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IT関連
部品分野の「オンリーワン」の問題点 シャープのIGZO
古河電工、世界最高電圧の275kV超電導ケーブルを開発
東芝、富士通のHDD事業買収発表 磁気ディスクは昭電が買収
東芝 HD-DVD事実上撤退へ 東芝、HD DVD事業の終息発表 電機大手再編
新日本石油/三洋電機 定置用燃料電池事業にかかわる新会社設立
日本板硝子 液晶TVガラス撤退、セントラル プラズマ用ガラスJV解散
京セラ、三洋の携帯事業買収へ 三菱撤退 携帯電話 ソニー、ドコモ向け撤退
有機EL 韓国勢が生産すみ分け 液晶パネル中国へ、有機ELは国内に
SEDテレビ 有機ELテレビ 電子部品市場 日台韓の攻防 キャノン、トッキ買収へ 有機ELを内製化
有機EL・液晶パネル 松下・キャノン・日立が連合 発表 薄型パネル(最新)
特殊素材 携帯向け増産 高機能化に対応
新日鉄化学、積水化学、日本ゼオン
薄型表示装置 国内投資2000億円に倍増 2003年度 液晶・プラズマ新工場
日本の素材メーカーが世界シェア首位を争う主な薄型パネル用素材 記事
用途 品目 生産量上位のメーカー 液晶パネル カラーフィルター 凸版印刷、大日本印刷、住友化学 偏光フィルム 日東電工、住友化学 ポバールフィルム クラレ 着色レジスト JSR、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ 感光性スペーサー JSR ガラス基板 旭硝子 プラズマパネル 光学フィルター ※三井化学、旭硝子 ガラス基板 旭硝子 (注)青文字の会社は世界首位。※は上位2社のシェアがきっ抗
旭化成 旭硝子 味の素 出光 宇部興産 花王 クラリアント クラレ
コニカミノルタ JSR シプレイ 昭和電工 信越化学 新日本石油 新日鐵化学
住友大阪セメント 住友化学 住友ベークライト セントラル硝子 ソニー
大日本インキ化学 大日本印刷 チッソ 東京応化 東レ 東ソー トクヤマ 凸版印刷 日本触媒
長瀬産業/錦湖石油化学 日東電工 日本化学工業 日本化薬 日本ゼオン 日立化成
富士写真フィルム ブリヂストン ポラテクノ 三井化学 三菱化学 三菱樹脂
日本経済新聞 2002/8/23
液晶・PDP素材増産 旭硝子や住友化など国内外で400億円投資
化学各社の主なlT素材増産例
社名 * 素材 * 内容 投資状況 旭化成 感光性樹脂 2003年3月に中国向け倍増* 20億円超 液晶向け導光板 2002年10月までに倍増 20億円 旭硝子 液晶向けガラス基板 2003年10月までに66%増 170億円 PDP用光学フィルター 2002年9月に倍増 20億円 宇部興産 シート状プリント基板用原料 2004年春までに27%増 40億円 住友化学 液晶用偏光フィルム 2003年内に2.1倍 150億円
韓・台・中におけるLCD
用偏光フィルム設備の大幅な増強について
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20020613_2.pdf
[韓 国] → 完成
東友ファインケムの平澤(ピョンタク)工場内に、このほど新たに偏光フィルムの原反製造設備を建設することとし、2003 年春の完成を目指して近日中に着工します。)
東友ファインケム Dongwoo Fine Chem Co., Ltd
本 社:益山(イクサン)市
設立:1991 年12 月
資本金:236 億ウォン(約2,360 百万円)
主要出資者: 住友化学90 %、伊藤忠商事 10 %
Dongwoo Fine-Chem Co., Ltd.
(東友ファインケム) 1991年、韓国の東洋化学工業・住友化学・伊藤忠商事の共同出資で「東友半導体薬品」として設立。1998年に東洋化学の全持株を引き受け、住友化学90%、伊藤忠商事10%の株式構成となりました。 |
[台 湾] 増強計画
住華(スーファー)科技股有限公司を設立、昨年から商業運転を開始していますが、今回は、同社が台南市の台南サイエンスパーク内に原反フィルムからの一貫生産設備を新たに建設します。
住華科技股有限公司
本社:高雄市
設立:2001 年6 月
資本金:29 百万台湾ドル(約104 百万円)
[中 国]
上海外高橋保税区に上海凱愛使希(ケーエスシー)光電有限公司を設立、このほど設備が完成し稼働を開始
上海凱愛使希光電有限公司
本 社:上海市
設立:2001 年9 月
資本金:2.1 百万US ドル(約236 百万円)
住友化学 情報電子化学部門
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/6co/630division/635itrc.html情報電子化学部門は、各種表示板用の光学機能性フィルム等を扱う光学製品事業部、ICの製造工程に用いるフォトレジストや高純度電子薬品等を扱う半導体プロセス材料事業部、IC封止用エポキシ樹脂や各種エレクトロニクス製品の重要部品に使われるスーパーエンジニアリングプラスチック等を扱う電子材料事業部、高度通信機器等の中枢部分に用いられる化合物半導体を扱う化合物半導体材料事業部の4事業部と、情報電子化学品研究所ならびに情報電子化学業務室によって構成されます。
中国・ASEANニュース速報 2004/2/26
【台湾】住華科技、3年内に50億元投資
http://www.e-plastics.gr.jp/japanese/nna_news/news/news0402_4/04022608.htm
住友化学工業傘下の液晶ディスプレー(LCD)用偏光フィルターメーカーである住華科技は、向こう3年内に50億台湾元を投じて生産能力を拡大し、市場シェアを現在の7%から33%に引き上げ、売上高151億元を目指す計画だ。
台湾の偏光フィルター市場は現在、力特光電(オプティマックス)と日東電工がそれぞれシェア51%と40%を占める寡占状態で、3位の住華(シェア7%)と4位の韓国・LG化学(同2%)を大きく引き離している。住華は日東電工を抜いて、力特に迫りたい考え。
住化、韓国に偏光フィルムの原反設備を完成
年産400万平方メートル能力、7月から本稼動
住友化学工業75%、韓国・東友ファインケム25%の共同出資による「東友光学フィルム」は、このほど東友ファインケム・平澤工場内にLCD用偏光フィルムの原反製造設備を完成させた。
今回の「東友光学フィルム」の原反工場に続いては、同社80%、稲畑産業20%の共同出資による「住華科技」が台湾・台南サイエンスパーク内で年産400万平方メートル能力の原反から加工・製品化までの一貫生産工場を建設中
日本化薬グループの中期経営戦略 平成12年1月発表
http://www.nipponkayaku.co.jp/japan/kessan/kessan_senryaku.html
フィルム事業は、世界のシェアで、プロジェクション用偏光フィルムは約90%を占め、車載用染料系偏光フィルムでは約70%を占めます。
昨年、オランダに「DEJIMA Optical Films」を設立しました。この会社は(株)ポラテクノの100%子会社であり、製品としては「液晶を塗布した温度追随型位相差フィルム」を生産
(株)ポラテクノ
設立 平成3年7月29日(日本化薬梶A蒲L沢製作所の合弁会社として設立)
資本金 12億4000万円
事業内容液晶表示用偏光フィルム、位相差フィルム、プロジェクター用偏光板、その他精密加工品の製造・販売
日本経済新聞 2002/9/11
日東電工、液晶向け偏光フイルム 6割増産 大型テレビ需要対応 三重に新工場
新工場は半導体封止材などを製造する亀山事業所(三重県亀山市)の敷地内に建設
http://www.cnjp-trade.com/japanese/pr/shinshutsu/2001-01.htm
■日東電工 液晶用偏光フィルム 上海に新工場建設
日東電工は2002年に、上海に液晶ディスプレー用の偏光フィルムの新工場を建設する。同社は液晶用偏光フィルムで60%を超える世界シェアを占めており、新工場は海外における同フィルムの主要生産拠点になる。新工場は、テープ加工を行う現地法人のニットー・デンコー・上海プートン(浦東)の隣接地に建設する。外観検査・打ち抜き工程など同フィルムの後工程専門の加工工場とし、急増するアジア圏の液晶需要に対応する。
偏光フィルム
http://www.nitto.co.jp/culture/hakubutu/bunkasai/jyoho.htm
偏光フィルムとは、特定の振動方向の光だけを透すようにしたものです。限られた光だけを透す偏光フィルムの特徴と、液晶の特徴を組み合わせることによって、初めて液晶ディスプレイの開発が可能になりました。位相差フィルムとは、光の透過速度の差によって生じる色の偏りを解消するものです。この位相差フィルムも、偏光フィルムと同様に粘着加工されます。
日本経済新聞 2003/4/25
LCDフイルム 日東電工、生産能カ7割増 工場増強や稼働前倒し
亀山事業所(三重県亀山市)の敷地内に建設している新工場の稼働時期を、当初計画の2004年4月から今年12月に早める。偏光フィルムの主力工場である尾道事業所(広島県尾道市)では、今年9月と来年3月の2段階で延伸機などの製造設備を増強する。
豊橋事業所(愛知県豊橋市)や中国、韓国の製造拠点でもフィルムの加工・裁断を手がける後工程ラインを増強。
日本経済新聞 2004/7/13
偏光フィルム 韓・台に工場新設 日東電工、100億円を投資
日東電工は2005年初め、液晶表示装置(LCD)に使う偏光フィルムの加工・裁断工場を韓国・台湾で相次いで稼働する。
韓国工場は2000年7月に操業を始めた現工場と同じ京畿道平沢市に建設する。来年2月に稼働する予定。
台湾も2000年3月から操業している現工場と同じ台中市で、来年1月に稼働する。友達光電や奇美電子向けなどを想定している。
2001.04.24 大日本印刷/旭硝子
プラズマ・ディスプレイ・パネル用背面板の合弁会社設立について
http://www.agc.co.jp/news/2001/0424.html
大日本印刷と旭硝子は、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)用の背面板の製造及び販売を行う合弁会社を設立することに合意
■新会社の概要
1.本社所在地 福岡県北九州市戸畑区牧山5−1−1 (旭硝子 北九州工場内) 2.工場所在地 同上 3.社長 未定 4.資本金 30億円 5.出資比率 大日本印刷 50% 旭硝子 50% 6.従業員 約140名 7.設立 平成13年7月 ■PDPパネルの構造図
2001/4/2 三井化学
「PDP光学フィルター」を企業化
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/010402b.htm
Chemnet Tokyo 2002/9/24
三井化学、PDP用光学フィルターが目覚しい伸び
メッシュタイプの開発も需要家の間で人気三井化学のPDP用光学フィルター「フィルトップ」が目覚しい伸びを遂げている。本格企業化の初年度に当たる01年度の売上高は約25億円であったが、今年度は40億円を超える見通しにある。
2002/8/4 日本経済新聞
宇部興産、プリント基板用高機能樹脂を増産
電子回路用プリント基板の原料であるポリイミドを増産する。年内にも宇部工場(山口県宇部市)で新ラインの建設に着手。年間生産能力は約27%増の700トン超となる。
2003/2/19 化学工業日報
宇部興産、ポリイミド事業を強化へ
今秋稼働予定でポリイミドフィルム第7期ラインを建設中で、原料モノマーも2004年春に能力を2倍に引き上げる。
ポリイミド
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とジアミンの縮重合によって生み出された超耐熱性ポリイミドフィルム−「ユーピレックス」。
その、広い温度範囲にわたる数々の優れた特性はエレクトロニクスをはじめ、次代を担う産業界の新素材として脚光を浴びてきました。特に高温下における物理的、機械的、電気的、そして化学的諸性質など、他の耐熱性フィルムをはるかに凌ぐ性能はますます厳しい条件を求める新時代に応え確実な歩みを始めています。
2000/9/21 宇部興産
宇部興産、ポリイミドフィルムの第6期増設工事に着手
http://www.ube-ind.co.jp/japanese/japanese/news/2000_13.htm
宇部興産は、機能性材料のコア製品の一つであるポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックス−S)の増設工事に着手し、9月19日に宇部ケミカル工場西地区内において、関係者を集め起工式を行った。
日本経済新聞 2002/9/18 発表文
豊田合成・日亜化学が和解発表 青色LED、訴訟合戦に終止符
豊田合成と日亜化学の和解合意書の骨子
@自社の保有する特許に基づく製造・販売の差し止めや損害賠償などの請求をしない
A相手方が現在保有する特許に関して、損害賠償金の支払いや自社製品の製造・販売の中止などの義務を負わない
B両者間のすべての訴訟を取り下げる
C将来の製品について相手方の将来の特許を使用する場合にライセンス料を支払う
DYAGと呼ぶ蛍光体を使った白色LEDに関し、豊田合成は日亜化学の特許を使用する場合にライセンス料を支払う
2002/09/17
豊田合成、日亜化学工業
青色LED訴訟、全面和解の件
http://www.toyoda-gosei.co.jp/news/02/02_0917.html
青色発光ダイオード(LED)に代表されるIII族窒化物系半導体の技術について、互いに相手方が所有する全ての特許権等を尊重し、両社間で約6年にわたって繰り広げられたすべての訴訟等を終結させ、かつ将来における新たな係争を予防ないし適切に解決することについて下記の内容を骨子とする和解合意書を締結いたしました。
日本経済新聞 2002/9/20
液晶フィルム増産 富士写真フィルム 200億円投じ能力5倍に
静岡県内に新工場を建設、2005年4月までに生産能力を現状の約5倍に引き上げる。神奈川県には研究開発棟も新設、総投資額は約200億円を見込む。
台湾での「亞太三井化学股分有限公司」の設立の件
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/010709.htm
《「亞太三井化学股分有限公司」の概要》
1. 社名 亞太三井化学股分有限公司
(英語名 Taiwan Mitsui Chemicals, Incorporated)2. 会社設立 2001年5月3日 3. 営業開始 2001年7月2日 4. 資本金 14百万元(約50百万円、当社100%出資) 5. 所在地 台北市中山北路二段96号 嘉新大楼4階 6. 社長 中島 睦男 7. 事業内容 電子・情報材料等の販売 8. 売上高 2002年目標:30億円
昭和電工 エレクトロニクス事業部門
http://www.sdk.co.jp/contents/division/index.htm
エレクトロニクス開発部
電子材料事業部
レアアース事業部
HD事業部
MD事業部
韓国における情報電子化学関連製品ほかの生産拡充について
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/1newsrelease/pdf/20020409.pdf
韓国のグループ会社である東友ファインケム(本社:韓国益山市、社長:金祥烈)の平沢(ピョンタク)工場において、同社の技術力や人的資源を有効に活用して、情報電子化学品などの先端技術を必要とする製品の韓国における生産を拡大することといたしました。
東友ファインケム(韓国)
住友化学は1991年に韓国に半導体用高純度薬品の製造販売を目的として、「東友半導体薬品株式会社」を設立、現在ではこの分野における韓国内のトップメーカーにまで成長しています。1997年には、フォトレジスト(半導体製造用感光性樹脂)を新たに事業化、1998年には社名を東友ファインケム株式会社に変更、これを機に、半導体用材料だけでなく各種ファインケミカル製品の育成、事業化に注力していく考えです。
韓国・東友半導体薬品の株式取得について
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/1newsrelease/pdf/19980203.pdf
韓国における半導体用高純度薬品および半導体用感光樹脂フォトレジストの製造・販売会社である東友半導体薬品株式会社(本社:全羅北道イクサン市)に関し、韓国側親会社である東洋化学株式会社(本社:ソウル市)の出資持株(50 %)を購入し、出資比率を90%とすることにいたしました。
(東友半導体薬品の新出資比率:住友化学90%、伊藤忠商事:10%)
【東友半導体薬品(株)の概要】
1 .社名 東友半導体薬品梶iDong Woo Pure Chemicals Co.,Ltd.) 2 .本社 大韓民国全羅北道益山(イクサン)市 3 .社長 韓 義燮(ハン ユーサブ) 4 .資本金 130 億ウォン 5 .設立 1991 年12 月 6 .従業員 109 名(1997 年末) 7 .売上高 458 億ウォン(1997 年12 月期) 8 .事業内容 半導体用高純度薬品およびフォトレジストの製造・販売
東友半導体薬品の設立 (住友化学社史より)
当社はこれに対応して高純度薬品の現地生産の方策を検討していたが、折から総合化学品メーカーへ転身を図っていた同国の東洋化学工業から共同生産の打診を受けた。
平成3年12月に伊藤忠商事を加えた3社合弁により「東友半導体薬品株式会社」(資本金90億ウォン、出資比率、当社40%、伊藤慮商事10%、東洋化学工業50%)を設立した。新会社は東洋化学工業の高純度薬品工場を買収、当社技術による工場建設に着手し、5年には高純度過酸化水素水の工場を完成、6年4月から生産、出荷を開始した。
日本経済新聞 2002/12/13
光回線の分岐装置 大きさ200分の1に 産総研など、価格も50分の1
産業技術総合研究所はガラスメーカーなどで組織するニューガラスフォーラム(山中衛会長)と共同で、複数の光回線を1本のファイバーにまとめたり分岐させたりする部品を従来の約200分の1に小型化する技術を開発した。
実用化すれば、現在は通信会社の基地局にしか置けない分岐装置を電柱の上などに設置できるようになる。家庭に光通信回線を引き込むファイバー・ツー・ザ・ホーム(FTTH)普及の切り札になる可能性がある。
薄型表示装置 国内投資2000億円に倍増 来年度 液晶・プラズマ新工場
液晶型ではシャープや日立製作所が、プラズマ式では松下電器産業と東レの共同出資会社やNECなどが相次ぎ新工場建設やラインの増設に踏み出す。
日本工業新聞 2003/9/26
住化が中国での偏光フィルム事業を強化、2子会社を合併
中国における、LCD(液晶ディスプレー)用フィルム子会社と、半導体基板材料に使用するガリウム製造子会社を合併し、新会社「上海住化電子材料科技」を設立する。
合併するのは、LCDに使用する偏光フィルムを加工・販売する上海凱愛使希光電(上海KSC、上海市)と、半導体材料に使用する精製ガリウム製造の上海住化高純度金属(上海市)の2社
ものづくり進化論
阪大・浜松ホトニクス・トヨタが挑む「夢の発電設備」 レーザー核融合
3月11日に発生した東日本大震災と原子力発電所事故は、世界のエネルギー政策に大きな影響を与えつつある。特に欧州では反原発の動きが広がり、風力や太陽光など再生可能エネルギーの需要が増える可能性が出てきた。ただ、こうした状況の中で、遠い将来をにらんだ「夢の発電設備」として「レーザー核融合」の研究も進められている。核融合と言っても、原子力ではなく、光を増幅させて強力なレーザー光線を作り、そこで生じるエネルギーを取り出す発電技術だ。核分裂反応を利用する原発よりも安全性が圧倒的に高いとされ、米国のオバマ政権も力を入れている。この分野では日本も負けていない。実は浜松ホトニクス、トヨタ自動車、大阪大学などが次世代技術の開発を急いでいる。
まず、レーザー核融合の仕組みについて説明したい。これは、重水素などで構成する燃料に強力なレーザーを照射して一気に圧縮させ、原子核同士が融合する際に発生するエネルギーを取り出す。技術的に説明するのは難しいが、簡単に言えば、太陽のエネルギーと同じ仕組みだ。それゆえ、「地上に太陽を」を合言葉に、人類未踏のエネルギーの獲得に向け、世界のレーザー研究者たちが研究に取り組んでいる。
日本経済新聞 2-12/11/23
iPadの秘密
11月1日午後5時、シャープ社長の奥田隆司(59)と財務担当専務の大西徹夫(58)は、東京・日本橋の野村証券本社で2012年4〜9月期の決算説明会に臨んだ。業績下方修正は今年に入って4度目。質問はおのずと厳しくなった。
「これから何で成長していくつもりか」。「稼ぐのは(高精細で消費電力の少ない新型液晶)IGZOのようなオンリーワン技術。顧客からの評価も高い」(奥田)。「IGZOがシャープを救う、ということか」。「そうだ」(奥田)
確かに世界のスマートフォン、タブレット端末メーカーはIGZOに強い関心を示している。今のところ商用生産しているのはシャープだけ。海外メーカーで最初に使ったのは米アップルだ。3月に発売した新型の「iPad」で採用した。
しかしiPadを買っても、液晶パネルがIGZOとは限らない。新型iPadには、シャープ製のIGZOと韓国サムスン電子などが作るアモルファス液晶という2種類のパネルが混在しているからだ。それが消費者に分からないよう、アップルは性能で勝るIGZOの解像度をわざと落としている。
なぜそんな面倒なことをするのか。それはいみじくも奥田が言ったように、IGZOがシャープにしか作れない「オンリーワン」の液晶だからだ。アップルは重要な部品を複数の企業から調達する。1社に事故があっても供給が止まらないし、価格を競わせることもできるからだ。アップルなどの完成品メーカーにとって、オンリーワンのIGZOは大量発注しにくい。
相談役の町田勝彦(69)が社長時代に打ち出した「オンリーワン戦略」は、液晶テレビのような完成品市場で成功した。だが部品市場で勝つのは、韓国サムスン電子のように他社と同じ部品を誰よりも安く作れる「ナンバーワン企業」だ。
ソニーとフィリップスが開発したCDや日本ビクター(現JVCケンウッド)が開発したVHSは他社にライセンス供与することで国境を越え、普及した。技術を抱え込んでいたら、どちらも普及しなかっただろう。
しかし今のシャープはオンリーワンにこだわり、政府も技術流出に神経をとがらせる。シャープとの資本提携を目指す鴻海精密工業の関係者がささやいた。「日本の役人や政治家が出てきて、面倒なことになっている」