日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめ
た個人のデータベースです。


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日本経済新聞 2003/6/18                   発表

三井化学 光ディスク完全撤退 電子材料「プラズマ」用に重点

三井化学は電子材料事業を再構築する。シェアが低く国際競争力に劣るCDーR(追記型コンパクトディスク)など記録用光ディスク事業から完全撤退。約40%の世界シェアを持つ薄型テレビ画面用のフィルターなどに絞り、2007年度までの5年間で300億ー400億円を投資、電子材料事業の売上高を千億円に倍増させる計画だ。


2003/06/18 三井化学

電子情報材料事業の強化・拡大
   −記録ディスク事業からは撤退−


事業の選択と集中の一環として、記録ディスク事業(CD−R/DVD−Rディスクの製造・販売)から撤退

昨年度に欧州、国内・アジア市場から撤退したのに続き、去る6月9日、米国の拠点であるMitsui Advanced Media, Inc.についても、イタリアの Computer Support Italcard s. r. l.社に譲渡

電子材料事業部は半導体材料及びフレキシブル基板,CCDパッケージなどの基板材料、情報材料事業部はPDP光学フィルター、液晶TV用反射材料を中核製品と位置付け、積極的な新製品の投入を行い、成長戦略を進めてまいります。

 


2003/7/24 三井化学

米国サウスウオール・テクノロジーズ社とディスプレイ材料製品原料の独占購入契約を締結
    
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/030724.pdf


米国サウスウォール・テクノロジーズ社と、PDPやLCDに使われるデイスプレイ材料製品の原料であるスパッタフィルムの独占購入に関する契約を締結


サウスウォール・テクノロジーズ社の概要

会社名   Southwall Technologies, Inc.
設立   1979年
払込資本金   US$70 Million(約84億円)
社長兼CEO   Thomas G. Hood
本社所在地   米国:カリフォルニア州パロ・アルト
事業内容   薄膜スパッタフィルムの製造・販売
く自動車分野、電子デイスプレイ分野、建築分野〉
従業員数   242名
工場   米国:カリフォルニア州パロ・アルト、アリゾナ州テンピ
ドイツ;ドレスデン
年間売上高   $69 Million(約83億円、2002年)

 


2003/11/17 三井化学

PDP光学フィルターの欧州生産開始
  
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/031117.pdf

当社は、需要が急拡大している欧州プラズマテレビ市場で"PDP光学フィルター(製品名:フィルトップ)"の供給能力確保と顧客へのサービスの強化を図るために、2004年7月より欧州現地生産を開始することを決定いたしました。生産拠点は、ドイツ・シュツットガルトの協力会社の工場内に設置し、年間30万枚の生産能力を有するものです。販売は当社100%子会社 Mitsui Chemicals Europe Gmbh(社長:吉田真人、当社100%出資)が担当いたします。

 


2006/02/13 三井化学/出光興産

有機EL材料ビジネスの協業体制構築について

 三井化学株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:藤吉建二、以下「三井」)と出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:天坊昭彦、以下「出光」)は、この度、有機EL材料の研究開発・製造における協業体制の構築について、合意しました。三井と出光は2004年2月の「
千葉地区における提携に向けた包括的検討の合意」を契機に、共通する事業分野でのビジネス強化につき検討を続けております。

1.協業の概要
(1) 新規有機EL材料の開発は、両社それぞれが独立して行いますが、三井・出光の「高度な分子設計・合成技術」と出光が得意とする「材料の組合せ技術・実用評価技術」を融合させ、材料開発の大幅な促進と効率化をはかります。
(2) 有機EL材料の製造体制については、三井・出光両社が保有・整備する製造設備の相互利用により、供給の安定化と競争力強化をはかります。製造体制の整備に関する具体的な内容は、今後、両社間の協議により決定します。
(3) 協業により得られた新規高性能有機EL材料は、出光が販売を行います。
   
2.協業の背景
(1) FPD注1市場の拡大に伴い有機ELディスプレイ市場は、今後の拡大が見込まれております。また一方でLCD注2等との競合もあり、有機ELディスプレイの性能向上のため、高性能有機EL材料の開発が市場から益々強く求められています。
(2) しかしながら、材料開発は有機EL材料メーカー各社が独自に行っており、各社間で技術開発面の共同取組はほとんど実施されておりません。今般、新たな取り組みとして、多数の有機EL材料関連特許を所有する三井と、世界トップクラスの技術力と特許を有する出光は、研究開発分野での共同取組に合意したものです。
(3) また、有機EL市場立ち上がりが本格化する中で、有機EL材料の製造体制の確立が急務となっています。これに対応すべく、三井と出光は有機EL材料の製造体制の整備に関する協業に合意しました。
   
  注1 FPD:フラットパネルディスプレイ  注2 LCD:液晶ディスプレイ

 


2008/3/10 三井化学

PDP用光学フィルター事業終息について

 当社(社長:藤吉建二)は、このたび、
PDP用光学フィルター事業(以下、「本事業」)の終息を決定しましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1.終息の背景及び理由
 当社は、機能材料事業本部において、PDP用光学フィルター事業を展開しておりますが、昨今、PDP、液晶等の薄型テレビはその普及とともに急激な低価格化が進行しており、併せて、同テレビの部材であります光学フィルターにつきましても、急激な価格下落が進行しております。
 こうした状況に対応し、当社は、抜本的なコストダウンに取組んでまいりましたが、販売価格の下落に追いついておらず、損益も非常に厳しい状況が継続しております。
 当社は、このような状況が今後も継続・進展し、近い将来に改善することは困難と判断し、本製品の製造、販売を終息させることといたしました。
 当社は、先般策定した2008年度からの中期経営計画において、機能材料事業本部の使命を「成長ドライバーたる高収益体質の獲得」と定め、「機能性ポリマーズ拡大と大胆な事業の組み換え」を基本戦略として事業展開を進めてまいる所存です。

2.事業終息の概要
(1)本事業の概要:PDP用光学フィルターの製造・販売
(2)終息の時期:2008年3月末

3.業績に与える影響
 本事業終息に伴い、損失の発生が見込まれますが、単独及び連結の業績見通しは現在集計中であります。
 業績見通しが明らかになった段階で必要があれば、業績予想の修正を行う予定です。

同社は2001年から製造販売を始め、売上高はピークの06年度には約250億円と、デジタル素材で主力製品の一つだった。三井化学の光学フィルターの世界シェアはピークの06年度で30%強と、旭硝子やブリヂストンと首位の座を争っていた。

薄型テレビの価格下落にともない、部材価格も値下がりが進行している。同フィルターはここ3年間、年20〜30%で下がり続け、韓国メーカーの日本市場参入によって下落に拍車がかかった。また、07年はパネル各社の販売が計画を下回り、数量の伸び悩みも誤算となった。



2014年9月29日  三井化学 

リチウムイオンバッテリーの熱暴走を抑制するSTOBA®の製造販売に関する独占ライセンスについて
〜STOBA®は、LIBの発火リスクを大幅に低減します〜


台湾工業技術研究院(院長:徐爵民、以下、ITRI)は、三井化学の台湾子会社である亞太三井化学股份有限公司に対し、ITRIが発明した世界唯一のリチウムイオンバッテリー(LIB)の熱暴走を抑制するSTOBA®の製造販売に関する特許独占ライセンスを供与することを決定し、9月16日に契約を締結しました。

ITRIは、2006年に台湾政府によるサポートの下、従来の安全材料とは異なるメカニズムでLIB異常時の熱暴走を抑え込む革新的な材料STOBA®を世界で初めて開発し、2009年には米国R&D100Awardを獲得しています。2012年からは三井化学と共同開発を実施するとともに共同で市場性を評価してきました。
STOBA®は、ナノサイズの樹木状構造を持つ機能性ポリマーであり、LIB異常発生の高温時になると被膜を形成し、リチウムイオンの移動を抑制することで電池を安全に停止させます。既に台湾では、スマートフォンなどの電子機器に採用されるとともに、安全性を重視するEバイクなどのパーソナルモビリティ(PMV)にも採用されています。
蓄電市場では、更なる高エネルギー化(高出力・高容量)、大型化や、電気自動車などの車載用途拡大に伴う安全性の向上が喫緊の課題となっています。さらに、危険性の高い高エネルギー系正極材料の市場も拡大し、より一層電池の安全性が求められており、STOBA® 独自の安全メカニズムは、"STOBA® inside"のLIBの信頼性を高めるとともに、LIB市場の拡大に大きく貢献すると考えられます。

今後、三井化学は、2016年度までにSTOBA® の台湾での製造拠点設立を進めるとともに、保有するポリマー技術及び複合技術との融合で、STOBA® の性能向上を図り、将来的にはSTOBA® を使用したLIB用の部材開発も進める計画です。

関係者コメント

台湾経済部 技術処 傅偉祥 副処長
高安全性のLIB材料STOBA®は2009年に米国R&D100 Awardを獲得し、全世界の注目を集めました。台湾国内の4大電池企業(Molicel、Amita、SYNergy ScienTech、Lion Tech)での採用を促進し、既に日本の無停電電源装置やモバイル電源として採用されています。また、自動車メーカーと共に電気自動車向けの電池を開発し、さらに台湾国内のLIBの競争力を向上させました。ITRI がSTOBA®材料の独占ライセンス権を三井化学グループへ供与したことで、 STOBA® inside電池とともに台湾電池メーカーの国際的知名度を高め、台湾において高安全で高品質なLIB産業が構築される事を期待しています。

ITRI 徐爵民 院長
三井化学は日本を代表する化学企業です。新製品開発と量産技術の豊富な経験を持ち、グローバルな自動車メーカーと密接な関係を持っています。ITRIは、STOBA®を三井化学グループに独占ライセンス権を供与したのち、台湾が高い安全性を誇るSTOBA® inside電池の重要な製造拠点となることを期待しています。同時に三井化学が構築している自動車メーカーとの関係によりこの独創的で先進的なLIB安全材料は世界中に広まり、 STOBA® inside電池がそのサプライチェーンを通して、安全なLIBとしてのグローバルな地位を確立し、台湾の電池関連産業が発展することを望んでいます。
西美緒 氏(2014年Draper賞受賞)

LIBは有機電解液を使用しているため、電池の誤使用による熱暴走が起こると発火の恐れが生じます。ITRIで開発されたSTOBA®はこの熱暴走を抑制する非常に優れた材料です。STOBA®を初めて目にした時、「高度に発達した科学技術は、魔術と区別がつかない」(米国SF作家、A.C.クラーク)という言葉を思い出しました。今回、三井化学グループがライセンスを取得したことは大変喜ばしいことであり、早期にビジネス化が実現することを望んでいます。


三井化学 諫山 取締役常務執行役員
三井化学は、成長が期待できるターゲット事業領域として、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングの3分野を定め、新事業開発に取り組んでいます。ITRIが開発したSTOBA®は、モビリティ分野の中で成長が見込める電池材料の中でも、市場要求が特に強い安全性の確保を、特徴的な機構で効果的に実現することができます。この度、当社グループがSTOBA®の独占ライセンスを獲得したことで、当社の強みであるポリマーサイエンス技術を活用して、電池のグローバルな標準安全材料とすることを目指します。そしてこれにより、台湾の電池関連産業の大きな発展に貢献するものと確信しています。

【台湾工業技術研究院(ITRI)について】

工業技術研究院は世界レベルの応用科学技術研究開発機関です。設立以来140名以上のCEOを育成し、2万件以上の特許取得、そして244社の企業育成の成果を上げてきました。グローバル競争と変革・革新のニーズに対応して国内での応用技術研究開発成果の事業化を普及させるため、工業技術研究院は先端技術の深化と異分野技術の融合へ取り組むほか、一貫とした研究開発提携とビジネスコンサルティングサービスを提供しています。新技術と新製品の受託開発、少量試作の受託、製造プロセス改善、検品測定や技術移転、知的財産権の価値向上などを支援すると共に、オープンラボとインキュベーションセンターを設置して新規事業の促進と育成を積極的に推進し、産業技術開発と新規ハイテク産業の創出の加速化に力を入れています。工業技術研究院は産業界と共に連携し、持続的技術革新とより良い未来の創出に努めたいと考えています。

 



2023.07.04 三井化学          pellicle    
 

三井化学EMSが営業開始   三井化学グループで世界No.1の総合ペリクルメーカーに

三井化学の関係会社である三井化学EMSが、本年7月1日に設立、営業を開始しましたのでお知らせします。   宮崎県延岡市
 
旭化成よりペリクル事業を引き継ぎ誕生した三井化学EMSは、液晶パネルの露光工程で使用するFPDペリクルのNo.1プレイヤーです。半導体露光工程に使用するDUVペリクルにおいても、先端領域で多く使われる液浸ArF向けを中心に、市場で高い評価を受けています。
 
一方、三井化学は、DUVペリクルの先端品市場におけるリーディングカンパニーとして、また、半導体業界の最先端技術であるEUV露光に用いられるEUVペリクルの事業化を果たしたトップランナーとして、ペリクル市場において高いプレゼンスを獲得してきました。
三井化学EMSの設立により、今後さらに三井化学グループのペリクル事業を発展させ、新製品の開発や最先端の技術向上を通じて、世界No.1の総合ペリクルメーカーを目指してまいります。

 

ペリクルは、半導体や液晶パネルの露光工程において、微細パターンが描かれたフォトマスクに塵が付着しシリコンウェハーやパネル基盤に結像することを防ぐために、フォトマスクのカバーとして使用される保護膜です。今回旭化成より取得する製品は、フラットパネルディスプレイ(FPD)製造時に使用する大型ペリクル(FPDペリクル)と、半導体製造時に使用される小型ペリクル(LSIペリクル)です。

*1 三井化学 LSIペリクル:半導体向け。 
*2  旭化成 
FPDペリクル:液晶・有機ELパネル向け。主な用途はスマホ、タブレット、PC、TV。 Flat Panel

 

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2022.05.27

三井化学、旭化成ペリクル事業を取得

三井化学は、この度、旭化成のペリクル事業を取得することに合意しましたのでお知らせ致します。

1.本事業取得の背景及び目的

三井化学は、新たな長期経営計画「VISION2030」に基づき、ユニークなICTソリューション事業を創造・拡大し、基本戦略である事業ポートフォリオ変革における、第3の柱へ成長させる事を目指しています。

中でも、ペリクル事業は、ICT材料の中心製品の1つとして、今後更に注力する事業と位置づけ、半導体製造プロセス革新に貢献する競争優位性の高い新製品・ソリューションを提案することで、先端領域におけるNo.1ペリクルメーカーを目指しています。

三井化学は、1984年にペリクルの販売を開始して以来、LSIペリクル*1の先端品市場におけるリーディングカンパニーとして、また、半導体業界の最先端技術であるEUV露光に用いられるEUVペリクルの事業化を果たしたトップランナーとして、ペリクル市場において高いプレゼンスを獲得してきました。

一方、LSIペリクル市場における高精細化や品質保証水準の高度化への対応には、一層の技術開発および継続的な追加投資が必要となっています。このことから、ペリクル事業において高度な技術・強固な事業基盤を持つ旭化成との間で、ペリクル事業の今後の在り方について、協議を重ねて参りました。その結果、事業強化の観点から、三井化学が旭化成のペリクル事業を取得し、運営していくことが最善との両社結論に至りました。

旭化成のペリクル事業は、1986年に事業化以来、FPD(深紫外光)ペリクル*2においてはNo.1プレイヤーとして同市場を牽引するとともに、LSIペリクルにおいても、製造工程の改良・生産能力の増強等を推し進め、先端品(液浸ArF)市場において近年市場シェアを拡大しています。

本事業取得により、三井化学は先端領域における当社の既存ペリクル事業と、旭化成が有する幅広いペリクル事業のポートフォリオを併せて事業拡大するとともに、新製品の開発や最先端の技術向上を目指し、世界“No.1”の総合ペリクルメーカーの地位を強固なものとして参ります。

2.本事業取得のスキーム

三井化学は、旭化成のペリクル事業を吸収分割により包括的に承継し、ペリクルの製造を請負う旭化成EMSを100%子会社化するとともに、現旭化成EMS延岡事業所と岩国大竹工場をペリクル製造拠点として運営してまいります。

なお、吸収分割の効力発生日は2023年7月1日を予定しています。

韓国・台湾における事業については、本吸収分割の効力発生日までに、旭化成の現地法人から当社の現地法人である三井化学韓国および台湾三井化学股份有限公司にそれぞれ事業譲渡を行います。
吸収分割対価・事業譲渡対価の総額は、当社と旭化成との間で最終的に合意した事業価値74億円を基礎として、各種価値調整を踏まえて今後確定します。