6.5年度 <1999年度>

1) 再生計画の実施 

99/4/23 4社会で5/19午後発表(住化役員会議決後)とする。

発表文、Q&AはZESTで作成し、5/10にトクヤマとの打ち合わせで決定した。
各社はZESTの新旧両社長の発表を主張、ZESTから3社出席を強く主張、持ち帰りとなり、最終的にはZEST名の発表で、説明には3社が出席することになった。

99/4/28 大洋塩ビ日野社長に委託の要請(橋本・河野)、日野社長快諾。

99/6/8 大洋塩ビ訪問 製造委託の打ち合わせ
ZESTより、来年初めから量は max 3万トン、 min.6千トン程度、汎用品中心でお願いしたいと伝えた。東ソーVCM使用もありうるとした。 

99/5/11 期末監査を利用して公認会計士に再生計画を説明、今後はトクヤマ主導となるため山口監査法人に監査をお願いすることになると伝える。

99/5/11 公取訪問

発表文に「他社への委託」の文言があるが、95年の公取への誓約書があるため上記文言を入れることの了解を求めた。

99/5/16(日)と翌17日(月)に日経記事が出た。
 前者は水島停止、後者はトクヤマが子会社化するというもの。

99/5/16 日経記事

住化・ゼオンなど 化学業界 過剰設備を廃棄
   来年、塩ビ生産力13%減 政府支援にらみ自助努力

化学大手各社は2000年をメドに、塩化ビニール樹脂など主力の汎用合成樹脂の過剰設備を廃棄する。住友化学工業、日本ゼオン、旭硝子などが塩ビとその原料を作る四工場・プラントを停止、順次廃棄する方針を決めた。塩ビの国内生産能力(原料べース)の約13%が削減され、需給ギャップが大幅に綬和される見通し。
政府は小渕恵三首相直属の「産業競争力会議」で設備廃棄の支援税制、雇用対策などを検討しているが、化学業界は政府の支援策をにらみ、自助努力による供給面の構造改革に踏み出す。鉄鋼、石油など他の素材産業でも設備廃棄の動きが本格化する見通しだ。
日本ゼオンとトクヤマ、住友化学は15日までに、共同出資している国内3位の新第一塩ビの水島工場(岡山県倉敷市)を停止、設備を廃棄することで合意した。同工場は年間12万トンの塩ビ樹脂を生産している。
このため新第一塩ビに原料を供給している
山陽モノマーも、年産23万トンのプラント(倉敷市)を停止する方向で検討。同社には日本ゼオンと旭化成工業、チッソが共同出資している。
住友化学と旭硝子が共同出資する
千葉塩ビモノマーも現在休止している年産21万トンの塩ビ原料のプラント(千葉県袖ケ浦市)を再稼働させず、廃棄する方針。山陽モノマー、千葉塩ビモノマー両社の設備廃棄により、塩ビ原料全体で生産能力が13%も減少する。(ZEST注 VCMの公称総能力は3385千トン)
三菱化学も水島工場(倉敷市)の塩ビ樹脂プラントの一部を止め、設備を廃棄する。このため樹脂べースでも生産能力は5%程度減少する見通し。工場、プラントの停止・廃棄後、共同出資会社の従業員は親会社が引き取り、雇用を確保する考えだ。業界最大手の東ソーグループの大洋塩ビ、二位の信越化学工業も設備廃棄に動く可能性が大きい。
国内需要の低迷で、塩ビの国内生産能力と内需のギャップは98年には114万トン(樹脂べース)に拡大。採算割れを覚悟で、塩ビ原料の輸出を拡大するメーカーも出ている。メーカー11社合計で、塩ビ事業の累積損失は1千億円を超えると見られ、設備廃棄の最大の焦点になっていた。
同じ汎用合成樹脂であるポリスチレンでは、旭化成と、三菱化学が10月に全国3工場の生産設備を統合するのに合わせ、合計で年産56万トンのうち、16万トン分の設備を廃棄する計画。石油化学製品の基礎原料であるエチレンでも、三菱化学が2000年未までに四日市事業所(三重県四日市)のエチレンプラントの廃棄を決めている。需給ギャップ解消に向け、設備能力削減の動きが進む見通しだ。

解説 
  化学業界が過剰設備廃棄 再編の引き金に

化学業界が懸案の塩化ビニール原料・樹脂の生産再編に乗り出すのは、政府の設備廃棄の支援策の方向が見え始め、「自主的な需給ギャップ解消が業界の唯一の生き残り策」(大手化学メーカー首脳)と判断したためだ。だが設備廃棄により、下位メーカーは中長期的に塩ビ事業からの退出を余儀なくされそうだ。「現在の11社体制が崩れ、生き残るのは4グループ」(業界関係者)という厳しい再編劇が始まる。
過剰設備問題は産業再生策の柱の一つとして、産業競争力会議の重要テーマに浮上。通産省や経団連は、設備廃棄を支援するため、廃棄に伴う欠損金の繰越期間を現行の5年から10年以上に延長することや、欠損金の繰り戻しを過去2年程度認める案などを検討中。このほか企業同士が事業部門を交換する際に優遇税制を適用することなども候補に挙がっている。
しかし「不振企業の延命や、構造改革に逆行することはできない」のが官民のコンセンサス。政府も設備廃棄に助成金を出すなど、財政支出が必要な対策は盛り込まない見通しだ。塩ビで先行した化学業界に続き、鉄鋼や石油など素材産業が政府の支援策策定と並行して、自助努力による設備廃棄に動かざるを得なくなる。
ただ設備廃棄の動きは当然、生き残りをかけた業界の再編を促す。主力製品である鉄筋棒鋼で約3割もの過剰設備を抱える電炉業界は、業界団体主導で設備廃棄策を検討し始めたが、設備廃棄と電炉各社の合併・再編はワンセットといわれる。
内外で巨大合併が相次ぐ石油業界では「体力格差がいよいよはっきりしてきた」(大手石油会社首脳)。設備廃棄を契機に、戦略提携・合併を含む事業の選択の成否が、素材各社の明暗を分けることになりそうだ。

99/5/17 日経記事

新第一塩ビ トクヤマが子会社化
  70%出資 工場を集約し再建

トクヤマは日本ゼオン、住友化学工業と共同出資する塩化ビニール樹脂業界3位のメーカー、新第一塩ビを来年3月までに子会社化する。現在は日本ゼオンが40%を出資し筆頭株主となっているが、トクヤマが70%にまで出資を引き上げる。新第一塩ビは不況による塩ビ樹脂需要の低迷を愛け、収益が悪化している。主力工場の生産停止を決めたのを機にトクヤマ主導で再建を進める。
新第一塩ビは95年3社の塩ビ樹脂事業を統合して設立した。資本金は70億円。現在の出資比率は日本ゼオンが40%でトクヤマグループと住友化学がそれぞれ30%。
累積損失解消のため、近く減資し、さらに2段階に分けて増資する計画で、最終的にトクヤマが70%前後を、日本ゼオンと住友化学が15%前後ずつを出資する見通し。
新第一塩ビは主力工場の1つで、日本ゼオンから譲渡を受けた水島工場(岡山県倉敷市)での塩ビ樹脂生産を停止する方針。今後はトクヤマから譲渡を受けた徳山工場(山口県徳山市)を中心に生産する計画で、資本面でもトクヤマ主導を明確にする。

  記事対応 

当初記者発表予定は99/5/19であった。5/16(日)に各社と電話協議した。発表繰上げ案に対しては役員会決議前として住化が反対。結局予定通り 5/19となった。
なお、MITI課長よりトクヤマに問い合わせがあり、5/17にZESTから報告。

99/5/19付で3社が「協定書」調印 

99/5/19 臨時株主総会(書類上)

決議事項
第1号議案 資本減少及び定款一部変更の件

議長から財務内容の改善を目的として資本減少及びこれに伴う定款の一部変更を行いたい旨を提案した。
次いで議長この議案の賛否を議場に諮ったところ、満場一致をもって、原案どおり承認可決された。

1.減少すべき資本の額
  当会社の資本の額70億円について全額減少する。
2.資本減少の方法
  当会社の発行済株式総数6800株を0株とし、当会社の発行済額面株式の総数  6800株の各株につき、1株の額面金額50000円の株式1株に対し1株の割合で無償消却する。
3.定款第5条(発行する株式の総数)を「当会社の発行済額面株式の総数は400株とし、そのすべてを額面株式とする」と改める。ただし、その効力は、資本減少に関する一切の手続きを終了したときに生ずるものとする。
4.その他の事務的な関連事項については、取締役会に一任する。 

第2号議案 第三者割当により新株を発行する件

議長は財務内容を改善するため、次のとおり第三者割当により新株を発行したい旨を説明、その賛否を議場に諮ったところ、満場一致をもって、原案どおり承認可決された。
   1.発行株式  額面普通株式 100株
   2.その他の事項については、取締役会に一任する。

注  ZESTの授権資本は7,200株、発行済み6,800株で全株を減資するが、法務局通達で減資後の残存授権資本は 400株となる。

99/5/19 減資催告書送付、99/5/20 減資公告

99/5/19 記者発表

場所:虎ノ門パストラルホテル 6F「雅」
出席者:ZEST:佐伯社長、中山(司会)
      トクヤマ:西野専務、ゼオン:古河取締役、住化:石飛取締役  

佐伯社長:発表文を読み上げ。    添付:
発表文、手元資料、Q&A

西野専務:経緯、趣旨説明(
手元資料による)
  手元資料への追加コメント

・これまでの合理化の評価 「今後非常に役に立つ」
・出資3社の協議の中で、「解散も含め考えた」。   
・トクヤマは引き受けるに当たり、これを立派な事業にする責任を感じている。
・今後は操業度アップ、償却完了、合理化でよくなるが、このままでは縮小均衡。  
適切な時期に適正規模での増強は行いたい。但し、需給を見極めて実施する。

質疑
・山陽モノマーは? → 協議中
・将来のPVC増設で電解も増強か? 
 → これまでも段階的にやっており、当面心配はない。
    さらに旭硝子と提携しており、これも含めて考える。
・手直し増設の規模は? → たいしたことはない。
・累損は? → 3月末で69億。
・千葉塩ビは? → 設備廃棄の方向
・PVCの供給体制は? 
 → 絶対に需要家に迷惑をかけないというのが原則。
   手直し増強、スワップで対応する。
   儲からない輸出はやらないが儲かる場合は輸出もする。
・将来の絵は描いているのか? → 引き受ける以上は当然。
・今回の合理化でやっていけるのか? → 値上げは必要。
・アライアンスは? → 当然考えるが先ず当面しっかりやっていくことが必要。

佐伯社長:業界の赤字は累積で2500億円。他社も再編し、過当競争をやめ、まともな業界にして欲しい。(業界を去るに当たって)

ZEST-news 社内発表 

Zn9904 塩ビ事業の現状 (99/5/7 発表の伏線)
Zn9905 ZEST再生計画発表 (99/5/19)
Zn9906 ZEST減資増資 (99/5/19)
Zn9907 ZEST再生計画 記者会見.  (99/5/20)

99/6/10 常務会で役員人事内定、対外発表

社長                    西野 義彦 〔トクヤマ 専務取締役〕
常務取締役(社長補佐・営業統括) 橋本 光正 (留任)
常務取締役(企画管理担当)     中山 一男 (留任)
取締役     (社長補佐)      河野 秀明 (留任)
取締役     (大阪支店長)    林   哲男 (留任)
取締役     (汎用品事業部長) 前田 宣忠 (トクヤマ 樹脂営業部長)
取締役     (特殊品事業部長) 今澤 康多 (営業2部長)
取締役     (非常勤)       中原 茂明 〔トクヤマ 取締役〕 
取締役     (非常勤)       宮下 政一 〔トクヤマ 理事*〕 
常勤監査役               糸川 興亜 〔トクヤマ 監査役*〕
監査役                  古河 直純 〔日本ゼオン 常務取締役*〕
監査役                  石飛 修   〔住友化学工業 取締役〕   
   
注: 氏名の後の 〔   〕は兼務、*は内定のタイトル、(  )は現職

退任 (社長)       佐伯康治
    (常務取締役)   松村博文 → 小栗商事 社長
    (取締役)      長岡邦彦
    (非常勤取締役) 中野克彦、香西昭夫、三浦勇一
    (常勤監査役)   丸山直行、(監査役)西野義彦、石川浩通

99/6/21 株主総会

社長交替。佐伯社長が「4年の回顧」を報告。

99/6/25 減資増資
    資本金 70億円→ゼロ→40億円

99/6/30 山陽モノマー停止の記事

5/19発表時には「山陽モノマーは?」の質問に「協議中」と答えたもの。

99/6/30 日本経済新聞 

塩ビ原料設備廃棄 旭化成とチッソ、岡山で 三菱化学に生産委託

旭化成工業、三菱化学とチッソの3社は、代表的な石油化学製品の一つである塩化ビニール樹脂の原料事業で提携する。旭化成とチッソが来年3月に岡山県にある石油化学コンビナート内のプラントを停止し、三菱化学への生産委託に切り替える。この結果、塩ビ原料の国内生産設備の約1割が廃棄される見通し。石化製品の多くは設備過剰が続いている。
今回の3社提携をきっかけに、全国の石油化学コンビナートで地域的な協力関係を生かした設備廃棄の動きに弾みがつく可能性がある。
生産停止・廃棄するのは旭化成とチッソ、日本ゼオンが共同出資する山陽モノマーの塩ビ原料プラント(岡山県倉敷市)。生産能力は年産23万トン。国内生産能力(338万トン)の7%に相当する。ただ旭化成とチッソは山陽モノマーから原料を受け、「サランラップ」と塩化ビニール樹脂を生産しており、新たな原料調達に迫られる。このため、旭化成が基礎原料を三菱化学のプラントに持ち込み、旭化成とチッソ向けに生産してもらうことで合意した。

ZEST-news 99-14(99/6/30)解説

ZESTの水島工場停止発表の際には本件は曖昧な表現になったが、今回時機が来たため旭化成が明らかにしたもの。
ZESTのPVC停止で山陽モノマーの停止は必至となるが、同社は原料の塩素を旭化成と大曹(エピクロを生産)のJVである岡山化成から供給を受けており、大曹の事情で岡山化成は停止できない。他方チッソ水島は重合機を替えたばかりでVCMの継続供給を必要とする。
このため旭化成では岡山化成の塩素を三菱化学に送り、VCMに加工してチッソに供給することとしたもの。三菱としても水島の老朽PVCの停止でVCM能力が余るため、これを受け入れた。
ZESTとしては千葉塩ビモノマー、山陽モノマーの停止で、今後はトクヤマの徳山製造所(+トクヤマと提携する旭硝子の京葉モノマー)のVCMに依存することとなる。
山陽モノマーはゼオン(55%)、チッソ(20%)、旭化成(25%)のJVで、プラントはゼオンの水島工場内にある。 

99/7/23 取締役会で徳山サイロ投資案 承認

  1.投資の必要性

水島品の生産移管に伴ない、
 @生産グレード数が増加する(汎用グレード;現在 13 → 19・・7増1減)
 A住ベ向け700G(PTP-push through packageシート用)は徹底的異物対策が必要
 B品種切換回数が増加する (現在 25 → 移管後 48回/月)
 C国内ローリー出荷量が増加する(現在 4,600 → 移管後 6,600トン/月)

これらの増加に対し、徳山工場では
 @新グレード用サイロがない
 A住ベ向け700Gは専用の品質チェック用と保管用サイロが必要となる
 B生産しながら包装する方式からサイロに溜めてから包装する方式に変更する
 Cサイロ不足のまま、フレコン取り→解袋→ローリー積込作業では追いつかない

  2.投資の概要

  サイロ12基増設と既設サイロの移設・配管変更および
  製品倉庫改造(サイロ敷地確保)
 
  

99/7/31 千葉塩ビモノマー解散(住化、旭硝子発表)

千葉塩ビモノマー株式会社の解散について

住友化学および旭硝子の2社は、このたび共同運営している千葉塩ビモノマーを解散いたしました。
千葉塩ビモノマーは、平成10年10月以降プラントを休止し、今般解散したものです。解散日は、平成11年7月31日で、これからプラントの撤去工事に入り、清算結了時期は平成12年11月ごろの予定です。
千葉塩ビモノマーは、これまで出資者が、生産したVCMを引き取りそれぞれ販売してきました。住友化学は、これまで、出資している新第一塩ビに販売してきましたが、平成11年7月以降は、トクヤマが責任をもち供給しています。旭硝子は、すでに子会社である京葉モノマーに生産を集中しています。

 

99/8/4 公取に大洋塩ビとの提携(製造委託)の承認の要請を行なった。
合わせて、以下のとおり95年の念書の取消を要請した。

                     お願い 

弊社(旧名 第一塩ビ販売梶jは平成7年7月1日付で親会社3社から塩化ビニル樹脂に関する営業譲受を行うに際し、親会社と連名で添付の通りの誓約書を貴委員会に提出しております。
弊社は塩ビ業界で共販会社を解散して一体化する第1号であり、かつ生産能力(430千トン)も当時トップの信越化学(公称390千トン)を抜き17.8%を占めることとなりました。このような状況を背景に、営業譲受の承認を受けるに際し、貴委員会からのご指示があり、本誓約書を提出いたしました。
その後、大洋塩ビが設立され、また他の企業も能力を増強した結果、弊社は現状では能力で3位(14.7%)、国内販売量(推定)でも同率3位となります。弊社が一体化により圧倒的地位になるのではなく、むしろ弊社の一体化が大洋塩ビの一体化および各社の能力増強を引き起こし、上位4社が拮抗する状況となりました。なお、ご報告しました再建計画実施後の来年4月においては能力は4位(10.7%)で1、2位企業の約半分という中位メーカーとなります。
弊社といたしましては今後とも独占禁止法の規定を遵守する点に変わりはありません。しかしながら、生産受委託等に関し競合他社が営業上の必要に応じ自由に実施できるのに対して、弊社は個別に貴委員会のご了承を得る必要があるため臨機応変の処理が取れず、競争上も不利な立場に置かれます。特に今般の水島工場停止に伴い、需要家への供給責任を果たすため、今回検討中の相手先以外にも生産受委託やスワップを依頼するケースも出てくる可能性があります。
弊社と致しましては、弊社の現状を前提に、独占禁止法上の扱いにおいて一般他社と同じ扱いをして頂きたく存じます。以上をご勘案の上、本誓約書の扱いにつきましてご再考いただきますよう、お願い申しあげます。 


本件に関して 99/9/24 公取委から電話連絡があった。
大洋塩ビとの委託加工は承認、念書取消の件は暫くpendingと。


99/8/30 チッソへの委託加工検討

チッソに対し製造委託を要請、前向きの返事があった。
    ↓
9/6  チッソより塩ビ事業見直しの可能性がある旨の説明。

9/16 チッソより塩ビ事業撤退の方向の説明があり、製造委託の件は解消した。

99/10/1 産業活力再生特別措置法施行

ZESTとしては再生計画で適用を受けることを検討  
   別項「産業活力再生特別措置法」

99/10/8 大洋塩ビと委託加工費交渉が決着 

99/9/14にZESTから @10(固定費1/2ベース)を提示し、その後交渉していた。
ローリー車積み込みを前提として@12で決着。
ただし、現在の大洋塩ビは各親会社に生産委託しているので、新体制に移行する来年3月までは大洋塩ビの親会社への委託単価に合わせ、@15とする。
新体制への移行が遅れても4月からは@12とする。
加工費の範囲はVCMと包装材料および包装費を除く工場原価(変動費+固定費)とする。

99/11/25 取締役会で徳山工場合理化投資計画案を承認  

   徳山工場DCS更新・能力増強・合理化投資について

1.2D系列DCS更新

2D系列DCSは設置後17年経過し、末期寿命的なトラブルルが頻発していることに加え、2000年以降,交換部品を調達できなくなるため、更新する必要がある。
本案件は97年度より要請のあった案件であるが、当時の経営状況等から延期してきたものであるが、上記理由および以下の2.3.の案件に関連するので、実施したい。
   投資額;146.2百万円 完成時期;2001年3月

2.生産能力増強・在庫削減

水島停止に伴い徳山に生産移管するため、グレード数が現状の16より23に増加する。
(新グレードの生産に必要な副原料設備とサイロ増強投資はすでに承認済)グレード増により、品種切替回数が増加し、大幅な生産性低下が見込まれる。
以下の方策で、現在の能力125千トン/年から145.6千トン/年まで増強すると共に、場外在庫を削減し、物流費改善を図る。

@2D重合系列の半自動化、A脱VCM機増強、BB系乾燥機増強、
C定修分割・短縮
Dホットウオーターチャージ(2001年に別途50百万円申請予定)
   投資額;686.9百万円(D除く) 
   完成時期;2001年3月
   効果額;435.8百万円/年
   回収期間;3.3年

Dの項の研究目的で、徳山技術開発センターのパイロットにホットウオーターチャージ設備を付加するため、11.8百万円の投資を合わせて付議する。

3.制御室統合による少人化

潟gクヤマとの共同で、VCM/PVCプラントの制御室を統合し、一体運営することにより、合計19人(内、PVC 12人)の少人化を図り、人件費を削減する。
本案実施のためには、未だ寿命に至っていない3D系列のDCS(1991年設置)をVCMおよび更新予定の2D系列DCSと同メーカー製にする必要があり、更新する。
   投資額;261.3百万円
   完成時期;2001年3月
   効果額;104.0百万円/年
   回収期間;4.8年

なお、各案件実行に伴い、既設設備を一部撤去する必要があり、48.9百万円の撤去費用を合わせて承認いただきたい。

00/3/13 水島工場停止、山陽モノマーも同時期に操業停止した。


00/3/22 取締役会で水島工場設備の転用、売却、解体について報告

   

   

   

* MECI関連経緯
  (Malaysia Electro Chemical Industries ゼオン25%/ニチメン 10%/現地 JV)
 1月中旬 MECI役員他4名水島訪問時、設備・ノウハウ購入希望を表明。
  20m3x4 + 30m3x4 50千t 
     → 老朽化した20m3x4を水島の 65m3x2に置き換え希望


2000年度決算では以下の通りとなった。

水島除却損     1,031,220   他所移管分を除く。
同上売却戻入    -72,687  (ゼオン 65,631 MECI 7,056)
水島撤去費      207,156  入札で安く仕上げた。

ゼオンでは別製品のためにサイロを使用することを検討してきたが、最終的にサイロを追加して使用を決定、架構も買い取った。
MECIは最終的にはS&B計画を中止し、パッカーその他のみを購入。

なお、愛媛工場にVCM排出規制対策用に65m3 リアクター1基を移管したが、当面のVCM排出規制対策には使用していない。

 


00/3/27産業再生法 事業再構築計画認定

これにより40億円の増資の登記登録税28百万円が半分の14百万円で済んだ。
また、水島除却損のうち重合部分の機械装置分については損失繰越期限が7年に延長される。

00/3/28 増資  40億円の増資(トクヤマ払込)で資本金80億円となった。

00/3/31 水島工場 廃止

     

 

2) 借り入れ問題 

99/4/15 3社会議で協議の結果、後日確認を条件として、つぎの通り基本合意した。

  1.当面の資金繰り(期間:1999年4月30日〜1999年7月31日、3ヶ月間)

(1)金額   :120億円
(2)調達責任 :旧出資比率(ゼオン:40%、住化:30%、トクヤマ:30%)
(3)基本条件 :親保証無しを条件として交渉する。

  2.1999年7月31日〜2000年3月31日(8ヶ月間)

(1)金額 :約80億円(トクヤマ/ZEST間で、資金繰り予想を見ながら決定)
   *後日100億円に修正(VCM支払い延長分を戻さないことを条件に)
(2)調達責任:新出資比率(ゼオン:29%、住化:29%、トクヤマ:42%)
(3)基本条件:親保証無しを条件として交渉する。

  3.2000年3月31日以降の資金手当(長期設備資金、短期運転資金、赤字資金)

(1)設備資金(保証状差入済)
  @借入残 :1998年度末(35億円)、1999年度末(26億円)
  A期限  :2003年6月末日
  B保証責任:旧出資比率(40:30:30)(現在の保証をそのまま継続)
(2)短期資金(正常運転資金)
  @要調達額 :48億円(2000年3月31日時点)
  A資金調達責任:トクヤマ100%
  B資金調達額 :トクヤマ・ZEST間で協議の上決定すること。
(3)赤字資金(長期性資金)
  @残高推移 : 1999/3/31時点 一 72億円
             1999/6/30時点 ― 32億円
             2000/3/31時点 ― 52.2億円
  A要調達額 : トクヤマ提案(下限122億円、上限52.2億円)
     *2000年3月末払込み予定の増資額40意円の資金使途如何
  B調達責任 : 旧出資比率
  C調達条件 : 6ヶ月毎に減額、2003年6月末時点で完済

(4)事業リスクの保証
 ● 3社間で新契約
 ● 契約書中に、つぎの条件を盛り込む
 ● 設備資金ならびに赤字資金について、「ZESTが事業継続できない」事態が発生した場合、その時点で3社が抱える保証債務額については、トクヤマが責任を負い、他の2社の代位弁済義務から放免する

  4.減資・増資タイミングおよび増資資金払込み時期
    減資増資決議の日から当該決議承認の日の間の期間中。
  5.対銀行説明
    4月19日に3社財務とZESTとの間で協議し、具体的説明内容を決定する。

99/4/19-22 銀行説明

親会社間の合意を受け、銀行に再生計画を説明(丸秘扱いで)し、今後の借入に関しては、正式決定があり次第、親会社も含めて各銀行と協議させていただきたいとするとともに、4月末の短期借入金については従来のまま継続をお願いした。
興銀から依頼状の要請があり、保証を意味する文言を抹消し、3親会社及びZESTの社長連名で各行に提出し、4月末の短期借入金については従来のまま継続した。

99/5/19付 トクヤマ財務Gが銀行説明資料「新第一塩ビ再生計画における資金調達」作成
                                
99/6/25 減資増資  資本金 70億円→ゼロ→40億円

99/7/16 資金部会 

7月末借り換え(100億円)について親会社で事前に各行に打診。
三和案:保証なし、期間は7/31〜3/31 短プラ+0.325
   一勧が難色を示していたが最終的にOKを得て、手続き開始

 

2000/3/22 取締役会で2000/3/31以降の借入契約締結の承認を得る。

  

  

3) 業界損益 

96年10月につぎ97年7月に行った値上げは直後に発生したアジアの金融危機を契機とする需要の激減と、国内の消費税率アップ(97/4)を原因とする需要の激減で、同年秋から戻り始め、一次値上げ以前の水準を更に割り込み、99年4月には@60を下回る状態になった。

       

この結果、各社の塩ビ部門損益も99/上期には86億円の赤字となった。

      

    

4) 一次値上げ  

99/8/18 ZESTでは価格審議会を開き、全製品について9/21出荷より@20値上げすることを決め、8/20に発表した。

需要家の抵抗は強かったが各社の努力で10月からの値上げが実現した。

5) 原料値上がり 

しかしながら値上げ実現と同時に原料価格の値上がりが始まった。

売価の値上げは99年2Qのナフサ価格@14,800程度を前提にしていたが、3Q @17,700、4Q @19,200、2000/1Q @20,200 とどんどん上昇し、この結果VCMコストは上昇して売価値上げ分がくわれることとなった。


 

 

 

 

 

 

00/3/21 価格審議会で採算是正を理由に全製品 5/15出荷より @20を決めた。

 需要は相変わらず不振であったが、後述のとおり2000年初めにヴイテック設立、チッソの撤退、大洋塩ビの再編が発表され、前年のZESTの再編と合わせ、一気に5社体制へと進み、設備廃棄により能力も輸出を加えた総需要にほぼ近づくこととなった。このため、念願のメーカー主導体制が達成される見通しとなり、値上げも実現が期待された。

 しかしながら年度末の売価の最終決定では期待を裏切るものであった。

一つには好調だった中国向けが中国の在庫調整で前年夏から急減し、3月には前々年を下回る出荷となった。ZESTやチッソの休止対策のための在庫蓄積もあり、全国在庫は15万トンを超えた。
もう一つはチッソの廃業で、後述のとおり鐘化に営業譲渡したが、チッソの需要家を狙う他社の動きがあった。更に二次値上げを打ち出したことで、二次値上げ達成のため一次値上げはソコソコで抑えるとの動きもあった。

 これらの結果、3月末の仕上がり価格は@72.5(ストレート品)となったが下期平均は@70程度であった。


6) 99年度決算 

99年度決算はゼオン、住化からの撤退補償金990百万円の益を折り込み、なお24億円弱の赤字となった。上期は値下がり、下期は(値上げはあったが)原料価格のアップが響いた。

なお、これまでの累損は6月の減資で解消した。

      

 

7) 産業活力再生特別措置法 

99/10/1 産業活力再生特別措置法施行
 ZESTとしては再生計画で適用を受けることを検討

◇事業再構築計画の認定等(主務大臣)
 事業者の策定した事業再構築計画(平成15年3月31日までに申請)を、生産性向上の目標の明確性、計画の実現可能性、経営資源の有効活用などの基準に照らして主務大臣(事業所管大臣)が認定。

◇事業再構築計画の申請(平成15年3月31日まで)

◇「事業再構築」:「中核的事業」(現に強い分野又は今後伸ばすべき分野)の強化を目指した取組み
 @ 事業構造変更(「選択と集中」を進める。) イ又はロ

イ.合併、営業譲渡、会社買収、合弁、増資(相当程度のもの)等による中核事業の拡大等                      *資本金の3%以上
ロ.施設の撤去、
設備の廃棄、営業資産の譲渡、子会社の売却・清算等による事業の縮小、廃止  
       
*総資産の5%以上(簿価ベース)にあたる過剰設備を廃棄

 A 事業革新

イ.新商品の生産・開発
ロ.新たな生産方式の導入又は設備能率の向上により、商品の生産を
著しく効率化させること          *3年間でROEを2%向上
ハ.新販売方式・新サービス方式の導入
ニ.新たな取引方法の導入

◇支援措置
  税制特例(要件を満たすことについての主務大臣の確認が必要)

○欠損金の繰延(7年)と繰戻(1年)の選択適用(@及びAを行う場合に限る)○新規設備投資への特別償却(特定業種に限る。@及びAを行う場合は、割増措置)
○登録免許税の軽減(@及びAを行う場合に限る)【増資0.7%→ 0.35%】 
○不動産取得税の軽減(@及びAを行う場合に限る)

  財政・金融等の措置

○政策金融(開銀等) *総資金の1/2限度、手間がかかる。→否定的
○産業基盤整備基金による債務保証

99/10/5 MITI化学課に再生計画案を説明

事業業革新については千葉塩ビ、山陽モノマーは親会社マターで、これを除く必要があること(これを入れると親会社も含めたROE改善が必要となる)、
「能率向上」は単位当たり製造原価の5%以上の低減が条件、等のコメント。

ZEST設立時の事業革新計画の時点と異なり、私企業保護への批判からチェックが非常に厳しくなったと。

その後やりとりの結果
99/12/3 申請書修正案送付
99/12/10 MITIから「資本金100億円未満は関東通産局担当であることが分かった」との連絡があり、
99/12/15  関東通産局に案を説明。(途中で埼玉副都心に移転)

ZESTの場合、「能率向上」(単位当たり製造原価の5%以上の低減)が問題と思われた。

水島工場停止で固定費は減るが、輸出数量も減るため、単位当たりの製造原価は5%も減らない。このため増分販売である赤字輸出数量を除いたり、水島存続の場合必要な補修費を加えるなどの案を考えた。また能率向上のほかにVCM購入のトクヤマへの一本化による値下げを「新たな取引方法の導入」として折り込むことを考えた。
MITIも初めてのことで細目が分からず混乱した。

最終的に以下が判明。

・「事業革新」4項目はどれか1つで基準を満足させる必要があり、「能率向上」と「新たな取引方法の導入」の合計での基準達成は認められない。 
・「能率向上」その他の指標は、最近決算の実績との対比であること

◎ZESTの場合は98/3月期決算であり、汎用品の総製造原価には98年上期の2CVコストも含まれる為、水島停止後のコストは輸出を含めても5%低減となる。

00/1/14 関東通産局に修正案を送付。

計算はよいとのことだが、文章等のチェックをするのでと待たされる。
   
その後関東通産局で時間をとり、その上でMITI化学課に送付。
その間、いろいろの質問があり、文章の修正をさせられる。

00/3/10 化学課から連絡

産構課では同一品目で減と増があれば欠損金繰越は認めないとしている。
「選択と集中」を進めるのが目的で、そのための除却損について欠損金の繰越を認めるものであり、水島工場を除却して徳山工場を増設するのであれば、適用対象外と。
S&Bではなく徳山工場は単なるデボトルであると説明したが能力増は困るとの返事。

当方からは「駄目なら欠損金繰越はあきらめ、登記登録税の減免だけでよいので、早く通して欲しい」と伝える。(3/28増資のため時間切れを懸念)

本法では登記登録税の適用申請がほとんどで、欠損金繰越の適用申請はZESTが初めてであった。MITIとしては法律をつくっても適用がないと困るとし、なんとか工夫して適用しようとしてくれた。

最初は両工場のグレードの違いの質問があった。両工場で生産するものが違うということで説明しようというもの。

やり取りの中で、徳山では重合機の増設はなく、それ以外の個所でのデボトルと追って生産方法の改善での能力増であることから、重合機と周辺機器に分割し、水島の重合機の廃棄を繰越損失延長対象の除却損とすることとした。
(説明のため工場からフロー図、徳山工場立地図、写真等を送ってもらい提出)
    
固定資産台帳(耐用年数変更を反映していないため、補正計算をした)から重合セクションの除却損が5%以上となることを確認。

00/3/22 化学課と関東通産局に修正案を送付。
00/3/23 夜、化学課から修正案でOKとの連絡。
    手続き上、他省との協議が必要だが、MITIでは持ちまわって了承を取ってくれた。

00/3/27産業再生法 事業再構築計画認定

これにより40億円の増資の登記登録税28百万円が半分の14百万円で済んだ。
(3/27が増資の払込日のため、ぎりぎりであった。)
また、水島除却損のうち重合部分の機械装置分については損失繰越期限が7年に延長される。
(なおZESTでは設立時にも「事業革新計画に係わる承認」を得て、増資6910百万円の登記登録税の半減を得ている)

00/7/18 産業活力再生特別措置法第17条第5項の確認申請書を提出
       欠損金繰越対象の除却設備の確認

8) 撤退補償金(税務) 

99/4/5 親会社会で再生計画に伴う各社負担額が下記のとおり決着した。


ZESTでの扱い

99/9公認会計士に対して以下の説明を行い、980百万円を上期と下期に折半して損益に算入することで了解を得た。

弊社にとっては撤退補償金は「親会社が今後の損失負担責任を免除される条件として、本年度の赤字を旧出資比率で負担したもの」と考える。
親会社から承認を受けた99年度予算ではVCMの減産損は親会社負担としていたが、この取り決めにより減産損はZEST負担とした上で、出資比率で親会社が負担した。
このような観点から親会社の経理処理にかかわらず、撤退補償金を本年度の年間赤字の補填と考えたい。年間赤字の補填のため、上期、下期折半としたい。
経理処理上は売上原価の戻入としたい。(原価差額調整対象外)
本件支払は年末の予定。ゼオン(下期処理)への配慮から11月末に請求書を発行する。(弊社としては半額を未収入金計上)

ゼオン、住化での扱い

両社では協定書にもとづき支出する「撤退補償金」各440百万円、540百万円を費用として損金処理する必要があるが、税務上は贈与となるおそれがある。

99/6 ZESTも入り打ち合わせ

基通9−4−1(子会社等を整理する場合の損失負担)に該当する支出金として損金処理を行なうべく、国税局と相談することとした。

(子会社等を整理する場合の損失負担等)
9−4−1 法人がその子会社等の解散、経営権の譲渡等に伴い当該子会社等のために債務の引受けその他の損失負担又は債権放棄等(以下9−4−1において「損失負担等」という。)をした場合において、その損失負担等をしなければ今後より大きな損失を蒙ることになることが社会通念上明らかであると認められるためやむを得ずその損失負担等をするに至った等そのことについて相当な理由があると認められるときは、その損失負担等により供与する経済的利益の額は、寄附金の額に該当しないものとする。
(注)子会社等には、当該法人と資本関係を存する者のほか、取引関係、人的関係、資金関係等において事業関連性を有する者が含まれる(以下9−4−2において同じ。)。

99/7/30 藤井税理士と相談の上、ゼオンの顧問税理士の松橋氏(国税局OB、藤井氏の先輩)に同行してもらい、東京国税局に申請。詳細説明した。その後追加資料を提出。
住化はこれを受けて別途大阪国税局に申請。(東京での検討結果待ちとなった)

両社が14.5%ずつ出資するのは「子会社等を整理する場合」に該当しないのではないか、については、本来は全額が2社の損失負担であるが、需要家への対応の必要上、一部を資本金としたと説明した。
(工場廃止を含めトクヤマの一存で出来ることなど説明)
2000/4月以降も(新たに)借入金の保証をすることも問題になったが、赤字企業であるZESTの借入のための方便であり、何かあっても協定書によりトクヤマが責任をもつものと説明した。

99/12 国税局担当部門の了解を得る。
2000/3/8 国税局承認

 

9) 東高化成の債権回収 

99/4 東高化成(タジマ向け商社)の経営がおかしいとの情報を受け、先方と交渉。

既請求分(99/4/20締めまで)はタジマの回し手形で回収。
5/1出荷分からはタジマ直に変更。(結果として4/21−4/30出荷分が残る)

99/5/24 5/21付で東高化成より,東高化成は支払停止,任意整理に移行との通知書が到着。
   未回収の売掛金は,4月21日から28日にタジマへ納入の7,770,809円が対象。

東高化成への未回収債権に対し、物上代位先取特権行使による回収活動についてはZEST-news0023 (2000/7/21)に以下のとおり記載。

昨年5月に東高化成が支払不能に陥り、任意整理を行いました。
任意整理の結果、他の債権者は債権額の1/4程度しか回収できませんでしたが、ZESTは関係者の機敏な行動で、大半を回収できました。この活動に対して優秀賞が与えられました。
今後の同様のケースにも適用できますので、以下に概要を説明します。 
東高化成はタジマ向けの商社で、汎用品で月平均 5百万円、ペーストで同 12百万円、合計 17百万円の取引がありました。同社との決済は20日締め分を翌月15日に廻し手形でもらうこととなっていました。 

昨年5月24日に「支払を中止する、任意整理に移行する」との21日付通知書を受けました。(任意整理とは会社更正法や破産手続きなどの裁判所が指揮するものとは異なり、弁護士の判断で残り資産を配分するものです。これに不満な債権者がいれば、破産の申請が出来ます。) 
何もしていなかった場合は、(4月20日までの分は5月15日に回収できていたとすれば)4月21日から5月24日までの出荷分(約1ヶ月分)の売上債権のうちのは5月3/4の 12百万円程度が回収不能となった筈です。場合によって15日の直前に支払不能となり、被害は更に大きくなっていた可能性もあります。

今回は事前と事後の2種類の対応で約1,800千円の損で済みました。
(1)事前対応
4月末の段階で東高化成の経営がおかしいとの複数の情報が入りました。1つのソースはグループにいて、住化帰任後、東高化成に出向していたZESTの業務下田氏です。これをもとに、営業で東高化成と交渉し、4月20日締め分(本来5月15日に廻し手形をもらうべきもの)を直ちに廻し手形で回収しました。
更に5月1日出荷分以降はタジマへの直販とすることの了解を取り付けました。
この結果、4月21日から月末までの10日分 7,770千円だけが東高化成に対する債権となりました。なお同業某社では通知を受け取って初めて知り、驚いたとしています。

このことから、1)常に問題意識を持って取引先に関する情報を入手し、様々な兆候から危険を察知する、2)問題がある場合は機敏に対応することが重要であることが分かります。

(2)事後対応
5月24日に東高化成から通知書を入手後、メンバーは直ちに協議し、物上代位先取特権での回収案を取ることとしました。
そして日本ゼオンの顧問弁護士に依頼し、資料を準備して27日に債権差押命令申立書を地裁に提出し、6月3日付で差押命令を出してもらいました。
このスピードが今回の成功のキイとなりました。

先ず、物上代位先取特権について説明します。
東高化成のように支払不能で破産や任意整理になった場合、担保を取っている場合(預かり保証金も同様)は債権の範囲で担保を受け取ることができます。
また債権と同時に債務がある場合は相殺が可能です。
これらを除いた後のネットの資産を残りの債権者が分け合うことになります。
通常はすべての債権者が平等に分け合うことになりますが、特定の債権者は他に優先して債権を回収できます。
その1つが「動産の先取特権」で、動産の売買に関する債権の場合はその動産そのものを先取りできます。(民法311条)
東高化成の場合は商社で、ZESTの製品はタジマに直接納入しているため、東高化成から動産の先取特権で商品を取り戻すことは出来ません。
このための規定が「物上代位」で、民法304条によると、東高化成がタジマにその動産を売った場合の東高化成からタジマへの売掛債権にも、上の先取特権を使えるとなっています。
即ちZESTとしてはモノを押さえる代わりにタジマから東高化成への支払を押さえることが出来ることになります。
但し物上代位先取特権の実施のためには、1)タジマが東高化成に代金を支払う前に、2)裁判所に差押命令を出してもらうことが必要です。
差押命令が出る前にタジマが東高化成に支払ってしまっておれば、先取特権は効かず、他の債権者と平等になってしまいます。

チームは弁護士の指示のもとに資料の準備を始めました。
資料としては、1)当社が東高化成に対して持つ債権の 7,770千円の証拠資料と、2)それが東高化成からタジマに売却されたということの証拠資料です。
1)は東高化成との売買基本契約書、東高化成からの注文書、東高化成への請求書控えなどです。(これをチェック中に売買基本契約書に不備が見つかりました。締結年月日が正しく記載されていませんでした。弁護士の工夫で解決しましたが、こんな不注意が重大な結果をもたらすことにもなります。契約書の締結時には十分注意願います。)
2)については、タジマからの受領書は業務グループが出荷元の営業倉庫や工場から集めました。
タジマは購入数量の証拠書類(注文書兼注文請書)は出してくれましたが、金額の証拠となる請求書等の資料を出してくれませんでした。
このためグループの案でZESTの価格申請書(タジマ向け価格も記載されている)を使い、数量に価格をかけてタジマの購入金額の資料を作成しました。(ZEST分のタジマの購入高は、東高化成の口銭分だけが追加となり、8,013千円となりました)
(なお、ZESTが東高化成からタジマへの販売価格を決めているということが再販価格指定と見られた場合は、独禁法違反で取引自体が無効となり、物上代位先取特権は対象外となります。このため裁判所への申立書では、東高化成との取引はタジマへの販売に商社として入れているのだということをきちんと説明しています。)

6月3日付の「債権差押命令」が出てからも、いろいろなことがありました。
タジマはZEST分以外にも東高化成から買いがあり(未払残高合計 14,895千円)、逆に売りもあり(未収残高 5,082千円)、相殺した差額の 9,813千円を裁判所に供託しました。
東高化成経由でタジマに販売した会社はZEST以外には差し押さえをしていないため、ZEST債権 7,770千円は全額返済を受けられる筈ですが、ルールでは相殺に当たり未払残高の内訳のそれぞれから同じ比率で相殺していくことになっており、裁判所の裁定でZESTの債権相当分も 34% ( 5,082 / 14,895 ) が減額されることとなりました。
このほか裁判所は他の金融関係の請求の一部にもこの供託分からの配分を認めました。
この結果、供託金からZESTと金融機関に配分した後の残りは東高化成に返済され、他の債権者に配分されることとなります。
しかし、ZESTで東高化成と交渉した結果、最終的にこれをZESTが受け取ることとなりました。

これらの結果としては 7,770千円のうち、5,938千円を回収することができました。 

今回の成功は、日本ゼオンで債権管理に関する教育が行われていて、メンバーの中に、このようなケースで物上代位先取特権を使えること、そのためには何をする必要があるかを知っている人がいたこと、東高化成からの通知を受けた日の夕方には弁護士と接触、2日間で外部(営業倉庫、工場、タジマ)を含めて必要書類を全て揃え、不備なものについては弁護士と相談して補完できたということにあります。
また、弁護士がこの種のケースの専門家で、うまくやってくれました。  

今回は事前対応、事後対応ともうまく機能し、最低限の被害で済みました。今後も同様のケースが起こる可能性は十分にあります。通常のケースでは手形落ち日決済のため月商の3〜4ヶ月分が貸倒れになり多額の被害を被る可能性があります。 
今回の成功例を参考にし、起こる前、起こった後に迅速な対応をお願いします。

00/2/29 最終入金

これにて当初債権7,770,809円に対し、回収総額5,938,276円で回収率は76.4%となった。その結果貸倒損失は1,832,533円が確定。

00/7/21 この活動で社長賞(優秀賞)授与

 

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