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日本経済新聞 2003/8/26
三井物産 ナノテク素材を量産 ナノポーラス バイオ燃料生産向け
微細な孔(あな)が無数に開いているナノポーラスというナノテク素材の量産に乗り出す。2005年をメドに、筒状の同素材を今の100倍にあたる月間1万本の量産体制に移行する。
BNRI(バイオ・ナノテック・リサーチ・インスティチュート/ナノポーラスの研究)
三井物産(株)ナノテク事業室website 2002年2月掲載
http://www.mitsui.co.jp/tkabz/swnth/challenge/nano01.html
ナノテクロノジーが新しい産業を生む
21世紀型研究組織への挑戦
2001年8月、ナノテクノロジー(以下ナノテク)を基盤としたビジネス創出を目指す組織として誕生したのが、三井物産化学品グループ無機・肥料本部ナノテク事業室だ。
商社が得意とする「仕組みづくり」をテクノロジーの産業化に応用
三井物産は、まず高度分離と反応・分離同時プロセスを可能とする「ナノポーラス」および、次元の機能発現を目指した新規炭素体「ナノカーボン」を手始めとして、事業化へのタイムラインを図のように設定し、研究開発とその事業化推進サポートのための「仕組みづくり」に乗り出した。2001年7月には「ナノポーラス」と「ナノカーボン」の研究開発会社を2社設立する第3段階のパイロットステージまで進んだ。1社がBNRI(バイオ・ナノテック・リサーチ・インスティチュート/ナノポーラスの研究)、もう1社がCNRI(カーボン・ナノテク・リサーチ・インスティチュート/カーボン材料の定量生産・応用技術開発)である。
研究開発会社設立
パイロットステージから事業化へ
研究成果が用途という出口を見つけ、具体的な成果が挙がっているものを紹介しよう。
BNRIは「ナノポーラス膜」を利用した分離・脱水の研究を進めている。バイオマスエタノールは、トウモロコシやサトウキビを発酵させて製造するエタノールだが、発酵後に得られる水溶液を熱して「蒸留精製」しなければ、ガソリンに混合可能な無水エタノールを得ることができなかった。この「ナノポーラス膜」を組み込んだ新システムは、発酵後水溶液を分子レベルで「ろ過」することによってバイオマスエタノールを生産し、従来技術よりも精製コストを20〜30%抑えるものである。
今後の展開〜キーワードはSerendipity〜
三井物産は、総合商社の営業力をはじめとした「総合力」とR&Dを行う戦略子会社の「技術力」との両輪で、ナノテクを基盤に、環境・エネルギー問題の解決に貢献しながら、新産業を創出していく
http://www.mitsui.co.jp/tkabz/inve/pdf/011220.pdf
http://www.mitsui.co.jp/tkabz/inve/pdf/011220.pdf