日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめ
た個人のデータベースです。

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日本経済新聞 2003/1/8

大学発VBの素顔 ジーンコントロール

遺伝子改変マウス 安価に

ジーンコントロールは遺伝子改変マウスの作製を手がける近畿大学で初の大学発ベンチャー企業。

▽本社   和歌山県海南市
▽設立   2002年11月
▽社長   入谷明氏
▽従業員   4人
▽売上高   3000万円(2004年3月期見通し)
▽電話   073・483・7887

 


日本経済新聞夕刊 2003/2/27

東大と産総研 エイズ薬研究
 特定遺伝子の働き抑制 新技術使い創薬VB

東京大学と産業技術総合研究所の研究者らは、最近、脚光を浴びている新しい遺伝子技術を使った創薬ベンチャーを設立する。狙った遺伝子の働きだけを強力に抑える「RNA(リボ核酸)干渉」を利用して様々な難病の治療薬を開発する。

新会社は「iGENE

核酸医薬分野の先発べンチャーは、大阪大学の森下竜一・助教授の研究成果をもとに創薬に取り組むアンジェスエムジー。同社は大学発のベンチャー企業として昨秋、初めて東京証券取引所マザーズ市場に株式上場した。


日本工業新聞 2003/8/27

米研究所がRNA干渉法に警鐘、細胞死の危機も

遺伝子ノックアウトの代わりに、特定のタンパク質の合成を抑制する方法として、「RNA(リボ核酸)干渉法」が研究者に多用されている。ところが、この新しい研究ツールが、特定のタンパク質合成を特異的に止めるだけでなく、ほかの生理効果も生じることが明らかになった。英科学誌ネイチャー・セルバイオロジーの9月号に掲載される。


日本経済新聞 203/4/23

大学発VBの素顔 クリングルファーマ
 がんの「凍結療法」研究

クリングルファーマは大阪大学発の医薬開発ベンチャー。阪大の中村敏一教授、松本邦夫助教授の研究成果を生かし、正常な細胞を傷つけない新タイプのがん治療薬などの開発に取り組む。最大の目標は、両氏が1995年に発見したたんぱく質「NK4」を医薬品に応用し「がんの凍結・休眠療法」を確立することだ。

▽本杜   大阪市
▽売上高   400万円(2002年9月期)
▽設立   2001年12月
▽社長   岩谷邦夫氏
▽電話   06・6258・5170
▽従業員数   1人

http://www.kringle-pharma.com/


化学工業日報 2003/5/7

セルフリーサイエンス社、内外で創薬提携を拡大へ

無細胞たん白合成技術を中核とするバイオベンチャーのセルフリーサイエンスは、たん白合成技術、選択的RNAi(SiRNA)技術、インシリコによるドラッグデザイン、そしてカイネースなどのプロテインカタログにより構成される同社のドラッグ・ディスカバリー・プログラムについて内外研究機関、製薬企業、ベンチャーとのアライアンス構築に乗り出した。


セルフリーサイエンス社 CellFree Science

大学最新情報2002年7月5日号

ベンチャー企業設立へ(愛媛大学)  
   
 http://edu.yahoo.co.jp/gambare/daigaku/keisetsu/02070501.htm

 

愛媛大学工学部の遠藤弥重太教授が開発したタンパク質合成システムの特許管理などを行う株式会社が7月1日、設立された。
企業名は無細胞科学を意味する「セルフリーサイエンス」。


シリコンバレーを目指せ
   
http://www.tokyo-np.co.jp/shinshun/2003/kanagawa/kanagawa_5.html

横浜市鶴見区小野町に建設中の「リーディング・ベンチャープラザ」。

プラザを拠点に、新たな事業に乗り出す企業の一つが「セルフリーサイエンス」。愛媛大(松山市)遠藤弥重太教授を中心とする大学発のバイオ分野のベンチャーだ。


日本経済新聞 2003/5/19

たんぱく質 高速・大量に合成 愛媛大発VB 新型装置を開発

愛媛大学の教官らが設立したバイオベンチャー、セルフリーサイエンスは、生命機能の解明や医薬品開発に役立つ様々なたんばく質を高速合成できる新型装置を開発した。同大の遠藤弥重太教授が開発した合成法を自動化した。従来に比べ30倍程度速く合成できる。新装置を使ってたんぱく質の機能解析を本格的に始める。

 


日本経済新聞 2003/12/10

大学発VBの素顔  ジェー・ビー・セラピュティクス
 樹状細胞でがん治療研究

ジェー・ビー・セラピュティクスは血液中で免疫細胞の働きを促す樹状細胞を使ったがん治療の研究開発を手がける。東京女子医科大の外科医師、谷川啓司氏が同技術をがんの治療法として確立するために設立した。実際に患者を治療する「ビオセラクリニック」を併設。研究成果を実践すると同時に研究開発資金も確保している。
患者の血液から取り出した樹状細胞に、人工的に作製したがん関連たんぱく質の一部分であるペプチドを添加してがんだけを認識する機能を持たせる。これを患者に投与しリンパ節で免疫として働くT細胞ががん細胞を攻撃するように促す。従来の抗がん剤と異なり、副作用がほとんどないのが特長という。



会社名 ジェー・ビー・セラピュティクス株式会社
  http://www.jb-t.co.jp/jbt/jgaiyo.html
      J. B. Therapeutics, Inc.(英語名)

設立   平成13年3月16日
所在地   東京都新宿区余丁町14-4 NH市ヶ谷ビル3F
代表者   代表取締役社長 谷川 啓司
事業内容   1: 癌免疫療法専門クリニックの運営サポート
2: リンパ球・樹状細胞等免疫担当細胞の加工受託業務
3: 腫瘍免疫学に対する研究所の運営
4: 癌免疫療法を中心とした医療分野・医学研究分野の医薬品、医療器具等の輸入・販売
5: 癌免疫療法分野における医師・看護師・培養技師・研究者等の人材育成
資本金   48,275千円
主な株主   会社役員
個人(大学関係者)
特許キャピタル(株)
大和銀企業投資(株) 他

会社プロフィール
 ジェー・ビー・セラピュティクス株式会社の企業目標は、癌免疫療法を中心とした全人的治療の発展であり、その活動を通して臨床および研究面で医学に貢献することです。この目標を達成するために東京女子医科大学、米国ミシガン大学をはじめとした国内外の学術機関との交流をはかっています。
 弊社は腫瘍免疫学に対する研究所の運営を行なうとともに、これに伴う新規技術・組織の研究開発の促進や、研究開発に不可欠な医薬品、医療器具の輸入・販売も視野に入れた総合的な癌免疫療法推進のサポートを行ないます。また癌免疫療法を専門に行なうクリニックの運営サポートだけでなく、今後の事業拡大として緩和ケア病棟(ホスピス)の運営サポートをも視野にいれ活動しています。

会社の特徴
 最先端の癌免疫療法はすでに大学病院等で厚生労働省から認可された高度先進医療や各大学の臨床研究として行なわれています。しかし公的な研究助成がそれほど期待できない現状では、わずかな患者様が治療を受けられる狭い適応範囲の中での研究にとどまらざるを得ません。したがって臨床研究自体がそれほど進まないために、日本での癌免疫療法の進展が阻まれているのが現状です。
 弊社は、強く関連づいた癌免疫療法専門のクリニックを運営・サポートすることにより自費でありながらも研究に参加して頂き、狭い適応範囲を超えて、多くの患者様に最先端の癌免疫療法を受けられることを可能とし、その臨床データを全国の提携・協力する大学付属医療機関等と共有することにより新しい癌免疫療法の研究・開発に貢献することを目指しています。

開発プログラム
 弊社は東京女子医科大学消化器病センター・久留米大学集学治療センターや今後増加する地方地域での提携大学病院等の研究機関とともに癌免疫療法の基礎学術的検討から臨床成績にいたるまで癌免疫療法のプロトコールの標準化を進めています。

関係医療機関
 ビオセラクリニック
 東京女子医科大学 消化器病センター
 久留米大学 集学治療センター

関連企業  特許キャピタル(株)
主要取引銀行  みずほ銀行 本店

  平成15年1月7日 現在


日本経済新聞 2004/9/21 

バイオVB、創薬に活路
 新興市場へ上場相次ぐ

 医薬品開発や遺伝子を解析するバイオベンチャーが、新興株式市場に相次ぎ上場している。2000年末からこれまでに10社が株式を公開、ベンチャーキャピタル(VC)による資金提供など新興企業の成長を後押しする枠組みも整いつつある。ただ業績の伸び悩みが響き、上場後の株価の足取りは重い。収益基盤が固まり市場から高い評価を得るのはまだ先だ。

開発費の調達、課題に
 

今後の上場が見込まれる主なバイオベンチャー(時期は上場見通し)

  社名(所在地) 業務内容
2004年 タカラバイオ(大津市) 医薬品の研究支援、遺伝子治療
LTTバイオファーマ (東京・港) 医薬品の研究開発
リンフォテック(東京・文京) 免疫細胞療法の支援
2005年 セルフリーサイエンス (横浜市) たんぱく質合成技術
ヒュービットジェノミクス(東京・千代田) 創薬研究支援
アコロジクス (カリフォルニア州) 医薬品開発

 

新興市場に上場するバイオベンチャー10社の今期業績見通し

社名(業務内容) 売上高
(百万円)
経常損益
(百万円)
インテック・ウェブ・アンド ・ゲノム・インフォマティクス
  (バイオ関連システム開発)

 2,700( 3)

30(▲198)

  プレシジョン・システム・サイエンス(遺伝子解析装置)

 2,800(12)

100(▲174)

  アンジェスMG (遺伝子医薬品開発)

2,500( 2)

▲1,400(▲953)

  トランスジェニック (遺伝子解析)

1,300(126)

▲1,000(▲1469)

  メディビック(新薬開発支援)

780( 61)

▲220(22)

メディネット(免疫細胞療法)

1,900(14)

▲670(125)

オンコセラピー・サイエンス (がん治療薬開発)

2,080(32)

390(527)

総合医科学研究所(食品の機能評価試験受託)

2,010(27)

830(774)

DNAチップ研究所(研究機器開発)

2,000(11)

100(103)

  そ一せい(医薬品開発)

250(11)

▲2,180(▲947)

(注)※は単独。カッコ内は売上高が前期比増減率%、経常損益が前期実績、▲は赤字。
 トランスジェニックとメディビックは今期から連結決算のため、前期単独と比較


先行組は株価低迷 収益安定には時間

 バイオベンチヤーの新規上場が加速する一方で、株価は低迷している。昨年までは初値が公募・売り出し価格を大幅に上回る例が続出したが、今年は初値が公募価格と同額にとどまったり、上場後に株価が急落する軟調な展開が続いている。
 7月29日、市場に「そーせいショック」が走った。この日マザーズに上場した同社の初値は、公募価格と同額の80万円だった。新興市場で新規上場銘柄の初値が公募価格を上回る「連騰記録」が93社で途絶えた。市場では「バイオ関連株に冷水を浴びせた」との声も聞かれる。
 バイオ関連企業の最近の株価に投資家は当惑している。昨年10月に上場したメディネットの初値は126万円と公募価格の3.6倍。同年12月上場のOTSは2.4倍の240万円。これが17日現在、株式分割を考慮に入れても、半値近くに下落した。
 上場10社の今期業績は全社増収ながら研究開発費の負担増などの影響で5社が赤字になり、6社の損益が悪化しそうだ。業績不振で上値が重いほか、流通する株式が比較的少ないことも株価の乱高下を誘発している。
 赤字が先行しがちだけに株価の評価は難しい。予想PER(株価収益率)など適正株価を判断するための従来の指標はあまり参考にならない。いちよし経済研究所の山崎清一首席研究員は、上場が先行した米国市場の同業社との時価総額比較を株価算定の材料にする。試算ではそ−せいの時価総額の目安は1014億円(現在264億円)。株価換算では約165万円で、今の株価は割安感が強いという。
 300社以上のバイオベンチャーが上場する米国では上場に対する投資家の目は厳しさを増している。いちよし経済研によると、昨年10月から米国市場に上場した約30社の大半が臨床試験に入っており、近い将来、大幅な収益増が見込める。
 これに対し、日本では収益基盤が固まらない基礎研究段階で上場する例が多い。日本のバイオベンチャーの収益が軌道に乗り、市場から評価を得るにはなお時間がかかりそうだ。

 

大学発VBの増加 独立法人化が一因

Q:国内にバイオベンチヤーはいくつありますか。
A:財団法人のバイオインダストリー協会によると、2003年末時点でバイオベンチャーの企業数は387社。2002年末に比べて54社増えました。最も多かった分野は「医薬品、診断薬開発」で全体の3割強にあたる123社。「受託研究・受託開発」の103社、「コンサルティング」の64社と続きます。製薬会社からの受託研究だけでは採算がとれないので、リスクは大きいものの、高い収益が見込める「ゲノム創薬」を目指す企業が増えています。

Q:バイオベンチヤーに大学発企業が目立つのはなぜですか。
A:今年4月の国立大学の独立法人化で大学も自主財源が求められるようになり、これが大学発ベンチャーの設立を加速する一因です。企業が研究所などで商品化を前提に開発するのに対し、大学の研究室では国などからの補助金を生かし基礎研究を進めています。研究成果を社会に還元するため、研究者がベンチャー設立に踏み切るだけでなく、設立を後押しする大学が増えています。

Q:大阪大学発ベンチャー、アンジェスMGの未公開株取得問題が大きく報道されました。論点は何ですか。
A:遺伝子治療薬の研究を担当していた教授らがアンジェスの第三者割当増資に応じて株式を取得していたことが分かり、臨床試験の中立性に関して議論が起きました。もっとも担当した大学教員が未公開株を取得した場合の罰則はありません。アンジェスは「目論見書にも情報公開しており問題はない」と話しています。大阪大学は透明性の確保に向け、研究医が製薬会社などの株を取得する際のルールづくりを始めました。利益相反のヨ避が各杜の課題となっています。

▼ゲノム創薬
 体の設計図に相当するヒトゲノム(全遺伝情報)などの解読結果を活用して医薬品を開発する手法。治療効果の確認や副作用の有無を調べる臨床試験に時間がかかる従来の方法に比べ、新薬候補を効率よく見つけだせるといわれる。
 病気の仕組みを遺伝子やたんぱく質レベルで解明した上で候補を探すため、がんなどの難病に対する治療は効果が大きく副作用が少なくなると期待されている。遺伝子機能の調査にはコンピューターを駆使して大量のデ−タを分析する情報技術も重要になる。