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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。
最新分は
 http://blog.knak.jp/


2010/11/22  Nova ChemicalsIneos Novaから撤退

Nova Chemicals1112日の第3四半期決算発表で、Ineosとの間で、両社の50/50JVであるIneos NovaNova持分をIneosに売却する交渉に入ったことを明らかにした。

1031日に交渉に入ったもので、諸手続きを経て、来年第1四半期に取引を完了させたいとしている。
売却金額等もこれから交渉する。

本年のIneos Novaの業績は、積極的なリストラとマージン幅の拡大により、前年同期比で改善している。
Ineos Novaの営業利益のNova持分は以下の通り。(単位:百万米ドル)

   本年度  昨年度
3Q    17   5
13Q合計   28  11

しかし、Nova は「このJVは同社にとって戦略的優先度はなく、より良い事業に集中したい」としている。

2009年2月にアブダビ国営の投資会社 IPICInternational Petroleum Investment Company )はNovaを買収する契約を締結、7月に買収を完了した。IPICはその後、Novaの株式の24.9%を、BorealisIPIC 65%OMV 35%)に譲渡した。

2009/2/24 アブダビのIPIC、カナダのNOVA Chemicals を買収 

本件は、新株主の IPICの方針変更と思われる。

ーーー

Nova ChemicalsとBP2005年に50/50JVNOVA Innoveneを設立、欧州のPS事業をまとめた。

その後、BPがInnoveneを分離し、2005年末にIneosが買収した結果、NOVA InnoveneNovaIneos50/50JVとなった。

NovaとIneos20073月に、Novaの北米のSMPS事業を両社の欧州の50/50JVのNOVA Innovene に移管することで合意したと発表した。
新しい
JV、Ineos Nova200710月に発足した。

2007/9/24  INEOS NOVA スタートへ

その後、2007年末にMontreal PSプラント(55千トン)を、2008年1月末にBelpre, Ohio PSプラント(100千トン)を停止した。

現在は11工場で、能力は以下の通り(単位:千トン)。

  SM PS EPS
Sarnia, Ontario 430    
Indian Orchard, MA   165  
Channahon, Illinois   410  
Decatur, AL   193  
Bayport, TX 770    
Texas City, TX 455    
(北米合計)  (1,655)  (768)  
Trelleborg, Sweden   85  
Breda, The Netherlands   90 90
Marl, Germany   180 85
Wingles, France   200 100
Ribecourt, France     90
(欧州合計)   (555)  (365)
       
総合計 1,655 1,323 365

INEOSは欧州のSM事業(工場はドイツのMarl )をJVには出さず自社で運営している。
    能力:エチルベンゼン 550千トン、SM 380千トン
Nova Chemicalsについては下記参照。

ーーー

Nova Chemicalsの現在の事業は以下の通り。(単位:千トン)

  エチレン PE SM   スチレン
ポリマー
 
Corunna, Ontario 820        
Joffre, Alberta 1,545 910        
635
(1,270)
190
(380)
    Nova/Dow50/50JV
上はNova持分、(  )JV合計能力 
Moore Township, Ontario   340      
St. Clair River, Ontario   205      
Channelview, Texas     180   Lyondell Chemical のSM工場のNova持分
他に短期の製造委託
180がある。
Monaca, Pennsylvania       155 Styrenic Performance Polymers含む
Painesville, Ohio       45  
Quilicura, Chile       3  
El Tepual, Chile       Converter  
           
Total 3,000 1,645 180 203  

スチレン、スチレンポリマーはIneosNovaに供出していないもの。
スチレンポリマーは
EPSが中心だが、下記の特殊品を含む。
 
ARCEL樹脂(PS/EVA)、DYLARKUPESレジン


2010/11/22 Ineosの事業の現状 

本日のブログ 「Nova ChemicalsIneosNovaから撤退」のIneosについてはブログの過去の記事を参照。

同社の現在の事業は以下の通り。

RefiningABSChlorVinylsFilms & CompoundsOlefinds & Polymer (Europe & USA)、 

OxideNitrilesPhenolStyrenicsParaformMelamines、  

OligomersEnterprisesTechnology

 

各事業の内容と立地は以下の通り。

Refining

UK Grangemouth
France Lavéra

2005年末 Innovene買収

ーーー

ABS

Spain Tarragona
Germany Köln
USA Addyston, Ohio
Thailand Map Ta Phut
India Nandesari
Moxi
Katol

能力:730千トン

2007/7/4 Ineos、Lanxess のABS事業を買収へ

ーーー

ChlorVinyls

    電解、EDC メチレンクロライド
メチルクロライド
クロロフォルム
ほか
塩酸、水素、
塩化パラフィン
ほか
VCM  E-PVC  S-PVC 
UK Runcorn  
Barry          
Newton Aycliffe          
Norway Rafnes        
Porsgrunn        
Germany Rustersiel        
Voslapp        
Schkopau          
Sweden Stenungsund      

   2005年  EVCを100%子会社化
   
2007/5/25 INEOS、Norsk Hydro からポリマー事業を買収

ーーー

Films & Compounds

    PVC Films PVC Compounds Barex *
Germany Bötzingen    
Staufen    
Weißandt-Gölzau    
UK Helsby    
Newton Aycliffe    
France Mourmelon Le Petit    
Switzerland Sins    
Italy Cagliari    
Castiglione Olona    
Fucine    
Sweden Helsingborg    
USA Delaware City, Del    
Lima, Ohio    
India Nasik    
Thane    

                   * アクリロニトリル共重合樹脂

   2005年  EVCを100%子会社化
   
2007/5/25 INEOS、Norsk Hydro からポリマー事業を買収

ーーー

Olefins & Polymers 

    Olefins LDPE LLDPE HDPE PP
UK Grangemouth      ○ 
Germany Köln    
France Lavéra    
Sarralbe      
Norway Rafnes        
Bamble      
Belgium Lillo      
Geel        
Italy Rossignano        
             
USA Alvin, Texas      
La Porte, Texas      
Carson, California        

2005年末 Innovene買収
2007/6/9
INEOS、Borealis からノルウエーの石化事業を買収

ーーー

Oxide  

    EO, PO,
Oxo-Alcohols
ENB
, Acetate Esters
その他
EG, PG
Belgium Antwerp
Germany Köln
France Lavéra  
UK Saltend  
       
USA Plaquemine, Louisiana  
Freeport, Texas  

1998年 Inspecを買収
2001年 BPから欧州のアセテート事業、ENB事業を買収
2008/1/17 
INEOS BP から酢ビモノマーとエチル酢酸事業を買収

ーーー

Nitriles  

    Acrylonitrile Acetonitrile Oxazole Hydrogen
  Cyanide
Acetone
 Cyanohydrin
Ammonium
  Sulphate
Germany Köln      
UK Seal Sands        
               
USA Lima, Ohio      
Green Lake, Texas    

能力:1,510千トン

2005年末 Innovene買収
2008/3/20 INEOSBASFのアクリロニトリル工場買収

ーーー

Phenol 

    Phenol Acetone Cumene Alphamethyl-
  styrene
Belgium Antwerp    
Germany Gladbeck  
Marl      

2001年 Degussaから子会社 Phenolchemieを買収

ーーー

Styrenics (SM)

 立地:Marl, Germany
 能力:エチルベンゼン 550千トン、SM 380千トン

 SMPSJVIneos Novaを設立したが、これのみ拠出せず。

2007/9/24  INEOS NOVA スタートへ

ーーー

Paraform (Formaldehyde, Paraformaldehyde, Hexamethylene tetramine, Cyanates )  

 立地:Mainz, Germany

2003年 DecussaのMethanova部門を買収

ーーー

Melamines

    Coating Wood finishing Textile Rubber/Tyre Paper
Germany Frankfurt
             
USA Springfield, Mass      

2005年 UCBのメラミンを原料とするアミノレジン、添加剤事業を買収

ーーー

Oligomers  

    Linear
alpha Olefins
Polyalpha
Olefin
Poly
isobutylene
Isoolefins
Isoparaffins
Specialties
Belgium Feluy    
France Lavera      
Germany Köln      
           
Canada Joffre, Alberta      
USA La Porte, Texas      
Whiting, Indiana      

2005年末 Innovene買収

ーーー

Enterprises 

Brine & Water UK Northwich  
Biodiesel France Baleycourt  
Salt UK Runcorn  
Sulphur Chemicals UK Runcorn  
Ethanol UK Grangemouth                        
Esters France Baleycourt  
Ammonia / Nitric Acid Germany Köln  
INEOS Asiatic Chemical Thailand Bangpoo CERECLOR chlorinated paraffins
Hydraulic brake fluid
Automotive coolants
Toll blending business
Vinyl Acetate UK Saltend  

2004年設置のINEOS Chlor Enterprisesを2005年に改称
2008/1/17 
INEOS BP から酢ビモノマーとエチル酢酸事業を買収

ーーー

INEOS Technologies
   leading global licenser of polyolefin, polystyrene, nitriles, vinyls and chlor-alkali technologies

both gas phase and slurry polyethylene technologylinked to a proprietary CD catalyst system
acrylonitrile process and catalyst
chlor-alkali electrolyser and vinyls technologies
INEOS Bio
 clean biofuel and low-cost chemical intermediates from a wide range of low-cost carbon materials

2005年末 Innovene買収

 


2010/11/23  中海石油化学、海南島で新メタノール工場完成 

中国海洋石油(CNOOC)の子会社の中海石油化学(China BlueChem)は1114日、海南省東方市で新しいメタノール工場の試運転を開始した。

Davy メタノール合成法を使用し、投資額 10億人民元、天然ガスを原料にし、能力は年産80万トン。
200811月に建設を開始した。

原料の天然ガスはCNOOCの南シナ海のLedong ガス田から供給を受ける。

CNOOC20099月に楽東(Ledong22-1ガス田の生産を開始した。近隣のLedong 15-1ガス田と共同開発しており、これも既に生産を開始している。両ガス田からの合計生産量は15千万立方フィート/日(LNG換算約100万トン/年)に達する計画。

CNOOC2009年に、ガス田から同社のエネルギー・化学基地である東方市までのパイプラインが完成した。
パイプラインは陸上の
68kmと海底の105km

国家発展改革委員会(NDRC)は天然ガスの有効利用のため2007830日以降、天然ガスを原料とするメタノール生産を禁止したが、既に天然ガス供給契約を締結している場合は除外されており、本計画はそれに該当する。
また、
NDRC20067月の通達で、石炭を原料とするメタノール又はDMTでは能力100万トン未満のものを禁止したが、天然ガス原料についてはこれは適用されない。

CNOOCは海南島にもう一つのメタノール工場を持っている。

CNOOCと香港のラミネート会社KingBoard Chemical との60/40の合弁会社CNOOC KingBoard 2006年第3四半期に東方市に年産60万トンのメタノールの商業生産を開始した。
ルルギ技術を採用、
CNOOCの東方市近辺のガス田からの天然ガスを原料としている。

2工場の完成で、CNOOCの東方市でのメタノール能力は140万トンになる。

ーーー

中海石油化学は中国最大級の肥料会社で、海南島東方市に2系列のプラントを有しており、アンモニア 75万トン、尿素 132万トン、複合肥料 5万トンを生産している。

同社は東方市に生分解性プラスチック製造のためのポリプロピレンカーボネート(PPC) 年産3千トンプラントを持っている。

2007/8/20 中国のCNOOC子会社が生分解性プラスチック製造

同社は20063月に、内蒙古の 天野化工(Tianye Chemical)の株式の90%を買収し、CNOOC Tianye とした。
同社は天然ガスベースのアンモニア
30万トン、尿素52万トンとメタノール20万トンのプラントを有している。

CNOOC Tianyeはまた、年産6万トンのPOM と石炭ベースのアンモニア(35万トン)・尿素(60万トン)プラントを建設している。
アンモニア・尿素は華東理工大学が開発した粉状石炭ガス化技術を使用する。

POMについては 2010/5/25 雲天化集団、重慶でPOM増設、年産6万トンに

 

中海石油化学の事業は以下の通り。(単位:千トン) 

立地 製品 能力 建設中  
海南島 メタノール    600   CNOOC KingBoard
800   今回完成
アンモニア 750    
尿素 1,320    
複合肥料 50    
PPC 3    
内蒙古 アンモニア 300 350 CNOOC Tianye
尿素 520 600
メタノール 200  
POM   60

2010/11/24  積水化学、米国Genzyme Corporation の検査薬事業を買収

積水化学工業は1118日、米国Genzyme Corporationとの間で、Genzymeが展開している検査薬事業の買収に関する契約を締結した。

Genzyme1981年設立で、医薬品等の開発・製造・販売等を行っている。

今回譲り受ける事業の概要は以下の通り。

 1)事業開始 1981 年
 2)事業内容 生化学・糖尿病・感染症・免疫検査を中心とした臨床検査薬の開発・製造・販売
 3)従業員数 575 名(予定)
 4)主要拠点 米国:Framingham
Mass.)San Diego (Cal.)Exton(Penn)
         カナダ子会社:Prince Edward Island (同州)
         英国:West MallingKent州)
         ドイツ子会社:
RüsselsheimHessen州)
 5)売上高 167百万US$(2009年12月期)
 6)譲受け価額 265百万US$

積水化学はGenzymeより、対象事業の子会社(カナダ、ドイツ)株式を含む本事業に関するすべての資産を譲り受ける。

米国では、
Sekisui America が米国に新たに子会社を設立し、北米の資産(カナダの子会社株式を含む)を取得する。

欧州では、Sekisui Europe が英国に新たに子会社を設立し、資産を取得するとともに、Sekisui Europe がドイツ子会社株式を取得する。

事業の譲受けは本年12月末日の予定。

積水化学とGenzymeの検査薬事業部門は、1995年からコレステロール関連製品の欧米での販売で業務提携を開始した。
今回の案件については、
Genzymeが5月に非中核3事業の売却方針を発表し、入札を経て買収が決まった。

 

Genzyme自身は現在、仏医薬品大手Sanofi Aventisから敵対的買収の提案を受けている。
    
2010/9/2 Sanofi-aventis、米Genzymeへの買収提案を公表

同社は118Sanofi Aventisに対し、取締役会が満場一致で169ドルの提案価格が安過ぎると考えていること、株主はこれを支持していること、Genzymeの価値を評価したものなら交渉するとしたレターを出している。

同社は業績が悪化しており、人員削減や事業売却を行っている。

9月13日にはGenetic Testing 事業(Genzyme Genetics)を925百万ドルで Laboratory Corporation of America (LabCorp) に売却する契約を締結した。

同社ではこれら事業売却で得た資金での自社株買いで、買収防衛対策をとる。

ーーー

積水化学は2006年10月、第一三共の完全子会社である第一製薬の100%子会社、第一化学薬品を買収した。

同社は、高機能プラスチックスカンパニーのメディカル事業部で展開する事業と、買収した第一化学薬品を2008年4月に統合し、積水メディカルとした。
事業内容は、検査薬、検査用具、医薬品、薬物動態事業。日本国内で販売している競争力のある製品群の積極的な海外展開による事業拡大を重点施策の一つとして掲げている。

検査薬事業
主力事業で、生化学、血液凝固、糖尿病、感染症の検査をメイン領域とし、臨床検査薬・分析装置の開発、製造、販売

検査用具事業
世界で初めて実用化したプラスチック製真空採血管など、臨床検査用具の開発、製造、販売

医薬事業
医薬品の活性成分である医薬原体(API)、医薬用アミノ酸、医薬中間体の受託製造と、独自の粘着テープ技術を応用した貼付剤の設計・開発

薬物動態事業
医薬品開発の研究開発支援として、探索から申請、市販後調査までの各段階において、薬物動態に関連する各種評価試験を研究機関から受託

今回買収するGenzymeの検査薬事業は、1995年より生化学検査薬の販売や感染症検査薬の原料供給などにより、積水メディカル検査薬事業の欧米への売上拡大戦略の重要な役割を担ってきた。

積水メディカルでは、買収により長年培った事業提携をより強固なものとし、検査薬事業の海外展開を更に推進する。

買収の狙いは以下の通り。
@ 重点領域強化
積水メディカルの検査薬事業では、5つの重点領域(生化学、血液凝固、糖尿病、感染症、先端技術)を定め、事業展開をしていまる。
Genzymeの検査薬事業は、生化学・糖尿病・感染症領域に強みを持っており、同社の製品・技術を活用することにより、積水メディカルの重点領域のさらなる強化が期待できる。
   
A 海外販売網の活用
Genzymeの検査薬事業が持つ欧米販売拠点や営業スタッフを活用。
   
B 海外生産拠点の獲得
Genzymeの検査薬事業は、領域ごとに専門の工場を保有しており、積水メディカル製品の欧米での現地生産も視野に入れる。

2010/11/25 双日、レアアースの供給・拡張プロジェクトで豪州Lynasと戦略的提携の基本合意 

双日は11月24日、豪州のLynas Corporation との間で、レアアースの日本向け供給、およびLynas のレアアース拡張プロジェクトに関して、戦略的提携を締結することに基本合意 したと発表した。

Lynas のレアアース開発プロジェクト(西オーストラリア州Mt. Weldでの鉱山開発、 およびマレーシアでの分離精錬)は、2011年第3四半期より操業を開始する予定。

両社は、以前よりLynasのレアアースの日本向け取引の可能性を協議しており、その過程において、Lynasは今後のレアアース需要増大に対応するため、本プロジェクトの拡張プロジェクト(投資総額 :2億5千万米ドル)を前倒しすることを決定した。

今後、双日を日本における販売代理店とし、同鉱山の操業後10年に亘り日本の需要家のニー ズに適合するレアアースについて年間約9,000トン以上の長期供給契約の締結に向けた交渉を行うとともに、日本でのレアアースの最終需要家の開拓を目的 した共同マーケティングの実施、ならびにファイナンス組成などについても検討を進める。

また、今後、本プロジェクトの開発に関して、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)への金融支援の要請を行う予定。
官民合わせた日本グループの投融資額は最大2億5000万ドルになる見通し。

双日では、今回の交渉は権益の取得を含んでいないが、将来的に権益取得のためにLynasの一部株式を取得することもオプションの1つとしている。

付記

双日と独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は2011年3月30日、Lynasへ総額250百万米ドルを出融資することを決定し、同社が10 年に亘って日本の消費量の約3 割にあたる年間約8,500 トン(±500 トン)以上のレアアース製品を長期供給する契約を締結した。

JOGMECは、双日からの資金支援要請を受け、2010年10月に閣議決定された平成22年度「レアアース総合対策」補正予算を活用し、資金協力することを決定した。

両社は250百万米ドルを出資して日豪レアアースを設立、同社がLynasに出融資し、長期供給契約を締結する。
双日は、Lynasとの間で、同社が生産するレアアース製品の日本市場における独占販売契約および総代理店契約を締結した。

ーーー

Lynasは、1983年にYilgangi Gold NLとして設立され、1985年にLynas Gold NLに改称し、西オーストラリア州Pilbara地域で金探鉱を行っていたが、2001年6月、金プロジェクトを売却し、社名をLynas Corporation に変更、2002年5月にMt.Weld 鉱床の権益100%を取得し、同鉱床の探鉱開発に集中していった。

Mt.Weld 鉱の鉱物資源量は、770万t、酸化レアアース品位12%となっている。
(精測鉱物資源量120万t :品位15.7%、概測鉱物資源量500万t :品位11.8%、予測鉱物資源量150万t :品位9.9%)

同社は2011年後半から西オーストラリア州Mt.Weld でレアアースを生産する。
当初は年1万1000トン生産する計画だったが、2012年末からは生産量を2万2000トンに倍増する方針を決めた。

Mt.Weld レアアース鉱床からレアアース鉱物(モナザイト等)を採掘、西オーストラリア州南部のEsperance 港からマレーシアへ海上輸送、分離・精製し、更に最終消費者の要求にあったレアアース製品とした後、米国・欧州・日本などへ販売する。

同社はMt.Weld プロジェクトのコスト削減のため、中国山東省にレアアース分離プラントの建設を計画した。

しかし、2006年に入って、レアアース産業に対する生産抑制、輸出制限、増価税リベート見直し、環境規制など中国政府による締め付けが強くなったことから、同社は中国でのレアアース分離プラント建設を断念し、マレーシア東海岸PahangKuantan Gebeng Industrial Area にプラントを建設することとした。

2010/10/5 レアアース、米・豪・カザフなど生産拡大 

同社の会長は11月23日の株主総会で、計画について詳細に説明している。

ーーー

Lynas95百万ドルの開発資金の供給契約を結んでいたヘッジファンドが金融危機と資源価格の暴落の影響などにより資金供給を拒否したため、2009年2月にMt Weld 鉱の開発計画の中断を発表した。

豪、マレーシア、日本などの政府系機関や需要家などに支援を要請したが、当時は日本の需要家も支援に慎重で、万策尽きて、中国に依存することとなり、2009年春に、中国の国有非鉄大手、中国有色鉱業集団から252百万豪ドルの出資(マジョリティ)を受け入れることを決めた。

しかし、豪州のForeign Investment Review Board20099、中国有色鉱業の出資を50%未満、取締役を50%未満にするよう要求、有色鉱業はこれを拒否し、撤退した。

2009/5/16 中国、レアアースでも豪州に進出

ーーー

Lynasは本年10月にワシントンDCのRare Metals Summit IIIレアメタルの需給と価格予想について発表している。

2014年の供給量は、米国のMountain Pass鉱山の再開とMount Weldのスタートで現在より55千トン増加するとみている。
但し、中国のシェアは
67%を占める。(単位:レアアース酸化物・トン)

    2010 2014
  予想
中国 内蒙古自治区
Baotou Steel Rare Earth High-Tech
55,000 60,000
四川省
Jiangxi Copper
10,000 20,000
イオン吸着粘土層
(南部地区)
35,000 30,000
リサイクル 3,300 4,000
合計  103,300  114,000
Mountain Pass 3,000 20,000
Mount Weld (Lynas)   22,000
インド 3,000 12,000
ロシア 4,000
リサイクル 1,500 1,800
中国以外合計 11,500 55,800
総合計 114,800 169,800

需給と価格推移

1992年にケ小平が「中東には石油があり、中国にはレアアースがある」と述べた。
1992-99年に中国各地で生産が始まり、安値で市場を支配した。
米の
Mountain Passは1998年に生産を停止。

2000-06年では中国で600のメーカーが競い、環境投資は全くなし。

2007年に入り、環境規制による停止、環境費用や労務費のアップ、需給逼迫で価格アップ。
2009年に需要は減少したが、政府の関与で価格急上昇。

今後の予想については、同社は、供給は増えるが需要も増え、環境コスト等も上昇するため、価格は40〜60$の高値で推移するとみている。
2000-2006年の時代の安値は二度とないとしている。

 


2010/11/25 BP原油流出事故で新事実

既報の通り、White Houseの原油流出事故調査委員会The National Commission on the BP Deepwater Horizon Oil Spill )は118日、事故に関して、これまでのところ、BPがコストカットのために意図的に安全性を犠牲にしたという証拠はないと述べた。

2010/11/16  BP原油流出事故の現状

11月23日付けのNew York Times は、環境・エネルギー専門のEnvironment & Energy Publishing社のGreenwire紙記者による記事を掲載した。
委員会の記録が
BPが時間節約のためにリスクのある決定を行ったことを示しているというもの。

これによれば、BPとコントラクターが11件の不要な意思決定を行い、これが事故の原因となった可能性がある。
これは、調査委員会の「
これまでのところ、BPがコストカットのために意図的に安全性を犠牲にしたという証拠はない」とする説明と異なる。

  コントラクター 
   
Transocean:掘削作業
   
Halliburton:セメント作業(井戸内、または井戸と鉄管との間のセメント作業)
    
M-I SWACODrilling Fluid (mud)サービス

資料の内容は以下の通り。

意思決定 危険性 理由 意思決定者
時間節約 BP Halliburton Trans-
 ocean
M-I SWACO
陸上 Rig 陸上 Rig Rig 陸上 Rig
Not waiting for more centralizers              
Not reevaluating cement slurry design              
Not waiting for foam stability results   (○)          
Not running diagnostics on float equipment
to ensure conversion or seal
           
Using combined spacer and not flushing
from system
       
Displacing mud from riser before
setting plug
   不明             
Setting cement plug 3000 feet deep in
seawater
  不明            
Not running cement evaluation log 多分              
Not installing additional plugs or barriers              
Undertaking simulataneous operations that
could confound kick detection
    (○)        
Bypassing pits and flow out meter during
displacement
    (○)        

ほとんど全てが時間節約のためである。作業が予定より遅れており、1日当たり150万ドルかかるため、費用節約のために行ったとみられている。

委員会では、この書類は所定の手続きを経ていなかったため、発表時に入れなかったとしており、最終報告には含めるとしている。
最終報告は来年1月に大統領に提出される。

BPはこれまで、現場のリグの従業員が爆発前にトラブルの兆候を捕らえなかったとし、陸上の意思決定者の役割を軽視してきた。
また、コントラクターの
Halliburtonのセメント作業が問題としてきた。

しかし、この書類によると、BPの陸上の意思決定者の判断によるものが多い。


2010/11/26  Bayer、成長と技術革新にリソースを集約

Bayer 1118日、成長と技術革新の向上のための戦略を発表した。

同社では、成長と技術革新の向上のため、今後リソースを投下する分野として、次の2つをあげる。

@ヘルスケア、農薬関連の領域における新製品の研究、開発、マーケティング
A中国を中心とする新興市場における事業拡大

しかし、売上と利益は後発品の浸透、開発コストの上昇、医療制度の改革の影響を大きく受けており、Marijn Dekkers社長は、「当社の成長領域の拡大のための資金を確保するには、リソース配分の見直し、効率性の改善、コスト削減の必要」としている。

さらなる成長への投資を増やすために、2013年より年間8億ユーロのコスト削減を計画している。そのうちの半分は再投資される。
2012年末までに約10億ユーロの一時的な損失処理を行う。

本プログラムに関連して、Bayerグループ全体の108,700名の従業員のうち、ネットで約2,000名を2012年末までに削減する。
約4,500名(内1,700名はドイツ国内)を削減するとともに、新興市場を中心に約2,500名を雇用する。

Dekkers社長は次のように述べている。

Bayerは3つの事業グループにおいて事業拡大の潜在性を有している。
この潜在性をさらに具体化していくために既存のリソースを集約し、組織改変の必要がある。
これが、成長と技術革新、例えば医療用医薬品の新製品、バイオサイエンス事業、そしてアジア地域における生産能力の拡大などを対象とする持続可能な投資を実現するための唯一の方策である。
関連する組織縮小は容易なことではないが、必要。
技術革新の強化と管理の簡素化によりBayerがより良い、そしてスピーディーに対応できる企業になることができると確信する。

同社の業績は以下の通り。

               単位:百万ユーロ
  売上高 営業損益  
HealthCare   15,988  53% 2,640 Pharmaceuticals 10,467 主要分野で主導的地位
Consumer Health  5,521 OTC、血糖測定器、動物薬で世界の2-4
CropScience 6,510 22% 798 Environmentalを含む。Agrochemicalsで世界2
MaterialScience 7,520 25% -266 Systemを含む(2009年はMaterialsに統合)
Polyurethane, Polycarbonate 世界1
調整 1,150 - -166  
合計 31,168 100% 3,006  

 

             単位:百万ユーロ
  売上高
欧州   12,968  42%
北米 7,705 25%
アジア/太平洋 5,712 18%
中南米/アフリカ/中東 4,783 15%
合計 31,168  

同社にとり、中国は数年で3番目の大市場となった。
  2005年 12億ユーロ → 2009年 21億ユーロ

同社では中国の今後のインフラ投資で、同社の製品に大きなチャンスがあるとみている。
  鉄道、電気自動車、環境保護、再生エネルギー・クリーン技術、
  ヘルスケア、都市インフラ、地方インフラ

 


2010/11/27 中国、知的財産権保護に特別プロジェクト活動

中国が知的財産権の侵害対策に本腰を入れ始めた。

国務院は10月27日、「知的財産権侵害及び模倣品・粗悪品の製造・販売の摘発に関する特別プロジェクト活動方案の公布に関する国務院弁公庁の通達」(国弁発〔2010〕50号)を出した。

   JETRO仮訳 http://www.jetro-pkip.org/upload_file/2010111616440021.doc

中国では知的財産権保護業務は前向きな成果を収めたが、知的財産権の侵害、模倣品・粗悪品の製造・販売といった現象が依然として発生しており、一部の地区と分野においてはまだ相当深刻で、市場経済の正常な秩序を乱し、企業の競争力及びイノベーションに対する積極性を妨害しているだけでなく、我が国の国際的イメージをも傷つけているとし、
2010年10月から2011年3月にわたって、全国範囲における知的財産権侵害及び模倣品・粗悪品の製造・販売行為を摘発する特別プロジェクト活動を集中的に展開するとしている。

具体的な行動は以下の通り。

(1) 生産元に対する整理整頓を強化すること。

(2) 市場への監督管理を強化すること。

(3) 輸出入及びインターネット等領域における知的財産権の保護を強化すること。

(4) 刑事司法による摘発を強化すること。

(5) 政府機関において正規ソフトウェアを全面的に使用すること。

(6) 知的財産権保護の宣伝を強化すること。

ーーー

国務院は11月5日、全国知的財産権保護及び法執行活動に関するテレビ会議を北京で開催した。

温家宝首相は
以下の通り述べた。

   JETRO仮訳 http://www.jetro-pkip.org/upload_file/2010111616450031.doc

知的財産権の保護は、創造的労働を尊重し、イノベーションを奨励する基本的な制度であり、法治国家そして信用遵守社会を建設するための重要な内容であり、イノベーション型国家の建設、社会主義市場経済体制の整備化には、知的財産権をしっかりと保護しなければならない。

中国では、知的財産権の保護において著しく進歩したが、知的財産権保護の実態は改革開放の深化、そしてイノベーション型国家の建設に相応しくなく、一部の地域と分野において権利侵害である海賊版や模倣品の製造・販売が深刻である状況も無視できない。

現在、知的財産権保護の面で存在している顕著な問題を重視し、確実に解決して、知的財産権保護の活動を全面的に推進し、より大きく進化させなければならない。
創造への奨励、効果的な運用、法に基づく保護、科学的な管理との方針を継続して堅持し、知的財産権侵害及び模倣品や粗悪品の製造・販売を摘発する特別プロジェクト活動に重点を置いて、知的財産権保護の活動を全面的に推進しなければならない。

第一に、重点に特化し、実効性を追求すること。

第二に、監督管理と法執行を強化し、全プロセスの整理整頓を実現すること。

第三に、刑事司法による取締力を強化し、知的財産権侵害行為を摘発する高圧的な態勢を作りだすこと。

第四に、廃棄と構築を両立させ、知的財産権の保護に良い環境作りに努めること。

第五に、知的財産権保護の法制度、施策と体制の整備を加速し、長期に効果のある体制を構築すること。

ーーー

中国公安部は海外及び国内の有名ブランドの知的財産権の侵害に対し、取り締まりを命じた。

公安部副部長は11月19日、本、オーディオ、ビデオ、ソフトウェア、医薬、食品、種子などの違法なコピーの製造販売との戦いに大きな努力が必要であると述べた。

 


2010/11/29 Celanese、石炭と天然ガスからエタノール生産 

Celanese は11月9日、中国で石炭からエタノールを製造する工場を建設すると発表した。

約7億ドルを投じて、年産40万トンの工場を2つ建設する計画で、立地は交渉中。認可後30ヶ月で生産を開始する。
同社では、Coal-to-Ethanol は既存のコーンなどの醗酵法に比較し、低コストであるとしている。
(需要が増えれば、それぞれの工場の能力の倍増も可能としている。)

付記 

2011年1月19日、立地について2か所と覚書を締結したと発表した。
 
・南京 南京産業パーク
 ・珠海 高蘭港経済区
    能力は各400千トン。

同社は南京には酢酸等のコンプレックスを持つ。 2007/2/22 セラニーズの中国での活動
珠海では1993年に中国国家煙草公司とのJV(Celanese 30%出資)を設立し、年産35千トンのセルロース・アセテート・トウを製造している。

同社は1月21日に南京で同社に酢酸原料のCO、メタノール(石炭から製造)を供給している恵生(Wison)との間で、工業用エタノールの原料の製造(石炭ガス化)の覚書を締結した。

胡錦濤主席の訪米に合わせ、発表した。

この計画はWhite House fact sheet U.S.-China Commercial Relations に記載されている。

Celanese は南京産業パークで自社のAOプラス法を使用し2系列合計120万トンの酢酸を生産している。

酢酸第一期60万トンは2007年にスタート、第二期60万トンが2009年に完成、合計能力は120万トンとなっている。
    2007/2/22 セラニーズの中国での活動

なお、BPとSinopecの合弁のBP YPC Acetyls も南京で酢酸を製造している。
同社はBPのCativa法を使用するが、これもCOによるメタノールのカルボニル化による。

Celanese はこの石炭原料の酢酸プラントを建設後、石炭ベースのエタノールに賭けた。
Coal-to-ethanolプロセスは酢酸製造技術に依拠している。
この技術は石炭、天然ガス、石油コークスを原料として使用できる。

この技術では産業用と燃料用のエタノールを生産できるが、同社では産業用(ペイント、コーティング、インキ、医薬などの原料)を考えている。
中国ではエタノールを産業用に年間およそ300万トン消費している。市場は年に8〜10%の伸びで、5年後には更に150万トンが必要となる。

なお、同社はこの技術を燃料用エタノール生産に使用することも考えている。

中国では中国科学院大連化学物理研究所(DICP-CAS)と、神華集団が資金を出した国立研究所 NICE(National Institute of Clean-And-Low-Carbon Energy)が合成ガス からのエタノール製造を研究している。
石炭を原料にする場合、先ず石炭ガス化で合成ガスを製造、触媒を使って合成ガスからエタノールを作り、最後にエタノールを精製する。
この場合、80万トンのエタノール製造には260万トンの石炭が必要となる。

Celaneseはまた、2012年後半にテキサス州 Clear Lakeで、天然ガスを原料に年産4万トンのエタノールを自消又は外販用に生産することを計画している。


コーンなどの食糧を原料にするバイオエタノールには批判が強く、この計画を支持する声が多い。


2010/11/30 公取委、建設・電販向け電線カルテルで排除措置命令及び課徴金納付命令

公取委は11月18日、建設・電販向け電線カルテルで5社に対し排除措置命令及び課徴金納付命令を出した。

各社(他に解散済みの1社)は,2005年4月までに、建設・電販向け電線について、販売価格引上げ、維持のため、
・共通の基準価格表を用いる
・共通の銅ベース(電気銅1トン当たり価格)を用いる
・共通の値引き率を用いる
こととし、これにより販売価格を決定していく旨を合意していた。

排除措置命令及び課徴金納付命令は以下の通り。

  排除措置命令 課徴金(千円)  
矢崎総業 7,261,700 申告で課徴金減額(30%)
住電日立ケーブル
(日立電線、住友電工、タツタ電線)

(立ち入り前申告)
2,038,390 同上(50%)
フジクラ・ダイヤケーブル 
(フジクラ、三菱電線工業、西日本電線)
1,073,030  
古河エレコム
(古河電気工業)

(立ち入り前申告)
465,050 同上(30%)
昭和電線ケーブルシステム
(立ち入り前申告)
調査着手前、最初に自主申告
昭和電線販売(解散)  
合計 2社 10,838,170  

2009年6月の独禁法改正により、課徴金減免制度が拡充され、1事件の減免が最大3社から5グループに増やされた。
(但し、調査開始後の対象は最大3社) 

減額率は@100%、A50%、B〜D30%(但し、調査開始後は全て 30%)となった。

今回、最初の昭和電線ケーブルシステムは排除命令と課徴金が免除された。

付記

公取委は2011年7月22日、VVFケーブル(主に建物内のブレーカーからコンセント等までの屋内配線として使用)の製造業者及び販売業者に対し、排除措置命令及び課徴金納付命令を出した。

  VVFケーブル カルテル
排除
命令
課徴金
  (千円)
 備考
矢崎総業 2,460,670 30%減額
富士電線工業 1,617,180  
弥栄電線 688,950  
協和電線工業 499,100  
愛知電線 326,960  
カワイ電線 323,070  
菅波電線 50,220  
協和電線 0 課徴金100万円未満
住電日立ケーブル(日立電線、住友電工、タツタ電線) 203,520 50%減額
古河エレコム(古河電工) 53,190 30%減額
昭和電線ケーブルシステム ―  最初に自主申告
合計 8社 6,222,860  

付記

公正取引委員会は,富士電線工業に対し、2011年11月に審判手続を開始したが、2015年5月22日、審判請求を棄却する旨の審決を行った。

ーーー

公取委は今年1月以降、特別高圧電線や光ファイバーケーブルの分野で、カルテルを結んだとして、電線大手やその子会社に課徴金納付命令を出している。(1社が全額免除、残り5社のうち、2社が減免)

2010/5/26  光ファイバーケーブルのカルテルで過去最高の課徴金

なお、この件で住友電気工業の株主が近く、損害賠償を求めて同社の取締役と元取締役を相手取る株主代表訴訟を大阪地裁に起こす。リーニエンシー制度を使わなかった取締役の責任が問われる初の代表訴訟となる。

2010/11/8 光ファイバーカルテルで住友電工に株主代表訴訟 

独禁法改正前の事件のため、リーニエンシー対象は3社となるが、他3社が先に申告したため、フルに課徴金を払うこととなった。
改正後であれば、減免を受けられたかもしれない。

 

公取委は又、車の配線に使うワイヤハーネスでも、本年2月に住友電気工業、古河電気工業、矢崎総業などに立入り調査を行い、調査を進めている。
これについては、日本の公取委に加え、自国の市場にも悪影響を与えた疑いがあると判断して、米、英、豪、カナダ、欧州委員会の5つの海外当局が調査に着手しているとされている。


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