケティング戦略を基本
  ● 差別品分野の比率向上(PE 現40%→60%以上、PP 現45%→50%以上)。
  ● 差別品分野に経営資源を重点的に投入。 汎用品分野はS&Bによるコスト競争力
強化と、徹底的なスリム化、アジアスタンダード化を進める。
  ● メリハリの効いたマーケティング活動を展開。
   
2. 製品戦略
  上記のマーケティング戦略を受け、各製品の戦略を以下の通りとする。
  ● PE: 差別化強化による収益確保と不採算事業の抜本再構築
      ・HDPE 汎用品の内、不採算分野を縮小し新触媒差別化製品へ転換
     ・LLDPE 同上
     ・LDPE 生産プラントの集約。コスト競争力強化
  ● PP: 低コスト化と差別化の強化による収益拡大
      ・S&Bと銘柄統合でコスト競争力の強化。新規製品・用途開発加速。
   
3. 設備戦略  
  上記の製品戦略を受け、設備戦略を以下の通りとする。
  ● PEは差別化製品への転換を行い、95万トンを04年に85万トン体制とする。
  ● PPはS&Bで大型化・専用系列化を進め、現行12系列100万トンを04年度に7系列96万 トンとする。
   
4. 研究戦略
  以上の事業構造改善を支えるための研究戦略は以下の3点とする。
  ● 重点テーマへの資源投入集中
  ● 開発の効率化
  ● 将来テーマへの資源配分強化

 


日刊工業新聞 2002/8/26

住友化学の千葉工場、合成樹脂生産を再編
 PE一部を高性能品に、PP新鋭設備を増強

 住友化学工業は、千葉工場(市原市)で合成樹脂の製品群と生産体制を再編する。採算確保が厳しいポリエチレン(PE)の一部は、来春をめどに独自開発の触媒を使った高性能品に転換。ポリプロピレン(PP)はコスト競争力で劣る設備(年産能力計8万トン)を来秋で止める一方、新鋭設備を増強する。同社と三井化学が合併に先駆けて設立した共同出資会社は軸足を付加価値の高い製品に移す戦略で、それに沿って競争力の強化を狙う。
 計画によると、年産能力で約10万トンの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の一部は、03年4月をめどにメタロセン系の独自開発の触媒を使った製品に切り替える。LLDPEは製造コストが割安な半面、性能で見劣りすることから市況は低迷を続けている。これに対し、新触媒を使ったPEは従来にはない高強度と加工性の良さを併せ持つのが特徴。薄くて丈夫な袋など顧客ニーズにそった供給を目指す。
 PPは製造手法に「溶媒法」を使ったプラント2系列の運転を03年10月で停止する。その一方で、製造コストで競争力に優れている「気相法」の設備は年産能力を現在比5万トン増の20万トンに引き上げる。関連会社からの引き取りを合わせたPP供給能力は、現在比3万トン減の28万トンとなる。
 03年10月に経営統合する同社と三井化学は折半出資で汎用樹脂会社「三井住友ポリオレフィン」を設立。04年までに設備を圧縮するほか、コストで勝る輸入品と国内市場で競合するのを避けるため、一部の汎用品からの撤退を計画している。全体に占める差別品分野の比率はPEの例で現在比20ポイント増の60%を目指す戦略で、生産受託している住友化学が製品構成を見直すのもその一環。