日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめ
た個人のデータベースです。

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日本のPO業界                          

能力

各社関連記事

製法

併産法のプラント(世界)    

2013/11/29  住友化学、エチレン停止に合わせ日本オキシランのSM、PO、PGを2015年に停止

BASFのH2O2法Propylene Oxide    → ダウと共同研究

   BASF and Dow advance the development of new PO production process

Dow & BASF to construct a world-scale PO, using HPPO technology

BASF とダウ・ケミカル、プロピレンオキサイドの新生産プロセスを共同開発

BASF, Dow, Solvay partnership breaks new ground with innovative HPPO technology in Antwerp

World's largest propylene oxide plant of Dow and BASF finishes start-up phase

EvonikDegussa and Uhde H2O2

中国人チームのH2O2法(Nature誌)

Another direct oxidation route to propylene oxide (日触)

Shell Develops a Route to Propylene Oxide from Cumene

住友化学、タイPTTグローバルケミカルにプロピレンオキサイド製造技術をライセンス

住友化学と KELLOG、住化法低環境負荷型プロピレンオキサイド技術のライセンスで提携


プロピレンオキサイド(PO)生産能力       PPG能力

会社名 工場 生産能力   PG能力

旭硝子

鹿島

  110,000

塩素法

42,000

昭和電工

川崎

  (31,000)

休止

+

トクヤマ

徳山

   79,000
→89,000
(2014/8)

塩素法

+

日本オキシラン

千葉

  181,000

SM併産法(ハルコン法)

(100,000)
住友化学 千葉

200,000

新法(単産法)  
旭電化 千葉 + +

33,000

三井武田ケミカル 名古屋 + +

7,000

三井化学

名古屋

  (36,000)

休止

+

 日本オキシラン:当初 ARCO/ ハルコン 50%、住友化学 30%、昭和電工 20%
            → ライオンデル・ケミカル50%、住友化学
 44.76%、昭和電工 5.24%
            
→ 2002/6    Lyondell 50%/住友化学 50%
            → 2003/3/31 Lyondell 40%、
住友化学 60%

  住友化学は2013年11月27日、60%出資する日本オキシランについて、残り40%を出資するLyondell  Centennialから保有株式40%全てを取得し、住友化学の完全子会社としたあと、2015年5月をめどにSM、PO、PGの製造・販売を終了すると発表した。

2013/11/29  住友化学、エチレン停止に合わせ日本オキシランのSM、PO、PGを2015年に停止


製法                Another direct oxidation route to propylene oxide

1.塩素法

プロピレン+塩素 → クロルヒドリン

クロルヒドリン+苛性ソーダ → PO +塩化ナトリウム

2.ハルコン法

    プロピレン+エチルベンゼン(or イソブタン)→PO+ SM (or MTBE)

3.住化新法           

    プロピレン+キュメン →PO
                       +クミルアルコール(→
キュメン

4.H2O2プロセス  BASF  中国

 


住友化学資料 2003/7-8

 

(科学技術動向 2001年12月号 文部科学省 科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター)

新しいプロピレンオキサイド製造法

 プロピレンオキサイドは、エラストマー(ゴム状弾性を有する物質)、塗料、接着剤などの原料として我が国で年間約30万トン生産されている工業上重要な化合物であるが、住友化学工業が開発した新しい製造法がC&EN,22 Oct.2001で紹介された。
 
 プロピレンオキサイドは現在、下記の2つの方法で製造されているが、何れも大量の併産物が生成する為に併産物の需要や価格動向の影響を受け易かった。

1. プロピレンに塩素と水を反応させ、生成したクロルヒドリンを水酸化カルシウム或いは水酸化ナトリウムで処理する方法。(併産物:塩化カルシウム或いは塩化ナトリウム)
   
2. イソブタン或いはエチルベンゼンを酸素と反応させて得られたハイドロパーオキサイド(過酸化物)でプロピレンを酸化する方法。(併産物:ターシャリーブチルアルコール或いはスチレン) *日本オキシランはSM併産

 住友化学工業は上記2の方法でイソブタン或いはエチルベンゼンの代わりにイソプロピルベンゼン(クメン)を用い、生成するクミルアルコールを脱水/水素化してクメンに戻すことにより、併産物を生成しない新しいプロセスの構築に成功した。住友化学工業はこの新しいプロセスを採用したプラントを2003年に我が国で稼動させるとしている。

 なお、併産物を生成しないプロセスを目指し、過酸化水素によるプロピレンの酸化およびプロピレンの酸素による直接酸化が検討されているが、過酸化水素の価格が高い、或いは反応の選択性が著しく低いなどのために開発には成功していない。


併産法のプラント(世界)

  USA

Company Plant Capacity MM lbs 併産品
Lyondell Bayport, Tex
Channelview, Tex *
      1,200
      1,160
tert-butyl alcohol
SM
Huntsman Port Neches, Tex        525 MTBE
Dow ** Gulf Coast     (250,000t) SM (575,000t)

* Originally Oxirane Chemical Company, a joint venture of Halcon International and ARCO Chemical was established in 1966. 
On November 16, 1999 Lyondell Chemical Company announced that it has reached agreement with Bayer to sell its worldwide polyols business, along with an (a 36 percent) equity interest in Lyondell's U.S. propylene oxide operations.
As part of the transaction, Lyondell and Bayer have agreed to pursue a
joint venture for the construction of PO- 11.

** 当初2004年央完成予定→2001/3 延期発表
   なお Dow は下記プラント(塩素法)をもつ。    
PG: the largest producer
     Freeport, Tex.  1400 MM lbs
     Plaquemine, La   695
MM lbs

     
Aratu (Brazil)    90千トン
     
Stade, Germany   550590千トン

Lyondellは、PO/TBA設備で TBA→MTBEとしてガソリンにブレンドしていたが、
(2006/5のMTBE規制により)現在は TBA→ETBEにプロセス変更した。

ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)とは
・ エタノールと石油系ガスであるイソブテンを合成して生成する物質。
   C2H5OH  +  CH2=C(CH3)2 → (CH3)3COC2H5
   (エタノール)  (イソブチレン)   (ETBE)

・ 現行の品質確保法上では、ガソリンの含酸素率の上限値が1.3%となっていることから、ETBEでは7%程度まで混入可能と見られる。

欧州

Company Plant Capacity 併産品
Lyondell * Fos-Sur-Mer, France
Botlek, the Netherlands
     220,000t
     250,000t
MTBE 610,000t
TBA
  650,000t
PO11
(Lyondell/Bayer
 50/50) 
Maasvlakte, the Netherlands     285,000t SM   640,000t
ELLBA CV **
(Shell/BASF 50/50) 
Moerdijkthe Netherlands      250,000t SM  565,000t

* Fos-sur-Mer (started in 1988) has an annual production capacity of 220,000 tonnes of PO, 610,000 tonnes of MTBE and 153,000 tonnes of polyols.

The Botlek plant (started in 1972) has an annual production capacity of 250,000 tonnes of PO and 650,000 tonnes of TBA. Most of this output is converted on site into secondary products, including 590,000 tonnes of MTBE.
 A world-scale butanediol (BDO) plant is now under construction, scheduled for start-up in early 2002. The plant will have an annual production capacity of 126,000 tonnes of BDO, 20,000 tonnes of MPDiolR glycol and 16,000 tonnes of allyl alcohol.   http://www.lyondelleurope.com/

**当初 Basell CV
その後設立されたBASFとシェルのポリオレフィン合弁会社、「バセル・ポリオレフィン社」の持株会社である「バセル社(Basell CV)」(本社・オランダ、ホフドルプ)との混同を避けるためにとられた措置

Sasol Looks at Propylene Oxide and Propylene Glycol Ethers Production in South Africa
(The new process technology developed by Degussa AG and Uhde GmbH employs hydrogen peroxide to oxidise propylene)

アジア

    Capacity 併産品
日本オキシラン 千葉  181,000t   SM 405,000t
SKC Chemical (SKオキシケム*) Ulsan, Korea  160,000t   SM 300,000t
Seraya Chemicals Singapore
(Shell 100%) **
Singapore  220,000t   SM 440,000t
ELLBA Eastern Private Ltd.
(Shell/BASF 50/50)
Singapore  250,000t   SM 565,000t

* Originally a joint venture contract of Yukong Co., Ltd. and ARCO Chemical Co

** 当初三菱化学が30%出資
セラヤ・ケミカルズ社の所有株式をシェル社に売却すると同時に1期・2期分を合わせたSM38万トン分の建設費相当額を預託し、引取権を確保。POの引取権をシェル社に譲渡。
三菱発表 参照)


各社関連記事

 昭和電工住化新法旭硝子トクヤマ

 住友化学、NOCの出資比率でライオンデルと協議

 → 住友化学、アジア・中東地域におけるプロピレンオキサイド事業を積極展開

   2003/4 新プラント稼動

   2003/9 PGに参入

 住友化学、インド国営石油会社BPCLにプロピレンオキサイド製造技術のライセンス


化学工業日報 2002/8/13

住友化学、NOCの出資比率でライオンデルと協議           住化発表


1997/12/9 昭和電工発表

生産委託によりPO事業の競争力を強化

 

当社が一部出資しております日本オキシランにPOの委託生産委託生産
川崎工場のPOプラントは休止

(ご参考)

PO
プロピレンオキサイド
PG、PPGの原料。
製法はプロピレンと塩素を原料とするクロルヒドリン法と、プロピレンを過酸化物で直接酸化させるハルコン法がある。
PG
プロピレングリコール
不飽和ポリエステル樹脂、化粧品等の原料。
PPG
ポリプロピレングリコール
ポリウレタンの原料。

会社概要

日本オキシラン株式会社
本社 東京都中央区日本橋一丁目12番8号 第二柳屋ビル
工場 千葉県袖ヶ浦市北袖2
プラント能力 PO15万t/年
株主 米国アーコケミカル 50%
住友化学株式会社 45%
昭和電工株式会社 5%

 


2001/10/19 住友化学、ライオンデル・ケミカル社

住友化学、プロピレンオキサイド新工場を起工
 ライオンデル・ケミカル社と一層の協力へ
    
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/1newsrelease/pdf/20011019.pdf




(2000/9/6 住友化学発表

住友化学、プロピレンオキサイドの画期的な新プロセスを起業化へ
      http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/1newsrelease/pdf/20000907.pdf




旭硝子ホームページ http://www.agc.co.jp/kagaku/uretan/uretan.htm 

ウレタン

  旭硝子は原塩を電気分解して得られる塩素を利用して、クロルヒドリン法によるプロピレンオキサイド(PO)を生産しています。 旭硝子のウレタン関連商品はこのPOを出発原料として、末端商品にいたるまで幅広い商品展開を図っており、ウレタン以外の分野へもその裾野を広げています。 当社のウレタン関連商品群は以下のように分類されます。

  

ウレタン用途

非ウレタン用途

基礎商品 プロピレンオキサイド(PO)
ポリエーテルポリオール(PPG)
ポリマーポリオール(POP)
イソシアネート(TDI)
プロピレングリコール(PG)
ジプロピレングリコール(DPG)
トリプロピレングリコール(TPG)
プロピレンカーボネート(PC)
機能商品 高分子量・低副生物ポリエーテルポリオール
ウレタン発泡システム
ウレタン防水材
熱可塑ウレタンペレット(TPU)
機能性油剤用PPG誘導体
変成シリコーン

 


 トクヤマのPO事業

 徳山曹達(現トクヤマ)は他のソーダメーカー(旭硝子、東洋曹達、セントラル)とともにソーダの電解への製法転換に伴い、塩素利用のためにPVC事業に参入した。塩ビ需要増大に伴い電解法ソーダ企業は設備増強により急増する塩素需要にこたえてきたが、これによって余剰苛性ソーダの処理、アンモニア法ソーダの減産などの問題が派生し、これを解決するためアンモニア法ソーダの電解法への転換が進められた。この転換は通産省の指導によって、1965年度を目標に進展したが、同省は転換により増産される塩素は原則として自家消費するよう指導したことから、アンモニア法4社はそれぞれEDCの生産を開始した。
 1964年9月、徳山曹達、東洋曹達工業(現東ソー)は
周南石油化学を設立、東曹内でEDCとエチレンジアミン、徳曹内でEDCとPOを生産した。(同社は1978年に解散)
 東曹は自社で1966年南陽でオキシ法VCMを生産し、1974年PVCの生産を開始したが、徳曹は1966年に
ダイセル、鉄興社とサン・アロー化学を設立し、VCMとPVC(後にコンパウンド、窓枠も)を生産した。

*POは隣接の武田薬品工業に供給 (武田は2001年にウレタン事業を三井化学と統合し、三井武田ケミカルを設立)


March 29, 2001 Dow

Dow Announces Delay in New POSM Project 

     
http://www.dow.com/dow_news/prodbus/2001/20010329b_pb.html



Chemical Week 2000/7/19

DOW TO BUILD PO/SM UNIT ON THE U.S. GULF

 

POSM technology licensed from chemical firm Nizhnekamskneftekhim  (Tatartstan, Russia).

annual capacities for 250,000 m.t. of PO and 575,000 m.t. of styrene,


Chemical Week May 29, 2002

BASF, Solvay Confirm Plans for H2O2-Propylene Oxide


2002/05/31 独BASF発表

BASF、プロピレンオキサイド(PO)の新生産プロセスを開発
  プロピレンオキサイド(PO)の新規生産設備を建設予定
  過酸化水素製造のため、ソルベイ社と協力
     
http://www.basf-japan.co.jp/news/doc/020531.doc



新しいプロセスでは水以外の副生成物を生じることがない。新しい生産プロセスには高い競争性がある

注  多量の過酸化水素(プロピレン1トンに対し0.6トン)を 使用するため、POプラントの横に過酸化水素のプラントを建設してもコスト高になる。非常に安い過酸化水素が出来るかがこのプロセスのポイント。
また副産品は水だけとあるが、エポキシ化触媒をリサイクルするためにメタノールを使用しており水とメタノールの分離に多量のスチームも使用する。


化学工業日報 2002/8/5

BASF-ダウ、過水原料のPO製法で共同研究       
ダウ発表文

 


2002/8/1 Dow

Dow and BASF to Pursue Joint Development of Process Technology for Propylene Oxide
      http://www.dow.com/dow_news/prodbus/2002/20020801a.htm



The HP-PO technology owned by Dow was acquired with the companys acquisition of EniChems polyurethanes business in May 2001.UCCPolimeri持分と交換) 

BASF has been developing the HP-PO technology since 1995 and is now in the final stage of its development.


2003/8/6 BASF

BASF and Dow advance the development of new Propylene Oxide production process
 http://www.basf.de/en/corporate/news/presse/-systemdoc_news.htm?doc_id=1223715&id=*C38CIl**bsf300

 


Dow 2004/8/31

Dow and BASF to commercialize innovative HPPO technology; finalizing plan to construct a world-scale propylene oxide plant
http://www.dow.com/dow_news/corporate/2004/20040831d.htm

World-scale plant to use the innovative and most cost-efficient HPPO process technology
Construction scheduled to begin in 2006 at BASFs Antwerp Verbund site; commercial production expected in 2008

The Dow Chemical Company and BASF Aktiengesellschaft announced today that the new innovative Hydrogen Peroxide to Propylene Oxide (HPPO) technology is ready to commercialize. BASF and Dow are proceeding with plans to construct a world-scale HPPO plant at BASFs Verbund site in Antwerp, Belgium. Construction is scheduled to start in 2006, and the plant is expected to come on stream in 2008. The plant will serve the growing demand for PO derivatives, in particular in the polyurethane industry.

In July 2003,
BASF and Dow combined their research efforts in the field of propylene oxide (PO) manufacturing on the basis of propylene and hydrogen peroxide (HP). The results of this joint HPPO process development, which have exceeded the high expectations, are available for commercial use to both parties.

Initially, the new production facility will have an annual capacity of
300,000 metric tons. An advantage of the new technology is that co-products are avoided and nothing but the end product, PO, and water is generated. Furthermore, production plants using this process have a smaller footprint, need less infrastructure and require a significantly lower investment compared with conventional PO production processes.


2006/3/8 Dow

Dow Signs HPPO Joint Venture Agreement with BASF
http://news.dow.com/dow_news/prodbus/2006/20060308b.htm

The Dow Chemical Company announced today that it has signed a joint venture agreement with BASF to construct a new propylene oxide manufacturing facility using the recently co-developed hydrogen peroxide route to propylene oxide (HPPO) technology. Construction of the new 300,000 MT plant will begin this year with startup planned in early 2008. Financial terms of the transaction were not disclosed.

The joint venture will build and operate the commercial-scale HPPO plant
in Antwerp Belgium. A separate joint venture company will own and further develop the HPPO (hydrogen peroxide route to propylene oxide) technology. The two companies will have equal off-take rights to the PO produced by the Antwerp plant.


March 05, 2009 Dow

New BASF and Dow HPPO Plant in Antwerp Completes Start-Up Phase
 Worlds largest plant using new HPPO technology
 Sustainability through greater energy efficiency

BASF SE (BASF) and The Dow Chemical Company (Dow) announced today that the world's largest commercial-scale propylene oxide (PO) plant and the first based on the innovative hydrogen peroxide to propylene oxide (HPPO) technology jointly developed by BASF and Dow has completed its start-up phase and is running stably. Both companies are very satisfied with the performance of the new process which is regarded as a historical milestone in PO production.

This HPPO complex, with a capacity of 300,000 metric tons PO per year located at BASF's site in Antwerp, Belgium, provides economies of scale, a reduction of wastewater and lower energy usage. PO is a core ingredient for the polyurethanes industry.


Nature 15 May 2001    

PO comes clean
  A high-volume industrial chemical may have just got greener.
   http://www.nature.com/nsu/010517/010517-5.html

 

Xi Zuwei and his team at the Dalian Institute of Chemical Physics have discovered how to convert the petrochemical propylene to PO using a new, recyclable tungsten-based 'reaction-controlled phase-transfer' catalyst that produces nothing else but water.


2003/03/17 住友化学

住友化学、アジア・中東地域におけるプロピレンオキサイド事業を積極展開
    
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/1newsrelease/pdf/20030317.pdf


日本オキシラン 出資比率を60%まで引き上げ

PO単産法プラントについて、2〜3年内を目処に日本オキシランへ移管

併産法のSMはPOとの一体運営により事業の効率化を図るため日本オキシランへ移管



PGにつきましては、早期に日本オキシランがライオンデルから技術の供与を受けて、プラント建設


【ご参考】

日本オキシラン(株)概要
 本社   東京都中央区日本橋
 千葉工場   千葉県袖ヶ浦市
 設立   1972年
 資本金   84億円
 事業内容   プロピレンオキサイドおよびスチレンモノマーの製造および販売
 従業員数   約70名
 社長   高馬博司
 副社長   中川喬
     
ライオンデル・ケミカル(Lyondell Chemical Company)概要
 本社   米国テキサス州ヒューストン
 設立   1985年
 事業内容        :   大手石油化学会社。
プロピレンオキサイドおよびその誘導品(プロピレングリコール、ブタンジオール、プロピレングリコールエーテル等)、プロピレンオキサイドの副産品であるスチレンモノマー、MTBE の大手メーカー。
傘下に北米での大手エチレン、ポリエチレンメーカーであるエクイスター(Equistar Chemicals)をもつ
 CEO   D.F. Smith

 


2003/3/18 Lyondell

Lyondell Chemical Company Strengthens Asian Position
  http://www.lyondell.com/html/investor/frames/frameset_news.shtml


Lyondell will sell
a 10 percent share of its ownership in NOC to Sumitomo in exchange for $28 million, reducing Lyondell's ownership interest in the joint venture to 40 percent.


2003/4/17 住友化学

独自開発プロセスによるプラントが相次いで運転開始

 住友化学は、カプロラクタムとプロピレンオキサイドの新製造設備を完成させ、今月、本格的に運転を開始しました。これらはいずれも、独自開発の触媒が鍵となる画期的なプロセスを適用することにより、強い競争力と低い環境負荷を実現したプラントです。

 カプロラクタムは、繊維や樹脂として多岐にわたって使われるナイロン6の原料です。アジア地域では繊維分野で4%、樹脂分野で7%程度の伸びが期待されます。
 新プラントは、住友化学が開発した「気相法ベックマン転位触媒」と、イタリアのエニケム社が開発した「アンモキシメーション法」を組み合わせることで、従来法では生産するラクタム1トンあたり1.6 〜4.0トンもの大量に発生する硫安を全く副生しない、世界最初の本格的設備です。愛媛工場内にある既存設備(年産能力9万3千トン)に、新製法の系列を加えることにより、合計能力16万トンに増強しました。

 プロピレンオキサイドは、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、界面活性剤などに使用され、それらの用途はポリウレタンフォーム、エラストマー、塗料、接着剤、不飽和ポリエステル樹脂など多岐にわたります。アジア地域の需要は年7〜8%の伸びが期待されます。
 新プラントは、住友化学の独自開発による高性能新触媒を用いた、スチレンモノマーを併産しないコンパクトな製造設備です。千葉工場内にあり、年産能力は20万トンです。
 住友化学は今後とも、基礎化学・石油化学分野からライフサイエンス分野にわたる幅広い技術力を生かし、環境負荷を抑えながら有用な物質を製造する「グリーン・サステイナブル・ケミストリー」を推進することによって、豊かな暮らしと持続可能な社会の実現に貢献していきます

独自開発プロセスによるプラントが相次いで運転開始
    http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/1newsrelease/pdf/20030417.pdf

 カプロラクタム

住友化学が開発した「気相法ベックマン転位触媒」と、イタリアのエニケム社が開発した「アンモキシメーション法」を組み合わ

既存設備(年産能力9万3千トン)に、新製法の系列を加えることにより、合計能力16万トンに増強

 プロピレンオキサイド

独自開発による高性能新触媒を用いた、スチレンモノマーを併産しないコンパクトな製造設備です。年産能力は20万トン

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

2014年05月12日

愛媛工場におけるカプロラクタム事業の構造改善について

住友化学は、カプロラクタム(「CPL」)事業の競争力強化のため、2015年末をめどに、現在保有するCPL製造設備2系列のうち、1系列を停止することといたしました。今後は残る1系列と外部調達等を組み合わせて供給体制を最適化し、事業を継続してまいります。

住友化学は、液相法と気相法の各1系列の計2系列でCPLを生産してまいりました。

液相法系列は、1965年に愛媛工場で操業を開始し、その後も能力増強を重ねてきましたが、操業開始から50年近くが経過し、維持・補修費用の面で競争力を失いつつあります。近年、新興国での相次ぐ増設や市況の低迷などから世界的に厳しい事業環境が続く中、CPL事業の競争力強化に向けてあらゆる角度から検討した結果、高経年化した液相法系列を停止することで、事業構造を改善することといたしました。なお、当該プラントに従事している社員約40名につきましては、雇用の確保を前提に、再配置等により最適な形で対応してまいります。

液相法系列の停止後も、住友化学は独自の強みと競争力のある気相法系列の操業を継続いたします。気相法は、当社が世界で初めて工業化した、硫安の副生を伴わずに高品質なCPLを生産できる製法です。今後も、製造プロセスの一層の合理化とブラッシュアップを進めるとともに、市場動向に柔軟に対応できる製造・販売・研究の最適な体制を構築することで、事業の競争力を向上していく考えです。

住友化学カプロラクタム設備の概要

1.液相法系列(2015年末停止予定)

操業開始年月 1965年4月
生産能力 95千トン/年

2.気相法系列

操業開始年月 2003年6月
生産能力 85千トン/年

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2022 4 15 日 住友化学

カプロラクタム事業の撤退について

住友化学は、このたび、愛媛工場(愛媛県新居浜市)にある、ナイロンの原料となるカプロラクタムの製造設備を、2022 10 月をめどに停止し、同事業から撤退することといたしました。

住友化学は、1965 年に液相法と呼ばれる製法によるプラントの操業を愛媛工場で開始して以降、50 年以上にわたりカプロラクタム事業を行ってきました。その後、中国を中心にカプロラクタムの製造設備が世界的に増加したことから、2015 年に液相法プラントを停止、硫安を出さない製法の気相法プラントで生産を続けてきました。

2003年6月操業開始の気相法プラントは、住友化学が開発した「気相法ベックマン転位触媒」と、イタリアのエニケム社が開発した「アンモキシメーション法」を組み合わせることで、従来法では生産するラクタム1トンあたり1.6 〜4.0トンもの大量に発生する硫安を全く副生しない、世界最初の本格的設備です。

その間も、技術の改良やコスト削減を続けてきましたが、同事業を継続していくための競争力を将来にわたって確保することは困難との判断に至り、今回、同事業から撤退することとなりました。なお、カプロラクタムの中間原料であるシクロヘキサノンについては、今後も堅調な事業環境が見込まれることから、製造販売を継続していきます。

愛媛工場では、カプロラクタムの生産を終了しますが、市場の変化に合わせた取り組みを積極
的に行っています。
18 年に飼料添加物メチオニンのプラントを増設したほか、半導体用高純度ケミカルやスーパーエンジニアリングプラスチックスの一つである液晶ポリマー(LCP)のプラント建設に着手しています。また、カーボンニュートラルの時代に対応するため、アクリル樹脂のケミカルリサイクルの実証設備を建設中であるほか、同工場構内に LNG 基地を誘致し、インフラの再構築も行っています。

住友化学は、
4 月にスタートさせた 2224 年度中期経営計画において、技術に立脚した事業の稼ぐ力を強化するとともに、成長市場を見据えた事業の新陳代謝を促進しています。今回の事業撤退は、こうした方針に沿うものであり、当社はこれからも、事業ポートフォリオの高度化を推進してまいります。


<停止するカプロラクタムプラントの概要>

生産能力
85 千トン/
プラント操業開始
2003 6
 


Financial Times May 30, 2003

Another direct oxidation route to propylene oxide.

 

Scientists at Tokyo University and Nippon Shokubai
silicon-tungsten catalysts that converts olefins, including propylene, into their relevant oxide using hydrogen peroxide as the oxidizing agent.


Asia Chemical Weekly 2003/6/11

Shell Develops a Route to Propylene Oxide from Cumene

 


日本経済新聞 2003/9/17

石化中間原料 住友化学が参入
 2004年末稼働 国内最大の生産力 アジアに輸出

 

日本オキシラン プロピレングリコール事業に参入 

 


2003/09/17 日本オキシラン

日本オキシラン、プロピレングリコール工場を建設
   
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/1newsrelease/pdf/20030917.pdf

 


Dow 2004/6/9

Dow Adjusts its Nameplate Propylene Oxide Production Capability
Stade, Germany Plant Capability Increased to 590 kilotons per annum
http://www.dow.com/dow_news/prodbus/2004/20040609d.htm

Dow announced that it will upwardly adjust the nameplate capacity of its Stade, Germany propylene oxide plant to 590 kilotons per annum (1.3 billion pounds), which represents a more than 7 percent increase over the 550 kilotons per annum (1.2 billion pounds) previously reported by the company.

The world's largest single producer of propylene oxide, Dow's global propylene oxide capability now totals 1,860 kilotons per annum (4.1 billion pounds). In addition to Stade, Dow produces propylene oxide in
Texas, Louisiana, and Brazil.

This follows Dow's announcement earlier in the year of a 14 percent increase in its global propylene glycol (PG) production capacity.
At 550 kilotons per annum (1.2 billion pounds), Dow is the world's largest producer of propylene glycol.


March 15, 2004 Dow

Dow increases global propylene glycol capacity
http://www.dow.com/dow_news/prodbus/2004/20040315a.htm

The Dow Chemical Company announced today that it has increased its total global propylene glycol (PG) production capacity for 2004 to 1.2 billion pounds. This represents an increase of 14% in Dow's global capacity for PG production versus 2003, without capital expenditures. The company increased its capacity in Europe, in particular, by approximately 20 percent versus 2003.

Dow cites its 2004 PG capacities for each of its locations as follows:

Altona (Australia)

   33 million pounds

Aratu (Brazil)

186 million pounds

Freeport (US)

350 million pounds

Plaquemine (US)

300 million pounds

Stade (Germany)

375 million pounds

 


2017年8月31日 住友化学 

タイ最大の石油精製・石油化学会社の石化プロジェクトにプロピレンオキサイド製造技術ライセンスを供与

住友化学は、このたび、タイPTTグローバルケミカル社(「PTTGC社」)との間で、同社が進める石油化学プロジェクトに対し、プロピレンオキサイド(PO)の製造技術をライセンス供与することで合意しました。

PTTGC社は、タイで最大の石油精製・石油化学会社で、日量28万バレルの精製能力に加え、オレフィン年産298.8万トン、ポリエチレン年産150万トン、ジイソシアネート(HDI、HDI誘導体)年産11.7万トンなどの生産能力を有しています。

PTTGC社は、現在、ポリウレタンチェーンの構築に向けて、子会社を通じたPOおよびポリオール生産設備の新設プロジェクトを進めており、PO生産には住友化学が独自に開発した製造技術の採用を決定しました。新設するPOプラントの能力は年産20万トンで、2020年第2四半期に完工予定です。

住友化学のPO製造技術は、当社が世界で初めて工業化に成功したクメンを循環利用するクメン法PO単産プロセスで、併産物がなく、独自に開発した高性能なエポキシ化触媒と組み合わせることで、高収率で運転安定性に優れているのが特長です。
当社千葉工場やサウジアラビアのペトロ・ラービグ社で運転実績があるほか、2015年には韓国S-OIL社とライセンス契約を締結し、2018年前半の完成に向けて年産30万トンのプラントの建設が進んでいます。

2012/5/28 住友化学、サウジ・アラムコとの「ラービグ第2期計画」実施へ

2015/12/7  住友化学、韓国 S-Oil にPPとPO製造技術をライセンス 

 

住友化学は、今後も革新的な技術を開発し、技術ポートフォリオの拡充による競争力強化を目指すとともに、長年の経験で培ってきた技術のライセンスを通じてグローバルに展開していくことで、世界の石油化学産業の発展に貢献してまいります。

<PTTGC社の概要>
社名:PTT-Global Chemical Public Company Limited
設立:2011年10月(PTT ChemicalとPTT Aromatics & Refiningsが合併)
本社:タイ王国バンコク市
社長・CEO:Supattanapong Punmeechaow
主な株主:タイ石油公社(PTT社)48.9%

PTTGCはタイ石油公社(PTT) 傘下のPTT Chemical と PTT Aromatics & Refining が2011年に合併したもの。


2019年08月19日 住友化学

インド国営石油会社との間でプロピレンオキサイド製造技術のライセンス契約を締結

住友化学は、このたび、インドのバーラト・ペトロリアム社との間で、同社が進める石油化学プロジェクトに対するプロピレンオキサイド(PO)製造技術のライセンス契約を締結いたしました。

インドの大手国営石油会社であるBPCLは、国内4カ所の工場で合わせて日量約84万バレルの原油精製能力を有しています。現在、ケララ州コチにある製油所で、POおよびポリオール生産設備の新設を含む大規模な石油化学プロジェクトを推進しており、PO生産においては、住友化学が独自に開発した製造技術の採用を決定しました。生産能力は年産30万トンで、2022年の完成を目指し、今後、基本設計および詳細設計を進めていく計画です。

住友化学のPO製造技術は、当社が世界で初めて工業化に成功したクメンを循環利用するクメン法PO単産プロセスです。併産物がなく、独自に開発した高性能なエポキシ化触媒と組み合わせることで、高収率と省エネ、高い運転安定性を実現できるという特長があります。当社の千葉工場やサウジアラビアのペトロ・ラービグ社で運転実績があるほか、韓国S-OIL社に対しライセンスを実施した年産30万トンのプラントが2018年に操業を開始しています。また、タイPTTグローバルケミカル社の子会社に対してライセンスを実施した年産20万トンのプラントも、2020年の完成へ向け建設が進められています。

住友化学は、今後も技術ライセンスのグローバル展開により、石油化学部門における事業ポートフォリオの拡充を目指すとともに、長年の経験で培ってきた技術のライセンスを通じて世界の石油化学産業の発展や課題解決に貢献してまいります。

以上

BPCLの概要

会社名 Bharat Petroleum Corporation Limited
本社 インド共和国マハラシュトラ州ムンバイ
設立 1952年11月
会長 Shri. D. Rajkumar
主な株主 インド政府 53.29%

2024 年4 月25 日 住友化学

住友化学と KELLOG、低環境負荷型プロピレンオキサイド技術のライセンスで提携

住友化学と KELLOG BROWN & ROOT LLCは、このたび、環境負荷低減に優れた住友化学のクメン法プロピレンオキサイド技術について、世界大手エンジニアリング会社である米 KBR 社を、独占的なライセンスパートナーとする協業契約を締結しました。

住友化学のプロピレンオキサイド製造プロセスは、併産物がなく、クメンを循環利用する独自の革新的技術です。他の製法に比べ、カーボンフットプリントが圧倒的に少なく、廃水の排出量が少ない、環境にやさしい技術です。さらに、エネルギー回収システムを最適化することで、省エネに大きく寄与します。また、独自の高性能なエポキシ化触媒を使用することで、高収率を実現し、信頼性の高いプロセスにより安全・安定操業を実現します。

両社の協業の下、住友化学独自の革新的技術を、KBR 社のマーケティング力およびエンジニアリング対応力で、全世界のより多くの顧客に届けることが可能となります。

住友化学の専務執行役員である武内正治は、次のように語っています。
「KBR 社と提携し、当社の環境負荷低減に貢献する優れた技術を世界中のお客さまに提供できることを光栄に思います。今回の協業を通じ、持続可能な社会の実現を加速させると同時に、お客さまのプロピレン誘導品の価値の最大化が可能となります。KBR 社は、広範なライセンス事業を展開し、また高度なエンジニアリング対応力を有しており、先駆的な技術をより多くの市場へ展開するため、当社にとって最適なパートナーです。」

KBR 社 Sustainable Technology Solutions のプレジデントであるジェイ・イブラヒムは、次のように語っています。
「今回の協業は、世界規模での持続可能な化学プロセスのライセンスに関する KBR 社の経験と、住友化学のプロピレンオキサイド製造における深い専門知識および世界中での数十年にわたる安全かつ信頼性の高いプラント運転経験を組み合わせたものです。住友化学の技術は、併産品がないことに加え、エネルギー効率が高く、生産時の CO2 排出量を大幅に削減します。顧客に持続可能なソリューションを提供するという当社のビジョンとコミットメントに沿った提携であると考えています。」