日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめ
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2002/7/21 公正取引委員会            

大日本インキ化学工業株式会社と旭化成ライフ&リビング株式会社による二軸延伸ポリスチレンシート事業の統合について
http://www2.jftc.go.jp/pressrelease/04.july/04072102.pdf

 公正取引委員会は,当事会社である大日本インキ化学工業株式会社(以下「大日本インキ」という。)及び旭化成ライフ&リビング株式会社(以下「旭化成L&L」という。)から,両社が予定している二軸延伸ポリスチレンシート(注)事業(以下「OPSシート」という。)の統合について事前相談があったので,その検討を行ってきた。
 当委員会は,相談があった内容に関する当事会社の提出資料等及び当事会社が講ずることとしている措置を前提とすれば,本件行為は,独占禁止法の規定に違反するおそれはないものと認められる旨,当事会社に回答を行った(詳細は,別添参照)。
 なお,本件は,「企業結合計画に関する事前相談に対する対応方針」(平成14年12月11日)に基づき,書面審査に加えて詳細審査を行い,その審査結果を公表するものであるが,当事会社からの求めにより詳細審査の回答期限を延長していたものである。

(注)OPSシートは,エチレン及びベンゼンを原料として生産されるスチレンモノマーを重合して製造されるポリスチレン(以下「PS」という。)を熱成形加工してシート状にしたものであり,透明性及び光沢に優れ,かつ,薄くて強度がある容器が作りやすい等の特徴があり,用途は透明蓋等の透明食品包装の原材料として使用されている。

第1 本件行為の概要
  大日本インキ及び旭化成L&Lは,平成16年中に,共同出資会社を設立し,当事会社のOPSシートの製造販売に係る部門を譲渡することによって事業統合することを計画している。
   
第2 独占禁止法上の考え方
一定の取引分野
   ユーザーにとって機能・効用が同種であるか否かなどの観点から検討した結果,OPSシート全体の製造販売分野を一定の取引分野と画定した。
   
当事会社が申し出た問題解消措置
   本件について,当事会社に対し,統合後の市場における地位が著しく高まる上,市場に十分な供給余力がなく,輸入,参入の蓋然性も認められない等の問題点がある旨指摘したところ,当事会社は,以下の問題解消措置を採ることを申し出てきた。
(1) OPSシート製造設備の譲渡等の措置
 競争業者に,製造設備の一部を譲渡する措置を講じる。
 また,設備譲渡先が見つからない等譲渡が行えない場合には,生産費用に相当する価格での長期引取権を設定する措置を講じる。
   
(2) 海外メーカーへの技術支援
 海外メーカーの品質向上を図るため,技術等の支援を実施することにより,輸入を促進するための措置を講じる。
   
(3) ユーザーによる新規参入に対する支援
 ユーザー側の技術的参入障壁を除去するため,ユーザーの内製化意思決定後の技術支援等の新規参入を促進するための措置を講じる。
   
(4) 情報遮断措置
 PS部門の役員と新会社の役員の兼務禁止等の情報遮断措置を講じる。
   
(5) 当委員会への報告等
 上記問題解消措置に対する履行状況等について当委員会に報告を行う。
   
独占禁止法上の評価
   本件の取引分野については,@OPSシートメーカー間には品質差がないこと,AOPSシート以外の透明食品包装資材の原材料として,A−PETシート等が存在しており,A−PETシートについては,一部代替可能な用途があり,その範囲で限定的ではあるが当該市場からの競争圧力が認められること及びB成型品市場での競争は活発に行われており,OPSシートの用途が透明食品包装資材の原材料に限られていることから,当事会社は取引先を失ってしまうような方法で価格交渉を行うことは困難な状況にあると考えられる中で,成型品市場における活発な競争に伴う価格引下げ要求があることから,限定的ではあるが川下市場からの競争圧力が認められる。
 こうした市場の状況を前提として,当事会社が申し出た問題解消措置のうち,設備譲渡又は長期引取権の設定については,これが実行されれば,他社の供給余力が増大し,当事会社が単独で市場を制限することとなるおそれのある行動を採ることは困難になると評価できる。
 また,海外メーカーへの技術支援についても,措置の内容がユーザーの懸念する表面処理の技術に係る支援等を含んでいるため,日本のユーザーの求める品質の製品を供給できるようになることにより輸入促進効果が期待でき,当事会社が単独で又は他社と協調して市場を制限することとなるおそれのある行動を採ることは困難になると評価できる。
 さらに,ユーザーによる新規参入に対する支援については,参入に当たっては投資コストが多大であるだけではなく,技術面での障壁もあり,投資リスクが相当大きいことから,本措置により,直ちに新規参入者が現出することは難しいと考えられるものの,少なくとも技術面での参入障壁が低くなれば,市場の状況に応じて,新規参入者現出の蓋然性が高まる環境が整うこととなることについて一定の評価は可能である。
   
第3 結論
   当委員会は,当事会社が申し出た問題解消措置も含めて総合的に勘案すれば,本件統合により,当事会社が単独で又は他社と協調して,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。
 なお,今後,当事会社が申し出た問題解消措置の履行を確実なものとするため,必要に応じて,当事会社から報告を受けること等により,その履行状況を監視するとともに,一定の取引分野における競争状況についても十分に把握・監視していくこととする。
   
大日本インキ化学工業株式会社と旭化成ライフ&リビング株式会社による二軸延伸ポリスチレンシート事業の統合について(回答)
   
第1 当事会社
   大日本インキ化学工業株式会社(以下「大日本インキ」という。)は,二軸延伸ポリスチレンシート(以下「OPSシート」という。)等の製造販売業を営むものである。
 旭化成ライフ&リビング株式会社(以下「旭化成L&L」という。)は,OPSシート等の製造販売業を営むものである。
   
第2 統合の概要及び関係法条
   大日本インキ及び旭化成L&Lは,平成16年中に,共同出資会社を設立し,同社に当事会社のOPSシートの製造販売に係る部門を譲渡することによって事業統合することを計画している。
 本件統合の関係法条は,独占禁止法第10条及び第16条である。
   
第3 統合の目的
   当事会社は,OPSシートの価格下落により厳しい事業環境にあるため,生産効率・輸送効率の向上等といった更なる合理化を図る必要があることから,本件行為を計画したとしている。
   
第4 一定の取引分野
製品の概要
 OPSシートは,エチレン及びベンゼンを原料として生産されるスチレンモノマーを重合して製造されるポリスチレン(以下「PS」という。)を熱成形加工してシート状にしたものであり,透明性及び光沢に優れ,かつ,薄くて強度がある容器が作りやすい引っ張り強さを有している。
 OPSシートのほとんどすべては,透明蓋,トレー類,フードパック等の透明食品包装資材に成型するための原材料として使用されている。
   
一定の取引分野
 一定の取引分野の画定については,ユーザーにとって機能・効用が同種であるか否かなどの観点から検討した。
 OPSシートの用途のほとんどすべては,透明食品包装資材の原材料であるところ,当該用途に用いる原材料としては,OPSシートのほかに,A−PETシート(注)等も存在するが,成型品として加工された場合には,それぞれの特性に応じた用途があり,これらのシートで代替できるOPSシートの用途は一部に限られており,これら製品の機能・効用がOPSシートと同種とまでは認められないこと(後記第5−3参照),また,成型品の種類ごとに使用されるOPSシートの種類には特に違いはないことから,OPSシート全体の製造販売分野を一定の取引分野と画定した。また,地理的市場は,全国市場として画定した。


(注) A−PET(アモルファス・ポリエチレンテレフタレート)シートは,ポリエチレンテレフタレートを非結晶化状態にした樹脂をシート状にしたものである。
   
第5 調査事実
市場の状況
(1) 市場シェア
 OPSシートの国内需要は,これまで拡大してきているが,今後は大幅な成長は見込めないとされている。平成14年度における市場規模は約270億円である。
 本件統合により,当事会社の合算販売数量シェア・順位は約50%・第1位となる
(統合後のHHI 約3400,HHIの増加分約1200)。
 
順位 メーカー シェア
A社 約30%
大日本インキ 約25%
旭化成L&L 約25%
B社 約10%
C社 約5%
D社 約5%
輸入品 0〜5%
(1) 当事会社合算 約50%
合計 100%

(注1)自社の関連会社で自家消費している場合があり,上記シェアは当該自家消費分を除いて算出したものである。
(注2)四捨五入しているため,合計は一致しない。
(出所:当事会社提出資料を基に当委員会にて作成)

(2) 供給能力及び新規参入の有無
 OPSシートの需要は,今後も若干の増加又は横ばい傾向と予測されるところ,競争業者の供給余力は十分でなく,また,競争業者又は成型品メーカー等による新たな設備投資又は新規参入は期待できない状況である。
   
(3) 輸入
 国内販売量全体に占める輸入の割合は極めて少なく,輸入品は国内品と品質差(表面処理技術,厚みムラ,異物混入等)があること等から,使用できる用途が限られており,現状において十分な輸入圧力が存在するとは認められない。
   
取引の状況
(1) ユーザーの取引先変更の容易性
 OPSシートの直接のユーザーは成型を行う成型品メーカーである。OPSシートには,メーカー間の品質差,使い慣れの問題もないことから,ユーザーにとって取引先の変更は容易であり,成型品メーカーは,より低廉な価格での調達を重視して複数購買を行っている。
   
(2) ユーザーの価格推移
 OPSシートの価格は低下傾向にあり,また,OPSシートの価格からOPSシートの原料であるPSの価格を差し引いたスプレッド幅は継続して縮小している。
   
競合品からの競争圧力
 OPSシート以外の透明食品包装シートとして,特にA−PETシートとの代替関係について検討した。
 成型品メーカーは,OPSシートだけではなく,A−PET等の他のシートを用いた成型も行っているものがほとんどであり,最終ユーザーである量販店,コンビニエンスストア等の求める成型品の用途に応じてシートの種類を決定している。
 しかし,A−PETシートは,透明食品包装に用いることができる点では基本的にはOPSシートと機能・効用は類似しているが耐熱性等の特性が異なることから,成型品として求められる機能に応じて成型品メーカーはこれらの素材を使い分けており,また,両素材の価格変動も関連性があるとは認められなかったことから,A−PETシートとOPSシートが単一の商品市場を構成するとは認められない。しかしながら,A−PETシートがOPSシートの用途の一部を代替できる部分については,競争圧力となり得る。
   
川下市場からの競争圧力
 OPSシートについては,直接のユーザーである成型品メーカー及び最終ユーザーである量販店,コンビニエンスストア等の二段階からの競争圧力の有無について検討した。
 成型品メーカー間の競争が活発に行われており,そのユーザーである量販店,コンビニエンスストア等の価格交渉力は強く,そのため,成型品メーカーは,OPSシートの価格を安く調達するために複数購買を実施しているが,成型品メーカーについては,必ずしもOPSシートメーカーに対して優位な立場で価格交渉を行うことができるとは認められない。
 ただし,OPSシートメーカーにとって,OPSシートの用途がほぼ透明食品包装シートに限られていることから,当事会社が取引先を失ってしまうような方法で価格交渉を行うことは困難であり,これはOPSシートメーカーが自由に価格を引き上げることをある程度妨げる要因となり得る。
   
川上市場の状況等
 OPSシートの製造原価に占めるPSの割合は大きく,川上市場であるPSメーカーとOPSシートメーカー間の取引関係をみると,本件統合により製造費用の共通化が進むおそれがある。
   
第6 当事会社が申し出た問題解消措置
   本件について,当事会社に対し,統合後の市場における地位が著しく高まる上,市場に十分な供給余力がなく,輸入,参入の蓋然性も認められない等の問題点がある旨指摘したところ,当事会社が,問題解消措置等を検討するため,詳細審査の回答期限の延長を求めてきたので,当委員会はこれを了承した。その後,当事会社は以下の問題解消措置を採る旨申し出てきた。
   
OPSシート製造設備の譲渡等の措置
 本件行為後のシェアがかなり高くなり,また,同業他社の供給余力が欠如しているという懸念に対して,生産能力9,000トンの設備を譲渡する。譲渡の候補対象は,運転・管理面や実効性を考慮して同業他社とする。
 また,設備譲渡ができない場合又は設備譲渡を望むメーカーが現れない場合には,生産費用に相当する価格での長期引取権(9,000トン)を設定する措置を講じる。
   
海外メーカーへの技術支援
 海外メーカーの品質向上を図るため,塗布剤のノウハウ等の防曇技術の指導,厚みムラ,異物の混入を防ぐための品質管理の指導を中心に相手方の求めに応じて技術等の支援を実施することにより,輸入促進措置を講じる。
 支援先は,OPSシート製造設備を導入している海外メーカーのうち,当事会社の支援が可能な日本製OPSシート製造設備を保有しているメーカーとする。
   
ユーザーによる新規参入に対する支援
 ユーザー側の技術的参入障壁を除去するため,ユーザーの内製化意思決定後の技術支援等の新規参入を促進するための措置を講じる。
   
情報遮断措置等
 PS部門の役員とOPSシート新会社の役員の兼務等を禁止する。
   
当委員会への報告等
(1) コンプライアンス組織の設置
 以上の措置を徹底するために,監査役監査に当該措置のチェック機能を含ませる。
   
(2) 当委員会への報告
 問題解消措置に対する履行状況について当委員会に報告する。また,新会社の販売状況及び当該市場の競争の実態については,当委員会からの求めに応じて,その都度報告する。
   
第7 独占禁止法上の評価
1  問題解消措置の評価
(1) OPSシート製造設備の譲渡等の措置
 設備譲渡又は引取権設定の対象となる生産能力9,000トンの譲渡等がなされれば,他社に供給余力が生まれることになり,ユーザーにとって代替供給先を確保しやすくなると評価できる。
 この点に関し,設備譲渡については,関心を有している者は競争業者の一部であるが,少なくとも引取権については,引取り義務がないこともあり,各社とも前向きに検討しているとのことであった。
   
(2) 海外メーカーへの技術支援
 当事会社が行う技術支援の内容には,ユーザーが指摘する表面処理等の技術が含まれており,ユーザーも品質差がクリアされれば,輸入品を積極的に採用するとしている。
 したがって,実際に海外メーカーが支援を受け入れた場合には,輸入が促進され得ると評価できる。
   
(3) ユーザーによる新規参入に対する支援
 成型品メーカーによるOPSシート製造への参入障壁は,設備投資に要する投資コストが多大であることだけではなく,技術面での障壁もあり,それらによる投資リスクが相当大きいことが要因であると考えられる。したがって,本措置により,直ちに新規参入者が現出することは難しいと考えられるものの,少なくとも技術面での参入障壁が低くなれば,市場の状況に応じて,新規参入者現出の蓋然性が高まる環境が整うこととなることについて一定の評価は可能である。
   
(4) 情報遮断措置等
 情報遮断の措置等は実行されれば一定の評価はできる。
   
2 総合評価
   本件の取引分野については,@OPSシートメーカー間には品質差がないこと,AOPSシート以外の透明食品包装資材の原材料として,A−PETシート等が存在しており,A−PETシートについては,一部代替可能な用途があり,その範囲で限定的ではあるが当該市場からの競争圧力が認められること及びB成型品市場での競争は活発に行われており,OPSシートの用途が透明食品包装資材の原材料に限られていることから,当事会社は取引先を失ってしまうような方法で価格交渉を行うことは困難な状況にあると考えられる中で,成型品市場における活発な競争に伴う価格引下げ要求があることから,限定的ではあるが川下市場からの競争圧力が認められる。
 こうした市場の状況を前提として,当事会社が申し出た問題解消措置のうち,設備譲渡又は長期引取権の設定については,これが実行されれば,他社の供給余力が増大し,当事会社が単独で市場を制限することとなるおそれのある行動を採ることは困難になると評価できる。
 また,海外メーカーへの技術支援についても,措置の内容がユーザーの懸念する表面処理の技術に係る支援等を含んでいるため,日本のユーザーの求める品質の製品を供給できるようになることにより輸入促進効果が期待でき,当事会社が単独で又は他社と協調して市場を制限することとなるおそれのある行動を採ることは困難になると評価できる。
 さらに,ユーザーによる新規参入に対する支援については,参入に当たっては投資コストが多大であるだけではなく,技術面での障壁もあり,投資リスクが相当大きいことから,本措置により,直ちに新規参入者が現出することは難しいと考えられるものの,少なくとも技術面での参入障壁が低くなれば,市場の状況に応じて,新規参入者現出の蓋然性が高まる環境が整うこととなることについて一定の評価は可能である。
   
第8 結論
   当事会社が申し出た問題解消措置も含めて総合的に勘案すれば,本件統合により当事会社が単独で又は他社と協調して,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと考えられる。
 なお,今後,当事会社が申し出た問題解消措置の履行を確実なものとするため,必要に応じて,当事会社から報告を受けること等により,その履行状況を監視するとともに,本件の一定の取引分野における競争状況についても十分に把握・監視していくこととする。

 


2004/7/23 公正取引委員会

電力用電線事業の統合について
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/04.july/04072304.pdf

 公正取引委員会は,当事会社である住友電気工業株式会社(以下「住友電工」という。)及び日立電線株式会社(以下「日立電線」という。)から,また,古河電気工業株式会社(以下「古河電工」という。)及び株式会社フジクラ(以下「フジクラ」という。)から,それぞれ,電力用電線(注)事業の統合について事前相談があったので,その検討を行ってきた。
 当委員会は,相談があった内容に関する当事会社の提出資料等を前提とすれば,本件統合は,
独占禁止法の規定に違反するおそれはないものと認められる旨,当事会社に回答を行った(詳細は,住友電工及び日立電線の統合は別添1,古河電工及びフジクラの統合は別添2参照)。
 なお,本件は,「企業結合計画に関する事前相談に対する対応方針」(平成14年12月11日)に基づき,書面審査に加えて詳細審査を行い,その審査結果を公表するものである。

(注) 電力用電線は,電気エネルギーを輸送することを役割とする電線であり,送電用電線と配電用電線に大別される。

種類 説明
送電用電線 発電所から消費地へ電力を送る電線
 架空送電線 発電所で発電された電気を消費地の変電所(超高圧変電所)
に送るために鉄塔で空中に架設される電線
   鋼心アルミより線(ACSR) 送電用の電線
   光ファイバ複合架空地線
   (OPGW)            
架空地線(避雷針の役目)と光ファイバを内蔵した通信線の
機能を併せ持った電線
 66KV以上の高圧・超高圧電力 地中や海底に敷設される高圧・超高圧の電線
配電用電線 変電所で所定の電圧にまで下げられた電気を工場,家庭等の
引込口まで配る中低圧の電線
     
 本件各統合の概要
   住友電工及び日立電線の事業統合
 当事会社は,平成13年に電力用電線の製造,開発設計及び海外販売について統合したが,その後の大幅な需要減により合理化効果の達成が困難な状況にあることから,合理化効果のより一層の達成のために,電力用電線の販売事業を統合することを予定している。
     
   古河電工及びフジクラの事業統合
 当事会社は,平成13年に電力用電線事業のうち,66KV以上の高圧・超高圧電力ケーブルに係る技術提携及び海外販売事業について統合したが,大幅な需要減により収益が悪化していることから,一層のコストダウンを図るために,電力用電線の製造事業及び販売事業を統合することを予定している。
     
 独占禁止法上の考え方
   一定の取引分野
 電力用電線の性能,用途等が基本的に異なることから,本件における一定の取引分野の商品の範囲は,ACSR,OPGW,66KV以上の高圧・超高圧電力ケーブル及び配電用電線のそれぞれの製造・販売分野と画定した。
     
   当事会社のシェア・順位等
 各取引分野における当事会社のシェア・順位等は次のとおりである。
   
取引分野 住友電工・日立電線 古河電工・フジクラ HHI
ACSR  約40% 第1位  約30% 第2位 約3200
OPGW             約40% 第2位  約50% 第1位 約4000
6 6 K V 以上の高圧・
超高圧電力ケーブル
 約40% 第1位  約35% 第2位 約3600
配電用電線  約25% 第2位  約30% 第1位 約1850
   独占禁止法上の評価
  (1) ACSR,OPGW及び66KV以上の高圧・超高圧電力ケーブル
 いずれの市場においても需要が減少している中で,次のことが認められる。
   ア 取引先変更の容易性
     型式審査に合格しているメーカー間には製品の品質差はないため,主たるユーザーである電力会社の取引先変更は容易であり,実際に取引先を変更している事実も認められる。
   イ 電線メーカーの供給余力
     いずれの製品においても需要減が認められ,また,今後も需要の回復は見込めない状況にあることから,電線メーカー全体で十分な供給余力がある。
   ウ 電力会社の価格交渉力
     電力会社は,それまでは個別物件ごとに行っていた発注を,年間発注を基本とする競争見積り等による単価契約に変更し,電線メーカー各社を競争させている。
 また,最も安価な価格を提示した電線メーカーの見積価格等で契約するのではなく,アルミ又は銅の国際市況をベースにして,自社で単価を積算して,当該積算単価により近い金額にまで個々に契約金額の引下げ交渉を行い,値下げをさせている事実が認められる。さらに,価格に応じてメーカーごとの購入割合を変動させるなどして,各電力会社とも電線メーカーとの取引シェアがおおむね毎年変動している事実も認められる。したがって,電力会社は強い価格交渉力を有している。
     
  (2) 配電用電線
 全国的に事業を行っている有力な競争業者のほか地域ごとに多数の電線メーカーが存在しており,電線メーカー間には品質差もなく,また,海外メーカーからの輸入も行われており,取引先変更は容易である。さらに販売部門統合の対象である電力会社は強い価格交渉力を有していると認められる。
     
結論
 以上のことから,当委員会は,住友電工及び日立電線,古河電工及びフジクラの統合により,いずれも当事会社が単独で又は他社と協調して,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

 


September 21, 2004 ASIAN CHEMICAL NEWS

Japan's FTC approves polyolefins merger

A polyolefins joint venture between Idemitsu Kosan (35%) and Mitsui Chemicals (65%) has been approved by Japan's Fair Trade Commission. The companies polyolefins businesses, at Chiba, will merge in Apr 2004, and the joint venture will be capitalised at Yen 20 bn. Idemitsu Petrochemicals was recently integrated into Idemitsu Kosan (1 M tonnes/y ethylene, 470,000 tonnes/y paraxylene, 550,000 tonnes/y styrene, 47,000 tonnes/y polycarbonate at Chiba and Tokuyama). At Chiba, Idemitsu Kosan has 130,000 tonnes/y HDPE, 370,000 tonnes/y PP, and 60,000 tonnes/y LLDPE.


平成16年9月28日 公正取引委員会

富士製紙株式会社に対する勧告について
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/04.september/04092805.pdf

 公正取引委員会は,富士製紙株式会社(以下「富士製紙」という。)に対し調査を行ってきたところ,下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する事実が認められたので,本日,同法第7条第2項の規定に基づき,勧告を行った。
 なお,本件は,平成15年6月に下請法が改正されて以降,初めての勧告公表事案である。

1 関係人の概要

事業者名 所在地 代表者
富士製紙株式会社 東京都中央区銀座五丁目12番8号 代表取締役
中嶋宣男

1) 違反事実の概要
 富士製紙は,同社が販売する板紙,特殊紙等の製造に当たり,原料であるパルプの仕込み作業,断裁作業等を下請事業者に委託しているところ,収益の改善を図ることを目的として,「協力金」と称して下請代金の額に一定率を乗じて得た金額を下請事業者に支払うべき下請代金から差し引くことにより,下請事業者の責に帰すべき理由がないのに,あらかじめ定めた下請代金の額から減額して下請代金を支払っていた。

(2) 勧告の概要

 富士製紙が,平成15年6月から平成16年5月の支払時に,協力金として下請代金の額から減じていた額(総額24,599,623 円)を下請事業者(15社)に対して速やかに支払うこと
   
 今後,下請事業者の責に帰すべき理由がないのに,下請代金の額を減じない旨を下請事業者に周知するとともに,社内体制の整備など必要な措置を講じその内容を自社の役員等に周知すること

 


日本経済新聞 2004/10/6                   経緯

臨時国会に改正案 公取委、成立へ譲歩
 反発配慮 抑止力に限界 
 独禁法課徴金上げ 大企業10%、中小4%に

 政府は談合の取り締まり強化策を柱とする独占禁止法改正案を、12日に始まる臨時国会に提出する。違反事業者への課徴金の引き上げが焦点だったが、上げ幅は公正取引委員会が目指した現行の2倍程度を圧縮することで与党と合意した。経済界もひとまず評価しており、改正案は成立する見通しだ。一方で、欧米よりまだ低い課徴金水準では「違反の抑止力は不十分」との声も残る。

独禁法改正案の骨子(カッコ内は現行)

▽課徴金水準を引き上げ
 ・製造業など
大企業10%(6%)
           中小企業4%(3%)
 ・卸売業=大企業2%(1%)
        中小企業1%(1%)
 ・小売業=大企業3%(2%)
        中小企業1.2%(1%)
▽課徴金の算出期間の拡大見送り
 ・最長3年間(3年間)
▽課徴金の減免制度導入
 ・違反行為を自主申告した企業は先着3社まで減免
▽見直し規定盛る
 ・施行後2年以内に、課徴金制度、違反行為の排除を命令する手続き、
  審判手続きのあり方を検討し、必要な措置をとる
▽公取委の調査機能を強化
 ・犯罪調査権限を付与

2005/4/20 日本経済新聞夕刊

談合課徴金10%に上げ 改正独禁法が成立

 談合やカルテルの取り締まりを強化する改正独占禁止法が20日の参院本会議で可決、成立した。独禁法の抜本改正は1977年以来。

課徴金 製造業の大企業の場合で製品売上高の10%(現在は6%)
      中小製造業の課徴金も3%から4%に引き上げる。

基本 大企業 中小企業
製造業、ゼネコンなど 10%(6%)  4%(3%)
卸売業  2%(1%)  1%(1%)
小売業  3%(2%)  1.2%(1%)

      「再犯企業」は課徴金を5割増し
        (過去10年以内に独禁法違反があった製造業の大企業は課徴金が15%)
         *例 鉄鋼メーカー6社 ステンレス鋼板カルテル事件で課徴金(2005/3)

自主申告した企業の課徴金を減免する制度
     
公取委が立ち入り検査をする前に、
        最初に申し出た企業は課徴金を全額免除、
        2番目は課徴金額の50%(製造業大企業の場合5%に)、
        3番目は30%割り引く(同上 7%)。

調査権限
     刑事告発のために、公取委が裁判所の令状を持って強制的に立ち入り検査できるようにする。