メディカル事業の分社化
当社は、本年度より開始した中期経営計画「G-21」で挙げた戦略領域の内、事業に則した運営を一層進め、今後の拡大を図るためにメディカル事業を製造販売会社として分社化します。
概要
1. 背景・目的
当社メディカル事業は1972年のコンタクトレンズ進出により始まり、1976年に人工臓器、1978年に歯科材料の各事業を加えて今日に至っています。各事業とも倉敷事業所(岡山県倉敷市)を生産拠点にし、海外も含め事業を展開しています。
グローバル化の進展、保険診療システムや薬事法などメディカル事業を取巻く環境は急速に変化し、その競争は一層厳しくなっていきます。特に専業メーカーとの競争に勝ち抜くためには事業目的を明確にし、各事業に則した事業体制を構築するとともに、組織のスリム化、権限委譲の拡大などを進め、変化する環境に的確且つスピーディーに対応することが必要です。このような状況の下、当社が目指すメディカル領域の拡大を実現するため、当事業を生産部門も含め分社化することにしました。
この度の分社化の目的は次の通りです。
:: | 1. | 各事業に則した運営の促進。 メディカル関連の最終製品メーカーとして、人工臓器・歯科材料・コンタクトレンズの各事業に適した運営体制を構築します。また3事業毎に生産・開発・販売を統合し、スピーディーで効率的な運営を進めます。 |
2. | 専門的かつ組織的な運営の実施。 大半が医療用具という認可商品であることから、独立した組織として、専門性を一層高めていきます。その実現のために中途採用、外部専門家の活用なども積極的に進めます。 |
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3. | 専門性・事業貢献をより反映した処遇制度の実施。 個人において専門性が求められること、及び個人での広い範囲での自由裁量 が必要なことから、その専門性や事業貢献をより反映させた処遇制度を導入していきます。 |
2. 分社時期、及び新会社の概要(予定)
:: | 1. | 分社時期 | :2001年10月1日 |
2. | 社 名 | :クラレメディカル株式会社 | |
3. | 本社所在地 | :岡山県倉敷市酒津1621(現 クラレ倉敷事業所内) | |
4. | 社 長 | :大橋 克巳(現 クラレ メディカル事業部長) | |
5. | 事業内容 | :メディカル関連製品の製造・開発・販売 | |
6. | 資本金 | :25億円(クラレ100%) | |
7. | 売上高 | :年間 約150億円 | |
8. | 従業員数 | :約330人 |
2005年7月14日 クラレメディカル株式会社
コンタクトレンズ事業の移管について
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=105445&lindID=4
クラレメディカル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀井秀夫
以下クラレメディカル)と、株式会社エイコー(本社:愛知県名古屋市、社長:霞武重
以下エイコー)とは、7月12日、現クラレメディカル社員及びエイコーの出資により設立予定の新会社に、クラレメディカルのコンタクトレンズ事業を移管することに合意しましたのでお知らせいたします。
新会社は、クラレメディカルの高度な製造技術と商標・販売網を承継するとともに、現在コンタクトレンズ事業を専門に展開しているエイコーと連携することにより、シナジー効果を最大限に発揮しつつ、効率的で機動的な事業運営を行います。
新会社の概要
1. 会社名:株式会社ファシル
2. 代表者:松井耕治
3. 本社所在地:東京都千代田区神田司町2-2
4. 設立年月:2005年7月
5. 営業開始年月:2005年10月
6. 資本金:30百万円(現クラレメディカル社員等51%、エイコー49%)
7.
事業内容:コンタクトレンズ関連製品の開発・製造・販売
8. 売上高:17億円(2006年度計画)
クラレメディカル株式会社
社長 堀井秀夫
本社所在地 東京都千代田区大手町1-1-3 TEL
03-6701-1700(代表)
資本金 25億円(05年3月末株式会社クラレ100%出資)
事業内容 メディカル関連製品の開発・製造・販売
売上高 121億円(2005年3月期)
株式会社エイコー
社長 霞武重
本社所在地 愛知県名古屋市西区則武新町2-11-33
TEL 052-586-6601(代表)
資本金 80百万円(2005年3月末)
事業内容 コンタクトレンズ関連製品の製造・輸入・販売
売上高 12億円(2004年3月期)
2002/11/13 明治製菓 エーザイ
エーザイの動物薬事業を明治製菓へ譲渡
明治製菓株式会社(本社:東京都、社長:北里一郎、以下明治製菓)とエーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下エーザイ)とは、11月13日、エーザイの動物薬事業の営業権を明治製菓へ譲渡することで基本合意いたしました。営業権譲渡日は平成15年2月1日を予定しております。
エーザイは、畜産用の消毒剤および殺虫剤、ビタミン・ミネラル等の飼料添加物・混合飼料、養殖魚類のワクチン等の分野で動物薬事業を展開してまいりましたが、経営資源を医薬品事業に集中し、経営効率を追求するとの経営方針から、同事業を明治製菓に譲渡することといたしました。譲渡の対象は、製品の販売権、知的財産権およびこれに関連する権利ならびに義務であり、従業員は含まれません。
明治製菓は、動物薬関連事業を薬品事業の主要領域の一つとして位置付けております。このたびの事業譲受に伴い、動物薬事業における商品ラインナップの強化・充実ならびに商圏の拡大がはかられるものと期待しております。
[参考資料]
1.営業権譲渡予定日:平成15年2月1日
2.明治製菓の生物産業事業部動薬飼料部(動物薬関連)の概要
: | 売上高 | :約60億円(平成14年3月期) |
売上構成比 | :畜産関連(68%)、水産関連(5%)、小動物関連(6%)、その他(21%) | |
主な製品 | :メイリッチ(抗生物質飼料添加剤―動物用医薬品) ビクシリン(注射用抗生物質製剤―動物用医薬品) カナマイシン(注射用抗生物質製剤―動物用医薬品) ドミトール・アンチセダン(小動物用製剤―動物用医薬品) |
3.エーザイのアニメイト事業部(動物薬関連)の概要
: | 売上高 | :約30億円(平成14年3月期) |
売上構成比 | :畜産関連(73%)、水産関連(25%)、小動物関連(2%) | |
主な製品 | :アストップ(リニアC10・カチオン系消毒薬−動物用医薬品) ポセイドン(ブリ属魚類a溶血性レンサ球菌症不活化ワクチン−動物用医薬品) ニュートリミックス液(鶏専用総合ビタミン水性液−動物用医薬品) プレミックス(飼料添加物・混合飼料) |
日本経済新聞 2002/11/14
製品別に工場再編 住友製薬、安全管理を徹底
住友製薬は親会社の住友化学工業と共同で、医薬品の国内生産拠点を製品別に再編する。2004年秋にも抗生物質や抗がん剤を他の医薬品と切り離して生産する体制とする。医薬品の製造や品質管理について、国際的に安全規制が強まっているのに対応する。
住友薬と住友化は大分市に2工場を新設中で、2004年秋に同市内で計4工場となる。大阪府茨木市と愛媛県新居浜市の工場を含め、全社で6工場体制となるのを機に生産体制を変える。
抗生物質はショック症状を起こす人がいるため、一部の品目は専用設備での製造が義務付けられている。住友薬の薬剤は国内では分離製造の義務はないが、欧米では専用設備が義務付けられていることから、専用工場を設ける。大分の2工場をそれぞれ抗生物質の原薬製造と製剤を受け持つ拠点とする。
効能が強く正常細胞に影響を及ぼす抗がん剤も分離製造が望ましいとされており、大分の1工場で原薬製造、愛媛工場で製剤を専門に手がける。
抗生物質・抗がん剤以外の製品は大分の1工場で原薬を生産し、茨木工場で製剤を受け持つ。工場を製品別に分けることで安全管理を徹底する。
外資系パートナーの自販化
昭和56年の薬価大幅引き下げや、60年から開始した日米貿易交渉(MOSS協議)において医薬、医療機器分野の関税の引き下げ、規制緩和が図られるなど事業環境が厳しくなるなかで、主な外資系製薬企業は販路を独自に構築し始めた。
住友化学とアメリカのアップジョン社(The Upjohn Co.)の合弁会社である日本アップジヨンは1959年の設立以来、アップジョン社製品の日本での拡販を進めた。アップジョン社は当社初めての外国の合弁パートナーであり、当社グループは製造、製剤および販売業務の一部を受託し、医薬事業に関する種々のノウハウの提供も受けて医薬事業を発展させてきた。
同社は日本での販売拡張方針を一歩進め、1985年にアップジョンファーマシュウティカルズを設立し、製造、研究の拠点を日本に築いて、アメリカ、ヨーロッパ同様に日本での独自の経営を指向した。これに対して住友化学グループとしては、当初目的を果たしたことから、1994年12月、当社は日本アップジヨンの経営から撤収し、出資関係を解消した。なお、住友製薬と日本アップジョン間の製造受委託契約は以後5年間継続、その後は1年ごとに更新することになった。
また、日本アプジョンは1984年の住友製薬設立以来の同社との販売受委託契約を解消し、1995年1月に完全自販化を果たした。
世界 | 日本 | |
1959 | 日本アップジョン株式会社設立。 (米国アップジョン社と住友化学工業株式会社の合弁会社として) |
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1985 | アップジョン・ファーマシュウティカルズリミテッド設立。 (米国アップジョン社の100%出資会社として) |
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1994 | 日本アップジョン(株)、住友化学工業(株)との合併を友好的に解消し、米国アップジョン社の100%出資子会社となる。 | |
1995 | ファルマシア社(スウェーデン)と アップジョン社(米国)の合併により、ファルマシア&アップジョン社を設立。 |
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1996 | ファルマシア(株)、日本アップジョン(株)、アップジョン・ファーマシュウティカルズリミテッドの事業活動を統合、ファルマシア・アップジョン株式会社を設立。 | |
2000 | モンサント社(米国)とファルマシア&アップジョン社(米国)の合併により、ファルマシア社を設立。 | |
2001 | ファルマシア・アップジョン(株)と日本モンサント(株)の合併により、ファルマシア株式会社を設立。 | |
2002 | Pfizer to acquire Pharmacia Corporation |
日本経済新聞 2002/11/23
臨床検査受託会社 再生医療に参入 神経修復など研究
臨床検査受託各社が相次いで再生医療事業に参入する。最大手のエスアールエル(SRL)は傷んだ神経を修復する研究に着手。ファルコバイオシステムズは様々な細胞に育つ幹細胞の選別を効率化する装置の開発を始めた。検査で培った血液や細胞を扱う技術や医療機関とのつながりを活用し、細胞加工の受託などを狙う。
SRLは子宮の胎盤から羊膜をとって神経に育つ細胞を分離し培養する技術の開発を始めた。東邦大学医学部の桜川宣男教授らとの共同研究で、パーキンソン病を発症させたラットの脳に細胞を注入した試験で神経機能の回復など有効性を確認した。3年以内に患者を対象に安全性や治療効果を確かめる臨床試験の開始を目指す。
ファルコバイオは京都大学再生医科学研究所の岩田博夫教授、計測機器メーカーのユービーエム(京都府向日市)と、幹細胞を選別するために前処理する装置の開発を進める。今年度中の完成を目標とする。
ビー・エム・エル(BML)は骨髄幹細胞を短時問で大量培養する技術を確立、細胞を関節病などに使う研究を始めた。広島大の加藤幸夫教授やオリンパス光学工業など11社と共同研究する。
臨床検査受託会社は、医療機関から患者の血液や尿などの検体を預かり検査を実施し結果を報告する業務を手掛ける。この事業形態は幹細胞を医療機関から預かり必要な細胞を増やし安全に戻す再生医療に応用しやすい。各社は再生医療技術を蓄積した上で、医療機関などと組み、対象となる部位向けの細胞加工を請け負う方針。
▼再生医療 骨髄などから取り出して人工的に培養した細胞を使い、傷んだ組織や臓器の働きを回復させる治療法。医薬品や手術では難しかった難病の治療に道が開ける。皮膚や軟骨など比較的単純な組織では実用化が近づいており、複雑な臓器の再生は2010年以降とみられている。国内市場が1兆円程度に膨らむとの予測が出ており、日立メディコが歯、ニプロなどが皮膚、テルモが心筋や血管を対象に事業化を目指している。 |
株式会社エスアールエル(SRL, Inc.) http://www.srl-group.co.jp/ | ||
旧「スペシアル レファレンス ラボラトリー」の英文訳「Special Reference Laboratories」の頭文字を取ったもので、「特殊(臨床検体)検査の標準となるような検査機関」の意味。 | ||
設立 | 1970年6月16日 | |
資本金 | 112億7,148万円(2001年12月末現在) | |
従業員数 | 2,522名(2001年12月末現在) | |
事業内容 | 臨床検体検査(内分泌・細胞性免疫・血漿蛋白・生化学・薬物分析・遺伝子・染色体・血液凝固系・免疫血清・病理など各分野の検体検査)の受託業 治験検体検査の受託業 健診検体検査の受託業 健康増進などの支援事業 体外診断薬の開発・製造業 医療関連システムの開発 調剤薬局事業 食品衛生検査業 人体内化学物質の分析業など |
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株式会社ファルコバイオシステムズ (FALCO biosystems Ltd.) http://www.falco.co.jp/ | ||
Fast and Accurate Laboratories with Confidence | ||
創業 | 昭和37年7月1日 | |
設立 | 昭和57年8月24日 | |
資本金 | 16億4,400万円 | |
所在地 | 京都市左京区聖護院蓮華蔵町44番地の3 | |
従業員数 | 689名(パート・アルバイトを除く) | |
事業内容 | 臨床検査受託業務 微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査 病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査 その他の受託業務 ヒト遺伝子検査、遺伝子組換え食品検査 ゲノム創薬に関する研究開発支援と治験研究検査 |
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: |
株式会社ビー・エム・エル (英名 BML, INC.) http://www.bml.co.jp/ | ||
1955年に(株)相互ブラッドバンクとして設立しましたが、1976年には、事業内容の変化に対応して、社名を「(株)相互生物医学研究所」(英文名はBIO MEDICAL LABORATORIES)に変更、さらに1989年に、英文名のイニシャルをとって「(株)ビー・エム・エル」へと社名を変更し、現在に至っています。 | ||
設立 | 昭和30年7月 | |
資本金 | 6,045,586千円 | |
所在地 | 東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目21番3号 | |
従業員数 | 総数1,161名(平成14年3月末正社員) | |
事業内容 | 臨床検査の受託業務(内分泌、血漿蛋白、生化学、ウイルス、免疫血清、血液、細胞性免疫、細菌、病理組織 等)他 | |
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ニプロ株式会社 http://www.nipro.co.jp/ | ||
2001/4/1 「株式会社ニッショー」より「ニプロ株式会社」に変更 | ||
設立 | 昭和29年7月8日 | |
資本金 | 231億12百万円 | |
所在地 | 大阪市北区本庄西3丁目9番3号 | |
事業内容 | 医療用器具、医薬品および硝子製品の製造・販売(ならびにスーパーマーケットの経営) | |
従業員数 | 1,916名 (平成12年9月末現在) | |
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ニプロは、1954年(昭和29年)に日本電気硝子(株)の西日本総代理店として、アンプル用硝子管や錠剤瓶用硝子管を販売することから始まりました。その後、硝子の品質の高度化をめざし、アンプルや魔法瓶中瓶の自動加工機械の開発に成功したことがニプロの発展の基礎となりました。
以来、ニプロは技術開発力を基盤に拡大、発展してきました。また、つねに、医療・医薬・器材の各分野で、どこにも負けないという技術を追求してきました。ニプロの人工臓器や各種ディスポーザブル医療器具には、数多くの特許技術をはじめ、従来にない機能・性能を実現する独創的な技術やアイデアが盛り込まれています。また、高品質を追求して、製造設備も自社で開発するなど、技術力と品質第一の製品づくりが、国内外の医療現場におけるNIPROの高い評価を支えています。ニプロは現在、海外に5つの製造拠点を有し、販売拠点もヨーロッパ、南北アメリカ、アジアを中心に世界的な広がりをみせています。今後は製造・販売のグローバル化を一段と進め、世界市場においてNIPROの名を確固たるものにしていきます。
ニプロはこれまでも、つねに医療現場の課題やニーズに独創的な製品でお応えする、技術の追求を成長の糧としてきました。21世紀は生命科学の時代とも言われ、医療技術もかつてない変革期を迎えています。ニプロは先端医療技術研究に積極的にかかわり、特に臓器や組織の移植・置換・再生といった研究分野では、わが国でも異色の存在として医学界でも認められつつあります。将来は人工臓器や再生医療の分野で、なくてはならない企業として、世界をリードするブランドになるのが、NIPROの夢です。これからも、この夢の実現に向かって一歩一歩力強く前進してまいります。
2000/12/25 潟jッショー
21世紀に向けての企業改革について
当社は来る21世紀に向けて、企業体の一段の飛躍のため平成13年4月1日を目途に企業改革(社名変更、子会社との合併、ストア部門の分社化)を行う方針を、去る1月17日に発表しておりますが、平成12年12月24日開催の当社取締役会において、次のとおり決議いたしましたのでお知らせいたします。
・ | 子会社との合併については、株式会社ニプロおよびニプロ医工株式会社の2社を同時に吸収合併する予定でありましたが、平成13年4月1日に株式会社ニプロ1社を吸収合併し、ニプロ医工株式会社については当面合併を延期する。 |
・ | ストア部門の分社につきましては、会社分割法の施行を待って実施する。 |
なお、今般の合併にあわせて、当社の社名を、「株式会社ニッショー」より「ニプロ株式会社」に同日付で変更する予定ですので、あわせてお知らせいたします。
1.合併について
(1)合併の趣旨
当社は、昨今のグローバリゼーションの高まりから国内外ともに激化する市場環境のもと、グループ全体の経営効率化を図り、より強固な事業基盤を構築するため、当社子会社との合併に関しまして、次のとおり基本的合意に達しました。
1) | 当社は、医療事業を企業の中核として位置づけ、研究開発に力点を置いた高品質志向の医療用器具メーカーとしての企業姿勢を鮮明にする。 | |
2) | 販売子会社である株式会社ニプロを吸収合併することにより、医療用器具の研究開発から販売までを一体運営し、製品開発の迅速化やコストダウンの徹底を図る。 | |
3) | 医療用器具メーカーとして、コーポレートアイデンティティの強化を図るため、国内外ともに認知度の高い当社製品ブランド名「ニプロ」にちなんで、当社社名を「ニプロ株式会社」に変更する。 |
(2) 合併の要旨 略
2.ニプロ医工株式会社との合併を延期する理由
関係官庁との許認可手続き並びに社内体制の整備に万全を期すことを最優先とし、その他諸事情を勘案した結果、準備が整うまで当面延期することといたしました。
3.ストア部門の分社化について
ストア部門の分社につきましては、平成12年5月31日に公布された会社分割法の施行日を注視しておりましたが、今日現在施行に至らず、会社分割法の下での分社手続期間を考えると平成13年4月1日をもっての分社が不確定でありますので、会社分割法の施行を待って、すみやかに分社することといたします。
会社の分割によるストア事業部門の分社化のお知らせ
平成13年4月2日開催の当社取締役会において、当社は平成13年6月1日を期して、下記のとおり当社のストア事業部門を会社分割し、新たに設立する「株式会社ニッショー」に承継することを決定いたしましたのでお知らせいたします。
1.会社分割の目的
当社は、国内外ともに激化する市場環境のもと、グループ全体の経営効率化を図り、より強固な事業基盤を構築するには、グループ企業体の抜本的な企業改革が必要であるとの認識から、21世紀の初頭にあたり、企業体の一段の飛躍を期し、医療事業を当社の中核 事業に据え、製販一体となった強力な事業活動を推進すべく、平成13年4月1日をもって販売子会社を吸収合併するとともに、社名をニプロ株式会社に変更いたしました。
一方、当社ストア事業部門は、関西圏を中心に「ニッショーストア」の店舗名で地域密着型の店舗展開を推進しておりますが、本体部門とは業種、業態が異なり、今後も激変する流通業界の経営環境に適応していくためには、これを分離し、経営資源の集中的、効率的運用を通して、事業活動を柔軟かつ機動的に行い、組織の活性化と労働意欲の向上を図り、より一層、顧客サービスの向上と事業革新に努める必要があるとの考えから、グループ事業部門における責任体制の明確化と部門別業績評価システムの徹底を図るべく、ストア事業部門を会社分割し、新たに設立する会社に承継することといたしました。
2.会社分割の要旨 略
化学工業日報 2003/1/15
ニプロ、血栓吸引装置事業に進出へ
医療器具大手のニプロが血栓吸引装置分野に進出する。急性心筋梗塞時の冠動脈内にできた血栓をカテーテルを使って吸い込んで取り除く装置で、国内では初めての事業化。4月から医療機関向けに発売する。従来の薬剤による血栓溶解法は、溶かしきれない血栓による冠動脈の狭窄などの問題が指摘されていたが、同装置を使った方法ではこうした危険性が減少するという。同社ではこれを機に、心血管系インターベンション(低侵襲治療)関連製品の販売にも取り組むことで、今回の製品も含め、5年後に100億円の売り上げを計画している。
日本経済新聞 2002/11/25
経営を考える テルモ社長 和地孝氏
先端医療、飛躍の原動カに
「体温計のテルモから、先端医療機器のテルモヘ変わる」。10月中旬、治療現場の第一線に立つ医師らと協力して先端医療機器を研先開発する最新鋭の施設が神奈川県内にオープンした。開所を記念したイベントで、社長の和地孝(67)は決意を新たにした。
再生医療も研究
カンパニー制に
2002/11/25 ナノキャリア/キリンビール
ナノキャリア(株)とキリンビール(株)が抗体結合型DDS製剤の共同研究契約を締結
ナノキャリア株式会社(本社:千葉県柏市、代表取締役社長:中冨一郎)とキリンビール株式会社(本社:東京都中央区、社長:荒蒔康一郎)は、ナノキャリアが保有するミセル化ナノ微粒子*によるDrug Delivery System**(DDS)製剤技術とキリンビールが保有するヒト抗体作製技術を融合し、独創的な抗体結合型ミセル化ナノ微粒子による新規制がん剤を開発するための共同研究契約を締結しました。
この契約では、ナノキャリアが制がん剤を封入した数十ナノメーターサイズのミセル化微粒子を作製し、その微粒子の表面にキリンビールが作製したがん組織を認識するヒト抗体を化学的に結合することにより、がん組織への高い選択性を有する新規のDDS製剤を開発することを目指します。両社が保有する世界最高レベルの技術を融合することによって、最先端の医薬品の開発が可能となると期待されます。本製剤が医薬品として開発されれば、従来のがん治療における薬物療法に新しい、次世代の治療法が導入されることになります。
ナノキャリアは、ナノメーターサイズのミセル化ナノ微粒子を医薬品、遺伝子治療、診断薬などに応用することを目的に設立された研究開発型ベンチャー企業で、その開発の中心は注射用の徐放性製剤です。その技術原理は東京大学 片岡一則教授、東京女子医科大学 横山昌幸助教授及び岡野光夫教授、東京理科大学 長崎幸夫助教授らによって成されたもので、同社はそれら開発技術・材料を利用して新しい医薬品製剤の開発・製造を基盤に社会に貢献する事を目指しています。ナノキャリアではミセル化ナノ微粒子技術の医薬品、遺伝子治療並びに診断薬等への応用開発を進めており、グラクソスミスクライン(株)、日本化薬(株)等との一連の研究開発及びライセンス契約に続く、本共同研究契約の締結によって、ナノキャリアの研究開発は更に弾みがつくものと期待されています。
キリンビールは、腎臓、がん(血液分野を含む)、免疫・アレルギーを重点領域として研究開発から製造販売までの一貫体制で医薬事業を展開しています。ヒト抗体に関しては、独自の技術によりヒト抗体遺伝子を導入したヒト抗体産生マウスの開発に成功し、ヒト抗体医薬の研究開発を進めています。また、米国ヘマテック社と提携してヒト抗体産生ウシの開発を実施するなど最先端の取り組みを行っています。
*ミセル化ナノ微粒子:ミセルとは、油になじみやすい部分と水になじみやすい部分を持つ分子が、水の中で油になじみやすい部分を内側にして球状に集まったもので、ナノメーター(10億分の1メーター)オーダーの集合体を形成している場合ミセル化ナノ微粒子と呼ぶ。
**Drug Delivery System(DDS):体内で薬を運ぶシステム
DDS開発でスウェーデン社と提携
ナノキャリア株式会社(本社:千葉県柏市、社長:中冨一郎)はアマリン・ディベロップメント社(本社:スウェーデン・マルメ、代表:サイモン・リー)と新しいデリバリー技術開発に関する戦略的技術提携の契約を締結した。その提携はナノキャリアが有するミセル化ナノ粒子の徐放性製剤システムとアマリン社(本社:英国ロンドン市)の研究開発子会社、アマリン・ディベロップメント社が有するDiffusion
Controlled Vesicle (DCV)徐放性製剤システムのコンビネーションシステムの構築で、これまでに胃腸管から吸収に困難であった難溶性医薬品、ペプチドやプロテインなどを対象にした経口製剤の共同開発提携である。
同社の代表取締役社長、中冨一郎は「アマリン社と成功に向けて新しいパートナーシップを築く機会に対して大変嬉しく思い、当社のユニークなシステム技術が将来の経口製品として新しいシステム製剤の一旦を担うことを強く信じる」と述べている。
アマリン社の最高経営責任者、リック・スチュアートは「我々は常に研究開発の能力・向上を考えており、その意味で今回の提携も技術プラットホームの拡張につながる。いろいろな化合物を増やせる事によって、お客様の期待に添えることができる。より重要な事に今回の戦略的提携は、当社の神経系および鎮痛薬における創造・革新的製品の製品開発に影響を与えるに十分な効果だ」と述べている。
ナノキャリアのミセル化ナノ粒子技術は注射用の医薬品、遺伝子並びに診断薬に応用され、その構造はブロックコポリマーである親水性のポリマー(外層)と疎水性のポリマー(内層)の二層構造による超微粒子の徐放性製剤である。その内層には難溶性医薬品のみならず、遺伝子やペプチドを包含することができる。最近、同社はグラクソ・スミスクラインと同技術を利用して製品の研究開発の契約を締結した。
アマリン社の徐放性製剤、DCVシステムは薬物を24時間徐放化することが可能な経口製剤で、特許が成立している技術である。原理的には錠剤の中心に薬物があり、それを疎水性膜によって覆われ、さらにその表面を親水性の粒子基材によって包まれた製剤である。薬物は、胃腸で消化される時にその親水性基材が壊れ、結果的に疎水性膜を通して一定に放出される。同製剤システムは、30カ国以上の国で30億錠が製造され、効果的に患者に投与されている。供給先は、ファルマシア、サノフィー・シンセラボや田辺製薬などがある。
ナノキャリアは、ナノメートルサイズのミセル化ナノ粒子を医薬品、遺伝子、診断薬、診断薬などに応用することを目的に設立された研究開発型ベンチャー企業で、その中心は注射用の徐放性製剤である。その技術原理は東京大学、東京女子医科大学、東京理科大学の研究者たちによって成されたもので、同社はそれら開発技術・材料を利用して新しい医薬品製剤の開発・製造を基盤に社会に貢献を目指している。ナノキャリアに関する会社概要やその他の情報は http://www.nanocarrier.co.jp をご覧下さい。
アマリン社は神経系医薬品および鎮痛薬に特化した医薬品分野のニーズの期待に副った革新的な製品を供給することで、この分野のリーダーとなることを目指している。アマリン社に関する会社概要やその他の情報は http://www.amarincorp.com をご覧下さい。アマリン・ディベロップメント社はアマリン社の子会社で、スウェーデンのマルメに本拠地を構える徐放性製剤の研究開発に特化した開発企業である。
2002/1/11 ナノキャリア
グラクソ・スミスクライン社の医薬品を当社の技術で徐放性製剤化へ
ナノキャリア株式会社(本社:千葉県柏市、社長:中冨一郎)はグラクソ・スミスクラインの医薬品をナノキャリアが所有するミセル化ナノ粒子技術を利用して徐放性製剤の研究開発を行う契約を締結しました。そのフィージビリティー研究後、商品化のためのライセンス契約を締結する予定です。契約にはグラクソ・スミスクラインの他の医薬品についての徐放化に関する内容も含まれ、ナノキャリアは同社からそれらの試験研究費用を受領します。
ナノキャリアが所有するミセル化ナノ粒子技術は、ナノキャップシステムやメディセルシステムなど薬物や遺伝子を直径50nm程度の超微粒子に封じ込めることが出来、さらにそれら薬物を徐々に放出できる制御システムです。極めてユニークなドラッグデリバリーシステム(DDS)で、DDS技術をリードする日本唯一のベンチャー企業として国内外の製薬企業および診断薬企業と共同開発を現在進めています。医薬品では、市販されている制癌剤、パクリタキセルやシスプラチンなどをもっと効果的に癌組織に到達させ、さらに副作用を軽減するための新しいシステム開発を行っています。
ナノキャリアの代表取締役社長、中冨一郎は「グラクソ・スミスクラインと提携できたことは非常に喜ばしいことで、当社の技術をフルに発揮できるチャンスです。また、これを機会に同社と長期の提携関係を持てるように努力していきたい」と述べています。
ナノキャリアは、ナノメートルサイズの粒子の中に医薬品、遺伝子、診断薬などを商業的に運用(キャリア)することを目的に、その関連の専門の大学と産学連携を基盤に設立した研究開発型ベンチャー企業です。当社は、超微粒子のミセル化ナノ粒子を用いて新しい治療法や診断法を確立し、医療品や遺伝子のデリバリーシステムならびに診断薬システムの開発・製造を行っています。
グラクソ・スミスクラインは2000年12月にグラクソ・ウェルカムとスミスクライン・ビーチャムとの合併により発足し、売上高275億ドル(2000年)と研究開発費40億ドル(2000年)の医薬品業界世界第2位の最大手です。
ナノキャリア株式会社 http://www.nanocarrier.co.jp
創 業 | 平成8(1996)年6月14日 | |
本 社 | 〒277-0882 千葉県柏市柏の葉5-4-6 東葛テクノプラザ | |
代表者 | 代表取締役社長 中冨 一郎 | |
資本金 | 470,500千円 | |
事業内容 | 医薬品および遺伝子のドラッグデリバリーシステム開発。 診断薬及び医薬用具等の材料システム開発 |
大学発VBの素顔 ナノキャリア 薬効高める微粒子技術
ナノキャリアはナノ(10億分の1)単位の微粒子に薬剤を組み込み、患部に直接運ぶ薬物送達システム(DDS)の技術を開発する。これの活用で従来の薬剤効果を高められるとみており、国内外の製薬会社と医薬品を共同開発する。
高分子ミセルと呼ばれる微粒子は直径50−100ナノメートルとウイルスなどより小さい。患部に届く前に他の細胞に進路をふさがれると、薬剤が放出され薬効が低下したり副作用を招く危険があるためだ。微粒子の外側は水に溶けやすい素材で、水に混じりにくい薬剤の効果を高め、点滴のように徐々に放出できる。
社長の中冨一郎氏が米医薬品会社時代に、高分子ミセルの専門家である岡野光夫・東京女子医科大学教授と片岡一則・東京大学教授の協力を得て起業した。
今年初め、英製薬大手のグラクソスミスクラインなど海外企業と相次ぎ提携した。提携先の薬剤を微粒子に組み込み、薬効を高める研究開発に取り組む。国内ではキリンビールなどと組む。製品化のメドが立てばそのまま提携先と臨床試験に入る可能性もあるという。
試験入りを見据えた病院とのパイプ作りと、海外との提携拡大へ向けて海外製薬会社との人脈が深い人材の発掘も進める。2006年までに抗がん剤など2つの医薬品で臨床試験を実施し、同年中の株式上場を目指す。
1997/5/9 キリンビール
中国・上海市での医薬合弁会社の設立について
キリンビール株式会社(キリン社、社長:佐藤安弘)では、中国上海市に上海鯤鵬<コンポン>投資発展有限公司(上海鯤鵬社、董事長:呂 也博)との合弁で、麒麟鯤鵬(中国)生物薬業有限公司を設立することに合意し、1997年5月9日上海市庁舎で調印します。新会社は設立認可後、恵爾血<ケイジケツ>(日本名:グラン)と利血宝<リケツホウ>(日本名:エスポー)を販売・製造・臨床開発する計画で、将来的には研究開発も視野にいれた事業展開を図ってまいります。新会社の資本金は2600万US$(約2億2千万元)で出資比率はキリン社が70%、上海鯤鵬社が30%です。
当社は、中国では、香港に1993年麒麟(中国)医薬有限公司(KPCL社)を設立しました。KPCL社は93年から恵爾血を又95年8月からは利血宝を当社から輸入し、中国に輸出してきました。同社は又、学術啓蒙と販売促進のために、北京・上海・広州の3大都市に事務所を設け、活動を続けています。
今回の合弁は中国の国策である国産化および先端技術の移転推進という期待に応えて、96年初より中国での事業の本格展開を検討、交渉を続け、調印の運びとなったものです。パートナーである上海鯤鵬社は97年2月に、上海新薬研究開発中心、上海張江高科技園区開発株式有限公司、中国新技術創業有限公司、衛生部中国医学科学院、上海市医薬有限公司の5社がキリン社との合弁会社設立を予定して設立した会社です。
新会社は、設立後、恵爾血、利血宝の販売許可を得て、KPCL社から業務移管を受けるとともに、99年完工を目指して充填工場の建設を行います。その後、原薬工場を建設するとともに、現在キリン社が開発を進めているTPO(血小板の分化・増殖因子)、NESP(赤血球系幹細胞の分化・増殖因子)などの製造販売も行い、中国におけるバイオ医薬中心の優良企業への発展を期しています。
[合弁会社の概要]
(1)社名 | 麒麟鯤鵬(中国)生物薬業有限公司 | |
(2)合弁契約の当事者 | キリンビール株式会社(キリン社) 上海鯤鵬投資発展有限公司(上海鯤鵬社) |
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(3)資本金 | 2600万US$(約2億2千万元) | |
(4)出資比率 | キリン社 70% 上海鯤鵬 30% |
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(5)本社所在地 | 中華人民共和国上海市浦東新区張江高科技園区 | |
(6)事業内容 | 恵爾血、利血宝等の遺伝子工学医薬品の臨床開発・製造・販売 | |
(7)役員構成(予定) | キリン社8名 上海鯤鵬社4名 計12名 董事長 浅野克彦(キリン社医薬事業本部副本部長) 副董事長 呂 也博(上海鯤鵬社 董事長) 董事兼総経理 内田正臣(キリン社医薬事業本部副本部長付) |
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(8)設立時期(予定) | 1997年6月 |
1998/12/10 キリンビール
細胞医療における戦略的提携関係樹立について
キリンビール株式会社(社長 佐藤安弘)は、医薬事業の新しい展開として細胞医療分野での事業構築に取り組みます。その一環として、米国デンドレオン・コーポレーション(Dendreon
Corporation、社長 Dr.Christopher
Henney)とライセンス契約を12月10日に締結し、樹状細胞(注1)を用いる細胞医療を開始することになりました。すでに提携関係にある米国アムセル・コーポレーション(AmCell Corporation、社長 Mr.Stefan Miltenyi)との取り組みとあわせ、さらに細胞医療分野での事業構築を進めます。
細胞医療とは、患者から特定の細胞(樹状細胞、CD34陽性細胞・・注2、など)を分離し、その細胞を処理して患者の体内に戻すという全く新しい医療技術です。癌・感染症・自己免疫疾患などの治療に役立つことが期待されます。
デンドレオン社の技術は分離した樹状細胞を活性化して患者に戻すことで体の免疫力を高め、癌や感染症の治療を行うものです。
当社はデンドレオン社からアジア・オセアニアにおいて、同社の樹状細胞を用いる細胞医療技術の独占的使用権を得ました。同地域での癌および感染症の治療のための細胞医療を展開します。日本では来年から臨床試験を開始する予定です。
当社はデンドレオン社がすでに開発中または今後開発予定の細胞医療について同地域でのライセンスオプションを持ちます。デンドレオン社には当社が今後開発する細胞医療の北米におけるライセンスオプションを与えます。なお当社とデンドレオン社は共同研究を通じ、新しい細胞医療の開発を行います。
デンドレオン社は独自の樹状細胞分離・活性化技術を持ち、この分野におけるパイオニアの会社です。現在米国において前立腺癌治療を目的とする細胞医療で臨床試験を行っています。
アムセル社からは、同社のCliniMACS(クリニマックス)システムのアジアにおける独占的販売権を獲得しました。
CliniMACSシステムは、患者や健常人ドナ−の骨髄・末梢血等から特定の細胞を無菌的に分離するシステムです。現行製品では、CD34陽性の造血幹細胞(注3)だけを、幹細胞の生存率を低下させずに最高の純度、回収率で分離することができます。その結果、1.自家造血幹細胞移植時に癌細胞を除去して癌の再発を防ぐこと、あるいは2.他家造血幹細胞移植時に混入するT細胞を除去して移植時のGVHD(注4)を防ぐことが期待されます。また将来は、別の細胞を無菌的に分離することで、遺伝子治療や自己免疫疾患への応用も期待されます。
アムセル社はCliniMACSシステムを確立・所有し、1997年12月にヨ−ロッパで当局の承認を取得、すでに販売しています。当社は、日本での臨床試験を1999年に開始する予定です。また、中国においては既に輸入販売許可を取得、今月から販売を開始しています。
当社は、これまでEPO(商品名「エスポ−」)、G-CSF(同「グラン」)、TPO、その他新規サイトカイン(注5)の研究開発・製造・販売を医薬事業の大きな柱としてきましたが、今回の一連の提携により、「Cytokines
to Cell Therapy」というスロ−ガンのもとで細胞医療という新しい分野に乗り出します。デンドレオン社の技術を用いる免疫療法と、アムセル社のCliniMACSシステムを用いる造血幹細胞移植という細胞医療分野における2つの重要な細胞医療技術を獲得したことにより、細胞医療分野での事業展開が相乗的に進むことが期待されます。当社の製品であるグランや現在当社が臨床開発中の制癌剤との併用も期待できることから、近い将来癌や感染症の患者に対してより効果的な治療を提供できるものと考えています。
注1 | ウイルスや癌細胞など異物を認識し免疫機能を高める細胞。 | |
注2 | CD34という蛋白質を細胞表面に発現している細胞であり、このような細胞は 種々の血液細胞に分化できる能力を持つと考えられている。 |
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注3 | CD34陽性細胞のように種々の血液細胞に分化できる未分化な細胞。 | |
注4 | 移植片対宿主病。同種移植の際、移植片の中に含まれるリンパ球(T細胞)が、 移植を受けた患者を攻撃する免疫反応。複数の臓器に障害が生じ、死に至る場合が ある。 |
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注5 | 細胞を産生する液性因子の総称。免疫反応を初めとする多様な生理活性を有する。 |
化学工業日報 2003/11/18
キリン、米社と細胞医療技術の提携を解消
キリンビールは17日、米デンドレオンとの細胞医療技術に関する提携を解消することを明らかにした。また、キリンビールは両社が相互に所有するHLA−DR抗体に関し、デンドレオンの特許・ノウハウの全世界での使用権を取得、独自に研究開発することになった。デンドレオンの細胞医療は樹状細胞(DC)を利用するもの。多発性骨髄腫、前立腺がんで臨床入りもしくは臨床準備中であり、これらの開発を中止するが、これまでのノウハウは今後の細胞医療の研究開発に活用していく。
1998/12/4 キリンビ−ル
細胞医療における戦略的提携関係樹立について
キリンビ−ル株式会社(社長:佐藤安弘)は、医薬事業の新しい展開として細胞医療分野での事業構築に取り組みます。その一環として、まず米国のアムセル・コ−ポレ−ション(AmCell
Corporation、社長:Mr. Stefan Miltenyi)から、同社のCliniMACSシステムのアジアにおける独占的販売権を獲得しました。今後も継続して細胞医療分野での戦略的提携などを検討していきます。
細胞医療とは、患者から特定の細胞(CD34陽性細胞・・注1、樹状細胞・・注2など)を分離し、その細胞を処置して患者の体内に戻すという全く新しい医療技術です。例えば、癌・感染症・自己免疫疾患などの治療に役立つことが期待されます。
CliniMACSシステムは、患者や健常人ドナ−の骨髄・末梢血等から特定の細胞を無菌的に分離するシステムです。現行製品では、CD34陽性の造血幹細胞だけを、幹細胞の生存率を低下させずに最高の純度、回収率で分離することができます。その結果、(1)自家造血幹細胞移植時に癌細胞を除去して癌の再発を防ぐこと、あるいは(2)他家造血幹細胞移植時に混入するT細胞を除去して移植時のGVHD(注3)を防ぐことが期待されます。
また将来は、別の細胞を無菌的に分離することで、遺伝子治療や自己免疫疾患への応用も期待されます。
AmCell社はCliniMACSシステムを確立・所有し、1997年12月にヨ−ロッパで当局の承認を取得、すでに販売しています。当社は、日本での臨床試験を1999年に開始する予定です。また、中国においては既に輸入販売許可を取得、今月から販売を開始しています。
当社は、これまでEPO(商品名「エスポ−」)、G-CSF(同「グラン」)、TPO、その他新規サイトカイン(注4)の研究開発・製造・販売を医薬事業の大きな柱としてきましたが、このたび新たに細胞医療へと事業分野を拡大し、今後は「Cytokines
to Cell Therapy」というスロ−ガンのもとで、癌治療をはじめ難治性疾患の新しい治療法の確立に貢献していきます。
注1 | 未分化な造血幹細胞の表面に発現している抗原 | |
注2 | 抗原を提示して免疫の機能を高める細胞 | |
注3 | 移植片対宿主病。同種移植の際、移植片の中に含まれるリンパ球(T細胞)が、移植を 受けた患者を攻撃する免疫反応。複数の臓器に障害が生じ、死に至る場合がある。 |
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注4 | 細胞を産生する液性因子の総称。免疫反応を初めとする多様な生理活性を有する。 |
2002/8/12 キリンビール
ヒト抗体を産生する子牛が誕生
〜ヒトポリクローナル抗体産生技術で論文発表〜
キリンビール株式会社(社長 荒蒔康一郎)は、ヘマテック社(CEO ジェームズ・M・バートン、本社 米国コネチカット州)とのヒト抗体産生ウシの開発において、ヒト抗体遺伝子を持つ4頭の子牛の作製に成功しました。この成果は、米国科学雑誌ネイチャー・バイオテクノロジーのウェブサイトに掲載されます。
ヒト抗体産生ウシとは、ヒト抗体遺伝子を導入したウシのことで、これを用いた研究開発により、様々なヒト抗体医薬の開発が可能になると期待されています。今回、当社独自のヒト人工染色体ベクター技術を用いて、ヒト抗体遺伝子をウシ細胞に導入し、ヘマテック社の技術を用いて子牛を誕生させました。
当社は、巨大なヒト抗体遺伝子を含む染色体を人工的に作製し動物に導入する技術を提供し、ヘマテック社は、核移植を用いて効率的にウシを作製する技術を提供しました。このほど、両社の技術を用いて作製した子牛の血液中にヒト抗体タンパクが産生されていることが確認できました。当社とヘマテック社は、今後も協力して研究開発を続け、ヒト抗体産生ウシの実用化を目指します。当社は、ヘマテック社に対して研究費、マイルストーン、ロイヤルティーを支払い、ヒト抗体産生ウシを用いて、全世界でポリクローナル抗体※1医薬を開発する権利を独占的に有しています。
当社は既にヒト抗体産生マウス(TCマウス※2)の開発に成功し、ヒト抗体産生マウスに関し米国メダレックス社との間で全世界を対象とした戦略的な提携を結んで事業展開しています。ヒト抗体産生マウスがモノクローナル抗体の開発に有用であるのに対して、ヒト抗体産生ウシはポリクローナル抗体の開発に有用であると期待されます。
ヒトポリクローナル抗体は、ウイルスや細菌による感染症の治療薬や自己免疫疾患の治療薬として期待されています。現在、医療現場では、ヒト血清由来のガンマグロブリン製剤が用いられていますが、ヒト抗体産生ウシを用いることにより、より効果が強く安全性の高いヒトポリクローナル抗体が安定して供給できる可能性があります。その結果、種々の感染症などに対する新薬の開発が加速されることが期待されます。
当社では、ヒト抗体医薬の開発とヒト抗体に関する技術の提供を目指して、今後も研究開発を行っていきます。
※1 | ポリクローナル抗体 : | |
ポリクローナル抗体は、抗体の混合物であり複数の抗原に対して反応する。 一方、モノクローナル抗体は、1種類の抗原に反応する。 |
||
※2 | TCマウス : | |
Transchromo Mouse の略で、ヒト染色体断片を導入したマウスのこと。 |
社名 | :ヘマテック社(Hematech LLC) |
代表者 | :ジェームズ・M・バートン(James M. Barton) |
本社 | :米国コネチカット州ウェストポート |
設立 | :1998年 |
事業内容 | :抗体の開発と生産に関するベンチャー企業。 |
トランスジェニックウシを作製する技術を持っている。 |
2001/12/21 アサヒビール
アサヒビール食品とアサヒビール薬品を合併
新会社"アサヒフードアンドヘルスケア株式会社"を設立
〜グループの中核社としてセルフメディケーション事業を推進〜
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長
福地茂雄)とグループのアサヒビール食品株式会社(本社
東京、社長 松井康雄)、アサヒビール薬品株式会社(本社
東京、社長 岩城耕一郎)の3社は、食品社と薬品社を合併し、新会社"アサヒフードアンドヘルスケア株式会社"を設立することについて基本合意しました。 (http://www.asahi-fh.com/)
合併の期日は、2002年7月1日とし、本年中に合併に関するプロジェクトを立ち上げ、合併に向けた具体的な準備を開始します。
アサヒビール(株)は、2000年10月にグループ中期経営計画を策定し、"食と健康"というグループビジョンを掲げ、食品・薬品事業を酒類・飲料事業などの基幹事業に続く準基幹事業と位置づけ、将来の収益の柱となる成長分野に積極的に育成していくことを目標としています。
今回の合併はその一環で行うものであり、設立する新会社は、"食と健康"というグループビジョンを強力に推進していく中核会社として機能していくことを期待しています。
アサヒビールグループは、消費者の健康意識の高まりとともに成長著しいセルフメディケーション事業へ今般本格的に参入することといたしました。このためには、商品開発力や営業力、マーケティング力などの事業競争力が必要不可欠であり、食品会社、薬品会社といった枠組みを超えて、付加価値の高い商品を開発・販売していくために2社を合併することとしました。
新会社では、従来の食品・薬品事業に加え、既存事業で培ってきた商品・サービスを基礎として、サプリメントや特定保健用食品、機能性食品などセルフメディケーション事業でもアサヒビールグループならではのオリジナリティ溢れる商品開発を進めていきます。将来的には更なる事業規模の拡大を目的とした新規M&Aも視野に入れていきます。
合併する2社は現在ビール酵母事業を主要事業領域として展開しており、それぞれの市場(ビール酵母エキス市場・ビール酵母製剤市場)で確固たる基盤を構築しています。磐石な基盤をもつビール酵母事業を合併によりグループ内で一本化し、更に強化拡大していくとともに、間接部門の集約などにより経営力の強化も図っていきます。
グループ中期経営計画の最終年度となる2004年には、食品社・薬品社2社合わせて現在約140億円ある売上高を200億円程度に拡大していくことを目標としています。
アサヒビールグループは、グループの事業領域を"食と健康"に関わる分野とし、高品質の商品の開発・販売に取り組むだけでなく、飲食の楽しさ・豊かさを常に提案し、お客様の心身ともに健康で、心豊かな生活を支援する企業グループになることを目指します。
会社分割による特品事業部門の分社化に関するお知らせ
三共株式会社(東京都中央区社長:高藤鉄雄)は、平成14年11月26日開催の取締役会において、平成15年4月1日を期して、下記のとおり当社の営業のうち特品カンパニーが行う特品事業部門を会社分割し、新たに設立する三共ライフテック株式会社に承継することを決定しましたので、お知らせいたします。
1.会社分割の目的
当社は、平成13年2月に発表した経営ビジョンの達成を目指し、経営資源の「選択と集中」を推進している。
その中で、当社本体はあくまで医薬品事業へ特化するとともに、医薬品事業とは経営環境の異なる特品事業を分社化し、大幅な権限の委譲を図ることにより、特品担当事業関連市場に即応した柔軟かつ迅速な意思決定を可能にし、経営の効率化を図るものである。
また、一方で当社グループ内の医薬品事業における研究開発、製剤技術等のノウハウを特品担当事業領域に展開することにより、当社グループ全体としての利益の向上を図るものである。
2.会社分割の要旨
(1)分割の日程
分割計画書承認取締役会 | 平成14年11月26日 | ||
分割期日 | 平成15年4月1日 | ||
分割登記 | 平成15年4月1日 |
(2)分割方式
[1] | 分割方式(新設分割・物的分割) 当社を分割会社とし、新たに設立する三共ライフテック株式会社を承継会社とする新設分割であり、同社が分割により発行する株式の総数を当社に割当てる物的分割である。 |
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[2] | 当該分割方式を採用した理由 当社は、新設会社を当社の100%子会社とし、当社グループ内の医薬品事業におけるノウハウを新設会社と共有し、特品担当事業領域に展開することが当社グループの企業価値の向上に寄与するものと考え、当該分割方式を採用した。 |
(3)株式の割当て
新設会社が分割に際して発行する株式は、普通株式6,000株であり、その全株式を当社に割当てることとする。 |
(4)承継会社が承継する権利義務
承継会社は、分割期日において、当社特品事業部門において行われている営業に係わる必要な資産、負債及びこれに付随する権利、義務並びに契約上の地位を当社から承継する。 |
(5)債務履行の見込み
平成14年9月30日現在の貸借対照表に基づく、分割により承継する資産、負債は、次のとおりである。
|
(6)承継会社に新たに就任する役員
取締役社長 | 安藤弘一(当社特品カンパニープレジデント) | ||
取締役 | 鈴木誠至郎(当社特品営業部長) | ||
取締役 | 福見宏(当社特品開発部長) | ||
監査役 | 安藤敏郎(当社経理部部長) |
3.分割当事会社の概要
商号 |
三共株式会社(分割会社) (平成14年3月31日現在) |
三共ライフテック株式会社(承継会社) |
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事業内容 |
医薬品、医薬部外品、医療用具、農薬、動物用医薬品、食品添加物、工業薬品等の製造、販売、輸出入 |
動物用医薬品、食品添加物、工業薬品等の製造、販売、輸出入 |
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設立年月日 |
大正2年3月1日 |
平成15年4月1日 |
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本店所在地 |
東京都中央区日本橋本町三丁目5番1号 |
東京都文京区本郷四丁目23番14号 |
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代表者 |
取締役社長 高藤鉄雄 |
取締役社長 安藤弘一 | ||||||||||||||||||||
資本金 |
68,793百万円 |
300百万円 |
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発行済株式総数 |
449,498,765株 |
6,000株 |
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株主資本 |
650,876百万円 |
7,314百万円 |
||||||||||||||||||||
総資産 |
836,726百万円 |
9,565百万円 |
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決算期 |
3月31日 |
3月31日 |
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従業員数 |
6,359名 |
129名(予定) |
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主要取引先 |
(株)アズウェル、福神(株)、(株)ケーエスケー、東邦薬品(株) |
伊藤忠ケミカルフロンティア(株)、ライオン(株)、森久保薬品(株) |
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大株主及び持株比率 |
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主要取引銀行 |
(株)みずほコーポレート銀行 (株)三井住友銀行 (株)静岡銀行 |
(株)みずほコーポレート銀行 |
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当事会社の関係 |
資本関係:新設会社は、分割会社の100%子会社である。 人的関係:分割会社は新設会社に役員を派遣する。新設会社の従業員はすべて分割会社から出向するものとする。 取引関係:新設会社は分割会社から一部の商品を仕入れる。分割会社は新設会社に役務を供給する。 |
|
注)上記承継会社の株主資本及び総資産は平成14年9月30日現在の数値 |
分割会社の最近3決算期間の業績 |
三共株式会社(分割会社) |
|||
決算期 |
平成12年3月31日 |
平成13年3月31日 |
平成14年3月31日 |
売上高(百万円) |
450,569 |
417,586 |
413,198 |
営業利益(百万円) |
136,401 |
91,761 |
85,639 |
経常利益(百万円) |
138,338 |
93,965 |
86,563 |
当期純利益(百万円) |
57,249 |
49,789 |
46,668 |
1株当たり当期純利益(円) |
124.78 |
109.32 |
103.16 |
1株当たり年間配当金(円) |
24.50 |
24.50 |
25.00 |
1株当たり株主資本(円) |
1,304.29 |
1,440.16 |
1,464.30 |
4.分割する事業部門の内容
(1)特品事業部門の内容
動物用医薬品、食品添加物、工業薬品等の製造、販売、輸出入
(2)特品事業部門の平成14年3月期における経営成績
特品事業部門(a) |
当社実績(b) |
比率(a/b) |
|
売上高 |
18,802百万円 |
413,198百万円 |
4.55% |
営業利益 |
46百万円 |
85,639百万円 |
0.05% |
経常利益 |
27百万円 |
86,563百万円 |
0.03% |
|
(3)譲渡資産、負債の項目及び金額(平成14年9月30日現在) |
資産 |
負債 |
||
項目 |
帳簿価額 |
項目 |
帳簿価額 |
流動資産 |
9,518百万円 |
流動負債 |
2,251百万円 |
固定資産 |
47百万円 |
固定負債 |
0百万円 |
合計 |
9,565百万円 |
合計 |
2,251百万円 |
5.分割後の当社の状況
(1)商号 | 三共株式会社 | ||
(2)事業内容 | 医薬品、医薬部外品、医療用具等の製造、販売、輸出入 | ||
(3)本店所在地 | 東京都中央区日本橋本町三丁目5番1号 | ||
(4)代表者 | 取締役社長 高藤鉄雄 | ||
(5)資本金 | 68,793百万円 | ||
(6)総資産 | 828,592百万円(分割による減少見込額2,251百万円。 ただし、平成14年9月30日現在の数値) |
||
(7)決算期 | 3月31日 | ||
(8)業績に与える影響 | 新設会社は、当社の100%連結子会社となるため、本分割が当社の 連結ベースでの業績に与える影響はない。 |
6.その他
平成14年11月26日開催の取締役会において、平成15年4月1日を期して、当社の営業のうちアグロカンパニーが行う農薬事業部門を会社分割し、新たに設立する三共アグロ株式会社に承継することを決定した。
詳細は、平成14年11月26日付で、別途開示した。
日本経済新聞 2002/11/27
味の素 ナノテク使い機能性食品 小腸の細胞刺激 免疫力高める効果
味の素はナノテクノロジー(超微細技術)を使った機能性食品を開発した。病気への抵抗力を高めるシイタケ抽出原料の粒子の直径を約千分の1に小型化。細胞に吸収しやすくして効果を高める。年内に東京都などの100−200の薬局・薬店で試験を始め、需要を見極めたうえで2年以内に全国発売する計画だ。
対象はシイタケなどキノコ類から抽出される、多数の糖でできた「βーグルカン」。体内の免疫作用をつかさどる細胞の働きを活性化するとされる。注射型の抗がん剤に使われており、血管を巡って肝臓などの臓器で免疫担当細胞を刺激、体の抵抗力を高める。
食品に加えて効果を持たせる場合は小腸の免疫担当細胞に到達させる必要がある。しかし、通常の粒子の大きさでは小腸の免疫担当細胞の上にある「パイエル板」というふたにブロックされるため、吸収されにくかった。
味の素はβ−グルカンを大豆由来の添加物と混ぜて高温度下で高圧力をかけ、通常は直径200マイクロ(マイクロは百万分の1)メートルのβ−グルカンの粒子を千分の1の200ナノ(ナノは十億分の1)メートルに微細化することに成功した。パイエル板にある直径1マイクロメートルの穴を通過できるようになり、免疫担当細胞に届きやすくなる。
βーグルカンは高圧力状態などで微細化しても再びくっついて大きくなる性質がある。味の素は独自の添加物を活用。添加物が微細粒子の間に挟まるようにして結合を防ぐ仕組みにした。
2002/4/25
三光純薬とエーザイ、PALSAR(パルサー)法事業化で新展開
- 株式会社パルマビーズ研究所設立 -
三光純薬株式会社(本社:東京都千代田区、社長:渡辺瞭)は、自社開発した新しい遺伝子増幅法であるPALSAR法を用いた診断薬等の研究開発を目的とする新会社「株式会社パルマビーズ研究所」(以下、「PB社」)を5月13日に設立いたします。なお、三光純薬の親会社であるエーザイ株式会社(本社:東京都文京区、社長:内藤晴夫)は、PB社設立後、同社が実施する第三者割当増資を引き受けます。増資後の三光純薬とエーザイの持株比率は各50%になります。
PALSAR法は米国と日本において、すでに特許が成立しており、欧州においても出願公開期間中であります。両社は今後の事業化に向け、迅速に製品を開発するとともに、周辺技術の特許出願を推進することが重要と判断し、三光純薬の遺伝子研究部門を分離独立させることにいたしました。
医療、食品、環境、農業などの幅広い分野おいて、PALSAR法は応用可能な技術であります。PB社は、最初の製品として、感染症領域における診断薬キットの開発を行います。また、米国進出を視野に入れた事業展開を進め、社外との共同研究・製品開発にも積極的に取り組んでまいります。
< ご 参 考 >
各社の概要
株式会社パルマビーズ研究所 | ||
代 表 者 | 渡辺 瞭(三光純薬(株)代表取締役社長) | |
本社所在地 | 東京都千代田区岩本町一丁目10番6号(三光純薬 本社内) | |
研 究 施 設 | 茨城県稲敷郡阿見町吉原3262番地12(三光純薬 茨城事業所内) | |
事 業 内 容 | PALSAR法に基づく診断薬等の研究開発、ならびに遺伝子関連技術の研究開発 | |
資 本 金 | 5000万円 | |
従 業 員 | 10名 | |
三光純薬株式会社 | ||
代 表 者 | 渡辺 瞭 | |
本社所在地 | 東京都千代田区岩本町一丁目10番6号 | |
資 本 金 | 52億6248万円(平成14年3月期) | |
事 業 内 容 | 臨床検査薬、研究用試薬、医療機械器具等の製造、販売、輸出入 | |
注:エーザイの三光純薬持株比率は、50.59%であります | ||
エーザイ株式会社 | ||
代 表 者 | 内藤 晴夫 | |
本社所在地 | 東京都文京区小石川4丁目6番10号 | |
資 本 金 | 448億8814万円(平成14年3月期) | |
事 業 内 容 | 医薬品、医薬部外品、製薬用機器・装置等の製造、販売、輸出入 |
2.PALSAR法の原理
PALSAR法は、遺伝子増幅法の一つで、2種類のDNA断片(オリゴヌクレオチド・プローブ)を使って、大きなDNAポリマー(塊)を作る独特な技術です。従来の手法とは異なり、ポリマーを生成する際に核酸合成酵素が不要であり、一定の温度内(40 から70 の範囲)かつ短時間(30秒から30分)で増幅可能という特長があります。
PALSAR法で用いるDNA断片の塩基は任意に設計することができ、断片にあらかじめ蛍光物質などを標識しておけば、大きなDNAポリマーは大きなシグナル(信号)として検出できます。
目的とするウイルスなどの遺伝子の塩基配列を、そのままDNA断片の一部として設計しておくことにより、DNA断片は検出したいウイルスなどの遺伝子に結合します。結合すると大きなポリマーのシグナルにより、ウイルスなどの存在を確認することができます。
3.名前の由来
[ PALSAR法 ]
DNA断片が互い違いに結合して、自ら集まり大きな塊を作る反応という方法名の頭文字から取りました。
< Probe alternation link self ‐ assembly reaction >
[ (株)パルマビーズ研究所 ]
「パルマ」はラテン語・イタリア語・スペイン語で「手のひら」の意味であり、「ビーズ」とは、PALSAR法による遺伝子増幅が「蜂の巣」の形に似ていることを指します。
手のひらサイズの遺伝子診断キットの開発を追求する会社という意味で命名しました。
2002/11/27 オリンパス光学工業
オリンパスが再生医療事業に参入
培養骨・多検体自動細胞培養装置の販売を目指す
オリンパス光学工業株式会社(社長:菊川 剛)は、このたび新規事業として骨の再生医療事業に参入致します。
本事業は、患者の骨髄液から採取した間葉系幹細胞を培養後、β−TCP(*1)上で骨細胞に分化させ、培養骨として医療機関に供給するものです。
今後、高齢化に伴い骨疾患の増加が予測される中で、当社は再生医療による治療を支援していきます。
神戸医療産業都市構想の中核的な施設である先端医療センター(*2)で細胞培養技術の研究を進め、2003年秋を目処に培養骨の臨床治験を開始し、薬事承認を経て2006年末から販売を開始する予定です。
さらに、多検体の細胞培養を行なうための多検体自動細胞培養装置をバイオベンチャーのワンセル社(本社:広島市・代表取締役:福嶋 久)と共同開発し、社内生産に活用するとともに、2006年迄には外部への販売も予定しています。
10年後(2012年度)の売上目標として、培養骨・多検体自動細胞培養装置を含め100億円を目指します。
(*1)β−TCP | |
ベータ・リン酸三カルシウムの略です。当社では、このβ−TCPを高純度で精製し、骨補填材「オスフェリオン」として商品化しています。 「オスフェリオン」は、自家骨に置換される優れた生体親和性と骨伝導能をもつ人工骨補填材です。 |
|
(*2)神戸医療産業都市構想の中核的な施設である先端医療センター | |
GMP(製造管理及び品質管理規則)に準拠して安全にヒトの細胞・組織を培養することが可能な細胞培養センターを備えています。 |
● 事業概念図
●培養骨について
現在、手術等で大きな骨欠損が生じた場合、その骨欠損修復に対しては、患者自身の骨や人工骨が使われています。
この場合、患者自身への侵襲、採取骨の不足、骨再生の遅延などが見られました。このような問題を解決する為に、骨の再生医療が期待されています。
●事業参入の背景
当社医療システムカンパニーでは、内視鏡(消化器・外科・処置具・超音波)、顕微鏡、分析機、ゲノム解析システムなど、医療市場における研究・検査・診断・治療の全ステージのトータルソリューションを目指して事業を展開しています。この中で、整形外科分野の事業拡大を図るために生体材料分野に進出し、1999年4月に骨補填材「オスフェリオン」の販売を開始しました。その後、β−TCPが培養骨の担体(*3)として有用であることが研究で確認され、この研究成果を足がかりに、このたび再生医療分野に参入することになりました。
培養骨及び多検体自動細胞培養装置の事業を行なうにあたっては、当社の顕微鏡(細胞組織観察技術)、分析機(感染検査技術)、外科用内視鏡(低侵襲手術機器)の事業をシナジーとして活用し、骨の再生医療の普及に貢献していきたいと考えています。
(*3)担体 | |
細胞を培養する足場となる材料。 |
※ 当リリースに掲載されている社名、商品名、技術名は各社の商標または登録商標です。
2002/12/2 アンジェス エムジー
アンジェス、HGF遺伝子治療薬の第二相臨床試験開始で治験薬を米FDAに申請
HGF遺伝子治療薬の米国におけるIND申請提出のお知らせ
当社は、この度、米国子会社のアンジェスインクを通じて、米国FDAにHGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症)の第二相臨床試験を開始するためのIND(Investigational
New Drug
、治験薬)申請を行いましたのでお知らせ致します。米国における遺伝子治療薬の臨床試験については、国内企業としては当社が初めてのケースとなります。
HGF遺伝子治療薬は、血管新生作用があり、動脈硬化など血管内腔が狭くなり血流の流れが悪くなる虚血性疾患の治療を目指す薬剤です。従来の薬剤と異なる作用を持つため、既存の薬物療法が不十分な患者、手術が困難な患者においても効果が期待されます。主に、下肢の血流が悪化する末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症、バージャー病)、心臓の血流が悪くなる虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)が対象となり、当社では、両分野での開発を進めています。
今回のFDAへの申請は、末梢性血管疾患に対し、米国で臨床試験を開始するために行われましたが、大阪大学の臨床研究において既にヒトでの使用実績があることから第二相から開始する計画となっています。
なお、HGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患及び虚血性心疾患の両分野について、日米欧の販売権は、第一製薬株式会社に供与しています。
<ご参考>
―HGF遺伝子治療薬の特徴・医療上の意義―
HGFは強い血管新生作用を有することが知られていますが、本治療薬はHGFを産生する遺伝子を虚血部位に投与することで、局所にHGFたんぱく質を発現させ血管新生を促して虚血状態の改善を図るもので、国産初の遺伝子治療薬です。本治療薬は、ウィルスベクターを用いないnaked DNAであり、ウィルスベクターに由来する副作用を回避できます。また、従来の薬物の作用機序と異なり、血管新生により虚血状態を改善するため、既存の治療法が無効な難治性の末梢性血管疾患や虚血性心疾患に効果が期待できる画期的な治療となる可能性があります。
―用語の解説―
1. | 遺伝子治療薬(gene medicine) 遺伝子または遺伝子の一部を有効成分とする医薬品。 |
2. | 肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor:HGF) 肝細胞から発見された増殖因子で、血管新生作用を有する他、発生過程における器官形成や傷害に伴う組織・器官の再生において重要な役割を担う。 |
3. | 末梢性血管疾患(peripheral arterial disease) 四肢の末梢血管が閉塞することにより、筋肉や皮膚組織が虚血状態に陥り、しびれ、冷感、間歇性跛行、安静時疼痛、下肢潰瘍などの症状を示す。閉塞性動脈硬化症やバージャー病等がある。 |
4. | 虚血性心疾患(ischemic heart disease) 心臓を養う動脈(冠動脈)がある程度狭窄すると、労作時に十分な血液が流れず、胸苦しさとか胸痛などの症状を示す狭心症や、冠動脈が完全閉塞し、心筋組織が虚血状態になる心筋梗塞などがある。 |
5. | naked DNA 遺伝子がうまく働くためには、遺伝子が細胞の中に入る必要があるが、遺伝子はそのまま細胞に近づけても細胞の中に入っていくことはできない。そこで、細胞の膜を突破し、細胞の中に遺伝子を運ぶ役目をする「運び屋」が必要になる。通常、この「運び屋」としてウィルスを改良して使うことや、リポソームに導入遺伝子を封入して細胞内に取り込ませる方法が一般的だが、本HGF遺伝子治療薬では、プラスミドDNAと呼ばれる遺伝子を環状にしたものを使用する(naked DNA法)。プラスミドDNAだけでは、細胞の膜を突破する力は弱いが、筋肉内に注射する場合は遺伝子を発現することができる。この方法は、ウィルスやリポソームの持つ感染性や細胞毒性を心配する必要がなく、安全性の高い方法である。 |
2002/09/11 日経金融新聞 経緯
アンジェスMG上場、2005年に第一弾の医薬品を市場へ。
森下竜一大阪大学助教授が創業した「アンジェスMG(大阪府豊中市)」は、9月25日東証マザーズに上場する。大手製薬会社と協力して、早ければ2005年に第一弾の遺伝子医薬品を市場に送り出す予定。2005年に末しょう性血管疾患治療薬の国内販売を始め、2008年頃までに虚血性心疾患治療薬も含めて日米欧で商品化を完了する計画だ。
アンジェス エムジー株式会社(旧商号 メドジーン バイオサイエンス株式会社)
http://www.anges-mg.com/
本社 大阪府豊中市新千里東町1丁目4番2号
千里ライフサイエンスセンタービル10階設立 1999年12月17日 代表者 山田 英(代表取締役 社長) 資本金 1,803百万円(84,049株) 従業員 63名(7月末現在;連結) 事業目的 1: 遺伝子医薬の研究・開発
2: 新規ベクターの研究・開発事業範囲 1: HGF遺伝子治療薬の研究・開発・製造
2: 核酸医薬(デコイオリゴ)の研究・開発・製造
3: Business Platformとしての新規ベクター(HVJエンベロープベクター)の
研究・開発沿革
平成11年12月 遺伝子治療薬、核酸医薬及び遺伝子の機能解析を行う研究用試薬の
研究開発を目的として、大阪府和泉市に株式会社メドジーンを設立平成12年6月 商号をメドジーン バイオサイエンス株式会社に変更 平成12年8月 HVJエンベロープベクターの製造・販売に関し、石原産業株式会社と提携 平成13年1月 HGF遺伝子治療薬(末梢性血管疾患症分野)の国内販売に関し、
第一製薬株式会社と提携平成13年10月 米国での臨床開発を目的として、米国メリーランド州に
アンジェス インク(連結子会社)を設立平成13年10月 商号をアンジェス エムジー株式会社に変更 平成14年4月 HGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患分野における米国及び欧州、
並びに虚血性心疾患分野における日本、米国及び欧州の販売に関し、
第一製薬株式会社と提携平成14年6月 欧州での臨床開発を目的として、英国サセックス州に
アンジェス ユーロ リミテッド(非連結子会社)を設立平成14年7月 治療用及び診断用遺伝子の発見・創薬を目的として、
大阪府豊中市にジェノミディア株式会社(非連結子会社)を設立
大学発VB上場第一号、アンジェスMGの快進撃を検証。
◎快進撃の原動力。
設立から三年を待たずして株式公開を果たしたアンジェスMG。その快進撃には、いくつかの要因があるが、中でも大きいのは、臨床応用が見える段階までシーズが育っていたこと、そして当初から複数のシーズ(三本柱プロジェクト=HGF遺伝子による血管新生治療/核酸医薬「NFκBデコイオリゴ」/HVJエンベロープベクター)を持っていたことが挙げられる。
◎創業のきっかけとなった「HGF遺伝子を用いた血管新生治療」。
三本柱プロジェクトの一つであり、アンジェスMG創業のきっかけとなったのが「HGF遺伝子を用いた血管新生治療」。HGFとは肝細胞増殖因子と呼ばれるたんぱく質。同社のプロジェクトは、このたんぱく質の強い血管新生作用に着目したもの。末梢性血管疾患や冠動脈疾患の患者の病変部にHGFの遺伝子を投与し、HGFたんぱく質を発現させ、血管の新生を狙う治療法。
◎二番目の柱「NFκBデコイオリゴ」。
二番目の柱として挙げられるのが「NFκBデコイオリゴ」。NFκBは、炎症反応を起こすたんぱく質の発生を左右する働き持つ。このNFκBが遺伝子と結合するとリウマチ、アレルギー、喘息等々の疾患を引き起こすが、デコイ(=おとり)オリゴを細胞内にまくことで、NFκBがこのデコイオリゴと結合し、炎症疾患の原因遺伝子の発現を抑制し症状を改善する。
◎三番目の柱「HVJエンベロープベクター」。
前記の二つが医薬品づくりを目指したのに対し、三番目の柱となる「HVJエンベロープベクター」は、研究用試薬のプロジェクト。HVJ(センダイウイルス)のRNAを除去して、エンベロープ(外被膜)内に遺伝子を封入し、細胞に接触させることで、細胞や組織内に遺伝子を導入することが可能となる。遺伝子の機能解析に用いる研究用試薬として開発が進んでいるが、遺伝子治療用のベクターとしても開発が進んでいる。
2002/12/4 日本経済新聞
大衆薬開発 日中で提携 中国最大手・三九とハック
中国の製薬最大手、三九企業集団(広東省深セン市)は、ドラッグストア大手のハックキミサワと提携、日本市場向けの大衆薬(一般用医薬品)や健康食品などを両社で企画・開発し販売する。利益率が高い自社開発商品を拡充しデフレ下でも競争力をつけるねらい。三九が中国国内で経営するドラッグストアの近代化でもハックが協力する。
12月中旬にも最終合意する見込み。両社はまず、高血圧や糖尿病など生活習慣病に悩む消費者らを対象とした医薬品・健康食品を開発する。三九は生薬の生産・加工を一貫して手がけており、日本向けの専用ラインも設置。生産コストは国内の3分の1程度になる見込みだ。商品はハックが約200店で販売するほか将来は全国のドラッグストアに卸売りする。3年後をメドに100億円規模の売り上げをめざす。
中国製ダイエット食品の健康被害間題で中国製健康食品への消費者の不安もくすぶっているが、ハックは品質や摂取方法の店頭説明を徹底、消費者の理解を目指す。
また、三九は中国でドラッグストア約1万店を展開しているが、効率化が遅れており、ハックキミサワが物流、在庫管理など店舗運営ノウハウを提供する。
三九は1985年に中国人民解放軍の傘下企業として発足し99年に独立した。医薬品の製造・販売のほか金融、建設などグループ2千社を持ち、2001年度の年間売上高は約6800億円。従業員は6万人。
日本経済新聞 2003/7/9
東亜製薬の買収を発表 中国の三九
中国医薬最大手の三九企業集団(広東省深セン市)は8日、中堅漢方薬メーカーの東亜製薬(富山県上市町)を子会社化することで合意したと発表した。中国企業が日本で医薬品の製造、販売に乗り出すのは初めて。
三九は東亜製薬を傘下に収めることで30品目以上の医薬品の製造、販売が可能になる。10月をめどに漢方かぜ薬など5品目程度を提携先のドラッグストア大手、ハックキミサワを通じ三九ブランドで発売する計画。
三九企業集団は1985年に中国人民解放軍の傘下企業として発足し、99年に独立した。金融、建設などグループ2千社を持ち、総売上高は日本円換算で6800億円(2001年度)
日本経済新聞 2003/10/24
円と元 チャイナ・マネー勃興
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中国企業の「日本買い」には摩擦も伴う。
「中国の企業に買われるとリストラが厳しいのではないか」「地元経済への配慮がなくなる」ーー。富山県上市町に本拠を置く漢方薬メーカー東亜製薬が9月下旬に開いた臨時株主総会。中国の製薬最大手、三九企業集団(深セン市)による買収提案を議論したが、株主からは買収への慎重論が噴出、提案は否決された。
それから1カ月。三九日本法人の西村一郎社長は「既存事業の切り捨てやリストラはしない」と株主を回って説得、東亜の西本初博社長も「三九と組まなければ商品開発や販売競争に勝ち抜けない」と力説、23日に再び開いた株主総会でようやく過半数の賛同を得た。11月からは東亜製の風邪薬「葛根湯」など5種類の薬品が、三九ブランドで薬局チェーンなどに並ぶ。