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ナノテクノロジー特集
ナノ素材 量産体制に
産業界では素材メーカーや商社が主導して、フラーレン(球状炭素分子)やカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)などナノカーボン素材の量産体制が整備されつつある。ナノ素材の生産が本格軌道に乗れば価格が劇的に下がり、実用化に弾みがつくとの期待が高まっている。
価格低下、需要生む 商社・メーカーが主導
三菱化学の黒崎事業所(福岡県北九州市)。昨年7月、同社や三菱商事が出資するフロンティアカーボン(友納茂樹社長)のフラーレン工場が稼働した。地上四階、延べ床面積約2千平方メートルで生産能力は年間40トン。素材や電機、医療、スポーツ用品メーカーなど約400社に出荷を開始した。
住友商事が今年1月に出資した米ベンチャー企業のカーボンナノテクノロジーズ(CNI、テキサス州)。今年8月、ヒューストンの工場内で年産能力15トンを備えるプラントが稼働を始めた。
三井物産子会社の物産ナノテク研究所(鈴木良三社長)は、東京都昭島市の事業所内に年間約120トンの生産能力を持つ多層カーボンナノチューブの量産設備を整えた。
医療・産業 広がる用途
ナノテクノロジー(超微細技術)を医療や産業に広く応用しようという研究開発が活発になってきた。大学、企業、国の研究機関が連携して取り組み、がんの新しい治療法などを目指している。情報技術(IT)などへの応用では、今後の日本のものづくりを左右する基盤としても実用化に期待がかかる。
微小機械、患部まで移動
がん細胞狙い撃ち
薬物送達システム(DDS)という技術
高分子ミセル方式では東京大学の片岡一則教授の研究成果をもとに、日本化薬が膵臓がん向けの研究に取り組んでいる。
リポソーム方式はテルモなどが実用化を目指している。
遺伝子検出器具のDNA(デオキシリボ核酸)チップもナノバイオの応用が期待されている。
東レは京都大学の辻本豪三教授と共同で、従来に比べて検出感度が約100倍のがん診断用DNAチップを開発した。
液晶超すディスプレー 少ない電カで精細画像
次世代の薄型として期待される電界放出型ディスブレー(FED)
経済産業省が実用化を主導し、2003年度から05年度の3年間で産官学が実用化に共同で取り組んでいる。三菱電機のほか、日立ディスプレイズ、ノリタケカンパニーリミテド、旭硝子、大阪大学、大阪府立大学などが参加。
NECはナノチューブを、超高速で動作し消費電力も少ない大規模集積回路(LSI)に応用する研究に取り組んでいる。
信州大学の遠藤守信教授らの研究グループは、2本のナノチューブを合体させて、断面がメガネのように2芯(しん)構造になっている新しいナノチューブを合成した。
ベンチャーの起業 続々 大学発など すそ野拡大
ナノテクノロジー(超微細技術)の急速な普及を背景に、ナノテクベンチャーの起業が相次いでいる。大企業や大学の技術者が新会社を設立し、超微細加工や新素材など得意分野の研究開発に專念する積極的な取り組みが目立つ。大企業とベンチャー企業がナノテク開発で連携する動きも本格化しそうだ。
社名 | 本社所在地 | 事業内容および主力製品・技術 |
フィルテック | 東京・千代田 | 半導体の微細加工技術 |
SCIVAX | 東京・中央 | 超微細加工装置の製造・販売 |
ナノテコ | 東京都三鷹市 | 化合物半導体の開発 |
カンタム14 | 東京都小金井市 | ナノシリコンの用途開発 |
ケー・アンド・ダブル | 東京都小金井市 | 大容量の二次電池とス一パーキャパシタの開発 |
SNT | 千葉県市川市 | 有害物質を吸着・分解する微粒子の塗布技術 |
ナノキャリア | 千葉県柏市 | 微細な粒子で医薬品や遺伝子を体内に送り込む技術 |
アデプトジャパン | 横浜市 | 微細部品を組み立てるロボットの開発 |
川口光学産業 | 横浜市 | 超小型プリズムの加工と光チップ試作 |
ペクセル・テクノロジーズ | 横浜市 | 光電変換素子用部材の開発と販売 |
半導体加工技術開発のフィルテック(古村雄二社長)は、シリコンウエハーに直径60ナノ(ナノは10億分の1)メートルの穴をあける技術を確立した。
大量の情報を瞬時にやり取りできることから、将来の通信機器や計測機器の中核部品として使われる可能性を秘めている光チップ。このチップから発する光線の間隔をナノレベルに短縮する研究に取り組んでいるのが川口光学産業(横浜市、川口裕三社長)だ。
大学発のナノベンチャーでは東京農工大学の躍進が目立つ。カンタム14(東京都小金井市、嶋田壽一社長)は直径が3ナノメートルのシリコン結晶「ナノシリコン」を使った製品開発に取り組んでいる。
ケー・アンド・ダブル(東京都小金井市、直井和子社長)も農工大を代表するナノベンチャーだ。大容量の一次電池や燃料電池の補助電源となるスーパーキャパシタをナノテクを使って開発しようとしている。
電気通信大学発のベンチャーで半導体開発を手掛けるナノテコ(東京都三鷹市、加藤修一社長)は、トランジスタの上にナノサイズの金属抵抗体を薄く積層させる技術を研究している。加藤社長は「携帯電話機など通信機器の一層の小型化につながる」と話す。
相次ぐ成果「8合目」 可能性秘めた「コメ」 遠藤守信・信州大教授に聞く
株式会社フィルテック
http://www.philtech.co.jp/japanese/annai/index.html
本社 | : | 東京都千代田区麹町5−7 秀和紀尾井町TBRビル401 |
設立 | 平成13年5月21日 | |
資本金 | 2億 530万円 |
平成13年5月 | : | 株式会社フィルテック設立 |
平成13年8月 | 東北大学と近接X線露光装置(PXL)システム利用と管理に関する契約締結 三菱電機(株)とPXL装置システムの施設利用に関する契約締結 PXL利用に関するコンソーシアム設立(代表 : 株式会社フィルテック) |
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平成14年11月 | 300mm露光ウエハの製造・供給開始 |
川口光学産業
http://www2.odn.ne.jp/kawaguchi-opt/index_J.htm
創業 | : | 昭和36年3月 |
設立 | 昭和57年10月6日 | |
資本金 | 3,000万円 | |
代表者 | 代表取締役 川口裕三 | |
主要営業品目 | 超精密光学部品製造 ビームスプリッター 光チップ ロッドプリズム |
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レーザー光源の開発 近接場光学用ファイバープローブ 光ファイバー簡易接合器 RBS(Ring Beam Systems) |
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総従業員数 | 10名 | |
本社所在地 | 神奈川県横浜市青葉区寺家町167番地 |
私たち川口光学産業は、創業以来、超高精度光学部品メーカーとして、通信機器、半導体計測、光学測定器に不可欠な、高精度光学部品を、お客様にご提供してまいりました。
株式会社カンタム14
http://www.tuat.ac.jp/~crc/e/img/e_05_0206.pdf
社長 | : | 嶋田壽一 |
所在地 | 東京都小金井市中町 国立大学法人東京農工大学 インキュベーション施設 |
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研究指導教員 | 大学院教授越田信義 | |
設立年月日 | 平成14年12月13日 | |
資本金 | 11,000,000 円 | |
従業員数 | 8名 | |
事業概要 | ナノシリコン(NS)技術に基づいた革新的な製品の開発・製造・販売 |
有限会社ケー・アンド・ダブル
http://www.tuat.ac.jp/~crc/e/img/e_05_0208.pdf
代表者名 | : | 直井和子 |
所在地 | 東京都国分寺市光町2-17-36 | |
研究指導教員 | 共生科学技術研究院教授 直井勝彦 | |
研究開発部長 | 荻原信宏(博士後期課程3年在学中) | |
設立年月日 | 平成14 年1 月29 日 | |
業種 | エネルギー・デバイスの開発 | |
資本金 | 300 万円 | |
事業概要 | 1、電池、スーパーキャパシタ等の新型エネルギーデバイスの開発・研究・企画 2、電気自動車等への新型エネルギーデバイスの応用展開に関する技術指導 及びコンサルティング 3、電池、スーパーキャパシタ等に関するセミナー、ワークショップの開催 4、電気自動車電源の市場調査等 5、電気化学出版物への企画・製作・翻訳業務 |
株式会社ナノテコ(NANOTECO
CORPORATION)
http://www.nanoteco.com/overview/index.html
創業 | : | 平成12年4月 (有限会社ナノテコとして創業) |
設立 | 平成13年10月 (株式会社に組織変更) | |
資本金 | 1億7,340万円 | |
本社 | 東京都三鷹市下連雀3丁目38番4号 | |
代表取締役 | 加藤修一 | |
業務内容 | 電子部品、材料の開発、製造、販売、輸出入、関連コンサルティング業務 | |
業務提携先 | 株式会社キャンパス・クリエイト | |
技術協力先 | 電気通信大学 SVBL,共同研究センター |
SCIVAX株式会社
http://www.scivax.com/
設立 | : | 2004年2月 |
本社所在地 | 東京都中央区東日本橋3-4-10 | |
研究所所在地 | 茨城県つくば市千現2-1-6つくば創業プラザ216 | |
代表者 | 前野拓道 | |
資本金 | 50,000,000円 | |
事業内容 | 技術経営・事業化サポート 知的財産戦略サービス 研究開発アウトソーシング受託 |
株式会社 SNT
(旧社名:株式会社 白鳥ナノテクノロジー)
http://www.snt.jp/
本社 | : | 千葉県市川市大洲 |
活動所在地 | 川崎市幸区小倉144-8 慶応義塾大学K2タウンキャンパスO棟103 | |
設 立 | 平成14年3月6日 | |
資本金 | 2900万円 | |
代表取締役 | 白鳥 世明 慶応義塾大学理工学部 助教授 | |
事業内容 | 薄膜の作製、 評価に関するナノテクノロジーの委託研究、 共同開発及びその技術の販売、薄膜製造装置の販売 など |
アデプトジャパン株式会社
http://www.adeptjapan.co.jp/
設立 | : | 1998年7月 |
10月 大型液晶マスク高精度位置決め装置開発 | ||
本社 | 神奈川県横浜市中区新港2−2−1 横浜ワールドポーターズ6F | |
売上 | 2003年度 約5億円 | |
従業員 | 12名 |
ペクセル・テクノロジーズ株式会社
Peccell Technologies, Inc.
http://www.peccell.com/
本社 | : | 横浜市青葉区鉄町1614(桐蔭横浜大学内) |
設立 | 平成16年(2004年)3月1日 | |
資本金 | 880万円 | |
社員数 | 10名 | |
代表取締役 | 宮坂 力 (桐蔭横浜大学教授) |