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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

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2022/11/1   サムスン電子の李在鎔副会長が会長昇格 

韓国サムスン電子は10月27日、創業家3代目で2012年から副会長を務めている李在鎔氏(54)を執行会長に任命したと発表した。

サムスン電子は声明で「取締役会は、現下の国際事業の不確実な環境、説明責任の強化と事業安定の必要性を踏まえ人事案を承認した」と説明した。

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2020年10月25日に2代目の李健熙会長(78歳)が死去した。 
2014年に急性心筋梗塞で倒れ、長く入院、実質的に長男の李在鎔副会長に権限移譲していた。

2021/5/4 故李健熙サムスングループ会長の遺産相続  

10月25日に故李健熙会長の2周忌を迎え、一族が集まり追悼式を行った。

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新会長は、1991年のサムスン入社から31年、2012年の副会長昇進からは10年目にしての就任であるが、サムスンバイオロジクス会計操作疑惑で裁判中の立場であるため「不適切だ」との批判の声もあがっている。

新会長はこの日、就任式と就任演説を行なわず、ソウル中央地裁で開かれた裁判に出廷した。毎週1−2回開かれるサムスン経営権の違法継承疑惑の裁判である。

同氏は2つの裁判にながらく関わってきた。1つは終了したが、もう一つは継続中で、少なくとも3−4年間続くとみられている。

 

1つは、韓国の元大統領、朴槿恵被告側への贈賄罪などに問われた国政介入事件である。

一審で懲役5年の実刑判決を受けたサムスングループ経営トップのサムスン電子副会長、李在鎔被告らの控訴審判決公判が2018年2月5日開かれた。

ソウル高裁は地裁判決を破棄し、李被告に新たに懲役2年6カ月、執行猶予4年を言い渡した。李被告は約1年ぶりに釈放された。
2017年8月の一審では5つの起訴事実すべてが有罪とされたが、高裁は焦点となっていた贈賄の一部と海外への不正な送金などを無罪とした。

2018/2/5 サムスントップ釈放 

李在鎔副会長が朴槿恵・前大統領らへの贈賄罪に問われた差し戻し審で、ソウル高裁は2021年1月18日、贈賄罪などを有罪とし、李被告に懲役2年6月(求刑は9年)の実刑判決を言い渡した。
執行猶予は付かず、再び収監された。

サムスン側は1月25日、高裁判決を受け入れ、上告を断念したと明らかにした。検察側も上告せず、26日午前0時に判決は確定した。
収監中の李被告の残り刑期は約1年6カ月で、満期の場合は2022年7月に出所することになる。

2021/1/19  サムスントップ、贈賄罪差し戻し審で懲役2年6月、再び収監 

韓国の法務部は2021年8月13日、贈賄や横領などの罪で収監されている韓国サムスン電子の李在鎔副会長を仮釈放した。

法務部は声明で「社会の受け止めや、本人の受刑時の生活態度など、さまざまな要因を総合的に評価した」と述べた。

仮釈放された受刑者は保護観察下となり、就業制限や海外渡航制限が課される。これらの制限なく経営復帰するためには法務省の承認が必要となる。

世界的に半導体が不足する中、台湾積体電路製造(TSMC)や米インテルといった競合は巨額の投資を行っているが、サムスンで主要な戦略的決断が下されていないとの懸念が高まる中、政界や社会、そして広範な経済界からも李氏の仮釈放を求める声が高まっていた。

2021/8/14 サムスン副会長、仮釈放 

韓国政府は2022年8月12日、朴槿恵元大統領らへの贈賄罪などで有罪判決を受けたサムスングループ経営トップの李在鎔サムスン電子副会長らを8月15日の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)に特別赦免(恩赦)し、減刑や復権の対象にすると発表した。

前年8月に仮釈放され、刑期は2022年7月に満了したが、特定経済犯罪加重処罰法上、5年間は就業が制限されていた。恩赦を受けて自由な経済活動ができるようになった。

2022/8/13 韓国、サムスンやロッテのトップらを恩赦 

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検察は2020年6月4日、李在鎔副会長らについて、資本市場法違反(不正取引及び相場操作行為)や偽証などの容疑で逮捕状を請求した。

今回は2015年のサムスン物産と第一毛織の合併過程における背任、サムスンバイオロジクスの粉飾会計などサムスン経営権継承を巡る一連の疑惑である。検察は本件を3年以上先延ばしにしていた。

争点は次の3つ。

1. サムスン物産・第一毛織の合併の違法性
2. 第一毛織子会社のSamsung BioLogicsの4兆5000億ウォン粉飾会計疑惑
3. 李副会長が関与したのか?

検察は、2015年のサムスン電子と第一毛織の合併と、その後のSamsung BioLogicsの会計基準変更が李副会長の安定的な経営権継承を目的としていたとみている。
不正が疑われる行為の企画・実行者を突き止める一方、李氏を頂点とするグループ首脳部がどこまで報告を受け、指示を出していたかを探る考えである。

韓国の検察捜査審議委員会は6月26日、検察に対し、本件捜査を中断し不起訴にするよう勧告した。

しかし、ソウル中央地検は2020年9月1日、李在鎔サムスン電子副会長を株価操作などの罪で在宅起訴した。

2020/6/2  韓国検察、サムスン電子副会長を再度聴取、経営権継承巡る疑惑

この裁判は一審だけで1年6カ月間続いており、李新会長は毎週1−2回裁判に出席している。  
最高裁まで争われた場合、少なくとも3−4年間続くとみられている。

司法リスクは李会長の経営活動を妨めざるを得ない。これまで李会長は海外出張も夏季休暇などで裁判所が休廷する期間に合わせて日程を調整してきた。

本年5月にバイデン米大統領が京畿道平沢市のサムスン電子半導体工場を訪れ、尹錫悦大統領と初めての首脳会談を行った際にも、裁判の日とダブルため、李会長の同席が危ぶまれた。裁判所は前日午後遅くになって、裁判への欠席を許可した。



2022/11/3 米国、4会合連続で 0.75%の大幅利上げ

米連邦準備理事会(FRB)は11月2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げを決めた。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は3.75〜4.00%となった。

6月に約27年ぶりに実施してからは4会合連続となる。

利上げ幅は市場予想通りで、2008年1月以来、約14年半ぶりの水準である。

声明文では「金利目標の継続的な引き上げが適切」としつつ、今後の利上げペースの決定には「金融政策が経済活動や物価に影響を及ぼすのに時間差がある点を考慮する」と新たに加えた。

深刻な景気後退を招く「引き締めすぎ(オーバーキル)」のリスクを意識した表現とみられ、次回12月には利上げ幅を0.5%に縮めると予想されている。

 
2018/12 2.25%〜2.50% +0.25%
2019/7

2.00%〜2.25%

-0.25%
2019/9

   1.75%〜2.00%

-0.25%
2019/10

1.50%〜1.75%

-0.25%
2020/3

1.00%〜1.25%

-0.50%
2020/3

0.00%〜0.25%

-1.00%
2022/3 0.25%〜0.50% +0.25%
2022/5 0.75%〜1.00% +0.50%
2022/6 1.50%〜1.75% +0.75%
2022/7 2.25%〜2.50% +0.75%
2022/9 3.00%〜3.25% +0.75%
2022/11 3.75%〜4.00% +0.75%

9月の物価は下図の通りで、原油高が一服し、伸びは鈍ったが、食品価格や家賃の高騰で記録的高水準が続いている。

 

付記

英中央銀行は11月3日、政策金利を0.75%引上げ、年3.00%にした。11/1には、資産買い入れプログラムで購入した英国債の最初の売却を実施した。

 

各国が利上げを進めているなか、日銀は10月27〜28日の金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を柱とする金融緩和の継続を決めた。

2022/9/26  主要中央銀行でマイナス金利は日銀だけに

黒田総裁は11月2日の衆議院・財務金融委員会で、「将来2%の物価安定目標の実現が見通せるような状況になったときに、その前段階で、イールドカーブコントロール(長短金利操作)を柔軟化していくことは、一つのオプションとしてあり得る」としたが、賃金の上昇を伴う形で、物価安定の目標を持続的安定的に実現するためにいまの金融緩和策を続ける必要があることを強調した。


2022/11/4    ロシアー北朝鮮貨物鉄道が再開

ロシア鉄道は11月2日、極東沿海地方のハサン駅から北朝鮮に向けて2020年初頭以来となる貨物列車が出発したと明らかにした。

ウマ30頭を載せた貨物列車が北朝鮮側の豆満江駅に向かった。

新型コロナ流行前の2019年にはロシア側から5万トン超の貨物が輸出されていたが、北朝鮮側の新型コロナウイルス対策で中断していた。

バラノフスキー・ハサン鉄道はロシア連邦沿海地方のバラノフスキー駅とハサン駅を結ぶ全長240kmの鉄道で、ハサン駅からは国境の豆満江を越えて北朝鮮の豆満江駅に直通している。

 

ロシア極東の沿海地方の発表によると、サハリン州知事と北朝鮮のロシア駐在大使が9月8日にウラジオストクで会談し、貨物列車の運行再開を決めた。

北朝鮮としては、「ゼロコロナ」政策をとる中国との間で貨物列車の運行再開のめどが立たず、国内経済が打撃を受ける中、ロシアからの物資の調達を急ぎたい考えだとみられる。

アメリカ政府の高官が9月に、ロシアがウクライナで使用するため、北朝鮮から数百万発のロケット弾や砲弾の購入を進めているという見方を明らかにしたほか、ロシア外務省の高官が北朝鮮に石油や石油製品の提供を再開する用意があると述べるなど、ウクライナ侵攻後の両国の関係強化の動きが目立っている。

 


2022/11/7    海底からレアアース採掘

政府は、小笠原諸島・南鳥島沖の水深6000メートルの海底で確認されているレアアース泥の採掘に乗り出す。

来年度に採掘法の確立に向けた技術開発に着手し、5年以内の試掘を目指す。2022年度第2次補正予算案にも、関連経費を盛り込む。

ーーー

東京大学大学院の加藤泰浩教授(地球資源学)らの研究グループが、「レアアース」を豊富に含む泥を南鳥島周辺の海底で発見した。2012年6月28日に資源地質学会で発表した。

国際共同研究などで採取された南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)内の海底堆積物のボーリング試料を分析した結果、南鳥島の南西約300キロメートル、水深約5600メートルの海底の泥に最大約1700ppm、平均約1100ppmの高濃度でレアアースが含まれることを突きとめた。

2012/7/2  南鳥島沖にレアアース 

 

経済産業省は2013年7月20日、南鳥島の沖合の海底に存在するレアメタルついて、国際海底機構から探査の承認が得られたと発表した。
今後15年間にわたって日本が独占的にレアメタルの探査を行うことになる。

2013/7/24    南鳥島沖のレアメタル探査へ 

ーーー

採掘には内閣府の事業で今年8〜9月、茨城県沖で試験が成功した世界初の技術を用いる。

レアアース泥は海底面直下に存在する堆積物であり、これまでは大量に海上に引き上げる技術は世界のどこにも存在しなかった。

内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム革新的深海資源調査技術と国立研究開発法人海洋研究開発機構は、深海に堆積するレアアース泥採鉱を可能にする技術を開発し、海洋研究開発機構が運航する地球深部探査船「ちきゅう」を用いて、茨城県沖水深2,470mの地点において実施した実海域試験で、海底堆積物の揚泥に世界で初めて成功した。

環境負荷を極力小さくする閉鎖系二重管揚泥方式(海底面から解泥機を差し込み装置内の堆積物に海水を注入して流動性のある状態にして揚泥管を通じて洋上に引き揚げる方式)を採用し、その上で「解泥」「集泥」「揚泥」を可能とする採鉱装置を一体化した新たな採鉱システム。

具体的には、採鉱装置(解泥機)を海底に差し込むことで海底のレアアース泥を採鉱装置に閉じ込める。

固く締まったレアアース泥は採鉱装置内の攪拌装置で攪拌され、海水と混ぜられることで懸濁液(スラリー化・液体化)となり揚泥管へと移送される。

その後は「ちきゅう」のライザー循環機能を活かし、揚泥菅内を垂直に循環する循環流を発生させ、この流れに沿う形で、レアアース泥を採鉱装置内から船上まで引き上げる。

実海域試験は、茨城沖水深2,470mの海域で2022年8月12日から9月2日にかけて、海底3か所の採鉱サイトにおいて上記の作業を実施し、1日あたりに換算して約70トンの堆積物の回収に成功した。

この深度での海底堆積物の揚泥は世界でも初めてのケースで、7件の特許申請を行なっている。

今回の実海域試験までに完成している3,000mまでの採鉱システムに加えて、南鳥島沖の水深6,000mに存在するレアアース泥回収の実現に必要となる残り3,000m分の揚泥管を入手して6,000m級のレアアース泥回収システムを完成させることで、速やかに南鳥島沖でのレアアース泥採鉱実験及び採鉱効率実証試験の実現を目指す。

1日350トンの採掘を目指す。


2022/11/8    日本政府、EV優遇税制に関する意見書を米政府に提出
 

日本政府は11月4日、バイデン米政権による電気自動車(EV)の優遇税制に関し、日本製なども含めるよう見直しを求める意見書を提出した。

EV購入に伴う税控除を北米で組み立てた車に限定し、日本メーカーを排除することに対して、有志国との連携を重視する米国の戦略と「整合的ではない」とも批判するもの で、同盟国たる日本メーカーが製造するEVも同等に税額控除を受けることができるよう運用することを求めた。

すでに立法に懸念を表明している韓国や欧州諸国に加わった。韓国は、自動車メーカーが米国で EV インセンティブを受け続けることができるようにするため、法律上 3 年間の猶予期間を求めている。

ーーー

バイデン米大統領は8月16日にインフレ対策法案:Inflation Reduction Act of 2022 に署名し、成立した。大統領は「気候変動に関するこれまでで最大の前進だ」と強調した。

新法では、

低・中所得者がエコカーなどの新車を購入する際に1台当たり最大7500ドルの税控除を受けられる。

既存のEV減税は適用対象を自動車メーカーごとに20万台と定めていたが、台数の上限を撤廃する。  

ただ、EV減税の対象となる新車について、北米地域での最終組み立てを義務付けた。さらにEV用電池の原材料である重要鉱物の調達先を、米国か、米国と自由貿易協定(FTA)を結んでいる国に事実上制限する。世界シェアの高い中国製品をサプライチェーン(供給網)から排除する狙い。

2022/8/24 米「インフレ抑制法案」成立 電気自動車補助金で波紋 

米財務省は10月5日から意見を公募していた。

ーーー

意見書では下記について懸念を表した。

@北米地域以外からの輸入完成車が税控除の適用除外となったこと
Aバッテリー材料の調達・加工要件が米国または米国の FTA 締結国に狭く限定されていること
Bバッテリー部品の北米での製造・組み立て要件が導入されたこと

「有志国との連携の下で、強靭なサプライチェーンを目指す全体戦略と整合していない」と指摘し、優遇対象を限定することで、消費者の選択肢を狭め、「バイデン政権が掲げる野心的な気候目標達成の妨げとなるおそれがある」とした。

特定の国・地域のみが優遇されることで、日系の自動車、電池メーカーが投資をためらい、米国の投資や雇用の拡大に悪影響が出る可能性があるとも強調、同盟国たる日本メーカーが製造するEVも同等に税額控除を受けることができるよう運用することを求めた。


2022/11/8    米 中間選挙  

米中間選挙は11月8日に投開票される。

下院は全員が改選となる。8月以降に死亡、辞任した3人(共和党1名、民主党2名)を含め、435人が改選となる。

  共和党 民主党 合計 欠員
選挙前 212 220 432 3

上院は各州2名、任期6年だが、1/3ずつにクラス分けされ、2年ごとに選挙が行われる。今回はClass 3 の34名が改選となる。

前回の選挙で、退任したClass 3 の議員の後任として選ばれた民主党の2議員は、前任者の任期切れに伴い、任期が切れるため、再出馬し、新たに6年の任期を狙う。

ハリス上院議員(Class 3)が副大統領になったのに伴い、カリフォルニア州知事が後任を指名したが、同様に任期が切れるため、再出馬し、新たに6年の任期を狙う。

なお、オクラホマ州選出の共和党議員が来年の引退を決めているため、特別選挙(補選)が行なわれる。

  共和党 民主党 民主系
無所属
合計
選挙前 50 48 2 100
非改選1 (2024) 10 21 2 33
 非改選2 (2026) 20-1 13   32
非改選計 29 34 2 65
改選3 20 14   34
引退補選 1     1
選挙 21 14   35


 

    上院 (丸数字はClass )

 

下院

共和

民主

無所属 共和 民主
前回

前々回

今回 前回

前々回

今回 前々回
New England Maine A           @ 0 2
New Hampshire       A   B   0 2
Vermont -     -   B @ 0 1
Massachusetts       A @     0 9
Connecticut -     - @ B   0 5
Rhode Island       A @     0 2
Mid-Atlantic New Jersey       A @     2 10
New York -     - @ B   8 19
Pennsylvania -   B - @     9 9
Delaware -     A @     0 1
Maryland -     - @ B   1 7
The South Arkansas A   B         4 0

Alabama

A   B         6 1
West Virginia A       @     3 0
Florida - @ B -       16 11-2
South Carolina A   B         6 1
Georgia       AB     8 6
Texas A @           23 13
Tennessee A @           7 2
Kentucky A   B         5 1
North Carolina A   B         8 5
Virginia       A @     4 7
Mississippi A @           3 1
Louisiana A   B         5 1
Great Plains Oklahoma

来年
引退 A

  B
        5 0
Kansas A   B         3 1
South Dakota A   B         1 0
North Dakota - @ B -       1 0
Nebraska A @           3 0
The Midwest Iowa A   B         3 1
Indiana - @ B -       7-1 2
Illinois       A   B   5 13
Ohio -   B - @     12 4
Wisconsin -   B - @     5 3
Michigan       A @     7 7
Missouri - @ B -       6 2
Minnesota       A @     4 4
Rocky Mountains Idaho A   B         2 0
Colorado       A   B   3 4
Montana A       @     1 0
Wyoming A @           1 0
The Southwest Arizona       B @   4 5
New Mexico       A @     1 2
Nevada -     - @ B   1 3
Uta - @ B -       4 0
Pacific Oregon       A   B   1 4
Washington -     - @ B   3 7
California -     - @ B   11 42
 
  Alaska A   B         1 0
  Hawaii  -     - @ B   0 2
合計
 
20-1 10 20+1 15-2 21 12+2 2 213-1 222-2

50

50
35 + 非改選65 = 100

435-3(死亡辞任)


2022/11/9   年金運用、7〜9月期マイナス1.7兆円  赤字は3四半期連続

公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は11月4日、保有資産の金融マーケットでの運用が2022年7〜9月期は1兆7220億円の赤字だったと発表した。

運用成績の赤字は1〜3月期から3四半期連続になった。3四半期連続の赤字はリーマン危機が起きた2008年7〜9月期から09年1〜3月期までの3四半期以来、約13年ぶりになる。

株式の赤字の多くは期末時点での時価に基づく評価損であり、全額が実現した損益ではない。


2022年度第2四半期末現在運用資産額は192兆968億円である 。2001年度からの累積損益は、2021年度末には105兆円を超えたが、今回は99兆9567億円となった。

 

2020年4月1日からの5カ年における基本ポートフォリオは下記の通り。

「長期的に年金積立金の実質的な運用利回り(運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたもの)1.7%を最低限のリスクで確保することを目標とし、この運用利回りを確保するよう、基本ポートフォリオを定め、これに基づき管理を行うこと」とされた。

基本ポートフォリオは下記の通り。

国内債券 25%
外国債券 25%
国内株式 25%
外国株式 25%

過去については 右記を参照   2016/9/3 年金運用、4-6月で5.2兆円の損失 


2001年度からの運用実績の推移は下記の通り。


単位:億円

年度 年度損益 累積損益
2001 -5,874 -5,874
02 -24,530 -30,404
03 48,916 18,512
04 26,127 44,639
05 89,619 134,258
06 39,445 173,703
07 -55,178 118,525
08 -93,481 25,044
09 91,850 116,894
10 -2,999 113,895
11 26,092 139,987
12 112,222 252,209
13 102,207 354,416
14 152,922 507,338
15 -53,098 454,240
16 79,363 533,603
17 100,810 634,413
18 23,795 658,208
19 -82,831 575,377
20 377,986 953,363
21 100,925 1,054,288
22上 -54,721 999,567

2022/11/11      米国中間選挙、共和党の圧倒的勝利ならず  上院の確定は来月に

11月8日の中間選挙の結果は下記の通りで、共和党が圧倒的に勝利するという当初の予想が覆り、接戦となった。

国民が、インフレ問題よりも、人工妊娠中絶の権利を守り、トランプ前大統領を勢いづかせる候補の当選を阻止する方を重視したとされる。

下院は共和党がなんとか過半数を確保、逆転勝利しそうである。

しかし、上院は3州が決まらず、勝敗は暫く確定しない。

ジョージア州は州法の規定で得票率が50%以上の候補がいない場合は上位2人の決選投票を行なうこととなっており、12月6日に実施する。

2020年の上院選挙では、ジョージア州の改選、補選の2議席が、どの候補も過半数をとれず、2021年1月5日に決戦となった。いずれも民主党が勝ち、上院議員は民主、共和が各50議席となった。

この2年間、民主党は、 上院で50:50となった議案を上院議長である副大統領の1票で通すことができた。

2021/1/5 米国上院議員選出の決選投票

2021/1/7 ジョージア州上院議員選挙 決戦投票で民主党が2議席確保、「トリプルブルー」に

アリゾナ州は70%開票で民主党候補が51.4%対46.4%でリードしているが、投票用紙の集計機に不具合が起き、開票作業に大幅な遅れが生じている。早くても13日までかかるとされる。候補者の得票差が0.5ポイント以内の場合、自動的に再集計になる。

ネバダは84%開票で共和党候補が49.4%対47.6%の大接戦で、この州にも候補者や有権者が再集計を求められるルールがあり、再集計を求める声が高まるとの見方がある。

3州を除くと、共和党49、民主系48で、仮にアリゾナを民主、ネバダを共和がとると、50対49となり、ジョージアの決戦投票まで待たねばならない。ここで民主党がとると、現在と同様、50対50となり、上院議長である副大統領の票で決まることとなる。

確定州をみると、ペンシルベニア州で民主党が共和党席を奪っており、残り3議席(現在は民主党)を全て取ると、民主党系が51議席を取ることになる。

仮にそうなったとしても、下院は共和党が支配するため、共和党の賛成がないと議題が通らないこととなる。

バイデン大統領は9日の記者会見で、「私は共和党議員と協力する用意があるし、国民が共和党議員に対して私と協力することを期待しているのは明らかだ」と述べた。

なお、民主党のナンシー・ペロシ下院議長(82)は当選確実となったが、共和党が勝てば共和党のケビン・マッカーシー下院院内総務が下院議長となる。

ーーー

下院は全員が改選で、8月以降に死亡、辞任した3人(共和党1名、民主党2名)を含め、435人が改選となったが、 日本時間11日朝時点では下記の通りで、共和党は過半数の218にあと9議席と迫っている。

  共和党 民主党 未定 欠員 合計
選挙前 212 220   3 432
結果 209 192 34   435


上院は各州2名、任期6年だが、1/3ずつにクラス分けされ、2年ごとに選挙が行われる。今回はClass 3 の34名が改選となる。

ほかに、オクラホマ州選出の共和党議員(非改選のクラス2)が来年の引退を決めているため、特別選挙(補選)が行なわれた。

  共和党 民主党 民主系
無所属
合計 未定
選挙前 50 48 2 100  
非改選 30-1 34 2 65
改選 20 14   34
引退補選 1     1
選挙結果 19+1 12   32 3
合   計 49 46 2 97 3

48

上院の結果は下記の通り。

クラス@は2024年改選、クラスAは2026年改選で、クラスBが今回の改選。
他にオクラホマのクラスAの議員が引退を決めており、後任の補選が行なわれた。

    改選前 改選後
共和 民主 無所属 共和 民主 無所属 未定
New England Maine A   @ A   @  
New Hampshire   AB     AB    
Vermont   B @   B @  
Massachusetts   @A     @A    
Connecticut   @B     @B    
Rhode Island   @A     @A    
Mid-Atlantic New Jersey   @A     @A    
New York   @B     @B    
Pennsylvania B @     @B    
Delaware   @A     @A    
Maryland   @B     @B    
South Arkansas AB     AB      

Alabama

AB     AB      
West Virginia A @   A @    
Florida @B     @B      
South Carolina AB     AB      
Georgia   AB     A    B決戦
Texas @A     @A      
Tennessee @A     @A      
Kentucky AB     AB      
North Carolina AB     AB      
Virginia   @A     @A    
Mississippi @A     @A      
Louisiana AB     AB      
Great Plains Oklahoma AB     AB      
Kansas AB     AB      
South Dakota AB     AB      
North Dakota @B     @B      
Nebraska @A     @A      
Midwest Iowa AB     AB      
Indiana @B     @B      
Illinois   AB     AB    
Ohio B @   B @    
Wisconsin B @   B @    
Michigan   @A     @A    
Missouri @B     @B      
Minnesota   @A     @A    
Rocky Mountains Idaho AB     AB      
Colorado   AB     AB    
Montana A @   A @    
Wyoming @A     @A      
Southwest Arizona   @B     @   B
New Mexico   @A     @A    
Nevada   @B     @    B
Uta @B     @B      
Pacific Oregon   AB     AB    
Washington   @B     @B    
California   @B     @B    
  Alaska AB     AB      
  Hawaii    @B     @B    
合計
 
  50 48 2 49 46 2 3
50 48

 


2022/11/14    次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けた取組、先端半導体の国産化へ新会社                     Rapidusについて

経産省は11月11日、2020年代後半の次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けた取組について公表した。

次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けて

次世代半導体は、量子・AIなど大きなイノベーションをもたらす中核技術で、海外の研究機関や産業界とも連携しながら、国内のアカデミアと産業界が一体となって取り組むことで、我が国全体の半導体関連産業の競争力強化を目指す。

トヨタなど国内8社は同日、先端半導体の国産化に向けた新会社を共同で設立したことを発表した。

付記

新会社Rapidusと米国のIBMは12月13日、日本が半導体の研究開発・製造におけるグローバルリーダーを目指す取り組みの一環として、ロジック・スケーリング技術の発展に向けた共同開発パートナーシップを締結したことを発表した。

同社は下記の通り、開発テーマ として「米国IBM社他と連携して2nm世代のロジック半導体の技術開発を行い、国内短TAT(Turn Around Time:製品を完全に仕上げるまでに要する時間パイロットラインの構築と、テストチップによる実証を行っていく 」としている。

本パートナーシップの一環として、RapidusとIBMは、IBMの画期的な2ナノメートル(nm)ノード技術の開発を推進し、Rapidusの日本国内の製造拠点に導入する。

IBMは2021年に世界初の2nmノードのチップ開発技術を発表した。このチップは、現在最も先進的な7nmチップに比べて45%の性能向上、または75%のエネルギー効率向上の達成が見込まれる。
 

 

次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けた取組(概要)

1.  我が国半導体産業復活の基本戦略

IoT用半導体生産基盤の緊急強化(Step:1

日米連携による次世代半導体技術基盤(Step:2)

グローバル連携による将来技術基盤(Step:3)
グローバルな連携強化による光電融合技術など将来技術の実現
 

2.  Beyond 2nmの次世代半導体の確保

世界中で次世代半導体の開発が加速

最先端半導体はFin型からGAA型に構造が大きく変わり、量産に向けて高度な生産技術が必要となる転換期
10年前にFin型の量産に至らなかった日本が改めて次世代半導体に参入するラストチャンス

その実現には、TSMC誘致、拠点拡大によるキャッチアップを進めるとともに、10年の遅れを取り戻す、これまでとは異次元の取組が必要。

3.  日米連携による半導体産業政策

本年5月に開催した第1回日米商務・産業パートナーシップ閣僚級会合において、半導体協力基本原則を合意した。

以下の基本原則に沿って、二国間の半導体サプライチェーンの協力を行う。

 ・オープンな市場、透明性、自由貿易を基本
 ・日米及び同盟国・地域でサプライチェーン強靭性を強化するという目的を共有
 ・双方に認め合い、補完し合う。

特に半導体製造能力の強化、労働力開発促進、透明性向上、半導体不足に対する緊急時対応の協調及び研究開発協力の強化について協力

半導体協力基本原則に基づいた日米間での共同研究の実施を見据え、次世代半導体研究における国内外の英知を結集するための新しい研究開発組織を立ち上げることを7月に決定した。

次世代半導体研究のための新しい研究開発組織について、名称を「技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC:Leading-edge Semiconductor Technology Center)」とし、年内の立ち上げを目指す。

参加機関:物質・材料研究機構、理化学研究所、産業技術総合研究所、東北大学、筑波大学、東京大学、東京工業大学、
     大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構、
Rapidus

4.  次世代半導体プロジェクトの体制


 

LSTCは上記のとおり。

Rapidusは11月11日設立を発表した。

下記8社が出資する。

トヨタ自動車、デンソー、ソニーグループ、NTT、NEC、ソフトバンク、キオクシア(半導体大手)、三菱UFJ銀行
出資額は三菱UFJ銀行が3億円、他の7社は各10億円。

 

付記

社名:Rapidus株式会社(英文名:Rapidus Corporation)

設立日:2022年8月10日

資本金等:73億4,600万円(2022年11月時点。資本準備金の額を含む)

Homepage:https://www.rapidus.inc/


 

付記

Rapidusは12月6日、ベルギーに本拠を置く研究機関「imec(アイメック)」と技術協力を進める覚書を交わした。

imecは非営利の国際的な研究機関で、世界で5000人超の人員を抱え、電機や医療などの先端技術に関する研究開発を主導してきた。

imecは半導体の微細な回路形成に使う先端技術の確立などで中心的な役割を担ってきた。
半導体に微細な回路を形成するためのEUV(極端紫外線)露光技術もimecとオランダの装置大手、ASMLが中心となり確立した。台湾積体電路製造(TSMC)などの半導体メーカーをはじめ、半導体関連の装置、素材メーカーが社員を派遣している。

Rapidusはimecに技術者を派遣し、先端分野の知見を獲得する。imecも日本での研究開発チームの設立を検討するほか、国が年内の設立を予定する半導体の研究開発拠点での協力も視野に入れる。

付記

ラピダスの小池淳義社長は2023年2月28日、北海道庁を訪問し、千歳市に工場を建設することを伝えた。

半導体の生産に欠かせない水が豊富であることを説明。「北海道大学などを中心に先端技術、世界中の技術者を集められる環境もある」と述べた。再生可能エネルギーや産業用地が豊富であることも挙げた。

工場は、2025年に試作ライン、2020年代後半に量産ラインを立ち上げることを目標としている。


付記

オランダの半導体製造装置大手ASMLは2023年9月28日、北海道に技術支援拠点を新設する方針を明らかにした。北海道千歳市で最先端半導体の国産化を目指す「ラピダス」の生産を支援する。2024年中に40〜50人の技術者を配置する計画という。

ASMLは、半導体基板に電子回路を焼き付ける露光装置の世界シェア(占有率)首位で、回路線幅が微細な先端半導体の生産に不可欠な「極端紫外線(EUV)露光装置」を製造できる世界唯一の企業。

ASMLは、ラピダスが25年に予定する試作ラインの稼働前に、新工場周辺に拠点を設ける。EUV露光装置の設置のほか、生産支援や保守・点検業務などを担う。

 


自動運転やAI、スマートシティーなど大量のデータを瞬時に処理する分野に欠かせない先端半導体の技術開発を行い、5年後の2027年をめどに回路幅が2ナノメートル以下の先端半導体の量産化を目指す。

政府も研究開発拠点の整備費用などに700億円を補助する。(下記)

社長に就任した小池淳義氏(ウエスタンデジタルジャパン元社長)は、「日本には半導体をしっかり作る技術があると確信している。強みを生かすのが我々に課せられた最後のチャンスだ」と述べた。

小池社長は「パイロットラインで2兆円、量産ラインで3兆円かかるとみる」としており、今後の資金調達が問題となる。


今回、次世代半導体の将来の製造基盤の確立に向けた研究開発プロジェクト(ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業)の採択先をRapidus鰍ニすることに決定した。

開発テーマ:日米連携に基づく2nm世代半導体の集積化技術と短TAT製造技術の研究開発
米国IBM社他と連携して2nm世代のロジック半導体の技術開発を行い、国内短TATパイロットラインの構築と、テストチップによる実証を行っていく。

2022年度は、2nm世代の要素技術を獲得、EUV露光機の導入着手、短TAT生産システムに必要な装置、搬送システム、生産管理システムの仕様を策定し、  パイロットラインの初期設計を実施する(開発費:700億円 )。

研究期間終了後は、その成果をもとに先端ロジックファウンドリとして事業化を目指す。
 

5.  次世代半導体研究開発プロジェクトのスケジュール

次世代半導体事業については、日米首脳間合意に基づいて設置された日米ジョイントタスクフォースにおいて、経産省と商務省の間で進捗を継続的に管理をしていく。
今後立ち上がる米国
NSTCと日本版NSTCLSTC)との連携により、日米のベスト&ブライテストの結集を図る。

ーーー

半導体の開発や生産に関しては、米国は本年8月、520億ドル以上を投じることなどを盛り込んだ法律を成立させたほか、EUも本年2月、官民合わせて430億ユーロ余りを投じる方針を示している。

2022/7/29 米議会、「CHIPS法」を可決

日本でも、先端半導体工場の新増設を支援する改正法が2021年12月20日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。

高速・大容量通信規格「5G」のシステム構築に不可欠な「特定半導体」を製造する事業者が対象で、継続的な生産、需給逼迫時の増産対応などを条件とし、工場の新増設にかかる設備費用の最大半額を補助する。(その後、最低10年間は生産を続けることを求めることとした。)

経済産業省は2022年6月17日、TSMCが熊本県で建設中の半導体の工場に最大4760億円の助成をすると決めた。TSMCとJASMが申請していた計画を同日付で認可した。
半導体産業の強化に向けた6170億円の基金から補助する第1号の案件になる。

2021/10/18     半導体大手、台湾のTSMCが日本で工場建設  (TSMCの米国事業も記載)

経済産業相は7月26日の閣議後会見で、キオクシアと 、同社と米Western Degitalの合弁会社から共同で申請されていた生産設備整備の計画を 、「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律」(5G促進法)に基づく「特定半導体生産施設整備等計画」に認定したと明らかにした。

2022/7/28  経産省、キオクシアの半導体工場計画を認定

経産省は9月30日、Mycron Technologyのマイクロンメモリ ジャパンを認定した。助成額上限は464.7億円。
DRAMの新工場を総投資額最大8000億円で東広島市の既存工場近くで建設、2024年までに稼働する。

この3件で助成額は6,154億円となり、ほぼ上限に達した。

付記

 


2022/11/14     米連邦議会、上院は民主党が主導権維持、下院も民主党が善戦

米国の中間選挙の結果について、11月11日に速報した。

  2022/11/11 米国中間選挙、共和党の圧倒的勝利ならず 上院の確定は来月に

開票が遅れているが、現在の状況は下記の通りで、上院では民主党が主導権を維持することが確実となった。下院では、共和党が優勢だが、民主党も善戦している。

バイデン大統領は9日の記者会見で、最終的な選挙結果はまだわからないとしつつ、「報道や専門家は共和党が席巻する『巨大な赤い波(‘Giant red wave ’)』を予測していたが、それは起こらなかった」と指摘し、政争よりも政権として優先すべき多くの課題があると強調した。

ーーー

上院は各州2名、任期6年だが、1/3ずつにクラス分けされ、2年ごとに選挙が行われる。今回はClass 3 の34名が改選となる。

ほかに、オクラホマ州選出の共和党議員(非改選のクラス2)が来年の引退を決めているため、特別選挙(補選)が行なわれた。

速報時点では3議席が未定であったが、現地時間11日の深夜、アリゾナ州は民主党候補が当確となり、タイとなった。ネバダは、開票率94%で48.5%対48.4%と大接戦 が続いたが、日本時間の13日正午頃、米各紙は民主党の勝利を報じた。これで民主系50  対 共和党49となった。

ジョージア州は既報の通り、過半数を得た候補者がいないため、12月6日に決選投票を行う。

仮にジョージア州で共和党が勝っても、選挙前と同じ50対50となり、上院議長である副大統領の票で決まるため、民主党が主導権を維持する。

  共和党 民主党 民主系
無所属
合計 未定
選挙前 50 48 2 100  
非改選 30-1 34 2 65
改選 20 14   34
引退補選 1     1
選挙結果 19+1 14   34 1
合 計 49 48 2 99 1

50

 

下院は全員が改選で、8月以降に死亡、辞任した3人(共和党1名、民主党2名)を含め、435人が改選となった。過半数は218である。

ここでも民主党は善戦しており、大敗予想に反し、逆転勝利の可能性も出てきた。

  共和党 民主党 欠員 未定 合計
選挙前 212 220 3   435
結果 211 203   21 435
増減 -1 -17 -3 21  
過半数         218


米国では国勢調査が10年に1度行われ、そこで確定した州別の人口数に基づき、全435の下院議席数が各州に配分される。

2020年の結果により議席定数が増えたのは、テキサス、コロラド、フロリダ、オレゴン、モンタナ、ノースカロライナの6州で、テキサスの2議席増以外は全て1議席増となる。

逆に減ったのは、カリフォルニア、イリノイ、ミシガン、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルベニア、ウェストバージニアの7州でそれぞれ1議席減となる。

米国民が北部から南部に移住している傾向が見て取れる。

 

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