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EU新化学品規制 「REACH」
EU Whitepaper "Strategy for a future Chemicals Policy" (2001/2/27)
First REACH hit list targets polymer components and additives
EU新化学品規制に対する日本政府コメント(2003年7月)
欧州委員会は2001年2月に発表した「今後の化学品政策の戦略」に基づき、その具体化作業を行っていましたが、本年5月15日付けで新化学品規制案(制度の頭文字を取って、「REACH」と呼ばれる。)を公表し、7月10日までを期限として、内外からパブリックコメントを求めていたところです。
7月10日、日本政府は、EU日本政府代表部を通じて、EU新化学品規制案に対する意見を提出しましたので、以下のとおり、その全文を掲載します。
なお、今後、欧州委員会はパブリックコメントを考慮しつつ委員会としての正式な案を採択し、EU理事会、EU議会に提出し、法制化のための審議を開始することとなっています。
EUの新化学品規則案(REACH)に対する日本政府コメント
(注:括弧内の「Topic」の項は、欧州委員会のコンサルテーション提出フォーマット上ではトピック毎での提出が求められているが、本件コメントはトピック毎の構成になっていないため、どのトピックに相当するかを便宜的に示すもの。)
T.総論 (Topic: Duty of care, Chemical safety assessment,
Data sharing/consortia formation, Procedures for downstream
users, Other)
1. | 我が国は、EUが達成しようとする「人の健康保護や環境保全」という目的の重要性については理解しており、EUの本件に対する取組の姿勢に敬意を表する。 |
2. | しかしながら、言うまでもなく、こうした措置は「持続的な開発」の考え方に沿ったものであるべきである。したがって、達成しようとする目的に照らして必要以上に、企業によるイノベーションや経済活動を阻害し、国際貿易・投資の障害にならないよう全体の適切なバランスに配慮すべきと考える。この観点から、我が国は、今般の規則案がEU域内における化学産業、ユーザー産業のみならず、日本を含む域外諸国の貿易及び投資に対して与える影響について、特に以下のような諸点につき懸念を有している。 |
3. | 第一に、目的に照らして過剰な義務を事業者に課すものではないかという点である。膨大な数にのぼる既存化学物質を取り扱う事業者は、小規模な企業も含めて多岐に渡るものであり、安全性に係るデータ取得や初期リスク評価の義務付けの範囲を合理的に設定しなければ、制度全体が円滑に運用できない。その際、REACHと化学物質を規制する既存の制度間の同様な義務の重複は避けるべきである。また、事業者の営業秘密にも適切な配慮が必要である。 |
4. | 第二に、必要以上に貿易制限的ではないかという点である。特に、成形品に含まれる物質に関する規制案(Point63、Point64)については、記述に一般的、抽象的な表現が多く、実際の運用次第では、必要以上にEUへの輸出に支障が生じ、貿易制限的な効果を持つおそれがあり、WTO諸協定との整合性にも問題が生じうるおそれがある。 |
5. | 第三に、規制制度の国際調和の動きとの整合性確保である。化学品規制に関してはOECDなどの場を通じて国際的に様々な制度の調和の動きが進められている。特に、内分泌かく乱作用が疑われる化学物質については、試験方法の開発など国際的に科学的知見の集積が進められている段階であり、現時点で、内分泌かく乱作用のみを根拠として製造・使用を制限するのは時期尚早である。また、域外のGLP施設で取得されたデータの認証等は引き続き進められるべきである。 |
6. | 第四に、規則案の適用の統一性、透明性、EU各加盟国において公平性が確保されるか否かという点である。物質の安全性評価など制度の執行については各加盟国の判断に任されている部分が多く、その運用が加盟国毎に異なることがあってはならないと考える。また、規制(legislation)案中の様々な概念が一般的、抽象的に記述され、具体的かつ実質的な規制範囲が明確になっていないため、ガイドラインの設定等により各加盟国当局毎の裁量により恣意的に範囲が定められないことを確保する必要がある。 |
7. | 欧州委員会及び加盟国当局はREACHシステムの実行可能性を確保するために、然るべき人員数及び知見を有する者から成る体制を整備し、制度導入前にその実行可能性を明らかにすべきである。 |
8. | 今後、欧州委員会が、インターネット・コンサルテーション等を通じて提出される意見やコメントを十分考慮し、よりワーカブルな制度として更に検討されることを期待する。我が国としては、今回提出した意見及び質問についての欧州委員会からの回答を期待するとともに、引き続き、規制案の内容についての意見交換の実施を要望する。また、引き続き必要に応じて質問・意見を提出する。 |
U.各論 1.事業者の過剰負担の回避 (Topic: Chemical safety assessment, Information flow, Registration procedure, Intermediates, Data sharing/consortia formation) |
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○化学品安全性評価書(CSR)の作成義務付け | |
CSRに求められている情報は非常に広範囲・詳細なもので、現状のSDSの比べ産業界に多大な負担を追わせるものであるので、CSRに記載すべきとされる情報の必要性を再精査した上で、現行のSDSに一元化すべきである。 事業者間における化学物質に関する情報提供については、安全性データシート(SDS)が広く国際的に流通しているところであり、本年7月に国連勧告が出される予定となっているGHSにおいても、SDSの書式等について更なる国際的な統一化が図られようとしている。SDSにおいても、事業者が取り扱う化学物質の有害性情報や取扱上の注意等に係る情報が記載されることとされており、規則案の定めるCSRによって提供すべきとされる情報はSDSにより提供される情報と多くの部分で重複があると考えられる。必要があれば、SDS制度の記載事項の見直しなどにより対処すべきであり、義務の重複による無用なペーパーワークの増大は避けるべきである。 また、複数の物質が含まれる調剤(例:インク)について、個々の物質毎にCSRを提出する場合は、事業者にとって極めて煩雑であり現実的ではない。 |
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○「中間物」の適用範囲 | |
「輸送される中間物」について、使用先の個所で限定を加えるべきではない。 中間物は、他の化学物質に全量が変換される化学物質であり、適切に管理される場合には環境中に放出され、人の健康等に悪影響を与えるおそれはない。第2条14において、「輸送される中間物」に関して義務が軽減される要件として、当該中間物の使用先が2箇所までに限定されているが、厳密な管理下にあることが確保される限り、2箇所に限定する合理的な理由がない。 |
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○EINECS掲載物質の取扱い | |
第2条20において、「Phase-in物質」は「EINECSに掲載されており、過去10年間に年間1トン以上製造・輸入実績のあるもの」とされているが、過去10年間に製造輸入実績があることを要件とする理由が明らかでない。既存化学物質リストであるEINECSに掲載されている化学物質は、すべて段階的届出の対象とすべきである。 | |
○想定されている用途に関する情報と営業秘密(CBI)の取扱い | |
第11条(iii)において、製造者(もしくは輸入者)は、川下ユーザーにおける用途を90%以上把握する必要があると規定されているが、実際にどの様な方法で90%以上の用途を把握するのか、あるいはそれを当局に対して証明するか等の手続を明確にすべきである。 特に、CBIとなっている情報の把握が困難な場合も考えられ、実質的に登録を断念せざるをえないケースが出てくることが懸念される。こうした理由により90%以上の用途把握ができない場合には、柔軟な対応を可能とすべきである。 |
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○総代理人制度 | |
現在の欧州指令67/548/EEC(The
7th Amendment)で認められている「総代理人(Sole
Representative)」制度は新たな制度においても存続させるべきである。 総代理人制度は、域外の企業が域内の複数の輸入者を通じて化学物質を輸出する場合、全く同一の物質について複数の登録が必要となり作業が重複して無駄となることから現在の制度が創設されたものである。新たなREACH制度においても同様の制度が必要である。 |
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○登録書の言語 | |
登録の一連の手続は、登録者と欧州化学機関、当該登録を扱う各加盟国の当局の間で行われるが(Point8,11,19)、関連書類の言語は何が想定されているのか。仮に当該登録国の言語とその他言語の複数言語での書類の作成が求められる場合は、登録者にとっては煩雑で負担が大きくなる可能性がある。 | |
2.内外無差別性の確保 (Topic: Registration procedure, Procedures for downstream users, Data sharing/consortia formation) |
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○成形品(Article)中の物質の登録 | |
第64条等の対象となる成形品(article)の範囲(「通常の及び合理的に予見できる条件による使用及び廃棄中、これらの物質が十分な量で、人の健康または環境に悪影響を及ぼすような方法で排出されるかもしれない場合」)が明確となっていないため、解釈のための詳細なガイドラインが発出されなければ、具体的にどの業界のどの製品が義務の対象となるのか定かではない。これらの具体的な例示やガイドラインがない場合、例えば、成型品の輸入業者は、自社の輸入製品を登録すべきか判断できず、また、成型品に含まれる種々の物質についてそれぞれ登録が終了するまでの間に、EUへの輸出に支障が生じ、大きな損失を被る可能性が排除されない点を懸念している。したがって、本条項についての議論は今回のインターネット・コンサルテーションを最後とせず、その要否及び実施のためのガイドラインの内容も含めて、引き続き各国政府・産業界からの意見を聴取し検討する機会が設けられることを希望する。当方としては、正式な規制案を作成する前に、「実質的に高い排出」の明確な数値基準、「人の健康や環境に対する悪影響」の具体的な意味や判断のための項目、「1年当たり合計1t」の意味の明確化を図るとともに、登録が必要となる成形品(Article)や数量を合算すべき製品のタイプ等について当局においてポジティブリストを作成し、関係者に明示した上で、再度、関係者のコメントを求めて検討を行うべきと考える。当方としては、本件条項について具体的な提示がなされた上で再度コメントしたい。 仮にこうした明確化が図られないのであれば、第63、64条を削除すべきである。 なお、第64条の規定に基づき「廃棄」される状況まで勘案することとした場合、およそすべての製品が廃棄される際にその製品中の化学物質が環境中に放出され、対象となりえてしまう。また、「人の健康や環境への悪影響」「実質的に高い排出」が何を意味するのかも明らかではなく、仮にそれを判断するのも事業者自身ということであれば、製品に含まれるすべての化学物質について事業者にリスク評価を行う義務を課すに等しい。登録義務を遵守するために、製造・輸入事業者は、製品を構成するあらゆる化学物質を広く把握する必要があるが、製品を構成する化学物質がすべて把握されているものは多くなく、実際にそれが可能とも考えられない。特に、EU域外のSupplierから情報を得る必要のある輸入者にとっては、登録対象となる事例の特定が非常に困難であり、同種の産品を販売するEU域内の企業に比べて著しく不利な立場に置かれるおそれがある。そうした中、含有成分に未登録のものがあるのかないのかを確認するためには、下請事業者等も含めて、多大な労力が必要となり、およそ非現実的で制度の運用は不可能である。 また、上記とは別に、第64条第2項において「上流企業が取得したデータを取得した場合」に適用除外を定めているが、EU域内登録企業からの化学物質入手を余儀なくされるとの懸念がある。 |
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○コストシェアの仕組全般、コンソーシアムの運営管理 | |
受益の程度に応じて負担をすることが「公平なコストシェアfair
cost sharing」に最も資すると考えられるが、製造・輸入数量に応じたコストシェアを事業者間で行うことは、競争法の適用、営業秘密の保護等の関係で現実には極めて困難である。 コンソーシアム内でのコストシェアの調整にあたっては、製造・輸入数量を基礎として適切な調整が行われるよう、公的な機関が関与すべきである。コンソーシアムの形成、運営管理については、情報の提供、運営等について、公平性、透明性が確保されるよう、ルールの明確化を図るとともに、その管理にあたっては、公的な機関が適切にその運用状況を監視すべきである。 |
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3.国際的な調和の動きとの整合性確保 (Topic: Authorisation procedure, Data sharing/consortia formation) |
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○認可対象物質の範囲 | |
内分泌かく乱作用が疑われる化学物質について、ケースバイケースで認可(Authorization)対象物質に入れる予定とのことであるが、影響評価のための試験方法がOECDで検討されている状況の下で、内分泌かく乱作用を影響項目として規制の枠組みに入れることは科学的な妥当性にかける。現時点で認可の対象として、内分泌かく乱作用が疑われる化学物質を挙げるのは時期尚早である。 | |
○PBT等の判断基準の国際整合性の確保 | |
具体的な基準の設定にあたっては、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約附属書D等との整合性を確保すべきである。 | |
○域外のGLP試験所で取得されたデータの認証 | |
域外のGLP試験所で取得されたデータについても、登録等に用いることができる旨を明らかにすべきである。 | |
4.規則の内容及び適用における透明性、公平性の確保 (Topic: Evaluation procedure, Data sharing/consortia formation) |
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○ | 評価(Evaluation)は、各加盟国(Member
States)で担当することとなっているが、現在の指令67/548/EECに基づく審査において既に各加盟国の経験には差があり、そのため評価のレベルに大きな差が生じていることも懸念される。REACHにおける評価は、当該化学物質のリスクを判定していく上で極めて重要な作業であり、その内容に差が生じることはREACHのシステム自体が機能しないことを意味する。 評価の統一性を維持する仕組みを整備すべき。 また、各国の評価基準が明確でないため、加盟国の判断によって追加試験等の要求が際限なく続くことがないように統一的な仕組みを確保すべき。 |
○ | 物質の同一性を判定する方法(異性体や不純物含量、構成比など)の明確化 異性体や不純物の含有量、構成比などについて、何をもって物質の同一性を特定(Identity)するかが不明確であり、判断基準を明確にし、ガイドラインを作成すべきである。また、第26条aにおいて、データシェアに関して不純物・含量が同等であることの証明が必要との記載があるが、不純物の含有量や成分が異なるだけの物質については同一の物質と見なし、データシェアを可能とすべきである。 |
V.その他専門的・技術的な質問 | |
別紙のとおりであり、本件について回答を頂きたい。 |
2003/7 METI
1. 欧州化学品規制について | |||||||||
(1)ポイント | |||||||||
@ | 新規化学物質に関する規制と既存化学物質に関する規制を単一の規制の枠組みへ移行。 これにより新たに導入される化学物質(新規化学物質)だけでなく、既に市場に供給されている化学物質(既存化学物質)についても登録を義務づけること。 |
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A | 登録の際には有害性データや暴露データの提出を求めるだけでなく、既存化学物質について従来政府が行ってきたリスク評価の実施義務を産業界に転嫁すること。 | ||||||||
B | リスク評価の義務を、化学物質の製造・輸入業者だけでなく、ユーザ産業にも課すこと。 | ||||||||
C | 発癌物質など懸念される化学物質については、個々の用途毎に上市認可システムを導入(産業界においてリスクが極めて小さいこと等が証明できない限り、上市を禁止)。 | ||||||||
D | 上記のほか、一定の条件の下で、化学品を使用している成形品(article)についても含まれる化学物質についての登録を要求すること | ||||||||
(2)新しい化学品の規制の概要 (REACH:Registration, Evaluation and Authorization of Chemicals)システム) 欧州の新化学品政策は、以下の@登録、A評価、B認可、C制限の4つの手続から構成され、新規化学物質、既存化学物質を問わず対象とされる。また、化学品製造者・輸入者のみならず、化学品の使用者・化学品を含む製品の輸入者も規制の対象とされている。さらに、化学品のみならず、化学品を含む成形品(Article)の輸入についても規制の対象とされている。 |
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@ | 注意義務(Duty of
Care)(第3条、第63条) 化学品の製造業者及び川下ユーザーは、化学物質を人の健康及び環境が合理的に予見できる条件の下で悪影響を受けないような態様で製造又は使用する。製造業者、輸入業者及び川下ユーザーは、自らが上市する化学物質が人の健康及び環境が合理的に予見できる条件の下で悪影響を受けないような態様で使用されうることを確保する(第3条)。 成形品(article)の製造者及び輸入者は、上市する成形品が当該製品からの化学物質の放散への暴露の結果、人の健康及び環境が悪影響を受けないような態様で使用できることを確保する(第63条)。 |
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A | 化学品の安全性評価(第4条−附属書T、第32条−附属書XI) 化学品の製造者・輸入業者は、全ての化学物質の安全性評価を行う。化学物質のユーザ産業は、下流ユーザー化学品安全評価を行う。下流ユーザーは登録物質を想定外用途に用いる場合等には、化学品機構に報告をしなければならない(第33条)。サプライチェーンの全ての企業は化学品安全報告書を常に提示できるようにしておく。 |
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B | 物質に関する情報をサプライチェーンの中の他の者に伝達する義務(第6条) サプライチェーンの全ての行為者は、直接川下のユーザーにしかるべく情報を伝達する。情報は本規則の施行後最初の貨物の配送の際に伝達されるものとする。サプライチェーンの全ての行為者は直接川上の者に化学物質の管理手段の適切性に関する情報などの必要な情報を伝達する。 |
||||||||
C | 登録(Registration)プロセス(第7条〜第25条) | ||||||||
製造業者・輸入業者は、年間生産量・輸入量が1t超の既存化学物質の基礎的情報(化学学物質名、性状・毒性等のデータ、用途、用途毎の想定暴露、生産量、分類表示案、安全データシート、初期リスク評価)を化学品機構に登録(実際の事務はその後各加盟国に割り振られる)。 生物試験に関するデータについては、企業間での試験費用の分担を奨励しており、分担について規定している(第26条〜第31条)。既登録者と新規登録者の間で合意が得られなかった場合には試験コストの50%の支払いとなる可能性が高い規定となっている。 (登録期限) ・年間生産量・輸入量1000t超 −施行後3年(2008年?) ・年間生産量・輸入量100t超 −施行後6年(2011年?) ・年間生産量・輸入量1t超 −施行後11年(2016年?) ・1t以下 −対象外 (参考) データの取得費用の目安は以下の通り(当課推定)。 ・ 年間生産・輸入量1000t超−レベル2(慢性毒性、発癌性、蓄積性等) 8千万円〜数億円 ・ 年間生産・輸入量 100t超−レベル1(亜慢性毒性等) 約4500万円 ・ 年間生産・輸入量 10t超−ベースセット(各種基本毒性) 約3000〜4000万円 ・ 年間生産量・輸入量 1t超−物理的性状・毒性データ(in vitro) 約650万円 |
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D | 評価(Evaluation)プロセス(第35条〜第43条) 評価当局は物質の登録又は下流ユーザーの報告書に記載されている附属書Z〜[に定める情報要件を満たすために行われる試験の全ての提案内容を審査し、必要な試験等を指示。(約5,000物質、約15%の化学物質がこの段階まで行う)。 |
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E | 認可(Authorization)プロセス(第44条〜第55条) | ||||||||
CMR(発癌性、変異原性または生殖毒性物質(850〜1350物質))、POP's(残留性有機汚染物質)、PBT(難分解性、高蓄積性、有毒)、vPvB(難分解性、高蓄積)、特定の内分泌攪乱物質といった極めて懸念の大きな化学物質については、原則上市禁止。特定用途向けの販売や使用を行うためには、産業界においてリスクが極めて小さいこと、社会的経済的必要性が高く代替物質がないこと等をEU委員会に証明することが必要。 | |||||||||
F | 制限プロセス(第57条〜第62条) | ||||||||
化学物質によって人の健康又は環境への容認しがたいリスクが存在する場合、化学物質の製造、上市についての制限を付すことができる。新規の制限の導入はEU委員会の発意又は各加盟国からの発意によって提案されうる。 | |||||||||
G | 成形品の上市に関する登録(第64条) 成形品の製造業者又は輸入業者は、1年当たり合計1トンを超える量をもってこれらの成形品に含まれる何らかの物質について、通常の及び合理的に予見できる条件の下での使用及び処分の際にこれらの物質が人の健康又は環境に悪影響を及ぼすに十分に足る量をもって且つそのような態様で放散されるかもしれない場合、登録を行う。ただし、供給プロセスの上流の行為者が当該使用について既に登録をしている化学物質については適用しない。 |
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2.新化学品規制の影響 | |||||||||
(1) | EU域内の化学産業だけでなく、EU域内の化学品のユーザー産業、EU域外の産業に対しても、登録、評価、認可等の新たな義務が生じ、大きな影響が生じるおそれがある。 | ||||||||
(2) | EU域内において試験等に要するコストは欧州委員会によると、10年間で約21億〜70億ユーロと試算されている。これ以外にも認可制度への対応コストのほか、下記のような生産停止に伴う代替品への転換コストなど相当程度のコスト増が予想されている。 | ||||||||
(3) | 試験等のコストに耐えられず、年間生産量100t以下の化学品の約20-40%が欧州市場からなくなるとの試算もある(独産業連盟の調査)。また、独においては、15万人〜235万人の雇用減少につながるとの試算もある(独産業連盟調査)。 | ||||||||
(4) | 我が国の産業としては、以下のような影響が出ることが予想される。 | ||||||||
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3.我が国及び我が国産業界の動き | |||||||||
(2002年) | |||||||||
・ | 5月15日:在欧日系ビジネス協議会(JBCE)が、EU白書に関して、電子電機機器や自動車など化学品のユーザー企業の立場からポジションペーパーを送付(@競争力の阻害要因とすべきでない、A国際的協調の必要性、B有害物質規制指令との整合性など)。 | ||||||||
・ | 5月30日:日本化学工業協会が、欧州委員会委員あてに白書に関する意見をまとめたレターを送付(@現実的な制度にすべき、AWTO協定と整合的であるべき、B中間体・ポリマーに関する除外、等の具体的要望)。 | ||||||||
・ | 11月25日:日・EU規制対策対話の優先事項の一つとして、新化学品規制についての要望事項を提出(登録期限の弾力化、制度の合理的運用、製品・低リスク品に関する除外など)。 | ||||||||
(2003年) | |||||||||
・ | 2月12日 :平沼大臣が独産業連盟ロゴフスキー会長と会談の際に意見交換。 | ||||||||
・ | 2月14日 :平沼大臣がラミー欧州委員(通商)に懸念を表明。 | ||||||||
・ | 3月4/5日:日EU規制改革対話(於:ブラッセル)において取り上げ、環境総局、企業総局、貿易総局に対して懸念の表明を行い、規制のバランスの必要性について働きかけを行った。 | ||||||||
・ | 3月2〜8日:経団連ミッションの訪欧 | ||||||||
・ | 5月15日 :産業政策ダイアログにおいて、佐野経済産業審議官からマンガソン企業総局総局長に対して働きかけを行った。 | ||||||||
・ | 5月15日 :規制案がインターネット上のパブリックコメントに付される。 | ||||||||
・ | 5月16日 :マンガソン企業総局長と化学業界及び主要業界(自動車、電子電機、繊維)との間の意見交換を行った。 | ||||||||
・ | 5月22〜23日:APEC化学ダイアログにおいてAPEC各国又はAPECとして懸念をEUに対して意見提出を行う方向で今後調整を行うことを決定(ダイアログ共同議長から欧州委委員あてレター)。 | ||||||||
・ | 6月16日 :欧州委員会(環境総局、企業総局、貿易総局)と当省との間で、TV会議を実施。新規制案の内容についての確認及び意見交換を行った。 | ||||||||
・ | 7月10日 :インターネットコンサルテーション締切り |
日本経済新聞 2006/12/14 日化協コメント
EU 化学物質 6月に新規制 欧州議会可決
3万種類を登録・安全性評価 企業の負担重く
欧州連合(EU)が約3万種類の化学物質について安全性評価などを企業に義務づける新規制「REACH(リーチ)」を来年6月に導入する見通しになった。欧州議会が13日、規制案を可決した。EUは今年7月にも化学物質規制「RoHS(ローズ)指令」を施行したばかり。新たな規制対象は化学、電機、自動車といった幅広い業種に及ぶ。安全を追求する「欧州発」の動きは中国などにも広がり、企業の負担を一層重くしそうだ。
欧州議会の規制案可決を受け、EUは18日の環境相理事会で正式に導入を決める。来年6月の施行を受けて、欧州企業による化学物質の登録や安全性評価の提出が始まる。EUは2008年にフィンランドに欧州化学庁を新設。生産・輸入量に応じて11年から段階的に規制順守を義務付けていく計画だ。
日本企業困惑「管理、極めて困難」
しかし、中国も自国版RoHSの導入を決めるなど、化学品の安全性を追求する国際的な流れは加速している。花王が欧州で生産・販売するシャンプー原料などのデータを一元管理するシステムを構築するなど、REACH導入をにらんで先手を打つ日本企業もある。
三菱化学、富士フイルム、松下電器産業、日本自動車工業会など70を超す企業・団体が参加する「アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)」で、来年中にも化学物質管理の共通フォーマットを作成。中小の部品メーカーにも参加を呼びかけ、本格運用時には5万社規模での共通方式採用を目指している。
EU化学物質規制
施行時期 | 規制内容 | 規制に関係する業界 | |
RoHS指令 | 06年7月 | 鉛、水銀など6物質の使用を原則的に禁止 | 主に電機、情報、精密機器 |
REACH | 07年6月 | 約3万種類の化学物質について安全 性評価などを企業に義務づけ | 化学、自動車、 電機など幅広く |
Europe Parliament to Regulate Chemicals
Under the rules, producers will have to register the properties of chemicals with an agency to be set up in Helsinki, Finland, that will have powers to ban those presenting significant health threats. Companies will be required to gradually replace the most high-risk chemicals -- so-called persistent, bioaccumulative and toxic substances -- where safer alternatives exist. If no alternative exists, producers will have to submit a plan to develop one.
Because of fears over potential job losses, the parliament scaled back chemicals-testing requirements in the first reading of the law -- known as REACH, for Registration, Evaluation and Authorization of Chemicals -- last year. Some 13,000 substances, deemed of high concern, face automatic testing, but almost all tests were waived for little-used chemicals of which only 1 to 10 metric tons are produced or imported into the EU annually.
EU governments further scaled back the law passed Tuesday on second reading in an effort to reduce costs for the EU's chemicals industry, worth about $582.9 billion and employing 1.3 million people in 27,000 companies.
The registration process for all of the 30,000 chemicals should be completed in 11 years. The first stage of the process aims to register substances that are produced in the largest quantities and the most harmful ones, such as carcinogens, mutagens and toxins affecting reproduction.
欧州議会は13日、化学物質新規制「REACH」法案を可決した。来年6月に導入される。
EUは今年7月に家電やパソコン、複写機、デジタルカメラ、携帯電話などを対象に、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニール(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の計6物質の使用を原則禁止する「RoHS(ローズ)指令」を施行したばかり。
これまであった40の法律が単一のシステム
REACH
(Registration, Evaluation and Authorisation of Chemicals) に統合される。
また、この法律の運営に当たる新しいChemicals Agency がHelsinki に設置される。
年間1トン以上の製造又は輸入物質について登録義務が生じる。約30,000の物質が対象となる。新Agencyは著しい健康障害を起こす物質を禁止する権限をもつ。
危険物についてはより安全な代替品に取り替える計画の提出を義務付ける。代替物がない場合は代替物を見つけるための計画を提出する。
従来は新規物質(1981年以降の約3,000物質)と既存物質(それ以前の約100,000の物質)で扱いが変わったが、今後は統一される。
法案可決のために、関係各国との間でいろいろの妥協が行われている。
主なものは以下の通り。
・危険物の承認
最も危険な物質に関しては、製造業者はより安全な物質に置き換える計画を提出する義務を有する。
代替品が存在しない場合、代替品をみつける開発計画を提出する。
内分泌かく乱物質を、cost/benefit 分析に照らしてのみ承認する物質のリストに含むかどうかは、最新の科学データに基づき6年後に検討する。
・物質の登録
The registration provisions oblige manufacturers and importers of substances to obtain, where necessary by performing new tests, knowledge on the substances they manufacture or import and to use this knowledge to ensure responsible and well informed management of the risks which the substances may present.
Manufacturers and importers shall address the risks of any use identified to them by their downstream users. A downstream user has the right not to identify a use, in which case he would have responsibility for performing a chemical safety assessment. Conversely, the manufacturer is not obliged to supply a substance for a use that he feels he cannot support. For purposes of enforcement as well as for reasons of transparency, the registration information is to be submitted to the authorities.
年間10トン未満の製造又は輸入品に関して、化学品安全レポートの要件を延長するかどうかは12年内に決定する。
発がん性物質、突然変異誘発物質、生殖毒性物質に関しては、7年内とする。
データの保護期間は3年から6年に延長する。
・注意義務
物質の製造、輸入、流通に当たっては、人間の健康や環境に悪い影響を与えないよう、慎重に、責任をもって、行う。
・動物保護
動物実験に代わる方法の推進がREACHの目的に含まれた。
・物質の評価
議会は新Agencyの2人のメンバーを指名する。
議会が要求したAgencyのメンバーの業界からの独立性の保証、利害関係の発表は受け入れられず。
・情報のコミュニケーション
製品に含まれる危険物質について公表する義務が追加された。
The information through the supply chain provisions ensure that all users of substances have the information they need to use them safely. This requires information to be passed both up and down the supply chain, and between all actors in that supply chain. The primary tool for information transfer is the safety data sheet, as set out in Annex Ia. The Reach regulation replaces the current Safety Data Sheets Directive
2006/12/13 European Parliament
Parliament adopts REACH -
new EU chemicals legislation and new chemicals agency
Parliament adopted the compromise it negotiated with Council on
the new regulation for chemicals, REACH, which will oblige
producers to register all those chemical substances produced or
imported above a total quantity of 1 tonne per
year.
Registration will affect about 30,000 substances. For more hazardous
substances,
producers will have to submit a substitution plan to replace them
with safer
alternatives.
When no alternative exists, producers will have to present a
research plan aimed at finding one. The compromise package agreed
with the Council and tabled by 4 political groups (EPP-ED, PES,
ALDE and UEN), was approved with 529 in favour, 98 against and 24
abstentions.
The regulation will enter into force progressively from June 2007, and the registration process
will take 11 years to be completed. The calendar for registration
depends on the risk of the substance and the quantity produced.
All covered substances will have to be registered by 2018. REACH
also creates a new Chemicals Agency, to be based in Helsinki, which
will be responsible for the authorisation process.
Registration will affect about 30,000 substances. The calendar
for registration depends on the risk of the substance and the
quantity produced. All covered substances will have to be
registered by 2018.
European Parliament President Josep Borrell commenting on the EP
adoption of REACH said: "This vote, on one of the most
complex texts in the history of the EU, sets up an essential
piece of legislation to protect public health and the environment
from the risks of chemical substances, without threatening
European competitiveness. It offers EU citizens true protection
against the multitude of toxic substances in everyday life in
Europe."
REACH will replace the current dual system which differentiates
between:
- "new" chemicals, i.e. the roughly 3,000 substances
placed on the market after 1981, the year since which formal
authorisation has been required by Community legislation,
- "existing" substances, placed on the market before
1981 and numbering around 100,000. REACH replaces the current 40
legislative texts with a single regulation establishing a single
system called REACH (Registration, Evaluation and Authorisation
of Chemicals).
Helsinki Chemicals Agency
REACH replaces the current 40 legislative texts with a single
regulation establishing a single system called REACH
(Registration, Evaluation and Authorisation of Chemicals). It also creates a new Chemicals
Agency, to be based in Helsinki, which will be responsible for
the registration and authorisation process.
The authorisation process will cover about 3 000 substances
considered more dangerous. The Agency will be responsible to
authorise them and the producers will have to present either replacement
proposals or research plans to develop alternatives. The authorisation will be for a
limited time period.
The regulation transfers the burden of proof regarding
testing and evaluation of the risks of chemicals from the
authorities to industry.
It also includes obligations of duty of care for the industry and
of communication to the public about dangerous substances in
products. It also includes safeguards for confidential
information and provisions to avoid duplication of animal
testing.
The issues at second reading
The EP Environment Committee, voting on 10 October 2006, adopted
a very firm position by 42 votes to 12 with six abstentions.
Essentially following the recommendations of its rapporteur Guido
Sacconi (PES, IT), it made no less than 172 amendments to the
Council text, seeking to reinstate several points from first
reading which had not been accepted by the Member States. Apart
from the substitution of the most hazardous substances, the
amendments related to the operators' "duty of care", a
compulsory chemical safety report for chemicals in amounts of
less than 10 tonnes and the promotion of alternatives to animal
testing.
A series of trialogues - EP, Council and Commission - was then
held to narrow the gap between the different institutions and, if
possible, clinch an agreement on REACH at second reading so that
it can be implemented swiftly. The talks concluded successfully
on 30 November after the sixth trialogue, less than a week before
the deadline (6 December at 6pm) for tabling amendments for the
plenary vote.
The amendments adopted on 13 December reflect the compromise
thrashed out with representatives of the Member States, the REACH
regulation, once rubber-stamped by the Council, will enter into
force progressively from June 2007.
The
main features of the compromise struck between Parliament and the
Council and adopted by the European Parliament are:
- Authorisation of hazardous substances
For
the most dangerous substances, there will be an obligation for
producers to submit a substitution plan to replace
them with safer alternatives. Where no alternative exists,
producers will have to present a research and development plan
aimed at finding one. Under a review clause, it will be decided
after six years, on the basis of the latest scientific data,
whether endocrine disruptors should be included in a list of
substances which can only be authorised in the light of an
analysis of their socio-economic costs and benefits. A clause was
agreed to review after six years, on the basis of the latest
scientific data, the inclusion of these substances among those
which can only be authorised in the light of an analysis of the
socio-economic costs and benefits.
- Registration of substances
The Commission must decide in 12 years' time whether or not to
recommend extending the requirement for chemical safety reports
for substances produced or imported in amounts of less
than 10 tonnes per year. This deadline was shortened to
seven years for cancerous or mutagenic substances or those toxic
to reproduction. The intellectual property provisions were
strengthened, with data protection extended from three to six
years.
- Duty of care
As MEPs wanted, the "duty of care" principle will be
enshrined in the regulation. It will be in a recital stipulating
that the manufacturing, import or placing on the market of
substances must be done prudently and responsibly, to ensure
that, under reasonably foreseeable circumstances, human health or
the environment are not adversely affected. This will involve
collecting all necessary information on the substances in
question and relaying all recommendations about risk management
along the distribution chain.
- Animal welfare
The promotion of alternatives to the animal testing of chemicals,
an issue of prime concern to MEPs, is now included among the
goals of REACH. To avoid duplication of animal testing,
interested parties will have 45 days to state their views before
each new plan for animal tests. Information on toxicity to human
beings should if possible be discovered using means other than
tests on vertebrate animals, through alternative methods such as
in vivo procedures. These alternative methods must be validated
by the Commission, once recognised by the agency, or
international institutions. The Commission will submit a report
every three years on the use of alternative tests and, if
necessary, bring forward fresh legislative proposals.
- Evaluation of substances
Parliament will appoint two members of the Helsinki-based
European Chemicals Agency and the Executive Director will have to
undergo a hearing with MEPs before his/her appointment is
confirmed. However, Parliament's demands for guarantees of the
independence of the agency's members vis-a-vis industry and the
publication of declarations of interest were not accepted.
- Communication of information
A clause was added on the duty to inform the public about
dangerous substances contained in products. The distribution
chain, including consumers who request it, must be informed of
the presence of any chemical in an amount greater than 0.1% of
the total product weight. The Commission must consider the
possibility of establishing a European quality mark for chemical
products.
- Comitology
The Council accepted a number of amendments bringing REACH into
line with the new comitology provisions, which give the EP a
right of scrutiny over certain Commission decisions.
Entry into force
Following the compromise, REACH is due to enter into force
progressively from 1 June 2007.
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2006年12月14日 日本化学工業協会
欧州議会により採択された欧州の新化学品規制(REACH)案に対する日化協の見解
2006年12月13日、欧州議会において欧州の新化学品規制(REACH ※)案に対する修正案が可決されました。
日本化学工業協会(以下 日化協)としては「人の健康と環境保全」や「世界の持続的発展」をうたったREACHの趣旨そのものには賛同してきました。しかしながら、同法案は、日欧間の化学品貿易や欧州域内で事業を展開している日系化学企業の活動に悪影響を及ぼす懸念のみならず、従来のサプライチェーンに変化をもたらしユーザー業界にも影響を及ぼす懸念は払拭されていません。さらに、その運用面において問題点や現時点では不明な点が数多く残されており、施行にあたり大きな混乱が生ずることが予想されます。
具体的には以下があげられます。
@データの共有をはじめとする登録時の手続きなど、実際の法運用面において、現時点では不透明な部分も多く、施行にあたり混乱が予想される。特に、欧州におけるコンソーシアムの形成など、域外企業にとって不利となりかねない不明点も多い。
Aリスクベースの化学物質管理から隔たりがある。
・高懸念物質の使用においてリスクが適切に管理されていても、「認可」申請時に代替計画を提出する義務がある。
・ポリマーを欧州へ輸入する際、既に製造過程で消失している構成モノマーを登録する義務がある。
B「認可」の候補物質リストがブラックリスト化し、購買拒否に繋がる可能性がある。
C化学業界のみならず川下ユーザーにも情報伝達の義務が課せられ、しかも非常にタイトな実施スケジュールへの対応が必要とされることから、サプライチェーンに混乱を招く可能性がある。
日化協は、2003年10月に欧州委員会から欧州議会に提出されたREACH案に関して、日欧間の化学品や化学品を含む製品の貿易等に大きな影響を与えることが予想されたため、2004年9月に日化協内に協議会を設立し、欧州議会、欧州委員会、閣僚理事会へ働きかけなどを行うとともに、欧米の化学業界とも連携し改善を図ってきました。
今後、欧州閣僚理事会の合意を経て、来年6月にはREACHが施行されると見込まれています。それを踏まえ、日本化学工業協会では、今後、わが国の化学企業のREACHへの円滑かつ的確な対応をサポートすることに注力すると共に、ガイドライン(RIP:REACH
Implementation Project)の適正化や運用の明確化など、引き続きREACHの動向を注視し、必要な対応をとっていく考えです。
※REACH :the Registration, Evaluation, Authorization and
Restriction of Chemicals
日本経済新聞 2007/5/31
リーチ 欧州の化学物質規制 あす施行
化学大手 対応急ぐ
三菱化学 対象製品データ化
住友化学 グループ横断組織
欧州連合(EU)の新しい化学物質規制「REACH(リーチ)規則」が6月1日から施行されるのを受け、化学大手などが対応を急いでいる。
リーチはEU域内で年1トン以上製造・輸入する化学物質を対象に企業に登録を義務付ける。実際の登録が始まるのは来年6月から。これまで行政が担っていた安全性評価の役割も企業に移し、責任を大幅に拡大する。製品に未登録の物質が含まれる場合、製造・販売が制限される可能性がある。
関係するのは化学会社だけではない。自動車や繊維、家電などの製品に含まれる物質も規制の対象だ。発がん性や蓄積性などがあり、環境や健康に影響する懸念が高い物質が重量比0.1%以上含まれる場合は届け出が必要となる。
EU、国際標準化狙う 企業負担世界で52億ユーロ
▼REACH(リーチ)規則
正式名称は「化学物質の登録・評価・認可に関する規制」。欧州で一定量製造・輸入する化学物質を扱う化学会社や商社などは、安全性を評価したうえで来年6月までに業務を始める欧州化学物質庁に物質を登録しなければならない。「1物質1登録」が原則。複数の事業者が扱う物質は共同でデータを提出し、動物実験などの費用負担を軽減できる。
リーチ規則への主な対応策: | ||||||||||||
|
October
14, 2008 British Rubber & Plastics
First
REACH hit list targets polymer components and additives
Seven chemicals of importance to polymer processors are included in the first 15 substances on the REACH (Registration, Evaluation, Authorisation and restriction of CHemicals) candidate list, which marks them as materials of concern whose presence must be notified.
Communication of information
A clause was added on the duty to inform the public about dangerous substances contained in products. The distribution chain, including consumers who request it, must be informed of the presence of any chemical in an amount greater than 0.1% of the total product weight. The Commission must consider the possibility of establishing a European quality mark for chemical products.
The seven substances on the initial list are:
・フタル酸エステル系可塑剤のDEHP、DBP、BBP
・ポリスチレン用の臭素系難燃剤 HBCDD
・タイヤ添加剤 二塩化コバルト
・ポリウレタン原料MDI製造用のMDA (methylene dianiline)
・ゴム、ペイント、接着剤などの難燃剤 SCCPs(短鎖塩素化パラフィン)
2011/5/22 British Plastics & Rubber
Cadmium ban acknowledges the importance of recycling PVC
A
further step to ban cadmium from being used as a colorant or
stabiliser in plastics is being taken by the European Commission
as an amendment to the REACH regulations. The EC has been
clamping down on the use of cadmium - a carcinogenic substance
which is also toxic in the aquatic environment - since 1988 when
it adopted a resolution for an action programme to combat
environmental pollution by cadmium.
The European Union has generally
prohibited cadmium in plastics since 1992, but the metal was still allowed in
some rigid PVC
as no alternatives were available. However, there now are
alternatives and the European PVC industry's "Vinyl
2010" programme elected to phase out cadmium from all PVC. The problem lies in PVC products
made when cadmium was accepted as a processing aid, and which now
are being recycled.
The REACH amendment becomes
effective from December this year and will be listed in Annex
XVII of the REACH Regulation (Regulation No 1907/2006 for
Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of
Chemicals). In amending REACH the Commission acknowledges that
"PVC is a valuable material that can be recovered a number
of times" and the new legislation allows the re-use
of recovered PVC containing low levels of cadmium in a limited
number of construction products, without danger for the public or
environment - the use of cadmium in all other plastic products is
prohibited. The Commission adds that "in order to fully
inform buyers, construction products that will be made of this
recovered PVC will be marketed with a specific logo."
European Commissioner for the Environment Janez Potocnik
commented: "The measure encourages the recycling of PVC
waste, which represents significant progress in the efforts to
save resources."
The revised REACH regulation also
bans the use of cadmium in brazing ろう付け
rods other than for
"very specific professional uses" and in jewellery.
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Chemicals/REACH: EU to
ban cadmium in jewellery, brazing sticks and all plastics
Reference: IP/11/620 Date: 20/05/2011
Brussels, 20 May 2011
Chemicals/REACH: EU to ban cadmium in jewellery, brazing sticks
and all plastics
Cadmium in jewellery, plastics and brazing sticks will be banned
in the EU from December 2011. High levels of the harmful
substance cadmium have been found in some jewellery articles,
especially in imported imitation jewellery. Consumers including
children risked being exposed to cadmium through skin contact or
through licking. The new legislation prohibits the use of cadmium
in all types of jewellery products, except for antiques. The ban
also covers cadmium in all plastics and brazing sticks, which are
used to join dissimilar materials as fumes that are released
during this process are highly dangerous if inhaled.
European Commission Vice-President Antonio Tajani, responsible
for industry and entrepreneurship said: "This is positive
news for consumers, as well as for industry, since it has already
developed alternatives to this substance. It also proves, once
more, the essential role played by REACH in granting high
standards on health safety. "
European Commissioner for the Environment Janez Poto?nik said:
"The ban on cadmium in jewellery will protect consumers, in
particular children. It is equally good for the environment, as
cadmium-free plastics will help to reduce pollution. The measure
encourages the recycling of PVC waste, which represents
significant progress in the efforts to save resources."
The ban ensures that EU consumers are better protected against
exposure to cadmium, and will reduce environmental pollution from
cadmium. It will be adopted as an amendment under REACH.
The new legislation prohibits cadmium in all plastic products
while encouraging the recovery of PVC waste for use in a number
of construction products. As PVC is a valuable material that can
be recovered a number of times, the new legislation allows the
re-use of recovered PVC containing low levels of cadmium in a
limited number of construction products, without danger for the
public or environment. In order to fully inform buyers,
construction products that will be made of this recovered PVC
will be marketed with a specific logo.
The use of recovered PVC should be encouraged in the manufacture of certain construction products because it allows the reuse of old PVC, which may contain cadmium. Consequently a higher limit value for cadmium should be granted for these construction products. This avoids PVC being discarded in landfills or incinerated causing release of carbon dioxide and cadmium in the environment.
Cadmium is also present
in brazing sticksろう付け棒 , which are used to join
dissimilar materials, and it is used for specific applications
such as amateur modelling of steam engines of trains. Fumes
released during the brazing process are highly dangerous if
inhaled. The use of these brazing materials will be prohibited
except for very specific professional uses.
Background
Cadmium is a carcinogenic substance and is toxic for the aquatic
environment. In 1988 the Council adopted a resolution for an
action programme to combat environmental pollution by cadmium. In
the past it was used as a colouring agent or stabilizer in some
plastic articles. It has been prohibited in the
EU in a number of plastic articles since 1992, but was still allowed in some
rigid PVC as
at that time alternatives were not available on the market. Since
alternatives became available the European PVC industry decided
to phase out cadmium from all PVC as part of a program called “Vinyl 2010”. The use of cadmium in batteries and
electronics has been restricted since 2004. The new ban will be listed in
Annex XVII of the REACH Regulation (Regulation No. 1907/2006 for
Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of
Chemicals).
Vinyl 2010
ヨーロッパの塩ビ関連業界が「持続可能な発展」をめざして2000年3月に結成した非営利団体。2010年を目処としたリサイクル目標や安定剤の使用などについてボランタリーコミットメントを提示し、進捗状況を毎年公表している
Vinyl 2010 is the ten-year voluntary programme on Sustainable Development by the whole PVC industry. We have a concrete focus as set out in the European PVC Industry's Voluntary Commitment - a series of targets, projects, initiatives and research studies primarily concerning environmental protection and resource management. To my knowledge, the programme is unique in Europe or elsewhere.
Key achievements 2000-2010:
- Recycling of available post-consumer PVC waste from non-regulated waste streams reaches 260,842 tonnes in 2010, exceeding the 10-year target
- External verification of ECVM S-PVC and E-PVC production Charters in the EU-27 (2010)
- 50% reduction in lead stabiliser use in the EU-15 achieved two years ahead of time (2008)
- Phthalate risk assessments completed (2005-2006) and published (2006-2008)
- Publication of Environmental Declarations (EPD) for S-PVC and E-PVC (2007)
- Cadmium stabiliser phase-out completed in the EU-15 (2001), EU-25 (2006) and EU-27 (2007)
- Lead stabiliser phase-out by 2015 extended to the EU-25 (2006) and EU-27 (2007)
- Risk assessment on lead stabilisers published (2005)
- Registration of Vinyl 2010 as a Partnership with the Secretariat of the UN Commission on Sustainable Development (2004)
- 25% recycling of pipes, windows and waterproofing membranes 防水膜(2003)
- Bisphenol A phased out of PVC resin production in all ECVM member companies (2001)
EU加盟国の変遷 年 加盟
国数加盟国 1993 12(EU-12) ベルギー 、ドイツ、フランス、 イタリア、 ルクセンブルク 、
オランダ、デンマーク、 アイルランド、イギリス、ギリシャ、ポルトガル、 スペイン1995 15(EU-15) 上記の国と
オーストリア、フィンランド、スウェーデン2004 25(EU-25) 上記の国と
キプロス 、チェコ 、エストニア、 ハンガリー、 ラトビア、
リトアニア 、マルタ、 ポーランド、 スロバキア、スロベニア2007 27(EU-27) 上記の国と
ブルガリア、 ルーマニア