ブログ 化学業界の話題 knakのデータベースから 目次
これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。
最新分は http://blog.knak.jp/
ロシア海運最大手ソフコムフロートは8月25日、北極海を初めて横断航行している同社傘下の大型タンカーBaltika が北極海航路の難関部分の通過に成功し、ロシア東端のチュコト(チュクチ)自治管区Pevekに達したと発表、「大型船舶の運航の可能性が実証された」と表明した。
ロシアは北極圏で開発中のエネルギー資源を日本や中国など北東アジアに輸出するルートとして北極海航路に期待しており、その可能性を実証するのが狙い。
今回運航されたタンカーの積載可能重量は約117千トンだが、同社長は来年、さらに大型のタンカーで同航路を運航する計画も明らかにした。
タンカーは北欧に近いMurmanskを出港。天然ガス副産物の軽質原油コンデンセート約7万トンを積み、数隻の砕氷船を伴い、難関部分の約2,500カイリを予定より早い11日間で航行、今後の運航に役立つデータも集めた。
9月上旬に中国の浙江省寧波に到着する予定。
北極海航路は6,600マイル、スエズ運河経由では11,000マイルとなる。
地球温暖化で海氷が減りつつある同航路は将来、日本などアジアにとって重要な貿易航路になる可能性が出てきた。
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ノルウェーの海運会社Tschudi Shipping Companyは8月26日、同国北部Kirkenesから北極海経由で中国へ鉄鉱石を輸送すると発表した。(KirkenesはロシアのMurmanskの近く)
行く先は遼寧省大連と寧波で、海氷の状況にもよるが、約26日で中国に到着する。
使用船舶は耐氷貨物船Nordic Barents で、ノルウェー北部で産出した鉄鉱石約41千トンを積み、9月初旬にKirkenesを出港する。ロシアの砕氷船が同行する。
ロシア運輸省のNorthern Sea Route Administration が、外国船がロシア領海を通って外国の港から外国の港へ貨物を運ぶのを初めて認可した。
財務省が30日発表した7月のナフサ通関実績によると、1kl当たり輸入単価は42,331円で、前月比4,090円安となった。
前年同月比では4,431円高となっている。
最近の東京市場のOpen-spec ナフサのスポット価格は以下の通り。
2月は下がったが、1月730ドル、3月735ドル、4月755ドルと上昇、5月に入り中旬から急落し、平均では700ドルを下回り、6月、7月は更に下がっている。
ナフサは2ヶ月後入着とされているため、7月の通関価格の下落は5月頃のスポット価格を反映しており、円高も含め、今後暫く低水準になると思われる。
(実際の輸入ナフサは油種や購入先、契約時期、契約条件などが異なるため、スポット価格平均とは合致しない。傾向が分かるだけ。)
なお、ベースとなるWTI原油の最近(2009年夏以降)の価格はほぼ景気動向の見通し(≒NYダウ平均)に合わせ上下している。
2010/9/2 Sanofi-aventis、米Genzymeへの買収提案を公表
フランスの医薬品メーカー、Sanofi-aventis は8月29日、遺伝性疾患治療薬で世界最大手の米Genzymeに対する185億ドルの買収提案を公表した。
提案買収価格は1株当たり69ドルで、7月1日の株価に対して38%、噂の出た7月22日の前日までの1ヶ月平均に対し31%のプレミアムとなっている。2010年の同社の予想1株当たり利益の36倍になるとしている。
Sanofi-aventisでは必要な資金の手当ては出来ているとしている。
Sanofi-aventisは7月29日にGenzymeに対し非公開で買収を提案した。
しかし、協議に入れないため、Genzymeの株主に提案を説明するため公開したとしている。
買収を完了させるために「あらゆる選択肢を検討する」としており、敵対的買収も辞さない構えを示した。
Sanofi-AventisはHoechstと Rhone Poulenc
が合併してできたAventisと、フランスのSanofi-Synthelaboが2004年に合併したもの。
(2006/3/6 「世界の医薬会社の構造改革」参照)
Sanofi-aventisは、売上高の約20%を占める製品が2013年までに特許権切れとなり、ジェネリックメーカーとの競争に直面するため、Genzyme買収に動いた。
Genzyme はMassachusetts州Cambridgeを本拠とするバイオ医薬メーカーで、希少な遺伝病、腎臓病、整形外科関係、癌、移植、免疫疾患、遺伝子診断などを扱っている。
Sanofi-aventisでは、統合により、Genzyme の新しい治療法への投資促進、既存市場での拡販、新規市場への進出が可能になるとしている。
報道によると、Genzyme は資産査定開始の条件として少なくとも1株75ドルの提示を求めている。一部の株主は1株80ドルへの提示価格引き上げを主張しているという。
Genzymeは8月29日に取締役会を開き、満場一致で拒否を決めた。
他方、Sanofi-aventisの取締役会は1株当たり最高70ドルの提案を支持しており、これを上回る買収価格を提示することに消極的で、ほかの標的を検討する可能性があると報じられている。
付記
Sanofi-Aventis は10月4日、Genzyme の全株のTOBを開始した。
1株69ドルで、総額は約185億ドルになる。
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Genzymeは1981年に設立された。設立以来、いくつかの分野で、これまで治療法のなかった病気の患者に対し、多くの画期的な治療法を開発した。2009年の売上高は45億ドル。
下記の幅広い分野で製品を開発している。
遺伝病:ゴーシェ病、ファブリー病など
心血管代謝症、腎臓
バイオサージェリー:バイオテクノロジーと外科療法を融合させた新しい治療概念
血液癌科
遺伝子診断
その他
ジェンザイム・ジャパンは、1987年に創立され、診断から治療までを1つのコンセプトに、バイオ医薬品、バイオサージェリー、血液領域、遺伝子診断事業の4つの事業を展開している。
バイオ医薬品:ライソゾーム病治療薬
ライソゾーム病は、細胞のライソゾーム内に存在する酵素の活性が遺伝的に欠損または低下しているため、その酵素によって分解されるべき糖や糖脂質などが分解されずに体内に蓄積し、その結果、進行性の臓器障害や骨格障害などを呈する難治性の疾患。ライソゾーム内には数十種類の酵素が存在し、その酵素の数だけ疾患があるといわれている。
バイオサージェリー
既存の外科的手法にバイオマテリアルや遺伝子治療、細胞治療を取り入れることにより、包括的な外科的治療を提案。
血液領域事業部
再生不良性貧血および造血幹細胞移植の治療薬として、免疫抑制剤「サイモグロブリン点滴静注用」を発売。
遺伝子診断
1992年に事業を発足、全国の医療機関から検査を受託している。
2010/9/2 BP、マレーシアのエチレン、ポリエチレンJV持分をペトロナスに売却
メキシコ湾原油流出事故の対策のため資産を売却しているBPは9月1日、マレーシアのエチレン、ポリエチレンJVの持分をペトロナスに売却することで合意したと発表した。
売却するのはマレーシアのKertih にある下記の両社のBPの持分。
1) Ethylene Malaysia (1995年稼動)
出資:ペトロナス
72.5%、BP 15%、出光興産 12.5%
能力:エチレン
440千トン
2)Polyethylene Malaysia(1995年稼動)
出資:ペトロナス
40%、BP 60%
能力:HDPE/LLDPE 318千トン
なお、Ethylene
Malaysia のエチレンは他に、Vinyl
Chloride(M) のVCM向けと、Pasir
Gudangにある出光SMのSM向けにも供給されている。
出光はこのSMを使用し、独自にPSを生産している。
契約ではペトロナスはBPに現金で363百万ドルを支払う。(株主ローンを含む)
両社は2010年末までに取引を完了させる予定。
BPはマレーシアで、KuantanにPTA 600千トンと、ペトロナスとのJV(BP 70%)でKertihに酢酸 560千トンのプラントを保有しており、他にPort Klangに潤滑油プラントも持っている。
BPは、この地域は同社にとり重要だが、このエチレン、ポリエチレン事業は実質的にペトロナスの事業であり、売却するとしている。
BPは2005/4/1、石油化学の大半をInnoveneとして分離、2005年末にIneosに売却した。
2006/6/14 「
事業買収で急成長した化学会社」 参照
但し、PTAとその原料であるパラキシレン、酢酸、及び中国でのエチレンJVはその後もBPのコア事業である。
2006/7/26 「BPが韓国のPTA事業から撤退」 参照
参考 2006/8/29 BPの石油化学のオリジン
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BPの資産売却については下記参照。
2010/7/22 BP、北米とエジプトの石油資産をアパッチに売却
2010/8/5 BP、コロンビアの石油関連資産を売却
2010/9/3 富士フイルム、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングと資本提携
富士フイルムは8月30日、国内で細胞再生医療材料事業を展開するジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)による40億円の第三者割当増資を引き受けると発表した。増資引き受け後は、同社株式の41%を保有することとなる。
付記
富士フィルムは2014年2月14日、新株予約権の引き受けを発表した。
同社は41.10%を、グループの富山化学が4.51%出資しており、今回の行使でグループとして45.47%の保有となる。今後、富士フイルム開発の生体適合性に優れるコラーゲンを活用した再生医療製品の開発をJ-TECに委託し、製品化を進める。
これらを通じて、J-TECとの提携をさらに強化し、再生医療の実用化に向けた取り組みを加速させる。付記
富士フィルムは2014年10月30日、新株予約権の全てを年内に行使することを決定したと発表した。これにより持株比率は50.33%になり、連結子会社となる。
再生医療は、人工臓器や移植による治療に代わり、失われた組織や臓器を再生させることが可能な、有望な治療法として注目されている。
自家細胞を用いた再生医療をさらに発展させるには三要素を最適に組み合わせながら進化させていく必要がある。
(1)分化・増殖して人の組織となる「細胞」
(2)細胞の分化・増殖を誘導する増殖因子などの「サイトカイン」(細胞から産生される蛋白質)
(3)細胞が正常に生育・増殖するために必要な「足場」(細胞外物質)
富士フイルムは、コラーゲンなどの高分子材料に関する知見やノウハウと、素材を微粒子化・多孔化する成型技術などを応用し、「足場」の素材に求められる生体適合性、生分解性、機械強度などの性能について研究を進め、遺伝子工学を応用して、生体適合性に優れるコラーゲンをモデルとしたリコンビナントペプチド(RCP)とその量産技術を開発した。
このRCPを「足場」材として、細胞と組み合わせた再生医療材料に展開を図るため、「細胞」/「サイトカイン」を用いた培養技術に秀でたJ-TECと強固な関係を結び、研究開発を加速させる目的で資本提携を行うことを決定した。
富士フイルムグループは、医療関連の事業を重要な成長分野として位置付け、「予防〜診断〜治療」の全領域をカバーする総合ヘルスケアカンパニーを目指した事業展開を進めている。
2010/2/22 富士フイルム 医薬品開発・販売に本格参入
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J-TECは日本における再生医療のパイオニアで、細胞培養に優れた独自の技術を保有し、自家培養表皮の製造販売承認を取得するなど、国内で細胞再生医療材料事業を実施する唯一のバイオベンチャー企業。
1999年 2月、株式会社ニデック(事業内容:眼科医療機器の開発・製造・販売、自家培養角膜の研究)が母体となり、INAX、富山化学工業ならびにセントラルキャピタル(現、三菱UFJキャピタル)と共同出資し、ティッシュ・エンジニアリングを技術ベースに再生医療を事業領域とする企業として愛知県蒲郡市に設立した。
J-TECは再生医療製品および関連製品の研究・開発、製造、販売を主要な事業目的として、薬事法の適用を受ける再生医療製品事業と、薬事法の適用を受けない研究開発支援事業を展開している。
(1)再生医療製品事業 | ||
: | @ | 自家培養表皮 |
正常な皮膚から増殖能力が優れた表皮細胞を取り出して人工的に培養し、皮膚のようにシート状にしたものを受傷部位に移植する培養表皮移植の技術 | ||
* 2007年10月、自家培養表皮(販売名:ジェイス)の製造承認を取得 | ||
* 2009年1月1日から保険適用 | ||
A | 自家培養軟骨 | |
軟骨組織はケガなどで一度損傷を受けると自然には治らない組織。 (軟骨組織には血管がなく、損傷を受けても、それを治すための細胞も、細胞を増やすための栄養も供給されないので、軟骨は自然治癒しない。) 軟骨細胞には増殖する能力があるため、患者の軟骨組織の一部を取り出し、軟骨細胞が増殖できるような環境を整えて作るのが自家培養軟骨。軟骨欠損に自家培養軟骨を移植することで修復が期待される。 |
||
* 2009年8月、製造承認申請 | ||
B | 自家培養角膜上皮 | |
角膜のもととなる細胞は角膜輪部(瞳の周辺の部分)に存在し、ここから新しい角膜ができる。 角膜に重度の障害を受けた場合、わずかでも正常な輪部が残っていれば、その輪部組織から角膜上皮細胞を分離・培養することにより自家培養角膜上皮をつくり、これを移植する。 |
||
* 2003年イタリアのThe Veneto Eye Bank
Foundationから技術導入 日本を含むアジア全域の国での当該ノウハウを独占的に使用し製造販売する権利 |
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(2)研究開発支援事業 | ||
J-TECでは、医療用培養表皮や培養軟骨の開発で蓄積した高度な培養技術を応用して、研究用ヒト培養組織(ヒトの細胞を用いて体外で培養し、再構築させた組織)モデルを開発し、販売している。 ヒト組織に極めて近い構造を再現できるため、動物や単純な培養細胞の代替とな る種々の実験への適用が可能で、外用医薬品や化粧品の開発、皮膚を用いた各種研究に使用することができる。 |
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・ | LabCyte EPI-MODEL(ラボサイト エピ・モデル) | |
ヒト正常表皮細胞を重層培養したヒト3次元培養表皮モデル (実験動物による皮膚刺激性試験の代替材料) |
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・ | メラノサイト含有ヒト3次元培養表皮 LabCyte MELANO-MODEL( ラボサイト メラノ・モデル) | |
ヒ
ト正常表皮細胞にメラノサイト(色素細胞)を加えて3次元培養したラボサイト
メラノ・モデル。 (薬剤・UVなどの各種刺激により、培養中のメラノサイト増殖やメラニン産生誘導を確認できる) |
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・ | ヒト3次元培養角膜上皮 LabCyte CORNEA-MODEL (ラボサイト 角膜モデル) | |
ヒト正常角膜上皮細胞を重層培養したヒト3次元培養角膜上皮モデル (化合物の眼刺激性試験に加えて、角膜上皮の分子生物学的解析に利用) |
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* 2010年7月 発売開始 |
2010/9/4 力恒化繊科技、ポリアミド-6の第二工場建設でLurgi と契約
福建省のナイロンヤーンメーカーの力恒化繊科技(Li Heng Chemical Fibre Technologies) はこのたび、ポリアミド-6の第二工場建設でLurgi と契約した。
子会社の力恆錦綸
LiHeng
(Changle) Polyamide Technology が福建省長楽市濱海工業区に建設する。
同社は2009年にLurgi からZimmerの2段階法を導入し、日産200トン(年産70千トン)のポリアミド-6プラントを稼動させているが、今回、隣接して100千トンプラントを建設する。
Lurgi は1991年に英国のDavy-McKeeからZimmerを買収した。
建設費は約1億ドルで、2011年の第4四半期の完成を目指す。
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力恒化繊科技は2003年に長楽市金峰工業区に力源(Liyuan)工場、2005年に同市濱海工業区に力恒(Liheng)工場を建設、ナイロンヤーンの製造を開始、 力源、力恒のブランドで販売している。
2007年に能力は92,400トン、2008年に167,200トンとなり、この時点でポリアミド-6の建設を決定、2009年に稼動させた。
2010年にはナイロンヤーンの能力は257,000トンとなり、ポリアミド-6の第二工場の建設を決定した。
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中国商務部は本年4月に、米・EU・ロシア・台湾原産の輸入ポリアミド-6に対してダンピングを認定、ダンピング課税を行った。2009年4月から調査を行っていた。
ダンピング税率は米国品(BASFほか)が29.3〜96.5%、EU品が8.0〜23.9%、ロシア品が5.9〜23.9%、台湾品が4.0〜23.9%となっている。
中国は米・伊・英・仏・台湾原産の輸入ポリアミド-6.6についても2009年10月にダンピングの認定をしている。
政府はイランの核問題に関する安全保障理事会決議1929号の履行に関し、9月3日、追加制裁を閣議了解した。
8月3日に既に閣議了解を行っているが、これに追加した。
国連安保理は6月9日、イラン核問題に関連しイラン制裁決議、決議1929号を賛成12、反対2(ブラジル、トルコ)、棄権1(レバノン)で採択した。
過去の制裁決議、1737号(2006)、1747号(2007)、1803号(2008)の制裁に加え、新たに次のような措置を規定している。
(1)イランによる核・ミサイル関連の特定外国投資の禁止、
(2)イランへの特定通常兵器移転の禁止、
(3)イランによる核搭載ミサイル関連活動の禁止、
(4)禁制品を貨物とすると疑われる船舶の検査(発見された禁制品は捕獲・処分)、
(5)禁制品を貨物とする船舶への燃料などの供給禁止、
(6)イラン・イスラム共和国船舶ラインとイラン航空貨物局への規制、
(7)拡散のための金融の阻止、
(8)すべてのイランの会社に対する警戒、
(9)イランの銀行の支店開設など銀行業務制限、
(10)革命防衛隊の役割を制限する措置、
(11)旅行禁止など特定個人への制裁と特定団体への制裁、
(12)国連制裁監視パネルの設置
政府は8月3日の制裁では以下を決めた。
(1)安保理決議で特定されたイランの40団体及び1個人の資産の凍結等
(2)核技術等に関連するイランによる投資の禁止
(3)イランへの大型通常兵器等の供給等に関連する資金の移転の防止
http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201008/__icsFiles/afieldfile/2010/08/03/20100803amsiryou1.pdf
決議1929号では、各国における経済活動や金融取引等がイランの核活動等に寄与していると信じる合理的な理由があると認められる場合に、不拡散、商業、金融、運輸等の分野において、然るべき措置を採ることも要請されている。
米政府は8月に日本に対し、 「EUの制裁を参考にしてほしい」と伝えた。
イランからの原油輸入禁止については、EUもしていないため、強くは求めなかった。
EUの独自制裁は、
・石油精製や液化天然ガス製造に関する投資、技術移転の禁止
・軍事転用が可能な製品の禁輸対象拡大
・イラン金融機関の一部資産凍結など。
今回の追加制裁は以下の通り。
(1)不拡散分野:新たに88団体・24個人を資産凍結対象に指定
(2)金融分野:イランの銀行15行を資産凍結し、コルレス関係を停止
資金移転防止及び金融機関の確認義務強化
(3)貿易分野:イラン向け輸出信用について、2年超については,新規の供与・引受けを行わない。
短期についても厳格な審査
(4)運輸分野:イランShipping Lines(IRISL)本体及び関連団体を資産凍結対象に指定
(5)エネルギー分野:
・石油・ガス分野の新規投資に対しては、(3)の措置の実施で停止する。
・産業界に対して、決議第1929号の趣旨を周知し,イランとの取引について注意喚起
・石油・ガス分野事業者に対し、新規プロジェクトについて厳に慎重な対応を求める
イランとの取引の大半を占める原油については、エネルギー政策や経済への影響が大きいため、輸入規制を盛り込まない。
国際石油開発帝石はイランのアザデガンAzadegan 油田の開発権の10%を保有している。
2006/10/9 アザデガン油田の開発権引き下げでイランと合意直嶋経済産業相が9月3日、この油田権益に変化はないとの見通しを示した。
しかし、イラン政府系のファルス通信は、「日本の権益はイランの行動の対象となるだろう」と報復の可能性を示唆、「イランは米国の制裁に追随すれば、その国がイランに持つ権益が危うくなると警告してきた」と論評した。
日本のイランからの輸入は2009年で約92億ドルで、原油などの石油関連が98%を占める。
経済産業省によると、イランは2008年の原油の輸入先で、サウジアラビア、アラブ首長国連邦に次ぐ3位。
日本からの輸出は2009年で約16億ドル。鉄鋼、電気機械、輸送機械などが中心となっている。
イランのAraghchi 駐日大使は、日本がイランに対する独自制裁措置を閣議了解したことについて、「2国間の経済関係に大きな影響は及ぼさない」との見方を示した。
「いくつか厳しい点はあるが、国連安保理事会が6月に採択した追加制裁決議の枠内での補足的なものにすぎない。原油輸入には規制を盛り込んでおらず、他の分野でも以前と変わらない関係が続くだろう」と強調した。
一方で、「イランは国連安保理の追加制裁決議を不当なものとみなしている。日本には、強硬姿勢をとらずにバランスを保ち、米欧の圧力に屈しないよう望む」と訴えた。
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韓国はイラン追加制裁で対応に苦慮している。
韓国は近年、イランとの経済関係を緊密化しており、制裁はイランからの「報復」を招きかねない。
他方、対北朝鮮政策上、同盟国・米国の協力は不可欠である。
焦点となっているのが、イラン国営メラト銀行ソウル支店の取り扱いで、メラト銀行のアジア唯一の海外支店。
米国で先に成立した包括的対イラン経済制裁法で対象リストに盛り込まれている。
米政府は昨年来、韓国にこの支店の閉鎖を求めているが、イランはこれを牽制、ラヒミ副大統領は「韓国製品を買えないよう高い関税と税金を課すことで、韓国も適切な罰を受けなければならない」などと主張している。
2009年の韓国の対イラン貿易額は、輸入は約57億4600万ドルで日本より少ないが、輸出は約39億9200万ドルと日本の2.5倍となっている。
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参考 2010/8/27 LyondellBasell、イラン撤退を決定
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付記
韓国は9月8日、独自制裁措置を決定した。
金融、貿易、運送、エネルギーなどの分野で、EUや日本に準じた厳しい内容。
問題のメラト銀行ソウル支店については、検査で法令違反行為が判明、6ヶ月以内の営業停止措置とともに、事前許可のない金融取引を全面的に禁止する。
エネルギー分野ではガス・製油事業での新規投資や技術提供、建設契約を禁止し、貿易保険も縮小する。
韓国の建設業界はイランでの新規受注が事実上不可能となり、大きなショックを受けている。
一方、輸出中小企業は韓国国内の銀行に開設されるイラン中央銀行のウォン建て口座を通じ、代金決済が認められ、最悪の事態を回避した。
イランは韓国が経済制裁に踏み切った場合、関税引き上げなどの報復措置を取る可能性に言及しているため、企業はイランの今後の出方に注目している。
昭和電工は8月31日、インドネシア政府が65%出資するPT. Antam Tbkと共同で2011年1月よりインドネシア西カリマンタン州でケミカル用アルミナ工場の建設を開始すると発表した。
JV名はP.T. Indonesia Chemical Aluminaで、 Antamが80%、昭電が20%出資する。
アルミナの原料のボーキサイトは採掘権を保有する
Antamが供給し、アルミナ生産に関する技術は昭電が提供する。
完工は2013年12月、操業 の開始は2014年1月の予定で、投資額は約4億5千万米ドルを見込む。
生産能力は年産30万トンで、このうち20万トンは昭電、残りの10万トンはアンタムが引き取る。
昭電は横浜事業所で年産約20万トンのアルミナを生産しているが、2015年までに撤退を決定している。
付記 2011年4月11日、アルミナ工場の起工式を行った。
付記 2017年7月24日、撤退を発表した。
昭和電工の生産技術を導入し、アンタムが操業を担ってきたが、従業員の熟練度不足などで操業が安定せず、資金繰りにも困窮していたという。
昭和電工はアンタムと再建策の協議を進めてきたが、意見の相違から出資の引き揚げを決めた。昭和電工として、持分法投資損失 約 100 億円、 特別損失(保証債務、貸付金) 約 67億円、計 約 167億円 を計上。
持株全てを売却する方向で、第三者への売却も含めAntam社と交渉を進めることを決定
アルミナはアルミニウム製錬の原料となるほか、中間製品である水酸化アルミニウムは浄水場における水質の浄化剤などに、またアルミナは機能性材料、エレクトロニクス製品の材料としても使用される。
新工場ではケミカル用アルミナ(アルミニウム製錬原料以外)を生産し、昭電の既存の需要家への販売に加え、新たにインドネシア国内および周辺地域における水質浄化用途向け等の需要増加に対応する。
Antam はインドネシア政府が株式65%所有する国営の資源大手で、世界最大級のニッケル生産企業。
1968年に複数の国営鉱山企業が合併して設立された。単独ではSulawesi島でニッケル鉱山とフェロニッケル精錬所、Maluku島でニッケル鉱山、西ジャワで金鉱山と精錬所、ジャカルタで貴金属精錬所を運営している。
他に、金では同国の資源大手Bumi ResourcesやオーストラリアのNewcrest MiningなどとJV、またニッケルではフランスのErametなどとのJVにより鉱山生産及び探鉱・開発を行っている。
Antamはビンタン島のKijang鉱山で同国内のボーキサイト生産を一手に担っているが、ビンタン島でのボーキサイト資源は枯渇しつつある。
Antamの所有するボーキサイト埋蔵量の90%以上は西カリマンタン州にある。
昭和電工は2007年3月、インドネシアでのアルミナ工場建設に関して、事業性評価を行うための合弁会社を、インドネシアのPT. Antam Tbk、シンガポールのStraits Trading Amalgamated
Resources および丸紅と共同で設立することで合意した。
Antam
49%、昭和電工
30%、Straits Trading Company
15%、丸紅
6%
インドネシアのWest Kalimantan州Tayan地区で原料ボーキサイト鉱石の採掘からケミカル用アルミナ製品までの一貫生産を行なうものであった。
今回、 Antamが80%、昭電が20%出資で、アルミナだけを実施、ボーキサイト採掘はAntamが行う。
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日本では昭和電工、日本軽金属、住友化学の3社が国内でアルミナを製造しているが、環境問題から2015年までにボーキサイトの国内精製から撤退する。
各社は輸入したボーキサイトを苛性ソーダで溶融し、水酸化アルミニウムとし、更にこれを焼成してアルミナを製造している。
水酸化アルミの生産時に膨大な量の赤泥ができるが、各社は海洋投棄を行なっている。
赤泥は産業廃棄物であり、産業廃棄物の海洋投棄は、1972年にできたロンドン条約で原則禁止されているが、日本国内法では、赤泥が「例外」に当てはまるとし、海洋投棄を「特別」に認めている。
しかし、3社は海洋汚染の影響などを考慮、自主的に撤退の方針を決めた。
2008/3/8 アルミナメーカー、ボーキサイトの国内精製から撤退へ
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日本軽金属は2006年11月、双日、ベトナム化学公団、同公団100%子会社South Basic Chemical とともに、アジア最大規模となるケミカル用途水酸化アルミニウム工場の建設について、事業性調査開始の基本合意契約を締結した。
ベトナム南部のラムドン省で原料ボーキサイトの埋蔵量確定作業に着手するとともに、工場建設に伴う環境アセスメント調査を開始した。生産能力は年間約55万トンを予定、プロジェ クトの総事業費は約400億円と見込んだ。
しかし、日本軽金属は2008年7月、撤退を決めた。
資材高などで工場建設資金が膨らむ可能性が出てきたことや世界景気の不透明感から採算確保は難しいと判断した。日軽金は子会社の新日軽の再建を優先させる方針で、浮いた資金を活用してリストラを加速させる。
海外メーカーから水酸化アルミを購入するか、ベトナム以外の国で新工場を建設するかを選択することになるとみられる。
ーーー
住友化学は2009年10月、各種アルミナ製品について、海外で生産された水酸化アルミニウムを原料に、従来と同等の品質の製品が提供できることを確認し、主要な需要家の了解を得られたことから、2010 年4月を目途に、原料の全面転換を行うと発表した。
メキシコ湾原油流出事故の現場では8月3日にキャップからの掘削泥水の注入を終え、異常が見られないため、5日9時にキャップからのセメントの注入を始め、午後2時に終了した。
この時点では、8月中旬に井戸の底部にリリーフ井戸からセメントを流し込み(Bottom kill)、井戸を上下から封鎖する予定であった。
2010/8/6 メキシコ湾油井封鎖作業の状況
しかし、流出事故対策本部のアレン本部長は8月19日の会見で、Bottom
kill が予定より数週間遅れ、9月上旬以降になるとの見通しを明らかにした。
圧力テストのほか、油井の上部に設置されていたが、故障して原油やガスの噴出を防げなかったBOP(噴出防止装置)を取り外して交換し、事故原因の究明に役立てる作業などを行うため。
BOPを取り外して交換する作業は荒天のため8月30日に中断した。
(BOPとそれを引上げるための1マイルのライザーは455トンもあり、揺れると危険)
9月2日、BOPの上につけたキャップを取り除き、BOPにライザーを取り付けた。
9月3日の夜、古いBOPを外して、新しいBOPを据え付け、4日夜、古いBOPを船上に引き上げた。
今週にもリリーフ井戸からセメントを流しこんでBottom
killを行うが、新しいBOPの据付で圧力の変化に対応できる。
(井戸に約1,000バレルの原油が閉じ込められていると見られるが、下部をセメントで封鎖すると、下からの圧力で上部のセメントのプラグが壊れ、原油が流出する可能性があった。)
アレン本部長は、井戸からの原油流出の危険はなくなったと述べた。
7月15日にBOPにキャップを取り付け、ラムを閉めて原油流出を止めた以降、原油は流出していない。
引上げたBOPは重要証拠となっており、政府の調査員が分解してトラブルの原因を調べる。
ーーー
9月2日、メキシコ湾で別の石油施設の爆発事故があった。
石油施設はMariner EnergyのVermilion 380で、ルイジアナ州バーミリオン湾の南約145km、BPの爆発現場の西方約320kmに位置し、水深104メートルの油井を通じて原油を生産しているが、爆発当時は整備のため閉鎖されていた。
作業中の13人は全員無事救出され、原油流出も確認されていない。
このリグの生産量は原油が日量約1400バレル、天然ガスが約920万立方フィート。
米国の独立系石油会社Apache Corporationは本年4月にMariner Energyを約27億ドル(プラス12億ドルの負債引継ぎ)で買収すると発表している。
2010/7/22 BP、北米とエジプトの石油資産をアパッチに売却 参照
オバマ政権は500フィート(150メートル)を超える海底油田掘削を11月30日まで禁止しようとしており、現在これをめぐり訴訟が起きている。同州の知事はメキシコ湾での石油掘削再開を連邦政府に要求している。
今回の事故は規制対象外だが、事故により規制が拡大する可能性もある。
ーーー
BPは原油流出事故の補償コストをカバーする200億ドルの基金Gulf Coast Claims Facility (GCCF)を創設、当初の予定を早め、8月9日に最初の30億ドルを払い込んだ。
これまで個人や企業に対する補償支払いはBPが行っていたが、8月23日からは基金が行う。政府に対する補償支払いは従来どおりBPが行う。
BPは9月3日、原油流出事故に絡む費用負担額が約80億ドルに達したと発表した。
6月末時点での負担額は29億ドルだったが、油井の封じ込め作業などの費用がかさんだことで、負担額は2カ月間に2倍以上に膨らんだ。
負担額には、原油の回収費用や油井を封じ込めるための一連の作業費、地元州への賠償費用などが含まれる。
2010/9/7
日揮、スペインで太陽熱発電事業を実施
日揮は9月3日、スペインの Abengoa S.A.の子会社
Abengoa Solar と共同で、同国における新規太陽熱発電事業の実施を決定したと発表した。
スペイン南部Cordobaに50MWの太陽熱発電所2基
(合計100MW)
を新たに建設し、同国内向けに売電する事業。
本事業により約 52,000世帯分の一般家庭用電力が賄われる。
発電所の建設および事業運営は日揮が26%、Abengoa Solarが74%を出資する新事業会社を通じて実施する。
操業は2012年からを予定し、電力買取りはスペインで法制化されている優遇買取価格制度である
Feed in Tariffが適用される。
総事業費は約5億ユーロ以上で、このうち3億5,000万ユーロは三井住友銀行等によるプロジェクト・ファイナンス融資を受ける予定で、日本貿易保険が地球環境保険枠を適用し、海外事業資金貸付保険の付保を行う予定。
本事業は日本企業による初の商業用太陽熱発電事業となる。
太陽熱発電は太陽光エネルギーを鏡で集光、オイルなどの熱媒体を集熱設備で加熱、その加熱された熱媒体で蒸気を発生させ蒸気タービンを駆動する発電方式。
太陽熱発電の利点は、日中に熱を貯め、夜間にその熱で発電することが出来るため、24時間送電が可能なこと。
参考
2009/7/17 DESERTEC プロジェクト スタート
2010/2/26 アラブ諸国、太陽エネルギー輸出国に?
Abongoa S.A.は1941年に設立され、太陽エネルギー、バイオエネルギー、環境、IT、インフラ分野の設計・建設という5つのビジネスユニットに分かれており、70ヵ国以上で実績を保有している。
子会社 Abengoa Solar は太陽エネルギーに関する事業・技術開発に特化した会社で、既に発電容量として193MWの太陽熱発電プラントを稼働させており、450MW分を建設中。
付記
伊藤忠商事は12月20日、Abengoa Solarと共同で、スペイン南部(Extremadura
州Cáceres県Logrosán)に、50メガワットの太陽熱発電所2基を建設し、発電事業を行うことに合意したと発表した。投資額は5億ユーロ超を見込んいる。
伊藤忠商事は権益の30%を保有、Abengoa Solarは権益の70%を保有するとともに本発電所を運営する。
ーーー
日揮は設計・調達・建設 (EPC) ビジネスで培った多様な技術や知見を活かし、以下の計画に参画している。
水・発電事業(IWPP、分散型発電) | |||
: | @ | Taweelah B IWPP Project (U.A.E. アブダビ) | |
パートナー: | アブダビ水・電力庁、丸紅、BTU(米国)、パワーテック(マレーシア) | ||
事業概要: | アブダビ首長国タウィーラ地区で稼動中の 100万 kW火力発電設備および日量45万トンの造水設備を買収し、 さらに100万kWの複合火力発電設備および日量30万トンの造水設備を新たに建設、 総出力 200万kWの発電設備および日量75万トンの造水設備を20年間にわたって操業。 |
||
A | Taweelah A2 IWPP Project (U.A.E. アブダビ) | ||
パートナー: | アブダビ水・電力庁、アブダビ国営エネルギー会社、丸紅 | ||
事業概要: | アブダビ首長国タウィーラ地区における発電・造水事業。 710MWの発電設備及び日量約23万トンの造水設備で構成。 発電設備には高効率ガスタービンを用いたコンバインドサイクルを採用。 |
||
B | Rabigh IWSPP Project (サウジアラビア ラービグ) | ||
パートナー: | 丸紅、伊藤忠商事、ACWAパワー(サウジアラビア) 〈日揮 25%〉 | ||
事業概要: | ラービグ地区で住友化学サウジアラムコが、共同で推進する 世界最大級の石油精製と石油化学の統合コンプレックスに対し、 360MWの電力、5,580トン/時の水および1,230トン/時の蒸気を供給可能な設備を建設、 完成後25年間にわたり操業。 日揮は、本事業を運営する事業会社に出資。 |
||
海水淡水化事業(中国天津市) | |||
パートナー: | Hyflux(シンガポール) | ||
JV: | H.J. NewSpring Limited (50/50) | ||
事業概要: | Hyfluxは、天津市に造水能力日量10万トンの海水淡水化プラントを建設 (2009年7月から工業用水の生産を開始、石化コンプレックス等へ販売) さらに日量5万トン規模の設備増設を計画 (2011年第3四半期には生産量が日量15万トンの中国最大の海水淡水化プラント) 本事業を共同で運営。 |
||
バイオエタノール製造・発電事業(フィリピン ルソン島イザベラ州) | |||
パートナー: | 伊藤忠商事、現地パートナー | ||
JV: | Green Future Innovationss, Inc. | ||
事業概要: | サトウキビ原料のバイオエタノール(54,000kl/年)の製造・販売事業 サトウキビ残渣(バガス)を燃料とする火力発電(最大19MW)による電力販売事業 |
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参考: | フィリピンでは自動車用ガソリンにバイオエタノールを現行で5%混合することが義務化され、 2011年には10%を混合することが義務化される見込み。 |
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2010/9/8 DuPontとSinopec、北京でEVAの製造開始
DuPontとSinopecは両社のJVがこのたび北京でEVA(エチレン酢酸ビニール共重合樹脂)の生産を開始したことを明らかにした。
JV名はBeijing Huamei Polymer(北京華美聚合物公司)で2007年9月に設立された。
Sinopecが55%、DuPontが45%出資し、Sinopecの北京燕化石油化工(旧称 燕山石化)の構内でDuPontの最新の技術を使用して建設を進めていた。年産能力は60千トン。
当初は2008年のスタートの予定であった。
製品はDuPontが同社のElvax®の商標(日本ではエバフレックス®)で中国国内で販売する。
担当のDuPont Packaging & Industrial Polymers事業部では、様々な包装および工業用途向けに高性能樹脂およびフィルム製品を製造している。
ーーー
なお、DuPontは8月17日、中国化工集団公司 (ChemChina)の子会社である中昊晨光化工研究院との間で、中国におけるフッ素ゴムおよびプリコンパウンドの製造と販売を行う折半出資の合弁事業設立について同意書を交わした。
上海に新しく建設するプリコンパウンド工場も含め、2011年後半から事業を開始する予定。
ーーー
DuPontは1980年代央に中国に進出、現在では子会社、JVで35のプラントを有し、5500名を雇用している。
現在、中国での総投資額は7億ドルを超えている。
DuPontの中国での活動は以下の通り。
Crop Protection | 農薬事業 |
Pioneer Hi-bred | 種子事業 |
Nutrition Health | 大豆蛋白、微生物検査 |
Performance Coationgs | |
Titanium Technologies | |
Electronics Communications | Display Technologies |
Chemicals Fluoroproducts | |
Packaging & Industrial Polymers | |
Performance Ploymers | Performance Elastomers |
Protection Technologies | Industrial
Personal Protection Energy Solutions Performance Materials Medical Specialty Graphics Foundations Auto Industry |
Sustainable Solutions | |
Building Innovatioins | |
Applied BioScience |
2010/9/8 「レアアースため込む日本、中国に輸出制限緩和を要求」
9月7日の「人民網日本語版」はこのタイトルの記事を掲載した。内容は以下の通り。
ーーー
「中東には石油があり、中国にはレアアースがある」。
中東有石油、中国有稀土。
中国的稀土資源占全世界己知儲量的80%、
其地位可与中東的石油相比、
具有及其重要的戦略意義、
一定要把稀土的優勢発揮出来
ケ小平 南巡講話 (1992)写真:内モンゴル自治区包頭市のレアアース公園(朝日新聞)
これはケ小平の1992年の言葉だが、レアアースは石油よりも貴重とされながら、中国はまだレアアースによって相応の富を得ていない。
一方、日本や米国などのレアアース使用大国は、中国からレアアースを安く購入してため込み、戦略的備蓄としている。
ある消息筋によると、日本が海底に貯蔵するレアアースは、
少なく見積もっても今後20年分はあるという。
付記 この部分について、コメントをいただいた。
http://memo-no-memo.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-682c.html
中国がレアアースの輸出制限を決定すると、日本は繰り返し中国に輸出拡大を求めた。
日本側の集中的な圧力に対して、商務部の陳徳銘部長は中日経済ハイレベル対話同対話の開催期間中、「レアアースの輸出制限は経済発展の促進、環境保護、国家の安全といったさまざまな要因を総合的に検討した結果だ。中国はレアアースの輸出を制限するだけでなく、採掘、生産、貿易など一連の流れにも制限をかけており、こうしたやり方はWTO ルールに合致している」と強調した。
中国はレアアース資源が世界で最も豊富な国であり、埋蔵量は世界の約3分
の1に達する。現在は生産量が世界の生産量全体の95%を占めている。
1990年代に大規模な採掘・輸出がスタートすると、安価な採掘コスト(環境コストは考慮しない)を背景として、中国の低廉なレアアースが世界市場を席巻し、多くの国はレアアースの採掘を停止してしまった。
参考
レアアースの埋蔵量が世界第二の米国は早くから国内最大のレアアースが埋蔵するMountain Pass鉱山を封鎖、モリブデンの生産も停止し、毎年中国から大量のレアアースを輸入している。
Mountain Pass鉱山は2011年に再開する。
中国のレアアース関連企業はまだ一定の規模に達しておらず、統一的な監督管理システムも未整備で、無秩序な競争や密輸が盛んに行われている。
このため中国は世界一のレアアース大国の地位にありながら、価格決定権をもてないでいた。
1990年から2005年にかけて、輸出量は約10倍増加したが、平均輸出価格は半分に下がった。
中国がレアアースを廉価で、無制限に売り出していた時、日本をはじめとする各国は機に乗じてレアアースを大量に買い込んだ。
日本は中国から安価なレアアース原料を買い入れ、ハイテク製品に加工して売りさばき、日本は相当の経済的利益を得ている。
中国メディアは次のような見方を示した。
30年後には世界最大のレアアース産地である内蒙古自治区包頭市白雲鉱区の白雲鄂博は資源が枯渇する可能性があるが、中国から輸入するレアアースに頼って電子工業を発展させてきた日本はその時、十分なレアアース資源を貯蔵しており、生産国だった中国は現在より
も数百倍高い値段で海外からレアアースを輸入しなくてはならなくなる。
2009/4/22 中国がレアアースの輸出を制限?
2010/8/16 中国、レアアース市場での支配力拡大へ
ーーー
日本の国家備蓄制度にはレアアースは含まれていない。
経済産業省は、備蓄対象にする方向で検討している。
2009/6/10 レアメタルの国家備蓄拡充
独立行政法人物質・材料研究機構は2008年1月、「都市鉱山」(アーバン・マイニング)と呼ばれるこれまで国内に蓄積されリサイクルの対象となる金属の量を算定し、わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵する規模になっていることを明らかにした。
リチウムの場合、年間の世界の消費量(当時)が21,100トンに対し、日本の都市鉱山の蓄積量は150,000トンとなっている。
2008/1/15 資源大国 日本
経産省は2009年6月、レアメタルを国内に安定供給するための総合戦略「レアメタル確保戦略」の原案をまとめ、4つの柱を挙げた。
@海外資源確保:鉱山周辺のインフラ整備へのODAの活用
Aリサイクル:携帯電話やデジカメなどをリサイクルする仕組みの構築
B代替材料開発:産学官の連携強化や研究開発拠点の整備など
C備蓄:「需給動向を踏まえ、積み増し、放出を機動的に取り組むべきだ」
2010/9/9 水俣病未認定患者救済で、チッソへの貸し付けを閣議決定
政府は9月7日の閣議で、水俣病の未認定患者の救済に必要な経費として、404億円の予備費使用を決定した。
国から熊本県に支出されたあと、県債などを加えた475億円を県が財団法人水俣・芦北地域振興財団に貸し付け、財団からチッソに20年償還で貸し付けられる。
熊本県は9月9日の臨時県議会で補正予算案を提出する。
付記
熊本県議会は9日、臨時会を開き、水俣病未認定患者救済で、総額475億5200万円をチッソに貸し付け るための関連特別会計補正予算案を可決した。
県は、国の財政融資資金を引き受け手に県債を発行して71億3300万円を調達。国が本年度一般会計予備費からの支出を決めた県への補助金404億1900万円と合わせ、いったんチッソ県債償還等特別会計に入れた後、水俣・芦北地域振興財団を通じてチッソに貸し付ける。
チッソに貸し付けられる額の内訳は一時金と団体加算金の2つ。
一時金は水俣病認定基準に満たないものの手足に感覚障害などの水俣病特有の症状があると判定された人に支給される慰謝料で、一人当たり210万円のおよそ2万人分にあたるおよそ414億円。
団体加算金は水俣病被害者団体の活動経費などを補てんするもので4つの団体に合わせて61億円が支払われる。
水俣病不知火患者会 29億5000万円
水俣病出水の会(鹿児島県出水市) 29億5000万円
水俣病被害者芦北の会(熊本県津奈木町)1億6000万円
水俣病被害者獅子島の会(鹿児島県長島町) 4000万円
2010/3/20 水俣病集団訴訟で和解案 (水俣病不知火患者会)
2010/4/16 水俣病「救済措置の方針」を閣議決定 (その他)
一時金と団体加算金合わせた475億円の85%は国からの補助金、15%は熊本県が県債を発行して資金を調達する。
小沢環境相は7日の記者会見で、「被害者が速やかに一時金を受け取れるようにしたい。県の手続き次第だが、早ければ10月から支給開始できると思う」と述べた。
さらに、「今までの(救済)申請者の数などから十分な額と考えているが、万一の場合はきちんと対応する」として、不足する場合は追加措置も検討する考えを表明した。
また「債務は返済してもらう」とも述べ、チッソに対して将来的に債務免除はしない方針も示した。
付記 2012/2/3
水俣病特別措置法に基づく救済制度の申請期限について、細野豪志環境相は2月3日、正式に2012年7月末で申請を区切ることを表明した。
2010年5月施行の特措法は、3年以内をめどに救済対象者を確定すると規定。判定手続きに最長9カ月ほどの期間を要することから、申請を今年7月末までと決めた。「7月末までの半年間は十分な期間であり、その間に十分告知していく方が被害者の救済につながる」としている
救済制度には受け付け開始以来、熊本、鹿児島、新潟の3県で、当初予測の3万人を超える約5万人が申請していた。
2010/9/9 BP、メキシコ湾原油流出事故の原因調査報告を発表
BPは9月8日(日本時間午後8時)、メキシコ湾原油流出事故の原因の報告を発表した。
単一の原因ではなく、多くの当事者の一連の失敗が爆発事故を引き起こしたとしている。
Press release
Executive summary
Full investigation report
Presentation slides
BPの結論は、多数の企業のチームの決定が事故の原因で、一連の、相互に関連したメカニカルなエラー、判断、エンジニアリングデザイン、作業から起こったとしている。
50人以上の調査チームの4ヶ月にわたる調査で、以下の点が分かった。
・ | Macondo油井の底部のWellbore annulus(岩石と井戸のケーシングの間の環帯)で使われたセメントスラリーが原油を油層にとどめることが出来ず、原油とガスがケーシングを上昇した。セメントの設計、テスト、品質保証、リスク分析に問題があった。 |
・ | 井戸がきちんと整備できていないのに、BP とTransoceanが圧力テストの結果を誤って問題なしとみなした。 |
・ | 40分間以上にわたり、Transoceanのリグの操業担当が炭化水素が井戸に流入しているのを見逃して対応せず、その結果、炭化水素が急速に海面まで噴出した。 |
・ | 炭化水素がリグに到達した際に、泥とガスを分離する機械に流れたため、ガスがリグの外に放出されずに、直接リグに向かった。 |
・ | ガスがエンジンルームに入り、爆発した。 |
・ | 爆発後も海底の噴出防止装置(BOP)が自動的に井戸を閉鎖する筈が、作動しなかった。 恐らく重要部品が動かなかったと見られる。 |
CEOのTony Hayward(間もなく退任)は、「単一のミスではなく、一連の複雑な問題が原因となった。BP、Halliburton、Transoceanを含む当事者がからんでいる」と述べた。
Transoceanは掘削作業を担当、Halliburtonはセメント作業(井戸内、または井戸と鉄管との間のセメント作業)を担当している。
ーーー
BPとしては、自社が責任はないとはしないが、TransoceanやHalliburtonのミスも事故の原因になったとし、損害賠償責任の一部を転嫁しようとするもの。
以前の情報には、この油井がやっかいなものだとの認識が当事者の間にあったとされており、今回の調査では、それらの点は触れられていない。(Press release の範囲では)
これはBPの調査結果であり、最終的には米国政府が、回収したBOPの分析も含め、事故原因と責任企業を決めることとなる。
ーーー
槍玉にあげられたTransoceanとHalliburtonは直ちに反論した。
TransoceanはBPは自身の失敗、すなわち、井戸のデザインの欠陥を取り繕っていると批判した。
同社は自ら調査を行い、いくつかの井戸のデザインの問題点を挙げている。その一つは、centralizer(偏り防止装置)をHalliburtonがアドバイスした数の1/3以下しか使用しなかったこと。
HalliburtonはBPの報告には重要な点の省略や不正確な点が多くあると述べた。
同社はBPの指示通りに井戸の作業をしたことに自信を持っているとし、BPとの契約によれば、報告に書かれている非難からは、完全に保護されていると述べた。
更に、BPは井戸のデザインやテストに関し、完全な責任を有しているとしている。
ゼリア新薬工業は9月7日、デンマークの製薬会社Biofac Esbjerg A/S(バイオファック エスビアウ)の85%の株式を32.3百万ユーロで取得する契約を締結したと発表した。
ゼリア新薬は総合健康企業として、Quality of Lifeの向上を実現すべく、医療用医薬品事業とOTC医薬品を中心としたConsumer Healthcare事業の2つを「車の両輪」としている。
2009年度連結売上高 50,745百万円 うち、医療用医薬品 30,516百万円 消化器系 70% その他 30% Consumer Healthcare 20,027百万円 OTC、医薬部外品 71% サプリメント 20% スキンケア化粧品 8% その他 1%
Consumer Healthcare事業では、コンドロイチンを1959年に医薬品として市場に送り出したが、同成分配合の関節痛内服薬市場では約6割を占めるトップブランドに成長し、2009年度売上高は約73億円と順調な伸びを見せている。
TVで石原良純のコマーシャルをやっている。
ゼリア新薬と東京薬科大学薬学部 伊東晃教授との共同研究で、コンドロイチン硫酸が変形性関節症において軟骨細胞だけでなく、滑膜の細胞に対しても軟骨の破壊を抑制する作用があることが明らかになった。
Biofac Esはそのコンドロイチン原料の専業メーカーで、豚の軟骨からコンドロイチンを抽出し、ゼリアに供給するとともに、高品質なコンドロイチン原料をアメリカを始め世界に供給している。
ゼリア新薬では、Biofac Esの子会社化により、高品質なコンドロイチン原料の安定調達を図るとともに、両社のシナジーを高め、新たなコンドロイチン事業に挑戦するとしている。
なお、創業家のP.Rorvig Holding A/S (社長:Peter Rorvig)が引続きBiofac Es株式の15%を保有し、ゼリアと協働して新規取引先の開拓、既存取引先との更なる取引強化に取り組む。
P.Rorvig Holding A/Sの子会社Biofac A/Sは傘下に下記の各社を持っている。
Biofac Esbjerg A/S コンドロチンの製造 Danipharm A/S ミルクオリゴ糖Lactuloseの製造 A/S Orthana Pepsin、Peptones、Mucinsの製造 Biofac A/S Ejby animal glands(動物の分泌腺)ベースの製品の製造 PharmaDan A/S Danipharm A/Sの関連会社でLactuloseベースの医薬品の製造
ーーー
ゼリア新薬は2008年10月に基礎化粧品「IONA®」で知られるイオナ
インターナショナルの全株式を取得、完全子会社化した。
イオナの完全子会社化で、ゼリア新薬のスキンケア製品に新たな基礎化粧品ラインが加わり、本格的な化粧品分野への参入となった。
ーーー
ゼリア新薬は2009年8月、スイスのTillotts Pharma AGの全株式を1.36億スイスフラン(約120億円)で取得する契約を締結した。
2004年1月にTillottsの炎症性腸疾患治療剤Asacolの日本国内における独占的開発、製造、販売に関する契約を締結し、2009年に潰瘍性大腸炎治療剤としての製造販売承認を取得した。
2007年1月に協和発酵(現協和発酵キリン)と締結した契約に基づき、製造をゼリアが行い、販売は両ルートで行う。
Asacolは、炎症性腸疾患治療剤の最大のマーケットであるアメリカでは約600億円を売上げ、市場の約半分を獲得し同分野でNo.1 の治療剤で、全世界においても、同分野でトップのシェアを獲得している。
Tillotts社買収により、ゼリアはアメリカ、カナダ、ドイツなど9カ国を除き、ヨーロッパならびに中東などを含む世界53カ国のAsacolの権利を取得した。さらにTillottsが進める東南アジアなどを含めた新規地域への拡大を見込む。
さらに、ゼリアの消化器系分野で開発中もしくは販売中の医療用医薬品やOTC医薬品を、Tillottsを通じてヨーロッパ・中東地域で販売することを検討している。
ーーー
ゼリアは2010年度の主要課題として、以下を挙げている。
1.本格的な海外展開の元年
Tillottsの通期寄与により、2010年度の海外売上比率は10%以上に、
更に第7次中計で25%以上を目指す。
(Biofac
Esも寄与)
2.医療用医薬品事業
Asacolを医薬品事業の収益の柱へ
3.Consumer
Healthcare事業
コンドロイチン売上高100億円への挑戦
ヘパリーゼを第2のナショナルブランドへ
* ヘパリーゼは肝機能改善作用のある2成分を配合した滋養強壮薬(ドリンク剤及び錠剤)
2010/9/11 唐辛子の辛味、癌発生を促進?
韓国の建国大学は9月6日、唐辛子の辛い味を出す成分のCapsaicinが、癌の発生を促進させかねないという研究結果を発表した。
同大学特性化学部生命工学科の李基遠教授、ソウル大学の李炯周教授、米ミネソタ大学のAnn M. Bode教授が共同で研究を行い、Capsaicinが癌誘発タンパク質となる上皮成長因子受容体(EGFR)の活性を誘導し、炎症の誘発および癌の発生に重要なタンパク質(COX-2)を発現させることで、皮膚癌などを促進することを、マウス実験で証明した。
特に、痛みを和らげる上で重要なタンパク質TRPV1など、癌抑制物質が相対的に不足した成人の場合、Capsaicinの大量摂取が癌発生を大きく促進しかねないことも分かった。
ただ、Capsaicinだけを調理した場合は、TRPV1遺伝子が存在するマウス、不足したマウスとも癌発生を誘発しなかった。このことから、Capsaicinはそれ自体が癌誘発物質なのではなく、癌発生を促進する機能を備えているということだとしている。
李教授は、唐辛子自体が癌を誘発するものではないと強調、「唐辛子はビタミンCが多く含まれており、ポリフェノールやカロチノイドなどの体に有益に成分が多い」とした。
しかし、「辛い味に慣れている韓国人の場合、チョンヤン唐辛子(韓国産の激辛の青唐辛子)のような辛い唐辛子を長期間大量に摂取すると、正常細胞に炎症が生じ、癌になりかねない」とし、「60歳に発生する癌が40歳から現れることもありうる」と話した。
研究結果はAmerican Association for Cancer Researchの学術誌 Cancer Research の9月号に掲載された。
Cocarcinogenic Effect of Capsaicin Involves Activation of EGFR Signaling but Not TRPV1
http://cancerres.aacrjournals.org/content/70/17/6859
ーーー
これに対し、ソウル大学薬学部の呉禹宅教授は、「現在、学界には唐辛子が癌を抑制するという主張もある」と述べ、過度な拡大解釈を警戒した。
英国のNottingham大学医学部の研究チームは2007年、Capsaicinが癌細胞のミトコンドリアのタンパク質と結合し、癌細胞を殺すという研究結果を、国際学術誌に発表した。チームは人間の肺癌と膵臓癌でテストした。
Capsaicinは正常細胞のミトコンドリアは攻撃せず、癌細胞のミトコンドリアだけを攻撃して癌細胞を実質的に無力化(非活性化)することができる。
チームリーダーのDr Timothy Batesは、「我々は全ての癌の“アキレス腱”を発見した」と述べている。
BBC News 2007/1/9 How spicy foods can kill cancers
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/6244715.stm
但し、Cancer Research UKでは以下の通り述べている。
この研究は、大量の唐辛子を食べても、癌を防いだり、治療に役立つということを示すものではない。
癌のリスクを減らすには、野菜や果物を多く取り、健康なバランスの取れた食事をすることだ。
Rio Tintoと日本の鉄鋼大手は2010年10〜12月期の鉄鉱石価格について、7〜9月期より約13%下げることで合意した。
6〜8月のインド産中国向けのスポット価格の平均値から算出した。
中国での需要減少が要因で、原料用石炭(原料炭)もBHPとの交渉で同7%の値下げで決着している。
鉄鉱石の新しい価格は1トン約127ドル、原料炭は約210ドル。
参考 2010/6/12 鉄鉱石価格、7〜9月期 23%値上げ
鉄鉱石と原料炭の価格が4半期決めに変更となったのに伴い、日本の鉄鋼メーカーと自動車メーカーは、鋼材価格交渉で、これまでの年契約を見直し、半期ごとの改定で合意している。
下期の鋼材価格交渉のベースは10〜12月期と2011年1〜3月期の原料価格となる。
2011年1〜3月期の鉄鉱石価格は、9〜11月の中国向けスポット価格が基準となるが、一時120ドル台に下がった価格は足元は150ドル程度で推移しており、先行きの不透明感は強い。
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