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目次
これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。
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2024/4/1 JERA、ExxonMobilの 低炭素水素・アンモニアの製造プロジェクトに参画
JERAは3月25日、ExxonMobilの低炭素水素・アンモニアの製造プロジェクトへの参画についての共同検討に関する契約を締結したと発表した。
ExxonMobil は、現在、米国テキサス州ベイタウン複合施設において、世界最大規模となる低炭素水素製造プラントの開発プロジェクトを進めて
いる。
年間約90万トンの低炭素水素を生産するとともに、その水素の一部を原料とした年間約100万トン以上のアンモニアを生産することを想定している。現在、基本設計の検討を行っており、2028年の生産開始を目指してい
る。
JERAは、 本プロジェクトへ参画し、本プロジェクトで生産する低炭素アンモニアについて日本国内向け(年間約50万トン)を調達する。
ーーー
低炭素水素は、生産過程の炭素排出量を最小限に抑えた水素で、 一般的にはグリーン水素、ブルー水素と呼ばれるものの総称。
ExzxonMobilの計画では、CO2を回収・貯留・利用するブルー水素を指す。
天然ガスとスチームを反応させ、水素とCO2をつくる。CO2は近くの適切な場所に運び、地中深くの岩層に注入し、安全に永久貯蔵する。世界最大級のカーボン捕捉・貯蔵計画である。
水素はテキサス州Baytown
に輸送、オレフィンプラントに注入(エタンの代替で、既存オレフィンプラントと比べ、CO2排出を30%減らす。
将来は、水素からアンモニアを生産、石化原料(エタン代替)と燃料に利用する。
JERAはこのアンモニアを購入し、日本に輸送する。
2024/4/2 レゾナック、使用済みプラスチックを水素やCO2に変換、資源として循環
レゾナックは3月28日、半導体材料の製造過程で生じる使用済みプラスチ
ックを自社のケミカルリサイクル技術を活用して水素や炭酸ガスに換え、資源として循環させる検討を開始したと発表した。
本年1月末に初回の実証試験を行い、技術的に問題なくガス化できることを確認した。
今回試験に使用した使用済みプラスチックは、山崎事業所の感光性フィルムと、五井事業所のダイボンディングフ
ィルムの製造過程から発生したもの。
(ダイボンディングフィルムは、半導体チップ= ダイ と基板, あるいは半導体チップ同士の接着に使用されるフィルム状接着剤)
試験では RPF( 古紙及び廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料) に加工後、川崎プラスチックケミカルリサイクル事業で分子レベルまで分解、水素及び炭酸ガスを生成した。
RPF:Refuse derived paper and plastics
densified Fuel:厨芥・紙・プラスチックなどを乾燥粉砕して石灰等を混ぜ、クレヨン状に成形加工し、固形化した燃料
川崎プラスチックケミカルリサイクル事業:2003年に稼働開始し、20年にわたり安定運転しているガス化ケミカルリサイクルプラント。日本のケミカルリサイクルの約22%に相当する年間約7万トンの使用済みプラスチックをガス化している。
水素はアンモニアの原料として、半導体製造用の
高純度ガスを始め、繊維や接着剤の原料、窒素系肥料などに利用され、炭酸ガスは大気中に放出されることなく、
ドライアイスや飲料用炭酸として再利用される。
半導体材料の使用済みプラスチックは、現状では RPF(固形燃料)に加工し、焼却されている。
今回の実証実験で使用済
みプラスチックを焼却せずにガス化することで CO2 排出量を削減できる。
ガス化手法の工程は下記の通り。
工程1 破砕成形設備で減容成形
収集された使用済みプラスチックは川崎事業所に運ばれ、粉砕機に投入される。
破砕した使用済みプラスチックは異物を除去した後、成形機でより小さな固まり(成形プラ)に加工される。
工程2 ガス化設備で合成ガスを製造
成形プラは「低温ガス化炉」と「高温ガス化炉」の中で温度と圧力を調整され、水素とCO2の合成ガスとなる。
この過程で回収されるスラグ、金属類、塩、硫黄はすべて、「資源」として有効利用される。
工程3 合成ガス中の水素からアンモニアを製造
水素とCO2の合成ガスはアンモニア製造設備へ運ばれ、水素を取り出し、その水素を利用してアンモニアが作られる。
CO2は隣接工場でドライアイス、液化炭酸ガスとして出荷される。
2024/4/3 新第一塩ビの終焉
トクヤマは2024年4月1日に、トクヤマを吸収合併存続会社、100%子会社の新第一塩ビを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行った。
新第一塩ビは1995年7月1日に、日本ゼオン、住友化学、トクヤマ、サンアロー(トクヤマ子会社)による、日本の合成樹脂メーカーで最初の事業統合会社としてスタートしたが、同社は 1982年4月1日(産構法スタートの1年前)に最初の共販会社として営業開始した第一塩ビ販売を祖とする。
呉羽化学(クレハ)は離脱したが、他の3社が共販時代の協力の結果を活かし、発展させ、第一塩ビ販売の社名変更の形でスタートした。
共販会社として1982年にスタートした会社が42年後に終末を迎えたことになる。
同社はすでに 実質的にトクヤマの子会社であったが、これで名実ともにトクヤマの事業となる。
同社の歴史をまとめた。(トクヤマは改称前は徳山曹達)
1982/4/1
第一塩ビ販売 営業開始
(設立は1982/3/12)
住友化学、呉羽化学、サンアロー化学、日本ゼオン 各25%出資
日本塩ビ販売(三井系) 1982/8/1 営業開始
中央塩ビ販売(三菱系) 1982/8/1 営業開始
共同塩ビ販売(興銀系) 1982/9/1 営業開始
ポリオレフィン共販会社は産構法によるため、1983/7/1 営業開始
1990/7
第一塩ビ製造を設立
住友化学36% / 日本ゼオン24%
/ 呉羽化学24% / サン・アロー化学12% / 第一塩ビ販売4%
工場 住友化学千葉工場内 80千トン
呉羽が開発した内部ジャケット方式を改良、4社共有特許
1994/12
塩ビ事業統合発表(呉羽を除く)
当初、第一塩ビ販売の株主全社が参加し、事業統合の検討を進めた。
最後の段階で呉羽が離脱
1994/12/31
呉羽が第一塩ビ販売から実質離脱
1995/2/1
呉羽の第一塩ビ販売持株を3社が買い取り
トクヤマも出資
出資比率 日本ゼオン 40% /
住友化学 30% / サンアロー 20% / トクヤマ 10%
1995/7/1
新第一塩ビ スタート
第一塩ビ販売の社名変更による
出資比率 上記
共販時には扱っていなかったペースト等の特殊品も含む。
各社の塩ビ事業設備を買い取り
汎用品:ゼオン(水島 120千トン)、住化(千葉 35千トン)、サンアロー(徳山 125千トン)、第一塩ビ製造(60千トン*)
*クレハ枠 20千トンを除く 後、買い取り
特殊品:ゼオン(高岡 65千トン)、住化(愛媛 25千トン)
原料VCMは各社が供給
ゼオン(山陽モノマー)、住化(千葉塩ビモノマー)、トクヤマ(サンアロー)
各社追随 その結果、共販体制終了
塩ビ業界
1996/4/1に大洋塩ビが営業開始
2000/4/1にヴイテックが営業開始
ポリオレフィン業界
日本ポリオレフィン 1995/10 営業開始
グランドポリマー 1995/10 営業開始
日本ポリケム 1996/9 営業開始
1995/12
新第一塩ビ、インドネシアに技術輸出
相手先 Siam Maspion
Polymer (タイのSiam CementとインドネシアのMaspionのJV)
内部ジャケット方式 能力 120千トン
1999
トクヤマがサンアローを吸収合併
1999/6
新第一塩ビ改組
1999/6月末に全額減資して累積損失を一掃し、同月及び2000/3月にそれぞれ40億円、合計80億円の増資
資本金
トクヤマ
ゼオン
住化
当初
70億円
30.0%
40.0%
30.0%
2000/3
80億円
71.0%
14.5%
14.5%
実質、トクヤマの事業(ゼオン、住化の増資払込は、トクヤマが引き継いだ事業の含み損の両社負担)
2000/3
水島工場(ゼオン)閉鎖
2008/3
高岡工場(ゼオン)閉鎖
水島、高岡の閉鎖で、日本ゼオンは実質全面離脱
2015/9
千葉工場(住友化学)閉鎖
住友化学は愛媛の特殊品のみ残る。
2017/10
ゼオン持株をトクヤマが買収
出資比率 トクヤマ85.5%、住友化学 14.5%
2023/4/1
住友化学持株をトクヤマが買収
出資比率 トクヤマ100%
愛媛特殊品工場は設備を住友化学に売却したうえで、引き続き住友化学に生産委託
(2024/4/1に新第一塩ビを吸収合併をすると、愛媛の特殊品工場はトクヤマ資産となるため、これを避けて運営を簡素化した。)
2024/4/1
トクヤマ、新第一塩ビを吸収合併
上記により、日本ゼオンと住友化学は完全に離脱し、関係がなくなるため、「新第一塩ビ」を存続させる意味がなくなる。
第一塩ビ 販売は日本で最初の共販会社としてスタートした。
共販会社の組み合わせは当時の塩ビ協会長の 高橋社長が私案としてつくったとされるが、三菱系、三井系、興銀系をまとめ、残った4社が第一塩ビ販売グループである。
メンバーの 日本ゼオン、住友化学、トクヤマ、トクヤマの各社は、住友化学が他の3社と取引があった以外、相互に全く関係はなかった。
しかし、日本ゼオンの首脳が業界の一体化に熱心で、指導力を発揮し、他社がそれに従った。
他の共販が完全縦割りで、共同販売事務所 会社(下図)であったのに対し、将来の一体化を目指し、工場の相互訪問、合理化の共同研究、将来の共同生産を目指し、新工場の共同研究を行った。
新工場の共同研究の結果、呉羽化学発案の内部ジャケット方式(リアクターの内側に水を流すことで冷却時間を大幅に節減し、生産能力を高めるもの)を完成、住友化学千葉製造所内に共同の新プラント(第一塩ビ製造)を建設した。
ーーー
日本で最初の事業統合会社である。(日本ポリオレフィンは1995/7設立で同じだが、営業開始は1995/10)
当時は共同生産はあったが、販売を統合することは考えられなかった。需要家との関係が重要であり、販売を統合すると永年の需要家との直接の関係が切れてしまう。
呉羽化学が離脱した理由はいろいろあるが、統合に参加し、大企業の一員として全国に展開するよりも、地方企業として何十年もの付き合いの同じ地域の需要家との取引を続けたいというものが理由の一つである。
1994年8月に日経が第一塩ビグループの一体化構想をすっぱ抜くと業界に衝撃を与えた。早速、検討を始める企業が出た。
1995年7月に新第一塩ビがスタートするとすぐに、
塩ビでは大洋塩ビ( 東ソ−、三井東圧、電気化学)、ずっと遅れてヴイテック(三菱化学、東亞合成)が設立され、
ポリオレフィンでは日本ポリオレフィン(昭和電工、日本石油化学)、日本ポリケム(三菱化学、東燃化学)、
ポリプロでグランドポリマー(三井石油化学と宇部興産、2年後に三井東圧が参加)が設立された。
またPSでは日本ポリスチレン(住友化学と三井東圧)、A&Mスチレン( 旭化成と三菱化学)、 東洋スチレン(電気化学、新日鉄化学、ダイセル)が、
ABSでテクノポリマー(JSRと三菱化学)、遅れて日本エイアンドエル(住友化学、三井化学)、UMG ABS(宇部サイコンと三菱レイヨン)が相次いだ。
この結果、それぞれの石油化学製品のメーカー数は激減した。異なる共販メンバー同士の統合が相次ぎ、共販制度は解体した。
しかし、この動きに乗らない企業があった。統合して大きくならないと駄目だとの報道に反発し、単独でやっていけるとした。
塩ビ業界でトップクラスの信越化学、カネカなどがそうで、当時すでに過剰能力であったなかで次々増設をおこなった。
その結果、値下げ競争が起こり、後ぎめ価格方式の弊害もあって価格は大幅に下がり、塩ビ各社の損益は悪化した。
ーーー
「選択と集中」
新第一塩ビの資本金食いつぶしを受け、対策を協議した結果、日本ゼオンと住友化学は塩ビ事業(モノマー&ポリマー)からの撤退を決め、新第一塩ビはトクヤマが引き継いだ。同社は苛性ソーダが主事業の一つであり、副産の塩素の消費を続ける必要があったという理由もある。
一体化で塩ビ事業の生産と販売は新第一塩ビに移管したとはいえ、新第一塩ビの主株主として需要家との関係は続けてきたが、これを切ることになる。
特に日本ゼオンは古河グループが塩ビ事業進出のために設立した会社であり、当時では塩ビ事業は合成ゴム事業と並ぶ主事業であった。住友化学も日本で最初に塩ビ事業に進出した企業の一つであり、需要家のなかには他の製品を納入している企業も多い。
両社の撤退は各社にショックを与えた。
そしてこれを契機に「選択と集中」が謳い文句になり、各社の合理化が進んだ。
ーーー
第一塩ビグループは、これらの動きのなかで「第一」であった。
2024/4/4
三井物産、ベトナムガス田開発の最終投資決断
三井物産は、1970年代初頭の設立時からタイにおいて石油・天然ガスの探鉱、開発、
生産事業を行っており、現在もタイ沖でのガス生産は同社の経営基盤を支える主力事業である。
石油・天然ガスの供給を通じてタイの経済発展に貢献してきており、タイ国内でも高く評価されている。
ーーー
ガス田が隣り合うベトナムでは100%子会社である三井石油開発(MOECO)を通じて参画する上流ガス田 及びガス火力発電所までの輸送パイプライン を含めた一体開発事業(「Block
B事業」)を進めてきたが、3月28日に最終投資決断を行い、関連契約を締結した。
Block
B事業は、三井石油開発にとって次世代の中核となる事業で、探鉱段階より参画している競争力の高い案件であり、中長期に亘り安定収益が期待される。
日量490百万立方フィートの生産能力を見込み、生産開始時期は2026年末を予定している。
上流事業であるガス田の開発に加えて、ガスを輸送する中流事業の開発も実施予定で、ガスの販売はPetroVietnamが行う。
事業パートナーは次の通り。
三井石油開発は、上流事業(約5.6億米ドル)はJOGMECとの共同出資会社、中流事業(約1.8億米ドル)は三井石油開発100%子会社を通じた権益保有
を行う。
ガス田開発
保有割合
ベトナム
PetroVietnam(Operator)/ PetroVietnam Exploration Production
69%
日本
三井石油開発 / JOGMEC
23%
タイ
PTTEP South Vietnam
/ PTTEP Kim Long Vietnam
8%
中流事業
保有割合
ベトナム
PetroVietnam(Operator)/ PV Gas
80%
日本
三井石油開発子会社
15%
タイ
PTTEP Southwest Vietnam Pipeline
5%
洋上ガス処理設備などの建設費用やパイプライン敷設費用を主とした開発費は三井石油開発子会社持分で約7.4億米ドル(約1,100億円) を予定している。
バイデン米政権は中西部ミシガン州のすでに廃炉となったPalisades原発に対し、再稼働の支援に約15億ドルの融資を決めた。
廃炉となった原発が再稼働すれば米国で初めてで、世界的にも異例で、温暖化ガスを排出しない安定電源として原発が再評価された。
Palisades原発(PWR、85.7万kW)は1971年稼働で、CMS Energy が保有していたが、2007年にEntergyに売却された。
同原発は2017年に経済性の悪化で 5年後の廃炉方針を発表、2022年5月に稼働を恒久的に停止し、同年6月に廃炉を手掛けるHoltec International に売却された。
同発電所には運転開始後50年以上安全に稼働した実績があり、閉鎖直前には577日間の連続運転を記録するなど、NRCは同発電所を「最も高い安全性を有する原子炉」のカテゴリーに分類しており、原子力産業界でも高パフォーマンスの発電所として評価されていた。
Holtec
International は当初は廃炉の予定であったが、原子力のようにクリーンなエネルギー源が重視される時代となったと考え、2022年9月に連邦政府の支援を当て込んで一転して再稼働を目指し、動き出した。
2023年10月、同社は運転認可の再交付を米原子力規制委員会(NRC)に申請した。事前にNRCスタッフと複数回にわたり協議を重ねていた。
Palisades原発の再稼働方針については、ミシガン州知事も2022年9月に支持を表明、2023年7月には、同発電所の再稼働に1億5,000万ドルの支援を盛り込んだ2024会計年度の州政府予算法案に署名した。
Holtec
はエネルギー省のLoan Programs Office
に再稼働のための資金援助を申請しており、エネルギー省も、稼働再開を支援するために15億ドルの融資を提供する準備が整っていると報じられている。
Holtec も、同発電所が発電する電力を州内のWolverine
Power Cooperativeに販売するため、2023年9月に子会社を通じて長期の電力売買契約(PPA)を締結している。
稼働が再開されれば、Palisades原発は国内で最初に稼働を再開する原子力発電所となる。
再稼働は2025年後半を目標とし、少なくとも2051年まで運転する計画とされる。
2024/4/8 SK hynix、米国に半導体工場
HBM メーカーの 韓国 SK hynix
は4月3日、Indiana州West Lafayetteに38.7億ドルを投資し、次世代HBM向け先端パッケージング生産施設とR&D施設を建設すると発表した。R&Dで
現地の Purdue
University、 Ivy Tech Community College と協力する。
HBM
(High Bandwidth Memory: 広帯域メモリー ) は、高い価値と高い性能を持つ複数のDRAMチップを垂直に接続し、従来のDRAM製品と比較してデータ処理速度を劇的に向上させるメモリ。最新のHBM4は、HBM、HBM2、HBM2E、HBM3、およびHBM3Eに続く6世代目の製品。
米国では最初の計画で、AI
サプライチェーンでイノベーションをもたらすとともに、1000人以上の雇用をもたらす。
West Lafayette
を選んだのは、州及び地方政府からの強いサポートがあること、インフラが整っていること、同市にある Purdue
University と協力できることなどが理由である。
「半導体業界初のAI半導体向け先端パッケージング生産施設を米国に建設できてうれしい」。SKの郭魯正最高経営責任者(CEO)は、米インディアナ州で開かれた式典で米政府関係者らに満足げに思いを伝えた。
SKは計38.7億ドル(約5800億円)を投じ、同社として米国初となる半導体工場を新設する。2028年下半期の量産を目指し、生成AIの駆動に必要な高性能半導体「広帯域メモリー(HBM)」の仕上げ工程を行う。
コンピューターの演算処理を行うロジック半導体の分野では、台湾積体電路製造(TSMC)と韓国サムスン電子が相次ぎ米国進出を決めている。記憶媒体のメモリーで高い技術力を持つSKも参入することで、米国の半導体の供給網は一段と整備が進む。
2022/12/8
TSMC、米国で3ナノ品生産
2021/11/26 サムスン電子、米テキサス州に半導体工場新設
&付記
2024年4月5日、サムスン電子が米テキサス州に建設中の半導体工場への投資額を約440億ドル(約6兆7000億円)と従来計画の2倍超に増やす可能性があることがわかった。
Chat GPTなどに使われる生成AIの普及も、SKの決断を後押しした。大量のデータを高速で処理するためにはHBMが欠かせない。SKは米NVIDIAとの協業で量産技術をいち早く確立し
た。
生成AI用半導体の製造には、複数のウエハーの積層や穴の貫通といった複雑な技術が求められる。同州にある Purdue
University は最先端半導体の研究を手がける。
HBMという新技術で一気に優位に躍り出たSKは、サムスンに差を付けようと量産計画を急ぐ。
バイデン大統領は3月20日、CHIPS and Science Act に基づき、インテルに最大で85億ドルの補助金 を出すと明らかにした。
2024/3/22
米政府、CHIPS and Science Act に基づき Intelに最大で85億ドルの補助金
3月14日の Bloomberg
は 関係筋の話として、米政府は韓国のサムスン電子に対して、同社が発表したテキサスプロジェクトを越えて投資を拡大するよう支援するために60億ドル以上の補助金 を支給する方針と報じた。
サムスン電子は2021年11月24日、米国テキサス州 Austin 近郊の Taylor 市に最先端の半導体工場を新設すると発表した。建物、土地、工場設備などを含めた総投資額は170億ドルの見込みで、同社にとり米国最大の投資案件となる。
2021/11/26 サムスン電子、米テキサス州に半導体工場新設
Wall Street Journal は2024年4月5日、 サムスン電子が米テキサス州に建設中の半導体工場への投資額を約440億ドルと従来計画の2倍超に増やす可能性があることが分かったと報じた。
付記 米政府は4月15日、韓国サムスン電子がテキサス州に建設する半導体の新工場と研究開発拠点に、最大64億ドル を補助すると発表した。
これは、台湾のTSMCが受け取るものと知られている50億ドル を上回る金額である。
台湾のTSMCは12月6日、2024年の操業開始を目指してアメリカ西部アリゾナ州に建設している工場のそばに、新たに別の工場を建設すると発表した。この工場では、現在、世界で量産されている半導体のなかでも最先端の、回路の幅が3ナノメートルの製品を2026年から生産する。TSMCにとっては、海外で先端品をつくる初の拠点となる。
2つの工場の建設で、TSMCのアリゾナ州への投資額は、従来計画比3倍強の400億ドルにのぼることになる。
付記
米商務省は2024年4月8日、TSMCがアリゾナ州に建設する新工場に最大66億ドル (約1兆円)の補助金を支給すると発表した。TSMCは第3工場を設け、先端半導体を生産する。米国は中国に頼らない半導体供給網の構築をめざす。
TSMCは既に2つの工場を同州に建設中で、レモンド米商務長官は、TSMCが新たに第3工場の建設を確約したと明かした。第3工場では「2ナノ(ナノは10億分の1)メートルか、それ以下の先端半導体が作られる」との見通しを示した。
2022/12/8
TSMC、米国で3ナノ品生産
SK hynix も当然、補助金を期待している。
2024/4/9 LG Energy
Solution、アリゾナ工場を着工、2026年に円筒型バッテリーを生産
LG Energy Solutionは4月4日、アリゾナ州知事等を米アリゾナ州 Queen Creek
の新工場に招待し、工場の着工に本格的に突入したと発表した。
LG Energy Solutionは2023年3月24日、米国アリゾナ州Queen Creek で電気自動車(EV)用円筒型バッテリーと蓄電システム用リン酸鉄リチウムイオン(LFP)パウチ型バッテリーの複合生産工場を建設すると発表した。
総投資額は55億ドルで、EV用円筒型バッテリー 工場建設には32億ドルを投じ、主に北米EVメーカー向けの2170型セルの生産を2025年から開始する計画で、年間生産能力は27ギガワット時(→36ギガワット時に変更)。
蓄電システム向けのLFPパウチ型バッテリー 工場建設には23億ドルを投じ、2026年生産開始を目指している。年間生産能力は16GWh(→17ギガワット時に変更)。
同社は2022年3月に、13億ドルを投資し、年間生産能力11GwhのEV用バッテリー工場をアリゾナ州クイーンクリークに建設し、2024年から生産を開始すると発表していたが、同年6月に米国の経済環境や投資環境を理由に工場建設の計画を再検討とした。
今回発表では、投資規模が4倍以上に拡大した。「インフレ削減法(IRA)のEV税額控除要件を満たすため、EVメーカーから現地生産の高品質・高性能バッテリーへの要求が高まっているため」と説明している。
ーーー
LG Energy
Solutionは米国において、@単独資本工場をミシガン州で、Aゼネラルモーターズ(GM)との合弁工場をオハイオ州で運営している。さらに同社は、北米でのバッテリー生産工場への投資を加速しており、現在、BGMとの合弁工場をテネシー州とミシガン州で、Cホンダとの合弁工場をオハイオ州で、Dステランティスとの合弁工場をカナダのオンタリオ州で建設している。
@ LG単独 ではミシガン州Hollandに5GWhの工場を持ち、GM、Ford
Motor、Chrysler などに供給している。ミシガン工場は 当初はいろいろな問題が発生した。
2013/9/10 LG化学のミシガン州のリチウムイオン電池工場、生産開始2か月で停止
A LGはGM とのJVのUltium
Cells LLCで、オハイオ州 Lordstown の近辺に23億ドルを投資して生産能力30GWhの次世代グローバルEVバッテリーシステムの生産工場を建設。
2020/1/3
GMとLG Chem、世界最大級のEV用電池工場建設計画を発表
BGMとLGは2021年4月16日、第二工場のテネシー州Spring Hillでの建設を発表した。能力は35GWh。
GMは2022年1月25日、EVの生産能力の強化に向けて、米国で3つ目となる新たな電池工場の建設を発表した。LG Energy
Solution との50/50 JVのUltium Cells LLCが26億ドルを投じ、ミシガン州 Lansing に第3工場を建設する。
2022/1/28 GM、米国で3つ目の電池工場を建設、電気自動車生産投資も
CホンダとLG Energy Solution のEV用リチウムイオンバッテリーの生産合弁会社は2023年2月28日、米国オハイオ州Jeffersonville
の工場建設予定地で工場の建設に着工した。
2023/3/7 ホンダとLGの米バッテリー工場 起工式
D Stellantis
N.V.は2021年10月18日、LG Energy
Solutionと合弁会社を設立し、北米で電動車用の電池を生産すると発表した。立地:カナダ オンタリオ州 Windsor
2022/5/27
Stellantis、米国での2つのEV向け電池合弁会社の内容が確定
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アリゾナ州Queen Creek の新工場は、ミシガン工場に次ぐLG
Energy Solutionの2番目の北米単独工場となる。
計53GWhの生産能力のうち、EV用の円筒形バッテリーが36GWh、エネルギー貯蔵装置(ESS)用リチウムリン酸鉄(LFP)バッテリーが17GWhの規模でそれぞれ運営される予定。
同社では「最近、工場敷地の地ならしを終えて着工に入り、現在、鉄骨建設作業が順調に行われている」とし、「2026年の稼動と共に、計4桁の新規雇用も生まれるだろう」と話した。
特に、米国内初の円筒型専用工場ということで意味が大きいと会社は強調した。アリゾナの新工場では、電気自動車用46シリーズ(直径46ミリ)のバッテリーが生産される予定。「次世代バッテリー」と呼ばれる46シリーズは、従来の21シリーズ(直径21ミリ)より容量と出力がそれぞれ5倍ほど向上した高付加価値バッテリーで、テスラを皮切りに、BMWやボルボ、GMなどが搭載を進めており、成長性の高い製品である。
17GWh規模で建設されるESS専用バッテリー工場への期待も大きい。米国は世界最大のESS市場であり、エコ政策のおかげで急成長している。現地生産を通じて物流や関税費用を削減し、価格競争力を確保する方針で、顧客の要求に直ちに対応し、現場を管理できる体系を構築し、差別化された顧客価値を提供すると強調した。
2024/4/10 SaudiAramco、 Fadhili
Gas Plantの大規模拡張工事を発注
SaudiAramco は4月2日、サウジアラビア東部のJubailの Fadhili
Gas Plantの大規模拡張に向けて、77億ドル相当のエンジニアリング・調達・建設(EPC)契約を韓国のSAMSUNG
Engineering Company、GS Engineering & Construction
Corporation、およびサウジの大手請負会社のNesma & Partnersと締結したと発表した。
このプロジェクトにより、工場の処理能力は 1 日あたり 25 億標準立方フィート から最大40
億標準立方フィートに増加する。 また、 工場の拡張により、硫黄生産量がさらに1日あたり2,300トン増加する。これらの工事は
2027年11月までに完了する予定。
同社では、この 15億標準立方フィートの処理能力追加は、2030
年までにガス生産量を 2021 年のレベルと比較して 60%
以上増加させるという同社の戦略に貢献するとしている。「これらの契約の締結は、天然ガスの供給を増やし、温室効果ガス排出削減の取り組みを支援し、より多くの原油を付加価値のある精製と輸出のために解放するというアラムコの目標を反映している」と述べた。
Aramcoは3社の契約内訳を発表していないが、韓国側は、Samsungの受注額は60億ドル、GSの受注額は12.2億ドルと発表した。これによれはサウジのNesma
& Partnersの受注額は4.8億ドルになる。
Fadhili Gas
Plantは、陸上および沖合の両方の油田から非随伴ガス ( 原油の生産に伴って生産される随伴ガスではなく、ガス井戸から気体のみの形で生産される天然ガス) を処理する初のプラントである。
Tail Gas
処理技術を使用するように設計された最初のAramcoのプラントで、これにより、硫黄回収率が99.9%以上に達することが可能となっている。
Fadhili Gas
Plantは2021年に設計ガス処理能力の2.5 bscfdに達し、会社のマスターガスシステムの一部として、サウジアラビアのエネルギー需要の増加に対応するのに役立っている。
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韓国大統領室によると、今回の2社の72.2億ドルの受注は韓国企業の海外建設事業のうち、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発(2009年、191億ドル)とイラクのニュータウン(2012年、77億ドル)に続く3番目の規模となる。
バラカ原発については、2024/3/5
韓国が輸出したUAEのバラカ原発4号機が稼働
イラクのニュータウン工事は、 ハンファグループが受注したもので、首都バグダッドの南東10キロにあるビスマヤ地区で、道路や上下水道などのニュータウン造成工事と10万戸の公営住宅建設工事を行った。
韓国企業がサウジアラビアで受注した事業のうち最大規模で、大統領室は「韓国・サウジアラビア首脳外交の結実」と評価した。
尹錫悦大統領は2022年11月にソウルでサウジのムハンマド皇太子と会談、2023年10月にはサウジを国賓として訪問している。大統領室は「建設・インフラ分野での協力を強化することで合意した首脳外交の成果」としており、今回の受注により、今年の海外建設受注目標額400億ドルの達成に「青信号が出た」としている。
2024/4/11
東芝の株主代表訴訟の行方
日本産業パートナーズは2023年3月23日、東芝を株式公開買い付け(TOB)で非公開化することを目指すと発表、8月8日から買付を行い、9月20日に応募が成立に必要な
3分の2を上回り(78.65%)、TOBが成立した。
この結果、東芝は 2023年12月20日をもって上場廃止となり、TOBに応募しなかった株主には、スクイーズアウト手続きにより公開買付け価格と同額の1株あたり4,620円の金銭が交付される。
11月22日に臨時株主総会を開き、株式併合を決めた。普通株93,000,000 株を1株に併合 するもので、併合後の発行済株式はたった4株になった。
2023/8/8
東芝、国内連合が8月8日からTOB 付記
他方、東芝の過去の不適切会計問題を巡り、株主が旧経営陣の経営責任を追及する株主代表訴訟が多数、進展している。
2015年に発覚した不正会計問題で、東芝は旧経営陣に責任があるとして佐々木則夫元社長ら5人を提訴、別途、個人株主が他の歴代幹部10人に株主代表訴訟を起こした。
東京地裁はこれを統合した裁判で2023年3月に、東芝が訴えた3人と株主が訴えた2人の計5人の賠償責任を認め、総額3億860万円の賠償を命じた。
会社提訴は5人のうち2人が請求却下、3人が連帯で合計2億円、株主代表訴訟での2人が1億860万円となる。
2023/3/30
東芝粉飾事件で元役員に対する損害賠償請求訴訟の判決
上記の控訴審や、別の訴訟の判決が順次、出つつある。
ここで、「株式併合」が問題となった。
上記の裁判の控訴審で東京高裁
は2024年3月6日、株主代表訴訟分について、株式併合で原告株主の保有株が1株未満になったため「原告適格を失った」と判断し、内容は何も判断せずに、この分の一審判決を取り消し、株主の訴えを却下した。
東京地裁で審理が続いていた監査法人への訴訟も2024年3月28日、同様の理由で却下された。
株式併合で原告株主の保有株が1株未満になったため「原告適格を失う」だけでなく、TOBに応募しなかった株主は上場廃止後ににはスクイーズアウト手続きにより新株主に強制的に買い上げられるため、原告としての法的な立場を失う。
TOBがからむ限り、「会社役員の意思決定や行動等により会社に対して損害を与えたにもかかわらず、会社がその責任を追及しない場合、株主が所定の手続を経たうえで会社に代わってその会社役員の責任を追及する訴訟を提起できる」という会社法
第847条の規定が意味がないこととなる。
弁護団は、TOBで株主の地位を引き継いだ 日本産業パートナーズ 陣営に株主側の訴えを引き継いでもらう必要があるとして、質問状を送り、訴訟の経緯とともに、一部の賠償請求権が失われることを説明したが、現在も回答はないという。
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株主代表訴訟ではなく、旧株主として損害を受けたとして訴えた場合は、TOBで株主の地位を失っても原告としての資格は失わない。
東芝の不正会計問題で株価が下落し損失が生じたとして、個人株主244人が同社と旧経営陣に計約7億2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は2024年3月22日、東芝に対し、そのうちの174人へ計約4805万円を支払うよう命じた。
旧経営陣に対する賠償請求は棄却した。
原告側は、2008〜14年度の有価証券報告書などで不正会計による報告書の虚偽記載があり、不正を知っていれば株を購入しなかったと主張。東芝側は請求額の一部は虚偽記載と因果関係がないなどと主張していた。
判決では、2009、11、12年度の報告書で重要事項の虚偽記載があったと認定。一方、旧経営陣は虚偽記載への責任を負わないとした。
大阪、高松、福岡などで起こされた同種訴訟では、各地裁や高裁が東芝に請求額の一部の賠償を命じ、旧経営陣への賠償請求は棄却する判断が続いている。
2024/4/12
"強靭性"と"生分解性"を両立した次世代型ポリ乳酸の大量生産に成功
神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科の田口 精一特命教授、高 相昊特命助教と産総研とカネカの共同研究グループは4月10日、"強靭性" と
"生分解性" を両立する次世代型ポリ乳酸の開発に成功したと発表した。
https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/20240402-65194/
石油系プラスチックは衣類・食品容器・医療器材など、日常生活を豊かにしてくれる欠かせない材料だが、世界で年間4億トンも製造される巨大産業で、毎年約600万トンのプラスチックごみが海洋へ流出している。
気候変動対策としてのCO2 削減、不適切な廃棄による海洋汚染問題が世界的な課題となる中で、これらの課題解決に応える"実用的な"生分解性プラスチック素材の開発が求められている。
ポリ乳酸は、木や草などの未利用な植物バイオマスを原料から作られるバイオプラスチックの代表格であり、石油由来の合成プラスチックの代替素材として注目されているが、ポリ乳酸には、"硬い・成型しづらい "という実用面の課題と、海水中では
"難分解 " という環境面での課題を抱えており、利用拡大の妨げとなっている。
今回開発に成功した次世代型ポリ乳酸は、使用時は"強靭" でありながら、使用後は、海水中でも速やかに
"生分解" される ため、地球にやさしい実用的なバイオプラスチック製品の開発に繋げることが期待できる。
「次世代型ポリ乳酸に立脚した循環型プラスチック材料開発」の全体像 は下図の通り。
神戸大学の研究グループでは、遺伝子組換え大腸菌により、乳酸(LA)と3-ヒドロキシブタン酸(HB)の共重合体(LAHB) の合成に世界で初めて成功した。
微生物によって生合成される天然ポリエステルの
"3-ヒドロキシブタン酸" の基本骨格に、非天然の "乳酸"を組み込むことで実現した成果で、天然の生分解性を持つポリヒドロキシブタン酸 と実用物性を持つポリ乳酸 の両方の長所を兼ね備えたハイブリッドな性質を示すため、まさに、次世代型のポリ乳酸と言える。
従来のアカデミック用途の "大腸菌" を用いたLAHB生産系では、「生産性が低い」ことが実用化に向けての大きなハードルとなっていた。
今回、生分解性プラスチック GreenPlanet
TM の商用生産に成功しているカネカ との共同研究を行い、産業実績のある
"水素細菌" に注目し、代謝経路の最適化を行う合成生物学的アプローチによって、LAHBの大量生産技術を世界で初めて確立した。
水素細菌から生産されるLAHBは、分子量100万を超える
"超高分子量" で強靭なプラスチックであることが明らかになった。成型加工プロセスで要求される "強靭性" を発揮する実用的なプラスチック素材である点が、従来技術と大きく異なる。
今回得られたLAHBは、強靭な特性を持ちながら、海水中に含まれる微生物によって、常温でも速やかに生分解されることも明らかになった。
さらに産総研の共同研究において、LAHBをポリ乳酸に添加剤として少量加える ことで、ポリ乳酸の伸びの大幅な改善と、ポリ乳酸の海水中での生分解が促進されることを見いだした。
すなわち、LAHBがポリ乳酸の
"強靭性" と "生分解" の弱点を解消 する
"モディファイアー
(改質剤)" として機能するという、これまでのポリ乳酸が分解されないという常識を覆す革新的な研究成果である。
今後の展開として、 様々な環境に応じて、生分解性を制御し、かつ、本来の性能や機能を発揮できるような自律的プラスチック材料あるいは、ポリ乳酸の改質剤としての展開を図る。
将来的には、バイオ・サーキュラーエコノミー社会への貢献が期待される。
この研究成果は、4月10日に、国際誌「ACS
Sustainable Chemistry & Engineering 」に掲載された。
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